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クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった / レビュー総評点:69
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ASIN:4492580824 / 売上順位:1893
東洋経済新報社(2009-02-06)野村総合研究所 城田 真琴 ¥ 1,575(中古:¥ 899)
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レビュー総評点:
69
クラウドを解説する本の中では一番よくまとまっていると感じた。実際、ランキングを見るとクラウド関連の本の中では一番よく売れているようだ。他の本がほとんど文章だけであるのに対し、この本は図表やデータが多いため、非常に分かりやすく、説得力がある。
また、情報の網羅性も群を抜いている。クラウドの活用やクラウド・ビジネスへの参入を計画するにあたって、気になる点は一通り網羅されており、リファレンスとしても利用できる。 情報が若干古いといって評価を下げているレビューもあるが、情報の鮮度はWebに求めるべきで、書籍にそれを求めるのは違うように思う。 なにより、ユーザー企業のクラウド活用に向けたフレームワークやクラウドがIT業界に及ぼすインパクト、将来に向けた課題などがデータや具体例とともにわかりやすく整理・分析されており、ユーザー企業、ベンダーの立場に関わらず、ITに関わる人なら読んでおいて損はない。 クラウドの負の面にも触れられており、過度にブームを煽ることなく、中立的な立場から書かれている点でも本書の信頼性は高い。 ニコラス・カーの「クラウド化する世界」で大局観をつかみ、本書で詳細を把握すれば、クラウドに関して重要なポイントは一通り押さえることができるのではないだろうか。 (イチロー / 2009-03-17)
2008年秋現在の最新情報を盛り込み、クラウドについての言葉の定義、歴史、プレーヤー、現状及び今後の展望がよくまとめられている。
著者は、クラウドの適用性をコア・コンテクスト(差別化の観点)及びミッションクリティカル・非ミッションクリティカル(リスクの観点)で4事象に分け、 コア・ミッションクリティカル :自社開発(クラウドに頼らない or プライベートクラウド) コンテクスト・ミッションクリティカル :SaaS コア・非ミッションクリティカル :PaaS、HaaS コンテクスト・非ミッションクリティカル:SaaS という分類をしている。 コア・ミッションクリティカルの業務は、セキュリティ、信頼性(SLA)、データ秘匿性、障害時の対応などを考慮すると、 当面クラウドへの移行は不可能と言えるだろう。 日本の大手のシステムインテグレータは、今後、この自社開発のパイを争うことになり、 中小のシステムインテグレータは PaaS におけるサービス開発、SaaSのカスタマイズなどを担うようになっていくと著者は予想する。 システムインテグレータに身を置く私としては、今後のクラウドの展望についてはいろいろ考えさせられた。 その他、ベンダビジネス、データセンター、ホスティングサービス、PC、Webブラウザなどあらゆる分野に波及し、 まさに破壊的イノベーターとなり、パラダイムシフトを呼び起こすと述べている。 それほどクラウドの衝撃は大きいということだ。 このクラウドが成熟したときに世界はどのように変わっているか非常に楽しみでもある。 本書は、まだ足下が暗い夜明けのクラウドのよきガイドとなってくれるであろう。(KONY / 2009-03-01)
著名アナリスト、NRIの城田氏による、渾身の力作です。
クラウド・コンピューティング本はすでに急速に出版されて いますが、本書がたぶん、一番情報が網羅されているし、客観的に 分析、整理されていて、偏りがない。 しかも、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、セールスフォース など、メディアやWebzineで「目立つ」情報だけでなく、IBM、オラクル、 AT&Tなど、エンタープライズ向けのクラウドサービスの動向も詳しく 収集、分析しているところが、さすがと思わせます。 また、単にネタを収集するに終わらず、クラウドコンピューディングの今後 を予測する枠組みとして、ジェフリー・ムーアやクリステンセンの理論を 思考の枠組みとしているところは、その辺のジャーナリズム本とは 一線を画す。ネットの「あちら側」だけでなく、ウルトラ・モバイルPCを もめぐる、クラウドの「こちら側」の革新も含めて、情報革命のメガトレンド を丁寧に、浮かれることなく、冷静に整理、分析しているところがすごい。 「今、そこにある」サービスを克明に収集し、分析しただけでなく、 今後のクラウド化への「パラダイムシフト」をにらんで、できている こと、できておらず課題であること、も克明に整理。 特に、各国が、データ保護法とも言うべき、予防線を張っている現状は たぶん一般にはあまり知られていないのではないか? ひとまず、現時点のカッティング・エッジを集約したすぐれた本書を 出発点として、クラウドコンピューディング(や、 グリッド・コンピューティングや、サービス化、 ユーティリティ・コンピューティングなど)が、果たして、 一過性のバズワードなのか、本物の革命、パラダイムシフトなのか、 を見定めることができると思います。(佐倉ごるふ / 2009-02-12)
クラウドコンピューティングの市場について抱負な調査データを使いながら、分析指されている点は非常に興味深く勉強になる。しかしながら、帯に書かれている「わずか5台のコンピュータ」は、既に2年以上も前に使われている内容で、また、書かれている内容も10月末までのもので、マイクロソフトのWindows Azure等の最新の情報があまり触れられていないのが非常に残念なところである。また、縦書きなのにも関わらず、アルファベットが多かったのも読むのに少しつかえるところがありやや気になった。クラウドコンピューティングについてしっかり整理・分析されている点では他の書よりは優れていると思われるので、内容が最新版に改訂されるのが期待される。(tcue / 2009-03-14)
クラウドで使われている技術、
IT業界の主要プレーヤーが提供しているサービス、 ITベンダーへ与える変化 ユーザ企業への利用指針が データを元に丁寧に説明されている。 個々のエンジニアへの助言もあると さらに良かったと思う。 「衝撃」と言葉がタイトルに使われていたので、 「フラット化する社会」や「Web進化論」を読んだときに感じた、 「世界が変わる。」 というゾクゾクする感覚を味わえることを期待しましたが、 本書には、そのような主張・予言はありませんでした。 どうやら、クラウドは、 「IT業界のビジネスモデルが変わる。特にSI。」 「個人事業主、ベンチャーに有利」 という程度のもののようです。。。 ITサービスを利用する側から見たら、 「無限ともいえるスケーラビリティと柔軟性を備えた ITインフラをこれまでにない低料金で利用できる」(249ページ) だけのようですね。 本の内容が悪いわけではありませんが、 「衝撃」というほどでなかったので、星3つ。(かつ / 2009-03-12)
サーバ/ネットワークインフラのSIerは、完全な斜陽産業であるとの印象を強く持たされた。
まさしく自分がインフラSEであるだけに、タイトル通り衝撃の一冊である。 「未だにメールサーバを社内に持ってるの!?」 こんな会話が10年後にはいたる所で聞かれるのではないか。 セキュリティの確保がクラウド時代への移行に際して超えなければならない壁ではあるが、個人的には「顧客データベースが社内にあるから情報漏えいが恐い」という経営感覚が常識になる時代も近いのではないかと感じている。 この斜陽産業からどのように活路を見出していくのかー あらたな挑戦が必要だ。 (烏山響一 / 2009-12-04)
「クラウドコンピューティング」という言葉自体は、文字通り雲をつかむような(?)曖昧なもので、いかにも一時の流行語っぽい言葉のようで個人的にはあまり好きではありません。
実際、同じように胡散臭さのようなものを感じている方々も多いのではないでしょうか。 ところがその本当の中身はといえば、これまでのIT業界の常識を覆すほどの新しい潮流を示すものだと思います。 本書は、IT業界に多少精通していないと難解な部分はあるかもしれませんが、「クラウド」の本当の姿を知る(海外のネット企業がいかに先行しているかという事実も含めて)には最適だと思います。 また、このような時代の流れを目の当たりにして思うことは、ITに関するサービス提供の形態は、今の電気やガス・水道のようなものに近くなっていくんだろうなということです。 (Skywalker / 2009-08-09)
この本は、業界関係者だけでなく、一般の利用者も読んでおく必要があるだろう。
クラウド・コンピューティングの説明は割愛するとして、 社内に自社サーバーを設置してメンテすることが時代遅れになりそうだし、 ソフトウェアも、買ってインストールするなんてことがなくなるかもしれない。 さらには、「昔は、パソコンにマイクロソフトのOSを使っていた時代が あったんだよね。」ということになる可能性も十分にある。 そんな大きな変化が起こっている、ということがよくわかる本だ。 グーグルが巨大データセンターを次々と建設し、マイクロソフトが それに追随している理由が、それ、なのだ。 なにしろ、「世界にコンピュータは5台あれば足りる」らしいのだ。 どの企業でもシステムなくしては仕事が成り立たなくなっている。 しかし、それなのにシステムダウンで今日は仕事ができません、なんて日が あったり、また新聞には出てないけど、顧客データが外部に流出してしまいました、 ということが発生している(のではないかと思われる)。 クラウド・コンピューティングは、その解決策になるのかもしれない。(あらフォーティー / 2009-07-25)
クラウドコンピュータの知識0の状態で、教養として読んでみた。
クラウドコンピュータとはなにか?から始まり、仕組み、何が変わるのか、今後の戦略・課題まで一通りの流れが説明されている。 各章で1つ1つ丁寧に解説しているので、素人が読んでもクラウドの概略がわかる。 他の本を読んでいないのでなんとも言えないが、この本に特に不満は感じなかった。 教養として軽く読んでも十分良書だと思う。(あう / 2009-04-12)
クラウド・コンピューティングをちゃんと定義し,グリッド・コンピューティングやユーティリティ・コンピューティングなどの類義語とのちがいを明確化するなどして,クラウド・コンピューティングというものがクリアにわかるようにしている. そして,グーグル,アマゾン,ヤフー,マイクロソフト,IBM などの企業がどういう戦略をもってそれにのぞんでいるかを分析している. しかしながら,内容は常識的であり,それ以上に注目するべき内容がふくまれているわけでないのも事実である.
(Kana / 2009-04-09)
クラウド・コンピューティングに関して理解し、情勢を俯瞰する上で、最良の入門書。
第1章で、グリッド・コンピューティングやユーティリティ・コンピューティングなど混同しやすい概念との違いを丁寧に解説し、さらにはASP、SaaS、PaaS、HaaSとの関係を分かりやすく説明。まさに痒いところに手が届くような見事なクラウド・コンピューティングの概説になっている。 第2章では、雲の中身はどうなっているのか、ということで、ちょっとばかりテクニカルな解説が入る。一般向けということであまり難解に陥らず、それでいてポイントをついた説明。 第3章は、クラウド・コンピューティングの担い手たるネット企業「グーグル」「アマゾン」「セールスフォース・ドットコム」の戦略を解説。 第4章は「マイクロソフト」「IBM」「オラクル」「AT&T」といった旧来の巨人たちの取り組みを紹介。大企業のデータセンターのクラウド化を支援する「ブルークラウド」戦略を展開することでグーグルやアマゾンとは住み分けを行うIBMの強かさが印象的。 第5章では、企業はIT戦略をどのように考えていけばよいのか?ということで、「コア/コンテクスト分析」「ミッション・クリティカル/非ミッション・クリティカル分析」から、あざやかな提案をしている。 第6章ではクラウド・コンピューティングで何が変わるかを様々な視点から説明し、第7章では「どこにどういうデータが置かれているか」という観点からの様々な国での規制についての動きの紹介がある。 ということで、知っておきたいことが平易に中立に網羅されているので、少なくとも概要としてはこの本で必要十分ではないかと思う。(冬の暖かな鎌倉の海岸で / 2009-03-16)
一般書のような装丁で、実際、一般ビジネス書のコーナーに置かれていたが、ITの知識がないと少々難しい。見た目よりは専門書に近い印象を覚えた。
それから文章は決して下手ではないが、特別上手くもない。単純に、文章表現上の理由によってわかりにくく感じる部分も多々あった。 とはいえ、書かれている内容は非常に充実している。クラウドコンピューティングの全体像を知るうえでは最適な一冊だろう。特に、企業によるクラウド利用を意識して書かれているため、一般コンシューマー向けに書かれた『クラウド・コンピューティング』(朝日新書)には載っていない知識も豊富だ。 セキュリティ面をはじめ、クラウドの負の面についてもきちんと考察しているバランスのとれたスタンスにも好感。(モッケン / 2009-02-21)
野村総研の看板アナリスト城田氏によるクラウド・コンピューティングの解説本。氏の講演も素晴らしいが、本書も非常に分かり易く、バズワード化しているクラウドを解説してくれる。
まず、グリッド・コンピューティングとの違いなど、誰もが疑問に思う点に答えながら、歴史的経緯と共に、クラウド・コンピューティングとは何かを明らかにしてくれる。続いて、クラウドのアーキテクチャをグーグルやアマゾンを例に、技術的側面から解説する。さらに、グーグル、アマゾンだけでなく、マイクロソフトやIBM、AT&Tなども含め、主要なプロバイダの戦略を分析している。また、ユーザーサイド(ベンチャー、中小企業、大企業)のクラウドに対する取り組み方も指南してくれる。 最も読み応えがあるのは、6章の「クラウド・コンピューティングで何が変わるのか」の部分。クラウドが産業界へ与えるインパクトを、サーバーベンダー、ソフトウェアベンダー、SIer、PCベンダーなど多角的な観点から分析している。野村総研の底力を感じさせてくれる章である。 日本人が書いているため、「クラウド化する世界」よりも遙かに読みやすく、短時間でクラウドの全貌をつかむには最適な本。お勧めです。 (kenta / 2009-02-11)
クラウドは、昨年(2008年)IT業界でもっとも耳目を集めた新しい言葉のひとつだが、人によって解釈が異なり、いまひとつ「雲」を掴むような感があった。本書は、概念論ではなく、すでにサービスが始まっている具体的な「クラウド」をベースにしたもので、全体像が非常にわかりやすく整理されているが特徴だ。
10年後、企業からサーバが消えてなくなり、世界に5つあるデータセンタですべてが賄われるという。ニコラス・カーはクラウドを"大転換"と評した(クラウド化する世界)が、本書の著者は"破壊的イノベーション"と評する。いずれもこれまでの延長線上に未来はない、という認識では一致している。個人にとっても企業にとってもたいへんな変革が起こりつつあるのかもしれない。 特にIT業界に身をおく方には一読をお勧めしたい。(丁三 / 2009-03-09)
初心者がクラウド・コンピューティングについて概要を把握するには広い範囲を良くまとめてあり、良書だと思う。しかし、クラウド・コンピューティングについて少々の知識が既にある人には若干の物足りなさを感じる。特に、MicrosoftのWindows Azureについての記述が少ないのは残念である。また、クラウド・コンピューティングで採用される一貫性(consistency)の考え方、キー/バリュー型のファイルシステム、分散ハッシュテーブルなどの記述があると良いが、それらは続編に期待したい。(hocapito / 2009-02-17)
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