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レビュー総評点:
100
戦後まもなくの「あの時代」、沖縄は今に較べて何倍も 元気だった…著者のこの思いが随所に散りばめられる、 ノンフィクションの傑作。 どう元気だったのかといえば、台湾や「日本」との間で 繰り広げられる密貿易で栄えた、ということ。そして、 誰もが手を染めていた(犯罪じゃなくて、生きる糧 だった!)密貿易のなか、数年間という刹那、異彩を 放った女頭領…それがナツコだった。 「日本」にも、アメリカにも捨てられた沖縄人。捨てられ た者たちには、その者たちなりの気概と発奮があった。 麻薬には手を染めないことを信条としたナツコは、その時代 に駆け上がった。スリリング、あまりにスリル万点である。 おそらく、本作は、何年後かには映画化されるだろう。 ナツコの一生を再現する作業に、長きの年月を費やした著者 に拍手。奥野さんは、一作ごとじっくりと取材して詰める人。 こういった著者を、出版界には是非大事にしてほしいと思う。 部数はいかなくとも、確実に10年後も読みつがれるノンフィク ション。 読後には、現在失業率ワーストの沖縄よ、いっちょやったれ! との思いを強くする。これも、「本土」からの蔑んだまなざしかも 知れないとは思いつつ…。 (なお、個人的に、「日本」と米国に見捨てられた当初の沖縄で、 台湾と合同することが議論されていたことに眼をみはった!!) (el mundo / 2007-03-18)
こんな戦後史もあったんだという点と それを女の人が動かしていたんだという点が 妙に面白かった。 また 大日本生産党 アメリカ軍 国民党軍 中共 日共 沖縄人民党など さまざまな人たちの接点が妙に面白かった。倭寇時代もこんな感じであり また 北朝鮮では まだこんな時代が 残っているんだろうというおもいをもちました(junksai2 / 2007-01-02)
副題の「沖縄密貿易の女王」で惑わされてはいけない。マンガちっくな冒険談では全くない。 戦後の沖縄復興の過程を綿密に描き出したレポートであり、 何もなくなった島で必死に生き抜いた人々の群像劇である。 また、米軍の占領がいかに場当たり的でいい加減で、 その無策ぶりに沖縄の人々がどれだけ振り回され また対抗してきたのか、ということまでわからせてくれる。 今の沖縄を知る格好の教科書といってもよいかもしれない。 アメリカや日本政府が、第2次大戦後の世界のうねりの中で コムズカシイ戦略や謀略にいそしんでいるのに比べ、 自らの才覚と行動力だけでのしあがっていくナツコの、なんとカッコイイことか! こんな女性、もう日本には出てこないかもしれないと思った。(はっちん / 2006-05-08)
約五十年前に、沖縄でこんな事実があったことに本当に衝撃的だった。 沖縄の経営者や最近へこんでる方に読んで欲しい一冊です。(フェーレー / 2005-07-14)
密貿易の女王という副題に惑わされてはいけない。 彼女はお金に執着は無かった。 成すべきことを火急に成す。その決断力実行力が光る。 いつの時代にも通用することを立派に成し遂げた女性だ。 戦後の沖縄の基礎部分、読むとその世界にどんどん引き込まれていく。( / 2005-08-09)
密貿易の女王という副題に惑わされてはいけない。 彼女はお金に執着は無かった。 要は、成すべきことを火急に成す。この行動力がいつの時代でも必要とされている。 それをあの時代に立派にやり遂げた女性がいたということだ。( / 2005-08-09)
何故、密貿易の女傑は巨漢の男たちに畏敬の念を抱かせ、女王とまで呼ばれていたのだろうか。 米軍の物資を掠めて商売をすることでアメリカの鼻を明かしていたことは事実であろうが、それはナツコに限ったことではないだろう。 密貿易に必要な度胸と情報収集力が人より優れていたことは間違いなさそうだが、それも永続的なものではないだろうし、それだけで畏敬の念まで抱かせることができるだろうか。 多分、彼女が沖縄の人の心をひきつけるのは、ウチナーとしての矜持ではないだろうか?この本を読むとそう思えてくる。彼女は、米国のお粗末な占領行政下では密貿易が沖縄経済に必要であったと認識していたのだ。そしてその必要性が時の経過とともに薄れていくことも。加えて、頑ななまでの貞操観念と母親としての倫理観。米兵への売春が横行していた当時の沖縄では、潔癖さがあって初めて「アメリカを手玉にとっている」と言えたのかもしれない。 「あとがき」にも記載されているが、敗戦国の史実は記録に残されないことが多い。人々の記憶の中にしか残っていなかった「ナツコ」を描いた本書はノンフィクションの枠を超えていて、戦後沖縄史における貴重な資料といってもいい位だ。 (凱晴 / 2009-09-19)
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