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レビュー総評点:
14
善悪の対局をして世論を形成する西洋的な手法をとるメディアの力も重要だけれど、賢く強い日本的なコミュニケーションの力でつながったネットワークでの貢献の姿勢も持っていたいと考えました。 「正しい」と思わされている事や常識の裏にある人間のエゴやまやかしに潜むなれ合い、外との気圧差から内をまもる壁に絶対を信じる組織を、健康的な議論の場に「正しく」位置づけることは、金融界ではとても繊細で体力のいることなんだなと感じました。 競争力のあるしくみをつくる力をもとう、何年か先を考えるより目の前の課題に取り組もうという気がちょっとですが出てきます。特に、文体(文章の形)が明らかに教科書的でなくなってくる後半のたたみ込みの展開に、「あれ、金融は経済構造なんだ。」と感じます。活字をひろっていくというより、「講演に身を乗り出し聞いている」ような感覚でした。 「銀行学入門」とあるので、次は「中級編」?。できれば、多くの方との繋がりに長けた、新しい価値を世の中に提案していくコンサルタントならではの「チームでの実践編」を見てみたいですね。様々な特技と経験、エゴと人の運をかみ合わせ、試行錯誤を続けることで社会に貢献するクリエイティブ(銀行学)は、どんな形がでてくるのだろう。 それにしても、「勝者の驕りが弱者の英知を葬る」は痛快でした。 (三吉 / 2009-06-30)
ピリッと山椒が効いてますが、全体的に日本の銀行・中小企業への愛情が感じられま した。 私も長年銀行で働いてますが、もっとがんばらないとダメ!イノベーションに真面目に取り組まないと!と、叱咤激励された気がします。 少し辛口なので、この「愛情」の部分を感じ取れないと、反発を感じる方もいるかもしれません。 全体に分かりやすかったです。これまで、なんとなく分かっていたつもりでも、数字・ファクトに基づいて説明してもらえると、「ああ、やっぱりそうだったのね」「あれ?意外に自分の常識が間違っていたかもしれないな」という発見がありました。(どらみ / 2009-06-26)
日経で紹介されていて購入しました。期待以上に本当によくできた本です。これ一冊で銀行の概要が大方分かってしまうといっても過言ではない気がします。著者はコンサルタント出身のため、文章が分かりやすく、初学者や学生にも理解しやすいよう書かれている点もgood. 本書の柱は3つ。「経営」、「収益」、「イノベーション」。内容は本書を読んで理解頂きたいですが、預貸率、ALM、ATM等の業務効率化がキーワードになってくるでしょうか。 著者はもう一点大切なことを進言してくれています。「行員は海外事例から学びなさい」。この言葉に私は反論できません。これを裏付ける「銀行員よりメーカー社員の方が英語に精通している」という事実に、愕然とさせられたからです(残念ですが、元マッキンゼーの方が仰っているので真実だと思います)。昨今は金融規制も緩和の方向に向かっている中、海外での成功例を持ち込み、活用していく事例がもっとあってもいいのではないでしょうか。 本書を読み、銀行を少しでも改善していくよう提言する行員やコンサルタントが数多く生まれるよう、読者の私も心から期待しています。(さるごりら / 2010-01-19)
この本を読んで、銀行に対する見方が変わりました。 わたしは、東京の下町の自営業者ですが、いままで銀行にたいし、あまり良い印象を持っていませんでした。 しかし、この本の傍題にもあるように「貸し渋りの何が問題なのか、なぜ起きているのか。」「銀行は預金でも、貸出でも儲けていない。」「銀行の収益の柱はALMというシステムである」など、一般の人では窺い知れないような銀行の仕組みを、豊富な図解と平易な文体による解説によって知って、なるほどこういう事だったのかと思いました。 この本は、これからの金融を支える若き銀行員と日本の産業を根底から支える中小企業の方々にこそ読んでもらいたい。 巻末に記された結語、「すべての銀行関係者と、すべてのガンバル中小企業のみなさんに本書を捧げます。」これでこの本はわたしのビジネスにとっての座右の一書となった。 (自営業者 / 2009-07-03)
読んでみた。簡単で分かりやすい。それ以上に、銀行関係の本でこんな本はなかった。 銀行の顧客である中小企業(主に借り手)と個人(主に預金者)について、公平な観点から銀行の限界や問題点を冷静に、またときにはユーモアを交えて言及している。きれいごとではない、リアリティを感じた。 特に、25年前の中小企業と今の中小企業で、あれほどまでに利益水準が異なるとは、日頃からビジネスの現場にいながら気づくことがなかった。その現実に驚愕せずにはいられなかった。同時に、日頃喧伝されているニュース報道の一方的なメッセージに疑問を投げたくなった。 著者のいうように、銀行への批判だけからではなく、日本の実体経済の基盤となっている中小企業問題から、本当の経済対策を講じなければいけないことを強く感じた。(ゴンゴンのパパ / 2009-06-19)
私は銀行員ではありません。 が、この本は大変、良かったです。 リーマンショック以降、巷では「金融工学は悪」みたいな議論が多いですが、そんな単純な話ではないでしょう。 著者の「航空工学の発展と同様、金融技術の発展と金融業の進化を期待しています」は、業界人への応援歌と理解しました。 私はニュースを見ていても、銀行のどこに真に問題があるのか良くわかりませんでした (知りませんでした)。 この本では、痒い所に手が届く感じで、専門家の視点で、かつ、分かりやすく説明されており、すっきり納得しました。 視点もフェアで、遠すぎず、近すぎず、ちょうど良い感じ。 チャートも多くて、今時の銀行の全体像もよくわかりました。 それにしても、銀行が電力会社、ガス会社、カード会社とデータ交換するのに、今も磁気テープで物理的にやっているとは、、、 目からウロコでした。 この時代、ネットワーク万能と思っていましたが、コストダウンに逆行することもあるのかと驚きです。 もう1つ良かったのは、「今昔預金業務ものがたり」。 近頃、銀行で定期預金しても何も(ティッシュも) くれなくなったのもなるほどと納得... 時代はこう、変わった訳ですね。 ちなみに、同じ著者による「新・銀行論―銀行とノンバンクが交錯する時代」も読みましたが、これも良かったですよ。 (ところで、自分の学生時代は銀行は花形だったし、同窓会でも床柱を背にしていました。 これから、5年後、10年後、子の世代になった時、銀行の就職人気は? 年収は? 安定度は? どうなっているのでしょうか??)(センチュリー22 / 2009-06-28)
あしたのための「銀行学」入門 その「銀行学」というタイトルに惹かれて購入した。 私にとっても、銀行はとても身近な存在だった。 でも、それはお金を預けて引き出すという「便利な存在」でしかなかった。 「パスモ」とか「コピー機」とか「パソコン」といったものと同等の存在だった。 つまり「モノ」だったのだ。しかし、銀行も「企業」であるということに気付かされた。 血の通った企業として銀行を見てみれば、それは不完全が当たり前の存在であり、 私たちと同じく一生懸命向上しようとしている存在だということがわかった。 世の中をもう少し優しい目で見ようと考えさせられた。 読む価値のある名著である。 (けいすけ / 2009-07-23)
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平均点:5.0
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