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新訂 孫子 (岩波文庫) / レビュー総評点:260
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ASIN:4003320719 / 売上順位:2355
岩波書店(2000-04)
翻訳:金谷 治
¥ 588(中古:¥ 155)
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レビュー総評点:
260
多分、必須教養
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「孫子」本はたくさんある。ハウツー本からマンガ、そして原典訳まで。 この本は原典訳、そして「史記」に見える孫子たる人物の逸話にも 触れている(二人とも)。 自分が思うに、ハウツー本は所詮、著者の主張であって、孫子の 主張ではない。孫子の主張は原典の中にしかない。 そして、それに自ら触れることで、自分なりの「孫子との対話」が 完成する。 読めない外国語では日本語訳をあたるしかないが(ここにだって訳者の 主張が混じる可能性はあるのだ)、孫子は高校漢文知識で読めるのである。 訳もついてる。 忙しくたってこの本を携帯し、休憩がてら時間をとるくらいは できるはずだ。 ということで、社会人必須教養図書の一冊として推薦します。(趙子竜 / 2004-04-17)
最近ビジネスの世界で孫子がブームである。解説書や、ビジネスと結びつけた本も多い。しかしなんといっても孫子自身の書いた本をよんでほしい。難しいのでは・・・と思う人がよんだら、きっと拍子抜けするくらい簡単な本だから。薄いし。 2000年前ととても思えないほど洞察に満ちたこの本は、圧倒的なリアリズムに裏打ちされている。たとえば孫子は兵を勇猛果敢、兵はかくあるべし、などとは書かない。彼は兵とは都合が悪ければ、目を離せばすぐに逃げ出すものだ、と言う。彼は戦争など下の下であって、国と国の最後の手段としてしか用いてはいけないという。彼は戦争に至らないためのありとあらゆる手段を尽くせ、という。 クラウゼビッツ(戦争論の著者)と大きく違い、彼は国全体の経済のなかで戦争を捕らえていた。戦争が国の経済に与える影響を良く知っていた。また、情報の重要性も知っていた。 できれば中高生に読んで欲しい。僕がそうだったように、人生が変わると思う。孫子は戦争に勝つための方法を書いたような薄っぺらな本ではない。大学生以上でも遅くはない、読んで欲しい。きっと何度も震えが来るはずだ。(ゐ / 2003-02-08)
意外にも現代性ある一冊
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中学生時代から何度か読んでいる。 内容は、この時代によくぞ書けたと思うくらいリアリズムに徹した著作である。他にも「呉子」「六韜」「黄石公三略」その他の兵家の著作の中で、唯一偽書でなくて残っているのが本書であるし、また内容的にも当時から最も評価されていた著作なので、それだけのことはある。 本書で特に強調されていることは、「兵は不祥の器なり」(老子)に繋がるいたずらな武力行使を戒める姿勢である。何せ今も昔も戦争にはカネがかかるのだ。また、政治的な解決を先行させずに武力で解決しようとすることが、紛争の早期解決には繋がらないとの洞察もあったのかもしれない。むしろ、武力に頼る姿勢は現代の方が顕著かもしれない。もう一度この思想を見直して欲しいものである。 また、間諜の重要性を異様なほど強調していることも本書の特徴だ。さすがに現代では「死間」は使えないだろうが、何よりも情報収集に力を入れることが、無駄な犠牲を減らすことに役立つという観点から、スパイ(というか、インテリジェンス)を推奨しているのだ。これは戦争に限らず、すべてのプロジェクトに応用できる考え方だ。 本書では、戦争のもうひとつの重要な要素である兵站は重視されていない。三国志の時代に諸葛孔明があれほど補給に苦しんだことを考えればこれは意外だ。本書が書かれた時代には、短期決戦しかなかったのだろうか。(daepodong / 2005-10-09)
失ったもの
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高校時代に中国古典にかぶれて本書を読んだが 流石に 青春時代の幻想と妄想に満ちていた小生にとっては むしろ読んでいて腹が立つ本であったと記憶している。青春時代は 理想に燃える熱血少年だったということかと20年以上経った今では 当時の自分が懐かしい。 ところで それから20年経ち 社会に出て 色々すれた後の最近に本書を読み返した。 全く腹が立たない。 実社会を経験したあとに本書を読むと はたと膝を打つばかりである。勿論小生は戦争が職業ではないし そもそも戦場に行ったこともないわけであるがそれでも読んでいて感に堪えないのが本書である。 つまり 戦争や戦場は現実社会の一局面であり 一方 我々の実社会も戦場の一面は常にあるわけであり 従い 読んで得られる所が多いわけである。ビジネス書で孫子の特集などが組まれているわけだが なるほど こんなに面白いのであれば 当然である。 それにしても 本書を読んで腹が立った時代があった。年を取るということは 陳腐ながら 何かを失うことでもある。(くにたち蟄居日記 / 2005-04-17)
全ての人が読むべき書
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「彼を知り己を知らば百戦して殆うからず」 孫子兵法の有名な、最も言いたいことだと多くの人が思っていることでしょう。 それが大きな間違いだったことが、孫子兵法を実際に読むことで理解できると思います。 非常に良い本ですが、勘違いしないでほしい本でもあります。 孫子は「教科書」でも「参考書」でもないのです。 「背水の陣」で有名な韓信をはじめ、名将といして名高い白起も、 「戦は兵法書の暗記で勝てるものではない」と言っています。 戦争・経営・人生の最高のレクチャー本と断言していいですが、 鵜呑みにすることだけはないようにしてください。 「自分で応用できる人の中に孫子はその本質がある」 そんな書物です。(軍師っぽい人 / 2005-09-17)
レビュー数 40
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平均点:4.5
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No.1-2
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新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO) / レビュー総評点:168
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ASIN:4122040124 / 売上順位:1244
中央公論新社(2002-04)
翻訳:池田 廉/ニッコロ マキアヴェリ/原著:Machiavelli
¥ 820(中古:¥ 334)
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レビュー総評点:
168
「世の大多数の人間は、財産や名誉さえ奪われなければ、けっこう満足して暮らしてゆくものである」「総じて人間は、手にとって触れるよりも、目で見たことだけで判断してしまう」「人間はもって生まれた性質に傾いて、そこから離れられない」。 約500年前に書かれながら、カトリック教会の怒りを買い、一時禁書として扱われ、19世紀にようやくまともに読まれるようになってきた歴史的な名著である。無理もない。「運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突き飛ばす必要がある」「領土欲というのは、きわめて自然な当たり前の欲求である」などと平気で書いてある。 時代の変化によって社会的な記述に関しては簡単には適用できない部分もある。ただ、よく見れば、人間の本質は時代が変わっても何も変わっていないことに改めて気づかされる。 その一方で、マキャベリ式の君主論は、なかなか活動的だ。どっちつかずの態度は強く戒め、変化する時勢に自分を一致させ、「大事業はすべて、けちと見られる人物の手によってしか成し遂げられていない」として備えを奨励して、挙句の果てに戦争をやれ、とけしかける。 不愉快な名言も多いのに、ある種痛快な読後感も残るのは、あまりにもはっきり人間の本質を言い当てている点と、世や人のバカらしさを指摘しながらもそれを軽蔑せず、前向きなエネルギーに向けようとする意図がにじんでいる点だろう。時代を超えて一読の価値がある。 解説や訳注が丁寧で、文庫サイズで場所もとらず、1,000円未満で買えるのもありがたい。(FreshAir / 2007-10-19)
苦味が美味しく感じられる頃
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中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。 マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。小生もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。 とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。 「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」 「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」 こんな言葉を否定することは難しい。吉田兼好が読んだら大声で笑って同意したに違い無い。 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。そんな「苦味」が美味しいのは 小生も中年だからだろうか。 (くにたち蟄居日記 / 2005-11-12)
マキアヴェリというと、すぐ頭に思い浮かぶ言葉は、「マキアヴェリズム」ではないだろうか。したがって本書が彼の主著のひとつであるからには、何かとんでもないことが書かれているに違いないと思っている方もおられることだろう。しかし、一度そのような偏見を捨てて、『君主論』そのものを読んでいただきたい。現実を直視すれば、至極まっとうな記述で満ちていることに気付かれるだろう。この人間性に対する認識の冷徹さは只者ではない。人間と政治を理解したいと思っている人には必読の書であろう。(狂夫 / 2002-08-28)
確か「プレイボーイ」誌のインタビューか何かで、出所したばかりのマイク・タイソンが言っていた。おおざっぱな記憶によれば、ざっとこんな感じだ。 「刑務所では読み書きと数を数えることを学んだ。それまでは、自分のファイトマネーがいくらかすら、知らなかったんだ。読むことを学んで、マキャベリを読んだ。みんな、彼のことを昔のイタリアの学者かなんかだと思っているけど、彼は欲望とは何か、欲望に何が出来て、また何をしてしまうのか、について語ったんだ。だからこれは、おれたちの本だよ」 「マキャベリズム」と呼ばれるものに由来する偏見に根ざした彼への悪評を払拭し、「真実のマキャベリ」を回復させようというのが、真面目なマキャベリ学者がずっと取り組んでいる仕事だが(そして名誉回復というのはいつも、面倒くさく時間ばかりがかかる仕事だとしても、大切な仕事ではあるのだが)、この字も読めなかったボクサーのようには、だれもこんなに正しくマキャベリを読んでこなかった。(kurubushi / 2004-09-04)
マキアヴェリズムと言う言葉から連想される冷血漢というイメージは、マキアヴェッリにはそぐわない。人類の命運を自らの問題と一体視し、その中で何が最善かを考え抜いた誠実の人である。 マキアヴェッリはおそらく個人としては人当たりのいい善人だったろう。同情心も持っていたに違いない。しかし彼はそれだけで自分を肯定出来るほど怠惰ではなかったのである。 もしマキアヴェッリが政治家であり、彼の主張どおりの政治行動を見せたならば、天国とか地獄とかが存在するとして、彼はあるいは地獄にいくかも知れない。しかし彼の民衆は安寧な人生を送れるだろう。逆もまた真なりである。(ayato / 2003-01-04)
レビュー数 18
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平均点:4.5
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No.1-3
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戦争論 レクラム版 / レビュー総評点:98
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ASIN:4829502983 / 売上順位:130533
芙蓉書房出版(2001-07)
原著:Carl Von Clausewitz/カール フォン クラウゼヴィッツ/翻訳:日本クラウゼヴィッツ学会
¥ 2,940(中古:¥ 990)
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レビュー総評点:
98
戦争論は、非常に難解で難しいと言われる代物である。他のブックレビューを見て批判するのはよくないと思うが、18世紀における戦争実体と現代における戦争実体に当てはめて考えると実際に役立たない部分もある。また、戦争論は哲学的要素や歴史の引用などが含まれており、文庫本では読みづらいという部分も納得できる。特に、ナポレオン戦史、フリードリッヒ戦史を理解していなければ分からない点も多々ある。 しかし、戦争と政治との関わりやその目的と手段、理論と実践に関しては色あせることはない。むしろ、現代の戦略思想家といわれる人たちがクラウゼヴィッツ以上に戦争に関する論究をしているであろうか?また、戦争を考える上でクラウゼヴィッツ以上の物差しを提供した人物がいるであろうか? 孫子とクラウゼヴィッツを対比することは難しいが、私見では孫子とクラウゼヴィッツの言っている戦争に関する部分は、オーバーラップしている部分さえある。程度の差こそあれ、日本語による訳文ゆえ難解といわれる「戦争論」を理解するには1度や2度読んだだけでは無理なのである。また、篠田訳、清水訳など「戦争論」に関する訳本が多いので、訳者によって解釈の違いが出るし、日本人に馴染みの薄い哲学的要素が多分に駆使されているから読みづらいのは当たり前である。そのあたりは、解説本やガイドブックから攻めて事の本質に迫るしかないであろう。戦争論は何度も読み、理論と実践に関する部分から理解しないと先に進まない。また、戦史を研究する必要性もあり取り組むには一筋縄でいかないのが現状であろう。 (三等兵 / 2006-11-02)
他の翻訳より格段に読みやすくなってます。 中身は、第一編~第三編、第八編がほぼそのまま。第四編~第七編 はほとんど省略されてますが。つまり、細かくテクニカルな話題は ほとんど省略され、そのため、全体としてすっきりした構成・内容 となってます。また、編者によって改訂される前の、初版の戦争論 をもとにしていることもこの本のよいところといえます。 ただそれでも、おそらく原文のせいだとおもいますが文章が硬い。 クラウゼヴィッツ自身が多分いろいろ試行錯誤しながら書いている ためというのもあるかもしれませんが、決して簡単な本ではないで す。 この本そのものに対しての要望としては、訳者が「日本クラウゼヴ ィッツ学会」というぐらいだから、もっと啓蒙的にしてもよいので は、というところです。18世紀~19世紀前半のヨーロッパの地図や 簡単な年表があったらよいかと。 また訳注がかなりあっさりしているので、登場人物の簡単な紹介な どが付録としてあってもよいかと思います。(エパメイノンダス / 2005-06-15)
この本の訳でクラウゼヴィッツが絶対的な戦争の推奨者でないことが理解できます。絶対的な戦争を推奨しているどころか戦争とは政治の従属物というのが彼の主張であったということが、わかり易い訳により容易に理解できます。その意味で第一編を読むだけでも十分に価値があると思います。 また、第二編は戦争を離れて、社会一般に対する理論の価値ということを考える上で重要な示唆があると思います。戦争といういものに関心のない方にも第二編は価値があると思います。(椿四十郎 / 2005-01-06)
戦争とは何かを、ナポレオン戦争への従軍経験から分析的に述べた古典的名著です。「戦争とは他の手段をもってする政治の延長に他ならない。」という著者の定義は、今なお各国の軍事指導者共通の認識といっていいでしょう。 戦争の究極の目的が敵の殲滅にあるという戦争論解釈が批判される一方で、戦争の本質を鋭く見据えているその分析への高い評価は、今なお第二のクラウゼヴィッツが現れていないことからも明らかでしょう。 今流行の薄っぺらな「戦争」に関する論争などにはない、「戦争という社会現象を科学する」といった視点から戦争を学びたい人には必読の書だといえます。( / )
読みやすい。この一言に尽きる。 有名だが読まれることの少ないと言われる本書だが、理解容易を重点に再構成されている。クラウゼヴィッツ思想入門に最適。 岩波文庫版を読み、混乱し、内容を理解できなかった私でも最後まで苦痛なく進めました。(brokensandglass / 2001-08-02)
レビュー数 14
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平均点:3.5
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戦争概論 (中公文庫―BIBLIO20世紀) / レビュー総評点:84
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ASIN:412203955X / 売上順位:127868
中央公論新社(2001-12)
翻訳:佐藤 徳太郎/アントワーヌ・アンリ ジョミニ
¥ 840(中古:¥ 391)
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レビュー総評点:
84
ジョミニはクラウゼウィッツに比べ、わが国での知名度は劣るし、訳書も入手しにくかった。ただ、彼の「内線」「外線」などの概念はよく使われ、「ジョミニは幾何学的である」という解説も流布されていた。 ところが、実際にこの抄訳を読んでみると、具体的な歴史を基礎にした論であることがわかる。それは書中に引用された戦史のことではなく、かれの戦略論そのものが、具体的事例から抽出された結果である、という意味だ。戦史と言うより、戦争に満ちたヨーロッパの歴史を知るにつけ、そう感じる。 たとえば、イデオロギー戦争についての記述は、現代アメリカのドグマに満ちた戦争にさえよくあてはまる。ナポレオン時代のスペイン半島戦争は現代ゲリラ戦の嚆矢とされるが、ジョミニはこれに正当な評価を与えている。 また、独ソ戦におけるソ連軍の戦略は、濃厚にジョミニの匂いがする・・。ジョミニのいう主導的防御の成功例であろう。 なお、訳者の解題は、全く不要に思われる。ジョミニの重複にすぎないからだ。(純ちゃん / 2001-12-25)
精読するうえで、翻訳に大きな問題がありそうだ。 本書の急所は、私見ながら戦争の四大原則にある。 残念ながら、訳文では意味を汲みとることができなかった。 たとえば第一条に「わが連絡線を妨害されないかぎり・・・」という箇所が、「自己自身と妥協することなく」となっている。はなはだしい誤訳といわざるを得ない。コンプロマイズという英語を訳しそこなったようだ。 最重要な箇所くらい、しっかり訳してほしかった。 ちなみに、四大原則は、 1.後方連絡線の遮断 2.兵力の局所的優越 3.最重要箇所への主力投入 4.最適タイミングでの投入 ということだと思う。 わたしはこの点でジョミニはすごいと思う。(純ちゃん / 2004-11-10)
「戦争はこれを全体として見た場合には科学でなく術である」「チャンスが同等であれば法則の格守は必ずや成功にまで導いてくれるものである」。 クラウゼヴィッツの戦争論を読むのは大変だったが、これは流石にそこまではしんどくはない。何しろ分量が違う。戦争論を読んだ方はついでに読んでみるとよい。ただ、あくまでも概論であり、少量で、しかも英語からの重訳であるから、対等に比較するのは問題がある。 ジョミニは戦聖と呼ばれていた位、長年に渡って活躍した名将である。そして、クラウゼヴィッツとジョミニは時代が重なっており、互いに相手を意識をしていたようだ。特に、本書ではクラウゼヴィッツの名は頻繁に出てくる。「しばしば理論の一貫性を欠いていたクラウゼヴィッツ将軍は、...」などという記述もある。本書の中に登場する解説にも、両者の比較が見られる。 「第三章 戦略一般」「第四章 大戦術と戦闘」の2章が中心だろう。第六章の後半の、情報と戦争と司令官の特性に関する記述は現代にも通じるところがある。 決勝点での決戦主義者ではあるが、軽戦の連続で勝つこともあるとしていることなど、柔軟な面もある。簡潔だが要点はよくまとまっている。個人的にはクラウゼヴィッツとの比較よりも、孫子と共通する点が散見されるのが興味深かった。 尚、他の方が書いているが、兵站に関しては、クレヴェルトの「補給戦」もお勧めである。(FreshAir / 2008-01-12)
クラウゼヴィッツが戦争という現象を分析していたのに対し、ジョミニは勝利の法則を求めようとしました。同じ軍事学とはいえ、目的が異なるので、どちらが上か客観的に判断するのは不可能です。 現代に於いて、ジョミニの幾何学的軍事理論はマハンやリデル・ハートが継承し、より空間的かつ時間的に洗練されたRMAにまで進化しています。湾岸戦争~イラク戦争のアメリカ軍を見れば解ると思いますが、ジョミニの基本原理に忠実であれば、正規戦では敵を圧倒します。また、ジョミニ自身のスペイン遠征での経験を活かしたゲリラ戦等の非対称戦争への対処方法(政治的かつ単純な方針)も記されています。 ちなみにこの本は英語版の抄訳に過ぎません。違う言語を何度も訳すと悲惨なことになります。訳者は旧陸軍士官学校首席卒(41期)ですが、言語能力とはあまり関係無いようです。よって星一つ減点としました。(カミソリカッター / 2004-11-27)
この文庫本は和訳本として読みにくい、かなり不親切なつくりである。 目次と、索引の不備、特に人名・地名の原語表記がないことは、残念としか言いようがない。 また「解題」はときに蛇足である。途中に挿入するのではなく、完全な別項にまとめるべき。 クラウゼヴィッツの戦争論にしてもそうだが、本文中、多数の戦闘が事例として登場するのだが、それについての言及がまったくない。 当時の人間にとっては説明不要なほど有名な戦いであっても、現代人には馴染みのないものである。 長々と解題を書くなら、これらの事例がどのようなことを意味するか解説すべきであろう。 そのほうが、読むほうとしても退屈しないと思う。 その意味では、索引も十分とは言いがたい。(qmg / 2004-05-07)
レビュー数 12
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平均点:3.5
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最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀) / レビュー総評点:172
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ASIN:4122038987 / 売上順位:35242
中央公論新社(2001-09)
石原 莞爾
¥ 580(中古:¥ 191)
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レビュー総評点:
172
本書は、まさに大東亜戦争開戦のわずか一年前に出版されたものである そこでは、太平洋を挟んだ日米決戦は数十年以内に起こるであろうから、その日のために日本は経済的、社会体制的、軍事的に準備せよといったことが書かれている しかし現実は日本にそのような猶予を与えることはなかった そして石原ら戦前の社会改革思想家の理想は敗戦と日本人だけでも310万人の死者を生む無惨な結果に終わったと言わざるをえない(彼等の理想は戦後、岸信介らをリーダーとしてある程度実現したが) しかし、本書が全く無意味かというとそうではない 一見エキセントリックとも思える第五章の日蓮宗の教義をもふくめ、ここで書かれていることは、戦前の(そして戦後から現代をも含めて)日本の政治指導者たちの行動原理の大きな一部を形成しているのだ
そういった意味でも本書は現代日本人必読の書と言えるのかもしれない(眠菜詩音 / 2006-08-07)
この独創的な「最終戦争論」自体は実現せずに終わってしまったことはこの書物の価値を減ずるだろうか? わたくしはそうは思わない。 たとえば、戦史の研究から戦闘の局面が線->面->立体と変化していることの指摘から航空戦力の強化を訴えていたり、原爆やB29などを予言するような発言は彼の洞察力が並々ならぬものであることがわかる。しかし最も驚いたのは、「全体主義は過渡期の政体に過ぎない」と切って捨てたり、「北種は元来、住みやすい熱帯や亜熱帯から追い出された劣等種族」という、白人の黒人コンプレックスの元になっているトラウマ(岸田秀)を言ってのけてしまっていることだったりする。 また、「最終戦争論」自体を、日本を主人公にするための誇大妄想的虚言と取るのも当たらないと思われる。読んでいて、日本こそが世界の盟主、八紘一宇を実現すべき唯一の主体、という思い込みで発想されているようにはわたくしには思えなかった。そう読み取ったのは石原への偏愛のためだろうか? それは本書の読了後に各自でご判断いただきたい。(daepodong / 2005-10-13)
石原は日本人には少ないビジョンがある男だと思われる。 そのビジョンは西洋古典、古代ローマの戦術から書き起こし、当時の流行だった統制経済への言及、そして国柱会経由とおもわれる立正安国論がない交ぜになった不思議なもの。八百万の神のすべる日本らしいビジョンと言えば言いすぎか。 だが、語る言葉は非常に力強く歯切れがよい。曖昧模糊とした昭和初期のエリート日本人達の中にあって石原の個性は群を抜いている、読んでいるとキャラクターが迫ってくる感じがする。現代でもこの本が受ける理由は石原の個性によるところが大きいと思う。 「統制」の言葉の意味が少し深まったのも収穫。(enuyon / 2006-04-11)
彼の未来予想図
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東条英機に面と向かって総理辞めろといったという、昭和の異端児石原莞爾の講演録。 世界の戦争を歴史的に分析するところから始まって、最終的に世界が一つになるという彼独自のものと思われる思想を展開する。 その理論上に太平洋戦争をおいており、太平洋戦争自体の善悪はまた別の問題として、世界戦争が今後短時間に決着が着く戦争になり、その後大量殺人兵器(核という形で実現したが)が開発され、その驚異によって超大国による一極支配が到来し、世界平和が到来するというかれの理論は、是非はまた別として、すばらしい洞察力であると思う。 ただ、その一極支配をもたらすべき核があまりに強い力を持つために世界に冷戦を招いたことや、また、兵器としても実効力は大きくなく、そのような象徴的兵器の為に、テロリズムという形態で新しい長期戦が到来する事まではさすがの彼にもできなかったようである。 しかし、戦争史を知るのにも適しているようにも思えるし、必読とまではいわないが薄いし読みやすいので読む価値はあると思う。(wing_flow / 2002-11-13)
「最終戦争論」
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次回の大戦で、究極の戦争が終ろうとしている。それも半端ではない。地球の人口は半分になるかもしれない。世界も統一するといっている。そこに日本はいる。否、日本は苦労して、真剣に戦わねばならない。敵を恨むとか侮辱するとかを超え、敵に十分敬意を持って、正々堂々と闘わねばならない。これを「世界最終戦争」とするために。 石原莞爾。彼は生粋の帝国軍人であるが、ミリタリストではない。恐らくその対極に位置している。彼の世界観は、じつは「武」ではなく、日本人の謙譲の徳や、慎みの姿勢、そして天皇や八紘一宇という建国の御精神の本来意味する所に、一番の大切な核がある。国力が増進すれば、とくに日本民族にはいっそうの慎みをと戒めているのである。危険思想といわれるかもしれないが彼を信頼したいのは彼の姿勢である。彼は、日本の「良さ」と「使命」を、敗戦後もずっと信じて捨てることはなかった。つまり、「空気」で軍国主義やその逆を演じるようなやわな人物ではなかった。彼は、実際日本国土の数倍に匹敵する満州を僅かな兵力で乗っ取る頭脳があった。人の観ない点で物事を見ることができた。ある目的を遂行してからは、満州を返すといっていた。そして、余りにも早く到来してしまった大東亜戦争に、反対した。この桁はずれた計算力が、慄然とするのである。 この種の鬼才は滅多に出現しない。戦後の極東裁判にも自ら出廷を請う男である。この種の「永遠平和論」は、今の日本人には絶対に想起できない。天皇を戦犯にしようと言う人すらいる状況である。不謹慎かもしれないと思いつつも、私はこの男に魅了される者はいていいと思う。 因みに、まったく受付けないというなら別だが、彼の予言を後知恵で批判するのは、正しくない。彼こそは、決戦兵器や軍事情勢の未来筋を、当時予言して当てた、恐らく世界でただ一人の人物である。帝国陸軍が誇る、最高の知能。(snwo / 2003-07-10)
レビュー数 19
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平均点:4.0
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No.1-6
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戦争史大観 (中公文庫BIBLIO) / レビュー総評点:65
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ASIN:4122040132 / 売上順位:68221
中央公論新社(2002-04)
石原 莞爾
¥ 760(中古:¥ 272)
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レビュー総評点:
65
石原の独創的な「最終戦争論」の骨子はむしろ同名の著書のほうによく表現されているから、本書はそれを生み出すに至った著者の経歴と戦史の分析を知るための本といえる。なので、石原の「最終戦争論」をすでに読了している方には意味がある本だとは思うのだが、石原の著作にはじめて触れる方には「最終戦争論」の方を先にお読みになることを勧めたい。 本書を読むかどうかは「最終戦争論」を読了してから決定すればよいと思われる。(daepodong / 2005-10-13)
政治と軍事
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旧日本陸軍の異端児・奇才、石原莞爾著の軍事論(回顧録付き)です。同じく石原著の『最終戦争論』は宗教的過ぎて読めないと思う自分にとって、本書は割とすんなり読める内容でした。大観というタイトル通り、フリードリヒ大王時代~ナポレオン時代~第一次大戦~第二次大戦初期まで敷衍してあります。 決戦戦争と持久戦争という項目では、洋の東西・時代を問わず問題となる、政治と軍事の関係について詳しく述べられており、興味深く読ませて頂きました。これは結論が出ない『卵が先か、鶏が先か』と似たような問題ですが、この二つのバランスを取るのに失敗すると、第一時大戦時のドイツ、第二次大戦時の日本、ベトナム戦争時のアメリカ等のように、大抵ろくなことになりません。 石原莞爾と言えば予言ですが、石原の考えに影響を与えたと思われる著名な人物(軍事関係のみ)を挙げてみます。クラウゼヴィッツ(戦争の分析)、ジョミニ(点と線)、メッケル(参謀教育)、ルーデンドルフ(国家総力戦)、デルブリュック(殲滅・消耗)、ドゥーエ(戦略爆撃)。至極残念なのは、石原莞爾に限らず昭和の軍人全般に言えることですが、機甲戦の提唱者J.F.C.フラーの影響を微塵も感じないことです。 あと、解説が本文とは全く関係無い内容で辟易としました。(カミソリカッター / 2004-11-27)
ウヨクのうちでは神格化されている石原莞爾の理論を、サヨクの代表格である佐高信がどう斬るのか、楽しみにして買いました。 しかし、解説を読んで失望し、星一個減点とさせていただきました。 佐高信の書評とは、本の内容ではなく、著者の人格を評するもののことのようです。公平の観点からすれば、今後、彼の著作に対して解説を執筆される方も、本の内容ではなく、彼の人格について語らなければなりません。 戦争史大観の批判ではなく、著者への人格攻撃を延々と書き連ね、肝心の内容については「放火犯の火消し」と断ずるに至っては、石原の賛同者でなくても、彼の「人格」を疑うのは自然の流れといわざるを得ません。 しかし、私は佐高に同情します。サヨクが佐高ほどの論客を持ってきても、石原を論破できなかったのです。 彼の構想した最終兵器と第二の空軍は、米国が核兵器と戦略爆撃という形で実現し、日米戦の勝者となった米国は、世界の3軸を取り込んで唯一の超大国となりました。 ますます、石原が日本で不遇をかこち、「満州事変の首謀者」という汚名を着せられて葬り去られたことが惜しまれてなりません。今にして思えば、石原の最終戦争論の最高の生徒は、米国だったのです。(ishidokusya / 2006-02-27)
素晴らしい本
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日本帝国陸軍の天才戦略家石原莞爾の著作。近代戦争史がとても解り易く説明してある。まさに大観とも言うべき書で、石原だからこそ書きしるせたものであろう。(徳川家康 / 2003-10-06)
レビュー数 4
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平均点:4.0
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No.1-7
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硫黄島栗林忠道大将の教訓 / レビュー総評点:70
『硫黄島栗林忠道大将の教訓』で画像検索
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ASIN:4898311024 / 売上順位:103531
ワック(2007-02)
小室 直樹
¥ 1,680(中古:¥ 369)
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レビュー総評点:
70
硫黄島の戦いの戦史上の意義、また歴史的な影響が広範な視野で分析されています。特に、米国の戦争継続能力とポツダム宣言の有利さについての見解は秀逸だと思いました。また、当時の最悪の大本営の下で、これほどの名将がその本領を発揮し得たことの素晴らしさが良く分かります。日本人として第2次世界大戦の意味を良く考え直すには、絶好の書物だと思います。特に日本では現代史に関しては歴史教育は無きに等しいので、このような見識ある意見に目を向け、現代史について理解を深めるべきだと思います。また、一方で愚かな指導者のもとで戦争を遂行しなければならなかった先輩たちに対して、憐憫と悲しみを感じずにはいられませんでした。(hector / 2007-02-22)
単に過去の事実を列挙するだけではなく、硫黄島での戦いのその後の日本への影響、現代的な意味を喝破しているところが本書の最大の醍醐味である。 著者は云う「歴史に学ばなかったために、余りに官僚的であった軍部は、起こさなくてもよい戦争を起こし、数々のバカげた作戦を実行して日本を敗戦に導いた。 それを最後に救ったのは、栗林中将以下、硫黄島で戦った将兵たちであった。 彼らは最後の最後で命と引きかえに日本の失敗をひっくり返し、現在の繁栄をもたらした。 全ては硫黄島の死闘のお陰だ。」これは具体的にどういうことなのか、それを歴史や政治、軍事、教育を始めとする様々な論点から論じたのが本書である。 (nagasaka / 2007-03-04)
歴史を学ばない日本人へ! 「アメリカが硫黄島から多くを学んでいるのに対して、 日本では硫黄島の存在すら忘れている。硫黄島の死闘から 教訓を得て、今日に生かさなければ、それこそ栗林中将以下、 守備隊の二万人の死は無駄になってしまうのではないか」 という著者の上記主張に対しては概ね同意できる。 ただし、その結論に持っていくまでの部分の説明不足だったり 強引だったりするので物足りなさが残ります。 また、以下のような事実誤認と思われる箇所が多く見受けられるるので、 その説得力の無さが増幅されてしまっています。惜しいです。。。 しかしそのような点に目をつぶれば、読みやすくて良いのではないかと。 この価格は高いですが。 ・平成天皇って・・・ ・イラク戦争は「戦争終結宣言」→「戦闘終結宣言」 ・ヘリコプターを積んでれば完璧である? ・原爆投下に対しての「大変な謝罪」が「他の国へ原爆を落としてないから」って? ・時系列があやふやでは? 例1:硫黄島の戦闘後アメリカの打った手 「ソ連の対日参戦に引き込んだ」 ヤルタ会談の事か?ヤルタ会談は「1945年2月」 例2:アメリカは原爆を使用してポツダム宣言を発表 ポツダム宣言 1945年7月26日 原爆投下 1945年8月6日(湘南相撲ナンバー / 2007-03-21)
さすが小室節ですね。「大東亜戦争こうすれば勝てた」や「甦る大東亜戦争」に並ぶ良い本です。これらの本に批判する人は彼の「ソビエトの崩壊」という本を読んでからにしてほしいですよね。「武器は使うだけが能じゃない」とか、「これだけ無駄な作戦ばかりやってたら勝てる戦も勝てない」など、極めて現実的に客観的に合理的に何故負けたのか、何故そうなったのかを説明している。こういう平易で奥の深い解説がとてもとても役立ちますよ。(聞く耳 / 2007-06-07)
大東亜戦争時の硫黄島での戦いの位置ずけと戦後への影響について論証しようとした本。 日本人が歴史に学んで教訓を生かそうとしていないとの指摘はまさに其の通りだと思いますし、私自身も昨年、 硫黄島の映画を見るまで硫黄島での激戦のことはほとんど知らなかった。 その意味では、こうした本が出たことはありがたいことで、読みやすい本ですが、内容が断片的で著者の事実 誤認や強引にこじつけているのではと感じさせる箇所もあり、ある程度基礎知識がないと理解しづらいと思います。 「硫黄島と大東亜戦争について研究すればする程、日本人の長所と短所が、どちらもまざまざと見えてくる はずである。」との著者の指摘は其の通りだと思いますが、そのためにはこの本よりも他の本を読んだ方が参考 になる気がします。 惜しい本です。(本が好き / 2007-05-12)
レビュー数 8
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平均点:4.0
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No.1-8
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硫黄島―太平洋戦争死闘記 (光人社NF文庫) / レビュー総評点:12
『硫黄島―太平洋戦争死闘記 』で画像検索
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ASIN:4769821131 / 売上順位:328607
光人社(2006-10)
リチャード・F. ニューカム/翻訳:田中 至
¥ 800(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
12
当時の戦争で結果的に占領されたとはいえ、それまでの島嶼攻防戦ではなかった多くの損害を米側に与えた戦闘として有名な硫黄島戦。 本書は著者からも判るように米側の記録を中心にその戦闘を記したものである。このため、戦闘員の描写もほとんど米兵のものに限られている。 しかし一方で、エキセントリックな表現がなく、その米側による攻撃の記述を見ると、日本側の被害への想像をかきたてられる。 文中にある双方の損害に関する記述を見ると、損害は米側が多かったかもしれないが、戦死者の数としては日本側の方が多い。そしてまだその多くの遺骨が収集されずにいる現状を考えると戦って亡くなった方々の無念を考えてしまう。(powder1000 / 2004-08-21)
サイパン、グアム等、マリアナ諸島の日本軍が苦闘の末、占領され、それを足場にサイパンから本土へのB−29による空襲が始まりました。 マリアナ諸島から飛来するB−29には、援護する戦闘機が航続距離の関係で付けられず、また、撃破されたされた機体がサイパンの基地までたどりつけず、洋上不時着による乗員救出は専ら潜水艦に委ねていましたが、そこで米軍が目をつけたのが「硫黄島」でした(もちろん本土侵攻の足場作りでもあり、日本側としては本土を初めて侵攻された場所)。硫黄島は戦闘機が本土へ援護する場合の航続距離到達可能地点であり、被害が増大しつつあったB−29援護にうってつけの場所でありました。 本書は、その「硫黄島」で行われた戦闘の詳細録であり、この島での死闘が描かれています。本土防衛に命をかけた男達の最後に涙しました。(コーチャン1 / 2006-12-06)
太平洋戦争中、日本軍の損害をアメリカ軍が上回った唯一の戦場=硫黄島。 日本軍が造った緻密な地下基地を、甚大な損害を出しつつも攻め進んでいく様子がリアルな描写で書かれています。現実の戦争とは、こうも悲惨なものなのか・・・。体験のない私にも、その場面場面が手に取るように見えてきました。 二度と戦争をしてはいけない。争いのない、平和な地球になるように祈らずにはいられなくなる一冊です。(あーちゃん / 2002-02-07)
「3月18日、硫黄島を確保した。27日間の地獄ののちに」。 米国の記者が取材を重ねて書いた本の日本語訳。硫黄島の戦いに関する本は、日本でもたくさん出版されている。しかし、それらの多くは攻撃側である米軍側についてはあまり詳しくないものが多い。よって、米国で出版されたものを和訳した本書は一読の価値がある。 「しかし千田貞季将軍の大ニ混成旅団もひどい損害を受けていた。関東平野一円から集まった兵隊で、九州の師団にはやや見劣りするとしても、太平洋戦争域で最高の奮闘ぶりを見せた」。 日本側の関係者ついても詳しく取材してあり、日本軍守備隊に関する記述はかなり多い。栗林中将の書いた手紙も多く引用されている。交戦場面については、米国側からの記述が中心だが、戦場の状況というものは攻撃側から見る方がわかりやすい面があり、これはこれで受け入れたい。 「海兵隊というのは驚くべき人間の集団だ。彼らは見ただけでぞっとする傷を負って病院にやってくるが、言う事は誰も同じように"早く前線に戻りたい"だ」。 全体的に、通信社の記者らしい客観的で詳細な描写力で、両軍の様子が克明に浮かび上がってくる。非常に質の高いドキュメンタリーである。また、それだけに重い。 読み終えて、日本人のひとりとして、はっきりいえることがひとつだけある。硫黄島の守備隊は本当によく戦った、と。(FreshAir / 2008-11-08)
戦争はダメ
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太平洋戦争でアメリカ軍が日本軍以上の死傷者を出した唯一の戦場だど書いてあったので、日本軍がどんな戦い方をしたのか知りたくて読む気になった。 アメリカ人が書いたドキュメント小説だが、どちらにも偏らず冷静な目で事実を書き表している。訳者の文章もうまく戦場の様子が目の前に浮かんできた。 読み進む内に、日本軍がどんな戦い方をしたかなんてどうでもよくなった。 何でこんなにまでして、人が殺しあわなければいけなかったのか、膨大な費用と労力をこんなことに費やす以外方法はなかったのだろうか。 絶対にこんな悲惨なことは繰り返してはならないと強く感じた。(kfe01551 / 2003-08-03)
レビュー数 6
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平均点:4.0
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No.1-9
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闘魂 硫黄島―小笠原兵団参謀の回想 (光人社NF文庫) / レビュー総評点:-3
『闘魂 硫黄島―小笠原兵団参謀の回想 』で画像検索
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ASIN:4769824491 / 売上順位:320655
光人社(2005-02)
堀江 芳孝
¥ 720(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
-3
小笠原兵団の参謀ということもあり、昭和20年代からさまざまな硫黄島関連の本に関わってきた作者の手記。 ただ、全ての著作をみて感じたのは、本によって内容が変わる箇所が多すぎること。また、実際に戦闘に参加した将兵の手記と比較しても食い違いが多いことからも、内容をそのまま信用して、資料として引用するのには注意を要する書物だと思います。 星一つとしたいところですが、他の資料と比較・検証できる人にとってはそれなりの意味もありますから星2つ。 (viol / 2009-10-04)
映画にもなった硫黄島戦。数々の著書もあるが、この本はわかりやすさ読み応えにおいてベストの感がある。 日本軍はあえて水際作戦をせず、引き込んでの持久戦をとった。しかし、やはり制空権をとられての戦いは、どの戦場でも圧倒的不利を強いられる。 硫黄島では、陣地構築を急いだ。各地にトンネルを造り、敵を撹乱した。 米軍はあらゆる火器や戦車で進出してくる。日本の砲撃を跳ね飛ばす装甲、一度砲撃すると何十倍も応戦される艦砲射撃や正確な爆撃。 あまりにも格差のありすぎる戦力。水を求めさまよえば格好の標的となり、夜襲をかければ肉片を残して散花する人間・・・。 この本には人間の悲しさと時代に翻弄された軍人の生き様が浮き彫りにされている・・・。 最近まで自決したと思われた中将は将校に殺害された可能性も否定できない。(chataroukun / 2009-04-12)
レビュー数 2
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平均点:3.5
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No.1-10
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GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く―戦後日本人の歴史観はこうして歪められた 小学館文庫 / レビュー総評点:935
『GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く―戦後日本人の歴史観はこうして歪められた 小学館文庫』で画像検索
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ASIN:4094028862 / 売上順位:12376
小学館(2002-08-01)
櫻井 よしこ
¥ 690(中古:¥ 164)
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レビュー総評点:
935

自虐史観の原点
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太平洋戦争の戦闘が終結した1945年から、GHQは新しい秩序を構築するために、なりふりかまわずに占領政策を行っていました。 この占領政策の核心である、GHQのマインドコントロールは、アメリカを基本的に「善」として、日本の行ったことは基本的に「悪」とするもので、戦争で亡くなった日本人と、生き残った多くの日本人に汚名を着せるものでした。しかし、当時の日本人の過半数は、和平実現のために潔く負けを認め、汚名を着せられることに甘んじたのです。だから、日々を生きることに集中出来た。それによって、日本は奇跡的な経済復興を遂げたのです。しかし、大局的な事実を知らないがために、マインドコントロールをまともに受けた人々と、それを利用する左翼指導者によって、マスコミや世論は捻じ曲げられて、現在も残る自虐史観は完成されたのです。さらに、内省的な日本人の自虐史観につけこむ中国・韓国・北朝鮮は、いまだに、日本に対して「たかり」を続けているのです。この自虐史観の原点が、GHQによってつくられたラジオ番組「真相箱」です。 本書は、ラジオ番組「真相箱」の台本をまとめた書籍「真相箱」に対し、櫻井よしこさんが説明と論評を加えたものです。桜井さんはどのような相手であろうと、常に是は是、非は非という態度で臨まれる優れたジャーナリストだと思います。彼女のような本物のジャーナリストは、我々に事実を正確に伝えることを仕事としています。ここで注意すべき事は、伝えられる側が勘違いをして、まるで、政治家のアピールのように受け取ってしまって(自己マインドコントロールに陥ってしまって)、過剰な反米感情や、過激な反大陸感情を持たないようにすることだと思います。彼女は、事実を冷静に伝えているだけなのです。こちらも、冷静に受け止めましょう。(yatsugatake / 2005-12-09)
桜井氏の価値ある名著!
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日本の敗戦が見えてきた時期、ルーズベルトはキャンベル英国公使を私邸に招き「日本は四つの島に閉じ込め、そのまま衰亡させる」(英国首相府公文書)と述べ、これがGHQの基本方針になった。そこで日本を破壊する為に「アジアの殉教者」ではなく「世界征服を狙った残虐非道な民族」であると洗脳をした。これが「War Guilt Information Program」であるこの本では、「War・・」の中で最も効果があった「真相箱」を取り上げる。ちなみに「War・・」について知りたければ、江藤淳氏の「閉された言語空間」が最良と思う。( / )
『真相箱』に「GHQの嘘のつき方」をみる
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思うに、『真相箱』が日本人に信じ込ませたかった嘘の最たるものは「日本『国』の『無条件降伏』」である。なぜなら、「日本が国家として無条件降伏した」という前提でのみ、日本国憲法の起草・押し付けをはじめとする米軍の恣意的な占領政策は少なくとも国際法的に合法と解釈しうるからである。無条件降伏でない以上、米軍の占領は国際法の定めるところの「(条件履行を監視する為の)保障占領」であって、占領軍は非占領国の政府、行政機構、法律その他を尊重する義務がある。GHQの7年間の占領政策はどれをとっても「国際法違反」の疑いを免れず、どう贔屓目に見ても「行き過ぎ」であることは間違いない。 だが実際には、GHQの用意周到・徹底した検閲によって、日本「無条件降伏」論・東京裁判・新憲法など占領政策への批判は完璧に抑圧された。占領軍によってもたらされたと誰もが信じた民主主義の根幹「言論の自由」は、事実上蹂躙されていた。 しかしながら、GHQの検閲がいかに完璧にみえても所詮は嘘の塊、ポツダム宣言がいかに人道的かつ非懲罰的な『降伏条件』であるかを強調していることなど、この『真相箱』にもあちこちに綻びが見える。 桜井氏の言うとおり、無条件降伏か否かということは、この国の主権を失うか否かというほどのことである。そして敗戦当時、日本の主権は天皇にあった。主権維持=天皇の地位の保存が日本の指導者達の絶対条件であったことは当然である。左翼の「天皇だけが助かる為に国民を蔑ろにした」などという批判は的外れである。 GHQの占領政策はプロパガンダの上に成立していた。その事実を直視するなら、そこから生まれた歴史観・天皇観にも(少なくとも)再検証の必要があることには疑問の余地はない。(Hiromi / 2004-06-25)
「嘘をつこうとする人間はまず真実を述べる」
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これはユダヤの格言だが、GHQによる言論/思想統制はまさしくこの類であり、極めて狡猾であることが分かった。読み始めた時のイメージとは違い、随所に日本軍の功績をたたえるコメントがちりばめてあったりとGHQはうまく「日本メディア」の仮面をかぶって日本人を洗脳した。これをうまく受け入れてしまったのは日本人の「人の良さ」と「敗戦のショック」のためか。 真相箱の各章?を全文引用しているためかもしれないが、引用部分が多少くどい感がある。そのため、途中からは原文をすっとばし桜井氏のコメントのみを拝読。もう少し整理できたかな、ということで星4つ。 戦略的なプレゼンテーションとプロパガンダは日本人が不得手とする分野だが、そういった点についての自戒と内省のきっかけともなる本だった。(realeyesrealizereallies / 2005-12-19)
『真相箱』に「GHQの嘘のつき方」をみる
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思うに、『真相箱』が日本人に信じ込ませたかった嘘の最たるものは「日本『国』の『無条件降伏』」である。なぜなら、「日本が国家として無条件降伏した」という前提でのみ、日本国憲法の起草・押し付けをはじめとする米軍の恣意的な占領政策は少なくとも国際法的に合法と解釈しうるからである。無条件降伏でない以上、米軍の占領は国際法の定めるところの「(条件履行を監視する為の)保障占領」であって、占領軍は非占領国の政府、行政機構、法律その他を尊重する義務がある。GHQの7年間の占領政策はどれをとっても「国際法違反」の疑いを免れず、どう贔屓目に見ても「行き過ぎ」であることは間違いない。 だが実際には、GHQの用意周到・徹底した検閲によって、日本「無条件降伏」論・東京裁判・新憲法など占領政策への批判は完璧に抑圧された。占領軍によってもたらされたと誰もが信じた民主主義の根幹「言論の自由」は、事実上蹂躙されていた。 しかしながら、GHQの検閲がいかに完璧にみえても所詮は嘘の塊、ポツダム宣言がいかに人道的かつ非懲罰的な『降伏条件』であるかを強調していることなど、この『真相箱』にもあちこちに綻びが見える。 桜井氏の言うとおり、無条件降伏か否かということは、この国の主権を失うか否かというほどのことである。そして敗戦当時、日本の主権は天皇にあった。主権維持=天皇の地位の保存が日本の指導者達の絶対条件であったことは当然である。左翼の「天皇だけが助かる為に国民を蔑ろにした」などという批判は的外れである。 GHQの占領政策はプロパガンダの上に成立していた。その事実を直視するなら、そこから生まれた歴史観・天皇観にも(少なくとも)再検証の必要があることには疑問の余地はない。(Hiromi / 2004-06-27)
レビュー数 15
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平均点:4.5
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No.1-11
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日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く / レビュー総評点:268
『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』で画像検索
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ASIN:409389731X / 売上順位:24725
小学館(2006-04-22)
佐藤 優
¥ 1,680(中古:¥ 378)
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レビュー総評点:
268
1941年12月の開戦直後、当時の政府は戦争の目的とそこに至った経緯を国民に対して論理的かつ実証的に説明することを試みた。その一つが「大川周明」によるNHKラジオの連続講演であり、この速記録は公演が終わった翌月1942年1月に『米英東亜侵略史』として発行されベストセラーとなった。 この著はその『米英東亜侵略史』を全文引用し、前後して「佐藤優」氏が解説を加えたものである。 戦後教育を受けた我々の意識下には、戦時中、軍及び政府は国民にヒステリックなプロパガンダを行い、無謀な、戦争に引きずり込み、その当時の正確な国際状況は国民には知らされていなかったのだろう、という思い込み(アメリカによる摺りこみ)がある。 『米英東亜侵略史』を読むと驚かされるのは、それらの認識は全くの誤りであり、むしろ今の我々より正確に国際状況を認識し、論理的、かつ、実証的に背景を説明していることである。この文章に関しては佐藤氏の説明なしでもすとんと腹に落ちる内容である。 佐藤氏は、その当時の戦争は帝国主義及び地政学的見地からも不可避であったと見ている。だが、その不可避であった理由を軍の暴挙とかで片付けず、冷静に分析することが必要であると説く。それはなぜなら、『今』我々がどう処するかの参考になるからだと。 これ以上は著書に任せたい。まとめることでの誤解の誘発を恐れる。 私が著者の本を読むのはこれで4冊目だが、この本は著者がそれまで前面的に押し出していた国策捜査、外務省、宗教の記述がなく、純粋にその当時の背景及び今を分析している。その分析の際に宗教に話しが及ぶこともあるがそれまでの著書とは明らかに性格は違う。だがやはり著者の本には一本芯が通っているのである。それはやはり愛国心ではあるまいか。自分の国を大事にしない人間が他の国を大事に出来るわけがない、自分の命を大切に出来ない人間が他人の命を大切にできるわけがない、と著者は言う。 それだからこそ著者の本に一本芯が通っていると感じるのであろう。 (草雲雀 / 2007-02-23)
現代に蘇る大川周明
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大川周明は 東京裁判で東条の頭を叩いたことで有名だが そのイメージ、つまり 一種の狂人であったという印象が 現代の僕らにも災いしている。かような「狂人」が書いた本を読もうとは中々思えないからだ。 そんな僕らに対して 佐藤優が 現代に大川を蘇らせたのが本書である。 佐藤優は 現代の論客でも飛びぬけた存在だと思う。神学を学んで外務省に入り ロシア(という 日本人にはいささか不透明な国)で 情報活動に従事し 挙句の果てに獄中で 500日になんなんとする日々を過ごす。その獄中では 宗教、哲学書を読破する日々を送る一方 検察とは対決しつつ かつ 検察側を 惹きつけてしまう。 近年の日本に かような過激で凄みのある経歴を持った人は ほとんど居ない。そんな一種の「カリスマ」の 最大の武器は 平易に物事を語る事が出来る点にある。 本書にしても 大川周明を読み解くに際しても 大川に関して殆ど知識と知見が無い人でも十分読めるように工夫してある。 特に 現代の外交状況と 第二次世界大戦前夜の日本をシンクロさせていく手法は見事である。「歴史から学ぶ」という いささか陳腐な言葉があるが 本書は正しく それである。佐藤優は 物事を語るにおいて 意外性の高い題材を持ち出してくるわけが 今回の大川周明に関しても その手際の良さには感嘆する。そうして 読み易い。これは紛れも無い才能であるとしか思えない。 それにしても佐藤優を通して読んだ大川の言説は 本当に現在にシンクロする。それに一番驚いた。もう少し 大川の本を読みたいと強く感じた。彼は狂人などでは全く無い。あの時代の「知性」だったのだ。 (くにたち蟄居日記 / 2006-12-31)
テキストの読み直し
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大川周明の”米英東亜侵略史”の解説をしながら、現在との類似性をたどり、日本の針路への提言をしている作品です。原著は、予想以上に読みやすいので、解説自体は必要ないのかもしれません。ここに描かれるのは、性善説によってたつことにより、変貌したアメリカという帝国の普遍主義と最終的には、対立せざるを得なかった日本の宿命と大東亜共栄圏構想の道義的な矛盾と妥当性が、淡々と描かれています。最後の第4章では、著者の持論が展開されています。性悪説の必要性と、東アジア共同体構想の持つ幻想と危険性が、的確に指摘されています。それ以外にも、solovievの紹介など面白い視角が満載です。最後まで、著者がその把握に戸惑っているのが、中国という存在です。この不可思議で独善的でかつ性悪説の象徴のような存在の位置づけに著者は戸惑っています。against god's willともいうべき存在とどのような折り合いをつけていくのかは、重大な問題です。しかし、この問題は、きらびやかな”東アジア共同体構想”などで対応できると思うのは、おそらく歴史への無知に由来する、傲慢なのでしょう。(recluse / 2006-06-09)
以前より読みたかった大川周明幻のラジオ講演録『米英東亜侵略史』があのラスプーチン佐藤優の解説付きで復刊されたと知り、ワクワクしながら読んだ。原著は古書マーケットでも高価で、大阪市立図書館では貴重図書として禁帯出扱いである。 大川周明の文章はあの時代にすれば読みやすいほうで、タイトルの割りには意外な程穏健な内容で、こちらが想像していた戦時プロパガンダというイメージではなく、NHK市民大学講座のような感じであった。ただ脚注の付け方が悪い。本文中に注)の表記がない為、どの語句に注があるのか分りにくく、脚注の量が多い頁は、次の頁にまわされていることもあるので非常に読みにくかった。 佐藤優の文章は解説というには余りに自論を展開しすぎで特に「第四部 21世紀日本への遺産」は独立した著作として刊行すべきだったのではないだろうか。他の色々な著作家(ソロヴィヨフ、廣松渉、蓑田胸喜など)を紹介し過ぎるあまり、主役の大川周明の印象が薄れてしまった感がある。 尚、遺族より提供されたというカバーの写真は初見のもので、デザイン的にも秀逸だと思う。(ビン・ラーディン / 2007-02-04)
様々な本や活字を日々読み続けている中でも、この書物のように、 自分自身への重い衝撃・感動を与えてくれるものは稀有であり、 出会ってよかったと、率直に思いました。 ステレオタイプに「右」「軍国主義」「国粋主義」は悪、等という 浅薄千万な●教組の偏向教育に毒され続けた筆者を含めた現代日本人にとり、 この深遠かつ広大、余りにも理知的で論理的な大川の言説・思想は 鮮烈な印象を与え、世界観・歴史認識に対しても大いなる影響を与える ことになるのではないでしょうか。少なくとも筆者はそう感じました。 生きている中で、出会えてよかった、と思いました。 (誤解しないでいただきたいのですが、筆者は決して軍国論者でも 太平洋戦争肯定派でもありません。あくまでも無駄な死を誘う戦争には 徹底して反対です) ただ、北一輝や大川周明の名前を見ただけでアレルギー反応を示したり、 「ラスプーチン」佐藤優に対する先入観・偏見をもってしか読めない方に とっては、何の意味も価値もない書物だと思いますので、あくまでも 徹底した「客観主義」「論理主義」で接していただきたいと思います。 大川氏の「米英東亜侵略史」を初めて読みましたが、その余りにも客観的で 論理的な歴史認識に驚きましたし、世界・民族のあり方を、ここまで深く 広く論じられる彼の偉大な知性に、正に「知の巨人」を見た思いです。 佐藤氏も、現世では異色・出色の知性・才能の持ち主ですが、その能力を この書でも存分に発揮されているのではないでしょうか。 「米英東亜侵略史」に記されている世界観が、実は現代にも繰り返されて いること、そして、結局今の我々は、今も尚手をこまねいているだけの 状態であることが、佐藤氏の課題認識として示されており、危機感を感じざるを 得ませんでした。今後の日本という国の舵取りをされる方々の何名でもに、 この警句・思想に触れておいてもらいたい、そう感じざるを得ません。(Carouselambra / 2007-10-06)
レビュー数 23
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平均点:4.5
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No.1-12
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日米戦争と戦後日本 (講談社学術文庫) / レビュー総評点:126
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ASIN:4061597078 / 売上順位:119399
講談社(2005-05-11)
五百旗頭 真
¥ 1,050(中古:¥ 395)
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レビュー総評点:
126
太平洋両岸の覇権国から、やがて敵国同士となり、最後は勝利者と敗者という対照的な立場になった1940年代の日米両国の外交史を、客観的事実を積み上げて冷静に論じてゆきます。ボタンの掛け違いのように思える点もあれば、僥倖に恵まれたこともあったりして、歴史の不思議さを思い知らされます。紹介されるエピソードも興味深いものばかり。たとえば、よりよい講和条件を引き出すためむしろ日本側が長期占領を望んでいた点があったことなど、意外な事実に驚かされます。“眼からウロコ”を求めている歴史ファンにぜひおすすめしたい一冊です。(竹内正浩 / 2005-05-22)
戦後占領史の第一人者のひとり、五百旗頭真氏の著書の文庫化をまず歓迎したい。 氏は実証的研究で知られる研究者であるが、あとがきで著者自ら記している通り、本書は物語的な色彩がつよく、一般読者には却って楽しめる内容となっているように思われる。 国務省には親日派・知日派と強硬派の両派が対立状態にあったこと自体はよく知られているが、最終的に前者がリーダーシップを握ったことは良識というより多分に偶然(日本にとっては幸運)に左右されたこと、また日本の官僚が占領を逆手に取って戦前から狙っていた国政の改革を実現しようとしていたこと、などは非常に興味を惹かれる内容である。 現在、氏の著作としては中央公論社の「日本の歴史 戦争・占領・講和」や読売新聞社の「占領期」が入手しやすいと思われるが、どちらもお勧めである。本書で氏の著作に興味を覚えた方はぜひ一読されたい。(daepodong / 2005-08-31)
著者は日本外交史の権威であり、特に占領史研究の第一人者。本書は、そのような著者が戦後日本の初期条件としての占領期をクリアーに描き出すものである。 米国はアジア太平洋戦争開戦直後から、戦後構想と対日占領政策を練り始めていた。構想は根強い「ハードピース」論者と「ソフトピース」を企図する「知日派」との間の葛藤、ポツダム宣言を経て、天皇制と日本政府を温存しつつ日本の非軍事化と民主化を進める路線として結実していく。 そのような改革路線を、GHQは日本に対して強制していくことになる。そして吉田茂ら、したたかな日本の保守指導層は、「非軍事化と民主化という強制を積極的に受容し協力することによって浮かび上がっていく」ことを試みていくことになった。結果的にはそのような路線は、敗戦という国民的原体験から要請される平和主義に適うものとなり、戦後の日本の政治外交を規定し続けることになる。 占領期には戦後日本再建を目標とした「日米共同作業」の過程が見られた、とする著者の表現は的確である。確かに、巷で叫ばれるような勝者による敗者への改革の「押し付け」などといった議論がいかに単純であるかは本書を読めば一目瞭然であろう。(著者自身、偏狭かつ単純な「押し付け論」にはかなり批判的である) 今日、「戦後の清算」などといった言葉が軽いノリで叫ばれる。そんな中、そもそも「戦後」とは何だったのか、じっくり原点に戻って考えようという方にお薦めしたい。ダワー『敗北を抱きしめて』、古関彰一『新憲法の誕生』、中村政則『象徴天皇制への道』などと並んで占領期の日本を考える上で有意義な一冊である。 (小僧 / 2007-02-08)
とても良書です。 一部引用 「原爆投下目標 京都の除外と 天皇制の保障」 トルーマン大統領の政治顧問であったステムソンは ★京都を原爆投下の 優先第一目標としてきた、軍部、国務省の方針に 反対して大統領へ意見を述べた。 米国軍部や国務省の原爆開発の関係者によると 「京都は千年の都であり日本における 知的、文化的中心であるゆえの 日本人に対する★心理的ショックの大きさが重視された。 実施関係者にとっては京都は実験地としては 周囲を山地に囲まれて地形的意味で☆最適であった。」と。 しかし、戦後の日米関係を展望して そうした京都への原爆投下が残す対米感情の永久的なしこりを考慮して 「このような★無分別な行為によって生じる悪感情は、 戦後長きにわたって日本人が、 ★ロシア人で無くわれわれと 和解することを不可能にするかもしれない」 すなわち 「米国に好意的な日本人という 我々の政策上の要請を阻害する」結果となる 。 ステムソンはそうトルーマンに訴えて 京都を原爆投下の第一目標から除外するよう求めて。 トルーマンは即座にステムソンへの同意を、強く表明した。」 またもう一点は★天皇制の問題であった。 「ポツダム宣言」草案では、パーキンス新国務長官の修正によって 天皇制存続に関する言及部分は削除されていた。 24日ステムソンはトルーマンに対して 天皇制存続を声明文から削除せざるを得なかったことへの 遺憾の意を表し、 このうえは 「もし日本人がこの一点ゆえに戦い続けるようであれば、 大統領が外交チャンネルを通じて 口頭で保障を与えることを考えて、 注意深く事態を見守ってもらいたいと思う」と要請した。 トルーマンは、その事は自分も考えており、 そのように取り計らおう、と即座に約束した。
随所に明晰な見解や古典より引用した 文脈が展開されていたり 戦後の日本と米国との関係史での重要な観点や記述があり、 極めて秀逸な論文だと感じました。
現在この方は★厖大の学長でしたですよね。 (天空の龍 / 2007-05-23)
分かりやすい筆致で、占領期前後の日本の姿を描いた。 政治に携わっていた人たちの行動が、躍動感をもって伝えられている。 政治史は現代の政治を考えるうえで、非常に参考になる。(財務省三 / 2005-07-25)
レビュー数 7
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平均点:5.0
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No.1-13
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東京裁判 日本の弁明 (講談社学術文庫) / レビュー総評点:130
『東京裁判 日本の弁明 』で画像検索
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ASIN:4061591894 / 売上順位:179863
講談社(1995-08-04)
編集:小堀 桂一郎
¥ 1,365(中古:¥ 252)
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レビュー総評点:
130
東京裁判関連の本は出来るだけ読むようにしています。無理のある起訴状をことごとく否定する戦犯、負けたとたんに手のひらを返して戦争指導者を批判する庶民、冷戦初夜のぴりぴりとした緊張感で駆け引きをする判事。そういった状況が想像できてとても面白いからです。 このレビューを書かれた方の中に、「日本は領土割譲と賠償金支払いを免れたのだから、この裁判も良かったのではないか」との意見がありました。この本を読み、他の関連本を読み、日本の戦後保証の流れと当時の冷戦になりつつある世界状況を鑑みれば、その意見は間違いであると思います。 100歩譲っても、日本は戦前からの領土であった朝鮮半島と台湾を失いました。これは領土割譲でしょう。また中国に対してはODAとの名目で3兆円にものぼる有償無償のお金を払い続けています。これは形を変えた賠償金でしょう。 アメリカに対しては、冷戦構造の中、日本は西側陣営に組み込まれる形で、朝鮮戦争、ベトナム戦争の兵站基地になりました。結果として繁栄できたから良かったものの、当時ソ連から核攻撃される確率のもっとも高い国は、日本だったでしょう。 そんなことを思いつつ、戦勝国の思惑が入れ混じった東京裁判の本を読んでいると、色々なことを想像できます。(けんじろう / 2007-09-08)
理性的な戦後処理???
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東京裁判は”理性的な戦後処理”でしょうか? まず、これは裁判であり条約ではないので領土の割譲や賠償金について言及するものではありません。 領土の割譲についてはサンフランシスコ講和条約、賠償金については日本政府がどれだけ他国に支払っているのか今日でも明白でしょう。 この裁判は昭和天皇の誕生日の4月29日に開かれました。この裁判のために必要な費用27億円は日本政府が負担したそうです。 敗戦後で物理的・精神的に荒廃した日本政府がこれだけのお金を費やして行われた裁判の内容はどうであったか。近代法治国家では 禁止されているはずの”事後法”でした。加えて偽証罪は無効。これだけでも”リンチ裁判”と呼ばれるに値するでしょう。 もしこんな裁判で貴方が被告に立たされたらどう感じますか?このような何一つ正しい法的処理を経ることなく戦争犯罪人というのは 決められたのです。それぞれが絞首刑や終身刑に課せられたのですが、その絞首刑の執行日は皇太子殿下(現天皇陛下)の誕生日である 12月23日に行うという徹底した陰湿ぶりです。 これだけの事実を知りながら、まだこれを”理性的な戦後処理”と呼べるでしょうか?( / )
『抜粋』でなく全証拠を集めてほしかった。
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無理だと承知で、敢えて減点させていただきました。かつて33年前に筆者の講義を聞いた学生としては、「東京裁判」史観に対する批判を行なうには、東京裁判の「法律的な」問題と、訴訟指揮の中で闇に葬り去られた証拠の両方を提示しなくてはならないと思っております。 小堀先生には、「全証拠」を集めてほしかった。紙幅の関係で割愛したのかもしれないが、 全部を突きつけないと、でないと、「東京裁判」史観擁護派に、「あの証拠はないのか」という言い訳を与えることになってしまうからだ。 労作ご苦労様。しかし、もう一息頑張ってほしかった。 (キャバンクラブ / 2006-10-27)
日本は明治以降、日清、日露、第一次大戦などに参戦し、賠償や領土の割譲、租借地の拡大などの利益を得てきました。 もし日本がこれまでやってきたやり方で太平洋戦争の戦後処理をするなら、とてつもない賠償金と領土の割譲を強いられていたでしょう。東京裁判は勝者の報復的政治ショーとよく批判されますが、幸い、連合国は、賠償金と領土の割譲などを求めず、戦争指導者を裁くという方法をとりました。最大の交戦国だったアメリカと中国に日本は賠償を払わずに済みました。東京裁判は、理性的な戦後処理の一環だったと思います。 東京裁判を批判する人は、連合国に賠償金を払い、領土を割譲して戦後処理をしたほうが、戦争指導者を裁くことよりも日本人にとって 良かったと思っているのでしょうか。( / )
歴史は必ずといって良いほど勝者側の視点から語られる。もちろん第二次世界対戦も例外ではない。戦後開かれた東京裁判は裁判とは名だけで、そこに公平さや正義は存在してなかった。問答無用で日本は悪と決め付けられ、戦勝国の言い分のみが通るリンチ裁判であった。 本書はその裁判で闇に葬られた日本の言い分を細かく知ることができる価値ある一冊だと思う。日本のとった行動の真の理由がここにある。 歴史というものを考える良い機会になった。(shinzitu / 2003-04-20)
レビュー数 5
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平均点:4.5
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No.1-14
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虜人日記 (ちくま学芸文庫) / レビュー総評点:216
『虜人日記 』で画像検索
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ASIN:4480088830 / 売上順位:126024
筑摩書房(2004-11-11)
小松 真一
¥ 1,365(中古:¥ 900)
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レビュー総評点:
216
この日記の史実資料としての意義については、山本七平氏「日本はなぜ敗れるのか - 敗因21ケ条」に詳しいですが、当時の軍部の情報を多く持つ立場でありながら、民間人(軍属)として比較的利害関係のないポジションで冷静な観察ができている、といった点は確かに一読すれば窺い知ることができます。 本書の意義に限らず、その背景、分析などについては、「日本はなぜ敗れるのか」に余りに的確で詳しく考察されています。一方、個人的に感じたことは、極限状態での人間の実態はこうも惨めでむごいものか、ということでした。本書でも山口大佐という立派な将校の話(比人からの信用も絶大、信念の強い人であり、馬鹿な閣下の命令には決して服さず敬礼もしなかったという)が紹介されていますが、こうした人は本当に稀だったのでしょう。確かに生死を賭け、「最後の食料を他人に差し出せるか」といったぎりぎりの問いに、明確に答えられる自信は少なくとも今の僕にはありません。本書の語り口は淡々としているだけ、人間の「弱さ」というものをつくづく考えさせられます。 山本氏も書いていますが、こうした極限状態を生み出さない、といった努力がまず求められることであり、極限に近づくにつれ残された選択肢は狭く、恐ろしく辛いものになってしまう、ということを、本書を読むことによって痛感 = 追体験します。また、ぎりぎりの状態での自分の態度というものを想像し、その緊張感を普段の生活の中で意識することは、間違いなく通常の自分の生活態度や人間関係を見つめ直すひとつの視点になります。(omr / 2005-05-11)
終戦間際、著者はブタノール製造を任務とする文官としてフィリピンへ赴く。 そこで日本軍の敗退、ジャングルでの彷徨、そして終戦。投降とその後の捕虜 収容所での生活を体験する。事態のただ中に身を置きつつも、科学者としての 冷静な観察がなされ、余計な修飾を廃した稀有な記録が残されることになった。 本書を世間に知らしめた山本七平氏はその価値をこう紹介している。 「戦争と軍隊に密接してその渦中にありながら、冷静な批判的な目で、しかも 少しもジャーナリスティックにならず、すべてを淡々と簡潔、的確に記してい る。これが、本書のもつ最高の価値であり、おそらく唯一無二の記録であろう と思われる所以である。」 また山本氏は解説のなかで、投降後の捕虜収容所で、ジャングルを生き抜いた 屈強な男達が、いともた易く一握りの暴力団的グループの配下に組み込まれ、 コントロールされていく様を記した部分にふれ、現在の問題としてもなお生き ているという。確かにその通りだろう。国民必読の書。(白頭 / 2005-02-26)
日本人の反省
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先ずは、この、虜人日記がちくま学芸文庫として再販されたことを祝いたい。 しばらく忙しさにかまけて読了できないでいた「日本はなぜ敗れるのか」を閉じることができたたその日に虜人日記の再販を知ることになった、天啓が降りたような気分である。山本七平氏をして「日本はなぜ敗れるのか」を出筆せしめるに至った虜人日記をついに読むことができる日がこようとは。 先の大戦から半世紀を大きく過ぎ、語り部となられた方々も多くが去られる中、虜人日記はただその戦況の壮絶さや戦場の悲惨さを語るのではなく、冷静な分析を持って極限におかれ露呈した日本人の真相を私たちに残してくれたのだ、小松氏の予言とも言える日本を見る目は、今日本が自らの道を自らで決めなければならないこの時代に今一度自らが何者であるのかを問い直すための鏡になってくれるだろう。 日本の敗因、日本人の暴力性などの小松氏の分析はひごろから私が日本に抱いていた「日本人は自然に非合理なもを合理性と自分たちが思い込んでいる非合理によって黙殺するのではないか」「公的のものも含めて日本における権力というものは総じてやくざ的構造を帯びてくるのではないか」などの疑念を確信へと導いてくれた。 虜人日記再販に尽力された諸兄に感謝しつつこの文を終わりたい。 戦争を反省することに疲れ果てた日本人に問う、私たちは本当に反省してきたのか? (adm45 / 2004-11-18)
山本七平「日本はなぜ敗れるのか」を読んで以来、そのベースと なった本書をぜひ読んでみたかったが、このたび復刊が実現し 期待を持って読んでみた。 本書は著者がフィリピン戦線で体験した日本軍の行動が率直に 語られている。また日本軍に従って戦った朝鮮人、台湾人、 フィリピン人のことも語られている。もちろん勝者の米軍に ついてもだ。個々の話はどれも心を打つ。食糧が尽きた 日本兵が友軍同士殺し合ってその肉を食う話、ウジの涌いた 母親の死体にいつまでも取りすがっている幼児の話、 栄養失調のため温泉に入ったとたん心臓麻痺で死んだ兵士の 白骨が累々と温泉のなかに沈んでいた話などフィリピン 戦線はここまで悲惨だったのかと改めて思い知らされた。 さらに捕虜収容所での数々の体験と見聞が著者の人間観察を さらに深くする。収容所では戦場以上に人間の醜い面が露呈する。 著者は戦場と捕虜収容所での体験から人間とは何か、 日本人とは何か、そして大東亜戦争の敗因(敗因二十一箇条)は 何かを冷静に考え、それを数冊の手帳に記し、骨壺に隠して 日本に持ち帰る。 敗因二十一箇条のうち、日本の不合理性、米国の合理性、 精神的に弱かった、克己心の欠如、反省力なきこと、 個人としての修養をしていないこと、独りよがりで同情心が ないこと、日本文化の確立なきため、日本文化に普遍性なき ため、などは今日の日本の姿であり60年前と少しも 変わっていない。 本書は会田雄次「アーロン収容所」と同等あるいはそれ以上の 地位を占めるべきと言っても過言ではない。 本書は大東亜戦争を日本によるアジア侵略と見る人にも 日本によるアジア解放と見る人にも、またそれ以外の人にも お薦めの書である。(イサーン太郎 / 2004-12-14)
著者は醸造技術者で、第二次大戦中にはフィリピンで軍事用アルコールの製造に携わった。本書は、まだ日本が勝っていた頃、負け戦になりジャングルの中を逃げまどった頃、終戦後にアメリカ軍の捕虜として暮らした頃の三部構成で書かれている。 ずっと付けていたノートをもとに、収容所できちんとした文章にまとめたものらしい。戦争の現場での記録であり貴重。 内容は、戦争の恐怖、ジャングルでの食糧確保の大変さ、将校たちへの憤りが中心になっている。本人による絵も多数が納められている。文章も絵も意外に陰惨ではないので、読みやすい。 面白いのは、偉い人間とはどういう人なのか、という問題があらわれていること。負け戦あるいは窮状にあっても、部下や他人の面倒をきちんと見られる人間が、結局は偉いのだということが書かれている。 また、著者は日本犬保存会の主要メンバーでもあったことから、ところどころにイヌの話が出て来るのが興味深い。(志村真幸 / 2007-11-16)
レビュー数 6
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平均点:5.0
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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) / レビュー総評点:294
『日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 』で画像検索
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ASIN:4047041572 / 売上順位:34320
角川グループパブリッシング(2004-03-10)
山本 七平
¥ 820(中古:¥ 77)
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レビュー総評点:
294
日本人、このか弱きもの
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「私の中の日本軍」「空気の研究」など、自らの戦争体験をもとに痛烈な日本人論を著してきた山本七平氏が、小松真一という同時代の技術者による「虜人日記」という著書を評論する形で、旧日本軍の太平洋戦争での敗因を論じています。「失敗の本質」(戸部良一他、中公文庫)はじめ、日本の敗因を分析した著書は数多くありますが、戦場における軍という組織と人を、これほど現場感覚をもって語っている著作というのは実はあまりないのではないでしょうか。 山本氏によれば、小松氏は敗因を21項目挙げています。例えば、「物量、物資・・・米国と比べ問題にならなかった」「陸海軍の不協力」など、よく言われているものもありますが、一方で、「精兵主義の軍隊に精兵がいなかったこと」「精神的に弱かった」「ひとりよがりで同情心ないこと」「日本文化に普遍性なきこと」等、一見するとあれっ、と感じるようなものもいろいろ出てきます。しかし本書を読み進めていくと、小松氏の著述と山本氏の体験がオーバーラップし、その圧倒的な臨場感で各項目の言わんとしていることに納得させられてしまうのです。 本書は1975年の雑誌連載をまとめたものなので、当時の組合や学生運動など、少々古臭い記述も散見されますが、ではそれから我々は何が変わったろうか、と自省させられることにもなります。 余談ですが、本書で若き日の田原総一郎氏の記事が山本氏にこき下ろされている箇所がありますが、この人って昔からこういう人だったのね、とおかしくなりました。(benkeiu / 2004-04-05)
「日本人とユダヤ人」偽著者論争以来、山本氏に興味を持ったことがなかったが、 書店でふと手に取った本書は、立ち読みして止められなくなり、購入したが非常におもしろく、 かつ永久保存版にして、何度も読み返したいと思わされる内容であった。 敗因分析については、様々な本を読んできたつもりであったが、 それでも本書により、自分が全く知らなかった戦地における日常というものを知らされた。 「お国のためにと会社を辞めてきてみれば、現地に着いてもすることが無い」 「兵隊をこんなに送られてきても困る」等という描写は、 「失敗の本質」を浮き彫りにするものであり、また現在の我々にも決して無縁なものではなく、 (であるからこそ、何度も読み返したいと思うのであるが) 「戦火に逃げ惑う親子」「大本営の現状認識の甘さ」等などという、 よく聞く戦争論よりもある意味で非常にショッキングだった。 バシー海峡の鬼気迫る兵員輸送状況こそ、餓島での死屍累々という情景以上に、もっと世に知られてよいのではないか。 唯一指摘すべき点があるとしたら、これを「日本人」の問題とする点である。 敗因分析はよく英米との対比で語られるが、それではもし同じ状況に置かれたのが、 日本人でなく他のアジア人だったら、ドイツ人だったらどうだったのか、という点は、論議を待ちたいところである。 同書は、敗因分析を超えて、「いつ書いたのか」「どこで書いたのか」「誰がどういう立場で書いたのか」 という視点から見る、「信じうる報道のスタイル」という点も学ぶところが多かった。 左へ右へとよれてきた日本の自己反省が、この時期にこういう冷厳な事実分析に立ち戻り、より信じうるものとなってきた。 今の時代に、本書を改めて刊行してくださったご担当者の慧眼に感謝したい。 著者の他の太平洋戦争物も全て読んでみたいと思っている。( / )
歴史は苦手ですしあまり興味もありません。この本もたまたま目に付いて読んでみただけでした。しかし読んでみると非常に戦争、日本、未来について考えさせられました。歴史に興味がない人でも一読の価値ありです。戦争で知らなかった一面を知ることができて大変有意義でした。もう1回読んでみたいと思います。(新書派 / 2006-11-17)
小松真一さんの「虜人日記」を基に同じフィリピン戦線で従軍経験のある山本七平さんが評論考察した ものですが、歴史資料としては「現地性」と「同時性」という二つの評価基準に照らし合わせて評価する必要が あること、著者曰く、「30年ぶりに本物の記録に巡り会った」と感じた意味が読んでみて解りました。 小松さんの技術者としての冷静で客観的な視点で終戦直後の収容所内で書かれた記録、なぜ日本が 敗れたのか。 小松さんが指摘した失敗の21箇条:「バシー海峡」、「日本文化に普遍性なき為」、「指導者に生物学的 常識がなかった事」等今まで聞いたことも無い項目が並び、頭の中で疑問符がいくつも浮かびましたが、 読み進めてみて納得しました。 今まで聞いてきた「物量で負けた」、「技術で負けた」そんな簡単な総括では済まされない「物量があ っても」、「技術があっても」勝てなかったと思います。 それ以前に[物量がないことは最初から 解っていた。」それなのに「なぜ戦う羽目になったのか?」、「物量の不足を補う工夫は出来なかったのか?」 そういう常識が全て無視されてしまったことに根の深さを感じます。 戦後、経済に形を変えて同じ間違いをすることがしっかり予言されていてそれが的中してしまっていること に愕然としました。 最近、戦争関連の本を読んでいますがアメリカ側で先の大戦を批判したヘレン・ミアーズ著[アメリカの鏡 :日本」を読みましたが、この本が終戦後に出版されたのに対して小松さんの「虜人日記」が出版されるまで 戦後30年掛かってしまうことに本当の問題があるような気がします。 「過去を正しく分析しなければ、現在の出来事を正しく見ることは出来ない」とはチャーチルの言葉で 今、この時期に戦後に総括をしっかりやっておかないと昨今の「反日」イデオロギーに流されて自分たちの 歴史も文化も失っていくような気がします。 この本は、何度も読み返して理解を深めるべき本だと言えます。 一人でも多くの人に読んでもらいたい本です。(本が好き / 2006-09-04)
本書は新発掘というべき山本七平の未刊行論文である。しかし内容は、『私の中の日本軍』『ある異常体験者の偏見』『一下級将校の見た帝国陸軍』といった山本の「軍記物」のダイジェストともいいうる側面を持つので、初めて山本の読者となる人には実にぴったりの書であるといえる。 いつもながら山本の「戦記物」を読むと本当にやるせない気分にさせられる。日本人の劣等性が、これでもかこれでもかといった調子で、しかも醒めきった視点から提示されるのである。しかしそこには、自虐的な趣味や偽善的正義感といったものは微塵も存在しない。読む者は、ただただそこに抽出された事実と思索の集積の前で考え込むしかない。そしてここに提示された敗因の殆どすべてが未だに未解決のまま、この国に巣くっていることに思いをはせずにはいられないだろう。 おそらく現在の日本は、戦時中に見られたのと同じ欠陥と劣等性をさらけ出し、ジャングルの奥へ奥へと撤退に撤退を重ねているように思われる。20年前に書かれた本書が未だに刊行される価値があり、一読される価値がある所以である。 小林よしのりは「日本人であることの栄光」を描き喝采を浴びた。その一方で「日本人であることの悲惨さ」を描き続けた山本に世人の眼が行かないのならば、それは余りにバランスを欠くと言うべきである。その意味で本書は今こそ読まれるべき名著だ。(ヨーゼフ・K / 2004-08-11)
レビュー数 39
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平均点:4.5
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No.1-16
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失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) / レビュー総評点:259
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究 』で画像検索
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ASIN:4122018331 / 売上順位:472
中央公論社(1991-08)
著:野中 郁次郎/著:鎌田 伸一/著:村井 友秀/著:寺本 義也/著:杉之尾 孝生/戸部 良一
¥ 800(中古:¥ 265)
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レビュー総評点:
259
とても読み応えのある内容でした。 また、本書の内容は会社経営にも非常に参考になる点が多いと思いました。 前半で6つの戦闘の経緯を詳述し、後半で6つの戦闘から帰納的に導かれる日本軍の特質を米国軍と対比することで分析しています。 読み応えについては、単に後半で、使っている単語・文章が比較的難しい(創造的破壊、下位の組織単位の自立的な環境適応、など)ということもあるかもしれません。 しかし、文脈で捉えれば容易に理解でき、また前半の各戦闘の説明が非常に詳細な具体例として挙げられていることで、抽象的な言い回しも十分に理解でき、かつ、抽象的にも思える文章に説得力が増します。 各戦闘の敗退の理由にはもちろん、物量に乏しいというのと技術的に立ち遅れていたという日本軍の特色もありますが、本書を読むとそれだけではなく、日本の戦略策定における原則的な考え方や組織上の問題点などが一番の問題だったと言うことがわかります。 さらに言うと、なぜ技術的に立ち遅れていたのかということもその根本的思想に原因があったことがわかり、今までの私の表面的な日本軍像がちょっと変化しました。 これは、会社経営に大いに通じることがあり、非常に多くの示唆に富んだ内容でした。 あなたの会社は、旧日本軍になってませんか? 正直、お勧めです。(dream_blade / 2005-01-18)
必読の名著です
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戦争論かと思われる方も多いかも知れませんが、旧日本軍を題材にしながら語られる『組織論』です。したがって、企業であれ、官公庁であれ、学校であれ、なんらかの『組織』に関わって生きている多くの人にとって多かれ少なかれ関係する『組織』そのものについて分析している本です。 いい組織を作りたいと望まれている極力多くの人に本書を読んでもらいたいと思います。 今の時代、例えば多くの企業が業績不振にあえいでいますが、その『失敗』の原因がどこにあるのかと考えた場合に、組織運営の方法に原因の一部があったりします。硬直的な組織で、自己学習が出来ない組織、あるいは過去の成功体験に上手く適合しすぎてしまうあまり変化に対応出来ない組織などなど。 軍隊に興味があってもなくても、組織論という観点から見ると非常に分かりやすい事例が述べられています。どういう風にすれば成功する組織が作れるのか?学ぶ糸口になるのではないかと思います。 最後に共同著者の一人であられる、野中郁次郎氏は現役で一橋大学大学院国際企業戦略研究科(英語のMBAコース)の教授をされており、世界的な名著『知識創造企業』の著者の一人でもあります。ご参考までに。(satotsuji / 2003-01-25)
ハードカバーの初版から丁度23年、この書は名著である。文章は良く内容はとても面白い。様々な点で、日本人は全く変わっていないと思い知らされる。作戦司令部は兵站無視、情報力軽視、科学的思考方法軽視の風潮があり、独自の風土で硬直的に官僚的な思考で、現場を見ることなく机上でのプラン作り、その上に無責任極まりない。一方で現場に行く参謀本部作戦課の辻政信班長のように、現場で独断専行、無茶苦茶なことしてくれる。闇雲に突破一辺倒と敵戦力の過小評価の牟田口中将は科学的な数字、情報、合理的論理性がない。ある空気によって支配される議論と空気、その場しのぎの中途半端な行動、コンティンジェンシー・プランの欠如、超エリート集団の強固で濃密な人的ネットワーク、「間柄」中心の組織意思決定、その決定の遅れと重大な失敗、相手の過小評価と自己の過大評価、知識・情報の共有の無さ、士官学校、陸大での暗記中心、定型的な教育、信賞必罰の不徹底、どれをとっても現代日本の身の回りにあるようなことで、非常に参考になる。(正義の味方 / 2007-05-04)
社会学的な見地
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失敗および組織の社会学的研究の題材として第2次世界大戦で敗北した日本軍を取り上げています。こういう見方で旧日本軍を観察することに対する目新しさを感じました。また、日本軍の組織が日本的集団主義、つまり官僚制を採用しながら情緒性を重視する中途半端な組織であったために一つの失敗が多くの失敗を誘発してしまったという考え方を一つの柱として書いています。これは旧日本軍に限ったものではなく現在の日本の政界および会社組織にも当てはまることであり、現在の日本の状況は、この本に書いてあるように失敗の本質を十分理解し、反面教師としない日本人的考え方に基づくものであるかもしれません。(平和 / 2002-11-12)
日本軍の失敗から見えてくるものは非常に多い。 論功行賞ばかりで、罰のない日本の官僚性 ミスをしても、とがめられることも、出世コースから外れることのないエリート官僚 まさに日本軍の高級将校と同じではないでしょうか。 このような組織、制度が日本をだめにしてきたことに未だ気づかないおろかさ。 わたしたちは戦後、過去の失敗・過ちについてあえてタブー視して、一切の反省を試みなかったことにこそ問題があったのではないでしょうか。 反省させられることの多い本です。(乱読者 / 2007-08-08)
レビュー数 86
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平均点:4.5
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No.1-17
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ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 (中公文庫BIBLIO S) / レビュー総評点:91
『ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 』で画像検索
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ASIN:4122040426 / 売上順位:182082
中央公論新社(2002-06)
原著:Ernest Che Guevara/エルネスト・チェ ゲバラ/翻訳:五十間 忠行
-(中古:¥ 150)
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レビュー総評点:
91
ゲリラ戦士の息づかい、鼓動
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チェ・ゲバラの著作というと、まず挙げられるのが『ゲバラ日記』、次は『モーターサイクル・ダイアリーズ』で、本書はそのまた次くらいでしょうか… 知名度はおそらく上記の順番だと思いますが、読みやすさという観点から考えると、この順番は全く逆になると思います。 上記の2つは両方「日記」なので、背景の知識がないと、読破するのさえなかなか難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか(特に『ゲバラ日記』)。 でも、本書はチェが“ゲリラの教科書”を作るような感じで書いたわけですし、しっかりと読み手のことを考えて書かれています。 そして、本書は実際第三世界のゲリラのバイブルとなっています。 今現在、日本では「ゲリラ=テロ集団」と考えている方も多いと思うのですが、“ゲリラの教科書”である本書で、チェはきっぱりとテロを否定しています。 ゲリラは悪いものだとする情報操作にいいように操られないためにも、本書を読んでみるのも有益かと思います。 ソレデハ…(che-guevara / 2006-03-25)
よく間違われるがゲリラ活動とテロは全く異なるものだ。本書の中でもゲバラは、敵対する重要な中心人物を抹殺する以外は、テロを避けるべきだと述べている。 また、左翼活動家や反体制派の教科書であると、簡単に断ずるのも誤りだ。本書ではゲリラ戦争の仕方について、具体的な装備や、戦術の取り方、破壊活動や、宣伝工作に至るまで具体的に書いてある。祖国防衛のために戦う右翼・愛国者にとっても、非常に参考になる本だ。 この中では、ゲリラ戦士に必要な諸要件についても詳しく書いてある。夜間に50kmの歩行をこなし、2日間、食料が手に入らず絶食していても、戦闘に何の支障も無い体を持っていなければならない。風呂には入れず、眠る時はハンモックと屋根代わりのナイロン布を使い、靴は履いたままだ。病気や負傷にあっても、医者にもかからずに自然治癒に任せられる強靭な肉体が必要だ。 また国民を味方につけるために、非常に高い規律遵法、克己心があるべきで、禁欲主義者でなければならない。 これらすべては、確固たる思想、理論を持っているから可能となる。ゲバラはマルクス主義者であったが、右翼にとっては、理論に裏打ちされた愛国精神が必要だ。 将来、中国やロシアの明白な侵略、あるいは傀儡政権による間接的なアメリカの侵略に対して、日本人ひとりひとりが立ち上がらなければならないとき、本書はきっと役立つであろう。もちろん、そのような事態を防ぎ平和を守るために、我々国民が常に努力するべきなのは言うまでも無い。(ひろ×3 / 2007-12-30)
卓抜なゲリラ戦の指揮官としても著名なゲバラの戦術論。実際、教科書としても使われたのだろうが、たしかに実戦にそくして有益な内容であるように思われる(経験がないので判断できない ;) しかし、問題にすべきは、革命戦は各地で行われたが、成功したケースと失敗したケースがあるのはもちろんのこと、キューバ革命はその稀有な成功例であるということだ。この「ゲリラ戦争」だけではその成功の理由を説明できないように思う。じじつ、この後ゲバラが指揮をとったコンゴとボリビアは失敗に終わっているわけなので、われわれはその理由を別の場所に求めなければならないのではないか、と考える。(daepodong / 2005-10-31)
平等という精神を忘れずに大人になり、ひとりひとり情熱を持ち寄り集まってシエラ・マエストラ級の情熱を武器に戦った者達の情熱が詰まった本である。 この本の著者はチェ・ゲバラであり、チェ・ゲバラを殺した本でもある。もし彼に伝えることができるのならば『敵に知られてはならない戦術なら、なぜ本にした?』と言いたい。でも彼なら笑みを浮かべながらこう言い返すだろう『いまや全世界でベストセラーだろ!』いまやゲリラ戦士達のバイブルである。 彼の人間性を踏まえて読むと、さらに味が出てくるオススメのバイブルです。(コウヘイ / 2007-11-05)
レビュー数 6
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平均点:4.5
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No.1-18
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補給戦―何が勝敗を決定するのか (中公文庫BIBLIO) / レビュー総評点:476
『補給戦―何が勝敗を決定するのか 』で画像検索
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ASIN:4122046904 / 売上順位:4439
中央公論新社(2006-05)
翻訳:佐藤 佐三郎/マーチン・ファン クレフェルト/原著:Martin van Creveld
¥ 1,500(中古:¥ 1,089)
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レビュー総評点:
476

読み応えのある解説
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古典的名著の復活もさることながら、この本が中央公論新社から発売された最大のポイントは巻末に付されている石津朋之氏の解説論文である。翻訳の内容そのものは原書房から出版されていたものとまったく変わっておらず、おそらく誤訳であろう文章も散見される。だが石津氏の解説論文はその誤訳を訂正したうえクレフェルトの主張を簡潔に整理、それに加えてクレフェルトのその他の著作を総合して「マーチン・ファン・クレフェルトとその戦争観」という非常に読み応えのある解説を行っている。新書にこの値段は少々高いと思うが、石津氏のこの解説論文だけでもこの値段を払う価値がある。絶対おすすめ、一押しの軍事関連本である。 (ボスねこ / 2006-07-15)
まさに補給戦
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興味深い一冊だった。類書が少ないだけに、関心のある方には一読を勧める。ただ、そう難解な本ではないものの、理解のためには本書で述べられている戦いに関する基礎的な知識は多少は必要だ。 特に印象的だったのは、ナチスドイツの東部戦線での補給に関する分析と、砂漠の狐と呼ばれたロンメルの戦術に関する補給面からの考察である。一般的に、これらの戦いはヒトラーの介入が作戦遂行を困難にした大きな要因と指摘されていて私もそう信じていたのだけれど、著者の分析データからは少し異なる見解が浮かび上がってくるのがちょっと驚きだった。 我々はどうしても派手で独創的な戦略や作戦や戦いそのものに目が行きやすい。しかし、結局、優れた戦略を成功させるには、それを支えるための地道な調査や兵站や補給物資や補給線の確保維持という、一見面白くもなく基本的だが実は非常な困難さを伴う作業とそれを担う部隊抜きでは難しいというのが実感としてわかってくる。その一方で、完璧な準備をもって実施される作戦というのは実は少なく、そのような準備が可能で物量にも恵まれたノルマンディー上陸作戦ですら結局は予定通りには進まなかったと示してくれる。そして、だからこそ、それを乗り越えて作戦を成功に導くには卓越した能力と臨機応変さと決断力を持ったリーダシップの存在が必要であることも同時に明らかにされてゆく。このような点はビジネスの世界にも通じるものがある。 一方、本書はアフリカ戦線に関する部分を除くと、平坦地が中心のヨーロッパにおける陸軍の大軍同士の戦いだけを対象としている。最新のものでさえ気がつけば既に60年以上昔のものだ。同じようなことが同じ形で今後ヨーロッパで再度起きるとは考えにくい。ジャングル、山間部、諸島、ゲリラ戦、ハイテク兵器でカバーした機動戦、といった戦いでも結局全て補給の問題はつきまとうので、それらに関しても同様の視点から分析したものがあるのなら読んでみたいと思った。(FreshAir / 2007-12-02)
プロは戦争を兵站から考えます
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兵站を本格的に考察した書籍で日本語で読めるものはほとんどありません。 防衛研究所の平間さんは本著のあとがきで、そういう本はこれとあと1冊くらいしかないとおっしゃっています。 そんな数少ない1冊であるこの著が、このたび復刻されました。 大変価値あることと言えます。 著者はイスラエルの大学教授で、兵站の専門家です。 プロは戦争を兵站から考えます。 (おき軍事 / 2006-11-03)
30年近く前の名著がようやく、しかも文庫として刊行されてことを素直 に喜ぶべき。原書房版と内容に違いはなく(改訳されたわけでもないの で)、著者名がクレヴェルト→クレフェルトに変わったことと、最後に クレフェルトについての解説が付加されたことぐらいか。2004年に第二 版が出ているようなので、できればこちらのほうで翻訳出版してほしか ったというのは欲張りすぎだろうか。 この本についての価値は言うまでもない。通常の戦史からでは知りえな いことを知り、また見ることができる。とりわけ第一次・第二次世界大 戦について、アーヴィングやタックマンの本と併せて読んでみてほし い。(エパメイノンダス / 2006-05-26)
本書は、欧米の戦争・戦略関係の大学、陸軍士官学校などでは必ず文献リストのトップに挙げられる名著です。補給・兵站の観点から戦争の本質を鮮やかに描き出した本書ですが、出版から20年ほど経過した今でも、質の上で本書を超える研究書が現れていないのが現状です。 このような名著の翻訳がコンパクトな文庫として復刊になったのですが、今回、大きなボーナスとして専門家による有益な解説文が掲載されていることが何よりも喜ばしいと思います。 「戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る」という名言から始まる解説文では、本書の内容、特徴、研究の意義などがコンパクトにまとめられており、読者は解説文を読んでから、本書を読み進めることによって理解がより深まるでしょう。 いずれにせよ、「名著の復刊の文庫化+有益な解説文=お買い得」だと思います。他の名著もこのような形でどんどん出版されることを期待します。 (戦略大好き人間 / 2006-06-30)
レビュー数 21
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平均点:4.5
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No.1-19
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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫) / レビュー総評点:311
『戦争における「人殺し」の心理学 』で画像検索
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ASIN:4480088598 / 売上順位:5443
筑摩書房(2004-05)
翻訳:安原 和見/原著:Dave Grossman/デーヴ グロスマン
¥ 1,575(中古:¥ 998)
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レビュー総評点:
311

警告と希望
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戦場では意外にも非発砲者が多いという。第82空挺隊員でもあった著者は冒頭において先ず、「大義と国と仲間を守ろうとしなかったかれらに不快を感じずにはいられない」と訴える。 しかし、その直後にこうも述べる。「かれらの存在を、そしてかれらが体現しているわが人類という種に備わった高貴な性質を、やはり誇りに思わずにはいられない」。 著者のこうした強い内面の相克こそ、本書全編に貫かれているものだ。それは、人間の本性というものを一つ一つ白日の下にさらす解剖学的努力でもある。500ページにも及ぶ本書の文面からは、著者自身が深く悩んでいる姿が見えてくるようだ。 もちろん、著者は元軍人であるから、戦場における合法的殺人を究極的には否定していない。しかし、限定的にせよ、人間が生来的に内在する『汝、殺すなかれ』をこうした著作によって具現化しようとしているようにも思える。なぜか。それは、「まぎれもなく存在するその力(殺人への嫌悪感)の確かさが、人類にはやはり希望が残っていると信じさせてくれる」からだ。著者が元軍人だからこそ、この言葉に一層救われる。 ただし、気になる部分も若干ある。例えば、米軍と同様に日独軍の発砲率も約20%だったはず(第1章)と記す一方、ドイツ兵は米英軍兵士より多くの敵を殺したとある(第22章)。後者は、むしろドイツ兵の高発砲率の例証ではなかろうか?それとも発砲者一人当りの命中率が違うのか?この点、整合性ある答えが欲しかったところだ。 ともあれ、それでも本書はやはり力作だと思う。「戦争における」という枕詞に限定されずに、はるかに広く深く人間を理解する上で最適の一冊だと言えるだろう。同時に、本書は人類への警告の書であると共に、希望の書でもあるように思えてならない。(u99 / 2004-09-04)
映画やドラマで主人公の弾は敵に命中するのになんで敵の弾は味方に当たらないのだ矛盾してる、などと私は思いながら映画やテレビを見ることが多かった。しかしこの本を読み終えた今、ふとそれらのことを考えるとあながち非現実的ではないように思える。ゲリラやテロリストが特殊部隊に急襲され一方的にあっという間に制圧されるのはフィクションのご都合主義ではないようだ。 「訓練と実戦は違う」「彼はプロの訓練を受けている」「人を殺すのは難しい」「何をしてる早く撃て!」よく聞かれるこの台詞の本当の意味が本書を読むことで明快になる。いつ死ぬか知れない戦場で兵士が荒々しいのん気な冗談を言っているのは何故か、鬼軍曹がいつも訓練中に顔を近づけてボロカスに罵るのは何故か、私が勝手に「所詮映画だから(笑)」と思い込んでいたベタなシーンの数々は実はリアルな描写だったのではないだろうか。そこには明確な理由があるのだ。 「何故人は戦争をするのか」という問いは多いが「何故人は殺さないのか」という視点は珍しい。兵士が敵を戦場で殺すのは当たり前だとどこかで思い込んでいた現代人の私には目からうろこである。私も含めてレビューだけでは書けない興味深いエピソードが満載なので是非読んでみて欲しい。「え?戦場って実際はそんな感じだったのか」と衝撃と正しい認識が得られると思う。(ラインハルト / 2008-01-08)
何よりもリアル
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戦争を賛成するにしろ批判するにしろ、戦争についての知識がなければ説得力に欠ける、と思う。 戦争の現実を最もよく理解しているのはやはり実際に戦っている兵士なのだろうが、普通の人はそんな体験をすることはないし、またしたくもない。でもこの本を読めば、少しでも兵隊の気持ちがわかるかもしれない。 この本の著者は、実際に軍隊にいて、今は陸軍の教官をしている。そしてこの本は、陸軍学校の教科書になっているとのこと。 戦場で敵に出くわせば、誰でもすぐに殺せる、というわけではないらしい。 なぜなら、人間は本来同種を殺すことにものすごい抵抗感を持っているから。 南北戦争のゲティスバーグの戦いの後、戦場でマスケット銃が多数回収されたが、そのうちほとんどに、弾丸が三発以上込められていたという。 当時の銃は、一発詰めて、打って、また詰めなければならない。なのに、23発詰められていた銃もあったらしい。これがどういうことを意味するのか?? 当時の兵士のほとんどは、敵(自分を殺そうとしている敵!!)に向かって、引き金を引くことができなかったのである。 第二次大戦においても、発砲率は15%。 朝鮮戦争では55%に上がり、ベトナム戦争では90%に上がる。 アメリカ陸軍がどのようにして発砲率を上げたのか、この本を読めばわかる。 間違ってもこの本は戦争に賛成しているわけでも、人殺しを賞賛しているわけでもない。 著者はマッカーサーの言葉を引いている。 「兵士ほど平和を祈る者はほかにいない。なぜなら、戦争の傷を最も深く身に受け、その傷跡を耐え忍ばねばらないのは兵士達だから。」 (哲学する河童 / 2006-04-24)
以前別の出版社から出ていた本が、「戦争における」という語句を足されたタイトルで文庫化された(これで殺人心理本と混同される恐れはかなり減るだろう)。原題は「戦争や社会において人を殺すことを学ぶことの心理学的な代償」という感じで、恐ろしげなテーマなのだが、少しでも多くの人に尻込みせずに手に取ってもらいたいと願っている。 なぜなら、この地上から戦争が消えることは恐らくありそうもないことだし、目を逸らさずに見れば、常に多くの死が周囲に溢れているからだ。 「性」と「死」の2つが、隠されてはいるが、人生の中でも非常に大きな意味を持つ出来事だということはよく知られているだろう。しかし、「性」以上に生の「死」に触れる機会はずっと少なくなっているし、実際に自分の手で人を殺したことがある者とくれば、相当少ないのも当然だ。本文中の言葉で言えば、殺人について普通の人々が知っている知識は「セックスを学ぶ童貞の世界」並みの少なさだということだ。 戦場の兵士は何の抵抗もなく相手を殺せるものなのか、そうではないのなら、どのような訓練を経れば兵士はその抵抗感を失うのか、軍隊が人間を殺人マシーンにするのはどのような手段によってなのか。 今まで多くの場で語られてこなかった殺人を合理化する人の心理が書かれている本として、人を殺したことがない一般人である我々は人の心理状態の重要な何かを学ぶことができるだろう。もちろん、作者が軍人であるとはいえ、実際の戦場で起こっていることと語られる言葉の間にはどうしても隔たりがあるのは当然のことなのだが。(maddoggie / 2004-05-15)
アメリカ軍において、第2次世界大戦で敵に向かって実際に発砲した兵士の比率は15〜20%であったという。それが、朝鮮戦争時には55%となり、ベトナム戦争時には90〜95%にまで劇的な上昇を見せた。 何故そういうことになるのか。自身も軍歴の長い著者は、この大部な本の中でその問題に分け入っていく。その分析は、膨大なインタビューや手記、また数多くの先行研究を引きつつ、戦場に置かれた一人一人の心の動きやそれを規定する諸条件をあぶり出していく。そのような環境や条件の下に置かれたなら、またそのような訓練を経たならば、読み手自身もここに書かれている行動パターンをはみ出すことは難しいのではないか。そう思わせるリアリティがこの本にはある。 繰り返し強調しておきたいが、本書は観念的・皮相的な戦争賛美や反戦論とはまったく趣を異にする。「他者を殺す」とはどういうことなのか。戦場に送られた兵士は何を見て、何に傷ついて帰還してくるのか。もし「戦争と平和の規範」というものが成立するとすれば、それは圧倒的な証拠をもってここに提示されている「人間の現実」を踏まえたものでなければならないと思う。(青ち / 2007-10-09)
レビュー数 19
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平均点:5.0
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No.1-20
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戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方 (PHP文庫) / レビュー総評点:133
『戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方 』で画像検索
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ASIN:4569665969 / 売上順位:8725
PHP研究所(2006-03)
松村 劭
¥ 740(中古:¥ 248)
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レビュー総評点:
133
本書は、普段お目にかかれない自衛隊の教範類に出てくる内容を一般人に分かりやすく書かれたものである。まず、はじめに戦いの9原則なるものが例示されている。簡単に下記に記してみる。 1目標の原則 2統一の原則 3主導の原則 4集中の原則 5奇襲の原則 6機動の原則 7経済の原則 8簡明の原則 9警戒の原則 これらの原則を戦いに勝つための9原則として、部隊の動かし方や戦い方を懇切丁寧に分かりやすく解説している。 後半部分では、各戦闘シュチュエーションをシュミレーションゲームを進めるように指揮官の判断は、戦闘状況においていかにすべきかということが例示されている点が面白い。 ただ、評者の意見としては直ちに「戦術と指揮」の内容が、ビジネスの現場に役立つかと言えば疑問と言えよう。 何故ならば、あくまで軍隊が戦闘行動する場面における現状判断と決断であるからだ。あえて、タイトル帯にビジネスで役に立つという触れ込みは入れない方がよいと思う。 (三等兵 / 2007-05-12)
好き放題やった本
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帯に「ビジネスパーソン向けに」とか書いてありますが、どう見てもウォーゲーマー向けです。本当にありがとうございました。 「世界の神々がよくわかる本」といい、PHP文庫はビジネス書にかこつけてけっこうやりたい放題やってるなぁ。好感度up(笑)。 いちおう近代戦を例としていますが、「機動部隊(戦車)」=「騎兵」、「火力部隊」=「弓兵」などと読み替えれば、古代戦のテキストとしても十分使えます(この読み替えも書中で触れられており、古代戦の研究もすべき云々、と述べられています) 例題がいろいろ載っていますが、自分は戦術指揮官の素養はないようです(笑)。ことごとく間違ったりして…… 例題では、「障害は敵に遠く渡れ!」とか、解答とあわせて戦術の格言が載っていたりするので、理解の助けになりますね。 陣形の種類から、機動における支隊の動かし方、予備隊の運用まで、ひととおりの戦術が網羅されており、あまり戦術について知らなかった私みたいな初心者にもわかりやすかったです。まあ、もう1回ぐらい読まないと身に付かないとは思いますが(身につけてどうするんだという話もあるが)。 ファンタジー戦争小説を読んだりするときのサブテキストとしてもオススメでしょう。「覇者の戦術―戦場の天才たち」あたりも併読すると、理解が深まるかも。(これも面白かったけど、絶版かなぁ……)(まりおん / 2007-02-14)
筆者はビジネス書の体裁を取りつつ多数の軍事関係の啓蒙書を著している方。 本書はごく基本的な作戦の展開を様々な階層の部隊(旅団、支隊から分隊まで)にわけて 意思決定を要する時点での判断のあり方を選択肢を与えてその優劣を考えるという方式で 進めていきます。 ことに盆地を繋ぐ長隘路を巡る攻防の議論は通して読むことでそれぞれの選択肢の得失が次第に明らかとなる仕掛けとなっています。また、長隘路とは何かの定義も砲兵の射程や空中機動などの手段や地理的特質との関係から次第に理解が深まるように配慮されており、軍事に関心がある方なら一度手にとって読むに堪えるものだと思います。 また軍事以外では例えば大規模災害での図上想定演習などに興味ある方や、或いは良く練られたライトノベルで戦闘を扱っているものがお好きな方なども一度手にとって書棚に入れておき、時折あちらこちら読んでみると面白いと思います。(tora / 2007-01-07)
書店ではビジネス書コーナーに置かれていました。 普段は知る由もない軍隊の動かし方、理論などが書いてあり、非常に楽しめました。クイズ形式の実践コーナーも面白く、スパスパ読んでいけました。 確かに「大戦略」のようなゲームをやるには面白く、ためになります。 しかし、ビジネスに役立つのかは未知数です。 強引に「この戦術をビジネスではこのように活かす」的なことが書いてありますが、 ビジネス書というよりはやはりゲーム攻略本ですね。 そういう見方でこの本を選んだほうが良いと思います。 ゲーム攻略本としては、非常に面白いと思います。読み終わった後に早速「大戦略」をやってしまいました。(アマゾネス / 2008-10-03)
タイトルにつられて買ってしまいましたが、本書はビジネスにおける戦術ではなく、本当の戦闘時を意識した戦術と指揮を語っています。その点若干がっかりしたのですが、「コラム」欄に書かれている内容が予想以上に面白くためになりました。また、シミュレーションにおける、答の解説がなかなかわかりやすく、著者が少しは軍事素人にもわかるように書こうとしたことが伝わりました。(jiateng4 / 2007-07-13)
レビュー数 8
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平均点:3.5
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No.1-21
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太平洋戦争の謎―魔性の歴史=日米対決の真相に迫る (日文新書) / レビュー総評点:0
No.1-22
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太平洋の悪夢―日本に再び原爆が投下される日 / レビュー総評点:0
No.1-23
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「第二次太平洋戦争」は不可避だ / レビュー総評点:0
No.1-24
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戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ / レビュー総評点:41
『戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ』で画像検索
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ASIN:4532165296 / 売上順位:47186
日本経済新聞社(2005-08-06)
著:鎌田 伸一/野中 郁次郎/著:村井 友秀/著:寺本 義也/著:杉之尾 宜生/著:戸部 良一
¥ 2,310(中古:¥ 196)
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レビュー総評点:
41
戦略の本質
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「失敗の本質」を読まずに本書を読みました.戦史上有名な戦争での政治面,戦闘面,キーマンのリーダーシップがよくまとまっています(ただベトナム戦争の章だけ他の章から浮いているように思います).最初の章は,戦略というものがどのように研究,解釈されて現在に至っているのかがよくまとまっており,クラウセヴィッツの「戦争論」に挫折した私には入門的内容として助かりました. 最後の章では,戦争例と対比しながら,戦略の本質に関する10の命題が説明されています.この本を読んですぐに戦略的になれるわけではありませんが(そんな本は存在し得ないでしょうが),戦略やリーダーシップについて大いに考えさせられる内容でした.「失敗の本質」もぜひ読んでみたい.(鈴木純一 / 2006-06-14)
位置づけは1984年発行の名著『失敗の本質〜日本軍の組織論的研究』の続編でしょうか? 執筆陣もほぼ同じです。 歴史に学ぶ振りをして、成功事例の味付けや孫引きでお茶を濁す相変わらずな類書が多いなか、今回も値段以上に非常に真面目な作りです。ただし軍事用語が多く、例えば「○○個師団」「××小隊」が何人くらいの集団なのかイメージができない(多くの)人は読み疲れる部分があります。 あらすじについては省きますが、論考の中に「なるほど、よくぞ!」と膝を打つものがありました。五分五分に戦力が拮抗したときに優劣を決する、一つの重要な要素として「道義的な優位性」を挙げていた部分がそれです。 多くの読者が闘っているであろう、企業間(あるいは部門間)の競争には正当性も道義も無い<ゲーム>のように語られる事が多いのですが、実はそうではない事を我々は知っています。 さて、『失敗の本質〜』が<日本軍>という実在した組織と、<失敗>という歴史的事実に的を絞っているのに対し、今回は<逆転>という、偶然として片付けられてしまいかねない事象を扱っているせいか、少々曖昧で強引な読後感を与えます。 二つ挙げるとすれば、 ・戦略論を「リーダーシップ論」に帰結させている部分が多い。これはこれで正解なんでしょうが、反証として必要な、負けた側のリーダーシップへの論考が甘い気がします。 ・目的の明確さと組織全体にそれを鼓舞することの重要性を頻繁に説いています。これは“大目標と戦略と戦術の整合性を取れ”のコンテクストでは納得できるのですが、目的の明確さ自体がそれほどキーポイントになると思えませんし、論考も十分とは見えません。「ある種狂信的ですらあった大日本帝国がなぜ負けたのか」という前作の問題設定から結果的に後退した感すらあります。 (南極二号 / 2007-03-03)
すごく簡単にいえば、戦史から戦略について教訓を学ぶという趣旨の本です。 しかし、例えば本書で逆転の成功例として挙げられている第4次中東戦争におけるエジプトは、緒戦で成功を収めたものの、(本書には記載されていない)その後の経緯で、イスラエル軍の反撃にあって逆にスエズ運河をエジプト側に上陸されています。この終盤の戦争の敗北を政治のレベルの敗北に結びつけず、戦争を終結させるというところにも高度な戦略・政略があったと思うのですが、そのあたりは省略されています。 このように、戦史(ケース)の記述は自分たちの都合にあうように書いているように思えました。(hoge2 / 2005-10-01)
戦略という言葉はビジネスの中でもあたり前のように使われながらも、中身のない飾り言葉となってしまった感がある。本書の巻頭でも、ビジネス競争との対比は意識している事は強く感じられ、失われた10年の日本経済の逆転の期待を込めて執筆されている。内容は、クラウゼヴィッツの戦争論の考察から始まり、毛沢東の乱、ベトナム戦争、ソ連軍のドイツ侵攻の阻止など各章ごとに、逆転勝ちのケーススタディとして防衛大の専門家と組織論の大学研究者が論じ、終章で戦略とは何かという命題に答えを明かしている。それは抽象化してしまえば、まさに企業活動と同じで、人と金と時間の全体最適化と似たものになっている。組織論からみればそれは当然の事であろう。印象に残ったのは「目的の明確化」である。この戦いはどこまで勝つことが目的か。それがあいまいだと手段と目的は逆転しがちなのは、企業の活動にも如実に現れているように感じた。(kaz0775 / 2005-11-06)
・本書には「何か物足りなさ」を感じた方々も多いことであろう。それは前作『失敗の本質』が面白すぎたからである。 ・前作は防衛大学関係の貴重な資料が分析されている。また、発行時(昭和59年)には、読者も戦争経験者かそれに近い経験をしている方々が多かった。 ・また本書が扱ったベトナム、ソビエト連邦などは前作の「日本軍・・・」に興味を持った方々には、相当話題がずれた「違和感」を感じる本と言えるのではないか。 ・さらに、『戦略の本質』著者野中郁次郎、戸田良一ほかとした商魂が敬遠された部分もあろう。 ・よって本書は失敗の本質とは「別物」として読まれた方が良いと思われる。(佐々木賢太郎 / 2006-09-18)
レビュー数 23
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平均点:3.5
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No.1-25
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遊撃戦論 (中公文庫) / レビュー総評点:8
『遊撃戦論 』で画像検索
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ASIN:4122038510 / 売上順位:234710
中央公論新社(2001-06)
翻訳:吉田 富夫/毛 沢東/翻訳:藤田 敬一
-(中古:¥ 465)
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レビュー総評点:
8
本書は中国の抗日戦争(日中戦争)において戦争一般の形態が遊撃戦争(ゲリラ戦)へと変化したことを指摘し、その従来にない特徴を理論的に解明した本です。 本書では戦争を、敵を包囲する「外線作戦」と敵に包囲された状態の「内戦作戦」の二つに分類し、遊撃戦を不利な状態である「内戦作戦」にあって有利な状態である「外線作戦」へと転換するものであると定義しています。大局において「内戦作戦」でも小規模な戦役で「外線作戦」を展開して、小さな勝利の積み重ねから大きな勝利へとつなげることが要です。そのためには奇襲を基本とすること、相手の弱点を突くこと、正規の軍隊と呼応した行動をとること、根拠地を建設すること、など極めて具体的かつ実践的な理論が展開されています。読んでいて「孫子」を読んでいるような感じになります。 本書は従来はごく小規模な戦略だった遊撃戦を、戦争全体に及ぶ大規模な戦術へと転換させた歴史的な書物です。内容の信憑性に関しては、実際に長期にわたる抗日遊撃戦争を成し遂げ、その後に続く中国革命を成功に導いた事実が雄弁に物語っています。また、この後に続く朝鮮戦争やベトナム戦争、キューバ革命などの世界を揺るがしたゲリラ戦に多大な影響を与えた思われます。 戦争理論としても、また戦争に留まらず政治論や組織論の本としても極めて示唆に富む本だと思います。(マルチちゅ / 2006-01-02)
前半の遊撃戦論においては中国各地での抗日の為の奇襲法、兵の動かし方等が明瞭詳細かつ簡易的に書かれているので、そういった面では毛沢東は非常に優秀だったのだと思う。 この本を読む事で私はこの毛沢東が抗日軍隊を率いた時代の中国の地形や土地の様子が何処となく目に浮かぶような心境さえした。 後半の部分はイデオロギーがこれでもかと充満した内容になっている。 だが、毛沢東が戦うべき相手は日本帝国軍ではなく、国内の国営事業の利益を私物化し巨万の富を得た、 宋一族(映画・宋三姉妹を参照されたし)等の清朝崩壊後の名門4家と張作霖父息子と蒋介石や孫文あたりのインチキブルジョワジーや似非革命家連中であろう。 イデオロギーの捌け口としての戦う相手が最初から間違っていたのだ。 このことについては黄文雄氏の「蒋介石神話の嘘」と、ラルフ・タウンゼントの本あたりに詳しい。 これらの本を読めば日本は侵略国家ではなく、むしろ日本は中国韓国に対して援助していた事が分かる。 現在、日本の書物等では中国の英雄とされ、美談で飾られている人物達の経歴が如何に虚構に満ちた物であるかが明確に描かれている。 (猫のきみまろ爺さんの読書感想文 / 2009-05-09)
テロとの戦争という言葉が使われて長い時間がたっているのに世界と歴史上で最も有名なテロリストの書籍が売れていないのは、不思議である。 この文庫本は、2001年に初版が発行されていながら版を重ねることなく今に到っている。 テロとの戦争と叫ぶのならば、歴史上最も有名なテロリストの書籍を読むのは当然の行為である。 孫子は敵を知れば百戦危うからずやと言っている。 テロとの戦争と叫ぶのならば最初に行うことは毛沢東の書籍を読むことである。(mengde / 2010-02-28)
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平均点:4.5
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