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国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) / レビュー総評点:335
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ASIN:4101331715 / 売上順位:8695
新潮社(2007-10)佐藤 優 ¥ 740(中古:¥ 98)
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佐藤優氏は外務省のノンキャリアでロシア大使館での仕事に従事した後、日本に戻って特殊情報(いわゆるインテリジェンス)担当となる。
外交というものはあくまで国益を追求すべきものだから、必ずしも正々堂々がいい訳ではない。北方領土も、現状を踏まえて且つ相手国たるロシアが本質的に求めるものは何か、を追求しつつ、政治と経済と組み合わせて交渉するのが正しい。 佐藤氏はインテリジェンスの内でも、それまでの経験を活かしたロシア、東欧の仕事が主となる。そしてロシアといえば北海道出身の議員、鈴木宗男氏。「ムネオ・ハウス」なんかで有名になった人。結局佐藤優氏は盟友ともいえる鈴木議員に連座する形で起訴された。 僕はこの本を読むまで鈴木宗男氏は利権をむさぼる汚い奴と思っていた。そして連座した佐藤優氏も典型的な世の中の常識からずれた外務官僚と思っていたが、この本を読んで、それが誰か及びマスコミによって作り上げられた歪んだイメージで、真実はこの本に書かれていることの方が近いと感じた。鈴木氏は利権をむさぼる人ではない。また佐藤氏担当検事の西村氏も指摘していたように、鈴木氏はその政治力、押しの強さ、理念を実現できる強さから多欲な他人、たとえば田中真紀子から嫉妬を受け、しかも鈴木氏自身の欲が少ない為、そのような嫉妬自体に気がつかない。従ってその地位から引きずり下ろされたという。 鈴木氏は立派な政治家だ。そして鈴木氏とタッグを組んで日本の国益の為に頑張った佐藤氏も立派だ。二人とも真の日本男児といえる。 一方の魑魅魍魎、事なかれ主義、必要な時には鈴木氏に土下座してまで従う姿勢をとりながら、いざ鈴木氏が訴追されると、「鈴木氏の強いプレッシャーによってあんなこと、こんなことをさせられた」と掌を返したようなことをする外務官僚たちとは対照的だ。 僕が興味深かったのは検察官同士のこの会話だ。「この国=日本の識字率は5%以下だからね。新聞に一片の真実が出ているもそれを読むのは5%。残り95%の世論はワイドショーと週刊誌によって形成されるのだ」。 鈴木氏と佐藤氏とが国策捜査の対象になったのは、「時代のけじめ」のためだと(検察官が)いうが、それを望んだのは僕ら一般国民の空気だ。マスコミのもたらす表面づらをなぞった情報でもって二人を断罪しようとしたから特捜が動いたのだ。 その意味ではワイドショーと週刊誌によって物事を判断する低俗な僕らが彼らを獄に追いやったともいえる。 僕らは猛烈に反省しなければなるまい。 (韓国の龍 / 2009-02-25)
情報専門家として国家の権力を知り尽くした著者は、「国策捜査に巻き込まれた以上、勝ち目は無い」と考える。その上で、検察との心理ゲームにおいて、事実と異なる供述をすることなく、被害の最小化を図る筆者の胆力が、著者の情報専門家としてのキャリアや美学を良くあらわしている。
検察側が用意した穴(検察が構築したストーリー)を著者が選択するシーンを読むと、「検察=正義の味方」といナイーブなイメージを持っていたことを反省するとともに、それを助長している記者クラブに代表されるマスコミの問題点についても考えさせられる。なぜ、マスコミは、裏も取らずに、検察からのリーク情報を垂れ流しにするのか?公務員である検察が捜査・取調べ情報をリークし、世論を操作することは許されないはずだ。 今回の国策捜査の目的や背景に対する著者の見立てや、田中真紀子が外相となってからの外務省の混乱に関する記述も非常に興味深い。また、川上弘美の解説も秀逸である。 今後のニュースの読み方を変える、価値のある本である。(BOB / 2008-08-07)
著者の本を読んだのはこの本が初めてだったが、詳細な事象に基づく淡々とした文章展開で、著者の知性の高さが感じられ、一気に読み終えた。政治とその裏で権力に平伏し自己保身に走る官僚の姿をありありと想像させられた。
田中真紀子が引き起こした外務省での騒動、鈴木宗男との確執、外務大臣更迭に至るまでの経緯など、一般に報じられていない内部事情を公開しており、こういう事実がもっと国民の知るところになるべきだと感じる。 日本国民は人気(にんき)ばかりで政治家を選ぶ傾向が多々あるが、あまりにも政治音痴過ぎるのもどうかと考えさせられる。「出る杭は打つ」という暗黙の風潮、成功者や目立ちすぎるものを妬む社会、日本が政治・経済の成長を停滞させている要因であり、将来を考えるとなんだか日本という国に対して悲観的になりました。私自身、海外生活が長くなりましたが、本帰国することは当面ないですね。 とにかく、読んで後悔する本ではありません。一読の価値はあります。 (mineralwater / 2008-04-12)
とても面白い本です。外交・検察官の取調べ・政治家・国策などについて考えさせれる本です。特に被疑者と検察官との駆け引きは息詰まるような迫真さがあります。またロシア外交をめぐる秘話などとても興味深いです。非常に内容の濃密な本です。国家の真実を知るのに役立つ本なのではないかと思います。厚い本ですが、最後まで、飽きさせずに読ませてもらいました。著者の国家への姿勢は、終始ぶれなく一貫しているように思いました。その姿勢には、感嘆させられるものがありました。(フィラデルフィアン / 2008-07-19)
ムネオ事件の内幕を赤裸々に綴っただけでも超一級の歴史資料。「国策捜査」の中身を知ると、あのマスコミのバッシングは何だったのかがよくわかります。そういえば、あのころ世の中おかしかった。小泉旋風と構造改革の熱が冷めた今、残ったのは著者が指摘しているナショナリズムとワイドショー政治だけなのかと思うと暗澹たる思いです。真面目にものを考えている人はどこにいるのだろうか。
読みどころは、拘置所に入ってからの検察官とのやりとりだと私は思います。誰もが拘禁症状に苦しみ、外に出たいと思う塀の中で、妙に生き生きしているのは、著者が生粋の情報屋だからです。情報屋にとって、情報そのものは問題ではない。情報のやりとり自体が問題なので、情報が入ってこない塀の中では、検事とやりとりするしかない。そこから意味を見出すことこそ、情報屋の情報屋たるゆえんです。情報の雑音も多い外部の世界から隔離され、一点にのみ精神を集中できる喜び。この部分の文章には、そうした喜びがあふれています。 驚くべき記憶力によって可能になった検事とのやりとりの再現によって、あの時なにが起こっていたのかという真実を知るとともに、喜びにあふれた文章を読めるという、読書好きならたまらない魅惑の本です。(文字読み / 2007-11-11)
なぜあのときあれほどまでに鈴木宗夫がバッシングを受けたのかよく分かりました。そして、国策捜査という民主主義に対する挑戦もよく分かりました。大手マスコミがほぼ腐っている現状では、このような本を通じてしか事実に近づくことができないのは本当に恥ずかしい話です。国民の知る権利を侵害してるのは大手マスコミなんじゃないかと最近つくづく思いますね。どのような理由があるにせよ、簡単に権力に迎合し、その瞬間瞬間の事実をきちんと世に問うことができないマスコミなら、もう必要ないし、第4の権力を掲げるのはやめてもらいたいです。
まぁ、しかし一方で、人間が作る世の中なんて完璧じゃないのも事実でしょうから、真実は歴史家の手に委ねようという著者の姿勢に非常に好感を覚えます。 最後に、やっぱり最後まで筋を通す人間は格好いいと思いました。真の愛国者ってきっとこういう人です。読んで損のない本です。(出足は最悪 / 2009-01-18)
本書を読むまで、私は著者を誤解していた。こういう内容の本が書ける程の人物とは思っていなかったのだ。今はその誤解を大変に恥かしく思う。
本書は、「当事者」が書いたものであるだけに、客観的な事実から程遠い認識も相当箇所存在するのだろうが、それを割り引いて見ても、大いに考えさせる内容である。勿論、「一人称で書かれた小説」として本書を捉える事も可能であり、また「そう考えても不思議でないほど面白い」のであるが、いずれにせよ、大変に興味深い内容である事は間違いない。 こういう人(良い意味でも、悪い意味でも)が外務省という役所で役人をやっていたのか‥と思うと、ちょっと愉しい。(コンタナトス / 2008-03-17)
“時代にけじめをつけるために政府は国策捜査を必要とし、ケインズ型路線からハイエク型路線へ日本の政治が移行するとき、その境界線上にいる鈴木宗男が葬り去られるしかなかった。 その渦中にいた自分も−” 実にショッキングな内容でした。 恥ずかしながら国策捜査なるものが何かも知りませんでした。さらに歴史上それが何度も行われてきたということも。
佐藤氏の考察が真実なのかどうかは私には知る由もありませんが、少なくとも当事者でありながら、獄中でこのような冷静沈着な考察をすることができる佐藤氏という人物にむしろ驚嘆してしまいます。 それに読んでいて面白いのは、大物政治家にせよ、検察官にせよ、ロシア政府の高官にせよ、佐藤氏と付き合いのある人達は、みなそれぞれ一本筋の通った人物ばかりのように見受けられるのですが、これはむしろ佐藤氏と付き合う人達自身、彼の前では誠実にならざるを得ないから−というのが理由であるような気がします。 それは佐藤氏が、一個の人間としていかに誠実に生きるか、日本の外務省員としてどうすれば良い仕事が出来るか、そして世界の平和のために何が出来るか−を、ギリギリまで自分に問うてから行動するが故なのではないかと推察されます。 かなり詳細な記録書ですが、私のような素人は細かい説明は多少飛ばし読みしても、そういったものを感じ取れただけでも収穫でした。 (raywayne / 2007-12-17)
久々に読み応えのある本だった。決して本を読むのが遅くないと思う自分が、何回もの出張に持参して、やっと読み終えた。
3章までは著者が行っていた、普段あまり明らかにされることのない国の「情報戦」の実態について。ロシアに踏み込んだ内容なので、慣れてない人は読みにくいかもしれないが、外務省を巡るあの田中眞紀子と鈴木宗男の戦いの裏話は面白いし、ここでの伏線がその後の逮捕に繋がるので、読み飛ばせない。 4〜5章は「国策捜査」という名のもとで、「犯罪」がいかに作りあげられて行くかが綿密かつ迫力満点に描かれている。「国策捜査」が、どのような人を対象に、なぜ行われるのか、「冤罪」とはどのように違うのか、というポイントに対する検察と著者のやりとりは、大変面白い。 最後の章では、一般には知られていない東京拘置所での様子や生活、それに独房とはどういう所なのか、が描かれていて興味をそそる。特に「死刑確定囚」がどのように扱われているかに関するくだりは、胸に響くものがあった。 全体を通して、著者が優れた頭脳と見識の両方を持っている人物であること、そしていかにマスコミは信用できないか、ということが、よく理解できる。「国策捜査の対象は一流の人物なので、逮捕後もその能力を社会で活かせるよう、うまい形で再出発できるように配慮するのが、(国策捜査の)特捜検事の腕」というくだりがあるが、その通り、著者が文筆家や批評家としてではなく、もっと日本の核となる部分に一刻も早く復帰できる事を願う。 日本の真実(少なくとも、マスコミとは異なる視点)を知るために、少し難しいが、全ての方にお勧めしたい本。(Ray / 2009-08-08)
日本近現代政治(史)に興味ある人なら読んでおくべきというか読んでて然るべき書だと思います。この手の内容は(私の頭に入らないだろうと)敬遠していたのですが、すらすら読めました。
著者の、端から見たらストイックな生き様に感動し、文庫版後書き(p539)を読んでは格好良いとはこの事かとしみじみ想い。 解説者の川上氏の文章前半にもどかしさを覚えたのも束の間、p545からの鋭い視点に感銘を受け。 読んで良かった!もっと早く知るべきだった! 熱心な読書家ではないですが、そう思った本は・・・・・・久しぶりです。 佐藤さんには公に発表する事を選んでくれてありがとうございます。 同時代に彼や彼の様な傑物がいることに想いを馳せつつ失礼します。(アリア / 2009-01-21)
身柄を拘束された被疑者が、次々に検察が掘った穴に陥落していくなかで、超人的な精神力を持って否認を続ける、佐藤優氏のパワーに驚かされる。取調べの担当検察官である西村氏とのやり取りも、スリリングで興味深い。佐藤氏は、512日に渡る拘留期間にもめげず、却って、これを読書をし思想をする良い機会と捉える。
国家という組織の力を持って、国策で逮捕されたならば、あとは、検察官の作った作文に従って落ちるしか道はない。執行猶予という「弁当」を付けてもらって、第二の人生を歩むしか道はないのだ。それが普通であるのだが、佐藤優は、国家、国体維持のため、国益を第一として行動する。自分の身を守るために、供述するのではなく、日本におけるインテリジェンスの専門家として、筋を通して、検察側と対立する。 最高裁まで行っても、有罪の判決が出ることは間違いないが、数十年後に明らかになる外交機密情報によって、自分の主張が正しかったと証明されることを見越した上で、否認を続けるのだ。 本人は起訴休職中の外務省に戻る気はないようだが、このような有能な情報マンを失った場合の、日本の国益の損失は大きい。ただ、本人もこの事件があったおかげで、本の執筆や講演活動を行うことが出来て良かったと、ある講演会で話はしている。実に大局的で、前向きの解釈をする人だ。 この国策捜査の歴史的位置付けとして、ケインズ型公平配分路線から、ハイエク型新自由主義へと移る、「時代のけじめ」として行われたものだと分析しているあたりも、興味深い。さらには、国際協調的愛国主義から、排外主義的ナシュナリズムへと国際路線を変更するために、格好の事件となったとの記述もあり、なるほどと思わされる。 最後に、総理経験者にまで話が及びそうになった段階で、上の圧力で捜査にブレーキがかかった。最後まで国家権力によって左右された事件だったのだ。(ひろ×3 / 2009-01-12)
「国策捜査」。世にその存在を広く知らしめたのが本書である。
2002年、「ムネオ事件」にかかわったとされ、逮捕・拘留された筆者は、検察官との厳しい攻防の中で告げられる。「これは『国策捜査』だ。」 この国策捜査との獄中・法廷での対決を描いた、当事者の証言であると共に、一級のドラマにも読める。 数々のエピソード・背景記述がとてもおもしろい。 まず、ムネオ事件発端となる、2002年1月の、アフガニスタン復興支援会議でのピースウウインズ・ジャパン外し事件。外務省が外す事を鈴木宗男議員に伝えたのは佐々江賢一郎審議官。その後六ヶ国協議首席代表。 取調べの間弁護人に要請した、クオーター化の原則。これは檻の中の者には極力情報を与えず、全体像に関する情報は弁護団だけが持つこと。 外務省が共産党に情報を渡すとき、後でバレたら公安警察が動く。だから、正義の告発者を装うための保険として民主党にも送った。 日本政府の中で、国際法や国際条約についての最終的な解釈権は外務省条約局長が持っている。 などなど・・・ なお、数々の裏切りの中、元上司の東郷和彦氏とのエピソードの結末は、「文庫版あとがき」まで待たなくてはならなかった。(一K / 2009-05-03)
本来語るべきことを語らないままあくまでも自己保身の執念を貫き、それでいてなんと巧妙で様々な教訓に満ちた本だろう!
(Krokodil Gena / 2008-11-17)
ラスプーチン(1871-1916)・・・ロシア帝国崩壊の原因を作った祈祷者。
その題名から、日露関係に関する詳細が記述されているものと思い読み始めたが、 内容は鈴木宗男氏の贈収賄事件にまつわる真相を明かし、そこから国策捜査について考察するものであった。 第1章は、著者の逮捕前夜の状況から始まり、第2章以降は時計の針を戻して、 田中真紀子外相と鈴木元外相の確執と日露関係を通じて著者がこの政争に巻き込まれる経緯が書き進められていく。 その中には、ロシアの政治家の気質やゴルバチョフからエリツィン、プーチンに至る日露関係についてもできるかぎりの詳細が書かれており、興味深かった。 ただ、政治の権力関係や外務省内部のドロドロした人事の話にはあまり興味がなかったので、読み始めは興味よりもは嫌悪感のほうが強かったのも事実である。 そこから、俄然面白くなったのは、第5章以降に書かれている国策捜査の考察である。 「国策捜査とは、時代のけじめをつけるもの」であり、 「鈴木宗男事件とは、公平分配型の政治(小泉内閣以前の政治)から自由主義型の政治(小泉内閣の政治)への転換点におけるけじめであった」 というのは非常に興味深かった。 政治の転換点に時代のけじめがあるというのは、いつにおいてもそうだと感じられる。 昨今の安倍内閣から福田内閣の転換においても、あれだけの不祥事が立て続けに明らかにされたというのはなにか時代のけじめのようなものが感じられる。 そこから一歩先に進めて、安倍氏が組閣した人事を引き継いだ福田内閣では不祥事が全く起こらないというのもなにか納得がいく。 本書を読んでいて残念だと思うのは、検察の捜査にこれだけ冷静に対処している人でありながら、 あまりにも事件における自己の正当性や情報のプロであることを繰り返し強調されるので、 読んでいて自尊心が強い(プライドが高い)人という印象を持ってしまったこと。 ただ、ムネオハウスや疑惑のデパートなどと揶揄された鈴木宗男氏の再評価ができたのは非常に良かったと思う。 過去のロッキード事件やリクルート事件に関しても、分析した書物があれば機会を捕らえて読んでみたいと思った。(tenagazaru / 2008-06-22)
外務省の現役官僚だった著者が、背任罪、偽計業務妨害罪に問われるまでの経緯と逮捕後の取調べや裁判の様子が、克明かつ臨場感たっぷりに描かれている。ただし、著者自身があまりにも優秀かつ冷静沈着で、私利私欲を持たない諜報部員007のように描かれているので、はたして本書に書かれている事実が真実なのか、どれほど客観性があるのかと疑ってしまう。田中眞紀子をして「伏魔殿」と言わしめた外務省という組織の複雑性や、一般市民の常識から乖離した内部抗争に関する記述は、その渦中に外交官として身をおいたことがある著者だからこそ知り得た事実であろうし、情報価値も高いと思う。著者が、外務省内部の構造を、批判も言い訳もせずに淡々と書いているのは、客観的に見ているからというよりは、著者自身が、かつてその一員として、その内部構造を当然のこととして受け入れ、活動してきたからではないかと思う。田中眞紀子については、あくまで「悪人」であることを前提に話が展開するが、この点についての記述が薄く、なぜ田中大臣があれほどまでに毛嫌いされ、外務省から排除されなければならなかったかについて、説得力を欠く。ここに、著者の「外交の専門家」たる元外交官としての傲慢さを感じる。(Izolde / 2008-04-19)
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