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アフリカ 苦悩する大陸 / レビュー総評点:108
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ASIN:4492211772 / 売上順位:4520
東洋経済新報社(2008-05)翻訳:伊藤 真/原著:Robert Guest/ロバート ゲスト ¥ 2,310(中古:¥ 1,650)
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レビュー総評点:
108
翻訳も読みやすく、アフリカの今を教えてくれる良い本だと思います。また、日本では「アフリカ」として一括りにして扱われるアフリカの多様性(例えば、タンザニアは120の部族から構成されていながら殆ど民族対立がないことなど)を、ジャーナリストの筆力でvividに伝えてくれています。この本とコリアーの『最底辺の10億人』を読むと、開発経済学のフロンティアの一部を知ることができるでしょう。(Fernando / 2008-08-28)
◆今まで数十冊のアフリカに関するルポ本を読んできているが、本書がナンバー1といっても過言ではない。
◆原著は2004年に出版され、日本語版は2008年4月に出版された。原著が4年前の本なので、補足の意味で所所に訳注が入っている。 ◆著者ロバート・ゲストは経済誌『エコノミスト』の元アフリカ担当編集長。特派員として南アフリカを拠点に7年間にわたりアフリカを取材。アフリカに関する報道で外国人記者協会賞など複数の国際的な賞を受賞。現在は『エコノミスト』の米国特派員。 ◆経済発展しつつあるアフリカ諸国であるが、まだ多くの国で政治腐敗が横行し、一部の富裕層(それは政府上層部に直結していることが多い)だけが富み、多くの貧困層は相変わらず貧困のままである。経済誌の記者として、経済的な目線からアフリカ諸国が抱える問題点をルポした本書は、今まで読んできたアフリカ関連書とは違った切り口で新鮮である。 ◆著者の見解では、アパルトヘイトを廃止し黒人政権ができた南アフリカが発展した理由は、黒人政権ANC(マンデラの政権)がソ連崩壊をきっかけにマルクス社会主義と決別したからであるという。マルクス主義との決別を見た南アフリカの白人及び先進諸国の投資家は、南アフリカに投資しても財産が没収される危険性が無くなったと判断し、投資を行うようになった。逆にイギリスの植民地であり自由な経済だったジンバブウェは、黒人大統領ムガベによる白人の土地の強制収容など、投資家をびびらせる政策を実行したため、ジンバブウェ経済は崩壊してしまった。(第1章) ◆先進諸国の人権活動家は、アフリカ諸国から安く農作物(コーンフレークやカカオなど)を輸入することは、安い労働力として子供を働かせることにつながる、言い換えれば先進諸国が搾取していることなのだ、と言うが、著者はこれに異を唱える。先進国の活動家や労組がこのように唱え、アフリカから農作物を輸入しなくなったとき、困るのはアフリカの農民だ。アフリカの農民は、カカオやコーンを売るしか現金を得る方法がない。先進国が農作物を買ってくれないと、農民は現金を得ることができなくなり、ただでさえ子供を満足に学校に通わせることができないのに、現金を得ることができなくなったらますます学校に通わせることなど難しくなってしまう。(第6章) ◆またカメルーンでは、ギネス社のビール運搬トラックに同乗し、ドゥアラという港湾都市からベルトゥアという田舎町まで約500キロの道のりを行く。1泊2日の予定で出発したが、結局目的地までは4日かかり、1600ケースの瓶ビールは、賄賂で取られたなどの理由で2/3に減っていた。道路が少しまともで、警官による検問(=賄賂の強要)がなければ、カメルーンでももっと多くの商売ができる。田舎町の人だってビールを飲みたいのだ。(第7章) ◆経済的な側面から見たアフリカという切り口はとても新鮮で興味深く読めた。今年一番の本であるだけでなく、今まで読んだアフリカ関連書籍の中でも有数の本だった。満足。 (罵詈雑言アラメンド / 2008-07-08)
私はアフリカ3ヶ国で計10年以上過ごしました。今まで多くのアフリカ関係本を読みましたが、本書が一番共感できるものです。アフリカ自身が示す可能性と、アフリカの政治指導者が起こしているシリアスな問題。そしてグローバリゼーションをネガティブなものとしかとらえず、アフリカの人々の潜在利益を奪っていることに気がつかない先進国の活動家。
私にとってもアフリカで、政府を通す援助を行うことの非効率性と、住民への直接投資の効果は疑う余地はありません。アフリカを考えたい人が、第一に読むべき本は本書でしょう。(人の森 / 2009-04-12)
エコノミストの記者による主に(サハラ砂漠以南と言う意味での)南アフリカ
での取材を元にして編まれた一冊。 著者が前書きで「アフリカが貧しいのは、政府に問題があるからだ」と記した とおり、本書の中には明日への希望を持って生きる人々と、政府の腐敗・怠慢・ 能力不足etc...から来る貧困や健康不安にむしばまれる人で一杯です。 ・口約束、長老のさじ加減でどうにでもなる仕組みを改め止め、法を整備しよう と動き始めた(マラウイの場合)。これが導入されれば、今ある資産(土地) を使って融資も受けられて商売が出来るようになって貧困から抜け出せる。 ・AIDSの本拠地とも言えるアフリカにおいても、発症率を劇的に抑えることが 出来た(セネガルの場合)。 ・部族抗争、人種差別の真実。それは植民地政策の名残(ルアンダや南アの場合)。 ・役人は賄賂大好き。ビールを運ぶトラック。受けた検問40数回、目的地に 着いた時、荷台には出発時の三分の一しか荷が無かった(カメルーンの場合)。 結果が出ている解決策を見てみるとそこには・・・1)必要とするところに必要 なものだけを直接届ける。2)援助に優先順位をつける、3)これで僅かな費用で 効果十分、という事実が浮かび上がります。 彼の大陸の実情を知れるのはもちろんですが、援助大国として(その費用は 税金から出ているのです)真に求められてる中身は何なのか?且つ効果のある それはどんなものなのか?ということを知ることも出来る一冊です。 原著の発行が2004年、本書の出版が2008年、適宜訳者によってデータがアップ デートされている点も「今」を伝えるノンフィクションものとして好感が持てます。(藤崎健一 / 2008-09-06)
アフリカがどうして発展できないのかという問題を、南アフリカ駐在のジャーナリストが細かに書いた本。
私のようなアフリカに対する知識ゼロの人にもわかりやすいように、非常に細かいところまでやさしく書かれている。 特に著者の専門でもある経済的な視点からの切り口はすばらしい。 かといって堅苦しい本ではない。 ときどきジョークが混じっていたり、話題が脱線するので気軽に読める。 この本を読むと、アフリカが貧困にあえぐ理由はアフリカ各国の政府が良くないからだと分かるだろう。 しかし著者はアフリカに生きる人々の力強さに未来を見ている。 ちょっと楽観的かもしれないが、直にアフリカの人々と触れた著者の言葉だから重みがある。 翻訳の質も問題ないので、気になった人は買って損はしない。 アフリカのいまについて嫌というほど分かる。("スカーレット"は"緋色" / 2009-05-17)
アフリカの悲惨さは既に広く知れ渡る事になりましたし、それを訴えるだけの本なら数多くあります。ただしこの本が今までの本と違うのは、アフリカの現状と展望を経済、科学等を重視した独自な視点で分析し、今後の展望に関して決して少なくない希望も与えてくれる事です。以下、私が本書で斬新に感じた内容を4点ほど紹介したいと思います。
まずはアフリカの「眠れる資産」に関する分析。本書では、アフリカの都市部に限定しても、アフリカ全体のGDPの約3倍に相当する資産が眠っている事、にもかかわらず土地の財産法等に関する制度が未発達な事が記されていますが、これは逆に、適切な制度を設ければ、アフリカも十分発展につながる事を示しています。 2つ目は援助と自由貿易に関する分析。ボツワナの経済成長はあまり注目されませんが、援助や貿易を有効に活用すれば、ボツワナのように豊かになりますし、逆に舵取りを間違えれば、ザンビアのように破綻国家への道を邁進する結果になります。 3つ目は科学技術。優れた科学技術を活用し、教育制度を整備すれば、人々の医療や通信等を充実させる事ができますが、逆に指導者が科学技術を敵視すれば、ザンビアのように飢餓が拡大し、南アフリカのようにエイズ対策が遅れる結果になります。 4つ目は、エリートの過度な被害者意識の危険性。チャールズ・テイラーやロバート・ムガベのような残忍な独裁者を賞賛し、自国の問題を他国に責任転嫁する国がどうなるかは北朝鮮を見れば一目瞭然ですが、従来のアフリカ書籍にはない指摘だと思います。 適切な舵取りを行いさえすれば、アフリカも十分豊かになる事を、本書から読み取る事ができますし、そのための方策も数多く記されています。アフリカを成長させるにはどんな点をどう改善すべきなのか。本書は多くの人に薦めたい、第1級のアフリカ書籍です。 (nimoscomos / 2009-01-25) レビュー数 6 [amazonでレビューを書く] 平均点:5.0 |
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