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No.1-1
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死神の精度 (文春文庫) / レビュー総評点:186
『死神の精度 』で画像検索
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ASIN:4167745011 / 売上順位:917
文藝春秋(2008-02-08)
伊坂 幸太郎
¥ 550(中古:¥ 149)
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レビュー総評点:
186
短編集の見本のような優れた作品
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すばらしい! 優れた短編小説集の見本のような作品です。 主人公は、死神。その死神はこれから死を向かえる人間の資格調査(?)のため 7人の人間に出会う。 そこには、シンデレラ・スト−リ−、ロ−ド・ノベル、本格密室推理など、バラエティ-に富んだ展開が待っている。 さらに、短編らしく意外性がありながら余韻を残した結末が、作者のセンスを物語っている。 そして、最終章では、はっとする展開やすがすがしいばかりの結末が・・・。 キャラ作りの天才である作者の真骨頂である、主人公のディテ−ルも、申し分なく 音楽好きな死神がすこしKYなところがありながらも、作品の雰囲気をかもし出してくれている。 映画が楽しみな一冊でした。(RBM/MS / 2008-02-24)
美容院でいつもカットを担当している女性に本書を薦められた。そういえば映画のプロモーションを見た覚えがある。本書のような作品―ジャンルでいえば、やはり推理小説部門に入るのだろう―は私にとって実に新鮮というか、味わいに富んでいるという印象だ。 主人公の死神の「センス」もなかなか面白い。彼にとっては真剣な受け答えであっても、人間からすれば「馬鹿なこといいやがって!」と憤りを買うシーンが多い。コミカルな会話が、死神という取っ付きにくい対象を和ましてくれる。クールで愛嬌に富み、そして愉快な「死神」の存在感に惹かれた読者は、何の抵抗もなくすべての話を通読し終えるはずである。基本的には短編集でありながら、それらは意外にも繋がりをもっているので、それが分かると何となく嬉しくなる。 最終話「死神対老女」に登場するこの「老女」は、きっとそれ以前の作品に出てきたあの女性であろう。ミュージックに目がない「死神」が老女の店で骨董品のラジカセから流れてきた曲を歌っていたのはあの女性だなど、巧みにそしてさりげなく仕込まれた伏線にわれわれ読者はちょっとした感動を覚える。全編を読み終えてみて、なんだか心地よい落ち着いた佇まいに自分がなっていることに気がつく。 1971年生まれという若い伊坂氏の作風に、私自身がちょっと酔っているのかもしれない。「俺が仕事をする時はいつも雨なんだ」(290頁)とはいうものの、最終話では初の晴天に遭遇する。雨上がりの清々しさは心地よく、うっすらと虹がかかり空気も澄んでいる光景が思い浮かぶ。「心が洗われる」感覚なのだろう。全6話に登場する人間は実に多様性に富み、それが主人公である「死神」の存在感を高める要因にもなっている。私にとっての読後感はすこぶるよい。こうなると伊坂氏の他の作品にも手が伸びる可能性が強いが、しばらくは禁欲しよう。今は本書を薦めてくれた美容院の彼女にお礼をいいたい。 (TKMT / 2008-04-15)
「死神」を主人公にした連作短編集です。 それぞれが、ミステリーの短篇として読み応えのある作品になっています。探偵役の「死神」が人間社会の動静に関心がないだけに、より客観的な考え方をしており活きていると思います。 それと、この「死神」のキャラクターの造形が、雨男でミュージック好きということで、人間くさい面を持っており、しかも「情」を感じる面が強く、そのことが物語の登場人物に深みを与える結果になっています。 その一方で、住む世界が違うことから来る、やりとりのちぐはぐさもあって、ユーモラスな面も備えており、楽しく読むことが出来ます。 気楽に一気に読める楽しい本でした。 (ringmoo / 2008-02-17)
さすが
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今や、伊坂幸太郎と言えば押しも押されぬ作家です。 今更ですが、うまいの一言です。 この死神の精度は特に、人の死を扱っているけれどお涙頂戴に ならない淡々とした作品です。 どうしても、最近の多くの作品は劇的展開を望みがちですが、 この作品読んでいると、そんなものはいらないと思います。 いかに、中に描かれている一人一人の人物を的確に描くかが大事 なんだなーと思います。 そして、死神がむっちゃかっこいいです。 映画化されるそうですが、果たして、この死神が描ききれるのか 心配なくらいです。 決して押し付け出ない感動をもたらしてくれます。 文庫版なんで、求めやすいはずなので、一読をおすすめします。 (hippo / 2008-02-11)
それぞれの短編に仕込がしてあって、最後の話「死神対老女」で上手くまとま る6編の短編集。その6編に登場する同一の主人公(死神)を通じて語られていく 内容。 雑誌の連載のときにそういう意図で書かれたのかどうかは分からないが、なか なかきれいなまとまりがあり、一冊になって物語がきちんと完成した感じだ。 伊坂氏の他の作品の登場人物らしき人影もあり、その作品を読んでいれば、そ の辺りも楽しめる。 一つ一つの短編としてはちょっとどうかな?と思うが、読みきってみてはじめ て「なるほどねぇ。こういう仕掛けか・・・」という感想を抱いた。 (タカジン / 2009-03-05)
レビュー数 75
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平均点:4.5
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No.1-2
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魔王 (講談社文庫) / レビュー総評点:-5
『魔王 』で画像検索
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ASIN:4062761424 / 売上順位:5212
講談社(2008-09-12)
伊坂 幸太郎
¥ 650(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
-5
伊坂作品は、スト−リ−自体も良いのは当たり前だが、作中の台詞回しが絶品である。 この作品も、理屈っぽいともいえる会話部分に、かなり楽しませてもらった。 特に新聞紙を折ると・・・の部分は私達の一般会話のネタにも十分使えるのでおいしい!! ファシズムの始まりって、こんなものなんだろうな?という説得力のある展開。 いつもながらの個性的な登場人物。 伊坂カラ−満載で、彼の作品以外の何者でもないのだが、いかんせん消化不良の感は否めないように思う。 盛り上がりにももう一つ欠けているような・・・・。 収録2話分の分量で”魔王”を書いて欲しかった。(RBM/MS / 2008-10-23)
何気ない日常の中で進行するファシズム…というのがこの作品の主題なのでしょうが、 張られた伏線は答えを何となく匂わせるだけで回収することもなく、 そもそも登場する政治家、犬養の目指していたものがファシズムで、 起こったいくつかの事件が犬養が企図したものだったのかすら曖昧で、最後の最後にまた謎を生んで、唐突に終わります。 最後の文章の後に続く空白と、あとがきでやっと終わった事がわかるくらいで、 読み終えた後は途方に暮れるぐらいです。 国民の政治への無関心と、伊坂作品の独特かつ面白い台詞回しやセンスはよかったのですが、 あまりにも読者を突き放しすぎている気がしました。(Goh / 2008-12-17)
超能力という要素が含まれているが、それはこの作品をノンフィクションからフィクションにするための手法に過ぎない。そんな気がした。 頭が良いの定義は難しい。人が知らないことを多く知っている人も頭が良いように見えるが、それは知識が豊富なだけだ。本当に頭が良い人は、何もないところから価値あるものを生み出せる人のことを指すのだろう。しかし、この知識がすさまじい量だったらどうだろう。生み出すまでもなく、ただ持って来れば十分に価値あるものに見えるかもしれない。つまり、通常は、情報を入手し、考察し、判断するというプロセスを経なければ行動できないのに、考察するというプロセスをアウトソーシングすることで、考察結果を入手し、判断するということでよしとする世界になりつつあるのではないだろうか。この結果として、人々は誰かの言葉を自分の考えであるかのように錯覚して行動することになる。 安藤は、考えろ、考えろ、マクガイバー、と言う。彼は、考え、行動することによって、世の中の流れを押しとどめようとするが、結局は濁流に飲み込まれてしまう。潤也は、濁流の外にあって、流れを変えようとする。そして犬養は、流れを作り出していた側だったはずなのに、おそらくは、いつの間にか自分も流されてしまっていることに気づいたのだろう。 彼らは自分の考えで行動し、発言しているはずだった。しかし、本当にそれは彼らの言葉だったのか。かつて存在した誰かの言葉だったのではないか。本当に彼らは考えて行動しているのか。そして自分は… おそらくそこに魔王はいる。(くまくま / 2008-10-26)
裏表紙に「何気ない日常生活に流されることの危うさ」が綴られていると書かれており、確かにそのようなテーマが感じられるところもありますが、もし著者がそれをメインテーマに据えているのだとしたら描き方が非常に浅い。 それ以上にまるでどこかのウェブサイトを覗いているかのような政治的論議の浅さの方が悪目立ちしてしまっています。 ただ、その政治的論議に関してもメインテーマではないのは、「文庫あとがき」にも書いてある通り。 その「文庫あとがき」には、「この物語の中に出てくる政治的なことはテーマではなく、社会や政治の事柄がよく含まれていて、そこから滲んでくる不穏さや、切迫感や青臭さがとても好きだったので、自分の書くものにもそういう部分を含ませたかった」と書かれているのを見た時に、とあるお笑い芸人が、「社会問題をお笑いのネタとして扱っているだけで、何らかの政治的なメッセージを送っているつもりはない」と言っていたのを思い出しました。 このお笑い芸人に対しては、ある評論家は、「彼は真面目なことを語っているのではなく、真面目な態度で思ったことを好き勝手に述べているのだ」と話していましたが、私は同じようなものを伊坂氏とこの小説に感じました。 つまりこの小説で伊坂氏は、あくまで社会や政治の事柄は「ネタ」として、そこから自分の想像力を屈指して頭に思い描いた世界を好き勝手に描いただけなのだ、と。 ただ、この小説の場合、あらゆるメッセージ性を抜きに単に「エンターティメントとしてどうか」を見ても、話に全く引き込まれず、この後に続編『モダンタイムス』があり、そちらを書く前提でこの小説を仕上げた印象があるためか、終わり方が非常に中途半端に感じました。(buono_buono / 2008-11-22)
誰もがおかしいと感じるのに変わらず続く政治の世界、この作品に登場するような政治家を想像したことがある人は多いのではないでしょうか。それを実際に文字に表してしまった伊坂幸太郎さんですが、残念なことに青臭い。 そのような政治家を恐怖の対象にするとひねりやエンターテイメント性はあるものの、あらゆる伏線が最後に繋がる快感を感じさせてくれる彼のそのほかの作品に比べると中途半端でクオリティーは格段に落ちます。政治的内容も読んでいてちょっとイタさを感じてしまいました。なんというか、テーマに深みが感じられなく、ちょちょっと手軽に書いたという印象が。面白くなりえただろうに誠に残念。(アホロートル / 2008-10-22)
レビュー数 44
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平均点:3.5
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No.1-3
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モダンタイムス (Morning NOVELS) / レビュー総評点:26
『モダンタイムス 』で画像検索
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ASIN:4062150735 / 売上順位:10712
講談社(2008-10-15)
伊坂 幸太郎
¥ 1,785(中古:¥ 882)
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レビュー総評点:
26
’08年度の本屋大賞と山本周五郎賞を受賞した『ゴールデンスランバー』から約1年ぶりの長編。’05年の『魔王』の続編とのことだが、あれから50年ほど経った21世紀半ば過ぎの物語で、関連性はさほど強くないので、独立した物語として読むことが出来る。 「実家に忘れてきました。何を?勇気を」と、のっけから伊坂テイストにあふれるフレーズではじまる作品である。 渡辺拓海は、多忙を極めるシステムエンジニア。ある日、課長から失踪した社員にかわってプロジェクトを継続実行するよう命じられる。その日から彼の周りで奇妙な事件が続く。先輩社員の失踪にはじまって、同僚の誤認逮捕、上司の自殺、不倫相手の失踪、妻に不倫調査を雇われた男の家の火事など、不穏な出来事のオンパレードだ。しかも、それらは、パソコンである言葉を検索した者に降りかかるようなのだ。 この謎を解くべく、渡辺、同僚そして彼の妻や、失踪していた先輩社員も加わって、一大冒険活劇が繰り広げられる。 本書では、あいかわらず、「人を喰ったような」伊坂ワールドは健在だが、書き下ろしとは異なり、もともとは週刊コミック雑誌の連載小説だっただけに、各章の終わりの、次回予告っぽい期待感と、全56章のそれぞれに読みどころがあり、ファンとしては充分楽しむことができた。 (Wakaba-Mark / 2008-10-21)
星一つ足りないのは、 ・魔王から時間が経ちすぎた ・魔王から読まないと面白さが分らないかも ・少しIT関係に詳しくないと判らない部分があるかも それ以外は面白いです。とにかく伊坂幸太郎らしい変化球だらけ 「超能力とかネーだろ」っと思うんだけど「いや在りかも」と 思わせる。 悪党、善人、苦悩する人、哲学内容も盛り沢山 考えさせられる作品です。 考えるのが苦手と言う方にはお奨め出来ないけど (キー / 2009-08-13)
初出はモーニング2007年18号〜2008年26号。2008年10月16日リリース。ぼくは幸せにも作者のサイン入り・落款入りを手に入れた。 作家になる前はSEをしていたという伊坂幸太郎の『過去』を生かしての作品になっている。つまりプログラムが分かる人間が読むと随所に響く。LZH圧縮が出てきて、ふーむ、やるな、と思った。LZHがここで出てきてzipやsitでないことのおしゃれさが芥川・直木賞の審査員に解るとは思えない。既に表現の多様性が従来の文学のキャパシティを超えているんだな、と痛感した。 これで現時点の伊坂幸太郎作品を全部読了したのだが、正直な気持ちを書くと、はっきり言って最近の作品は、未消化・未計画のまま世に出ていると思う。苦言を言うようだが、もう少し貯めて出すべきだろう。時間軸をずらしながら並列的に展開させるストーリーが超一流。台詞が超一流であるだけに手抜き・息抜きは極めて残念だ。そして『超能力』とかSFを書いて欲しくない。それが伊坂幸太郎の目指すべき方向性だと、言い切りたい。(voodootalk / 2009-03-09)
それなりに楽しみながら読んだものの、もしもこの小説をそのまんま 映像化したら、かなりつまらないものになるだろうなあと感じながら読了。 もちろん、小説の楽しみ方は、映画のそれとは違うわけで、この本を 手に取ったほとんどの人は、伊坂流のオサレな表現を堪能することが 目的なのでしょうが。 ただそれほど伊坂に思い入れのない人間にしてみれば、彼独特のまわりくどい 言い回し(大抵は伏線になっているんですけど)は物語のスピード感を殺して いるようにしか感じらずに、読んでいてたまに苛々します。 とはいえ前半部分は、「渡辺君はこれからどうなってしまうんだろうか」という 期待感でワクワクできたことは事実。なのに後半の展開にはガッカリです。 登場人物の動きが漫画的というか場当たり的なご都合主義で説得力を欠きます。 それと、連載小説ということもあるのでしょうが、同じ描写や説明が何度も 出てきて冗長に感じます。2/3程度のボリュームにまとめてくれれば、また 印象は違ったものになっていたかもしれません。 (桜っち / 2009-07-30)
「魔王」の続編といわれる作品です。 現在から50年ほど未来の話だけど、ネットの技術は進歩しているものの庶民の生活自体に今とそれほど大きな変化はナシ。 そのへんが近未来小説としては味気ないです。 謎を解くカギがジョン・レノンの曲や「クロウ」だとか「駅馬車」という映画にあるのは伊坂さんらしいけど、 これらの映画や曲は2009年の今でも古く感じるほどなのに、あえて近未来小説の謎解きのキーワードにする必要はあったのか疑問。 素敵な曲や映画を効果的に使うのは伊坂さんのお得意なやりかたなのに、今回ばかりは裏目に出てる。 正直、最後まで夢中になる要素はなかったです。 テーマ自体は面白そうなのに、伊坂幸太郎が書いたのに、なんでこんなに面白くないんだろう。 こんなに面白くなりそうな要素がありながらつまんないなんて、ある意味すごいと思う。 でも、「勇気があるか?」って問いかけ・・・ドキッとしますね。 はっきり「イエス」と答えられる人はそういないんじゃないかな。(夢追い虫 / 2009-06-24)
レビュー数 53
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平均点:3.5
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No.1-4
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終末のフール / レビュー総評点:69
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ASIN:4087748030 / 売上順位:22944
集英社(2006-03)
伊坂 幸太郎
¥ 1,470(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
69
ヨカッタ。 「生きる」ってことがこの作者のライフテーマなんだろうなと。 作品を振りかえってみると全部「生きる」って話なのに驚いた。 テーマとしてはごくごくありふれたもので、 この時代にそういう青臭いメッセージはどうかとも思うけど、 この作者の場合、単なる楽観主義でもなく、シニシズムでもなく、 残酷さをもって静かに書ききってしまうところがすごい。そして面白い。 だから許せる。 気になったのは各章のタイトル。 天体のヨールはどうなんだと思う。 でも、お話としては一番好き。 だから許せる。 あと、登場する女性がみな度量が大きいというか ちょっと現実離れしてる感じはした。 でもみんな斉藤和義のいくつかの曲に出てきそうな感じで魅力的。 だから許せる。(ホルスフィールド / 2006-04-05)
伊坂幸太郎氏の著書として初めて手に取りましたが、傑作です! 小惑星衝突を3年後に控えて、という状況設定にはムリがあるかも しれませんが、だからこそ“人がなぜ生きるのかどう生きるのか” ということを不純物を排除して考えることが出来るのかと思います。 家族を持つ身だからこそ個人的にグッとくるものがあったかもしれ ませんが、小惑星衝突という背景に変に捉われずに読み進めること が出来ましたし、読後は心温まるものがありました。 著者の作品を次も次も読んでみたい!と思います。(なぽっこ / 2008-05-02)
伊坂ファンであり知り合いにその魅力を布教している者だが、正直いって近作の『魔王』と『砂漠』については紹介がしずらかった。だって、伊坂幸太郎風のおもしろさ(と、勝手に特定してしまうのは著者とその愛読者に失礼だが、まあ、ファンってのは不公正な思い込みがなければ成り立ちませんので…)があんまりなかったのだもの。とりあえず、これらは後回しにして『ラッシュライフ』とか『死神の精度』とかを先に読んで、その軽快な物語づくりや会話のセンス、いかにもフィクションな楽しさを味わいながら、でも「人生って何だろうね」をあまり深刻でなく考えられるすごさをどうぞ、ってな紹介をしていたわけだ。 だから、やった。この作品の登場をもって、新作からいきなりすすめられるのである。また思い込みで恐縮だが、この作家の本質は相互リンクを前提とした連作短編である。一つの視点が長いとダレる。しかし一つの世界を複数の視点から構築していく才覚には舌を巻く。講談的でなく、落語的なのだ。お話の神様の視点からエピソードの全体を長々と語りとおすのではなく、実際にその場で生きている人々の声や視線やしぐさが交差しあう様をおもしろおかしく時にかなしく演じてみせる。 今回はテーマは世界=私の人生の終末。まあ、理の必然として「死に照らされてこそ生は耀く」的なニュアンスが前面に出てくるわけだが、しかしもちろん、それだけではない。あと三年、という状況を想像力ゆたかにリアルに描写しつつ(基調としては、大混乱と大量死の嵐のあとの静けさ)、その日の前の異常な日常が、あちらではコミカルに、こちらでは社会風刺的に、全体を通してごく哲学的に(SFはいつも哲学的だが)、そして本作の最大のポイントかなと思うのだが、家族ドラマ的(「家族」はカッコつきがいいかな)にたんたんと語られる。 楽しみながら、考えて。恐怖しながらやさしい涙を流して。そういう傑作である。 (ソコツ / 2006-03-30)
毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えて いる人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を 襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。 人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が 断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが 起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の 中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な 未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く 感じた。(ゆこりん / 2006-05-10)
伊坂幸太郎の最近のパターンでもある、短編が連なり、8家族から残り3年の人々が浮かびあがる。 伊坂幸太郎は、人間が弱くて、ずるくて、みっともないことを、逃げも隠れもせず、この作品でゆっくり呈示してくる。 どんなに惨めでも、カッコ悪くても、恐くても、生きるしかない。 私達が1日を大切に生きようとしないとき、流れたしまった時間の尊さを、伊坂幸太郎は覚えているような感じだ。 余命3年の状況でも、進むべき生き方は、今でも同じだと語られている気になる。 <あきらめるな>静かな闘志が、心を揺り動かす。 (naonao-703 / 2006-04-26)
レビュー数 49
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平均点:4.0
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No.1-5
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砂漠 (Jノベル・コレクション) / レビュー総評点:4
『砂漠 』で画像検索
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ASIN:4408535346 / 売上順位:12788
実業之日本社(2008-08-01)
伊坂 幸太郎
¥ 980(中古:¥ 498)
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レビュー総評点:
4
社会という「砂漠」に向かう前の、大学生の青春物語。 いかにも、日本の大学生らしい会話と生活。 気の合う仲間とつるんで、麻雀をして、女の子と遊んで、ちょっと冒険をする。 「ノルウェイの森」以降の、日本の青春文学の伝統を踏襲しながらも、超能力とかが出てきたり、ちょっとした文面トリックがあったりするあたりは、やっぱり伊坂。 ああ、たしかに大学生のころは、こんな時間の流れ方だった、と思い出す。 世界への見方も、時間の流れ方も、文面も、大学生感覚。そこがおもしろい。 鳥井は「軽さ」、西嶋は「根性」、北村は「クールさ」、それぞれ青年が格好いいと評価するモチーフをキャラにうまく分配している。 男の子に比べると、女の子のキャラづけはちょっと弱いか。 軽くゆるく読める本。 題名はちょっとださいけど、そのだささもまた青年らしくていいかと。(ビイハヴ / 2008-10-08)
今回はミステリーではなく、ひとりの大学生、“僕”こと北村の視点で描かれた青春小説。舞台は著者の作品ではフランチャイズとも言うべき仙台である。 長編とはいうが、入学時の「春」から始まって、「夏」「秋」「冬」と四季の移り変わりのなかでの“僕”たちのそれぞれのエピソードを綴った4つの連作中編+掌編・卒業式の「春」で終わるという趣を持った作品のように私は感じた。 “僕”たちは、麻雀、バイト、合コン、恋愛などモラトリアムなふつうのキャンパスライフを送りながら、「ホストとのボウリング事件」や「連続空き巣事件」、「大学祭超能力対決」、「連続強盗事件(通称‘プレジデントマン’の事件)」などとかかわってゆく。よくこんなにいろいろ事件が起こるなあと思って読んでゆくと、“僕”たちの四季には伊坂幸太郎らしいある仕掛けが施されていた。 著者のいつものミステリー作品のように、摩訶不思議な設定や、いかにも人を喰ったようなキャラクター設定・ストーリー進行や、物語の終末にはすべての謎が収束する、というお話ではないので、アクロバティックな展開に対しての「やられた」という驚きは味わえない。 けれども、“僕”を始め、彼を取り巻く登場人物たちの造形には「伊坂幸太郎らしさ」が十分生かされており(特に私は西嶋くんのキャラが気に入った)、それぞれの事件とのかかわりも興味深く、浮世離れした浮遊感とでもいうのか、独特の「伊坂テイスト」を味わうことができた。 (Wakaba-Mark / 2008-08-05)
2005年12月15日リリース、書き下ろし。内容的には、伊坂幸太郎が東北大学の法学部に在籍していた頃のことを題材にしている感じだ。麻雀が出てきて、1970年代生まれでも大学で麻雀したんだ、と意外だった。ぼくの大学生時代はもっとぐっと古いので麻雀一色だった。ちなみにぼくは九蓮宝燈をあがったことがあるくらいやった、ということで読んでいてやたら懐かしかった。 この中に出てくる西嶋みたいな奴も確かにいた。莞爾のような奴はたくさんいたし、鳥井やぼくのような奴もいたし、南のような女の子もいた。そういった彼等が大学生活というもっと貴重な時間を生きる様子に、思わず微笑んでしまうステキさがこの作品にはある。ゆっくりゆっくりそのステキさをなぞるように、思い出すように読む。 この作品より小説として優れている作品は確かに伊坂幸太郎にはある。しかしながらぼくはまちがいなくこの作品が一番好きだ。(voodootalk / 2009-02-08)
仙台を舞台にした、大学生活を描いた青春小説。というとありきたりだが、著者らしいユニークな登場人物がユーモラスな会話を交えつつ(何度ニンマリと笑ったことか!)いきいきと躍動している。 はじめの章から最後までつながる「事件」というか「敵役」みたいなのがいるが、学生らしい合コンや恋愛話もあり、おまけに超常現象(?)も。そういう要素が何気にミックスされて違和感がないのが、伊坂氏の真骨頂。 悲しい出来事も起こるのだけれども、全体にあふれるトーンはポジティブ。ドンキホーテの様な西嶋君のキャラが効いている。理屈抜きに楽しめ一気に読んだ。 読み終わった時、結構、登場人物の世界にハマってしまって読み終えるのが惜しい気がした。そこで、すぐにパラパラと読み返してみたのだが、最初の方からちょっとした伏線がはってあるのに気づいたりするので、再読してしまった。 なお、本書を100%楽しむためには次の3つをクリアしていることが望ましい。1.麻雀のルールを知っていること、2.サン=テグジュペリの「人間の土地」を読んでいること(せめて本書で引用されている2章の「僚友」は読んでおきたい・・・ちなみにこれは本当に良い本ですよ!)、3.ラモーンズというロックバンドを知っていること(TEA / 2008-08-16)
伊坂幸太郎さんの最新作「砂漠」読みました。 文句なく面白かったです。プロットの巧みな、小さなエピソードが全部無駄にならずに回収されて最後に繋がっていくのはいつもながら伊坂マジックで、読んでいてとても気持ちよかったです。 青春エンタメ小説、と言えばいいのでしょうか。 伊坂作品には珍しい(と思うんですが)大学に入学したての5人の男女が主人公で、彼らが仙台にある大学で学生生活を送る中で出会ういろいろな大学生らしいエピソード(もちろん合コン、恋愛、破局、学園祭、クリスマス、免許取得などなど)を描きつつ、それでいて大筋の話がしっかりと最後まで繋がっていく。いつもながら完璧な作品です。伊坂作品は本当にハズレがないです。 髪の毛をたてて、つんつんにした「かわせみ」みたいな鳥井。 ちょっとクールで。人付き合いが悪いようでそうでもない岩手出身の主人公「北村」 人とずれていて、熱くいろいろな事に義憤を燃やす、信念の人「西嶋」 クールビューティ、超絶の美人の「東堂」 人見知りしがちな、でもサイコキネシスの使える本物の超能力者「南」 この東西南北が名前についた4人+1名が名前の通りに麻雀したり遊んだり、仙台で多発する連続膀胱魔事件や、窃盗団事件などに関わったりしながら進んでいくこのお話は本当にとても楽しかったです。春夏秋冬1シーズン一章で1学年ずつ上がっていく章構成も見事に完璧でしたし、文句を言うところが一つも見当たりませんでした。 とにかく面白いです。青春エンタメとして完成品です。5つ星評価の星5つでお勧めです。あ、蛇足ながら「チルドレン」に出ていた某氏の話もちらりと出て来ます。 ちなみに、2008年「本屋大賞」、第21回「山本周五郎賞」受賞作品だそうです。 (樽井 / 2008-08-24)
レビュー数 25
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平均点:4.0
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No.1-6
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フィッシュストーリー / レビュー総評点:49
『フィッシュストーリー』で画像検索
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ASIN:4104596027 / 売上順位:89834
新潮社(2007-01-30)
伊坂 幸太郎
¥ 1,470(中古:¥ 333)
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レビュー総評点:
49
伊坂幸太郎13冊目の本書は、デビュー直後に書いた短編から、今回書き下ろした中編まで、四つの物語からなる作品集である。 「動物園のエンジン」―デビュー長編『オーデュボンの祈り』のような不思議な雰囲気のある短編。 「サクリファイス」―あの黒澤がスピンオフで、この中編では主人公として登場する。ある寒村で昔から伝わる“こもり様”の風習を、伝奇ミステリー風の道具にして、“本格パズラー”っぽい物語に仕上げている。 「フィッシュストーリー」―表題作。私は本書でこの短編が一番好きだ。ふとした偶然(!?)が、40数年を隔てたところで意外な影響を及ぼす物語なんて、いかにも伊坂幸太郎らしい。 「ポテチ」―本書のための書き下ろし中編。黒澤が今度は脇役で登場する。書下ろしらしく、随所に仕掛けられた伏線を、ラストでいかにも“伊坂ワールド”らしく収斂させる手腕はさすが。 今回収録の作品はいずれも独立した話で、書かれた時期も、テイストもまちまちなので、一冊を通して楽しむということはできなかったが、それでも、とりわけ後半の2作品は、ファンとしてじゅうぶん“伊坂幸太郎の世界”を堪能することができた。 (Wakaba-Mark / 2007-02-13)
本書には、「動物園のエンジン」、「サクリファイス」、表題作の「フィッシュストーリー」と書き下ろしの「ポテチ」の計4作品が収録。読みたい彼の作品は他にもあったが、今回は「祝!本屋大賞」という帯文字が目に留まり購入。 最初の「動物園のエンジン」は短いうえにさほど面白さを感じなかったが、続く作品はどれも読み応えがあった。「サクリファイス」は結論的には大したことが判明するわけもなかったが、結論に至るプロセスの筆致が巧みであった。本書では二度登場する、なかなかの渋さを醸し出す黒澤と老婆との会話がなんともいえず絶妙であった。「90歳の慧眼か」という黒澤の呟きに対する、「だから、90じゃなくて92だって言ってるべ。この二年だって、充分大事だったんだから、飛ばさないでほしいんだよね」(78頁)という老婆の応答はまことに微笑ましい。映画『阿弥陀堂便り』に登場した91歳の老婆の口調や姿と、私の脳裏では重なった。この老婆の話し方や人柄は、最終作品「ポテチ」における今村の母親を間違いなく想起させる。 今村の母親と彼の彼女である大西との会話もなかなか愉快だ(今村の母親の面白さが際立っているんだが)。最初はなぜ「ポテチ」というタイトルか即座に掴めなかったが、231頁にある大西の言葉からすぐに分かった。空き巣を仕事にしている今村はたしかにある種の出来損ないといえるかもしえないが、実は母親想いの良き青年である。母親と息子―母親は自分の本当の息子を知らないが、息子はそれを知っている―という複雑な話であるが、伊坂氏の文体や展開構成によって「重い」話でなく、明るく前向きな、そして最後は「泣ける」締めくくりになっている。本作品が一番心に響いた。表題作の作品へのコメントは他のレビュアーが書いているので、私の言及は割愛しておこう。「繋がり」を充分に感じさせる好作品であり、それは彼の作風を象徴するユニークさの源泉だ。 (TKMT / 2008-04-30)
ラッシュライフで登場する黒澤が登場する作品が2編収録の短編集。 探偵として、人探しをする黒澤が主人公の”サクリファイズ”以外は、ハ−トウォ−ミングな 作品が並んでいます。 売れないバンドの最後のレコ−ドが一人の男の人生を変え、そのレコ−ドに収録された無音部分の隠された秘密が、ぐっと来るフィッシュスト−リ− 引退間際の野球選手の出生の秘密が、感動的に描かれたポテチが特にお気に入りです。 伊坂節は健在ですが、初期作品よりも少し文体が淡白になっているように感じ、その分読みやすい文章になっています。 個人的には結構いける作品集だと思いますよ(RBM/MS / 2007-10-24)
伊坂さんの作品にはキラリと光る個性を持った脇役が多い。 その中でも人気の高い「あの人」たちを主役にした短編集です。 「そう来るのかっ!」とニヤリとしちゃうような結末があるのがこの人の魅力だけど、 「ポテチ」のあたたかい結末が良かったー。この本ではこれが一番かな。 「サクリファイス」の不気味さもいい。 あやしげな要素が時間すらも越えて、 パズルのように重なり合っていく気持ちのよさ・・・。 これが伊坂作品のかっこいいところです! でもこれって、もしかしたら長編であればあるほど爽快なのかもしれない。 今回の短編を読んでそう感じてしまいました。 たまにはこういう番外編的なものもいいけど、 できれば長編で読みたい作家ですね・・・。(夢追い虫 / 2007-05-29)
どれも作者らしい発想のストーリーだと思った。特に表題作の「フィッシュ ストーリー」の構成はすばらしい。二十数年前、現在、三十数年前、十年後の 4つの物語を組み立てたりつなぎ合わせたりするのは、読み手自身なのだ。 どうつながっていくのかを考えながら、そしてその裏に隠されたできごとを 想像しながら読むのは楽しかった。 最後に収められている「ポテチ」もよかった。飄々とした今村のキャラは最高。 ピタゴラスの定理には笑ってしまった。今村の心の中にある悲哀に気づかされた ときはちょっとほろっときたが。 この本の中、あちこちに出てくる今までの伊坂作品に登場した人物を見つけるのも 楽しかった。(ただし、全ては無理だった・・・汗)1冊でいろいろ、何度でも 楽しめる♪そんな作品だった。(ゆこりん / 2007-02-17)
レビュー数 38
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平均点:3.5
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No.1-7
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重力ピエロ (新潮文庫) / レビュー総評点:-62
『重力ピエロ 』で画像検索
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ASIN:4101250235 / 売上順位:1305
新潮社(2006-06)
伊坂 幸太郎
¥ 660(中古:¥ 12)
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レビュー総評点:
-62
一度この作品を読めば分かると思いますが、会話が非常にキザです。 映画や小説の世界と、日常世界の「会話」は、実際異なっていると私は考えておりますが、 この作品における「会話」は、 それらの分類とは別個の 無機質的な日常世界の会話というか… 血が通ってない機械的な会話だな、 といった印象を受けます。 ある意味、それは作者の挑戦と言えるかもしれませんが、 読み手としてはあまり面白くないというのが実の感情です。(リツウ / 2009-05-27)
家族の絆云々と言うことがよく出てきましたが、その絆ってものを勘違いしてると思います。 結局人を殺してバレてないから問題なしみたいな展開になっちゃってるし‥‥ 少なくとも自分はこんな家族にはなりたくないと思いました(わんだら〜 / 2010-02-12)
話のところどころに歴史上の偉人の名言が出てくるのがこの作者の特徴だと思う。 この作品ではガンジーが多数引用さていた。そこで好みが分かれる気がする。 私は教養があまりないので、やや退屈だった。 ストーリーとしてはややありきたりな推理小説で途中で犯人がわかる人も多いと思う。 物語の一文の「たった9秒間の快楽と引き換えに60年間子供が苦しむ」みたいな文章が印象に残った。 話題になった割にはいまいちだった。(あるばとろす / 2009-06-01)
私はこれはミステリーではないと思います。 小説らしい小説を求める人には好まれないかな、と思いました。 ミステリーとしてのドキドキ感はありませんでした。 本文中にもあったとおり、みんな考えすぎなんだと思います。 犯罪を犯した人間に対して複雑な人生背景とか、凝った犯行動機とか そう言う物を求めて、そう言うものに「おもしろさ」を求める人には 拍子抜けでおもしろくない物語でしょう。 犯罪と言われる物を犯す人間の思考回路として もしかしたらこれは過半数を占めるのかもしれないと思うことは 被害者になるかもしれない立場としての恐怖と同時に 加害者になるかもしれない立場としての恐怖も感じました。 犯人の行動を否定するのも肯定するのも結局きれい事だと思います。 所詮他人が評価できる物ではないと言うのも納得しました。 そう言う意味では裁判員制度に対する恐怖も感じました。 被害者とか加害者とか命とか正義とか悪とか たくさん考えさせられて、哲学的なのかもしれません。 多くの片が拒否反応を示されている文学作品の引用については 私自身が同じことをするのが楽しいので気になりませんでした。 同じ文学や偉人について肯定的でも否定的でも意見を持った同士で その文言を会話中に引用するというのはそんなに特殊なんでしょうか?? 知識のひけらかしではなく、言葉遊びと共感だと思うのですが。。。(晶 / 2009-09-14)
何も残らない
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直木賞候補となる人気作家ということで期待して読んだら 「何 これ?」というのが すみませんが、 率直な感想 兄弟の会話がありえないぐらい説明口調だし 弟のハルの苦悩は ゴミを蹴る以外 見当たらないし 犯罪正当化してるようで 読んでいい気分でもないし つじつまあわせの文章に見えて 残念 タイトルも救いがあるように「無重力ピエロ」だったらまだしも。(かしの木 / 2009-03-18)
レビュー数 160
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平均点:3.5
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No.1-8
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チルドレン (講談社文庫) / レビュー総評点:107
『チルドレン 』で画像検索
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ASIN:4062757249 / 売上順位:2150
講談社(2007-05-15)
伊坂 幸太郎
¥ 620(中古:¥ 194)
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レビュー総評点:
107
伊坂流日常の謎
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『日常の謎』的な作品5本が収められた連作短編集です. 中心となる人物の言動や性格,やや気取った雰囲気など, 登場人物や世界観がほかのそれらより丁寧に描かれていて, ただの『日常の謎』でおわっていないのが楽しいところです. また,連作なのですが順に繋がっているのではなく, それぞれの作品の時間が前後しているのが特徴的です. とはいうものの,繋がりをややこしく感じることはなく, 読んでいるうちに自然と気づき「ニヤリ」とさせられます. ほかにも,全編をとおして絡んでくる父と子の関係や, 盲目の成年をめぐる少しチクリとさせられるやり取りと, 楽しいだけではない物語としての読みごたえもじゅうぶん. 短編ということもあって読みやすく,おすすめの1冊です.(ポロロッカ / 2007-05-20)
ユーモアがちりばめられていて、めちゃおもしろかったです。 登場人物が個性的なのと、強盗事件や誘拐事件が起きるのに、なかなかシリアスでにはならない。 短編集だけど陣内を中心に全話繋がっていて、すらすらと読めるのにしっかり濃縮されていて読み応えがありました♪ 陣内は「俺と一緒に世界が時間を止めた」と言っちゃうくらい、型破りで自己中で破天荒だけどなぜか憎めない不思議な人。それが、面白いし魅力的で、時々爽快で。最初は鼻持ちならない感じもしたけど、読んでる内に好きになりました。 読んだ後に気持ちがほっこりして、また読み返したくなりました☆(あさ☆あさ / 2007-11-11)
4人の視点から見た陣内物語! 登場した途端は、「なんだ、この男っ?!」って思いましたが、読み進んでいくにつれて、 快感になっていくんです! お友達にいたら、迷惑することもあるだろうなと思いつつ、同時にこんな人が お友達にいたらいいなとも思いました。 ところで、回りがどう思おうと(どんなに迷惑しようと)自分がやりたいと思う事は やっちゃうところとか、ギターが巧いこと、傍若無人でありながら人の心にどこか 温かさを残すところが、島田荘司の御手洗潔に似ていると思ったので、陣内が好きな人は 御手洗も好きだし、逆も真なりと思ったのですが、これは私だけでしょうか?!(笑) 人間的には、目の見えない永瀬が素敵でした! そして、一番印象に残ったシーンは、彼がどこぞのおばさんに5000円を勝手に寄付された 時のエピソードです! あのシーンの陣内の普通ぶりは見事でした。そして、永瀬はさぞや嬉しかっただろうと 思いました。 図書館で借りた本でしたが、これは買います!「死神の精度」以上に気に入りました。 (不二 / 2008-09-04)
うざい!
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と、思った。 陣内の存在が。 若気の至りとはいえ、周囲の見えないやつめ! 空気を読め! と。 しかし、2本目の作品に出てくる陣内は、 同一人物でありながら、印象が違う。 いや、中身が変わっているわけではなく、 むしろ何にも変わってなかったんだろうな〜と思う。 1本目の作品では、陣内よりも鴨居や永瀬の存在を際立たせておいて、 実は全編の軸になっているのは陣内!という手法に やられた!!!!!と思った。 そして最後は何故か陣内を人間的に好きになっていて、 またしてもやられた!!!!という感じがする。(demekichi / 2007-07-24)
短編5話で構成されているが、どれも陣内という男が登場する。 この陣内とは、なんか、クラスに一人は居たような、口が達者で論理的でなく、声が大きく自己中心的だけど、なんだか許せるやつである。 この陣内の学生時代、家裁調査官時代のめちゃめちゃでなんか暖かいメッセージを本書で味わって欲しい。(ヒロゴン / 2008-05-30)
レビュー数 50
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平均点:4.0
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No.1-9
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ゴールデンスランバー / レビュー総評点:332
『ゴールデンスランバー』で画像検索
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ASIN:4104596035 / 売上順位:2520
新潮社(2007-11-29)
伊坂 幸太郎
¥ 1,680(中古:¥ 899)
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レビュー総評点:
332

伊坂幸太郎の小説のすごさは、構成力だと思う。点と点がいつしか線となり、大きなうねりを持って迫ってくる。そんな文章力が、一番の魅力だと思っていた。 でも、今回の作品は、そんなことがちっぽけになるくらいに愛に満ちあふれていた。 くだらない時間を一緒に過ごした学生時代の友人、そして一度別れてしまえば最も遠い存在になってしまう“元カノ”が登場するわけだが、時を経てもなお彼らの間に流れる“信頼感”は、目の前のとんでもない状況を凌駕するくらいに深い。自分の軸の所在をきちんとわかっているというか、自分の中の優先順位にきちんとケリをつけられているというか、そういう潔さに胸が熱くなる。変わっていっても、同じように大事なもの――その深さに胸を打たれた。 話の軸は首相暗殺事件なのに、変わっていくことや、過ぎてしまった時間を称えるような優しさにあふれている大傑作です。(鈴 / 2008-09-01)
伊坂ミステリーの妙を堪能しました
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杜の都・仙台を舞台に、仕組まれた首相暗殺事件の犯人に仕立てられた男が、必死の逃亡者として逃げ切り、生き抜こうとするストーリー。 謀略者や警察、マスコミによって作り出された男のにせの姿が、男をよく知る親友たちと主人公が関わっていくなかで、真実の姿へと変わっていく。最初のうちは、虚像として映っていた絵をばらばらにして、あるべき場所にパズルのピースをはめこんでいくと、最初の像とは全く違う青柳雅春の実像が浮かび上がってくる、そんな感じ。ぱたり、ぱたりと、主人公・青柳雅春の虚像が引っくり返されていく展開が小気味よく、絶妙でしたね。 暗殺事件の真相は、事件当時のものとは違っていたことを明らかにした上で(事件から20年後の話を描いた後に)、黒い霧の中に葬られた事件を、カットバックを巧く使いながら描き出していく話の展開、伏線の生かし方も見事だったな。 殊に、青柳雅春の必死の逃避行を描いていく中に、彼と親友、恋人との思い出の光景が差し挟まれるところがよかった。容赦のない、冷酷無惨な謀略事件と比べると一層、彼らの脳裏に浮かぶ思い出の風景が、あたたかく輝いているように見えました。 久しぶりに読んだ伊坂ミステリー。これは面白かった!(東の風 / 2007-11-30)
とにかくノンストップで読みました。 面白くて、途中で止めることが出来ませんでした。 私も主人公・青柳と一緒に一気に走った感じです。 女二人の会話から入る第一部が、まずいいです。 何とも平凡だけどどこか軽妙な会話に引き込まれる中、 あっと驚く事件が起こります。 そのあとは過去と現在を巧みに行き来して、ストーリーは展開します。 ちょっとした会話の中にも伏線があり、 あとあとそれが「なるほど!」と思わせるし、 登場人物はそれぞれなんだか適当に喋っているようだけれども、 すごく物事の本質を見抜いていて、ドキッとさせられることばかりでした。 読後感は、何故かデビュー作の「オーデュポンの祈り」を読んだときと似ていました。 あの、初めて読む種類の小説!と感じた新鮮さです。 更にパワーアップしたものですが。 正直言うと、みんなあまりにも無条件に逃亡者・青柳に手を貸すし、 うまい具合に話が進みすぎる(たった二日間なのに!)という感もあるのですが、 それは許せるぐらいのおもしろさです。 でも面白いだけじゃなく、ホロッとさせる部分もあるんですよね。 わたしは3箇所でグッときました。 そしてラストがまたいいんです! う〜ん、書き切れません。とにかく、オススメです!(ひつじ♪ / 2008-01-10)
伊坂幸太郎氏の最新作だ。帯には「伊坂的娯楽小説突抜頂点」と明記されているが、たしかに彼自身の持ち味が十分に活かされた読み応えある作品だった。個人的にジョン・F・ケネディ暗殺事件には関心があったので、それをモチーフにした本作品の展開構成には最初から惹かれるものがあった。さまざまなシーン・会話が見事に繋がり、立派なオーケストラの演奏を味わっているような感覚に浸ることができるのは伊坂氏の筆力である。タイトルも印象的だった。 首相暗殺の濡れ衣を着せられたある男と彼を偶発的に応援するかつての友人達らとの触れ合いに多くのことを考えさせられた。しかも500頁を超える大作であるため、読了するまでに意外と時間がかかった。一気に読み終えた読者もいるかもしれないが、私には大変だった。興味深い作風・内容であるとは思いつつも、途中で頓挫してしまうのではないかと幾度も危惧した。今こうしたレビューを書いているのは、きちんと最後まで読み終えたからである。当然のことではあるが、今回ばかりはそれが何より嬉しい。 「第四部:事件」がとにかく長い。自分が「逃亡者」にでもなったスリリングな気分になるが、関心事は「最終的にはどうなるんだ?」という一点だ。十二分に読者を引っ張っておいて、「第五部:事件から三ヵ月後」のコンパクトな締めくくりがかえって心地よかったりする。最後にもらった「たいへんよくできました」というスタンプは一体どんな意味を持っているのか。このエンディングに私は安堵した。そして伊坂氏の人間らしさを何となく垣間見たように思うのである。伊坂的娯楽小説の貫徹ともいうべき本書のメッセージとは何か。本書を通じて作者は読者に何を感じ取ってほしかったのか。「娯楽=エンターテイメント」という単純な話ではないだろう。「現時点の集大成」というから、今度も彼の作品は進化を遂げてゆくということだろう。私なりに注目していきたい。 (TKMT / 2008-05-28)
冴えわたる伊坂幸太郎ワールド
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伊坂幸太郎の14作目に当たる本書は、2年ぶりの書き下ろしで、しかも1000枚、単行本にして501ページにも及ぶ久しぶりの大長編である。 メインのストーリーは、首相爆殺の濡れ衣を着せられた男の逃亡劇である。 第一部「事件のはじまり」、第二部「事件の視聴者」を読んでいると、青柳雅春という奴は本当に犯人で、悪い奴だと思い込まされる。これが実は普段われわれがマスコミを通して知る“事実”なのだ。 第三部の「事件から二十年後」というルポで「おや?」と思い始め、本書のメインである第四部「事件」に入り、リアルタイムで事件について語られ、青柳の逃亡劇を読み進むうち、彼の実像と“本当のこと”が分かる構成になっている。 とにかく、逃げる!逃げる!青柳、そして彼を直接的に間接的に助ける仲間たち。とりわけページを割いて登場するかつての恋人樋口晴子の活躍は印象的だ。 そして、伏線と過去のカットバックが効果的に取り入れられていたり、人を喰ったような意外性もあったりして、行間からは“伊坂エッセンス”が溢れている。 本書は、「現時点での伊坂小説の集大成」と呼ぶにふさわしい大作で、伊坂ファンもそうでない人も、きっと時を忘れて読み進んでしまう、そんなリーダビリティーを持った一冊である。 (Wakaba-Mark / 2007-12-07)
レビュー数 186
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平均点:4.0
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No.1-10
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アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) / レビュー総評点:20
『アヒルと鴨のコインロッカー 』で画像検索
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ASIN:4488464017 / 売上順位:1421
東京創元社(2006-12-21)
伊坂 幸太郎
¥ 680(中古:¥ 188)
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レビュー総評点:
20
友人に勧められ、初めて読んだ伊坂幸太郎作品。 この作品は、「2年前」と「現在」の2つの時間軸によって描かれています。 そのうち過去が現在に追いついて、時間軸が交わり、一本に統一されるのかと思いきや、ずっと「2年前」と「現在」の時間軸は平行したまま物語は進んでいきます。 最後まで読まないと、過去と現在の繋がりが見えてこないので、先が気になり、一気に読んでしまいました。 「2年前」の物語の登場人物と、「現在」の物語の登場人物は、共通している人もいれば、いなくなってしまった人も・・・。 その、過去と現在の繋がり=「2年前」の物語の登場人物が「現在」の物語でどう存在しているか、ということが、この作品のミステリーの核となっている部分であり、オチというわけです。 過去と現在がどう繋がっているのか察知させない、先の見えない謎めいた描き方は、物語の構成に面白さを感じさせてくれました。 ただ、私はこの作品を読みながら、ずっと違和感を感じていました。 というのは、ミステリー要素や構成力は別として、登場人物に全く感情移入ができず、そういった意味で作品を楽しむことができなかったからです。 「2年前」と「現在」に登場する人物の、そのほとんどが、あまりキャラが確立されてはおらず、ただ台詞が並べられているだけのような、上っ面しか見えないようなもどかしさがありました。 唯一特徴的なキャラである「麗子さん」も、彼女の言動に逐一、無表情だとか、無感情だとかという一言が添えられていて、彼女の描き方がわざとらしすぎて、上滑りな印象を受けました。 どのキャラクターにも現実味が感じられず、感情移入できないために、引き込まれるような面白さが足りなかったように思います。 とはいえ、構成自体は十分楽しめると思いますので、ミステリー好きの方には良い作品かもしれません。(レナ / 2009-03-30)
「一緒に本屋を襲わないか」の突拍子のない言葉から始まって、次々と発せられる会話に含まれている謎めいた言葉が 読み進めるうちに明らかになっていく時の気持ち良さ。 キザだけどユーモラスがある会話がテンポよく展開されていて面白い。 現在の主人公、椎名が後半あたりで、自分はこの物語の脇役なのかもしれないと認識するところが、また面白い。 二年前の出来事の結末が思いのほかあっさりしてて、少し物足りなさを感じた部分はあったけど、 琴美の二年後の回想なんかは、先にラスト後を示唆させていて独特だなと思う。 読み終えてタイトルの意味を改めて考えると、なるほどなぁと納得させられて、やはり伊坂幸太郎はセンスがあるなと思う。(reina / 2008-08-29)
昔と今が錯綜している構成が活きてる。 言葉がリンクしてハッとさせられたり ちょっとしたエピソードで人物をより際立たせたり。 この方はキャラ作りが上手いのかな。 濃く思い浮かんで、それだけでも惹き付ける。 それと、気になるのは言葉。 「一緒に本屋を襲わないか」 目的は広辞苑 とか。 「神様を閉じ込めに行かないか」 突拍子も無いけれど ちゃんと収束して意味あるものに形を変える。 その持っていきかたが好み。 (ぴろっこ / 2008-08-06)
引っ越してきたアパートで出会った青年、河崎に、本屋襲撃の計画を持ちかけられる僕。 その一方で、二年前の出来事が、河崎の元恋人、琴美を通して語られます。 現在にも二年前にも登場するのは河崎。 “二年前”は、河崎にとっては終わっておらず、現在も続いています。 本を読み続けていくうちに、現在と二年前がつながってきて、話の全貌が明らかになります。 所々に話の謎を解くキーワードが散りばめられているので、細部にまで注意をして読みたい本です。(palladian / 2008-01-02)
冒頭からエイズとペット殺しの印象が強く、特にペット殺しの部分ではとにかく息苦しく感じてしまう。ペットを面白おかしく刻んで殺す3人にいつ「わたし」である琴美が犯されていたぶられながら殺されてしまうんだろうと、物語が進むごとに気になって仕方なくなる。感情移入させられてるが故のことなのでやっぱり作者は上手いんだか、私自身が単純なのか・・・ただあまりにアッサリとした事件の幕切れに、ただ引っ張られただけ、という印象は否めない。 河崎という男の発した最初の一言で普通の感覚ならエイズだと気づくと思うのだが、登場人物と読者である私との感覚の差が出すぎてしまって少々冷めてしまう。ただこの本の中で唯一私自身が魅力的だと感じた人物はこの河崎という男。逆に言うと登場人物の多さの割りに人物描写に魅力が乏しかったのが残念。 物語そのものというよりは、構成オチありきの作品のように感じました。「重力ピエロ」は構成はハッキリと最初から判りきっているのに物語や登場人物そのものに強烈な力がありましたが、本作は全く逆でそのギャップに驚きました。 (山根晋爾 / 2008-06-03)
レビュー数 112
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平均点:4.0
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No.1-11
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ララピポ (幻冬舎文庫) / レビュー総評点:51
『ララピポ 』で画像検索
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ASIN:4344411668 / 売上順位:11086
幻冬舎(2008-08)
奥田 英朗
¥ 630(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
51
エロいから面白いのではなく、 面白いからエロさが爽快に表現された作品です。 ララピポはオムニバス形式で関係者が順に主人公になっていきます。 そして人間の裏側をエロスで表現していて非常に笑っちゃいます。 みんなどこかに問題を抱え、壊れる寸前ってのがまた後を引きますね。 読んでるとドキドキな場面がたくさん有るので楽しく過ごせること間違いなしです。 ただ電車内で読んでると回りの眼が気になります... 後ろから覗かれない様に気を付けましょう。(最高の時間を手にしたい / 2009-03-19)
「ララピポ」なんやこのタイトルはと不思議に思って読み出すと、 エロい話のオンパレード。 内容は、はっきり言ってエロ小説ですが、ひとひねり、いやふたひねりぐらいしてある。 だから、いやなエロさがない。 この本の趣向というか仕掛けに慣れれば、ページをめくる手が止まらない。 そして、『ララピポ』の意味を知り納得。 なんとなく生きる勇気がわいてくるという誠に不思議な小説です。
奥田英朗が初めてという人には、あまり薦められないが、 数冊読んでファンだという方にはぜひ薦めたい。
なお、通勤電車では読まないほうが賢明です。 ほとんどのページに卑猥な単語があるので、 となりの人に見られると、 なに読んでんだと思われ、恥ずかしい思いをすることでしょう。(I'll go to a place in the sun / 2008-09-02)
さすがです。 なんというか、 底辺の文学、と言えばよいのでしょうか? 連作短編集。 それぞれが、 社会の端っ子で生きている。 そして、そのことを自覚している人たち。 引きこもりのフリーライター、 キャバクラのスカウトマン、 ゴミ屋敷の主婦、 嫌と言えないカラオケボックスのバイト、 官能小説家、 テープリライターの女。 他者との距離感をうまくつかむことができず、 自らの世界で、物事を丸く収めようとしてしまう。 そのやり方もまた、 独りよがりであり、 孤独の要因も、自身にあったりする・・・。 そして、 何よりも共通なのが、 あきらめている、ということ。 生きる力が湧いてこない、 なんとも、苦笑してしまう小説。 だいたいみんな、 いよいよの瞬間に、 「ま、いっか、 そんなに大した人生じゃないし、 これから楽しいことが待っているわけじゃないしな」 と、思っちゃう。 肩肘張らず、 楽しめるし、 何より、 “この人たちよりは、まし” と思えてしまい、なぜか励まされる。 人間とは、不思議な生き物ですね。 奥田英朗らしい、 緻密な布石や仕掛けが、 最後まで飽きさせません。 そして、 なんとも愛すべき、適当な人々。 タイトルもまた、適当な意味だったり・・・。 おススメです。(teeakira / 2009-01-24)
社会に少し取り残されたと感じている人たちが主人公となっています。 6章からなる短編集のようですが、それぞれの登場人物が少しずつからみあって、複雑な社会を象徴しているかのようです。 格差社会に目をつけた作品であるかと思いますが、読んでいてブルーな気分になりました。 あまりにも救いがない話の展開であったので、読むのがちょっと辛かったです。 (最後に少しだけ救われる場面はありますが・・・)(たつた / 2008-09-12)
でも、すっごくおもしろい。 迷いがない。キレ、抜群。 書いてて、楽しかったんだろうな〜、きっと、筆者も。 こういう題材は、下手するとどうしようもない作品に仕上がると思うけれど、 さすが、奥田英朗。職人芸的巧さ。 悲痛な時代、こういうの読んで笑い飛ばそうぜ。 でも、読んだ後、この登場人物達を心底バカに出来る人ってどのくらいいるんだろう・・・ってくらい、人間の、隠し持つ、下品さを思いっきり表層に浮き立たせている。 だから、逆に笑ってすまされないところも持っている作品。 浅くて、深い。 (mana / 2009-01-15)
レビュー数 34
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平均点:4.0
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No.1-12
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キッチン (角川文庫) / レビュー総評点:71
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ASIN:4041800080 / 売上順位:16346
角川書店(1998-06)
吉本 ばなな
¥ 420(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
71
単なる男と女の恋愛を扱ったのではなく、その周辺の人間との関係をメインにした恋愛小説でした。 みかげと雄一の間には、少なからずも恋愛感情があるにもかかわらず、それだけの話になっていないところが、この小説のいいところ。 雄一の母(父)えり子が隠れた主人公ですね。 彼女の存在なくして、この小説はありえないでしょう。 恋愛小説らしくはないが、しかし、ところどころで男と女の生々しさは書かれており、そこがまたこの小説の素敵なところです。 こんな恋愛小説は他にはないのでは。(中は切っても発出さん / 2005-12-20)
死とキッチン
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身近にある"死"を思う。ひとが生活していくために欠かせない食事をつくるキッチンを通して死が交差する。 大切な人の死を乗り越えて、自分は食べ、生きていかなければいけない現実。 それはなんてシュールな世界。そして、目を逸らせない現実だ。 身近な死を経験した人ならきっと痛いくらいの涙が出るんじゃなかろうか。そう思った。 私はまだ、遠い人の死を経験したのみだから、まだ想像するしかないのだが、もし恋人が死んだら、私もまた、どのようにその寂しさを乗り越えていくのだろうと切実に思った。 現実はきっと吉本ばななさんの描くとおりに、そんなに悲惨なわけじゃない。 お腹もすくし、恋もする、お金のことだって、仕事のことだってなんとかしなければいけない。 そういうもどかしさや侘びしさの合間に、キッチンの無機質な光、包丁やまな板が鎮として並ぶすがた、朝の光につつまれた空間の静謐さ・・・なんかの描写が出て、やるせない死の世界に、とてもうまく共振している。 それはとても辛いことだけれど、同時にすごく救いなんだ、と思う。 そういうコントラストのうまく生かされた、作品。 そして、登場人物が異様に魅力的な、作品。 (pommier_pomme / 2007-08-01)
心のお薬。
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時々、心がどん底に陥ることがよくある私。そんな時は必ず、まずこの本を読みます。内容、ストーリー云々ではなく、私にとってはこの作品の中に居る空気(・・・雰囲気でしょうか)と、幾つかの言葉がものすごく大切で、重要なんです。中でも一番心に響くのは「キッチン」のラスト、おかまのえり子さんの言葉。「一遍絶望してみないと、自分が何を大切にしてるか分からないままになっちゃう」という意味の台詞。これを読むたびに、また歩き出せる気がするのです。絶望するのも、失敗じゃあないんだな。(まゆら / 2005-09-28)
主人公の女子大生が、唯一の血縁関係である祖母を亡くしてしまうところから話は始まります。 彼女は、身寄りを完全に失い、孤独や倦怠感に悩まされながら生きることを考えます。 作品を一言で表現してしまえば、「恋愛小説」です。 しかし、ストーリーのベースには、常に【孤独とはどういうことか】が敷かれていて、 その展開は、一般に言うような恋する気持ちを追いかけるものではありません。 人間は、誰しも絶対的に孤独であるということを理解したときに、 恋愛というものがどう目に映るかを鮮やかに表現していると思います。(watanabe8760 / 2007-06-02)
吉本ばななの代表作である『キッチン』は勿論の事、一緒に収録されている『ムーンライト・シャドウ』も魅力的です。素敵過ぎる描写が光る吉本ばななの代表作、個人的にも、『TUGUMI』・『哀しい予感』と合わせて大好きな作品の一つです。特に、『ムーンライト・シャドウ』の方が良いでしょうか。『キッチン』。ひょんな事から主人公みかげが同居する事になった奇妙な親子と繰り広げる緩やかな時間の流れと温かい物語。『ムーンライト・シャドウ』。恋人を失った主人公が描く、少しだけ甘い物語。テーマは"死"であったり"愛"であったり"絆"であったり。そうした複雑な人間性を孕んでいながらも、重々しさを微塵も感じさせない透明感があります。 様々な小説を読んでいて一つ思うこととして、魅力的な文章が如何なるものかということがあります。色々と思いを巡らしてみるに、その答えは結局、自分には到底書くことの出来ない独創性を持った文章だという事の様です。その典型が吉本ばななさん。物語を読んで凄く身近に共感出来るのに、一体どうしてこんなに素敵な文章が書けるのか、不思議な位魅力的です。吉本ばななさんの代表作として、多くの人々に読み継いで欲しい作品の一つです。(takuya_o0917 / 2006-06-29)
レビュー数 83
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平均点:4.5
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No.1-13
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海のふた (中公文庫) / レビュー総評点:45
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ASIN:4122046971 / 売上順位:13247
中央公論新社(2006-06)
よしもと ばなな
¥ 520(中古:¥ 156)
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レビュー総評点:
45
文庫を再読しました。 かき氷屋という職業には、全然リアリティがないのに その仕事を考え実行に移していく流れや、 主人公の気持ちの動きには物凄くリアリティが感じられます。 もしかすると、ほとんど架空の職業を設定することによって、 例えば実際にその仕事をしているなど人が読んだ時、 「そんなもんじゃないよ〜」みたいに、 変な部分で違和感を感じられるのを避けたのかもしれません。 仕事の詳細を「つくりもの」にすることで、 「人にとっての仕事」というものが普遍化されて、 働く→毎日を暮らす→生きる、という図式がはっきりと描き出されています。 明確な「結論」やメッセージがあるわけではないのに、 読む前と、読み終わった後では、何かが静かに、 でも確実に変わったと思える不思議な本だと思います。 夏休みにふさわしい本、という意見がありましたが それを否定しないけれど、僕にはこの本自体が夏休みのように思えました。 さほど大きな事件はなく、何となく過したような気がするけれど 後で思い返すと人生の節目といえるような、そんな夏休み…。 また「海のふた」という考え方も、僕にはどこか懐かしく 麦畑の端っこで、人が落ちないように見張っている少年… という名作文学のイメージとダブりました。 (青い車 / 2007-07-19)
無性に働きたい!という気分になる本でした。職業や仕事とは本来こういう気持ちでするものなのではないか?と問われているような気がし、自分の好きなことや得意なことで働けるということは素敵なことだなぁと思いました。 主人公とはじめちゃんが海で泳ぐ場面や、かき氷をお母さんが食べにくる場面は自分達が夏に経験したような暑くてもったりした空気感が伝わってきます。 最近読んだ著者の本の中で、一番のお気に入りです。(るんるん / 2006-11-26)
今年もここに海があるということ。 「またね」と手を振って別れた友人と、また会えると信じられること。 それらが本当は、すごく奇跡でものすごいことなのだということ。 それに気づき、今という時間を抱きしめたくなる。 何度も読み返したくなるのに、読むと切ない気持ちになることがわかっているからなんとなく表紙をめくれなくなってしまう、そんな本です。(Moririn / 2006-08-15)
かき氷のあのキンとくる冷たさ、光る海、きれいな夕焼け、そしてさびれた商店街と活力を無くした人々。この町の姿は、今の日本のいたるところで見受けられるだろう。だけど、主人公がひと夏に経験する出来事、とりわけ、顔に大きなやけどの痕をもつはじめちゃんとの出会いは、きらきらしていた「あのころ」のこの街へ連れて行ってくれる。自分らしくのびやかに生きるために、大好きなかき氷を丁寧に、こだわりをもって作る主人公。暑さのなかで、目指していたもの、それは表面的な価値観では言い表せないものに違いない。夏の思い出の一冊。(かん / 2006-08-12)
他のレビュアの方々はあまり触れられていませんが、 今回は遺産相続、観光地の盛衰、といったものと 主人公と思われる主な登場人物ふたりのピュアさが 絡み合う物語でした。 二人のピュアさのせいで、遺産とか観光地とかの俗っぽい ドロドロが余計際立った感じがします。 ばななさんの小説にはよく素敵な言葉が出てくるな、と 思うのですが、今回もたくさんありました。 その中でも 「環境保護とかいうと、どうしてもサバンナとか 熱帯雨林とかが浮かんでくるように、 私たちは仕向けられているでしょう? 身近に目を向けられると困る誰かから」(p140) 「骨もあって、魂もこもっていたら、それに私がちゃんと 質が高いものを作り続けていけば、 買う人は絶対いるから大丈夫」(p170) といった言葉たちが印象的でした。 こうやって抜粋してしまうとピンと来ないかも 知れませんが。 「よしもとばなな」になってからの小説を いろいろ読んで来ましたが、これはその中でも いい本だと思います。 主人公がちょっとありえないだろう、というような おとぎ話のような仕事をしていたりすることはあるけれど、 でも彼女たちの周りになる現実は、やはり 私の周りにある現実と変わらず、 でもそこをスマートではないけれども、 着実に、確実に、前進しているところが とてもいいな、と好感が持てました。 読売新聞で連載されていたのですね・・・。 ちょっと意外でした・・・。 それと、巻末に日本ロレックス株式会社の (多分)社長からのコメントがあります。 彼が版画家の名嘉さんとよしもとさんを引き合わせたらしいです。 そういう文化的な、しかもどちらかといえば若い女性が 好みそうな小説家にも精通しているところが 西洋の会社の社長(たぶん)らしくて、これまた 意外、かつ好感が持てました。(vega / 2008-02-29)
レビュー数 7
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平均点:5.0
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No.1-14
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デッドエンドの思い出 (文春文庫) / レビュー総評点:37
『デッドエンドの思い出 』で画像検索
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ASIN:4167667029 / 売上順位:23401
文藝春秋(2006-07)
よしもと ばなな
¥ 510(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
37
もうこれは読んで頂くしかないのですが、しみじみと読ませる中・短編小説集です。『幽霊の家』の幽霊?の老夫婦の日常と変わりない仕草とか、複数の作品で言及されているドラえもんとのび太の日常へのあこがれとか、何でもない生活を幸せと意識しない時間の幸せさ。慌ただしい日常の中でハタと一瞬思考を停止させてくれます。登場人物は毒殺されかけたり、無理心中に巻き込まれたり、幸せなばかりではないのですが、幸福ということをしっかりと考えさせてくれる作品集でした。 作者はあとがきで、「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好き」と書いているが、同感です。(汲平 / 2006-07-30)
よしもとばななさんの作品には二冊しか触れた事のない僕です。 彼女の描く世界には、いつも(といっても二冊だけですが)体温を感じる。 日常を描くとかそういう事よりももっと、日常に、自分が「人」だと感じる、 そんななにかを描いているように思う。 この短編集を読んでいる時、自分がなくしてしまって、飢えている、 ある、「ぬくもり」を感じて胸苦しくなったり、いまだにまわりにありつづけてくれている 暖かさを思い出してほっとしたりする。 熱すぎも冷たすぎもしない、ちょうど体温のような温度。 それはなにもないということではない。 人間のちょうどのぬくもりを感じるのである。 日本人独特の感性ではないかと思ってしまう。 普段はちっともよしもとばななさんを思い出さなないのだけれど、久々に読んでみて、 とても良かった短編集でした。ちなみにカバーデザインと作者にとっての「最も好きな作品」 という部分につられて買いました。 忘れていた、ずっとまえに、よしもとばななさんの本を、本当におずおずとすすめてくれた とってもやさしい女の子を思い出しました。(タック / 2007-03-07)
よしもとばななにはあまり興味がありませんでしたが、 「これまで書いた自分の作品の中でいちばん」という帯にひかれて読みました。 カバーの写真も明るいシガーロス的な世界が出ていて興味を持ちました。 非常に面白く読みました。 なかでも、「ともちゃんの幸せ」は傑作だと感じました。 小説としての正しい倫理観のようなものがにじみ出ていて、心地よい読後感でした。 どの短編も広く愛される小説だと思います。(hufflepuff / 2007-03-03)
私たちの心には沢山の思い出が横たわったいて、そっと掬おうととしても指の間から零れ落ちてしまいます。あなたの手のひらに残ったのは、どんな思い出ですか?宝石のようにきらきら輝く楽しかった思い出?それとも涙が結晶になった悲しい思い出? 手のひらに残った思い出も、指の間から零れ落ちた思い出も、すべては今のあなたを形作る大切なものなのです。だから、そっと抱きしめるように抱え込んでください。握り締めようとすると、さらさらと零れ落ちてしまいます。 この本を読むと、自分自身の全ての思い出がいとおしくなります。そして、今自分自身の周りのささやかな幸せを感じられるようになります。心に刺さった小さな氷のような思い出も、やがては解けて未来へ続く河へと流れ出します。早春の陽だまりのような、穏やかで、生命の力強さを感じる一冊です。 (わこ / 2008-09-20)
……この短編集は私にとって「どうして自分は今、自分のいちばん苦手でつらいことを書いているのだろう?」と思わせられながら書いたものです。つらく切ないラブストーリーばかりです。(あとがきより) と作者本人は言う。 また表題作『デッドエンドの思い出』については「今までで一番よく書けた」とまで思っているらしい。 しかし、読み手の自分にはよく分からなかった。 過去に読んだ作品群よろしく、登場人物が「乙女心の哲学」を語っているのみに見えた。 別に読んでいてつらくなるようなストーリーはない。 つらい、というのはあくまでも書き手の感想だろう。 そして書き添える必要のない余計な感想であろう。 むしろ読み手からすると、 ストーリー自体よりも、作者の今作への思い入れの強さと陶酔加減のほうが痛ましいというか滑稽。 あとがきと本の帯の煽り文句に見える作者の自己陶酔が相当強くて、滑稽。 その煽り文句を真に受けて期待して読むと、思いの外普通の話であることにあ然とさせられる。 滑稽なのに、作者自身は至って真面目なので笑うに笑えない。強いて言うとそれがつらい。 この本を読んで、今まで自分が 「自己陶酔的な文章≒耽美的なレトリックの文章」 だと思っていたのに気づき、かつその思い込みが破られた。 この本の文章は、自己陶酔的ではあるが耽美的ではない文章の好例だと思う。 そして氏の陶酔加減と氏の持ち味である軽量かつ薄味のレトリックの相性が悪く思え、 少々興醒めであった。 あと会話の文体が際立って不自然。 小説内で現実と同じ会話体を用いる義務はないと思うが、 ここまでニセモノくさい会話体もどうかと思う。 加えて「ワタシ、ナンテカワイソウナノ?」と、 自分の被害者性に酔い痴れ、嬉しげに自分のか弱さについて語る女性像が印象的だった。 フェミニストに媚びを売りたい時はこういう物語を書くといいのか、と思わされた。
総じて今作は、笑ってはいけないギャグ本だと言える。 ネタとしては面白いが、真面目に読めば並の短編集である。 ばななの本はばななファン以外の人から読まれることが無いのだろうか。(如那傘如臼太 / 2009-08-03)
レビュー数 12
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平均点:4.5
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No.1-15
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幸せのちから [DVD] / レビュー総評点:0
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ASIN:B001AG6CSC / 売上順位:33127
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(2008-08-20)
俳優:ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス/監督:ガブリエレ・ムッチーノ/脚本:スティーヴン・コンラッド/ウィル・スミス/俳優:タンディ・ニュートン
-(中古:¥ 976)
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レビュー総評点:
0
一旦はホームレスになり、しかし起死回生するという物語。 親子愛がテーマで、子供を守るために必死な主人公の姿が伝わってきます。 親子愛というテーマの他に、現代社会で生きていく上で、お金がなくなり住むところを追い出され、ついにはホームレスに・・・・という厳しい現実を乗り越えた、というノンフィクションは見所かと思います。 しかし、実際こうなってみて頼る人もいないと、一旦ホームレスになると、普通のサラリーマンなどとして復帰するのは難しいのだろうな、という社会のしくみも見えてきました。 それだけに、この主人公がホームレスをやりつつ子供を育て、金が無いときには献血で血を売ってお金をもらってまで、なんとか生き延び復活した、というストーリーはすごいものに思えます。 なにより「絶対生き延びるぞ!」という必死さが強く伝わってきます。 これも子供のため、という想いがあるからでしょう。 自分1人なら、死のうかなと思ってもしかたない状況です。 下手なホラーやアクション映画よりは、親子で見るといい映画かもしれませんね。 子供も、自分を養ってくれている親の偉大さがわかるかもしれません。笑(ayaka / 2008-07-05)
実在したクリス・ガードナーという大金持ちの、苦労時代からのサクセスストーリーらしいが、評価は低い。 私は途中で嫌気がさしてきて、見るのをやめようかと何回も思った。 嫌気というのは、面白くないというのではなく、子供を感動の道具に使ったシナリオは許せないという事だ。 ストーリーが、ある医療器具のセールスマンだった主人公が、全然売れずに家賃は滞納、税金も滞納、駐車禁止の罰金も払えずについに収監。そんな中、奥さんがあまりの生活に嫌気をさし、子供を連れて家出。しかし子供との生活を望む主人公は保育園から子供を引き取り、駅のトイレで寝たり、路上で寝たり、境界で寝たりというようなことを繰り返し、証券会社の厳しい入社試験を突破して、最後はハッピーに…という流れなのだが、これではあまりにも無責任というか、自分勝手だ。 ここまで陥った責任はすべて自分にあるにもかかわらず、子供には自分と一緒に浮浪者のような生活を強要し、タクシーの運賃踏み倒したり、ホテルの代金踏み倒したり…としたい放題。(金がなかったので仕方ないといっても、その責任はその医療器械を売ろうとして大金を使って仕入れた自分の判断のミスにある) 子供が「お母さんが出て行ったのは、僕のせいか?」と聞かれ「いや、それは彼女の都合だ」と答えるシーンがあるが、それは違うだろう。すべて自分のせいではないか。奥さんも毎日16時間も働いていたではないか。子供の人形を捨ててバスに走るシーンなどは、殴ってやりたかった。 こんな勝手な男の半生なんか見たくもないのだが、その馬鹿な親の息子がけなげで、何とかとしてやりたいと思ってしまう。結局子供を救いたいがために、最後まで見てしまうような映画なのだ。 しかし、あの息子が実の息子だと聞いてびっくりした。(いんてきふこ / 2009-06-21)
CMを見て結末は分かっていたが、映画のテンポもよく、ダレるところもなく、実話がベースなんで、信憑性もある。予想以上に楽しめた。 しかし、アメリカの実力社会は怖い。結果が数字として現れて、その数字しか評価されない。 逆に学歴がなくても結果が出せれば成功する。たまたまこの主人公は勝者だったが、皆が皆そうとは限らない。私の人生。不安だ。(サルヲ / 2008-09-22)
公開当時からCMや雑誌広告を見て気にはなっていましたが、期待外れでした。 妻の行動も支離滅裂で、いつの間にか姿を消しているし。 しかも、成功した理由が証券会社に採用された、なんて。 当時はそれがいわゆるアメリカンドリームだったかも知れないけど、 金融危機に襲われた現在では、諸悪の根源みたいなもので、 あまり共感できないのでは? 感動したい、家族の絆を感じたいのならイギリス映画の「BRASSED OFF!」を観ましょう。 中途半端なハッピーエンドではないけれどとてもすっきりした気分で終わることができます。 ストーリーの背景もとても奥が深く意味の有るものです。 ただ、採用が通知された時に感極まって涙があふれ、それを隠しながら自席に戻るシーンは 素晴らしいと思います。 あと、息子に言った「誰かに、例えパパでも無理だと言われて夢を諦めるんじゃない」 という言葉は印象的でした。(agus / 2009-04-30)
先ほど、妻と鑑賞しました。 物語としては実話を基に作成された話題作で期待していました。 結果、期待以上のできで心に残る好い作品でした。 妻に言わせれば殆ど辛いシーンばかりで疲れたとのこと。 同感。子供を持つ親としては重ねてします分、当然かも・・ でも、その辛い状況でも希望を捨てず諦めないことで報われる^^ ありがちな内容ですが今の日本には必要なエッセンス(親子愛・折れない心etc) 満載です。どうぞご家族で観てほしい作品です。 (ローブロー小次郎 / 2008-07-20)
レビュー数 16
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平均点:3.5
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No.1-16
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純喫茶磯辺 [DVD] / レビュー総評点:18
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ASIN:B001IH6NLY / 売上順位:3437
メディアファクトリー(2009-02-06)
俳優:仲里依紗/宮迫博之/監督:吉田惠輔
¥ 3,762(中古:¥ 3,169)
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レビュー総評点:
18
麻生久美子の演じる素子がおかしいww 彼女の出演している作品は、「時効警察」と「たみおの幸せ」しか知らないのですが この役が一番ハマってると思います。 宮迫演じるマスターとのやりとりなんて、映画とは思えないというかw 酔って自動販売機に頭をぶつけ続けたり「あたしすっごい毛深いんですよ。みたらひきますよ」と言ったり、巨大どらやきを勧めたり・・ それらが全てとても自然で。 マスターの娘の咲子も、これまたすごく自然! 演技している感0でした。 宮迫演じるマスターもだらしないようでいて、結構常識人だし あっ、ハリセンボンの近藤春名!いい味だしてますw 全てが自然で、ゆったりと流れるおかしな作品だと思いました。 私はハマって連続5回みました。 「全然大丈夫」「タナカヒロシのすべて」などと雰囲気が似てるかな? 私は両作品とも大好きですw
(toro / 2009-04-17)
元カレにも咲子にも「ひとの気持ちが分からない」と言われてしまう「壊れた女」素子。その素子が素子なりに「ひとの気持ち」を必死に考えた上でつくいくつかの嘘が切なく、コミカルな映画で泣きが入らない様な構成になっているにもかかわらず、ついジンワリしてしまいました。 素子はどうしようもない女ではありながら、一般的な大人をうまく凝縮したような存在。どんな大人にも弱さや欠陥はあり、人とうまくやりたいと思いながらもうまくやれない事があったり、こうするべきとは思っていてもそうできなかったり、素子はそれを極端にしたような存在で、だからこそブッ飛んでいるようでリアルでもある。 そんな素子にとっても純喫茶磯辺でのひとときは心安まるものであった事が元カレとの会話から分かる。居酒屋でのシーンで大切であるはずのその関係をいともあっさりと壊してゆく素子のさばさばとした嘘には胸がキリキリと痛んだ。 途中どうしても素子の姿が切なくて仕方がなかったのですが、最後のどら焼きのシーンは素子なりの達成感を表しているようで安らかな気持ちになれました。 「ひとの気持ちが分からない」と言われた事のある人、言ってしまった事のある人、自分の弱さや欠陥に気付いている人は、つい素子が愛おしくてたまらなくなってしまうはず。(jks / 2010-01-26)
大人には大人の事情があって。 大人も思ったほど大人ではなくて。 大人も迷うし、挑戦もしたくなる。 大人になってしまった僕が言うんだから、 間違いない。(shigekey / 2009-10-09)
なんだかテキトーそうな父親がテキトーな動機で商売を始め、テキトーに女の尻を追う。 離婚して離れて暮らす母親もまたある意味テキトーそうな人間。そして父がうつつをぬかすアルバイトの女も ちょっとは意思的であるようで実はやっぱけっきょくテキトーで・・・。 特別ドラマチックな展開もないまま、物語はずるずるとテキトーに進んでいきます。 ちっちゃな笑いがあちこちに仕掛けられていてクスリとはさせられるのだけど、 腹の皮がよじれるような大爆笑というわけでもありません。 でもラストで父娘がお互いをなんとなく解りあうくだりでは、不覚にもほろりとさせられてします。 おふざけ作品のように見せかけながら、”家族の絆”みたいなものを意外とリアルに描いている 実はかなり正統派のファミリームービー(なんて言葉はあるんでしょかね・笑)なのかもしれませんね。 宮迫・麻生の怪演が冴え渡っていますが、初めて見る仲里依紗という女の子のリキまない 自然体の演技もかなりよかったと思います。”とても好もしいテキトー”ぶりでした(笑)。(あたしはカモね / 2009-07-28)
仲里依紗ちゃん、実にうまい。 日本の片隅、このゆるい雰囲気と怪しい人達…女子高生の娘が「はぁ」ってなる気持ち、よくわかります。麻生久美子、役柄とはいえ女からみるとホントうざいし(笑) 途中だれた感もありつつ、クライマックス以降、ダメ親父がちょっと可愛く思えてくるところが秀逸。何より、思春期の娘心をこれほど鮮やかに描いているものは稀です。エンディングではささやかな幸福感が伝わってきて、見て良かったと思わせてくれます。(キキョウ / 2009-05-20)
レビュー数 16
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平均点:4.0
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No.1-17
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百万円と苦虫女 [DVD] / レビュー総評点:140
『百万円と苦虫女 [DVD]』で画像検索
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ASIN:B001IKYRGE / 売上順位:2969
ポニーキャニオン(2009-01-30)
俳優:笹野高史/俳優:嶋田久作/俳優:齋藤隆成/監督:タナダユキ/俳優:竹財輝之助/蒼井優/俳優:森山未來/俳優:ピエール瀧
¥ 3,422(中古:¥ 3,120)
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レビュー総評点:
140
蒼井優ファンなら文句なしに買いの逸品。
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蒼井優の魅力ってなんだろう。 さらさらした透明感、ほんわかした温かさ、のほほんとした脱力感、うちに秘めた芯の強さ、うなじの美しさとほくろが素敵な日本的美人、ナチュラルな存在感、、、。それらの資質は私だけでなく、恐らく多くの人が感じている事だと思う。そして、意外にも3年ぶりの主演作は、正に金太郎飴の如く、そんな彼女の魅力が詰まった作品になっている。 今作の主人公は、おとなしく、引っ込み思案で、友達もいない。これと言った特技も趣味もなく、“自分探し”と言われても、そんなの見つけたくないし、結局どの道自分は現実を生きていると感じている。その自信なさげで取り合えず百万円お金を貯めるとの目標以外、無為で淡々とした日常を過ごしている印象の不器用な女性なのだが、蒼井優が演じると、その仕草、表情、言い回し等が相変わらずの自然体で、それでいて、そのキャラクターが映画の中で脈々と生きているような感覚を覚える。彼女の場合、どの役柄を振られても、まず毅然として「蒼井優」が存在する。これはモチロン誉め言葉であって、演技派多いと言えども、こんな女優さんは滅多にいない。 そんな彼女のきらめく才能を味わいながら、この生き方下手な女の子の成長の過程を、可笑しさと切なさを以って描いたファニーな逸品。結構へビィなお話なんだけど、なかなかどうして癒されるし、監督のタナダユキの才気も際立ってます。 (hide-bon / 2008-10-20)
パッと見は地味だけれど情感豊かな行間を読ませ 派手さはないが味わい深い映像美でそっと胸をつく ような映画では全然なく、 脚本、演出、キャラクター達の立ち振る舞い、 全てが大味で、典型的で、インスタントで、 ものすごく分かりやすく、まるでテレビ東京系のドラマの様。 ベタなイジメ描写、ベタなナンパ男、ベタな田舎観、ベタなBGM、 物語を運ぶ台詞や演出の全てがいちいち型にハマった 使い古されたハリボテ的です。 正直、恥ずかしげもなくそんな典型がダラダラ続く 場面の連続に観ているほうが恥ずかしくなってくるのですが、 ただまぁ分かりやすいという意味では、アリなのかとも思えます。 しかし強く言っておきたいのは、いわゆる ミニシアター系の邦画好きの方には余りオススメできないということ。 これはどう観ても、完全にテレ東系です。 それを良しとするか悪しとするかは映画に求めるもの、 個々人の好みによって異なるのでしょうが、その事実だけは確かです。 僕はミニシアター系好きというよりは、 蒼井優好きなので、蒼井優を観るという意味ではそれなりに満足です。 主題上、ほとんどずっと、彼女が苦虫を噛み潰したような 表情をしておりますが、それもまぁ貴重かなという意味で、 蒼井優好きにとっては有意義な作品。 海の家でバイトしているシーンでの、薄手の白シャツ姿も、 彼女のほっそりとした綺麗な二の腕を拝見できるのでグッドです。 ただ映画全体としては、こういう安っぽい工夫のない演出と 稚拙な描写は、あまり素直に歓迎できないものがあります。 (ヴァルマンウェ / 2009-10-08)
思いもよらなかった展開で、いきなり前科者になってしまった少女が、誰も自分を知らない町から町へと百万円を貯めるごとに流離ってゆきます。「自分探し?」そんなもの探したくない、探さなくても自分は今ここに在るがまま生きなければならないから。自分は逃げている。だけど、どこへ行っても人と交われば、そこに必ず何かの関係性ができてしまう。 多かれ少なかれ、社会に対する現実不適応感みたいな隔意に共感する私には、とても素直に聞ける言葉でした。そんな鈴子は、多分、とても腹の据わったマイペースな強さと、精神的に線の細いものとをパラドキシカルに抱いて、社会の片隅で「やさぐれている」少女。そんな彼女の旅をエピソードを集めるようにして丁寧、繊細に描くこの映画はとても見ごたえがあり、面白かったです。たとえば、そんな彼女がある街で淡い恋をしたら?その行方は書きませんが、彼女は多分「フーテンの寅」よりも醒めていてクールです。 この鈴子の役は、おそらく蒼井優以外には誰にもできないでしょうね。華奢で可愛らしいけど、何かを本能的に恐れて人を寄せ付けようとしない、人に距離を置こうとするような無愛想さ。しっかりした意思と裏腹の脆さと弱さ、そんな鈴子のすべてを、見事に演じきっています。そんな鈴子と並行するように、彼女の小学生の弟の生活が重ね合わせられ、それは最終場面でお互いが切り結ばれて、愛おしくて泣けるような静かな感動の山場をつくりだします。出演者も皆、それぞれに味のある好演ぶりです。特に桃農家に鈴子が居候する場面で、お人好しだけど、若い娘を前にどこか空気の読めない不器用な農家の息子を演じたピエール瀧、それに脇役ながらも同じ山の場面で渋い演技が光る笹野高史が個人的には好きです。あとは、いつもながらの脱力感が心地よい平岩紙がとても可愛い。 (上野樹里さんのファン / 2009-05-20)
自分は主人公の行動に非常に共感することが多く、作品をとても楽しめました。 今までバイト先や学校等にうまく馴染めてこなかった人には、 主人公に非常に共感できる場面が多いんじゃないかと思っています。 リアリティーを追求したというよりも、 こうだったらどうなるんだろうというIFの世界を映像化した作品だと思ってます。 主人公は、人に深く関わると厄介なことが出てくるのでどんどん転居していくんですが、 人間が持つ面倒くささに巻き込まれ、厄介な事態に直面し戸惑います。 そんな主人公に感情移入していたらあっというまに映画が終わってしまいました。 そこまで悪くないんだけど悪者になってしまう主人公や、 それに立ち向かう蒼井優のたくしましい主人公像が自分にはとてもツボでした。 あまり女の子らしい女の子じゃなく、不器用なんだけど素直なヒロイン像にとてもとても好感を持てました。 世の中にうまく馴染めない人や、 居場所作りが苦手な人が見ると非常に共感できる作品だと思います。 自分は年に一回くらい見直したいくらいツボな作品でした。(nikohide / 2009-12-24)
海の家のバイト、桃園の手伝い、ホームセンターでの仕事… 生活費とか、かかるし簡単に百万円は貯まりません。映画の流れからして、ごく短い期間のお話しみたいだけど… (美咲虎 / 2009-10-19)
レビュー数 43
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平均点:3.5
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No.1-18
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人のセックスを笑うな [DVD] / レビュー総評点:243
『人のセックスを笑うな [DVD]』で画像検索
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ASIN:B0019546J6 / 売上順位:7453
Happinet(SB)(D)(2008-07-25)
永作博美/監督:井口奈己/俳優:蒼井優/俳優:忍成修吾/俳優:松山ケンイチ
¥ 3,670(中古:¥ 2,899)
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レビュー総評点:
243
個人的には大傑作と言い切りたい。
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どうも、評価が分かれているようだけど、個人的には何度も繰り返し見たくなるような映画的な刺激に満ちた快作。すっとぼけていながら、独特のムードと類まれなユーモアを持ち、観終わった後の浮遊感と心地良さは格別だ。 とにかく、ミディアム・ショットで被写体を凝視する長廻しの、切なさと艶めかしさとリアル感が凄い。永作博美によれば、監督はシーンの撮影が終わった後も、「カット」の声を掛けずにフィルムを廻し続けたと言う。カメラを固定し、即興で演出(演じ)続けたと見間違う、役者たちの生理的なリズムに任せたような感覚。例えば、ひとり部屋で「Angel」を聴きながら自堕落に服を脱ぎ椅子に腰掛ける永作であったり、リトグラフ刷りを黙々と続ける永作と松山ケンイチであったり、あるいは松山に1枚ずつ服を脱がせていく永作や、ベットインをした後ビニルのエアマットを膨らませる事に興じるふたり、ラブホテルのベット上での何度も何度も繰り返される蒼井優のジャンプに、ラストの校舎の屋上シーンまで、そのワンショット、ワンショットのインパクトの強さと面白さはどうだ!! どうにも好きになってしまった人を忘れられない、あるいは思慕を抱く人に想いが届かない心の揺れ動きを、映像のリズムで見せ切ってしまった事に感心する。 主演3人の見事なコラボ、中でも永作の、「腑抜けども」とはまるで違う役柄だが、相変わらずの圧倒的存在感が良い。(hide-bon / 2008-05-10)
出演している俳優陣が好きな方ばかりだったので観ました。それでも途中かなり退屈に感じたくらいなので、特に好きな俳優が居ないという方が観るのは少々辛いかも知れません。レンタルで充分です。 ユリとみるめとえんちゃんの関係をずっと映し出している訳ですが、最後の最後で堂本に持って行かれました。みんな報われないのに、切なくなるどころか、寧ろ温かい気持ちになるのは何故なのでしょうか。(浮浪人 / 2009-05-06)
すきだなあ
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原作を読んで、山崎ナオコーラさんの文章のなんとも言えない空気感がおもしろかったし、映画の主演は大ファンの永作さんだしということで、公開終了ギリギリのところで無理矢理時間をつくり見にいきました。おそらく、今年度公開の映画の中で一番楽しみだった本作。 あーーーおもしろかった!です。 大人の女、ほとんどスッピンで色気の無い下着を身につけた、アホ毛のたった30後半女の永作さん演じるユリ。(永作さんのスッピンは神々しいです) 同年代の女の子から好かれている朴訥な優しさをもった不器用な青年、松山君演じる19歳のみるめ。(松山ケンイチ君かっこよすぎです・・・) この二人のシーンのなまめかしさは、本当にどきどきします。変なAVとかより、ずっと、色っぽいし、観客を思わずはにかませてしまう何かがあります。特にユリがみるめにヌードモデルを頼むところなどもう・・・。 原作もそうですけど、題名の割に、何かすごいエロシーンがあるわけじゃないんですよ。そんな刺激的な映画じゃない。淡々と日常が流れ出しているような映画です。耳元でそっとやさいいメロディを流し続けているような映画です。それで、確かにシーンが冗長なところはありましたが、日常ってそんなもんでしょう?くだらない間の繰り返しです。 なんか、すごくこう、恋をしたくさせます。 頬が熱くなって、体の温度が上がります。テンションも上がります。 甘酸っぱいフルーツを頬張ったような、すごくキュンとなる可愛い映画。是非見てみてください。(pommier_pomme / 2008-07-27)
DVDは私たちに新しい映画の楽しみ方を提供してくれる。 実のところ、私もこの映画のかったるさについて行けず、 最初の10分も見ていられなかった。 ところがである。 一度もうやーめたと思い、ソフトを「ノーカントリー」に 変更したが、今度は殺伐としたバイオレンスに耐えられず、 「人のセックス」に戻り、またダラダラ映像に飽きたので 「ノーカン」に、と行きつ戻りつしながら、結局完食した。 後半はだんだんと、この井口監督の長廻しにも慣れてきて、 永作博美が歌いながら自転車をドンドン漕いで行くシーンや 蒼井優がラブホテルのベッドでジャンプを繰り返すシーン等、 ここまでやるか!というシーンを楽しむことができたのである。 この監督は、劇場映画だけの時代は、きっと大成しなかった であろうが、DVD時代は新しい評価軸を切り拓くかも知れない。 人のDVDの観方を笑うな。 (ピュア / 2009-10-13)
犬猫・劇場版でも窺えたこの監督の欠点が一気に顕在化してしまいましたね。映像センスと感性はとても素晴らしいものがある方だと思うのですが、それに頼りすぎで映画になっていないと思いました。とにかくたるい展開です。中盤で睡魔と戦いながらとりあえずは最後まで見ましたが… 御本人にも問題があると思いますがプロデューサーの責任が大きいです。脚本と編集、この二つのパートだけでも熟練のプロに任せれば井口監督の感性も際立ったと思います。プロとして映画監督を続けるのなら今一度助監督などをして修行すべきと思います。親しい山田宏一先生ももっと厳しいアドバイスを。 きついこと書きましたが8ミリ版犬猫を愛する者からのエールだと思ってください。(明日香 / 2009-04-02)
レビュー数 91
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平均点:3.5
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No.1-19
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ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD] / レビュー総評点:256
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ASIN:B0002JDUW4 / 売上順位:3940
アスミック(2004-08-06)
俳優:池脇千鶴/監督:犬童一心/脚本:渡辺あや/俳優:新屋英子/原著:田辺聖子/俳優:上野樹里/俳優:新井浩文/妻夫木聡
¥ 3,678(中古:¥ 3,320)
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レビュー総評点:
256
人生最高の一本
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2004年まだレンタルしはじめのこの映画を、たまたま一本残っていたのでなんとなく借り、何気なく見ていた。ラスト、恒夫につられるように泣きはじめて、ジョゼの疾走する背中からは号泣で、エンドロールが終わってもまだ泣いていた。しばらく放心した。 もう一度観ると、ジョゼがこの日々を心にしまって今も居るのだろうかと、すべてのシーンで泣けた。 2泊3日で返却した足でDVDを買った。過去に映画のビデオを買ったことは一度もない。そこまで観返したいと思うものに出会ったことはなかった。 ちなみに当時、家にプレーヤーはなかった。それでも手元におきたかった。 もう何度となく観ていて思った。この話は、人魚姫に似ている。足の不自由なジョゼと、下半身が魚の人魚姫。王子様と出会い、最後はひとり海に帰るのではなかったか?ジョゼが暗い海底に再び戻るように。 恋愛に奥手なあたしはジョゼとリンクした。何もない暗い海底を「寂しい」とさえも思えなかったジョゼ。恒夫という光や風を知って、再び海底に沈むことを「それもまーよしや」といった彼女の気持ちに、深い共感をおぼえた。 そして何より、この映画で妻夫木聡をただのアイドル俳優だと思っていた事を深く反省した。この作品に感じるさわやかさは彼なしにはありえない。そして彼は顔で演技できる男なのである。特に、ジョゼとのキスシーンでの表情は胸キュンなのである。その後あたしが彼のファンになったのは言うまでもない。(カーリー / 2005-10-31)
「僕が逃げた」 恒夫が別れの理由を言った時 ものすごく、何かをえぐられた気持ちになった。 なぜかというと、私が障害者だからかもしれない。 弟に「兄ちゃんひるんだんだろ?」と言われ トイレをしてるジョゼに抱き伏せたところや ジョゼと別れた後に大泣きした恒夫の姿はとても印象的で とても痛かった。 別れて出て行く恒夫にSM本を餞別に渡し 引き止めるわけでなく普通にしていたジョゼの気持ちが せつないほどわかった。 恒夫を含め、健常者の気持ちや態度は 障害者の私にとっては痛いものだったけど ずるいとかヒドイとかではなく 当たり前のことなんだな、と思いました。 電動車イスで風をきって力強く走るジョゼ。 私はジョゼみたいに強くなれるんだろうか・・・。(キイ子 / 2005-04-23)
人からすごくいいよ、と奨められてみてみた。今流行り(といっても2年前の作品だが) 女性向の純愛ストーリーの邦画かと思っていたがぜんぜん違った。 男にもいやというほど伝わってくるこのせつなさはなんであろうか。 ジョゼと恒夫が結ばれるシーン。池脇千鶴が白いブラジャーをはずし胸を見せる。 池脇千鶴はグラビア、モデル出身でもないので胸は決して豊満ではなく美乳ともいいがたいの だがそこが妙に愛しいのである。恒夫(妻夫木聡)がそこで「泣きそうだ」と つぶやいてしまうのも本当に好きな娘の裸を初めて前にした男ならつい共感してしまうだろう。 (欲情とは別にある「あの」感情を知っている男に限ればの話だが。) そしてラストに向かっていく恒夫の弱さや狡さも共感してしまう自分にやるせなさを感じた。 あるインタビューで監督が「この映画(で感動すること)はダメ男かどうかの踏絵です」と 言っていたそうだ。その通りかもしれない。忘れられない本気の恋をしたことある人ない人で 感想が違ってくるかもしれないけれどぜひ一度は見てもらいたい。 (夜型人間 / 2006-11-28)
いい!
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あまりにもリアルなストーリーでした。障害者のジョゼをほうっておくことのできない恒夫のやさしさ、やさしさはあってもジョゼの人生を一生背負うことのできないずるさ、それを敏感に感じ取るジョゼ…思い出すだけで涙が出ます。 「僕が逃げた」恒夫がポツリとつぶやくラストにドキッとします。奇麗事だけではない悲しい現実を描いていますが、決して暗い終わりではありません。派手な展開がある作品ではありませんが、傑作だと思います。(ミッキーlove / 2005-05-01)
いろんな意味ですごくリアルな映画。リアルがゆえに見ている自分も素直に楽しみ、苦しみ、泣いてしまった。 いつしかジョゼに対する純粋な興味から彼女と暮らしていくうえでの「自分しかいない」という義務感を背負い込みだしたツネオ。そんなツネオの気持ちをツネオの元カノの言葉やツネオ自身の様子から察しつつも、最後まで媚びようとはしなかったジョゼ。 彼女の家を出て号泣したツネオはそのことに気づいたのかな。義務ばかりを気にして、ジョゼの気持ちを見ることができなかった自分が情けなく悔しかったのかな。 ツネオの、自分が逃げたという台詞は同じ男としてズシンと心にきた。
恋愛を続ければ必ず見えてくる義務感。そこでどんな行動に移るのか? 自分から逃げることなく電動車椅子で街中を颯爽と走り抜けるジョゼ。その背中が、語りかけてくれているような気がした。 見る人それぞれにいろんなことを語りかけてくれる映画でした。(4 / 2006-08-10)
レビュー数 111
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平均点:4.5
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