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レビュー総評点:
144
「オブジェクト指向は利益を得ることを許してはくれるが、それをただでめぐんでくれるわけではない」と『UMLモデリングのエッセンス 第2版』で孫引きしたFolwer氏じしんによる、その言明に対する証明が本書である。 本書は、表記がOdel法であったり、訳文の読み辛さもあってか、Folwer氏の他の著作とは違って現場レベルでの浸透度はひまひとつのように思える。 が、言葉だけが独り歩きしている感の強い「モデル」「モデリング」(「オブジェクト指向分析」と呼びたければそう呼んでもよい)といった概念を、その作業過程(思考/試行過程)を示すことで明確にするという視点は他の類書にはない本書のアドバンテージである。 「パターン」と銘打ちながらも、いわゆるパターン言語、パターン・カタログ的な記述を行っていないことも、モデリングの過程を重視してのことだろう。 だから、本書は、一読してたちどころにそれを理解できるといったものではない。実際のモデリング・スキルの習得が、自分じしんで手を動かすことでしか達成できないのと同じように。 読者じしんが手を動かして、例題についてのオブジェクト図(クラス図だけでは不十分だ)を作成し、そのモデルを吟味する過程においてパターンの立ち上がる瞬間を、読者みずからが体験することなしに、本書に対する理解はありえない。自らが手を動かせば、本書の記述は何ら難解ではない。本文中の図がOdel法であることも逆手に取って、自らの手でUML化してしまえばよい。 本書で描かれている、現実世界に存在するものをオブジェクトとして捉える視点とその技術は一部の「モデリングおたく」が習得すれば良いというものではない(「アナリスト」が作成したモデル図を読み解いて実装に落とすのはだれ?)。そうでなくても「オブジェクト」に対する感覚(「クラス」に対する、ではない)をより鋭敏にするためにも、すべてのオブジェクト指向技術者にとって必携の一冊である。 附記: 旧装版のレビューでは「モデリングおたく向け」と、本書に対するよくある誤解のみがレビューとして存在していた。こんかいの新装版の発売を機に、擁護の意味も兼ねてレビューした。このレビューが一人でも多くの技術者がこの書を手にとり、実際に手を動かすことで本書に対する理解を深めてくれるきっかけになれば幸いである。(f451 / 2002-05-26)
よい本ですね
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いわゆる(デザインパターンのような意味合いでの)パターンカタログではありません。パターン的な形式で書かれている部分もありますが、結果としてのモデル(パターン)ではなく、どうやってモデリングするのかを(明に暗に)書いている部分がより重要だと思います。その過程を自分でなぞりながら読むと得るものが多いのでは。(鈴木純一 / 2003-08-03)
オブジェクトの世界では知らない人がいないのではと思われる マーチンファウラーによる分析例の本 アナリシスパターンということで、パターン集ではなく、アナリシスつまり 分析の考え方を集めた本になっています。 構成は、まず概念モデルなどの説明があり 実際の分析例(責任関係、観測と測定、企業財務の観測、オブジェクトへの参照、 在庫管理と会計、会計モデルの利用、計画、トレーディング、デリバティブ トレーディングパッケージ)が全体の4分の3程度割いています。 2部は分析を補足する説明として、アーキテクチャ、ファサードなどの解説 そして付録として技法・記法、パターン一覧が載っています。 一度は業務分析を行った経験のある方であれば、著者が何の意図でこのような 本を作ったのかがよくわかるのでは無いかと思います。まさに 分析例集の感はあるのですが、良く練られた分析では無いかと思います。 また、今まで、アナリシスとアーキテクチャの関係がいまいちしっくり こなかった私にとっては、とてもわかりやすい本でした。 逆に、業務分析を必要としない人にとっては、難しい内容かもしれません。 目的には完璧なまでにすばらしい本なのですが、いかんせん この本は高いです。お値段の点で評価が一つ下がっています。(親カッパ / 2009-03-05)
システムの開発プロセスにおいて、現実世界をいかにモデリングするか、という「要求分析」から「設計」につなげていく過程で一番重要なモデリング技術について語られた本です。 初めて読んだのはかれこれ5年ほど前になりますが、業務アプリケーションのシステム開発で、現実世界をモデリングする上で必要となってくる、責任、観測、測定、計画といった認識論的なテーマが扱われており、読んでいるとモデリングについてのイマジネーションが非常にかきたてられ何度読んでも飽きない本です。 私がマーチン・ファウラーに心酔するきっかけとなった本で、非常にお勧めです。 (上昇志向 / 2006-10-28)
メタレベル(著者は意識レベルと呼んでいる)でのモデリングで抽象レベルが1ランク高いので広範囲なビジネスモデリングに役立つと思います。何度読み返しても味のある本だと思います。 (k-nagano / 2007-01-18)
抽象的なせいか、日本語訳が読みにくいのか 自分には意図を読みきれませんでした。 自分の感じた印象では パッケージ開発やフレームワーク開発では利用できそうですが、 この本に書かれた形式で開発する場合、 高レベルな質な人間を集められないと大変なことになりそうに感じました。 人月単価で質を無視し、人数で対応しようとする日本の業務システム開発では 適応できるのか?と感じました。 しばらくほかの本を読み、知識をつけたら より深く理解できるよう再挑戦してみたいです。(newta / 2009-02-18)
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平均点:4.5
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