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リサイクル幻想 (文春新書) / レビュー総評点:394
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ASIN:4166601318 / 売上順位:43546
文藝春秋(2000-10)武田 邦彦 ¥ 693(中古:¥ 1)
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現在行われてるリサイクルがいかに無理であるかを主張している。
空き缶をリサイクルすると回収、分離などで時間、金、そしてなにより石油等の別の資源を消費する。 これでは本末転倒である。 著者はまた分離の難しさについても述べている。 混ざってしまったものをひとつ残らず分離するのがどれだけ苦労するか。 新しく作ったほうが早いしコストもかからない、そして別の資源の使用を削減できる。 またリサイクルではなく現存の品を有効に長く使うことも主張している。 石油を燃やしてエネルギーを得るのではなく、使わなくなったプラスチック等を燃やしてエネルギーを得るというのは非常に納得できる。 ただ、著者はリサイクル自体を反対しているわけではない。 今の明らかな無理があるようなリサイクルを反対しているのだ。 ではこの矛盾だらけのリサイクルをどうすればよいのか? まず著者はリサイクルをどのようにとらえるべきかを述べている。 それは 現在の生活レベルを落とさないこと 今だけでない将来のことを考えること リサイクルは最終手段で、それよりも有効に、長く使うこと である。この3つは非常に考えさせられた。 これらを考慮した結果どうするかというと、 ひたすら燃やしてエネルギーを得るというのだw さすがに言いすぎかと思うが、詳細は読んでみて欲しい。 なお、そのときにでるダイオキシンについても詳しく述べており、 ダイオキシンについての誤解を知ることができる。(( ^ω^) / 2006-06-10)
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」で有名になった著者の前作(H12)である。
循環型社会を実現していくためにはリサイクルが必須である。現在、リサイクル技術の開発や、リサイクルシステムの構築が試みられている。しかしながら、本書は「現在考えられているようなリサイクルシステムを有する将来社会というものが成立するのか」という本質的で根本的な問いかけに答えようとする本である。 一般的な感覚として、現在のリサイクル技術やリサイクルシステムではリサイクルは経済的に成立しない。しかし、リサイクル技術が開発されたり、リサイクルのシステムが一旦構築されれば、循環型社会は実現される、という期待を持っていると思う。 しかしながら、本書では、工学(有益な物質:資源の濃縮に用いられる分離工学)という客観的な手法を用いることで、リサイクルが本当に環境や資源問題に対する有効な手立てとなるのか?という問いに取り組んでいる。 分離工学による検討では、リサイクル技術やシステムは確立されているという理想的な状態を仮定した時でさえ、現在目指しているリサイクルシステム(資源ごみの中に希薄な濃度で含有されている有用資源を分離濃縮して取り出すこと)は成立しない。 一方で、著者は、4つの解決案を提示している。それぞれ、今までとは異なる発想や概念が含まれているため、直ぐには受入れ難い部分があるが、その中の一つの「人工鉱山」が一番実現性があろう。これは、まず、廃棄物を燃焼して有機物からエネルギーを取り出し、残った灰を埋め立てて人工鉱山にするものである。そして、金属資源が枯渇し始めたら、備蓄した人工鉱山から有用な金属資源を採掘する、というものである。 現在、PCや携帯の廃棄物から、金などの貴金属やレアメタルを取り出すことが行われているが、これは本書で著者が提言した、人工鉱山コンセプトと言えるのではないだろうか?(私撰 綜(市川聡:さとる) / 2007-05-15)
著者は材料工学・分離工学の専門家の立場から今のリサイクルシステムが矛盾だらけであることを指摘し、循環型社会がどうあるべきであるかを提案している。例えば矛盾点として、今のリサイクルは資源を浪費する、毒物が混入する、材料劣化を考慮していないなど。著者が展望する循環型社会の方法は、人工鉱山の建設、長寿命設計、日本の風土と気候の利用、情報の物質削減効果の利用。
工学的裏付をもって議論を展開しているのだが、十分な検討をせずに結論が導かれているという印象をもった。例えば、リサイクルを続けるとリサイクルされる物質や食品に不純物が蓄積されるという主張をしているが、これを裏付けるモデルや事例は何も示されていない。不純物の濃度を一定以下に管理しながらリサイクルする方法もあるはずで、もっと議論が必要なのでは。紙のリサイクルは石油(「遺産型資源」)を使って紙(「月給型資源」)をリサイクルしているので無意味としているが、バージン原料から紙を作る場合とリサイクル原料から作る場合のエネルギー消費の比較など、キーとなるデータが示されていない。結局、著者のリサイクルに関する議論の多くが十分に検証されているとは言い難く、仮説であると考える。 全体としては、読みやすい構成になっている。非学術書にはありがちだが、データの出典が完全に明記されていない点は読者がさらなる検討をすることを難しくしており不親切である。(Udom Rod / 2004-08-02)
本書の内容は我々の常識に大いに反している。事実だとしたら、我々が行っていることは何だったのかと暗い気持ちにさせられてしまう。
現在のリサイクルを推進する行政当局や専門家には是非とも大いに反論して欲しい(実際にそのようなサイトもある。)。そうでなければ現行の政策を見直す必要があるだろう。(hegelian / 2007-06-10)
学校で化学を学んだことのある人間ならきっと覚えている「質量保存の法則」。これを久々に新鮮に思い出させてくれる。リサイクルだなんだと色々とやっているが、結局元々あるものの総量は変わらない。ものをそのまま捨てるより、「加工」であれ、「リサイクル」であれ、手を加えることでエネルギーを消費してしまっていることの方が問題なのだ。そう教える。
実際何をするにもエネルギーを消費する。例えばゴミを処理するとき、僕はゴミを一所にまとめる。そのとき僕の体は運動するので、いくらかのエネルギーを消費する。そして僕が出したゴミは回収業者の方が回収してくれる。そのときトラックを使えば、トラックはガソリンを消費する。 最後に筆者の提言があるが、僕はこう思った。余計なものは買わずに、シンプルに生きようと。(jinya / 2006-01-29)
科学的な、冷静な目でリサイクルを突き詰めて考えた本。
「リサイクルは環境に良い」という漠然とした社会通念に疑問を 投げかけます。 今言われているリサイクルがなぜまずいのか、 多くの例、矛盾点を上げて指摘しています。 「リサイクル」というものに対する考え方を大きく変えさせられました。 良書と言っていい部類に入ると思います。 しかし、全体を通して文章があまり上手ではなく、 なんとなく自分勝手な文章だと感じました。 出てくる用語や量の説明もわかりにくいと思います。 5章では、材料の性質が詳しく書かれてあるのですが、 果たしてここまで掘り下げる必要があったのか…? ちょっと疑問です。 ほかにも冗長だと思われる文が多いです。 内容は良いのに…惜しい! (asa / 2006-07-05)
ちょっと前の本だが、その重要性は変わらない。
いや、当時よりもさらに「リサイクル」「エコ」などといった言葉が言われるようになっている今、ぜひ読んでおきたい本だ。 決して読みやすい本ではない。 専門用語は多いし、文章自体もそれほど平易とは言えない。 学術的な、結構マニアックな解説も多い。 しかし、「そもそも金属とは何か?」「石油から別の物質が作られるというのはどういうことか?」といったようなことはなかなか知る機会がないために、ちゃんと読み込めば読み込むほど、知的好奇心を満たしてくれる。 そして、そうした基礎知識を得た上で「リサイクル」というものの虚像について丹念に説かれているため、説得力は抜群だ。 本書の最後で著者の提示する解決方法が、本当に現実味のあるものなのかは、なにしろ専門知識がないからなんとも言えない。 だが、「ゴミを分別すればいい」「ペットボトルはもう一度ペットボトルとして再利用できる」といった我々の「常識」を打破してくれる、非常に刺激的な本である。(チャックモール / 2007-06-06)
武田先生の原点というべき本です。今、読み返してみると
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」及び「その2」よりも リサイクル問題については、遙かに丁寧に論じられていることに気がつきます。 リサイクルの矛盾については 使えば劣化する矛盾 「下位の用途」がない矛盾 国際分業を否定する矛盾 「月給」でなく「遺産」を使う矛盾 資源をかえって浪費する矛盾 正反対の価値観が両立する矛盾 毒物が混入する矛盾 等、7つに分け説明しています。すべてが完全に正しいというよりは、全体として リサイクルには大いに疑問あり。という姿勢は充分納得でます。 私は基本的に、武田先生の細かいミスをあげつらうのではなく、疑問について学識者の方々 メデイアの方々等に良く研究して頂き、議論を深めて欲しい。という立場から支持しています。 (至高の豚 / 2008-01-01)
著者は過去にも、現在の日本のようなリサイクル活動がかえって資源を浪費しているという事実を指摘しているが、その延長戦にあるのが本書である。ちょっと知恵のある人は、リサイクルのために走り回るトラックや、分別の人間の労働、精神的な負担、さらには資源の再利用というものが、全体でどれだけの人間の無駄な活動を増やしているのかを疑っているだろう。
著者の結論は、分別もリサイクルもやめて、すべてを燃やして発電し、その残りの灰は未来への人口鉱山とせよ、というシンプルなものである。これはわかりやすい上に、エネルギー的に見てプラスチックの含むカロリーなどからしても、従来の石炭・火力発電に加えるものとして納得がいく重要な提言である。ドイツや日本でもゴミをペレットにして発電し始めているが、さらに大規模に行うべきだろう。 しかし、材料工学の専門家である著者は、地球に残存する化石エネルギーや金属の埋蔵量が有限であるという仮定に基づいて、将来世代のためのゴミ灰の人口鉱山の作るのが良いという。しかし、サイモンやロンボルグの著作を待つまでもなく、事実は資源は実質的・経済的にに無尽蔵に埋蔵されている。つまり、すべて燃やして、発電した後は、埋め立てにでも使うべきだということになるだろう。 あと、最終章で著者は、長く使う美学を推奨するが、そもそも人間の作る工業製品で30年前のものと現在のもので同じような価値を持ち続けるものがあるだろうか?技術の変革は速いので、10年でスクラップにするというのは、機能主義的な合理性を持っているのではないだろうか。 よって僕の納得する地球環境主義者は、リサイクルする人たちではなく、使わない・買わないという人たちだけである。(蔵研也 / 2007-03-21)
「回収したペットボトルでリサイクル製品を作ると、結局その過程で大量の石油が消費されてしまう。」等自己満足的なリサイクル・ブームに釘を刺し、何が環境にとって最善の方法なのかを科学的に検証してゆく内容となっています。
「石油は燃えにくい物質である」など特に文系の人間である私には「へ~」と思わされる事柄も数あって興味深く読み進むことができました。(店長候補 / 2004-08-02)
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自然科学的なものの見方の基本を確認しつつ、中学生や高校生でも問題意識がありさえすれば十分に内容が掴めるよう、著者は非常に心を砕いて下さっています。著者の主張は「世間常識」からは大変かけ離れたところにありますが、自己の主張を通すのに過激で扇情的な言葉を使うことをせず、冷静で暖かな筆運びに徹しているところも共感できます。先入観を排して環境問題を真剣に考えたい人たちには、ぜひ読んで頂きたい、お勧めの一冊です。( / 2003-07-26)
世界の主要都市ではリサイクルによって、資源の有効利用に半ば成功していると言われています。
特にデンマークやスウェーデンでは、ガラスや紙包装といった国内の完全リサイクルに成功しており、 更には廃棄物を輸入してリサイクルをしているため、100%の率を超えていることが、 2008年1月号の「ナショナル ジオグラフィック」に記されています。 環境面を優先するので経済的には採算が取れないケースが多いようですが、商品に使われる原料の発掘や調達から製造のコスト、 また消費や廃棄までの流れ全体からすれば、環境負荷の削減に大いに役立っているそうです。 新しい原材料からではなく、廃棄物から作るのがリサイクルですから、天然資源の浪費を防ぐだけではなく、 ゴミの埋め立てや焼却の量を減らすのにも有効ですし、その分大気汚染を防ぐことができます。 しかし何にもまして解決への一番の近道は、私たちが無駄な買い物を控える事だと痛感させられました。(参入者 / 2008-01-21)
ゴミの分別は意味がない、プラスティックはどんどん燃やすべし、というのが著者の主張。え?と思うが読むと目から鱗。(荒 / 2001-04-28)
というのは実は農業あるいは花つつくりでは
社会ではないがすでにあるわけです。 苗をそだて食欲にまわし少しだけとっておく 花がさき種ができまた、蒔くというはなし。 しかし、これの最後もあわれです。 やはり病原菌に連作は負けるのですね。 たしかにわたしも物をあまり持たない生活 に近い生活をしていますが 何にもかわないとリサイクルストレスになりかねません。 ひじょーにおもしろい本です、一読推薦。(flora / 2007-03-28) レビュー数 17 [残りも全部見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 |
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