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コークの味は国ごとに違うべきか / レビュー総評点:52
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ASIN:4163713700 / 売上順位:15968
文藝春秋(2009-04-23)パンカジ・ゲマワット ¥ 2,000(中古:¥ 1,045)
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レビュー総評点:
52
セミ・グローバリゼーションの下での経営戦略を学ぶ
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トーマス・フリードマンのフラット化する世界 [増補改訂版] (上)
に真っ向から対立する概念「セミ・グローバリゼーション」を提唱する本である。 前半は、「世界はまだまだフラット化していない」ことを説明する。 インドのマクドナルドには、羊バーガーがあるとか、 日本コカ・コーラの缶コーヒーは、コカ・コーラ本社(ジョージア州)の 反対を押し切って日本で開発した商品で、非協力的な本社へのあてつけから 「ジョージア」と命名された、とか、ローカルな戦略が成功している例を紹介する。 そしてグローバル化しない要因を、文化的、政治的、地理的、経済的要因 に分類して分析している。 後半は、国ごとに存在する差異の中で、どのように付加価値を生み出すか という観点から、3つの戦略 1. 適応(Adaptation)、2. 集約(Aggregation) 3. 裁定 (Arbitrage) =AAA戦略 に分解し、世界の優良企業が、 これらの戦略をどのように、どのような配分で採用し、成功、失敗の 要因として分析する。 難しい内容が続くが、実例が豊富で実践的だ。いかにもビジネス・スクール の授業という感じの仕上がりで、読後の充実感は高い。お薦めです。(あらフォーティー / 2009-07-09)
世界を消費者のニーズという観点から捉えると、グローバリゼーションは進展している、
というよりも、国ごとに大きな差異が残る、セミ・グローバリゼーションの時代といえる。 多国籍企業が世界各国への進出した例のなかから、失敗と成功を取り上げ、どのような 戦略をたてるべきかその分析手法を説明していく。 スターバックスは禁煙という文化を日本に持ち込むことにより、女性層という新たな消費者を を作り上げた。 マイクロソフトは中国では検閲という文化に悩まされ、中国が変わるというよりも、マイクロ ソフトの方が変わっていくかもしれないとする。 また、マクドナルドもインドでは羊肉バーガーがある。(日本では月見バーガーがある。) というふうに、ややユーモラスにお堅い話を分かりやすく説明してくれるのだが、 そもそも目線が、多国籍企業がどの国に進出するべきかの分析手法の講義であるだけに、 一般庶民が実生活へ応用できるような内容ではないところが苦しい。 経済紙の書評で、フリードマンの「フラット化する世界」よりも視点が高いとされていたが、 フリードマンは、PCとインターネットの発展により世界の人々の「情報」へのアクセスが 平等になった。そしてサービス業と製造業のアウトソーシングが進み世界がフラット化した。 という主張であり、かなり視点が異なるため同列には批評できないように思う。 (ピラニア君 / 2009-06-20)
グローバル、と言われながらも、
意外とそんなにグローバルになってないよね、 という普通の人の肌感覚に近い分析を行い、事例も紹介している。 事例は、海外の話が大半ではあるが、 取り上げられている企業がマクドナルド、コカコーラ、 レゴ、IBM、ウォルマート、トヨタ、資生堂など、 海外の企業でも、日本人に馴染みの企業が多く、 コカ・コーラの話でも、日本コカ・コーラの 缶コーヒーの商品開発の事例も書かれているので、 身近な話として、日本人の読み手への説得力も強い。 「フラット化」する世界、という概念の真逆を論ずる、 今起きている現実を地に足を付けて説明している良書。 (Ossan / 2009-06-06)
フリードマンの「フラット化する世界」「レクサスとオリーブの木」を意識しています。フリードマンが「グローバル化は津波のようにおしよせ防ぎようがない」と説くのに対して、著者は「いやいや、グローバル化はセミグローバル化というリンボーな状態で、これが長い間続くよ」という主張です。例として、マックの羊バーガーであったり、トヨタのローカル車、コカコーラ社のジョージアコーヒー、韓国アモーレパシフィック社の美白化粧品などをあげています。
フリードマンはジャーナリストですので、自説をサポートするために、取材先の出来事や新聞記事を多用していました。そのため、根拠は主観的です。反面、ゲマワットは学者ですので、根拠は統計です。このため、説得力はフリードマン氏の著書を上回ります(しかし、エンターテイメント性はフリードマンが高いです)。 グローバル化を阻む要因を「文化」「制度」「地理」「経済的」な隔たりと定義し、ひとつひとつを丁寧に説明してくれます。また、グローバル化を促進するためのチップとして、「AAA」Adaptation, Aggregation, Arbitrageに分け、成功企業がなぜグローバル化でき、できない企業はなぜかを分析しています。 教科書のような本ですが、分かりやすくするための工夫がいたるところに見えます。タイトルも原著名が「Redefining global strategy」ですし、章のタイトルも「Adjusting to difference」が「インドのマクドナルドには羊バーガーがある」と訳しています。出版社にも賞賛を送りたいです。 (hawaiijoho / 2009-09-03)
世界はまだセミグローバルな状態だと著者は言う。
その理由と、差異がある世界で付加価値を生み出す戦略について書かれた本。 非常に論理的に書かれており、「自国でマーケットもシェアもこれ以上伸びないからとりあえず海外進出しよう」というような風潮を危険だとし、きちんと分析した上で行動すべきだと主張する。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・CAGE(文化的cultural、制度的administrative、地理的geographical、経済的economic)という4つの隔たりからまだグローバル化していない。4つの視点で隔たりがわかれば、外来種であることを理解し、海外の競合他社を理解し、市場を比較できる。 ・なぜグローバル化するのか?についての分析のためにADDING(販売数量向上adding volume、コスト削減decreasing cost、差別化differentiating、業界の魅力向上improving industry attractiveness、リスク平準化normalizing risk、知識の創造と応用gererating knowledge)価値スコアカードでの各要素の分解・数量化・比較・評価が重要。 ・国ごとに存在するさまざまな差異への対応としての3つのA(適応adaptation、集約aggregation、裁定arbitrage)が重要。 適応・・・極端な現地化と極端な標準化との間に、多様化、絞り込み、外部化、設計、イノベーションなどの適応のツールがある。 集約・・・地域戦略には多くの種類があり、地域特化、地域ポートフォリオ、地域ハブ、地域規格化、地域への職務委任、地域ネットワークなど。 裁定・・・制約としてとらえるのではなく、活用すべき。(ゴメス / 2009-09-22)
日本人は世界標準が何かを気にする。アメリカ人(ハーバードの人)は、自分たちが標準であり、そのうえで各国の事情に応じた対処すべきと本書で述べる。各国の事情が異なることは日本人にしてみれば自明ですが、直感的・感覚的に分かっていることでも、データに基づいて結論をだしていくこのアメリカ的姿勢は評価すべき点だと思います。
かつて、グローバル化により、人も企業も国籍が意味をなさなくなる、という言説もありました。しかし、21世紀を10年過ぎようとしている現在においても、GMはアメリカの会社であり、トヨタは日本の会社です。グローバル化が進むほど、逆説的に国籍が大事になってきているのかもしれないということも考えさせる本です。(Jupiter / 2009-07-12)
アトランタにはコカコーラ博物館があり、少なくとも15年前に訪れた時には各国の異なる味のコークを味見できた。すなわち、コークの味は各国ごとに異なる というのは、コカコーラのグローバル戦略に関係なく当り前の話なのだ。
極端なグローバル化論者でも、すべての国の人が毎日同じものを食べ、同じ車に乗って、同じ服を着る というようなことは想定していまい。世界市場化がかってない規模で進んだとしても、国ごとに何らかの文化的差異が残ることは自明だ。 しかし筆者は、グローバル化論者が上記の極端な想定に立っているように取扱い、これを攻撃する。企業の事例はなかなか面白いが、(特に最終消費財の場合) 国ごとに異なるアプローチをとるべき というのは常識なのではないだろうか? 某紙の書評につられて買ってみたが、わざわざ買ってまで読む必要がある本だとは残念ながら思えない。 (brotherfood / 2009-06-11)
本書は「フラット化する世界」との比較で語られることが多い。
とはいえ、これらは、見ようとしている経済の枠組みが違うことを理解すべきであろう。 「フラット化する世界」は、ジャーナリストが一般の人に向けた啓発書である。 インターネットの発達により情報の格差が無くなり、安い労働力を求める競争が 世界に広がるという主張である。そういった意味では、本書「コーク・・・」の 裁定の部分だけを取り出しているように見えるのだが、実は、著者が伝えようと している対象は、企業、経営者ではなく、一般の人である。 一方で、本書は、ビジネススクールの教授が、経営者に向けて書いた教科書である。 つまり、グローバルに展開する際に、考慮すべき注意点を提供している。つまり、 完全なグローバリゼーションは当面起こることはなく、セミ・グローバリゼーション、 国ごとの差異、利益の根源を的確にとらえることこそが成功のポイントであるとの 趣旨で、その戦略が「集約」「適応」「裁定」であり、戦略の評価の手法としての CAGEやADDINGなどを紹介している。 そういった意味だと、本書は出版社の意図で、さも少し前に出た「フラット・・・」 への反論を述べているかのように見えるのだが、実は全く次元の違う書籍である。 「フラット・・・」は、比較的長いスパンにおいて、世の中がどのような方向へ向けて 変化しているかを示し、「コーク・・・」はその変化の過程の中で、近い将来において、 どのように企業は勝ち抜いていくかを示している本と見ることができる。 (windfall / 2010-01-26)
本書は大きく分けて三部構成となっている。初盤では、「確かにグローバル化は進んでいるが『フラット化』はしていないよね」という主張を、コカコーラ社の極端な戦略の失敗を事例に説明。さらに、なぜそんなに単純なものではないかというのを、文化・制度・地理・経済の差異に注目したCAGEフレームワークを用いて解説する。個人的には、4要素の差異が業種によってどのように異なる影響を及ぼすのかという考察が大変興味深かった。
中盤では、「それでもなぜグローバル化が必要なのか」をADDING価値スコアカードという(販売数量の伸び、コスト削減、差別化、業界の魅力向上、リスクの平準化、知識の創造という6つの要素に注目した)フレームワークを用いて整理。最初はなぜこの6点なのかと疑問に思ったが、企業が生み出す経済的価値を「販売数量」「マージン」「リスク(割引率)」「知識等の無形経営資源」に分解し、「マージン」を「業界の魅力度」「(業界内の)比較優位」に、さらに「比較優位」を「相対的コスト競争力」と「相対的顧客支払意思価格」に分解するという図式を示されたときに、大いに納得できた。このフレームワークは、海外進出に限らずM&Aや異業種進出等にも応用できる非常に有用なものだと思う。 終盤では、「ではどのように各国の差異を付加価値に転じるか」を、AAA戦略と称して、適応・集約・裁定に注目してそれぞれ具体例を示しながら解説していく。3つのA戦略のうちどれを優先して追及していくべきかについては、業種ごとに異なるコスト構造に着目して指針が示されており、非常に分かり易かったが、それぞれの戦略については結構難しく理解するのに時間を要した(特に集約戦略)。事例は豊富に紹介されているのだが、背景から丁寧に解説されているわけではなく、その事例が提供してくれる本質的な学びを消化できなかった感が残ってしまった。(1500 LOCUST / 2009-12-25)
グローバル化が進むにつれて、文化、制度、地理、経済面での垣根がなくなるというのは幻想であり、グローバルな企業と
いわれる会社も垣根がなくなることを前提としては考えておらず、考えるべきはないということを例示と合わせて示している。 本書が面白いのは例示がたくさん載っており、肩肘張らず読めるということ。グローバル戦略を考えるケーススタディーとして も使える内容となっている。別にグローバル化懐疑論者でなくとも何となく気が付いていることをわかりやすく語ってくれて 納得感が高い一冊。 ただ、一読した後に記憶に残るのは筆者の「理論」でなく、面白かった「例示」になってしまいがちではないかと思う。 例示の使い方が筆者が展開したい理論の一部がわかりにくいため具体例を使って説明するという形式がでなく、その逆で具体例の 内容の一部が筆者が展開したい理論に関わる(例示の範囲が理論より広い)という例示が散見される。 例示を読んでいる時も、筆者は例示を書きながらなんとなく別のこと考えてるんだな(本当に後で別の理論展開の時に出てきたりする) という感が拭えず、頭のいい人が本を書くとこうなるのかなとも思ってしまいました。 (Partine / 2009-12-18)
フリードマンへの反駁は成功しているのでこの本の商品としての基盤は問題ない。いわゆるアウフヘーベンになっている。が、後だしジャンケンの感がぬぐえない。100%の世界統一商品で世の中が動いていると誰でも考えているわけではない。その市井の感覚を統計データとビジネススクールスタイルでコーティングしたのが本書であって、この本を読んで根本的に考えを改められた人はいるのだろうかという気になる。(crimson / 2009-12-13)
という根本的な問いに対して明確で説得力を持った回答がたとえば株主に対してすぐに用意できる企業がはたしていくつあるのか?初期の海外進出では、巨大な「市場」があるから、という答えがほとんどであったが本書で繰り返し述べられているように事前の綿密な調査、準備が絶対に必要となる。同業他社との比較、業界全体の特徴、規模または範囲の経済の強さ測定などを前提にリスクを平準化する戦略づくりこそが最重要課題となる。もちろん「生産」のグローバル化を目標とする最近の傾向においてもこの作業は当たり前となる。著者はポーターとの共同研究でインドの産業競争力について調査の経験がある、とあとがきで書いているのでポーターの「競争戦略論」を併読するとさらにわかりやすいかもしれない。ケーススタディとしては日本コカコーラ社にとって、戦後アメリカから進出してきたコークが利益を生み出しているのではなく、自動販売機やコンビニ向けに数えきれなきほどの新商品を発売しその中でも特に本国の協力が得られなかったためにあえてあてこすりのネーミングをした「ジョージア」(本社の所在地)のおかげであることがひじょうに興味深い。(nikataro / 2009-10-04)
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