リスト:最近読んだ「雑多な本」 を表示しています。(全 12 件)

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No.1-1
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世界の終わり / レビュー総評点:4
『世界の終わり』で画像検索
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ASIN:4898150780 / 売上順位:178742
リトルモア(2002-08)
宮崎 誉子
-(中古:¥ 12)
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レビュー総評点:
4
タイトルはリトルモアストリートノベル大賞受賞作品。 都会で強く生きる26才の独り言や脳内を巡る言葉で満たされた 物語(自伝?エッセイ?独り言?日記?)。 ミッシェルガンエレファントの大ファンである著者の、その気持ちに 素直な生き方、飾りのない猪突猛進な思想は、他人事と思えないほど リアル。 読後、まっすぐに顔を上げて歩きたくなる秀逸な作品です。( / 2003-10-22)
すごいじゃないですか。いわゆる、文芸五誌の新人賞出身以外の純文学系の新人なんてみんなクソだと思っていたんだけど、なかには才能がある人もいるんですね。 どうです、この馬鹿っぽい文章。めちゃくちゃ頭悪そうに見えるけれど、計算されつくしている。なかなか書けるもんじゃないですよ、一歩間違えればイタいだけですからね。ぎりぎり飛び越えている。韻の踏み方もお見事、ただ、あまり詩的すぎるのはどうかと思うけれど。(するめいか / 2006-08-20)
レビュー数 2
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平均点:4.5
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No.1-2
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邪魅の雫 (講談社ノベルス) / レビュー総評点:24
『邪魅の雫 』で画像検索
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ASIN:4061824384 / 売上順位:112933
講談社(2006-09-27)
京極 夏彦
¥ 1,680(中古:¥ 141)
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レビュー総評点:
24
このシリーズは私の中では推理小説とは思っていない。私の中の位置付けは『憑物落し物』だ。 そういった意味では、今回憑物が憑かなかったし、そのため落ちようもなかった。 本作は、長文読解に近いものがあり、そういった意味では推理は要らず、きちんと読んでいけばその文章の中に誰が誰を殺したかは書いてある。ただその長文と言うのが800ページ程あるのであるが。 このシリーズの魅力はいろいろあるが、その一つは薀蓄であり、その妖怪の話しであり、寺社仏閣の話しであろう。本作は、ほとんど薀蓄がない。 憑物が憑かず、薀蓄もないと、今一つといったところもあるのだが、やはりそれはそれでこの著者の文章は好きではあるので、また次作に期待したいと思う。(草雲雀 / 2008-08-10)
シリーズ第8作である本書も、先行作に負けず劣らず長い。物語そのものが長く複雑な経緯で語られること、長さの中に帝銀事件談義などのペダントリーが含まれていることは、京極堂シリーズのかたちであるが、本作においては、先行作を踏襲しつつ新機軸を試みようとしているように感じられた。しかし、その試みは十分に成功しておらず、妖怪談義もほとんど見られないので、読後不満が残った。 試みというのは、連作キャラクターの(とくに探偵榎木津礼二郎に)性格に奥行きを持たせることである。 この京極堂サーガ、第一作『姑獲鳥の夏』のときにどこまで意識していたのかわからないが、こうして第8作までそろうと、前半5作と最近作3冊は別系統の狙いを持っているように感じられる。『姑獲鳥』『魍魎』『狂骨』『鉄鼠』『絡新婦』の5作は主人公篇とでも言うべき作品群で、後半3作『塗仏』『陰摩羅鬼』『邪魅』がサブ・キャラクター篇である。 探偵小説として圧倒的なのは何といっても前半の作品群で、私は中でも『魍魎』の伝奇の味と『絡新婦』の見事なトリックを買う。そしてこれら5作と較べると、近作の3つは(こう言っては何なのですが)見劣りしてしまう。後半3作は、京極ファンが作品設定を用いてオマージュを捧げたサイドストーリーのように読めてしまう。同じシリーズ・キャラクター、同じ物語フォーマットで新機軸を出すつもりが、残念ながら失敗に終わっている感じだ。 次回作『鵺の碑』に期待しつつ。 (gg2 / 2006-10-16)
本作はかなりプロットが複雑。 また、今まで以上に多くの人物の視点で物語が進行するので中禅寺が最終最後に語る真相まで混乱しまくり。 読了後スッキリというよりも再読しないといかんな〜と言った感じになります。 前作よりもシュチュエーションに特異性が無いので盛り上がりに欠ける印象を持つと思いまが、従前の作品に比べ関口視点もしくはキーパーソンの視点で進行してきた構成から作者が新たな取り組みに臨んだ作品であると評価をすべきではないかと思います。 しかし、ストーリー上仕方ないとはい榎木津の出番の少なさ(3シーン程)等、今までの主要メンバーの登場場面の少なさには残念な思いが残ります。次回期待します。 但し、青木刑事ってこんなに気骨ある人物だったっけ?と感心するシーンなどもあり相応に愉しむ事も出来ます。 矢張り及第点はあげられる内容ですが、通読して来たファンにとっては星は若干減にて評価。 多くの方はシリーズを通読されていると思いますが、未読の方は過去作品を読んでから臨む事をお勧めします。(事件の関連性は有りませんが、今回に於いては「塗仏」を事前に読んでおく事をお勧めします。)
(mk219 / 2006-10-09)
さすがに面白くはあった。あの厚さを読ませる筆力はさすが。でも複雑すぎて途中で何度も前を読み返したり、「箱根の時…」と言われて話者と同じものが浮かばなくてイライラ。ある意味それがこのシリーズの醍醐味だからとは思っていたが、京極堂や榎木津が思ったほど活躍しないし。地味キャラ(彼らも好きではあるが)の内面だけではねー。シリーズ故に期待が大きいせいかもしれないけど、これが初めての京極堂作品という人を想定して書いてない気もするので。記憶力が衰えた人間にはつらいです。(みかん / 2006-10-11)
前作「陰摩羅鬼の瑕」では関口の作中作に象徴される「死の観念」がテーマだったが、本作では「己が世界の物差し」という考え方の危うさ、脆さをテーマにしている。冒頭で榎木津の縁談話があり、こりゃ「薔薇十字探偵社」シリーズ風の展開かなと思ったが、全く勘違いだった。重要な前フリだったのだ。 一方、戦時中に旧陸軍研究所で極秘に研究されていた毒物を用いたと思われる連続殺人事件が。そして、その被害者と榎木津の見合い予定の相手には関係が。関口、益田、青木が各々の立場から事件を追う。本作では、関口の活動振りが目立つ。既にこの段階で真相を看破して意気消沈している榎木津に詰め寄る(!)シーンもある(読者も早い段階で真犯人は分かる)。また、いつもながら以前の作品の登場人物を当事件に関係させるのが上手い。神奈川県警の石井、山下。そして重要な役回りを果たす元長野県警の大鷹。それに比べ、他のレギュラー京極堂、木場、榎木津の出番が少ないのはチョット寂しい。榎木津はまぁ仕方がないのだが。 そして、最後を決めるのは京極堂の憑物落し。連続殺人事件の犯人も被害者も"己が描く世界の有りよう"を全てだと思い込み、悲劇に落ちたのだ。こうして連続殺人のカラクリを説き明かし、最後に真犯人を指摘する。上述の通り、真犯人は予定調和なのだが、事件の終焉に感じられる爽快感や安堵感はなく、むしろ哀感が漂う。最後のシーンも本シリーズでは珍しく叙情性に溢れたもので読む者の心に迫る。800頁超の分量を感じさせない充実した内容の傑作。(紫陽花 / 2006-11-07)
レビュー数 63
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平均点:4.0
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No.1-3
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希望の国のエクソダス (文春文庫) / レビュー総評点:18
『希望の国のエクソダス 』で画像検索
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ASIN:4167190052 / 売上順位:42343
文藝春秋(2002-05)
村上 龍
¥ 700(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
18
だらだらと続く近未来の経済予測の部分がまったく面白くない。そしてその部分とストーリー進行の整合性があまりにも低い。つまりあんなにダラダラと余計な経済ネタを盛り込まなくても、あの中学生たちの行動は理解できてしまう。このストーリー部分に厚みを持たせるの効果を持たないのであれば、経済ネタの部分は単なる知識と予測の垂れ流しにすぎない。そちらはJMMでやれば十分ではないか。 中学生の行動、セリフなどについてはそれなりに楽しめた。多少現実感は薄いと思うが。過剰にネット社会に期待を抱くのも、ミュージシャン、批評家、サッカー選手ら身内ネタで盛り上がるのもそろそろ終わりにしたほうがよいのではないだろうか。私は村上氏が、再び優れた「文学」を書かれることを願っている。( / )
「荒唐無稽で現実味のない物語」という評価は、言葉づかいをちょっとシフトすれば 、「夢があり、希望にあふれる物語」になる。その評価そのままに、これは児童文学 の傑作だと思う。 アフガンゲリラに参加した日本人少年をきっかけに、日本中の中学生がすべて不登校 に入る。彼らは「あすなろ」と名乗り、インターネットを駆使して新たなビジネスを 起こしていく。一方、沈滞する政治、経済、社会に悩む日本政府は、アジア通貨圏の 構築に突き進むが、これがヘッジファンドに狙われ、日本経済は危機的状況に陥る。 そして、不登校の中学生集団に過ぎなかった「あすなろ」が、このとき大きな役割を 果たすことになる...。 やっぱり中学生に読んで欲しい。最新の経済事情、インターネット、料理に関するウ ンチクなど、中学生には難しすぎるところも多いが、背伸びしないで読めるものばか りが好きな子供がいるだろうか。 それにしても、村上龍の「気配」の表現は本当にうまい。飲み物を買いに行くリーダ ーが感じさせる「あすなろ」のゆるやかな結びつきや、友達気分で彼らにつきあう大 人がやがて敬遠されるようになったり、ナマムギの銃撃のシーンでの不釣り合いなシ ーソーのくだりはうならされる。特に、衛星中継での国会質疑の場面で、ポンちゃん が「この国には本当になんでもある、でも...」と話し始めたときには、背筋が寒く なった。 思うに小説の悦びはこのような、読むものを別のどこかへ、自分の知らない場所へ、 一瞬で連れていくような、一行の言葉に出会うことではないだろうか。小説の残りは すべて、この一行を最も有効に提示するために書かれるのであって、読むということ も同じことだろう。 不登校、インターネット、不況などのモチーフに惹かれて、この小説を読み始めた中 学生の心に、これらの言葉がそれと意識することなく沈潜していくのかと思うと、わ けもなくうれしい。 社会へのコミットメントが最近目立つこの作家だが、直接的な行動とは別に、言葉の 力を信じる者として、小説にこだわる姿勢に頼もしいものを感じる。( / )
IT革命、経済のグローバル化、学校制度への疑問、ネットベンチャー起業・・・というように90年代の「日本型システム」の崩壊を背景に良くも悪くも話題になっているネタを一つにしたらこういう話ができました。この話に出てくる子供達は一見救世主のようですが、ネットから情報を得ていろいろ分かりすぎてきるので実は現実の問題に対した関心もなく、「ただ何となくやってみたらできた」と言う程度の関心です。無味乾燥な中学生が現在までの常識を一つづつ否定していく側面があって読んでいると所々不安な気分になります。これがこの作者の意図でしょうか。「希望」は僕には届きませんでした。「これが新しい日本なのよっ」ということなら、こんな日本でいいのかと思いました。なんか虚ろな読後感でした。でも一気に読みきりました。( / )
確かに、今の日本経済は将来のビジョンを全国民に提示できていない。そのことについて、今の若い人は、この主人公たちと違って反乱を起こしていない。むしろ、現実から逃げているようにも思える。だからこそ、今の日本は危機感がない状況だろう。危機感がないけど、将来向かっている社会は、日本が崩壊する方向にむかっているんじゃないだろうか。今の社会は、物語で書かれている経済状況よりまだましだが、物語の方向に向かっているような感じはする。だから、まんざら物語上の話は物語で終わる感じがしなかった。 この話で衝撃的なところは、「この国は何でもあるが、希望だけがない。」という部分だ。結局、日本社会に期待しないで、自分の幸せについて追求するしかないのかなと思っています。(itchy1976 / 2005-03-31)
この著書の一つのキーワードは,「コミュニケーション」だったと思う。ひきこもり少年たちは,日本における希望のなさを問題視し続けるわけであるが,彼がその中でこだわっていたのは,「コミュニケーションのなさ」であった。「希薄さ」ではなく,「なさ」である。これに関して,p.28-30で中村君が語る話が印象的であった。話の中で,中村君は,「シカト」を「コミュニケーションをするためのコミュニケーションすら拒否すること」と定義し,これが人間にとって最も辛い仕打ちであり,自殺者さえ出ると語る。この語りの意味がもっと鮮明になるのは,後にp.303において,国会議員に対してASUNAROのリーダーであるポンちゃんが国会議員に対して「コミュニケーションできません」と答える場面である。 そしてこれに関連するもう一つのキーワードは,「プレーヤー」であったと思う。少年たちは,日本が子羊のようにのほほんとしている間に,金融資本が攻め込んできているということに危機意識をもっている。それはエクソダス計画のひとつの理由である。現状のままでは日本は養鶏場ようになってしまうという。生きることが,国が,常に戦いの中にあり,人は,構成員は,その戦いのプレーヤーであるというのである。プレーヤーだからこそ,人と交渉することが必要になる。つまりコミュニケーションが必要になる。これに対して,プレーヤーをやめてしまった人たちは,コミュニケーションをしていないというのかもしれない。(hakatanagaishi / 2004-11-08)
レビュー数 76
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平均点:3.5
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No.1-4
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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫) / レビュー総評点:16
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 』で画像検索
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ASIN:4062757419 / 売上順位:97539
講談社(2007-05-15)
本谷 有希子
¥ 470(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
16
タイトルに負けず、内容も文体も素晴らしくテンションが高い。文体のテンションとは何のことか説明せよ、と言われると困るが、例えば夏目漱石や村上春樹や花村萬月や林真理子やの小説に頻回に登場する、「世間というのは」「ロシア人というのは」「ジーンズというものは」「大人の女とは」みたいなウンチク話が、本書にはひとつも出てこない。作者は黒子に徹しており、その意味ではストイックだ。にもかかわらず、どのページを読んでも過剰な、暗い、重い、強い、マガマガしい、本谷有希子という人の強烈なエゴがこんこんと湧いて出てくるようで、「うはぁテンション高っけー」と、否も応もなくそう感じさせられる。映画もかなり面白いと思ったけど、これを読めば映画の方は観なくていいと思う。 描写がいちいち映像的なことにも驚いた。頭の中に完璧な妄想3Dデータ(音つき、触覚つき)があり、それをなぞりながら書いているかのようで、私の場合紀行ものの風景描写とかは埋め草だと思ってトバして読む方なのに、この本の光景描写はぎょっとするほどリアルで、引き込まれた。演劇系の人だそうだが、いつか(近いうちに)映画を撮って欲しい(というか、これを自分で撮って欲しかった)。(pinkman / 2009-08-27)
「自分は特別なのだ」という当世若者の、 根拠レスな自意識を、伝統的手法で、しかし エネルギッシュにしっかりと描いた小説。 題名からしてもそうだが、若い女性が書いたとは 思えないほど骨太で、傑作。 もともと戯曲であるからして、良くも悪くも祝祭的であるが、 そこを論じても好みの問題に終始してしまうであろう。 ともかく、日本の田舎の閉塞性と濃密な人間関係から 産み出されてきた土着の空間を、問題意識をそのままに かくもコケティッシュに現代に蘇らせた手腕を まずは高く評価していいのだ、と思う。(アジアの息吹 / 2008-07-16)
自分は唯一無二の存在。 そう信じて疑わぬ姉、澄伽が実家に帰ってきた。 妹、清深は恐れおののく。 なぜなら、姉の壮絶な復讐劇が始まるからだ。 そして、妻にDVを繰り返しながらも、 兄弟の仲を取り繕うために人生を賭ける兄、宍道。 三人の兄弟は絶妙なバランスでなんとか保たれていた。 しかし、両親の事故死をきっかけに 少しずつ破綻を来していく。 自分の性格を一言で表現してと言われたら 何て答えますか? さるきちは、戸惑ってしまう。 いろいろな要素が絡み合って、 時に、ある部分が前に出たり、引っ込んだりして、 さるきちを形成している。 さるきちには、自分がよくわからない。 この作品に登場する人物は一要素が突出している。 それが他の要素を抑圧し トータルとしての人間性を歪ませるほど。 いってみれば、個性。 でも個性と呼べるほど、 個性だと裏付けられるほど、自信なんてない。 だから、支えてる一辺がなくなると、 がらがらと音を立てて崩れていくのだ。 溜めに溜めて、 ハラハラどきどきさせて、 一瞬たりとも飽きさせぬ、 そして、予想外の結末。 まさに舞台のよう。 すっごい迫力。 本谷氏の小説はまだ二冊目だけど、 ううむ、スゴイなあ。 力強い文章と、圧倒的な表現力と 物語の中で渦巻く、“生”。 生きていくためには、自らを信じるしかない。 もしくは、他人を憎むことしかない。 激動の“生”を味わいたいヒトにおススメの一冊。 (さるきち / 2009-04-16)
無駄のない描写。一冊の小説の隅から隅まで計算つくされて完成度の高い芸術作品。 さすが劇団を立ち上げているだけあり、文章から、『絵になる、鮮やかな』シーンがたくさん。色分けもしっかりなされていて、話を読むだけではなく、イメージのなかで映像も楽しむことのできる刺激がある、新しい小説。 伝えたい軸がブレぬように、必要最低限な4人でおりなされるために世界にも浸りやすい。 純文学を好むひとで、最近、面白そうな作品の出会いがないという人にオススメ。 難しい小説が苦手なひとにもオススメ。(たまごぼーろ / 2008-06-17)
戯曲が基になっているだけあって、誇張された表現が多く、キャラの性格も 分かりやすすぎるくらい一本調子です。 それを不快に思うか気持ちよく感じるかで、好みがかなり 分かれると思います。 ただ、一つの物語としてはそれなりに面白いです。 全てがギリギリの日常の中で、果たして誰が一番 “強さ”を持っているのか。 そんなことを考えながら読むといいのではないでしょうか。 読後、タイトルの絶妙さに気づくはずです。(ハルカナ / 2008-03-10)
レビュー数 17
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平均点:4.0
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No.1-5
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レキシントンの幽霊 (文春文庫) / レビュー総評点:77
『レキシントンの幽霊 』で画像検索
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ASIN:4167502038 / 売上順位:48356
文藝春秋(1999-10)
村上 春樹
¥ 480(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
77
『恐れるべきは恐怖そのものではなく、 恐怖の対象に背を向けることだ』 これは『7番目の男』で語られる言葉です。 後悔・自責・・・こういった感情でがんじがらめに なっていた自分がはっとさせられた一言でした。 そして自分がその時、ぶち当たっていた壁を 崩す起爆剤となりました。 って大袈裟でしたね。。 心の奥深いところとか人間の暗部。 そういった場所にスポットライト を当てるのが上手いなぁ、この人は。(土の中の芽 / 2004-02-25)
森閑とした短編集といってよいと思います。 個人的には「沈黙」に唸ってしまいました。 春樹さんの小説の中では、地味なものです。 内容を一言でいえば、青木という生徒から高校生活で理不尽な虐めにあった話です。 派手な仕掛けは一切ありません。時空を駆けることもなければ、怪異現象がおこるわけでもありません。 が、主人公は小説後半でこう言いきります。 「僕が怖いのは青木のような人間ではありません。・・・僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の話を無批判に受け入れて、そのまま信じこんでしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解してないくせに、口当たりのよい受け入れやすい他人の意見におどらされて集団行動する連中です。・・・」 こう書いてしまうと「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、主人公がここにいたるまでの過程はとても緊迫しており、小説作法的にも揺るぎ及び隙がなく見事であり、それゆえに読む側に説得力があります。 掌編なのに長編を読んだような思いを受けます。 昨今の、若い作家さんが書く学校生活、青春模様がとても稚拙に思えます。 文学賞選者の方々もこの小説を読むべきあるいは再読されるべきではないでしょうか。 そうすればもっと文学賞に重みがつくとおもうのですが。 それくらいのことを言ってみたくなるような秀逸な短編です。(poco-mom / 2005-09-22)
短編集です。 本のタイトルに『レキシントンの幽霊』を選んだり、「底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録」と紹介したりしていますが、そのようなホラーじみた作品集ではありません。 全体を通して感じられるのは「孤独感」です。 人間不信とかそういうのじゃない(『沈黙』から抜粋)、それなりの成功を手にしてもそれなりに幸せな結婚生活をおくっていても感じてしまう種の「孤独感」です。 出版社の意図に安っぽさを感じてしまったので☆4つにしましたが、内容はどれもとても良かったです。本当の気持ちが書いてある気がして。 あ、『緑色の獣』だけは、ちょっと路線がちがいました。女の人の一人称で書かれているのですが、「男の考える種の女の意地悪さ」的な部分を感じ取ってしまって、そこは苦手でした。 あとがきで村上春樹さんが、『めくらやなぎと眠る女』を別にすれば、『七番目の男』と『レキシントンの幽霊』の二作品は『ねじまき鳥クロニクル』のあとで書かれ(1996年)、それ以外の作品は『ダンス・ダンス・ダンス』『TVピープル』のあとで書かれた(1991年)、と書いています。 (狛犬コマニーニュ / 2006-04-25)
「トニー滝谷」が心地よい存在感を放っていて気持ちのいい短編集.なんともいえない孤独感が漂っているのが印象的.表題作「レキシントンの幽霊」は,レキシントンの近くに住んでいる者として親近感が湧いて楽しめた.「沈黙」も味わい深い独白.(鈴木純一 / 2005-11-11)
ついに映画化だそうですね。 トニー滝谷ははじめて読んだときから、なんとなく気になる作品だったので、映画はどんな具合に仕上がっているのか、興味があります。 トニー滝谷は悲しみよりも喪失感が表されていると思います。 ずっと1人で人と交わらずに生きてきた滝谷が、やっとめぐり合えたそばにいて欲しいと、そばにいたいと思えた人を失ってしまう。 村上さんの作品では失われる物語が多くありますが、これはそのなかでもとくに失われることそのものが描かれている、すぐれた作品だとおもいます。 これほど喪失感を感じるというのはどういうものなのでしょう。 映画ではそのあたりがどう描かれているのか、楽しみに見にいこうとおもいます。(甚太郎 / 2005-01-24)
レビュー数 41
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平均点:4.0
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No.1-6
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人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫) / レビュー総評点:57
『人類は衰退しました 4 』で画像検索
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ASIN:4094511040 / 売上順位:18318
小学館(2008-12-19)
イラスト:山崎 透/田中 ロミオ
¥ 600(中古:¥ 250)
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レビュー総評点:
57
四巻では、妖精さんたちが、全力出場して笑わせてくれます。 2つの独立したストーリーが収録されています。 ・妖精さんの、ひみつのこうじょう ・妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ どちらも、妖精さんたちの、脱力系の奇想天外な発言と行動が全開です。 知性を持った調理済みチキンや、パイナップル発電などのデタラメで笑える 妖精さん科学も盛りだくさん。 笑いがとまリません。 二、三巻で、妖精さんの出番が減り、普通のストーリーになったとガッカリ していた人も四巻は、お勧めです。二巻、三巻の内容を引きずっていません ので、一巻の後に四巻でもOKです。 笑いたい人は、書評を読んで色々と考えたりせず、頭の力を抜いて とにかく読んでみてください。(リオ / 2009-02-14)
今回は2話構成で妖精社なる謎の会社の巨大工場の探索(正体が判明したときは映画アベンジャーズでテディベアの着ぐるみを着た悪者たちが会議してるシーンを見たときぐらいのインパクトがありました)と、ハーメルンの笛吹きよろしく妖精さんを引き連れて漂流記・・・ならぬ、デタラメな妖精王国の盛衰記。 いつものごとく、たいしたことは起きてないんですが、いや起きてるんですが、デタラメさのディティールが読めば読むほど面白楽しくて、SFや児童文学に親しんだ大人たちにジャストミートすぎる暇つぶしにもってこいのほのぼのシニカルなSF(すこしふしぎ)な作品です。 今回読んでいてなんとなく思い出したのはダール『チャーリーとチョコレート工場』&ゴールディング『蝿の王』そしてドラマ『ライフ』でした。妖精さん的ライフはなかなかシュールでした。(badcom / 2008-12-30)
文章をなぞる行為そのものが心地よい、『人退(はじめて明かされた作者公式略称!)』4巻です また2話構成に戻って、いつもどおりに、マンガチックで乙女チックでちょい黒で、SFでニートな感じの内容となっております。 人類衰退(私的略称)の魅力は、作品としては壮年期を越えた人類(というよりも書き手・読み手である日本人)の悟達の境地に対する同時代人的な心地よさでしょう。あずまんがや苺ましまろに通ずる、優しい世界、傷つけない人たちへの憧れと諦観。現実的には滅びの許容。 いいか悪いかは置いておいて、時代の空気をおそろしく鋭敏に捕らえております。 今作は食用チキンが走り出す不思議の国のアリスのようで古典SFのようでキリスト教のようでな話と、漂流記のようで女王と建国神話のようでやっぱりSFのようでな話の2話。ゲンコツをくれる笑顔のおじいさんが印象的です。 それにしても「鬱の雨雲」はすごい! 鬱の雨雲はマンガ表現的にはポピュラーですが、それを活字にとりこみ、「比喩かなー」と思ってたら物語をカタストロフに引き込むファクターにしてしまうとは! 尋常な筆力じゃあありません(くどくど / 2008-12-29)
相変わらずの面白さ、読み易さにも文句なし。2つの話が収録されていますが、どちらも「いつも通り」お気楽にやば気に、でも読んでいる我々からはニマニマ的なそんな展開となっていきます。 個人的には今回ちらりと「妖精さん達のでたらめさ」、これについての核心に触れられたのではと思えた部分が興味深かったです。もしも文中に示唆されていた通りなら、人間達が「人類たること」を妖精さん達にあっさりと明け渡したのも、まあむべなるかな――と。 いつものごとくお菓子にまみれたおかしい、でも妖精さん達にとっては全然そうではない話が最初か最後まで満載、安心してどなたにも勧められますです。(ブラック珈琲 / 2009-04-20)
そろそろネタ切れなのか、思いつきをだらだらと文章にされても、読むのが苦痛です.keyの新作を執筆中とのことで、やっつけ仕事の感が拭えません。+の評価が多いので、驚きました.いわれれば第1巻の雰囲気に近いかもしれません。後半のお話はまだイマジネーション豊かなので、星2つにさせていただいました.(kirin70 / 2009-05-05)
レビュー数 7
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平均点:4.5
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No.1-7
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ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」 / レビュー総評点:1051
『ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」』で画像検索
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ASIN:419210010X / 売上順位:27
徳間書店(2003-10-31)
宮崎 駿
¥ 2,987(中古:¥ 2,400)
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レビュー総評点:
1051

内容ではなく、このセットについて
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内容はいろんな方が書いているので、このセットについて書いてみます。 よいところ ナウシカのワイド版を置いている書店は少ないし、バラ売りで買うのは面倒なので一度に買えるところはよい。 ワイド版は薄くて大きいので読みやすい。 残念なところ 「トルメキア戦役バージョン」と威張って書かれていますが、ただの薄っぺらい紙の箱です。強度もないため、一冊ずつ出し入れしていれば今に破けるでしょう。もう少し厚手のしっかりとした箱にしてほしかったですね。 ワイド版のセットです。バラで買っても違いはありません。(ゆうぎ / 2006-01-10)
映画にはない深みに目をみはる
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土鬼(ドルク)の聖都シュワの墓所には、どのような秘密が隠されているのか。腐海(ふかい)が生まれた真の理由は何なのか。そして、封印されていた世界の秘密の意味するところを理解した時、ナウシカはどの道を選ぶのか。 生命の存在、生命の慈しみ、光と闇の邂逅など、いくつものテーマがからまり合い、収斂していく物語の面白さ。巨神兵の扱いや、クシャナと父王との因縁の決着など、シリーズ終盤の話の展開には、正直、拍子抜けしたところもありました。でも、この世界を構築した設定の深さには、目をみはるものがありましたね。ナウシカと王蟲との心の交流、クシャナのキャラの転調、そしてある人物の最期など、心に深く響いたそれら話の琴線が忘れられません。 映画は確かに面白かった。しかし、このコミック版は、ほとんど別の物語と言っていいでしょう。腐海を中心にした世界、王蟲の存在感、主要なキャラたちの性格設定の深みという点で、コミック版は映画にはない深みがありましたから。 それと、この【アニメージュ・コミックス・ワイド版】の7巻セットのボックスには、商品案内に記載されている「トルメキア戦役バージョン」の言葉は見当たりません。第3巻ならびに第4巻のカラー口絵に、「トルメキア戦役戦線地図」の言葉はあるけれど。 ボックスの裏に、「NAUSICAA」(最後のAの文字の上部に、マル点ふたつ)、次の行に、「OF THE VALLEY OF WIND」と記されています。(東の風 / 2007-07-21)
映画とはまた違う良さがある!
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【風の谷のナウシカ 全7巻 トルメキア戦役バージョン BOXセット】 映画化されたのは第2巻くらいまでになります。 その後、ナウシカは王蟲や腐海の謎を解くために、自らの意志で風の谷を離れ南の森を目指し旅立ちます。 やがて彼女は腐海の意味を知ることに...。 7巻まで一気に読んでしまいました。 読んで行くうちにぐいぐい引き込まれ、不思議な世界に魅了されてしまいます。 秩序と混沌、人間の愚かさ、美しさや残酷さなどが描かれていて、人間の在り方を考えさせられる作品だと思いました。 映画とコミックスでは微妙にストーリーが違う部分があるのでそれを発見するのもまたひとつの楽しみでしょう。 コミックスでは映画には登場しない人物がいっぱい出てきますし、クシャナ、クロトワ、ユパのことをもっと知ることができます。 映画は万人向けですが、コミックスのほうは奥が深く複雑なのでどちらかといえば大人向けかもしれません。 トルメキア戦役バージョンのBOXも素敵ですよ。 ただ、少し残念に思ったのが、後半かなり駆け足気味になってしまって、全体的にストーリーをもっと掘り下げることができなかったように感じられたこと。 10数年かけて連載されていたので、思想や心境の変化があったのか、それとも忙しくてお時間がなかったのかは分かりませんが、7巻だけじゃ足りないように思いました。 それから、これは作品とは関係なく出版上の問題ですが、紙質があまり良くなくて一部シワになってよれてしまった箇所がいくつかありました。 長期保存には不向きなので、もう少し紙質にも配慮して欲しかったです。(arus / 2003-11-07)
映画「風の谷のナウシカ」の原作
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全部で約1100ページ。その中の約220ページが、映画の部分に当たる。単純に約4倍の続きがあるとも書ける。 ●本は26×20cmの大きさ。迫力がある。紙の質はわら半紙風。(長く保存したい場合は、別に愛蔵版の漫画本がある。) ●1巻には、40×60cmの水彩画ポスターが付属。 ●1〜6巻までは、20×30cmのとじ込み水彩画ポスターが付属。ナウシカ単独、または脇役との構図でどれも味わい深い。(ポスター/4巻:王蟲とナウシカ。6巻:巨神兵とナウシカ。)
漫画としては、今のコミック単行本とくらべて「コマ割り」が小さい。手描き風で独特。 映画の内容とは微妙に異なり、より深く大きな主題に迫っていく大文学作品に仕上がっている。 試しに読みたい場合は、1巻と2巻を集めれば、映画の内容とのちがいが理解できる。 映画を観てからはもっと理解したいと思っている場合は、全巻揃えるといいかもしれない。
誉めすぎかもしれないが、この漫画はゲーテ、ファウストといった海外の文学作品と肩を並べるくらいだとも思う。逆にいえば、長編の小説などを読まない人にとっては、それだけ読みづらいものだとも思う。 芸術的な文学作品の漫画。芸術的な大衆娯楽作品としての映画。 その両方を製作した宮崎駿さんの実力。誇り高く日本の芸術性を広く世界に認知させたその功績に、ただただ驚愕した。栄誉の人だと思った。
手塚治虫さんは現在主流の漫画の偉大な礎であり根源といえる。 宮崎駿さんは書籍「出発点」のなかで、手塚治虫さんに強いライバル心を向けている。それは目を疑う程あからさまで「手塚さんのアニメで、アニメ業界は仕事を安く請け負うようなことになった」というような内容を含んでいる。 もしかしたら、手塚漫画に対する、挑戦的な漫画でもあるのかな、とも感じた。大きな流れに感動した。(ninja_ig / 2006-10-30)
正直、劇場版とは違うものだと思ってよい作品だと思います。 劇場版と違い、宗教国のドルクや森の人などがでてきたり、劇場版ではお姫様していたナウシカがとても力強くたくましい少女に描かれていたりします(私はそう感じました)。私はこの原作版のほうが好きです。そして、もう1人の姫様のクシャナにまつわるエピソードや生き方は、ナウシカと同じくらい惹かれます。 7巻の内容の濃さは、凄まじいです。物語が一気に終末に向かいます。最後のナウシカのセリフは、とても力強いメッセージだと思います(セルムとかわす最後のセリフです)。 説明はいりません。買って読んでください。CD1枚買うよりは、絶対に価値があります。 読み終わった後、必ず「何か」が心に残ります。(カーロス・リベラ / 2005-09-03)
レビュー数 149
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平均点:5.0
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No.1-8
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リルケ詩集 (新潮文庫) / レビュー総評点:59
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ASIN:4102175024 / 売上順位:87813
新潮社(1963-02)
翻訳:富士川 英郎/原著:Rainer Maria Rilke/リルケ
¥ 420(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
59
晩年、心の危機を乗り越えたリルケは、「オルフォイスへのソネット」を書く。これは詩人としての決意表明であって、本物の真剣さを獲得した彼は、聴衆に向かって呼びかける。「池に映ったもののすがたが、しばしば我らから消えようと、その姿をば忘れるな」。心で見た姿こそが、真の姿なのだ。水面が揺れると、映し出された像は歪み、波に呑まれる。それと同様に、心の状態が変化すると、心で捉えていたはずのものはたちまち見えなくなる。だが、忘れるな、「それ」はあるのだ。この戒めを、リルケ自身、堅く護りとおしたに違いない。最晩年の作は全く卓絶している。「背伸びをした巨人の夏は 既に感じている 老いた胡桃の樹の中で その青春の衝動を」「一晩中 ナイチンゲールは歌っている 彼らの感情の恍惚と それから 冷ややかな星に立ちまさる 彼らの優越とを」。これらを「擬人法」と読むのは単なる見当違いであろう。リルケは自然の内部に入り込んで歌っているので、どこまでが彼自身の感情で、どこまでが「自然」それ自体の感情なのか、区別できないほどだ。グルジェフの言う、客観的感情、これらの詩篇はまさにそれを達成しているのだ。本書もまた、万人にお奨めできる。(特に科学者は絶対に読まねばならない。)富士川英郎氏からの、そして新潮社とリルケからの、言葉の贈り物だ。(guiskal / 2006-03-15)
物思いを運ぶ風
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この本の中には、文体の言いまわしは古いが、読む人の実存を揺らめかせ、 羽ばたかせる言葉の風がある。言葉と言葉のつなぎ目には ポジティブに不安を拭う風溜りがある。 途中、ふと目を上げると、 周囲から切り離されたかと憶えるほど 心地よくまどろむことができる本。 たゆたう時間を感じたい方へ。 ( / 2001-07-04)
丁寧な言葉の重なりを紐解いていく過程は、無条件に楽しく、 自分の心の奥底に潜む何かに触れ、開放されるような清涼感がある。 彼の詩は呟きなどではなく、それを読む誰か、即ち我々読者の視線に まっすぐぶつかって来る。 普遍的な強さを持ち、個々の内部で繰り広げられる伸びしろを持つ やわらかさがある。お買い得すぎました。(butterfish / 2006-01-15)
本作は自分にとって、バイロンほどの熱狂や情熱、シェリーほどの美しさを感じ取れるものではありませんでした。 訳が直訳過ぎるのか、独特なのか、或いはリルケ自身がそういった文体を用いているのか、 自分には皆目判別がつきませんが、接続詞の前後の繋がりに理解し辛い箇所が多数見受けられる事や、 多用される倒置、変則的な節の区切り等、一見しただけでは非常に詩の内容が捉え辛いのです。 しかし。 『待て……この味わい………』 上記は本レビューのタイトルであり、 オルフォイスへのソネットに収録されている詩のタイトルであり、何より偽らざる自分の素直な読感でもあります。 冒頭で列挙した点を差し引いても惹き付けられた事は紛れも無い事実です。 あくまで形式的な詩、概念的な表現に囚われていた自分にとって本作は衝撃的でした。 なにせそこには、型に囚われない自由な表現、溢れんばかりの叙情が多分に含まれているのですから。(シムラケン / 2007-07-18)
レビュー数 4
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平均点:4.0
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No.1-9
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完全版 歴代天皇FILE―初代から今上まで全天皇を一挙公開!! / レビュー総評点:0
No.1-10
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ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫) / レビュー総評点:-10
『ダウン・ツ・ヘヴン 』で画像検索
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ASIN:4122047692 / 売上順位:8510
中央公論新社(2006-11)
森 博嗣
¥ 680(中古:¥ 32)
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レビュー総評点:
-10
森博嗣の小説を読むのが初めてでしかも小説自体最近全然読んでなかったのですが途中どきどきしながら読ませていただきました。なぜ何のために生きているのか、一対一の戦いだからどうせなら踊るように楽しもう、などところどころのに操縦士ならではの哲学的な考察や職業的な境地がみられ、考えさせられる場面もありました。 ちなみにエンロンとラダーの併用によって安定した飛行が保てるとのです。少し用語を学習したので戦闘シーンの切迫したスリリングな展開に注目して再読してみるとします。(ジョルジュ / 2007-02-25)
文庫版、680円な訳ですが この内容でこの値段、小説とは素晴らしいものですね。 とりあえず星は5つです。とても味わい深い文章で構成されています。ただ少し難解ですね。 『お米』みたいなもので、甘味が出るまで咀嚼する必要があります。 甘味が落ち着いても噛み続ければさらに深い甘味が来ます。(いわゆる味の向こう側ですね) だから速読は難しいですね。先が気になって早く読み進めたくなりますが理解が追いつかないので、ページとばして読んじゃっても気づき難いです。 だから時間に余裕が有る時に読んだほうが良いです。きっと読み始めたら最後までいっちゃいますから。 (人間初段 / 2007-01-24)
キルドレンシリーズ第三弾。時系列的に言えば『ナ・バ・テア』の後で『スカイ・クロラ』の前になると言うことかな。今回の主人公は前作同様クサナギスイト(草薙水素) 今回も常に生と死というテーマがつきまとう。地上では生きる意味を見いだせない。命の保証がない空では、いつ死ぬかも分からない。死の形を何度も思い描いたり、雲の果てに天国を夢想するあたり、美化された死へのあこがれというのが所々に垣間見える。それがどこか哲学的で、シュールな感じがするのは口調のせいかな。 もう一つのテーマとしては子どもと大人。これもシリーズを通じてだが、大人である甲斐がそばにいるせいか、クサナギの子供じみた感じが目立つような気もする。大人になってから死んでいくしかない。そんな憂鬱を抱えながら。それでも、子どものままでは死ぬことすら出来ないという、葛藤もこめて。無性に生き急いでいる感も漂う本作のクサナギは。今までのシリーズのどの主人公よりも人間的じゃないかと思った。憂鬱、という点では装丁が素晴らしいと言うべきかも。 組織の思惑っていうのは、きっと子どもには余計なものにすぎない。だがそんな風にでもしないと成り立たない社会。いつまでも子どもではいさせてくれない。クサナギの逡巡の日々は、雲の中を漂い続けるような。だからこそ終盤の戦闘シーンで一気に感情が爆発したクサナギを見ることが出来るのだ。この展開の持って行き方は上手いと思った。話としてはというより、クサナギの成長ぶりがうかがえるのはなんとも。そしてそのあとのサプライズも。ずるいんだかなんなんだんだか。 哲学的な要素もクサナギの心理描写にもりこまれているので、それほど分厚くはないがじっくり堪能して欲しい。空をイメージしながら。なんと言っても一体感がたまらないよね、このシリーズは。過去作も再読したくなってきた。年の瀬に、いい物を読めた、と。(バーニング / 2006-12-31)
オリジナルは2005年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』シリーズの第三弾。氏のWEB日記によれば『スカイ・クロラ』シリーズはあと1冊でるらしい。 ここに至るとまるで言葉が弾丸のようだ。詩的な言霊が映像付きで連続発射されている感じ。凄い表現力に感嘆である。読めば読むほど迷宮に入り込み、クサナギ・スイトとカンナミってどういう関係なのだろう、って思っている森ファンがたくさんいるだろう。謎が謎を呼んでるな。(●^o^●) 森作品は、まずキャラクターありきだ。何体かの魅力的な要素を持ったキャラクターを適度に配置、そして当然予想される化学変化を映像化し、それを文章化するという感じがする。その辺がふつうの作家とだいぶ違う。言ってみればそれは、2次元で小説を書くのと3次元で小説を書くのとの違いだ。森博嗣のキャラクターは皆、立ち上がり動き回る。その中でも草薙水素は『純』に光っていてステキだ。(●^o^●) (voodootalk / 2006-12-10)
『スカイ・クロラ』、『ナ・バ・テア』に続くシリーズ第三弾です。 私はこの作者の小説は、このシリーズと「猫の建築家」(小説?) ぐらいしか読んでいないのですが、飛行機とキルドレだけの 意味なき世界を描く、ストーリーの透明さに惹かれていました。 個人的には夏目漱石の「草枕」に通底するかのような感じを 楽しんでいました。 そういう意味では、本書は後半、「社会」だとか「マスメディア」 だとか、妙にリアリスティックな、余計な雑音がでてきて、 ちょっと興醒めしました。 続く物語はどんな風に展開するのか、楽しみです。(kaz-p / 2007-04-03)
レビュー数 10
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平均点:4.5
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No.1-11
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黄昏の百合の骨 (講談社文庫) / レビュー総評点:119
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ASIN:4062756943 / 売上順位:74520
講談社(2007-04-13)
恩田 陸
¥ 680(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
119
水野理瀬クロニクル
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恩田陸の名作長編「麦の海に沈む果実」の続編。 前作は物語の中のような(まあ物語なんですが)学園の中での幻想的なミステリで、ファンタジー色も強かったが、今作はグッとミステリ色が濃くなり、随所に散りばめられた謎や伏線が、一癖も二癖もある色とりどりの人物によって紡がれる。 誰が味方か、誰が敵か、何を考えているのか、事件の真相は…?ラストのラストまで気を抜けない、静かなミステリ。聡明な主人公・水野理瀬にシンクロしながらも諸処のキャラの目線に立って読み進めてください。 前作からの継続キャラが少ない上、ストーリー上の内容もそれほど関連していないため、前作を見なくても十分楽しめるが、やはり目を通しておいた方が面白い。 恩田陸はスピンオフや予告編などは目にするが、このシリーズほど地続きなシリーズは珍しい。構想段階と言われる完結作「薔薇の中の蛇」にも期待! 「悪は全ての源なのだ―善など、しょせん悪の上澄みの一部に過ぎない。悪を引き立てる、ハンカチの縁の刺繍でしかないのだ。」 本文197ページより(sorin / 2007-04-14)
「麦の海に沈む果実」の続編「黄昏の百合の骨」、タイトルからして魅力的。 読んでると、静かにその世界に沈んでいくような、不気味な魅力に没頭してしまう。 祖母の遺言により、白百合荘に帰ってきた理瀬。2人の叔母と暮らし高校に通う。 祖母の遺言の謎、死の謎、失踪の謎、百合の謎・・・ 一文字一文字しっかり読んで自分なりに推理したけど、”最後まで気が抜けないな!” というのが感想。本当、気が抜けない! 今、読もうか迷ってるなら、肌寒くなった秋口に読むのがお勧め。この世界観とピッタリだと思うから。 ああ、こういう世界観の本は余韻に浸ってるのも心地いい。 次の本になかなか進めない幸せ!いいねいいね。 (L u n a / 2007-08-28)
『麦の海に沈む果実』を読んだのは3年ほど前だったと思いますが、 続編の『黄昏の百合の骨』、楽しみに読ませていただきました。 率直な感想。サスペンスあり、ホラーあり、推理ありで、とてもおいしい話ですし、 キャラクターもそれぞれ個性があって良い、文章もとても綺麗で読みやすいです。 が、恩田さんの小説を読んでいつも思うことですが、もう少しプロットを練ってから 書き出した方が良いのではないでしょうか? ところどころに回収できていない伏線があります。 (一例:梨南子と梨耶子は結局似た者同士だったの? 前半で雅雪が二人は実はとても似ていると言い、理瀬が雅雪の観察眼に感嘆する シーンがありますが、後半の展開と梨南子自身の言葉がその観察を見事に裏切っています) 理瀬は聡明なダーク(?)ヒロインの設定ですが、上の観察眼の問題もあり、 彼女の聡明さがいまいち表現しきれていません。終盤でも朋子や梨南子の正体を悟れず、 稔と雅雪に間一髪で救われていますし、最終的に謎を解いたのも稔でした。 結果、稔の聡明さが際立っており、理瀬は常に冷静で人を惹きつける独特の雰囲気がある、 という程度に留まってしまっています。 これは明らかにプロットの問題です。『黄昏の百合の骨』に限ったことではなく、 恩田さんの作品は前半は作品の醸し出す雰囲気に引き込まれてとても面白いのですが、 後半でプロットの粗などのためにストーリーに齟齬が出てきてしまうことが度々あり、 読んでいてとても惜しいです。 ノスタルジックで独特の魅力ある文章、個性的な登場人物を書ける方ですから、 綿密なプロットでキャラクターの特性や設定を生かせるようになれば、 作家としてもっとずっとずーっと上を目指せる方だと思っています。 もう十分評価されている方ですし、わたしも高校生の頃からの大ファンなので、 苦言を呈するのは心苦しいですが、あえて今後に期待させていただきます。(青 / 2009-03-17)
恩田陸の真骨頂といえます 上辺はかわいい女の子とかっこいい男の子達が出てきて 美しい光景と郷愁が支配する恩田陸ワールドですが、 中をのぞいてみると圧倒的なほど暗くドロドロした世界が 広がっています。 また、でてくる女性も少女もあどけなさを残しているのに 大人の女性のしたたかさを持っている。それは主人公も 例外ではありません。 善は悪をひきたてる存在という言葉は前作の少女から女性に 成長した理瀬らしく、また現実世界にも通じる言葉だと思い ました。 こんなにも幻想的なのに物語の端々に深く現実が横たわり、 悪意が渦巻いている。なのに、それを美しいと思ってしまいました。 この読後感は読んだ者にしかわからない。 ああ、だめだ。しばらく恩田ワールドからぬけれそうにありません。 (伊園 / 2007-08-30)
恩田さんの作品が大好きで、ほとんどの小説は読みました。 この作品は「麦の海に沈む果実」の続編です。そして理瀬が黒くなってます。もっと純粋な美少女なイメージを持ってたので少しショックでした。 作品としてはとてもおもしろかったです。ただ少し怖い、背筋がゾクッとくるところがあるので、ちょうど今の季節にはもってこいかもしれませんね。ただ、この作品を読む前に必ず前作「麦の海に沈む果実」を読んでからでないとおもしろさが半減します。(メイ / 2007-07-30)
レビュー数 12
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平均点:4.5
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No.1-12
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春の雪 (新潮文庫―豊饒の海) / レビュー総評点:185
『春の雪 』で画像検索
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ASIN:410105021X / 売上順位:5646
新潮社(2002-10)
三島 由紀夫
¥ 660(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
185
作者の遺作「豊饒の海四部作」の第一部ですが、この作品で作者はデビュー当時の「日本浪漫派」風の作風に本家帰りしたのではないかと思いました。耽美的で、デビュー作「花ざかりの森」を思い起こさせます。 最近、これが映画になったそうですが、確かに「美しさ」という点だけに着目すれば、映像美としてこれを映画化しようという試みも理解できなくはありません。しかし、主人公である清顕の一途さは、その裏側に自意識の汚らしさや計算高さをあわせもった上で語られているからこそ深みがあるのであり、その「汚さと美しさ」の矛盾する両極端が一致する点に「美」を見出すところにこそ三島文学の骨頂があるとすれば、やはりこの作品の魅力は文学ならではのものであり、映画化するのはもともと不可能なのではないかと思いました。 映画を観て感動された方は、恐らくこの作品の片面の美しさをしか見ていません。三島文学にある「汚さと美しさ」の両面にしっかりと触れるのならやはりこの原作を読むべきだと思います。 それと、忘れてならないのはこの作品があの「三島事件」に向かう作者が半ば「遺書」のように書き始めた大作の第一部であるということ。あの「割腹自殺」のおぞましさと、この作品の美しさは、同じ一人の人間から生み出されたものだということです。あの自殺に感動する人はそんなにたくさんいないと思いますが、にも関わらずこの作品の美に感動させられてしまうのは何故なのか。そのあたりも考えあわせながら読んでみるのもまた面白いでしょう。(k-0 / 2005-12-29)
これは、人間が書いた小説とは思えません。文学の神が舞い降りて三島の腕に 乗り移ってつむぎだした、奇跡の名作です…。 それ程までにうちのめされる美しい日本語の表現の数々。 三島自身がいかに繊細かつ人間洞察力に富んだ人物だったかが偲ばれる 不朽の名作。これを読まずして、「恋愛小説が好き」と言うのはナンセンス! と言いたいほど、素晴らしい作品です。本当に読んでよかったです。 現代ではありえないお上への忠誠心とか、貴族の社交界とか優雅がちりばめられているのにうっとりする一方、人を恋する気持ちは今も昔も同じで、 主人公達の心情に共感しつつどんどん恋の深みにはまっていく二人の行く末が まったく分からず、ドキドキしながら読みました。 無気力でプライドが高く、最初は聡子の自分への思いを煩わしく 思っているつもりでいる清顕が、聡子に恋している、と気付く自然な 流れや、雪の降る朝に2人でこっそり逢引をする場面の清らかさな風景、 甘やかな雰囲気など圧倒的な表現力で、鮮やかに描きだされているのに 感動します。特に私が好きなのがこの場面。 物語は基本的には清顕の視点で描かれているので、聡子の細かい心情までは 彼女の言動から想像するしかないのですが、お上との約束に背いて 罪を犯してしまった聡子、彼女が牢に入らないで済むように苦心する 侍女に対して、「私は牢に入りたいのです。」という聡子。 「女の囚人はどんな着物を着るのでせうか。さうなっても清様が好いてくれるかどうかを知りたいの。」大人しく、お嬢様育ちの聡子の情熱が一瞬きらめくようなこのセリフ。私は「このままつっぱしれー!!」と心の中で応援してしまいました。(kororin_00 / 2005-10-01)
人間の心は斯くも複雑で奥深いものかということを思い知らされた。三島は文章表現の天才であると同時に、心理分析の天才でもあると思った。人間の心理に鋭くメスを入れ、登場人物さえ意識していないであろう感情の一つ一つを取り出して、それを言葉というものに置き換えて巧みに表現している、という感じがした。 春の雪は、豊饒の海シリーズ4部作の始まりであり、筋立てはさる貴族的名家で起こった実際の事件にもとづいた「禁断の恋」の物語である。しかしテーマはそれだけに終わらず、輪廻転生という仏教的哲学も盛り込まれ、私には全てを理解するのは難しい。 こういう筋書きの悲恋ものの小説には必ず泣いてしまう私だが、この作品は余りに精巧すぎて、また、主人公や脇役の登場人物たちの心理描写が緻密かつ意外性を突いており、泣くのも忘れてただ唸るのみだった。昨今の軽薄な小説とは全く異質の、超1級文学作品と言えよう。(Spring Birds / 2004-11-10)
私も3年位前に「仮面の告白」「金閣寺」に挫折して以来、何となく三島由紀夫を避けてしまっていました。 今回映画化されると聞き、少しは自分も成長しただろう…ということで購入しました。 すばらしい、の一言しか出てきません。 自分が普段使っている言葉と同じなのか?!と疑いたくなるような美しい日本語に魅了されました。 ストーリーだけ聞くとありきたりな悲恋物と言われてしまいそうな気がしますが、 それを跳ね除けてしまう見事な表現力で、一気に読んでしまいました。 仏教の輪廻転生と絡めているのもとても興味深く、背景をもっと勉強してもう一度さらに味わいたいと思います。 映画は妻夫木聡・竹内結子が演じるそうですが…私も他の方々同様ちょっと無理を感じます。 清顕の繊細さや優美さ、聡子の凛とした気品を持った俳優さんはなかなかいないでしょうね。 ただのトレンディドラマの延長になっていないことを祈ります。(claire0283 / 2005-10-03)
映画を観てから小説を読みました。 「午後の曳航」と「潮騒」を学生時代に読んだ折に、 文体になじめずに長いこと三島作品からは遠ざかっていたのですが、 数年前に「金閣寺」や「音楽」を読んでみたところ、 はまってしまいました。 「春の雪」もその頃に買ってあったのですが、 積読状態であったのを、映画が結構面白かったので、 取り出して読んでみました 素晴らしい小説で、これは小説という形式でしか 表現できないということが、良く分かりました。 結構いい映画だと思っていたのですが、今となっては、 なんじゃ、あの映画??という感じです。 小説読んだ方は、あの映画は観ない方がいいですね。(kaz-p / 2005-12-06)
レビュー数 61
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平均点:4.5
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