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成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫) / レビュー総評点:-36
『成吉思汗の秘密 新装版 』で画像検索
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ASIN:4334738613 / 売上順位:207008
光文社(2005-04-12)
高木 彬光
¥ 760(中古:¥ 315)
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レビュー総評点:
-36
源義経と成吉思汗は同一人物だったのではないかと推理していくのが、探偵・神津恭介(かみづきょうすけ)と友人の松下研三、大学の歴史研究室の助手を務めている大麻鎮子(おおあさしずこ)の三人。様々な文献にあたりながら、義経と成吉思汗は同一人物だったのではないか? と推理・仮説を進めていく話の展開に、わくわくしました。 話の半ばで、ある人物が登場して、神津恭介たちのグループに反論する場面。両陣営の論戦に息詰まるような緊張感がみなぎっていて、手に汗握りましたね。病院のベッドに寝ながら、相手と鋭い攻防を繰り広げる神津恭介の姿が印象的。思わず、「恭介、負けるな」と声援を送っていました。 話の終盤では、推理を突き詰めていくというよりも、一種夢幻的な味わい、歴史の謎を追い求めていくロマン的な味わいがあって、そこに惹かれました。ディクスン・カーの名品『火刑法廷』の味わいを、「本格推理的解決を、最後の段階でもう一度怪談に逆転させて幕をとじる――そこに何ともいえない恐さがにじみ出ている」と語った著者ならではの幕の引き方ではないかなと思った次第。 国内歴史ミステリでは、松本清張『Dの複合』、井沢元彦『猿丸幻視行』とともに、とても面白かった作品。(東の風 / 2007-11-01)
歴史ファンならずとも「そうだったら、すごいことだな」と思いをはせるのが、歴史上の英雄が死なずに別地で生き延びる伝説だ。 イエス・キリストが青森県に渡ったとか、源義経がモンゴルに行って成吉思汗になったとか、明智光秀が天海和尚になって徳川幕府を支えたとか、豊臣秀頼が薩摩に行って隠遁生活を送ったとか。 その中でも最も有名なのが、源義経がモンゴルに行って成吉思汗になったことだろう。 何せ、ぼくがその伝説を聞いたのは小学校の社会の授業なのだから! この『成吉思汗の秘密』では、神津恭介が、なんと入院中にその秘密を暴くというモノ。 小説の中だから、どうとでも話を作れるので、どこまでが資料に基づいた推測でと言うのは分からない。 でもまあ、ほかの歴史検証エンターティメントもどのように資料を解釈しているのかは分からないので、同じことだが。 (でもだったら、わざわざ神津恭介に登場してもらわなくても、高木彬光として持論を展開すればいいのに、紛らわしいとちょっと思う) 神津恭介と井村博士とのやりとりで、推測の検証になっているのだが、最後の心中事件で一件落着というのは解せない。 高木彬光が、「そろそろお時間となりました」と強引に終わりに持っていったようで。。。(nh / 2009-09-12)
大学時代に乱読々書にはまって活字中毒になり現在56歳ですが、現在でも今まで読んだ本で一番のお奨めを推薦して欲しいといわれると躊躇なく「成吉思汗の秘密」と推薦します。荒唐無稽に思える義経=ジンギスカン二人一役説も読後は信者に変身してしまいます。もともとは学術論争だったものを読みやすいように高木彬光先生が名探偵神津恭介と松下研三の名コンビを使いベッドディテクティブ形式の推理小説にしたてたのですが、その筆さばきがあまりに見事でとても面白く一気に読み終えてしまいました。最後の最後「名前の秘密」は著者ともう一方のオリジナル推理のようですが、「あっ!」との驚き!!因みに私の奨めで読んだ二人の読者が完全に信者になってしまいました。それほどの秀作。一読の価値絶対ありとお奨めします。(太田マーティ / 2008-08-28)
本当の探偵
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高木 彬光の小説の中でも最も好きな本の一つ。 入院中の探偵が病院のベッドで 源義経がジンギスカンになったという昔からの伝説を解き明かすという設定がまず面白い。 展開される推理も中々説得力があり 読んでいるうちに段々 本当に義経がジンギスカンであったのではないかと 説得されてくる。最後には 個人的には信じてしまったところだ。 それにしても まず その伝説が凄い。誰が考えたのか分からないが 初めに考えた方こそが 本当の探偵だったのだと思う。(くにたち蟄居日記 / 2007-12-05)
この作品に触れたのはもう数十年前、タイトルに引かれて手に取った小説で初めて高木先生の 名探偵「神津恭介」に出会い、その推理の面白さ、分かり易さに感銘を受けたものでした。 ベッド・ディテクティヴという推理スタイルもユニークで、はるか昔の事件?でも部屋にいながらに して解き明かしていけるのだなぁと感心しながら読み進んでいきました。 モンゴルの英雄チンギス・ハーンがあの九郎判官、源義経の変身した姿だったという一見荒唐 無稽な俗説を東大の法医学助教授である神津恭介が友人の松下研三と共に入院先のベッドの 上で一歩ずつ検証していきます。この和製ホームズとワトソンコンビはそれ以前から多くの事件 を解決に導いていたのですが、今回初めて純粋な歴史推理の思考実験に挑んだわけです。 兄、頼朝に追われた義経が奥州平泉から北海道への逃避行、更にシベリアを経由してモンゴル 高原にたどり着き諸部族を統合して遂には中国全土、中央ユーラシアにまで及ぶ統一王朝の元 を建国していくという過程は、読んでいるだけでもわくわくする歴史ロマンを感じさせてくれます。 学術的には正確な検証も及ばないスケールの大きすぎる話ですが、義経が蝦夷へ逃れていく 途中の八戸で儲けたという鶴姫の悲恋物語がその後遥かな時空を越えて現代の天城山心中事件 に繋がっていくという展開は衝撃的でした。高木先生もこの事件にある種の啓示を感じて本作 の執筆を決意されたとの事です。 読者としてはもう素直に受け入れられる話で繰り返された悲劇にはただ合掌するのみでした。 日本史、世界史を見渡しても例が無いような一人二役のトリックと壮大な輪廻転生の物語は 読後に良質のドラマを堪能させてもらったという充実感を味あわせてくれます。純粋に歴史 ロマンを楽しみたい方、神津恭介の名推理を体験したいという方に是非お勧めしたい一作です。(Dr.サトール / 2009-01-26)
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平均点:4.5
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