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ゲーデルの哲学 (講談社現代新書) / レビュー総評点:162
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ASIN:406149466X / 売上順位:51985
講談社(1999-08-20)高橋 昌一郎 ¥ 777(中古:¥ 138)
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レビュー総評点:
162
1章では、論理記号を用いず「ゲーデルの不完全性定理」のイメージを
「パズル」を通して理解できるように構成してある。 この「パズル」が、かなり面白いのである。 自分では、「パズル」の解答を完全に理解しているつもりでも、 解答を口に出して、論理的に説明するのは 思いのほか難しかった。 友人と一緒に問題を解くのが望ましいかも。 2章~3章は、ゲーデルの人生の軌跡と業績を丁寧に説明してある。 4章は、晩年のゲーデルがなぜ「神の存在論」に行き着いたかの考察がしてある。 最終章、5章では不完全性定理以降の進展が、 理性の限界とどのように関連しているのか説明してある。 参考文献もきちんと整理されて載せてある。 ただ、素人の立場から言わせてもらうと、参考図書の紹介もして欲しかった。 例え、学会で評価されないとしても、 多くの「学者」が一般向けに良書(この本程度の学術水準)を出版されることを望む。(ゆうがくせい / 2004-01-28)
うーん、やっぱりわからないや。と、これが「ゲーデルの哲学」を読んだ率直な感想。著者が豊富なアナロジーを駆使して不完全性定理のアウトラインを描き出してくれるおかげで、なんとなく分かった気にはなる。でも、不完全性定理の核心やそのスゴさはやっぱり理解できなかった。特に本書の後半に登場する「(神の)存在論的証明」はまったくもってワケがわからず、完全にお手上げ。
ただ、それでも本書を最後まで読み進めることができたのは、クルト・ゲーデルの人生の面白さに負うところが大きい。本書は不完全性定理の解説としても優れている(たぶん)が、なんといってもゲーデルというひとりの天才の苦悩の個人史として秀逸なのだ。 例えばゲーデルは、彼の講師職を廃したウィーン大学と出国を余儀なくさせたオーストリア(オーストリー)政府を最後まで許せず、これらの機関から贈られる賞をことごとく拒否。また、機会があったにもかかわらず、アメリカ移住後は二度とヨーロッパに戻らなかったという。こんなところにゲーデルの妙な人間臭さを感じて、読者としては興味深く彼の人生を楽しむことができた。 ページ数としては普通に1日で読み終わる分量だけど、その内容の理解には一生以上かかりそうな予感だ。新書にしては本当に読み応えのある一冊。まさに一生モノ。 いつかGEB(ゲーデル、エッシャー、バッハ)を読破することを夢見て。(川合亮輔 / 2008-01-05)
ある無矛盾の公理系の中にはAを証明できないし、Aの否定も証明できないという命題Aが証明する、というゲーデルの「不完全性定理」をつかみに、ゲーデルの生涯を紹介している。
不完全性定理は数学の一定理ではあるが、この本を読むかぎり、数学というよりはむしろ国語や論理の話のように思えてくる。 たぶん、ゲーデルの「不完全性定理」の数式そのものをふつうの人がそのまま理解することは難しいのだろう。その点、この本では「不完全性定理はこのようなイメージのもの」と、捉え方のイメージをあたえてくれる(第I章)。このイメージの説明も、ついていくのがやっとだったが、でも、話の内容自体がおもしろいものだから、どうにか理解しようという気持ちにさせてくれる。 5章立ての本だが、不完全性定理を初めてかじる人にはこの第I章を把握できれば、この本を読む価値があったといえるんじゃないか。また、不完全性定理がどんなものか知っており、ゲーデルがどんな人だったかを知りたい方は、第I章は“おさらい”にして、第II章以降のゲーデルの生涯について触れた部分を中心に読まれるとよいだろう。(漆原次郎 / 2004-05-04)
どこかの書評にも出てたけど、数あるゲーデル本の中で一番おもしろかった一冊。なぜゲーデルが不完全性定理に行き着いたのか、彼の哲学人生の苦悩が伝わってくる。調査も文献も詳しいし、ゲーデルに興味ある人には絶対おすすめ!(ESCHER / 2002-10-26)
私が所有しているものと表紙が違うような?
それはよしとして、この本は不完全性定理がどのようなものか厳密には説明していないように思えます。 むしろ後半の章のゲーデルの生涯や神の存在論についての話に興味がそそられます。 3章の不完全性定理の哲学的帰結では、ゲーデルのギブス講演を引用し要所要所で筆者が解説を入れていて大変分かりやすいです。 4章の神の存在論では、ゲーデルの4通の神学的手紙について、同じく要点を解説してくれています。 最後にゲーデルの論文、メモ、手紙などの目録の所蔵まで載せられています。 まさに「ゲーデルの哲学」がゲーデルの手紙や周辺の証言などから伺え知れ、その点で良い本と言えるしょう。(sire / 2005-09-23)
ゲーデルの哲学という題名だけあって、不完全性定理の解説にとどまらず、ゲーデルの伝記、ギブス講演の内容、さらには神の存在論的証明までが詳しい解説とともに収録されています。
スマリヤンの著書に負うところがありそうではあるものの、不完全性定理の導入本として優れていると思います。 また、ゲーデルとその同僚達(アインシュタインなど)の逸話も多数収められている隙のない本でもあります。 (Galois / 2009-03-01)
普通の天才は「私は誰も発見していなかった新しい真理を発見した!」と叫ぶものだが、
ゲーデルは「真理であっても証明出来ない命題がある」と証明してしまったのだ! 知性の限界を証明してしまったのである。 無限の知識を持つ存在は存在出来ないのである。 で、このネタが出てくる。 定義G「全ての真理を知る無矛盾の存在を神と呼ぶ」 定義Gとゲーデルの不完全性定理から次の定理が導き出される。 ゲーデルの最終定理「神は存在しない」 うぉぉぉ!なんてエレガントな解答だ。たった三行ですぞ! 完全性定理、不完全性定理、カントールの連続体仮説の無矛盾性、アインシュタインの宇宙方程式の解、 そして神の存在証明と ゲーデルの全仕事をパズルや小説を例に出して判り易く解説した良書。 死刑囚のパラドックスは現在の数学会では抜き打ちテストのパラドックスと呼ばれているみたいざんす。 新ネタとしては、アラン・チューリングの人間機械論+不完全性定理とか ワクワクする新ネタも満載でおま! 全ての次元の全ての宇宙の知的生命体必読の書。 (ゴルディアス / 2006-12-29)
予備知識のない人でも、簡単に読め、一応の知識を得ることができるので、数学嫌いにもお勧め。ただしもう少し専門書のリストなどあれば良かったか。( / )
まだ、ゲーテルの不完全性定理の証明を確認していません。
いつかは内容の確認をしたいと思います。 それまでの間に、ゲーテルについて少しでも知っていれば、 なにかの足しになるかもしれないと思いました。 新書に分かりやすくゲーテルの情報がまとめられているので嬉しいです。 (kaizen / 2009-09-17)
ゲーデル関係を読むのは本書が初めてである。
まず彼の不完全性理論に関しては 流石に 全くの素人であるので よくわかりましたとは到底言い難い。いや ほとんどよく解らなかったという方が正直なところだ。但し著者が「パズル」で説明しようとしているおかげで 雰囲気は感じた。おそらく 本書を初めて読んだものとしては そんなところで良いのだと思う。そこから先はまた自分で 今後どのように読んでいくのか、もしくは そもそも今後もゲーデルに関して読んでいくのかどうかも含めて自分で考えることなのだ。 二点目として 哲学と数学の境界線に触れた点に大変興味を感じた。アインシュタインと ウィトゲンシュタインが 同じ地平線の上に出てきている「知」の世界を 遠くから眺めた思いである。そもそも 哲学とは 世の中の成り立ちを探究する学問だと定義するなら ある意味で当然のことなのかもしれない。 最後にゲーデルが「神」を扱った点が面白かった。神を「論理」で実在の有無を考えていくという作業には 無類の興味と ある種の不毛を感じたからだ。 ここで 僕が「不毛」と言う「不遜さ」はあると僕自身は思う。但し 現代の宗教を起因とする様々な人間の歪みを見るにつけて 「神」を論理的に考えていくことが どこまで意味があるのかが 僕には見えないからだ。 たとえば ゲーデルが 「無門関」に登場したらどうなるのかを考えても楽しい。おそらくは一喝されるだけだろうから。但し もしかしたらゲーデルも「公案」には大いに興味も示すかもしれない。 ということで 非常に興味深い読書にはなった。このような読まれ方をすることが著者の意図とは思えないのだが。(くにたち蟄居日記 / 2008-12-08)
ゲーテルの不完全性定理とそこから導かれる神の存在否定(内容は存在を証明できない)を数式を使うことなく読者に説明している本です。
不完全性定理と彼が導いた他の定理を色々なトピックス(例え話)で紹介していますが、ハッキリ言って難しです。 例え話を無理して理解するよりも、ゲーテルの伝記・評伝として読むと面白いと思います。天才的な発想をするゲーテルの人となりと、彼を取り巻く人々の関わりがよくわかります。天才はやはり何処か常識人と違います。 洋の東西を問わず神は信じられています。一神教か多神教かは色々あります。でもその事が民族間での争い、戦争、殺戮が行われる原因の一部であるのはナンセンスです。神の存在を証明できないから、どちらが正しいかは人間では判断できないのです。その事を本書では述べていると思います。 まさに「神のみぞ知る」です。(お江戸のご隠居 / 2008-02-14)
この本を推薦している人たちは内容が理解できたのだろうか。
綿密な議論を避けて読者に直観的に解らせる、ということが至難の業であることはわかる。しかし、読んでいる途中で読者を不安にさせてはいけない。読者はこの段階でこの程度に理解しているはずだ(この程度にしか理解していないはずだ)という認識を絶えず保持しながら記述を進めるのが、この種の本を書く著者の最低限の条件ではないか。この本は、わかっている者にはわかるが、わかっていない者にはさっぱりわからない、というしかない。 第1章「不完全性定理のイメージ」を例にあげる。 著者は、読者に直観的イメージを喚起させるため“レイモンド・スマリヤンが作った”“パズル”を“単純化して用いる”としているが、“単純化”は話をこんがらせているだけ。結局スマリヤンの原書(の翻訳)を読むしかない。 「真理の対応理論」というものを理解(少なくとも直観的に納得)しないと後の記述がわけのわからないものになる。先へ進むには「対応理論」のより詳しい説明がどうしても必要なのだが、著者はそこのところがわかっていないらしい。(“第3章参照”とあるが納得できる説明はどこにもない。)結局、「対応理論」を承認する者にとってのみ「不完全性定理」は“真”(あるいは“意味がある”)ということになってしまう。それでは著者の意に反するだろう。 他の章も同じ。文章が上すべりしている。定義のない初出のことばが不用意に頻出する。読者に親切とはどうしても言えない。この本を書いた著者の狙いが中途半端だった、というべきかもしれない。 とはいえ、ゲーデルの生涯と20世紀前半の論理数学者たちの苦闘と葛藤の歴史の紹介はやはりおもしろい。その点での著者の労は認めるべきだろう。 (白い猫 / 2008-04-30)
この書は何度も読んでみましたが、結局、日本人にはゲーデルが存在証明をしようとした聖書に書かれている神が、その神を信じる、信じないにかかわりなく、ごく当たり前に思考の中に組み込まれているキリスト教の国の人のようには理解できないと改めて実感しました。この本の著者も、キリスト教の国々で聖書の神を信じないのと、この日本で聖書の神を信じない、その意味合いの違いが区別できていないのです。特にキリスト教の国の人の書いた文章を引用するくだりではそれが如実に現れます。
それゆえに、この本を私が何度も読んで気に入った部分があったのにもかかわらず星3つにした理由です。 聖書においては人間は神という全知全能なお方が理性に限界がある存在として創造されたものであると徹頭徹尾教えられ、それを認めないと正統なキリスト教徒と呼ばれず、カルト視されるだけなのです。(The God created a natural science / 2007-11-27) レビュー数 13 [amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 この商品をリストに入れている人:
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