リスト:フェルマーの最終定理 を表示しています。(全 11 件)

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フェルマーの最終定理 (新潮文庫) / レビュー総評点:180
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ASIN:4102159711 / 売上順位:133
新潮社(2006-05)
原著:Simon Singh/サイモン シン/翻訳:青木 薫
¥ 820(中古:¥ 438)
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レビュー総評点:
180
ニュートンもかくありき
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とても上質なドキュメントです。「余白が足りないので驚くべき証明を書き記せない」という何とも思わせぶりなメモと、簡潔な数式で余りにも有名なフェルマーの最終定理が、とても余白などには書ききれないような膨大かつ高度な最新数学を駆使して証明される過程を素人に分かりやすく記した、小説以上にドラマティックなノンフィクションです。 ワイルズの証明の前提を成すある『予想』を提示した数学者も、ワイルズの発表前に誤った『証明』を発表した数学者も、そしてワイルズが発表後の瑕疵を解決する際に大きな役割を果たしたある『理論』を提唱した数学者も、全てが日本人であると言うこともこの真実のストーリーにのめりこむ一要素になっています。 しかし、何と言っても一番感動的なのは、砂上の栄光の後の挫折の中で一度は自ら閉じかけた解決の扉を才能が導いた閃きと共にもう一度押し開く瞬間の描写です。ここはワイルズ自身の言葉で語られていますが、もしニュートンにリンゴが落ちた瞬間の閃きの感動をインタビューしても同様の言葉が返って来るのではないかと思えるほどです。 最終章の四色問題や球体充填問題の説明は蛇足のような気がしますし、73ページ9行目の誤植は場所が場所だけに残念な気がしますが、そのような小さな欠点を補って余りある興奮と迫力が全編を貫いています。(midiman / 2006-07-03)
フェルマーの最終定理を解くために、19世紀の数学、世界中の数論を 統合したプリンストン大学のアンドリュー・ワイルズ、なんともすごい話 である。それにしてもピタゴラスの定理につながるとは、この著者サイモ ン・シンもすごい、物理学からTV界に、そして、この本である。たぶん、 サイモン・シンがBBCで放映し、この本を書かない限り、一般の人には この大きな業績の意味を理解できなかっただろう。たまたま、何年も前に BBCの番組を観て、このときのワイルズの言葉で、「朝起きたら、ふっ とひらめいた」とひらめきの話しがすごく印象にあり、仕事や日常で壁に ぶつかったときに思い出した、そして、その話しを人にもした。数学は、 問題の解決をする学問である。したがって、答えは一つでも、人それぞれ に解決への道は違う。ワイルズは、350年間の全ての数学者の考えを1 つにした。こんな、ワクワクした本の著者サイモンに感謝し、さらに、こ の本を翻訳した青木薫氏にも感謝する、訳者が自然科学を愛する女性とは。 この三者がいなければこれほどの読み物にならなかっただろう。 確率論やゲーム理論などなるほどと思った話しが満載である。 ただ、最終章の未解決のケプラーの話しからは、蛇足であった。 (A・佃崎 / 2007-01-14)
「数学はいつも3。
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暗算を求められるとパニックに陥ってしまう。」 そんな超文系の私でも、最後まで一気に読んでしまいました。 今では周囲の友人たちにも、「最近こういう本を読んでさぁ」と、言いふらしたくてしかたありません。 そうすると、数学がニガテであればあるほど、目を輝かせて聞いてくれるのですよ。数学に挫折した人間にとっては、それほどまでに新鮮な世界なんです。 文系人間の私が、数字を通じては感じることの出来なかった美しい「数論」の世界。それを文章というかたちを通じて知ることができたことが奇跡のように嬉しいです。 (チト / 2006-07-31)
本書は数学をテーマに掲げているものの、 その内容は素晴らしいドキュメンタリーだ。 戦争映画を見るのに、銃の取扱いを知ってる必要は無い。 スパイ映画を見るのに、数ヶ国語に熟達してる必要も無い。 数学者の物語を読むのに、数学を知っている必要は無い。 むしろ、先入観も無く、数式もさらりと流してしまえる、 数学嫌いな人の方が本書をより楽しめるのではないだろうか。 500頁のボリュームだが、ハラハラドキドキの展開、 思わず息を殺して読んでしまう程のスリルと緊張感。 面白いドキュメンタリーの要素が、ぎっしりと詰まっている。 ぜひ、身構えずに読んでみて欲しい。(ナカヤンJP / 2007-06-04)
特に後半の「谷山=志村予想」が出てきたあたりから「どうやって解決に至るんだろう?」とわくわくしながら一気に読めた. 実はこれまですでにフェルマーの定理関係の一般向け解説書は二冊ほど読んだのが,どちらも読みづらく,ほとんど飛ばし読みして中身が頭に入らなかった.しかし,本書は専門用語が出てくるのにもかかわらず,ほとんど気にならない. フェルマーの最終定理を軸にした数学史入門といった感じで,いろいろなエピソードが出てくる.どれもおもしろかったのだが,ゲーデルの不完全性定理とフェルマーの定理の関連や「なんらかの意味を持つ数学史上最大の数」の話はとくにおもしろかった. (御猫大明神 / 2007-02-09)
レビュー数 95
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平均点:5.0
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No.1-2
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暗号解読〈上〉 (新潮文庫) / レビュー総評点:94
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ASIN:410215972X / 売上順位:627
新潮社(2007-06)
原著:Simon Singh/サイモン シン/翻訳:青木 薫
¥ 620(中古:¥ 199)
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レビュー総評点:
94
最高です.
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紀元前の初歩的な暗号から第一次世界大戦でドイツ軍が使用し他国を震撼させたエニグマ, さらに現代の量子暗号までの暗号の歴史を,暗号開発,解読に携わった技術者たちの話や, 暗号のしくみとともに紹介しています. 非常に面白いです.前作「フェルマーの最終定理」よりさらに面白くなっていると思います. エニグマをめぐる各国の争いなどは, 普段探偵マンガなどにみるダイイングメッセージの解読とは違い, 生死の際で必死になって暗号解読にとりかかる技術者たちの姿が克明に描かれています. すでに過去の話であるため公開されているとはいえ, 各国が極秘事項をどのように扱っていたか,国どうしの関係なども描かれていて 興味深いです. (カカポ / 2007-07-30)
アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』で長門が読んでいた本の文庫版だ。 上下巻で600ページを超える厚モノだが、これは面白い。一気に読めてしまう。 この本の凄いところは、暗号にまつわる物語を「スコットランド女王」の物語から始めて「暗号解読」を「人間ドラマ」として読ませてしまうところ。 フランスの鉄仮面、エニグマ暗号を巡るドラマ、ゴールドラッシュ時代に隠された宝探し、第二次世界大戦のナヴァホ族の言葉を使った暗号などなど、古代文字の解読から現代のコンピュータ通信網まで、暗号を使う人のドラマや暗号を解読する人のドラマ、暗号の現れる舞台には必ず人のドラマが存在する。 一方で、この本は本格的に「暗号の解説本」でもあり、解読テクニックの詳細を徹底的に書き込んでいて、ただの歴史解説本ではない。ほとんど数学書のようなページもあって、コンピュータを使用しないレベルの暗号については、実際に読者が解読に取り掛かれるだけの情報を盛り込んでいる。巻末には懸賞金をかけた「挑戦問題」まである。 「暗号解読」をこんなにスリリングな読み物にしてしまう「サイモン・シン」というライターは凄い。他の本も読みたくなってしまった。(からから! / 2007-08-31)
「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンさん、 暗号解読の歴史というドキュメンタリーのこの素材を、 ストーリーテラーとして本当に上手く料理されてます。 冒頭に、暗号の重要さを説明する例として、 16世紀後半のスコットランド女王メアリーの悲劇を紹介・・・ 暗号が破らなければ助かるが、暗号が破られると死刑・・・という究極の状況。
副題通り、ロゼッタストーンのヒエログリフの解読から、 量子暗号の原理まで、読みごたえありました。 (papillon / 2007-10-06)
フェルマーの最終定理があまりにも面白かったので、こちらも購入。 メアリ女王をはじめとする暗号にまつわる数々のエピソードを物語風に描くのは見事。これらのストーリーにはぐいぐいと引き込ました。 ただ、全体的には読解が難しかったかなあ・・・と。 暗号というかパズルを解くこと自体苦手な私にはやや読みづらい面もありました。 本書は「フェルマーの・・・」と違い、じっくり読み込んだ方がいいかも知れませんね。(はっしー / 2007-10-23)
世界の情報化が進む中、暗号の重要性は益々大きくなってきている。 普段、何気なくウェブで買い物をしたりメールを送ったりしているが、これらが安全にできるのは暗号のお陰である。現在は当たり前のように使われている暗号だが、そこに至るまでには様々なドラマがあった。 上巻では、暗号の歴史が主に書かれている。カエサルから第二次世界大戦に至るまでの暗号作成者と暗号解読者の攻防がいきいきと描かれている。歴史、戦争にこれほどまで暗号が関わっていたということに驚く。 過去の歴史の中で使用されてきた暗号は種々あるが、具体的な暗号の例を一つ挙げよう。最も原始的な暗号の一つに、アルファベットのある一定分ずつずらすというものがある。例えば、dogという単語を一文字ずつ後ろにずらすと、ephという意味のない文字列に変換される。この手法で作られた暗号は素人目からしたら十分に解読不可能と感じられるが、このタイプの暗号は解読者の手に掛かれば見事に解かれてしまう。その手法に現代にも通ずるような統計学、言語学の知識が使われていたことは驚くに値する。
下巻では、現在の安全なウェブ社会を支えている暗号を実現するために最も大きな問題となる「鍵の配送問題」が中心に記述されている。 ある人が他の人に暗号を送る場合、暗号を送るだけでは正当な受信者はそれを復号できない。復号するには、「鍵」が必要で、それをある法則に従って暗号に当てはめ、解読することが必要となる。従って通信を成功されるには送信者は受信者に鍵を事前に知らせておく必要がある。 この鍵を知らせるためには、それを直接持っていく、または第三者に委託するなどの方法があるが、いずれも盗み見られたり奪われたりする危険性を免れない。またウェブ社会では相手が不特定多数になるため、一々配ったりすることもできず、この問題は大きな障害となるはずであった。しかし、これはある数学的知見により見事に解決されることとなる…。
上下巻とも非常に面白く読み応えがあるのであわせて読まれることを薦める。なお、補遺は下巻の巻末についているため、参照しながら読みたい人は上下巻をセットで買った方がよい。(pragma / 2007-09-28)
レビュー数 21
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平均点:5.0
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No.1-3
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暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3) / レビュー総評点:35
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ASIN:4102159738 / 売上順位:684
新潮社(2007-06)
原著:Simon Singh/サイモン シン/翻訳:青木 薫
¥ 660(中古:¥ 329)
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レビュー総評点:
35
ウェブ社会の恩恵は企業にとっても個人にとっても計り知れないものとなっている。それを可能にしているのは顧客と企業を結ぶ安全な通信手段である。そしてその通信手段の天守閣こそが暗号である。
上巻を通して語られているように暗号には国家の存亡に関わるほどの強い力と深い歴史がある。下巻のはじめにも暗号がいかに戦争の行方を左右したかということが鮮明に描かれている。かくも重要な暗号であるが、1960年代以前のものには大きな弱点があった。それは「鍵配送問題」である。 ある人が他の人に暗号を送る場合、暗号を送るだけでは正当な受信者はそれを復号できない。復号するには、「鍵」が必要で、それをある法則に従って暗号に当てはめ、解読することが必要となる。従って通信を成功されるには送信者は受信者に鍵を事前に知らせておく必要がある。 この鍵を知らせるためには、それを直接持っていく、または第三者に委託するなどの方法があるが、いずれも盗み見られたり奪われたりする危険性を免れない。この機密性の不完全さが問題の一つである。さらに、戦争などの場面を考えると、コストが問題になってくる。それは、軍隊への通信を可能にするには各部隊に暗号復号用の鍵を知らせておかなければならず、鍵が変わる度に多くの部隊にそれを配送しなければならないからだ。実際、戦時中は鍵を配送するために多大な費用が掛かっていたという記録がある。また、ウェブ社会では相手が不特定多数になるため、一々配ったりすることもできず、この問題は大きな障害となる。 この「鍵配送問題」は長い間、解決できないものだとされてきた。しかしながら、これはある数学的知見により見事に解決されることとなる。それは、一方向関数という概念(を応用したもの)で、ある一定の状況に限って復元可能な(=双方向な)関数になるというものだ。これにより、暗号化には公開鍵(文字通り広く公開されていて問題ないもの)を使って一方向関数にいれ、それを相手に送り、受信者は個人鍵(自分で決められる)という一方向関数を唯一逆転できるものを使って復号する。これは個人鍵さえ機密にされていれば暗号の送受信は成功することを意味している。ここで重要なのはどちらの鍵も「配送」というプロセスを得ていないということである。 この鍵配送問題は下巻で最も力点が置かれる部分であるといえる。なるほど思わず唸ってしまうような知恵が、平明な文章で記述されており、筆者・訳者の力量に脱帽である。
また、暗号の強力さに関して、ある一定以下に保とうとする国家と暗号推進者の攻防も実に興味深い。暗号が強力になることは国家がそれを解読できないことでありテロリスト達の暗躍に拍車をかけることになる。これは国家にとって大きな脅威となる。一方で、ウェブに代表されるように暗号は私たち一般市民のプライバシーを守るためにも欠かせない。現状では企業の後押しなどもあって後者が勝っているが、いつ(どこかの)国家が暗号に制限をかけてもおかしくない状況だという。このことは、暗号技術は国家をも揺るがすものだということを改めて示している。(pragma / 2007-09-28)
暗号の歴史を分かりやすく解説するだけでなく、ドラマチックに見せてくれる本書。 素因数分解という意味不明な(僕にとってですが)数学的テクニック(?)を初めて 現実に役立つ物として見せてくれた本書。必読! 有名な「シーザー暗号」に始まり、第二次大戦中ドイツの暗号機エニグマを通り 現代のコンピューター通信に用いられるRSA暗号に至り、さらには次世代の暗号テクニック (実際には既に使用されているかもしれないが)量子暗号まで。 本書の案内に従って読み進めてゆけば、僕のような数学のずぶの素人にも (とりあえずは)暗号の歴史とそのテクノロジーを理解する事ができる。 しかも人間同士の、暗号制作者と、解読者との知恵比べのドラマは読み物としても上々の出来だ。 この文庫本版の良さは、原書から約十年の月日が流れたため、 追補として現在(2007年)の暗号の現状を挙げてくれているところだろう。 なんと、作者が量子コンピューターの登場を待たねば解読不能と断じた、 RSA暗号を用いた暗号システムDESが現在では解読可能といえるまでになっているのだ。 素因数分解を利用したこの暗号方式は、地球上全てのコンピューターを稼働させても、 一つのメッセージを解読するまで千年かかると言われていた。 十年の時間はコンピューターの速度を飛躍的に向上させてだけでなく、数学のルール上あり得ない と言われていた素因数分解の近道を発見させるまでに至ったようだ。 まったく、まったくもって人間同士の知恵比べには驚嘆させられる! さて、本書には原著と同じ暗号例題が巻末に付録している。 文庫版で残念なのは、それらの懸賞付き十問がすでに破られている事だろうか・・・・。 しかし僕はと言えば、その知恵比べに参加どころか、 舌を巻いて見守り、尻尾を巻いて降参するしかない。(タック / 2007-08-08)
「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンさん、 暗号解読の歴史というドキュメンタリーのこの素材を、 ストーリーテラーとして本当に上手く料理されてます。 冒頭に、暗号の重要さを説明する例として、 16世紀後半のスコットランド女王メアリーの悲劇を紹介・・・ 暗号が破らなければ助かるが、暗号が破られると死刑・・・という究極の状況。
副題通り、ロゼッタストーンのヒエログリフの解読から、 量子暗号の原理まで、読みごたえありました。 (papillon / 2007-12-22)
下巻では,まず古代文字の解読に始まって,少数部族の言葉を暗号として使うという話が出てきます.確かに知らない言葉はそれこそ暗号です.そして,公開鍵暗号から量子暗号へと話が進みますが,いずれも難しい話をやさしく解説してあります.すばらしい. 暗号というと文字通り暗いイメージがあり,一般人の生活とはあまり関係ない感じがしますが,実は暗号技術があってこそ今のインターネットの世界が成り立っているのです. 原作では,著者から読者に向けて暗号解読の懸賞問題が掲載されていました.この文庫本が出版された時点では,これらは既に解読されていたのですが,この「史上最強の暗号」とその解答も収録されていますので,こちらもお見逃しなく. (wave115 / 2009-09-11)
面白いです もう少し掘り下げて欲しいところも若干ありますが 星が4なのは ヒエログリフ解読について 教科書でもお馴染みのフランスのシャンポリオンがイギリスのヤングという物理から言語学まで幅広く研究好きな医者の発表した論文を基にヒエログリフを解読したと強く主張している点 情報通信が全く行き届いてないフランス革命直後の混乱期の大陸にいるシャンポリオンがイギリスで発表された論文に目を通す可能性は低く、また、読んだという証拠はない しかし、シャンポリオンは解読に成功している 史実をちゃんと踏まえ主張して欲しい (ほうき星 / 2009-01-04)
レビュー数 10
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平均点:5.0
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世界でもっとも美しい10の科学実験 / レビュー総評点:237
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ASIN:4822282872 / 売上順位:2373
日経BP社(2006-09-14)
ロバート・P・クリース/翻訳:青木 薫
¥ 2,100(中古:¥ 1,100)
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レビュー総評点:
237
美しい科学実験とは?
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中学〜高校の科学(物理)知識があれば、本書で取り上げられている科学実験のほとんどを 理解できます。 ガリレオ、ニュートン、フーコーなど単に教科書では現象の科学的説明と法則の導出に とどまっていたものが本書により、時代背景から主人公の生い立ち、その実験を しなければならなかった必然などがストーリーとしても面白く読めます。 特に実験系に携わっている人なら、美しい実験と言われてイメージするものが あるかと思いますが、本書には過去の偉大な実験の中でも特に代表的なものが 取り上げられており、科学の広がりと奥深さを感じることができるのではないかと 思います。 前半部の実験は小学生からでも読んで理解が可能であり、また理系の大学生であれば 科学実験の美しさの一端に触れるためにも、全般を通読していただきたいと思います。 お勧めの書です。(daphnetin / 2007-04-07)
書名に惹かれて手にとって見た。著者のクリースは初めてだが、訳者の青木氏はサイモン・シンの『暗号解読』を読んだことがある。原著の内容を十分咀嚼した上で訳出されているので、ちゃんとわかる日本語になっているのがよい。 さて本書は、科学雑誌で募集した「美しい実験」で上位にランキングされたものを、その実験方法や実験者の人となり、当時の社会背景などを織り交ぜながら、科学の実験の「美しさ」を考察するものである。 取り上げられている実験は、 ・ガリレオのピサの斜塔の実験 →重さに関わらず落下の速度は同じ ・ニュートンのプリズムの実験 →白い光は多数の色の集まりであることを証明 ・ヤングの二重スリットの実験 →光は波であることを証明 などなど。それまでの社会の常識を変えたエポックメイキングな実験ばかりで、科学史としてもたいへん興味深く読める。 主題である「実験の美しさ」とはなにか。 ひとつは、科学の実験は職人芸のようなものである、ということ。注意深くノイズを取り除かなければ対象の真の姿は見えない。材料があれば誰にでもできる、というものではない。もうひとつは、シンプルで直感的な実験を考案するのは、それ自体が芸術と同様、属人的な創造的行為である、ということ。 中世までは科学者のことを自然哲学者といった。哲学と宗教と科学は(日本では全く意識されないが)西欧では非常に密接な関係をもっていて、例えば、学校で進化論を教えるのはいかがなものか、というような議論があるように、いまでもなおせめぎ合っている。科学の「美しさ」もその背後にはアリストテレス以来の論争があるようで、その深さに感じ入った。(丁三 / 2007-06-11)
科学史上の10の“美しい”実験を取り上げて、解説した本だ。取り上げた実験は エラトステネスの地球の外周の測定 ガリレオの落体の実験 ガリレオの斜面の実験 ニュートンのプリズムの実験 キャヴェンディッシュのGの測定 ヤングの光の干渉実験 フーコーの振り子の実験 ミリカンの油滴の実験 ラザフォードの原子核の発見 電子の干渉実験 だ。どの実験も、こう書いただけで、科学の心得が少しでもある人には、あの実験と分かる有名なものだ。それぞれについて、科学史上の位置づけや実験の解説がなされていて、楽しく読めた。浩瀚伝えられるエピソードの当否についてしっかりと資料批判がなされているのも勉強になった。例えば、「落体の実験がピサの斜塔で行われたのは伝説である」と言われるが、可能性は十分あるとか、『背信の科学者たち』で告発されている、「斜面の実験」や「油滴の実験」でデータが美しすぎるという非難は不当であると述べられている。科学者の端くれとして、かれらの名誉回復がなされるのはうれしい。 ただ、実験の解説が今一歩ディテールに踏み込めていないことが、少々不満だ。著者は“美しい実験”を芸術になぞらえていて、私もその通りだと思うのだが、芸術同様実験でも「神は細部に宿る」のであって、その細部に踏み込めればもう一つ違う美しさが現れるのだ。まあ、実際に実験をやったことのない哲学者には無い物ねだりではある。(shibchin / 2008-03-27)
科学者たちは実験のことを時に「美しい」と形容する。ぼく自身も科学者の端くれだが、確かにそうだ。美しい実験、美しい結果といった言葉づかいに違和感はない。著者は、哲学者・科学史家という自分の立ち位置から、科学者たちとの対話を通して、その「美しさ」の意味をくみ取り、10の「美しい科学実験」を通して、「実験にとって美しさの意味とは何か」「実験に美しさがあるのなら、それは美にとって何の意味があるのか」という2つの問いに答えようとする。もともとは雑誌「Physics World」での連載であり、取り上げられた10の実験はアンケートに基づいて選ばれている。おそらく実験とは、科学者にとって自分自身との対話であり、自分自身の哲学が具現する瞬間でもある。だから、実験を経た後の科学者の言葉は、その深さと重さを増す。訳者もあとがきに書いているが、ニュートンの「光は屈折するときにその色を変えない」という言明に、この書物の中で出逢うとき、理性ではなく感性を揺さぶられ、涙すらあふれてくる。科学が、芸術同様に人間の感性に訴えかける営みであることを著すことに、著者は成功している。10の実験について語った各章を結ぶ間章もとても興味深い。(Y. Naito / 2006-10-29)
取り上げている科学実験は、ほとんどが日本では高校までに学んだものですが、教科書で法則を実証するためのものとして記述されている実験像とは異なる、生の科学者の肉声が聞こえてきます。正しいと仮定した法則の正しさを実証するためには、どう実験すればよいか、その苦労がしのばれます。美しくシンプルな法則の裏には、美しい実験があったことに改めて感動します。訳者あとがきで、青木薫さんが、原子の二重スリット実験の写真に涙が出たと書いていますが、実験環境の進歩でそれが可能になったこととあわせて、そう思わせるだけの説得力がある実験であるように感じました。(ポピュラーサイエンス / 2006-10-15)
レビュー数 15
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平均点:4.5
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No.1-5
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博士の愛した数式 (新潮文庫) / レビュー総評点:90
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ASIN:4101215235 / 売上順位:11377
新潮社(2005-11-26)
小川 洋子
¥ 460(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
90
今までに数学的な読み物をたくさん読んできましたが、小説はあまり読みませんでした。前に、子供達が数学を使って怪獣に向かう内容の[数のモンスターアタック]という物語を読んで、互いに助け合っていく心暖まる思い出があります。しかし、それ以外は数学的な読み物で心暖まる本は読んだことがありませんでした。[博士の愛した数式]は小説だと思って今まで敬遠してました。ようやく最近になって読んで、この本もとても心暖まる数学的な読み物だとわかりました。でも、前の本とこの本を比べて何か違うと感じて考えました。前の本は数学を応用して怪獣に向かうところに助け合う暖かさがありますが、この本は数学の内面にある暖かさを表現していることに気づきました。これができるのは数学者では無理な感じがして、すばらしい文を書く力のある小川洋子さんしかいないと感じました。さらに付け加えると、小川さんは数学をよく勉強したからこそ、その内面の暖かさを現せたと思いました。筆の力のすごさを心から感じます。小川さんの新聞連載の童話も大好きです。( / )
陳腐なタイトルですみません。 この本は、タイトルから、堅いお話をイメージしており、 読むのに気合が居るかもと後回しにしていた本でした。 今日、ふとしたことで読み始め、最初から、 「博士」の存在感を叩きつけられた感じがしました。 タイトルから連想できるように、ところどころに数式が 出てくるのですが、数学が嫌いな人でも興味深いと思える解説を、 「博士」がしてくれます。 この「博士」は若いときの交通事故のため、 記憶を80分しか持つことができません。 例えば家政婦さんが買い物に出かけ、戻って来るのが81分後だとすると、 彼女のことは忘れてしまうのです。 「博士」の元に通う家政婦さんとその息子さん、そして博士の義姉・・ この人たちが、博士のもっとも愛する「美しい素数達」のような存在で、博士の周りに位置しています。 自然に、数式で自分の気持ちを、的確に伝えようとする博士。 それを理解しようとする人々。このような話を書かれた小川洋子さんを、 改めて尊敬し、このような物語を読めたことを感謝します。 最後に。小説を読むと言うことは、数式を理解すると言うことに、似ているのかもしれません。(ネコとチョコ / 2006-01-15)
初めて読んでからはや3年あまりたちまして、今回、小川 洋子の「物語の役割」筑摩新書を読んで、読み返しました。 初めて読んだときはたいしたことのない小説だとおもいました。特に、感動もせず、ありきたりのような話だとおもい、第一回本屋大賞受賞作のレベルを疑いました。 今回、新しい視点の基に本書を読み返すと、自分が物語の中に入っていなかったことを実感しました。初読では、何か外側からしかこの物語に参加できていなかった自分を発見することができました。著者の記憶が80分しかない人間とのかかわりの設定に人間と人間が本当に人生の一瞬、一瞬しか出会えないということの気づきを感じました。果たして、私には通常の記憶があるが、私は大切な人は物に出会う準備と集中力、静けさを感じる感受性をはぐくめているのだろうかと考えさせられました。3年前はこの本のよさがわかる心がまだ、私になかったのだと思いました。一切の派手さはない小説ですが、心に残る行間があると思いました。(kidd / 2007-02-26)
数学を、小説のなかに、取り入れたという着想に、まず乾杯!それをルート母子に伝える記憶が80分しか続かないという天才数学者というキャラクターを作り上げた小説家のイマジネーションに脱帽! 博士という人は、現実世界のなかでは、ちょっと存在しにくい人だ。記憶が80分しか続かないという破綻を与えてこそ、無垢な人物像としてありえるのだと思う。 しかし、この博士のもとに派遣される家政婦母子にとっては、80分しか記憶が続かない博士と過ごすことは、障害にはならない。 きらきらした時間を、与えられることになる。博士の記憶には残らなくても、その過ごした時間は、二人には永遠の時を刻む。 この作品は、どんなに現実が煩雑で面倒でも、数式のように清らかに存在する真理があり、時を超越して普遍的なものがあることを教えてくれる。 清らかで美しい日本語の紡ぎだす世界は、とってもオススメです。 (カッチイ / 2006-01-25)
事故で80分しか記憶を維持することができなくなった老数学者と、彼の世話をする家政婦とその息子とのふれあいを描いていて、じんわり心に染み込んでくる佳作ではあります。でも、なんだかお約束的なストーリー展開が気になって感動できませんでした。愛というよりは同情に思えてしまうのです。 単に好みの作品じゃないだけかもしれませんが、皆さんの高評価には少し違和感を持ってしまいます。 (茜崎紫野 / 2006-01-12)
レビュー数 216
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平均点:4.5
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No.1-6
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ビッグバン宇宙論 (上) / レビュー総評点:54
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ASIN:4105393030 / 売上順位:97636
新潮社(2006-06-22)
サイモン・シン/翻訳:青木 薫
¥ 1,680(中古:¥ 220)
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レビュー総評点:
54
いつもながらサイモン・シンの鮮やかな語り口には、宇宙のナゾが解明されていく過程を追体験した気にさせられ、"天才に肉薄!"した気分に浸れますね。 訳者の青木薫さんが言われているように、宇宙論のことをよく知ってる人ほど、深く楽しめますし、 また宇宙論に詳しくない人にこそ、読んでもらいたい。この科学史ドラマには感じるものがあるでしょう。 それにしても「天才列伝」というよりもむしろ「反逆児列伝」という感じなのが笑えますね。 (nonsense / 2006-10-12)
「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」で我々を楽しませてくれたシンが第三弾として「宇宙論」に挑んだもの。だが、出来は前二作より落ちるようだ。 プトレマイオスから最新のビッグ・バン理論まで敷衍するのだが、如何せん本書を手に取るような方には"常識の範疇"の逸話が多く、啓蒙される点が少ない。題材が雄大過ぎて個々のエピソードに深みがないのだ。ただし、語り口は相変わらず巧みなので、体系だって「宇宙論」を俯瞰したい方にはお勧めかもしれない。 また、近代以降の研究者は別として、ロクな観測機器もない昔に、夜空の星を眺めながら次第に宇宙の謎に迫って行った研究者達にはロマンを感じると共に、改めて人類の英知に驚嘆する。そういう意味で、「宇宙論」と言うよりは宇宙への夢に賭けた人物伝としての価値がある書。(紫陽花 / 2007-09-25)
ガリレオ、ニュートン、アインシュタインなど誰でも知っているメジャーな学者をベースに展開しながらも、無名に近い一般人や学者の貢献を 巧みに織り込んでギリシャから現代にいたる宇宙論をみごとに描ききっている。個々にはどこかで読んだか聞いて知っていた事が天動説から ビッグバン理論までの壮大なストーリ展開の中で「そうだったのか!」という新鮮な驚きをもって改めて教えてくれる内容である。 これは正にその妻でしか知られていない無名な武将山内一豊の目線で 戦国を描いた「功名が辻」のストーリ展開と同じなのである。 「コンピュータ」といわれた婦人たち、聖職者でありながらビッグバン 理論を提唱したル・メール、ビッグバンの証拠となる赤方偏位写真を 最高の精度でとるのに貢献したもともと掃除夫だったハッブルの助手 など多くの無名の人たちが描かれている。 また「ビックバン」というネーミング自体もビッグバン理論に負けた定常宇宙論提唱者が冗談半分で呼称したのがはじまりだとか。 これだけの内容をサスペンスストーリのように一気に読ませてしまう 著者の力量たるや正に「ビッグバン」なみと言えよう。 (猫好きのアナログおじさん / 2006-07-11)
この本(以下上下巻をまとめて扱う)は,著者のこれまでの名著(Fermat's Last Theorem 等)に比べると長い.その理由は,主題の性質上,抽象化も省略もせず,なまの素材を用いたことによる.しかし読んでみると全く快調で長くなんかない.まず定石的に Eratosthenes の地球の大きさの測量から始めて,宇宙マイクロウェーヴ背景放射の非一様性の最終的確認まで,驚くほどの詳しさ (Gamow の ylem の語源など知らなかった)と劇的描写の連続 (Hoyle による質量数5のクレヴァスの克服 ! )で,人間はどこまでやってのけるのか息を呑む思いが続く.私たちは Alpher-Bethe-Gamow 論文には間に合わなかったが,Burbidge-Burbidge-Fowler-Hoyle (B2FH)論文の衝撃は昨日のことのように思い出す.でもその裏にHoyle 対 Fowler の駆引きがあったとは.今思えば,Hoyle の定常宇宙モデルは初めから負けだったけど,彼の建設的反対ぶりは見事だった. 一つだけ注文がある.この本に出てくる人名は,上に書いたようにまだ文献的に生きている.従って検索の便のために,ローマ字ではどう書くのか,短い索引が是非ほしい.それと110番元素 (図67) は darmstadtium (Ds)と命名された.(ymatsui4 / 2006-06-25)
書名を聞いたときに、訳者があとがきで語っているのと同じく、”なんで、いまさら、ビッグバンを。サイモンシンが?”と私も思いました。 「暗号」や「フェルマーの定理」のように、過去あまり一般向け類書がないテーマを扱った話の場合、そのテーマ選定自体の新奇性でつかみがあります。しかし、「ビッグバン」となると、すでにさまざまな一般向け書籍がでているメジャーなテーマなので、すこし後回しにしていました。でも、やはりサイモンシンでした。「そうだったのか」という発見の連続でした。 いろいろな形をした素粒子のように個性豊かな科学者が絡みあいながら、宇宙創生の理論を解明していくストーリーは、あらためて科学に対する理屈無しの憧憬を思い出させてくれました。 上巻では、天動説から地動説、相対論の登場という決定的なパラダイムシフトを経て「宇宙は静的なのか・・」というあらたな課題認識までが扱われています。誰でも名前は知っているガリレオ、ニュートン、アインシュタインといった巨人たちの取り組みも結果にいたるプロセスまで味わうと格別です。もちろん、他にもティコ・ブラーエ、ケプラー、コペルニクス、マイケルソンとモーリー、フリードマンとルメートル、ハーシェル、メシエ、ハッブル・・・と覚えきれないほどの天才鬼才も連綿と織り込まれた宇宙解明の物語です。 ・・・下巻に続く (jimmy / 2007-10-10)
レビュー数 20
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平均点:4.0
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No.1-7
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暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで / レビュー総評点:107
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ASIN:4105393022 / 売上順位:12698
新潮社(2001-07-31)
原著:Simon Singh/サイモン シン/翻訳:青木 薫
¥ 2,730(中古:¥ 1,000)
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レビュー総評点:
107
もともとは、暗号の勉強をしなくちゃならない状況になって仕方なく買っただけの本だったんだけれど、あまりにおもしろくてたちまち夢中になってしまった。おすすめです。 構成としては、暗号の発展の歴史を段階的に追っていくなかで、暗号の理論が自然に学べてしまうように書かれている。古い暗号がいかにして破られ、それに対抗してどのように新しい暗号がつくられてきたのか。そういう、暗号に関わる歴史上の事件の話とか偉人列伝みたいなのをわくわくしながら読み進めるうちに、はじめは原始的な文字置き換え式の暗号とかの話だったのが、終わりには、現状では最強である量子暗号の理論にまで辿りついてしまう。ぼくなんかは、頭のいい奴が新たな暗号方式を考え出すたびに「こんなすごい暗号、絶対に破られっこないぞ!」と毎回(愚かにも)思ってしまうんだけど、でもそのたびにもっと賢い(あるいは執念深い)奴がでてきて、そいつをやすやすと(あるいは苦労に苦労を重ねて)破ってしまうので、ああ世の中には何と恐ろしい連中がいることよ、それにひきかえ……とため息をついてしまうのだった。でもそのため息は、とても爽快なため息なのだ。 盛り込まれているエピソード自体も、もうめちゃくちゃにおもしろい。古代文字の執念の解読。ドイツによる驚異の暗号機械エニグマと、それに挑戦した(せざるを得なかった)弱小国ポーランドの涙ぐましい努力。大発見をしても、安全保障上の要請からそれを発表することができなかった数学者たち(暗号理論は数学理論なのだ)の悲哀と誇り。今度公開される映画「ウィンドトーカーズ」(ジョン・ウー監督)のネタになっているナヴァホ語暗号の話もでてくる。理系文系かかわりなく、好奇心さえあれば誰でも読める。50過ぎのうちの母も大喜びで本書にかじりついておりました。売れ行きがよいのも当然です。 訳者あとがきによると、著者シンの前作「フェルマーの最終定理」のほうも異常におもしろいらしい。こっちも読まなくては。(ryoma komiyama / 2002-08-04)
著者は、ケンブリッジ大学で物理学博士号を取得した後、BBC放送の番組プロデューサーの経験がある人です。本書は、スコットランドの女王メアリの悲劇から、現在最も注目を浴びている量子暗号に至るまで、暗号のくわしい解説・社会に及ぼす影響だけではなく、暗号作成とその解読にまつわる人間ドラマまで生き生きと描いて、非常によくまとまっているという印象を受けました。 とりわけ、第2次世界大戦時ドイツ軍が使用した暗号機械エニグマのメカニズムについて説明した第3章と、その解読に貢献した数学者アラン・チューリングの業績について説明した第4章が圧巻です。この2章だけでも読む価値があるといえます。 第5章では、インターネット時代の電子商取引のバックボーンとなる「公開鍵暗号技術」についてわかりやすく簡潔に説明しており、著者のサイエンスライターとしての力量を感じました。 最終章での量子暗号の叙述については、若干さらっとしすぎていて物足りないところもありますが、巻末に"Further Reading"として文献、関連サイトも紹介されているのでそれを読めということでしょう。 結論からいうと、科学書読解の楽しみ(暗号の仕組みについての理解)と歴史書読解の楽しみ(暗号にまつわる人間ドラマの鑑賞)の両方が味わえるため、読んでよかったという気持ちが強かったです。(カエターノファン / 2002-05-19)
文明発祥の古代から現代まで。通信情報の秘匿=暗号化の重要性を史実に基づく悲喜劇こもごもの痛快エピソードで紹介。またそれは同時に暗号開発者と解読者が繰り広げた逆転に次ぐ逆転の、壮烈な戦いの歴史でもあったのだ。 ”たぬき”レベルの古代暗号から最新コンピュータ暗号まで。豊富な取材と著者/訳者の優れた筆致によって、暗号技術の成り立ちや仕組み、その破られ方など、歴史に沿ってわかりやすく理解できる。数々の暗号システムの巧妙さに知的好奇心は満腹。次々と現れる天才暗号技術者たちの閃きと英知に感嘆。そして暗号に翻弄される人々の人生と歴史ドラマに感動。 史上最強!解読不可能としか思えないドイツ・エニグマ暗号の解読に挑む英国数学者たちの知られざる偉業。埋蔵財宝暗号にまつわる数奇な物語。現代数学者たちの苦闘と勝利。豊富なエピソードはどれも本当に面白くドキドキして読み進められる。 JPホーガンのSF小説が好きな方には特にオススメ。科学者数学者考古学者の探求心と不屈の闘志はやはり素晴らしい。元気が出る。(実況人 / 2002-02-19)
暗号について扱った本をそんなに読んだわけではありませんが,この本は絶対にお薦めの本です。著者のサイモン・シンは自身物理学者で非常に明晰な頭脳を持った方のようですが,知識をひけらかすような所はみじんもなく,とにかく読んでいて全く飽きないのが驚きです。それは,単に「この暗号はこういう仕組みである」と述べるのではなく,「なぜその暗号が生まれたのか,それに関わった人達の人生ドラマはどうだったのか,そしてその結末は!?」ということを,深く掘り下げているからです。まるで小説を読んでいるかのように,暗号の歴史がよく分かります。暗号にロマンを感じる人,ぜひともご一読下さい。(nobptl / 2006-03-28)
サイモン・シンが『フェルマーの最終定理』に続いてまたもやってくれた...とはいっても,原書の出たのはもう2年前だが. 食いすぎにげっぷの出そうな,最新科学の解説書はいくらでもある.しかし,最先端の発見をした人々の知的興奮を伝えること,発見の中の本質的部分を読者が共同作業できること,しかも重要な点を明確にわかりやすく伝えること,これらを同時に成し遂げた解説・読み物を仕上げた作家は,サイモン・シン以外にわたしは知らない. この本では暗号解読に携わる人たちの精神的価値と科学的価値とを同時に伝えている.挑戦することの素晴らしさをこの本を通じて体験してほしい. 最後に訳者の青木薫さんに感謝したい.科学書に対するこの人の翻訳は読んでストレスを感じない.専門用語を多く含んだ文章を自然に読める文章に書くこと,これは日本人が書いた科学書の半数近くで実現されていないことである.しかし,この方の翻訳で快適に読めない文章には出会ったことがない.(じろう / 2001-08-09)
レビュー数 60
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平均点:4.5
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No.1-8
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ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 / レビュー総評点:102
『ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者』で画像検索
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ASIN:4152088850 / 売上順位:99825
早川書房(2007-12-19)
翻訳:坂井 星之/翻訳:塩原 通緒/翻訳:松井 信彦/監修:志摩 亜希子/ジョージ G.スピーロ/翻訳:鍛原 多惠子/監修:永瀬 輝男
¥ 1,995(中古:¥ 1,836)
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レビュー総評点:
102
非常に良質のドキュメンタリーで、まったく数学にもトポロジーにも造詣の無い自分でも、最後まで読み終わることができた。 この本の素晴らしいところは、淡々としてる文体の中にも、この問題を解こうとして努力(というと短絡的すぎるかもしれないが)してきた天才達の息吹を感じることができることだろう。 ポアンカレ予想を、数理を中心に解説されたら手も足も出ないが、人を中心に追いかけ、解説してくれているので、とても充実した楽しい読書ができた。 またこの予想を証明したペレルマンがいいです。謎に満ちていて。 この本は彼に割かれるページはそれほど多くなく、これまでこの問題に挑戦し、やぶれていった人間に光をあてている。 そうした人間や人間の失敗、努力する姿に対する暖かい目線と姿勢が、文系人間にも読みきらせる素晴らしい本を生み出したのではないかと思う。 星がひとつ少ないのは、強く勧められるが、さすがに読み返しはしない(つまり座右の書ではない)という理由だけです。 ぜひ一読を。特に学術研究に進もうと思(久保田夏彦 / 2008-03-02)
「球」も「立方体」も「正四面体」もすべてトポロジー的には「同じこと」であるのは,「切ったり貼ったり」することなく「伸ばしたり縮めたり」することによって「球」を「立方体」にも「正四面体」にもすることができるからである…。 このようにして多様な物体をその研究対象とする,トポロジーという数学の一分野において,100年以上もの長きにわたって解決されないままでいた「ポアンカレ予想」が,2004年になって証明された。 本書は,この「ポアンカレ予想」を巡る数学者達の人間ドラマを綴る物語である。 「1904年の発端から,多くの浮き沈みを見届けてきた偉大な冒険は,1世紀にわたって何百人もの数学者を忙殺し,また多くの経歴を造,そのほとんどを破滅させてきたが,ここについに終結した。」 筆者は,この「ポアンカレ予想」を巡る数学者達の物語をこのように締めくくる。 そこに描かれているのは,揶揄の言葉として使われる「数学」という硬直したイメージからはかけ離れている。純粋な知的好奇心に駆り立てられ,人生のすべてを精神的思索に捧げる人間達の,時に滑稽でも美しい探求の姿である。 純然たる人間の精神的な活動が,このような冒険を完結させたということが,「四色問題」とは対比をなしていて面白い。(8hours_a_day / 2008-08-19)
NHKのペレルマンの番組を見ていたせいか、文章が読みやすかったせいか、分からないタームも気にせず一気に読んてしまいました。ポアンカレ予想と、それを生んだトポロジーという数学の分野が発展していく様子が、素人にもある程度イメージできるくらいには簡単な説明で、しかしくわしく書かれているのがうれしい。ポアンカレ予想がどういうものかの直感的に分かりやすい説明はもちろん、ポアンカレが「ポアンカレ予想」を書き記すに至った、キーになるいくつかの論文を追うようにして解説してあるところもあって、数学者の発想とその広げ方、みたいなものが垣間見れたような気がします。あいだを縫って入ってくる、ポアンカレ予想に取り組んだたくさんの位相幾何学者たちの業績と生涯を追った解説も、緩急がありつつ面白い。 後半、微分幾何学という(古くて)新しい方向から突破口が開かれてペレルマンの解説にいたるところも、ところどころ普通の文章では厳しいところもありますが、ペレルマンの駆使した「物理学的な」テクニックなどが、比喩を駆使して詳しく書かれていて、興味深いです。ペレルマンの論文の審査が終わる直前に起こった、中国人チームからの先取権にかんする「物言い」騒動とその決着についても書かれていますが、ある意味意外な決着で驚きました。 既刊の『ポアンカレ予想を解いた数学者』とは、同じ題材を扱っていながら、ずいぶん印象が違うのが不思議です。私はこっちのほうが楽しく読めましたが、両方読んでみるのがいちばん面白いかも。(西向く侍 / 2008-01-11)
微分幾何にもトポロジーにも無縁のレビュアーが、本書を読んで「ポアンカレ予想」が何であるか理解できたわけではない。にもかかわらず、一気呵成に読ませる魅力があった。実のところ、本書を読むきっかけは、『NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのかー天才数学者の光と影』を手にしたことである。この本も秀作だが、ペレルマン氏が数学界から忽然と姿を消した理由は十分に解明されていない。この事件の真相は、本書の第13章で解明されている。「世俗から超然とした数学と数学者たち」という型どおりのイメージの裏で、きわめて人間的なドラマが展開されていることを。本書で詳細に経緯が説明されているプライオリティ問題の微妙さに、数学の魅力と魔性が潜んでいるのだろう。プリンストン高等研究所のロバート・マクファースン氏は、これから眠りについて、四千年紀に目が覚めたとしたら、「リーマン予想はもう解決されたかい?」とまず聞きたいそうだ。証明が提出されても、その正しさを確認するためにさらに数世紀を要する可能性がありそうなので、四千年紀でも証明の確認作業が完了していないかもしれない。 本書の著者スピーロ氏は、科学ジャーナリストだそうだ。本書を読むと、日本は科学ジャーナリズムの分野でも欧米にだいぶ遅れをとっているのではないかという思いを強くする。ポアンカレ予想をとりあげたNHKスペシャルは見逃してしまったが、少年少女に夢を与える良質な科学ジャーナリズムの隆盛を期待せずにはいられない。(zigeunerweisen / 2009-02-27)
1904年フランス人数学者ポアンカレがとある論文への「補足」として書いた命題がすべての発端だった。20世紀当初の新興分野だったトポロジーにおけるその命題は、その後、多くの数学者の心を捉えた。真であり証明されるのか、偽であり反例を持つのか、様々な国の野心的な数学者がそれぞれの誇りを賭けてこの命題にアタックしてきた。 本書は、この「ポアンカレ予想」の誕生から解決までを解説した第一級の数学読み物である。基本的に時間軸に沿った解説である。関わった数学者たちのプロフィールを詳述し、数々のエピソードを交えながらのストーリー展開は、まるで一篇の長編映画のようで淀みがない。大変面白く読める。 数学的な内容についても、たくみな比喩を織り交ぜつつ、解説がなされていて、読む前に比べて少しわかった気分が高まる仕掛けになっている。ここは読者の素養に応じて、読み飛ばすのもありだし、その比喩でよいのかどうか検討してみるのも有益なのだろうと思う。7次元以上の高次元ポアンカレ予想がまず解決されて、その後5次元・6次元の解決が続き、最も困難な3次元と4次元が残っていった過程が、そこで登場した新概念「リッチ・フロー」の解説とともに物語られている。巻末には書籍目録が載っているので、必要な人はそれを手がかりにさらなる探索に入ることも可能である。 評者には二つの点がとくに興味深かった。まずはなんといっても最後に登場したペレルマンである。100年に渡る大問題に決着をつけたにも関わらず、世俗的な栄誉に一切背を向け、あまつさえ数学そのものからも引退してしまうなんて、感嘆するというほかない。それと対照的なのが、曹懐東・朱熹平チームによる検証論文をめぐる一連の事態である。国際政治のヘゲモニー闘争がこんな話題にまで影を落としていることにも、驚きを禁じえない。 サイモン・シン『暗号読解』(新潮社)、ジョン・ダービシャー『素数に憑かれた人たち』(日経BP社)などに夢中に夢中になった人にオススメです。 (gg2 / 2008-04-26)
レビュー数 11
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平均点:4.0
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No.1-9
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フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで / レビュー総評点:162
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ASIN:4105393014 / 売上順位:7795
新潮社(2000-01)
原著:Simon Singh/サイモン シン/翻訳:青木 薫
¥ 2,415(中古:¥ 613)
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レビュー総評点:
162
面白い!
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とにかく面白いの一言!高校時代、数学ができず進級すら危ぶまれた私が一晩で読み上げてしまいました。数学者の情熱に刺激され、なぜか高校時代の教科書(・・・と言っても解答つきの虎の巻の方だけど)を引っ張りだし、解き始めて周囲を驚かすことに(笑)それでも興奮が冷めやまず、高校時の数学の先生(担任でもあった)にこの本を薦めたところ、すでに担任クラスの生徒に読ませており、なんと読後はテストの平均点が著しくアップしたとのこと!素晴らしい!!「あなたが五年前に読むことができれば、私もあんなに苦労しなかったのに・・・」と恩師にため息をつかれたのはせつなっかたけど。( / )
すごい。絶対のおすすめ。同著者の「暗号解読」を最近読んだが、それと並ぶ名著。フェルマーの最終定理の証明については以前も読んだことがあるが、難解で楽しめなかった。この本はそんな純粋数学の歴史をドラマチックにしかも正確に啓蒙的に描くというほとんど不可能とも思えることを成し遂げている。面倒な証明などは巻末の補遺に回してあるのだが、普通この手の本であれば敬遠するような補遺の部分も読みふけった。中学校卒程度の数学力で理解できるよう巧妙にかみ砕いた説明。 純粋数学から離れて、川の全長が直線距離の円周率倍に近づくこと(43ページ)、セミの幼虫が地下で過ごす年数が素数になる理由(137ページ)など、幅広い分野でのエピソードも満載。 なぜこのようにおもしろく読めるのか(so / 2001-11-07)
Andrew Wilesが1994年に証明したフェルマーの最終定理を題材に、ピュタゴラス、エウクレイデス(ユークリッド)、ディオファントスなどのギリシャ数学者に始まり、フェルマー、オイラー、ガウス、ガロア、ヒルベルト、ゲーデル、等の巨星が次々に登場し、読者に息つく暇を与えない。様々な逸話が登場するが、それが主題と直接・間接に関連し、著者の博識と筆力に脱帽せざるを得ない。 Wilesの8年間に渡る努力の描写は素晴らしい。特に1993年母校ケンブリッジで証明を公表した後、それに欠陥があると判明してから1994年遂に修正を終えるまでの一年間は、シナリオとしても出来すぎである。 Aczelの本でもそうだったが、谷山・志村両氏の貢献を正当に評価している。ちなみに本書では、Aczelほどヴェイユを悪く捉えてはいない。 !フェルマーの最終定理を扱った書物は数多く存在するが、こと一般向けに書かれたものでは、本書を凌駕するものは全く考えられない出来栄えである。(加納 裕 / 2003-10-12)
全編を通じて膨大な人数の数学者が登場し、普通だったら投げ出し てしまいたくなりそうな冗長な歴史書になるところだが、ひとつの数 式を巡る人間模様の絡み合いが実に面白い。特に前半は文句無し。 フェルマーの最終定理だけではなく数学にまつわる種々のエピソード がちりばめられ知的好奇心を満足できるだけでなく、人間ドラマも近 代以前の激動の時代だっただけに、戦争あり、策謀あり、男装の麗人? あり、決闘あり、とスケールが大きいのだ。 残念なのは「谷山=志村予想」が出てくる後半部分からは普通の伝 記とあまり変わらなくなってしまうところ。これは筆者サイモン・シンの 責任ではなく、あまりにその数学の内容が高度なため証明の詳細に (というより概念すらもほとんど)立ち入ることが不可能なため。したが って知的好奇心を満たす、という面からは歯痒さが残る。 (子犬のころすけ / 2004-11-23)
ピュタゴラス、オイラー、ガウス、パスカル、コーシー、フーリエ、 ガロア、ダランベール、ラグランジュ、ヒルベルト、ディリクレ、 ルジャンドル、リュービル、ポアンカレ、ゲーデル、チューリング。 フェルマー。ワイルズ。 全てこの物語の登場人物である。数多くの偉大な学者たちが ほんのひとときこの本に登場し、自分の役割を演じる。 それぞれにドラマがあり、苦悩がある。一種のオムニバスであろうか。 彼らを繋いでいるのはフェルマーの最終定理である。 もちろんこの物語は作り話ではない。実話である。しかし とても実話とは思えない楽しさ、面白さ、壮大さ、そして悲しさ。 フェルマーの最終定理を軸に、これほどの物語を作りあげた 著者にはまさに脱帽である。 物語の前半は数学の成り立ちからフェルマーの最終定理が 作られたいきさつ、それに対する様々の数学者の 必死の挑戦、苦悩が書き綴られている。 さらにゲーデルによる物語を根本から覆すような 示唆。 そして二人の日本人が登場する。彼らがフェルマーの最終定理に、 そして数学界に与えた影響は計り知れない。 彼らの登場により物語は一気にクライマックスへと進み出す。 ワイルズそして彼を取り巻く人間たちのドラマは この物語の一番の見せ場だと個人的には思う。 ワイルズの努力と挫折、あきらめ、そして・・・ ワイルズが得たもの、失ったもの。ワイルズの「大切なもの」。 ワイルズの心情については共感できると感じる方は少なくないだろう。 是非この実に起伏に富んだ物語を体験してみてほしい。 あくまで主役はフェルマーの最終定理ではなく それを取り巻く人間達である。 個人的には、訳者あとがきにもあるが、日本人を非常に良く (というか公平に)書かれていると感じた。一瞬「著者は日本人か?」 と思ったほどである。 記述も実に読みやすく、判りやすい。 数学の専門家でも、全く知識がない人でも読めると思う。 掛け値無しにお薦めの一冊である。(tote / 2004-03-21)
レビュー数 69
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平均点:5.0
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No.1-10
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ポアンカレ予想を解いた数学者 / レビュー総評点:71
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ASIN:4822283224 / 売上順位:47311
日経BP社(2007-06-21)
翻訳:糸川 洋/ドナル・オシア
¥ 2,520(中古:¥ 1,025)
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レビュー総評点:
71
この類の本では、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」がありますので、それと比較してしまうと、どうしても星四つとなってしまうのですが、力作だと思います。著者は数学者ですので、数学的な説明も多くなっています。参考資料もしっかりと明記されています。 ただ、最終的に証明を完了したペレルマンの人となりに興味のある人には、余りお薦めできないかも知れません。最初と最後にちょっと登場するだけですから。本書のようなテーマを扱うものは、かなり過去の時代から延々と物語を繰り広げる必要があり、ポアンカレにしてもやっと後半からの登場でした。このあたりを如何に読ませるかが著者の腕の見せ所と思いますが、良く書けてはいるものの、サイモン・シンには及ばない、というところでしょうか。 (加納 裕 / 2007-08-26)
「ポアンカレ予想の解説と、解決までの段階的進展、いかにして解かれたのか?」 このような関心から読むと期待はずれである。全体の2/3以上は周辺的な話で、ポアンカレ予想の解決についての説明は十分でなく、解決に至る経過を記しているに過ぎない。地球が球形であることが自明でなかった時代の話から宇宙の形の話に結びつける導入は面白いが、最後の証明まで一般読者向けにわかりやすく説明しているわけではなく、肝心な証明部分の記述は、ほんのちょっとしか無く、難解なままである。途中、ポアンカレ登場に至るまでの数学者の話やその時の社会状況などが細かく書かれており、こうした事に興味のある人には良いかもしれない。(カーチャ / 2007-12-04)
この本の構成は前に読んだ本に似ていると感じました。それはサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』です。大学での公開レクチャー(この本ではMIT)をまず持ってきて、その臨場感でわくわくさせた後、一転して幾何学の歴史を悠然と解説し、20世紀の数学者たちの予想解決に向けた苦労をサーベイし、最後にペレルマンによる解決の概略と、フィールズ賞の授与に関する話題で締めくくっています。サイモン・シンがアンドリュー・ワイルズにぴったり寄り添って、本当に予想を肯定的に解決できたのかと苦悩する様子のルポやワイルズへの共感のようなものはペレルマンの性分から望めませんが、 読後は結構爽快感があり、心地よさがあります。もちろん、数学のテーマが代数よりも難しい幾何であり、取っつきにくいのですが、直感に訴える著者の巧みな説明に救われます。 (ポピュラーサイエンス / 2007-06-23)
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」に大感動したので、同じ感動を別の数学テーマで味わえないかと、この本を購入してみた。 「ポアンカレ」という名前は、小林秀雄を通じて、20年以上も前から気になる存在ではあった。しかし、日常の些事にまぎれて、岩波文庫から主要著書が翻訳されているにも関わらず、まだ一冊も読んでいない。肝心の「ポアンカレ予想」というのも、何を意味しているのか、いくつかの数学啓蒙書にあたってみたが、イマイチ、ピンとこない。 それで、本書には、そもそもの問題の理解、プラス、解いたという数学者の人間ドラマも併せて楽しめるのでは、と期待していたが…はっきりいって、単なる数学ファンには、この本は難しすぎる。最初の20〜30頁あたりで、もう頭が真っ白になり、一応、最後の頁までめくってみたが、ただ読みました、という感じで、なにも頭には残っていない。 肝心のペレルマンの人間ドラマも、勝手に期待していたほど頁が割かれていないし、欲求不満が残る。 はっきりいって、その人の数学の素養のレベルによって、本書の評価は大きく異なるのではないか? サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」に感動して、「自分ってこんなに数学ができるんだ」などと勝手に自分を誤解している(私のような)読者は、痛い目に遭いますよ!(柴風 / 2008-01-20)
NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜」を見て本書を読むと,やや期待はずれになるかもしれません.TVが難問を解決したペレルマンの人間ドラマに焦点を当てているの対して,本書では解決までの数学の流れを丁寧に説明しています. ただ,NHKの番組ではペレルマンの業績がトポロジーの研究の流れから外れたところに位置しているかの印象を受けたのですが,この本を読んで,そうではなく,微分幾何学と位相幾何学は互いに連携しながら発展してきたもので,ペレルマンの仕事はその延長にあることが分かりました.ドラマだけでなく,内容も知りたいという人にお勧めします.(カータン / 2008-01-02)
レビュー数 13
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平均点:4.0
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No.1-11
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数論とフェルマーの最終定理 (図解雑学) / レビュー総評点:6
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ASIN:4816339957 / 売上順位:212868
ナツメ社(2005-09)
関口 力/著:久我 勝利
¥ 1,365(中古:¥ 383)
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レビュー総評点:
6
最近、私は哲学や思想といったものに興味を持っており、 この本のはしがきの部分を立ち読みをしていたときに、 「数学という学問はすべての学問を包括した哲学のようなものだ」 という部分に強く心を魅かれ、購入を決意しました。 数学というと、中学高校とひたすら問題をパターン認識して、 計算間違いしないように、解き続けると言うものでした。 しかし、本当の数学とはそのようなものではありません。 生まれた原点があり、歴史的な背景があり、論理があります。 そういった部分が分かりやすく図解されていると思いました。 数学を本質的に考えるための第一歩を踏み出したい人にはお勧めです。 (だいぼー / 2007-03-05)
今話題の藤原正彦先生は、数学や数学者を通して、人間に対する洞察と示唆を与えてこられた。そして藤原先生に霊感を受けた作家の小川洋子さんの小説も大ヒットした。 そこでこれらの著書に親しまれた方々にお勧めするのが、パラダイムであった「数学」自体に案内するこの本。イギリスのワイルズ教授が、1995年に解明したフェルマーの最終定理の構造を説明したものである。 フェルマー最終定理については、他にも本が出ています。しかし、本書は図解雑学シリーズの長所が出ていて、見開きで数式を交えた解説が感銘に施されている。素数とは何か?などの基本的な知識から、掘り起こすことができる。 「数学者の物語」に感動したお母さんが、大学受験中の息子に本書を贈る!なんていうのもよいかもしれない。 (匿名 / 2007-05-18)
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