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シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫) / レビュー総評点:43
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ASIN:4480422536 / 売上順位:149511
筑摩書房(2006-08-10)梅田 望夫 ¥ 672(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
43
この本の大部分は、1996年から2001年のシリコンバレーの空気の中で書かれた文章だ。
初め、「ちょっと古いかな。。」と思った。 というのも、ネットの世界の出来事は半年、いや3ヶ月もすると 何もかも様変わりして、古いものはまったく忘れさられる世界だからだ。 しかし、この本の魅力は別のところにある。 それは文章の力だ。 前作「ウェブ進化論」を読んでみるとよくわかる。 ネット世界の変化の様子を情熱をこめて語る、その語り口に魅了された人は多いだろう。 この本のあとがきに、著者の父は作家の梅田晴夫だと書いてあって、 やはり、文章にこだわりを持つ人なんだと、妙に納得してしまった。 “ハイテク・ベンチャー企業の集積地シリコンバレーの気候が最高で、 自然環境にも恵まれ、 できれば仕事などしないですごしたいなぁ、 と心から思うような場所であることは、 案外知られていない。 シリコンバレーは天才たちが夜を日に継いで働き、 富を創り出している場所であることは間違いないのだが、 「華やかさと殺伐とした雰囲気が同居した」 ウォール街のようなところとは対照的な 「天気のいい田舎町」なのである。” そんな「天気のいい田舎町」が、 今や世界を動かすおおきなうねりの発信地となっている。 マイクロソフト裁判、ベンチャービジネスのしくみ、ナードと呼ばれる人たち。。。etc どの項目も簡潔でわかりやすい文章で書かれ、しかも面白い。 (rizy / 2006-10-22)
「ウェブ時代をゆく」が面白かったので過去にさかのぼって本書を読んでみた。2001年8月に出版された「シリコンバレーは私をどう変えたか-起業の聖地での知的格闘記」の文庫版として2005年に出版されている。2001年の記述はそのまま再録されていて、2005年から振り返った長いあとがきが追加されている。
本書のよさは、その時点で格闘している梅田氏の濃密な時間を感じることができることだと思う。新しいものに触れて格闘しているとき、人は輝くと思う。 シリコンバレーの流儀や日本とのビジネス環境の違いなどが紹介されている。シリコンバレーで資金集めに成功し起業したら、その資金が果てるまで徹底的にがんばりつくす、どんなに困っても自分の資産には手をつけない。調達した資金がなくなったらアウト。また再出発。 中でもマドル・スルー(muddle through)という言葉が気に入った。「行き先が見えない中、手探りで困難に立ち向かう」意味らしい(P.266)。アングロ・サクソンには「マドル・スルー」の状態自体をプロセスとして楽しむ骨太の行動文化があり、その文化の存在こそが「霧の立ち込め始めた時代」にアメリカやイギリスが活力を保持している所以だという。 (mbookdiary / 2007-12-09)
20世紀の終わりから21世紀の初めにかけて、シリコンバレーで
何が起こっていて、著者が何を考えていたのかが書いてある。 自分がいる日本とのあまりの違いに衝撃を受けた。特に、個人 の財産は個人のもの、会社の借金は会社のもの、と分けている 部分には文化の違いを感じた。 著者がその当時考えていたことの記録に近いものだが、今になって 読んでみると当たっていたこともあれば、はずれたこともある。 都合の悪い話もそのまま掲載してあるところに、著者の真摯な姿勢 を感じる。 長いあとがきを読み終えて、次の本が読みたくなった。(しんちゃん / 2007-02-14)
読んでいて楽しくなる本である。徹底した楽観主義、希望が出てくる。明るくなれる。著者の文章力もあるだろう。一介のベンチャーキャピタリストが書く文章ではない。蛙の子は蛙の子。藤原正彦に通じる物がある。父上は有名な作家とか。
人のお金を借りて、好きで好きでしょうがない仕事を徹底して楽しみ、失敗してもお金は返さなくていい。シリコンバレー精神!、何とすばらしいと思う。私も20歳若かったら、挑戦してみたくなる。今の若者はいい時代に生まれた物だと思う。 でもこのシリコンバレー精神が生まれるのは、パソコン、通信などのハードの技術が完成期に達し、インターネットが急速に普及して、それに乗っかれたからだ。蒸気機関が産業革命につながったように、インターネットの勃興期の特殊な時期だから、シリコンバレー精神が生まれたんだと思う。これがずーっと続くとはとても思えない。(著者はずーっと続くと楽観的だが・・) 好きで好きでしょうがない仕事をやりたい人は沢山いる。でもそれでは飯が食えず、泣く泣くワーキングプアーをやっている人が大勢世の中にはいるんだ。現実はそれほど甘くはないと思う。シリコンバレーでも、この本に書いてあるように成功している人は少数ではないだろうか、多くは落ちこぼれてるのではないか、その辺の所はほとんど書かれていない。でも読後感はすがすがしい。(カッツ2007 / 2007-05-18)
シリコンバレーにどっぷり浸かった著者の人生哲学が興味深いです。
・変化していく自分を楽しむ ・「わかっていないことの面白さや混沌」の方へ踏み出す生き方 ・自分一人で判断して行動に移す ・限られた情報と限られた能力で、限られた時間内に拙いながらも何かを判断し続け、 その判断に基づいてリスクをとって行動する ・「好きで好きで仕方ない」こととは、自分にとって何なのか。どうせ一生仕事を続けていくのなら、 そのことを突き詰めていくしかない。 シリコンバレーという特殊な場所での所感とはいえ、 人生を豊かにする大切な考え方がきらめいている気がした。 (watanabe8760 / 2007-09-02)
「ウェブ進化論」以来 WEB2.0関係で飛ぶ鳥を落す勢いの梅田の処女作。単行本が2001年に出たが それから5年も経った後で 「ちくま文庫」という 中々ハイブロウな文庫から出た点にも注目して 読んでみた。
ネット関係の本で1996〜2001年に書かれた記事を纏めた本を2006年に再刊するというのは 出版社にしてもRISKはあるし 更には著者には更に大きなRISKのはずだ。何故なら 2006年までの歴史を知っているという「高み」から 1996〜2001年に記事が審判されることを意味するからである。 結論的に言うと 著者が執筆当時に 本書で「断言」したことのかなりは外れたし 当たった点でも「鮮やかさ」は無い。「ノストラダムスの予言」を現代に至るまでの歴史で 強引に解釈して「ノストラダムスの予言は当たった」と表明する種類の本では全く無い。 逆に言うと 当時の外れた「予言」を 堂々を再刊でも載せてくる著者の 誠実さと それ以上のしたたかさを感じさせるものがある。 この本を2006年に文庫化させたのは 著者が描き出す「シリコンバレー精神」が 爽快な程の楽天主義であるからだ。「意欲と努力と愛情があれば 誰にでもチャンスがある」と言い切っている梅田のアジテーションは 今尚耳に心地良いし 元気が出てくるからである。 個人的には梅田の以下言葉に震撼した。 「四十代前半を『縮小均衡』的精神で過ごしてしまうと 急激に老け込んでしまう」 正しく僕自身が その年代であるなかで 再度自分を見直そうと蹴飛ばされた思いである。(くにたち蟄居日記 / 2007-07-15)
自分の置かれてる環境とのギャップを思うと、
あんまりリアルな話に思えないんだけど、 ロマンはある。そこが良いと思う。 自己啓発の契機として「理想の働き方」を考える上で参考になった。 なお、たまたま機会があって「ヒューマン2.0」も併読してみたんだけど 文章のクオリティは段違い。(どあーず / 2006-12-26)
「ウェブ進化論」で梅田ファンになり、
この本「も」買ってしまった人は多いだろう。 もちろん私もそんな一人だ。 「売れるうちに売っておけ」とばかりに、過去の作品をこのタイミングで 改めて文庫する出版社のマーケティング手法への不満はあれど、 それはまあこの際置いておこう。 確かに内容的には古いし、「ウェブ進化論」ほどのインパクトはないが、 この本はこの本で、所謂「ドットコムバブル」の頃のシリコンバレーの 空気を伝える貴重な記録になっているし、興味深い記述には溢れている。 「誰が読んでも面白い」とまではいかないが、 少なくとも(広い意味での)IT業界で生きている人には、 考えさせられる記述が多いのではないか。 特に、ソフトウェアの分野で日本企業がなかなか世界に羽ばたけない一方で、 シリコンバレーからは次から次へと世界的な企業が沸いて出てくる要因の分析は、 現地にどっかりと腰を下ろした人なりの説得力がある。 「失敗しても返さなくてもいいお金」が現に存在することなど、 「グーグル(のような会社)を生むビジネス風土」として、 シリコンバレーならではの「風土(あるいは「精神」)」があるらしいのだが、 逆にそのような風土がなぜ日本に根付かないのかを考えるのは、 私たち自身に与えられた宿題なのかもしれない。 この本は少なくともそのきっかけにはなるだろう。 いや、それとも日本のIT業界でも、 若い世代は既にシリコンバレーライクな精神を持っていて、 既に世界に出ようとしているのだろうか?(山田晃嗣 / 2006-12-16)
本文庫の価値は、シリコンバレーからの手紙、ではなく、
「文庫のための長いあとがき」という題における、 「これまでのシリコンバレーを振り返り」、来るべき近未来を 展望するところにあります。つまり、ジェットコースターの ように、人類の歴史にない、経済のメカニズムを、怒涛の速度で 生み出していった、シリコンバレーモデルを、その肌で感じた 著者による、ネットの速度のエコノミーのアナトミーです。 その解剖を、将来へ敷衍すると、Web1.0で沸いている時代に グーグルがWeb2.0の基幹検索技術にまい進し、開花したように、 きっと今どこかで次代の覇者となる誰かが、何かに夢中でまい進 している・・それが、シリコンバレー精神だ、という主旨だと 思います。 その地に身をおいて見聞し、投資もし、自らシリコンバレーの人と なった梅田氏による、まだまだ終わっていない、同時代のルポであり、 平行して現代の先端経済の壮大な実験場でもある世界の分析と 予測の書でもあり、『ウエブ進化論』への道程でもある本文庫は、 今でも少しも古くなく、かえって今となってみれば、ということで、 過去の出来事を分析する貴重な証明でもあります。 特に、どんな段階、どんな登場人物、どんな力学で今日に 至り、これから何がおころうとしているのか、を予見する姿勢は 鋭くも、背筋がゾクゾクするところでもあります。(佐倉ごるふ / 2006-11-07)
90年代後半からネットバブル前後までのシリコンバレーを流れていた空気が読みやすく綴られていると思う。シリコンバレーの活動がバブルを発生させる構造を含んでいる、という指摘も分かりやすく整理されている。ただ、言葉の誤用も一部にあるので、すべてをそのまま受け取るのではなく、あくまで「梅田仮説」として考えるべきだろう。
一方、2006年に本書を手にする読者の方は、バブル崩壊後のことに(も)関心があるはず。副題の「グーグルを生むビジネス風土」が含まれているのもバブル崩壊後の時代のはずだ。「文庫のための長いあとがき」で触れられていることにはなっているが、正直物足りなさがある。もしそこを本当に知りたいのであれば「Web進化論」と併せて読むべきなのかもしれない。(txk / 2006-08-31)
梅田望夫本、やっぱり面白いです!
読み進めながら、 なにかがフィットするし、動き始める予感がある。 とにかく氏のテーマに対するコミットぶりは並ではない。 月刊雑誌連載の短文なので、 どこからでも読める。 読めるが、短文と侮るなかれ、 どの頁にも、暗中模索の中、氏自身が直接行動を起こし、 体験した中から会得した英知に満ちている。 「未来創造」へのヒント、インスピレーションをもたらしてくれる出会い、 偶然を必然にした出会いが溢れている。 > そうなんだ。 何でもかんでも、すべては個人の中から生まれるんだ。 会社からじゃないんだ。 価値を生み出すのは会社ではなくて個人なんだ。 日本人でそういうモノの考え方をする奴に初めて会ったよ。 > パーティなどの自己紹介で、「××社△△部所属の○○と申します」式の、 つまり、日本式の挨拶が通用しない世界、 裸の自分のコトバで語り掛け、 組織よりも個人が最優先される世界… でのお話し。 一冊丸ごと、全部引用したくなる。 こんな著者との出会いは、 そうあるものではない。 (『Web進化論』もそうだったが) > 行動するもの同士でそれらの情報が連鎖し、未来が創造される。 行動する者がいなければ生まれなかったはずの未来がである。 未来志向の行動の連鎖を引き起こす核となる精神。 それが「シリコンバレー精神」である。 > 「グーグルを生むビジネス風土」には、あるいは今も、 ピューリタニズムの伝統が脈々と引き継がれているのか? 「未来創造」に掛けて、その点、わたしたちの文化は、とても臆病だと言わざるをえない。(Bali_high / 2006-10-07)
本書は梅田さんがシリコンバレーから日本へ向けて書いた手紙をまとめたものです。もうずいぶん昔(1996〜2001年)の手紙ですが、ネットバブル崩壊後、グーグルがまさに大化けしようとしていた “シリコンバレー大革命” 期に書かれたものであり、不安と期待の入り混じった熱くリアルな空気感は最高です。
シリコンバレーのうずくような熱々の空気を伝えさせたら、日本では梅田さんの右に出る人はいませんね。読み終わった後に、胸が熱くなるこの感じ、やみつきになります(笑) 長い手紙の束からは、シリコンバレーがいかにして “シリコンバレー” になったのか、そして梅田望夫自身がいかにして “シリコンバレー” に染められていったのかが、リアルな手触りを持って感じられます。 シリコンバレー精神の真髄は、梅田哲学の真髄。彼の徹底したオプティミズム思想の根底には、未来を信じ・期待し・応援する熱い想いがあふれています。 だから梅田望夫はやめられない。(のいのい / 2008-04-16)
ちくま新書の『ウェブ進化論』が売れに売れた著者の旧著の文庫化。
経済格差の拡大など一部、アメリカ経済への批判もあるが、基本的にはシリコンバレー礼賛といった書物。 もちろん私自身もそういった実力社会への憧れがないわけでもないが、あまりにも無邪気な評価はちょっと鼻白む思いがした。 世の中そんな単純か? でもやっぱりうらやましいな。きっと私自身かれに嫉妬しているんだろう。成功者へのやっかみだ。 文庫化のために増補されたあとがきの中に、アップルのスティーブ・ジョブズがスタンフォードの卒業式でのスピーチで述べた言葉が書かれている。 「The only way to do great work is to love what you do.」 「Keep looking,and don't settle.」 いい言葉だな。 (hamachobi / 2009-07-20)
1996年から2001年にかけて著者が日本に向けて書いた「シリコンバレーからの手紙」を再構成して出版したものです.この時代はグーグルがまだ未来を模索していた時期で,変化の激しい業界だけに,具体的なところは大きく変わっているのかなと思いますが,それでもタイトルの「シリコンバレー精神」は活き活きと感じ取ることができます.
本書の中に,シリコンバレーの流儀として次の3つが挙げられています. 1. 事業の成功・失敗は,ビジネスというルールの上でのゲームであって,それを人生に反映させてはいけない. 2. 事業とは「失敗するのが普通,成功したら凄い」というある種の遊び感覚が必要となる. 3. 失敗したときに「関係者に迷惑がかかる」という考えをすてること.自己責任で集まってきていると思い込むこと. これくらいの心構えでやらないと,ビジネスの荒波は乗り越えていけないとのことです.ここらあたりが資金の調達が難しくて,人材の流動性の低い日本でベンチャー企業がなかなか育たない原因なんだなと思います. チャレンジして失敗してもやり直せる世界というのはやはりすごいですね. (wave115 / 2008-05-29)
一言で言えば、ちょっと昔のシリコンバレー物語(短編集)といったところか。シリコンバレーについてほとんど知らない人にとっては、かなり新鮮、いや、むしろ衝撃的とも言える内容だろう。一方、スタンフォード大学出身者の活躍やエンジェル投資家の存在など、当地の事情に関してある程度知っている人には、知識の再確認に終始してしまうかも知れない。ただし、当地のエンジニアやビジネスマンがそこまで意識しているかどうかは別にして、主題である「シリコンバレー精神」の定義や、副題にもなっている「ビジネス風土」の分析には、精力的なものがあり、著者の意気込みのようなものが感じられた。(ひとりプロジェクトZ / 2006-10-04)
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