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No.1-1 ▼
ジーン・ワルツ / レビュー総評点:192
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ASIN:4103065710 / 売上順位:2648
新潮社(2008-03)海堂 尊 ¥ 1,575(中古:¥ 597)
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レビュー総評点:
192
泣きました…。
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著者の作品はどれも面白いので欠かさず読んでいますが、
この作品は2児の母の私には、号泣な作品でした。 (知的興味をくすぐられる場面や、んっ!それは…な部分もありましたが。) お産は安全と考えている妊婦さんに読んで貰いたい作品です。 私も経験するまでは、日本のお産は安全だと思っておりました。 (医療が進んでいるので、NICUなどで助かるだろうと。 医療従事者なので医療知識もあるからなど…。知識があっても現実は厳しいです。) 健康に赤ちゃんが産まれてくれるだけで、どれほど幸せな事か噛締められる作品です。 特に、ラストの出産シーンでは号泣しっぱなしだったので、旦那が心配するほどでした(笑) 私だったら耐えられないだろう事も、 登場人物たちが耐えて幸せに代えていこうとする力に(著者の読ませる力に) 読書後も世界観を引きずってしまいました。 しばらく、ここまで陶酔出来る(考えさせられる)作品に出会えなかったので、 読者になれて嬉しい作品です。 「ジーン・ワルツ」という、タイトルも成る程な!と、著者のセンスの良さを感じます。 (アココ / 2008-12-04)
いつも楽しみにしている海堂尊さんの新作は、婦人科医療。これまでの軽妙な語り口はそのままに、現代の産婦人科医療や不妊治療、代理母などの問題をクール・ウィッチと呼ばれる新キャラの女性医師が切れ味鋭く語ってくれます。これまでの「医療ミステリー」よりも、より「社会派もの」に傾斜してますが、ぐいぐい読ませてくれる筆力はさすがで、一気読みでした。最後の出産シーンは迫力。立会いの経験のある私は、震えました。お勧めです。(探偵デプロ / 2008-03-20)
現代の産婦人科医師不足の抱える問題を、医師と言う立場から描いた意欲作。
五体満足な子供が生まれてくることは、生物発生学の見地からすると奇跡にひとしいという、事実。「チームバチスタの奇跡」の一連のサスペンスとは全く異なる意図を持って書かれた書と思えた。 不妊治療を試み、代理出産をも手がける医師、曽根崎理恵。その信念に揺るぎはない。しかし、倫理的視点に立ったとき、その行為は認められるものなのか賛否は分かれることだろう。 作者はあくまでも客観的立場から問題を投げかけているが、それ以前にお産のトラブルによって、「医師」をも追われる産婦人科医の現状は考えなくてはならない。 人気作家の作品ゆえに、多くの人々の目に触れ、産婦人科医療を考えるきっかけになればと思わずにいられない。小説と言う形をとってはいるが、非常にメッセージ性の強い作品だった。 (美花絵留 / 2008-11-24)
チームバチスタの栄光の海道尊が書く産科を題材とするミステリー
医学の進歩により、代理母や人工授精などの技術が進歩しているのに 対し、法整備など国の受け入れ態勢が整っていない間隙を突いている作品。 チームバチスタが”いつ死んだか”を扱った作品とすると ジーンワルツは”いつ生まれたか”を扱った作品でとても共通性がある。 主な登場人物は、女医で人工授精のエキスパート曽根崎理恵、 先輩医師に当たる清川医師そして、4人の妊婦と5つの受精卵 たちの物語である。海道シリーズでは、他の本の多くのメンバーが 関係して登場するものの、この本では、桜宮ぐらいしか重複しない もともとは小説新潮に半年にわたって連載されたものですが、 連載ものにありがちな、話が飛ぶ感じがほとんどなく、 チームバチスタのように一気に読んでしまう勢いのある本です。 ちょっとだけ残念なのが2点あります。 ひとつは、医師と妊婦だけという少ない 登場人物のせいか、話が少し狭くなっている感じがします。 二つめは現実の産婦人科医の逮捕などをモチーフにしている せいもあり、この隙間を知っている人は結末が予想できる 範囲に留まっている点です。 難しい現実に、明るく取り組もうとする2人の医師の姿は 同感できますし、それぞれの登場人物のキャラが立っていて ぐいぐい物語に引き込まれるのはチームバチスタ同様秀逸です。 唯一キャラが不鮮明な55歳の妊婦、山吹みどりも最後で なぜ不鮮明かの謎解きがあり、とても面白い本になっています。 現実の妊娠に関わる社会システムの回答としては問題があるとは 思いますが、問題をうまくとらえ、小説に仕上げている 技量は素晴らしいですし、評価されるべきだと思います。 小難しいことは考えずに一気に読んでしまえるこの本は ぜひこれも文庫本化して欲しいなと思いました。(親カッパ / 2008-08-17)
東城大学医学部を卒業、帝華大学に入学した産婦人科医曽根崎理恵。彼女は、不妊治療を専門とし顕微鏡下人工受精のエキスパートであった。院長の息子の医師がお産中の予期せぬ事故で逮捕され拘留されてしまい閉院を間もなく迎えるマリアクリニックで彼女は、5人の妊婦のお産の担当医でもあった。19歳で父親も知れず中絶希望のユミ、そして34歳の第2子妊娠中の女性、共働きで命を授かり産むかどうかを悩んでいる女性、不妊治療5年目にして授かった39歳の女性、そして同じく不妊治療で授かった55歳の女性。新たなる生命誕生までのお話と代理出産等今話題の不妊治療の現状とは!?★今回ももちろん医療物です。★期せずして母になろうとしている女性、そしてその反対でやっと我が子を授かる事が出来るようになった女性。予期せぬアクシデント等はある中で母としての心情の変化に涙しました。★そして、発展して行く医療の現場…。それなのに古い旧体制の法律や厚生省の考え等、少子高齢化の今改めて考えなければいけない事をギュッと濃縮されていると思う。諏訪マタニティークリニックの院長を彷彿させる理恵のこれからの活躍に期待したいと読者として思う。(しろくま / 2008-03-24)
2008年3月20日リリース。初出は『小説新潮』で2007年6月号〜12月号。海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、を白日の下に曝す。この作品では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示している。
この作品でも惚れ惚れするような医者が登場してくる。この作品の主人公理恵の言葉は正に産婦人科の現場の言葉であり、現代の女性の言葉だ。そしてこの作品だけは主人公が女性である必要があったようだ。ラストに向かうほど『子供を産む』ということを、いろいろな立場の女性が考え、決断していく姿にかつてない感動を覚えた。 この作品は現時点で海堂氏の最高傑作だと思う。この作品を霞ヶ関の役人どもは読んで参考にするだろうか。『白鳥』のような役人がいて、霞ヶ関が根本的に変わらなければ日本なんてすぐ崩壊だな、と読了して思った。(voodootalk / 2008-08-13)
チームバチスタの大学病院や、これまでのキャラクターは出てくる事もなく(主人公の出身大学として東城大が出てくるくらい)、独立したお話です。
現実にもあった、産科医師の逮捕、そしてそれによって引き起こされた各地の産科の縮小や、赤ちゃんポストそして代理母や顕微授精等、出産にまつわる最近のトピックに触れながら、医療行政の失敗に対しての筆者の怒りが伝わってきます。 『チームバチスタの栄光』が、筆者の死亡時医学検索のアピールを小説という形を用いて行われたのに対して、同様の形で、医療行政の失敗や産科の現状についてのアピールが読み取れました。『チームバチスタの栄光』はまず小説としての面白さがあったのですが、今作はどうしても『チームバチスタの栄光』の本意を筆者のインタビュー記事等を通して知ってしまうと、同じ構造が見て取れて、情報を詰め込もうとしているところや、どこか説教臭さを僕は感じてしまいました。 エンターテイメントとしては星はそんなに高くなく、筆者の怒りのエッセイとして捉えた時には星5つだと思います。(wh_cm / 2008-05-01)
「ブラックペアン」を読んだ後だからか、物足りなさは否めませんでした。
私も女性で出産経験がありますが、理恵の「女としてのイヤらしさ」はどうにも共感できませんでした。 海堂さんの小説のキャラは憎らしくとも嫌いになれないキャラが多いのですが、 理恵だけは受け入れられなかったです。 「最終保険」をかけるためにわざわざ他人を巻き込む必要はあったのか? (彼女は何も知らずにこの先吾郎君を育てていくのか…) 医者の越権行為であり、こんな危険性があるなら体外受精なんて恐ろしくてできないだろうと思います。 実際本当の子供かどうかは女にしか分からない、ということも事実は事実なんだろうけれども ちょっと乱暴さを感じました。それ言っちゃ身も蓋もないでしょう、と。 男の人はどう感じるのでしょうね。子育てや出産に夢も抱かなくなるんじゃないでしょうか。。。 厚生労働省のくだりもしつこく、物語の不自然なところに所々に入ってくるので正直読みにくかったです。 内部告発の件も犯人はわかったものの、最終的にはスルーされてまた和解してるし、中途半端。 ハードカバーで買うまでもなかったです。文庫出るまで待てばよかった。 出産シーンは感動しましたが、印象に残ってるのはそこくらいかな。 本当の主役はユミだと思います。彼女が一番「妊娠、出産を機に変われた人間」だと思います。 彼女の成長をもっと書いて欲しかったなぁ。 今年の秋に菅野美穂さん主演で映画化されるようですが、どうなるのでしょうね。(naomin920 / 2010-01-20)
海堂氏の作品を知ったのは、ご存じ「チーム・バチスタの栄光」。最初、ミステリーとして読んだわけであるが、彼の作品はミステリーではない。ミステリーと言えば、やはり東野圭吾ということになるだろう。
彼の作品の面白さは、謎解きというよりは小説という道具を借りた医療業界への問題提起である。「ジェネラルルージュの凱旋」では日本の救急救命医療への問題提起をしたが、今回は、産婦人科医療についてである。彼の作品をミステリーとして読むと面白くないかもしれないが、エンターテイメント性は十分にある(それは別に笑えるということでなくinterestingということである)。 本作は白鳥シリーズではないが、医療小説としては、ぴか一の面白さであろう。重たい内容ではあるが、読んでいくうちにぐいぐい引き込まれていく見事なストーリー展開、たたみかけるようなセリフ。主人公の大胆不敵ぶりには、爽快感すら覚える。ぜひとも、これを厚生労働省の役人に読んでもらいたいものである。一読の価値は十分にある。海堂氏には引き続き、この路線で小説を書き続けてもらいたい。 (松本秀夫 / 2008-06-05)
現役産婦人科医師です。
いささか荒唐無稽の感は否めませんが、この小説によって一般の方々の産婦人科医療への理解が深まることを期待しています。 ただし、文中に何度も登場する「人工授精」ですが、正しくは「顕微授精」と言います。「人工授精」は別種の不妊治療です。 一般の方々が理解しやすいように敢えて「人工授精」で通しているのかもしれませんが、海棠氏の作品は影響力が大きいので、用語の誤りはなるべく避けて欲しいと思います。(ICSI / 2008-04-17)
医学のたまごの薫くんのルーツがここで明らかになります。ということは他の赤ちゃんも今後いろんな所に?次回作に期待させられます。厚労省が医療崩壊へ誘導して行く施策に相変わらずするどくメスが入ります。私も現役の医者ですが厚労省をこのように批判できる文章力と才能が欲しい。崩壊する医療をどげんかせんと!(スクーデリア / 2008-04-03)
最近産婦人科医療に関して、問題視はされてはいましたが、現場を知らない市民としてどこに視点をおいて解決していくべきかに対する現場のメッセージを受け取ることが出来、大変感慨深い作品でした。
また、同時に断片的でありながら、お茶の間に伝わるニュースと繋ぎより発展した意識をもつことができるように思います。 作品の内容も医療の現状と共に、生命誕生に際する母性と意欲が大きくうかびあがり感銘を受けました。 また、個人的には『デジタルでバーチャルな世界では、複製はオリジナルに極めて忠実だ。だが生物世界では違う。そこには必ずノイズが混じる。再現性という観点から見れば、ノイズは情報伝達の劣化にすぎないが、生物にとってはノイズの発現とは多様性の達成のための必須なステップだ。オリジナルに忠実なコピーしか生めない世界は衰退し、やがて消滅する。』といった単純な真理に関する記述で、論理に埋め尽くされて膨張したいまの社会に対する不安がおおきくよぎりました。 次回作も期待しております。(あいとるい / 2008-07-02)
生命操作・・・。それはまさに神の領域と言わざるを得ない。その領域を、
ヒトは侵す権利があるのだろうか?確かに、不妊に悩む人たちに救いの 手をさしのべることにはなるのだが。だが、自然の摂理を破壊するという 危険性も充分秘めている。モラルを逸脱すれば、見ず知らずの他人の 卵子と精子を受精させ、代理母に出産させることもできるのだ。医学の 発達がはたしていいことなのか悪いことなのか、この作品を読んでいると 判断がつかなくなってくる。せめて悪用されないことを願いたい。そして 世の中の医師たちには、ヒトとしての道を踏み外さない医療を切に望み たい。いろいろな問題を含んだ作品だった。(ゆこりん / 2008-09-25)
海堂尊はすごい作家だと思う。今まで6冊ほどの著作を読んできたがどれも睡眠時間を削ってでも読みきりたいと思わせるすばらしいストーリーテラーであり、読書の喜びを感じさせる。
本書もこれまでの著者の作品設定の中でヒロインの医師が「代理母」「医療制度」など深遠な生のテーマをめぐり、劇的なドラマをみせる。 そのなかでも「産む選択」をめぐる女性の葛藤と決断のエピソードは読んでいてほろっときた。泣かせどころをきちんときかす著者の仕込み、台詞使いのうまさには脱帽である。 終盤のヒロインと先輩医師との議論は攻守が激しく展開し、戯曲を読んでいるようで、若干論理を追求するあまり現実味がないようにも思えたが、いずれにせよまた一気に読んでしまい、読後感も良かった。(だん / 2009-09-29)
まさに昨今、妊婦の急患がたらい回しにされている現実を背景に、官僚による地域産科医療の崩壊と不妊治療への無理解に立ち向かう美貌の女性勤務医を描く。
主人公の女医理恵は産婦人科医として官僚から恩恵を受ける首都の大学病院に勤務する。専門は不妊治療。 理恵は密かに日本では禁止されている代理母の出産を実行するが最後に謎解きが待っている。 同時に、臨場感あふれる出産シーンは生命の誕生に感動を覚えさせる小説である。 (Н∧L / 2008-12-13) レビュー数 41 [残りも全部見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 |
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