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ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論 / レビュー総評点:267
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ASIN:4152086122 / 売上順位:33796
早川書房(2004-12)翻訳:斉藤 隆央/原著:Peter Atkins/ピーター アトキンス ¥ 3,150
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レビュー総評点:
267
科学の重要なエッセンスを分かりやすく抽出した読みもの。表現が身近で馴染みやすく、科学が専門でない人たちにも考慮されている。進化から始まり、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、量子、対称性、時空、宇宙、算術まで一連のつながりになっている。
この本の特徴は、全ての項目において、まずその分野の歴史から入っていくという書き方だ。今では明らかに間違っていると分かる科学理論から始まり、徐々にその考えが塗り替えられていく歴史が面白い。のちに誤りであったと判明した理論でさえ、著者は決して彼らを嘲笑しない。明確に証明することができない時代にあって、間違ってはいても、そこまで論理を発展させた科学者たちに敬意を表し続けているのだ。 分野がかなり広いので、科学を専門とする人でも、これに書かれている内容のいくつかは新鮮に思うのではないだろうか。私は理系の大学一年生(まだ科学を学び始めたばかり)なのだが、各章の後半になると難解に感じられる。前半で書かれた理論が、複合的になってより高度な理論になるからだ。だが、飛ばしても問題ない感じなので、気軽に読むことをお勧めする。(まぐわぁと / 2005-02-14)
絶賛です。「重さや時間も”長さ”であらわせる」、「対象性から考えて次元をひとつ上げて見た場合の量子軌道のイメージ」、「”年”ではなくプランク時間の単位で見た場合の宇宙の初期の記述」など、視点をかえてみることによって物事の本質が見えてくる例を繰り返し紹介してくれます。この体験を繰り返すと「今自分に本質が見えていない問題は、適切な場所で適切な視点をもっていないからなのだ」という確信が膨らんでくる気がします
物理系の学問を学んでいた大学時代に、いろいろな難しいことを”直感的に”いとも簡単にわかってしまう先生や友人に囲まれて、「とてもついていける世界ではない」と絶望的な気分になったことがありましたが、それでも自分の能力でできるレベルで数式を追い、論文を読んで消化していたものです。その時代に、本書のような「読者のある程度の知識を前提にしたポピュラーサイエンス風読み物」にも触れていれば、”直感の手がかり”をつかむチャンスが広がっていたかもしれません。 一方、齢四十を超えて今この本を楽しめるのは、当時苦しんだ勉強の基礎があるからという気もします。年とともに「科学」を楽しめるようになってきました。本書は、一般読者にわかるように噛み砕いて表現はしているものの、けっして「入門書」とはいえません。一流の科学者であり、かつ一流のライターである限られた人のみが書ける「わかっているつもりの人にいかにわかっていないかを気づかせたうえで、さらに次の新たな理解を引き出す」本でしょう。 最後に。次にフィレンツェにいく機会があったらガリレオの指をぜひ見たいと思いました。(jimmy / 2005-06-05)
科学に興味を持つ大学生、高校生に是非読んでもらいたい。若者の人生を変えるポテンシャルを持ったすばらしいポピュラーサイエンス。アトキンスの数々の著作の中でも、際だった傑作。
科学的に世界を眺めるためのヒントが全巻にわたって横溢している。全体の構成、構想が凄い。進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術。さまざまな話題を往還しつつ、大局的には、身近なものから人間の知覚スケールとは乖離したものへ、具体的なものから抽象的なものへと読者を導いていく、この全体構成の企みの大胆さ。それを実現してしまう膨大な知識。 人間は、抽象的な概念操作を無理なくこなせる不思議な動物だが、最終章「算術」に至って、数を数えられる、ということの不思議さが実感をもって迫ってきて、身震いする。この世界、そしてこの世界の一員であるぼく自身の存在の不思議さ、おもしろさを存分に味わわせてくれる。(Y. Naito / 2006-03-16)
この本を読んでみて私が大学教養の時代に知った内容もあったし、この本を読んでみて初めて知った内容もありました。
タイトルの示す通り10大理論ですから科学の分野を目指す方々はこの本の内容を大まかであっていいけど一通り網羅すべきです。 内容自体は高度な部分もありますけども、極めて刺激的かつ満足できるものです。(フジキセキ / 2006-11-03)
ガリレオの指は科学的手法の始まりの象徴である。
科学的手法がガリレオによってもたらされてから、様々な事象が解明され、今なお発展し続けている。 本書では現代社会の進歩に大きく貢献した10大理論について、解りやすくではあるが、決して本質を損なわない解説をしてくれるものである。 科学分野に馴染みがない人にとってはもちろん、多少なりとも知識がある人にとっても気楽に読める本とは言い難いかもしれない。しかし、興味を持ってじっくりと読み進めていけばその「深遠なアイデア」に対して驚嘆と賞賛を強く感じるとともに、好奇心を強く掻き立てられていくことだろう。 本書は訳書であるが、訳書にありがちな直訳的表現は皆無で、表現の言い回しに違和感を持つことなく読み進めることができる。原書の著者が噛み砕いたわかりやすい解説に定評があるとのことだが、その価値を損なうことなく翻訳されている点についても評価できる。(TakahiroPEJp / 2005-04-01)
ピーター・アトキンスと言えば、化学屋さんには「物理化学」の本でお馴染みです。そんな大学の先生は、実は物理化学の分野だけに限らず、生物学〜物理学〜宇宙論〜数学に渡るあらゆる科学分野に通じており、しかも文章の達人なんだなぁ、と翻訳本を通しても窺わせます。(翻訳者が良い仕事してます!【訳注】が多くて助かります) 本書では難しい数式は出てきませんが、ポピュラーサイエンスの最初の一冊としてチャレンジするにはかなり敷居が高いでしょう。それまでに自分が科学に関して如何に理解し考えてきたのか、が問われます。例えば「エントロピー」の説明で「おなじクシャミでも、雑踏でするのと図書館でするのとでは【質】が違う」という記述を読んで、ナルホドそういう説明の仕方があるのか、と膝を叩きました。これに限らず、イメージを豊かに出来る処が多くあり、理系分野の研究者・学徒にお薦めしたいです。また「エピローグ」の警句は繰り返し読んで、自己修養の糧としたい処です。
本書では挙げられていませんでしたが、広い意味での「自己組織化」の分野(複雑ネットワーク、カオス等も含む)は今後どうなるのか興味があります。 エピローグで触れられているように宇宙・生命・意識(脳)の分野における「起源論」や「進化」を論じる際には、その観点も重要になるように思えるからです。そこはまさにヒルベルトの「決定問題」の解答のように「普遍的アルゴリズムはない」世界 and/or「ゲーデルの不完全性定理の世界」なのかもしれませんが・・・ そんな事を考えつつ本書の最終章(算術)を楽しみました。ニーチェは「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」と言いましたが、【無限】は【怪物】なのかもしれません。この算術の章はそんな気分にさせられます。(発狂した数学者がいる、というのも分かる気がしました) (ゴルゴ十三 / 2006-02-19)
さすがはオックスフォード
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科学の中心となる思想を10とりあげて、解説した本である。第1章進化論、第2章DNA、の生物学、第10章の不完全性定理の数学を除いて、すべて物理学が話題となっている。物理帝国主義的といえばそうだが、透徹した論理を構成する思想となると、やはり、物理学となる。
著者はオックスフォードの化学者。化学者の科学レビューと言うと、2ヶ月ほど前に『宇宙はなぜ美しいのか』を読んだが、それとは大違い。この広い話題について、完全に理解していて(最後の方は私には当否が分からない)その解説にかなり成功している。これは驚くべきことだ。まあ、著者の周りには綺羅星のごとくの先生がいて、分かりにくいところは教えてくれるのだろう。謝辞を見ると、ドーキンス、ペンローズなんて名前が並んでいて、あっと驚く。さすがオックスフォード。 解説にかなり成功しているとは言うものの、量子論、宇宙論、時空、不完全性定理、の4章はかなり難解だ。私のようにそれぞれについて数冊の解説書を読んでいても、よく分からないところが残っている分野なので、理解して納得するまではいかないだろう。それは、きちんと数学をしないといけないのだからしかたない。それでも、物理基礎論の雰囲気に触れることは出来る。 全体としてもかなり難解で読むのは大変な本ではあるが、少なくとも理系の人には読んでみて欲しい。哲学の正統後継者としての科学の本質が現れている本なのだから。(shibchin / 2008-03-14)
読みづらい
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取り上げている内容や各章の流れはよいのに、日本語の文章として読みづらい。
10大理論を取り上げているが、1つ理論のページ数が限られるためある程度 知識がある人向け。(らくちん / 2009-10-18)
理科の醍醐味
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個人的には進化と対称性の章が面白かったです。この本に書いてあることをすべて理解できる人はかなり優秀です。現代科学の醍醐味に触れると共に文学的科学的文章を味わうことができます。深遠なるアイデア、シンプルなんだけど応用が利く、そんなコンセプトが満載です。(たこたこ屋 / 2008-09-01)
何かいい科学の啓蒙書はないかと探していてこの本に出会った。少し敷居が高いような気がしたが、名著であるのは確かであろう。新書の本を読むぐらいならこの本を一気に読んだ方がずっとまし。科学啓蒙書系の新書10冊読むぐらいなら。(子母原心 / 2006-08-28)
現代科学を支える重要な「考え方」が解説されており,現代科学を俯瞰できる良書だと思います.本書の内容を完全に吸収できれば,それなりに高い程度の一般教養を身につけたことになるのではないでしょうか.今後は本書を時折手に取り,何度も読み返したいと思います.理工系の学生さん達にはお勧めです.大学1,2年生あたりで本書を読めば,3年生以降の勉強に対するモチベーションが上がりそう.私にとっては「物理法則の対称性」という考え方を解説した第6章がためになりました.お陰で,素粒子に関する書物にも興味が持てるようになりました.(40歳前の会社員 / 2009-11-07)
熱力学第2法則に対する疑問
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熱力学第2法則=エントロピー拡大の法則は、エネルギー(エントロピー)移動の方向と物質の安定性に関する法則である。重力の無い状態における、全く互いの力が働かない理想気体の分子を仮定し、分子が多数集合し十分な時間を経過すると、統計力学的に最終的にエントロピーが大きい無定形、無秩序な姿で安定すると言う、クラジュウスが数式で導き出した法則であるが、都合の良い条件とファクターを設定し、都合が悪い条件とファクターを排除して導き出した数式であり現実と大きく乖離している。
エントロピーが無限に増大する事は無い。自然界の物質のエントロピーは拡大も縮小も有限であり、ある範囲内のエントロピーで物質は安定化する。現在、熱力学第2法則は存在しないと考える人は少数であるが、将来は正しい考え方になる。宇宙のエントロピーは増大し続ける事は無い。宇宙のエントロピーはある限界まで増大し宇宙は安定化する。または宇宙のエントロピーは縮小し、ある限界まで縮小すると安定化する。 (渡辺晴彦 / 2009-05-30)
著者名と訳者名を見て、迷わず手に取りました。トピックは難しそうでしたが、このお二人なら、説明の巧みさと訳文のわかりやすさは保証されているようなものですから。
この本では、現代の科学を支えている主要な理論のうち10理論がセレクトされ、解説されています(進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術)。教科書ではないため、基本的な説明は割愛されていることが多く、この本だけから各理論の基礎を学ぼうとするのは無謀かと思いますが、非常に多くの情報が一筋の文章の中に見事に織り込まれているため、読者を引き込む力がありました。各理論がどのように積み重ねられてきたのか、あるいは、どのように紐解かれてきたのかを概観するにはまたとない一冊だと思います。また、どの理論もいまだ未完成であること、今現在も積み上げられつつあるのだということがよく分かり、学ぶ意欲を掻き立ててくれる後味のよい本でした。(would-beエレガント / 2009-05-19) レビュー数 13 [amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 |
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