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生き残る生物 絶滅する生物 / レビュー総評点:-4
『生き残る生物 絶滅する生物』で画像検索
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ASIN:4534042337 / 売上順位:65435
日本実業出版社(2007-05-24)
泰中 啓一
¥ 1,470(中古:¥ 362)
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レビュー総評点:
-4
端的にいって、この本は多くの不正確・不適切な記述を含んでいます。進化生態学のよい入門書は他に沢山あるので、初心者は避けたほうがよいでしょう。 まず冒頭の自然選択の説明からしてロジックがよく解りません。自然選択に関しては表面的にのみ理解している人が多いのですが、この本のような説明ではそういう人々の理解を深める助けにはならないでしょう。 それ以降も「交尾は快楽でもあり、オスは財産と快楽を同時に得ようとします」「生物の場合は、適応度の最大化を主目的として進化していきます」「複雑な構造をもった生物は単純な生物より、生き残るうえで有利」等々、自然選択に対する通俗的な誤解を招く説明が頻出しますが、初心者への配慮は皆無であり、著者ら自身が誤解している可能性すら疑われます。 他にも、雑種や個体群のような生態学の基本用語でさえ誤用していますし、「囚人のジレンマゲームでは、一般的にESSは存在しません」「フィッシャー理論の最大の弱点は、ESSが不安定ということ」など、基本概念であるESS(進化的に安定な戦略)に関する初歩的な誤りがみられます。基礎からして怪しいのですから、後は推して知るべし。もちろんこの本の内容が何から何まで間違っているわけではありませんが、様々なレベルで間違いと混乱が満載の本だといえます。 他にも問題のある箇所は無数にあるのですが、最後に特に指摘しておきたいのは利他行動の紹介です。筆者らは『黄金律』(常に協力する戦略)を賞賛しています。書評子も無償の愛を尊ぶという道徳観は人として持ってはいますが、黄金律やそれ以外の戦略に関して事実を誇張したり、理論上の戦略としての欠点と人間社会の道徳律としての欠点を混同させるような奇妙な理屈を用いてまで黄金律を持ち上げる筆者らの姿勢は、客観的事実をまず尊重すべき科学者としての倫理を踏み越えてしまってはいないかと危惧します。(A6判 / 2008-11-26)
理学博士と理論生物学者の共著による書。『素数ゼミ』や『トンボのタンデム飛行』、『働かないアリ』などを紹介しながら、その理由についての体系的理論を数学やシミュレーションの結果を基に解説した教養書。前半はあっという間に読めるが、後半のゲーム理論に基づく説明は時間をかけて読むべき内容。多くは中学生でも読めるが、数学的ゲーム理論は高校生以上が対象と思われる。約150ページの分量で、7章からなり、小項目は図入りで2ページずつの内容。 本書は体系的に進化(というよりは淘汰)について学ぶ書である。前半は中学生レベルの読み物かと思って進むが、後半はナッシュ均衡や囚人のジレンマなど、ゲーム理論で有名な内容が網羅されていて高度になる。ただし高度といっても数式自体の難易度は高くはない。したがって、ダーウィンの進化論というよりは数学的淘汰論を体系的に知ることができる斬新な書である。そういた意味で著者の戦略と書の構成は高評価である。 難点は、一項目あたり2ページしか説明がないことが多く、不十分な印象を受ける点。ただし、各項を詳細にすると大変な量になる。また、文章が洗練されていない点。例えば、『癌は寿命を最適化するために宿主を殺す』としている点は『癌などの病気によって寿命が最適になった(長すぎなかった)ことで人類が繁栄できた』とすべきである。他にも、もっと違う表現にすべきと思われる点が散見される。さらには、最終章の後には総括とするあとがきを掲載すべきである。なぜならば、本書で示す体系には壮大なテーマがあるにもかかわらず、あっさりとしすぎているようにも感じるからである。検証した限り信憑性については問題なさそうだが、参考文献が提示されていない点は問題で、これが改善されれば広い読者層に受け入れられ、より進んだ勉強ができると思う。 本書は、より専門な書を探すためのナビゲーターとして読むのがいいと思う。たとえば、本書と『素数ゼミの謎』を併せて読むと非常に面白いし、同様に『ゲーム理論トレーニング』を本書の後に読むと読書のモチベーションは倍増する。前述の改善点を考慮して星4つの評価。個人的には参考になった反面、すこし物足りなさも共存した書。(MM / 2008-04-05)
多岐にわたるテーマについて書かれていて、とても楽しく読めた。「怠けアリがいるほうが、効率的に働ける」「いい加減さが最適化につながる」といった、何だか親近感を覚える話題だ。2ページ読みきりのスタイルなのだが、実際には章ごとにストーリーが展開されている。この方法により、スムーズに、簡単に進化のプロセスを説明されている。 易しく書かれており、少し物足りない気もする。しかし、そこの疑問が生じる余地があり、自分で考える、という科学において最も大切なことを促してくれる。 (Yumi / 2008-10-24)
レビュー数 3
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平均点:3.0
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