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レビュー総評点:
5
訳者も含めて露悪趣味バリバリだけど、トレードオフと言う概念の入門書です。 心お優しい人の前で、不用意に使っちゃうと、本当に人でなしと思われちゃうリスクがあるので、取り扱い注意かも知れません。 「解決策などない、あるのはトレードオフだけだ」と言う言葉の含蓄(そして、その限界も)を味わうために、お暇とお金のある方は、ご一読を。(y-mat / 2009-04-15)
経済学でよくでてくるトレードオフの入門書。初めて学ぶ人でもわかるように、数式などはいっさい使っておらず、かわりに多くの事例を挙げている。どれもわかりやすい事例だ。政策や企業の意思決定においてトレードオフの考え方はよく利用されるから、基礎的な理論を知っておいて損はないと思う。読み物としてもおもしろい。また、トレードオフは考え方としては、分かりやすく便利だが、現実に当てはめるとなると、かなり恣意的なものになる危険が大いにあることも本書から理解できる。国土交通省がやってる道路の費用便益分析がいい例。便益が費用を上回るようにつくられているから、どの道路もつくったほうが社会全体の厚生は高くなることになる。なお、経済学は基本的には、この社会全体の厚生を最大化することしか考えていない。そのため、田舎に職がなければ都会に引っ越せばといった「人でなし」の発言がでる。つまり、「人でなしの経済理論」は、トレードオフに限ったことではない。(たけ / 2009-04-15)
何かこういう文章読んだことある、同じ著者かな?と思って奥付を見たら、著者は別人だったけど訳者が同じだった。文体はやはり原作よりも訳者の影響を色濃く受けるのだと実感した次第。 人命は地球より重い、とか、喫煙は周囲の人を害するから絶対悪だ、とか、社会通念上は信じられている事柄も、費用と便益の視点から見直せばまた違う論理を構築することができるということを説明している。政策立案をする上でのトレードオフを十分考慮する必要性を訴えているのだが、各事例について、どちらの便益が大きいか、とか、どういう政策で対応すべきか、という部分にはあえて全く触れていない。 そういうわけで、トレードオフという概念を十分に理解していると思う人は、あえて読む必要はないだろう。読んでも特に新しい知識は得られないだろうし。でも、この著者の好ましいのは、経済学者にしては謙虚で、タバコの煙の臭いが嫌いだから禁煙反対!という個人的嗜好による判断や、人の命をものみたいに扱うな!という感情的反応による判断を、完全には否定しないということを表明していることだろう。(くまくま / 2009-06-09)
学部の演習で原書を使って教えていたが、訳本が出たのでこちらに切り替えた。 内容は非常に面白く、原著の文章も良い。 医療経済学と法と経済学のイントロダクションとしてお勧めである。 しかし、翻訳に問題がある。 例えば、モラルハザードはモラルの悪化とは違うものを指すことは 学部レベルのゲーム理論の授業で教わる常識である。 Health Economicsを医療経済学でなく保健経済学と訳すのは、 間違いとは言えないまでも現在では一般的ではない。 日本語として読みやすい訳になっているのは評価でき、 出版社としてはあえて経済学の門外漢を訳者に選んだのだろうが、 もう少し経済学を理解している人に訳してほしかった。 「訳者あとがき」で「主観的価値と市場価値は独立しているけれど、 多分無関係ではない」とあるのを読んでのけぞってしまった。 経済学入門でwillingness to payと需要曲線の関係について習ったのを忘れてしまったのだろうか。(ゼミで使ってます / 2009-09-27)
トレードオフについて、実例を交えつつ学べる本。 たぶん、良書、おススメです!的な紹介はされないだろうけど、 経済理論というか、ある選択について考える際に、トレードオフという 切り口で、どのようにその因果を考えていけばよいのかというのの参考には なると思う。 他の本もそうだけど、背景知識があった方が面白いだろうな、と。 分かりやすいしくだけた感じだけど、易しい本ではないかな。(shiki3 / 2009-04-30)
費用と便益の関係、もっと砕いて書くと「得する人がいれば、もう一方で損を する人がいる。さてそこでどう選択する?どっちを選ぶ」という意思決定の 方法=トレードオフの考え方を身近な例、しかし、社会通念上例えとして用いる には、取扱注意(読み手の感性を試される、ということ)な事柄にて説明した 一冊です。例を挙げると・・・ ・リコール費用と損害賠償費用−フォードの場合 ・喫煙と禁煙 ・臓器移植を個人の意思に任せるのか強制拠出にするのか ・お前の物は俺の物(ジャイアニズムだ(笑))−著作権の場合 道徳やモラル・・・と言った、一見すると経済学(理論)とは無縁な事柄にも それが応用出来るということ(極論すれば、世の中にある大多数の事象は、損得 関係が成立するので経済学の出番はそれだけ多いのです)を示した一冊です。 ソフトカバーで約200p。一トピック当たり20p前後。隙間時間でも十分読めます。 附:邦題は恐らく「ヤバい経済学」の柳の下を狙ったものなのでしょう。 ま、原題をそのまま訳すよりは、中身を伝えているとは思いますが、ちょっと 狙い過ぎの感も受けました。(藤崎健一 / 2009-08-30)
あえてクセ球の邦題をつけなくても「資源の最大利用」「利益衡量の基準」「外部ネットワーク性」など極めてまっとうな内容である。たぶん学術的、教科書的なタイトルをつけると売れ行きに不安があるので山形・訳(これは相変わらず絶妙でとてもわかりやすかった)でひねった書名にしてしまったのであろう。内容、翻訳は平均を超えた球速を持っているのに変化球勝負で打たれたしまった時の捕手とベンチ、つまり編集者や出版社側のリードミスといった感じがそこはかとなく漂う・・・。(nikataro / 2009-07-03)
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