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レビュー総評点:
136
新聞・雑誌等に登場する社会問題についての記事・評論(特に統計)に対する適切な態度を知る上で必読の一書。統計学というよりも社会学に対してより有益な内容である。これより平易な内容としてダレル・ハフ著『統計でウソをつく法』もある。 筆者は、人々がある新しい統計に出会った際、まずこの統計の出所はどこで、この統計を用いる人の立場と利害に注目せよ、と説いた上で、どのように統計が作られていくのか、その中でも人々を混乱させる統計はどのように作られるのかを問うのが重要だと言う。 本書は主に「どのようにおかしい統計が作られていくか」を主眼に頁が割かれており、困った社会統計の実例集でもある。扱われる統計は主に近年の米国のものであるが、レーガン政権がホームレスの数をおよそ30万人と見積もったとき活動家が300万人いると主張した統計の差はどこから来るのか、米国でUFOに誘拐された人は2%(400万人)にのぼるのか、米国では毎年15万人の女性が拒食症で死んでいるのか、等の日本人にも理解しやすい実例集となっている。 それらのおかしい統計がどのように作られるかを分類・考察した上で、最後にこの書は、人々は社会統計に出会う際に批判的であれ、と説く。批判的である、とはあらゆる統計を鵜呑みにしたり、逆にあらゆる統計を反射的に否定することでは無い。統計は常に不完全であることを理解し、役に立つこともある点を理解することである、として判断を留保する姿勢が大事であることも説いている。6章は特に重要で、ぜひ本書をご覧になって頂きたい。このアプローチは統計に対してだけでなくあらゆる意見や評論に対しても重要であり、メディアリテラシーを学ぶ上でもお薦めしたい。(kibashi / 2006-07-19)
統計は、特定の見解を裏付けるためには欠かせない手段だ。見解をより具体的なものとし、なによりもそれが正しいという証明になる。ところが、ここに一つ問題が現れる。統計は色々な意味で正確性に欠けるということだ。それについては本著で詳しく述べてあるが、思わぬところで数字が歪められていたりするのだ。さらに、ここに問題がもう一つある。統計という一つの情報を目にした我々は、「数字は数字であるが故正しいに違いない。」と、統計を一種の魔術と捉えがちなのだ。現実的に考えてありえない数字が目の前に現れても、疑う余地もなくそれを受け入れてしまう。つまり、「数字の独り歩き」というわけだ。 本著は、あらゆる統計を無価値なものと切り捨てることを、勧めているのではない。統計とは常に不完全ではあるが、便利なものでもあるからだ。つまり、数字を絶対的なものと捉えるのではなく、あらゆる統計につきものの限界を理解するということだ。それを本著では「批判的な」姿勢と呼ぶ。 完璧に見える数字にも、不完全な部分があるのだと思い知らされる一冊だ。(furafura / 2007-01-28)
私たちは、『調査によりますと~』とか、『これだけの人が~』などと、数字を持ち出されると、鵜呑みにして、信じてしまいがちである。 しかし、その中には、ウソが多い。 ちょっと計算してみるとわかるようなウソの統計もあるし、なかなか見破れないウソもある。 要は、数字を鵜呑みにせず、少しは自分の頭で考えてみることが肝要だ。その数字を言っているのが、誰であったとしても。 ひとつ注意して欲しいことは、『統計は、ウソをつかない』ということ。ウソをつくのは、統計(数字)を作る人と、それを使う人だ。そして、すべての統計がウソである、という訳でもない。 この本の原題は、『DAMNED LIES AND STATISTICS』である。直訳するとたぶん『いまいましいウソと統計』だ。『統計はこうしてウソをつく』という書名は、本書の中で例示されているいい加減な統計の使い方と同じことをしている。つまり、より劇的な表現にして、誤解を招いている。(汐菱Q / 2003-08-17)
統計の数字のウソについて述べた本 はじめに、に書かれている大きなウソ 「米国で銃によって殺される子供の数は、1950年以来、年ごとに 倍増している」これが正解ならば1983年には86億人の子供が 銃で殺される計算になる。 あまり良い例ではないものの、統計上のウソについて述べた本である。 この本は、統計によりウソを作り出さないように 作り出されたウソを例に引き解説をしています。 まず、この本の対象である社会統計とはなにかについて述べています。 2章にてソフトファクトとして、標本の定義と抽出について述べ 3章にて、突然変異をおこさないように気をつけることを述べています。 4章は不適切な比較、そして5章、6章にて統計をめぐる話について 述べています。 この本の中でも述べていますが、「統計でウソをつく法」よりも 豊富な実例を元に説明しています。最後の集会の人数の統計 つまり、新年の明治神宮の参拝客がXXX万人だったなどの有名な 統計の問題など、読んでいて飽きませんでした。ざっと読むと統計での 落とし穴がよくわかり良いのではないかと思います。(親カッパ / 2008-10-17)
私を含め、人はおおむね数字に弱い。 統計を援用されると、その主張をつい「なるほど」と納得してしまう。 しかし、数字というものは確定的に見える分だけ、その真実性は一面的である場合が多い。統計から出てきた数字がどれほど普遍性を持っているのか、あるいは一面的なのか、統計を引用した文書を読む上でこれは常に頭に置く必要があるということを、様々な興味深い例をもってこの本は気づかせてくれる。 文学以外のあらゆる本を読む前に一読する価値のある本である。(cahiersauvage / 2003-01-31)
この本の著者のような人達を除けば、万人が事実と思い込む社会問題に関する統計数値。何とこれが事実ではなく、自分達の主義・主張を通すために、万人が統計数値を事実と思い込むのを幸いに、如何に恣意的に算出されたものであるかを明かしたこの本は、万人必読の書。この恣意的な集団には、政府機関、司法当局、警察、政党、活動家、宗教団体、人文科学者、医薬系学者等々、ありとあらゆるものがなり得る。そして、統計数値は無批判で無知なマスメデイアと、純真で統計に無知な一般大衆によって増幅され、事実を装って流布する。著者がアメリカ人なので、事例がアメリカに固有で、われわれ日本人に馴染みのうすいものもあるが、理解の妨げにはならない。ところで、このようなう忌まわしい嘘の氾濫を食い止める方法があるかというと、これに対する処方箋は書かれていない。ましてやわれわれ一般人にはその統計数値が果たして信用できるものか検討することは不可能である。ではどうすればよいか。要は社会問題に関する統計数値を率直に事実として認めず、批判的な目で見るべきといとうのがこの著者主張である。絶えず社会問題に関する統計数値にさらされる一般大衆への警鐘の本というところか。言うまでもないが、著者は統計の否定者ではない。擁護者である。(平 則夫 / 2002-03-11)
批判は創造の母である。 批判精神からしか革新は獲られない。 本書がなによりの証左であり、批判精神を持つ事の大切さを数字を暴くことで表している。 権力者が庶民を利用しようとする時によく使う手段として、数字で証明しなくては説明できないような内容は疑ったほうがよいという、「庶民の知恵」を再認識させてくれるとおもう。(sonojordan / 2006-05-08)
巷にあふれる怪しい統計結果にだまされないために身につけておく基本的思考方法を記した書。著者は始めに、全ての統計は社会的活動の産物であり、自らの主張に説得力を持たせるために用いられていることを理解すべきだと説く。その上で、標本の抽出方法、計測方法、比較の対象などの中に、統計結果の有用性が損なわれるくらいの重大な欠陥がないかを検証する過程を、例を挙げて説明している。 具体的な統計学的手法の話は一切なく、統計を使って少しでも仕事をしたことがある人にとっては少し物足りなく感じるかもしれない。それでも統計を行う際の前提条件について、頭の整理をする上では非常に良い本である。 (あすとろ / 2007-12-07)
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平均点:4.5
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