リスト:インターネットを考える本 を表示しています。(全 5 件)

読み込み中・・・
No.1-1
▼
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く / レビュー総評点:156
『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』で画像検索
|
ASIN:4140807431 / 売上順位:36470
NHK出版(2002-12-26)
アルバート・ラズロ・バラバシ/翻訳:青木 薫
¥ 1,995(中古:¥ 837)
|
レビュー総評点:
156
古代の人々は夜空を眺めて、その中に他の星とは動きの違う惑星を見つけました。それが記録され継承されるようになるには、何千年という時間がかかったのだと思います。そのあと、さらに何千年の時が流れ、その惑星の動きを説明するさまざまなモデルが登場し、最終的にはニュートンが引力の法則で鮮やかにその動きの意味を記述してくれたのだと思います。 最終的な引力の法則を式で「知った」のは、高校生の頃でしょうか。そのときはそれで「わかった」ような気になっていました。しかし、それが導き出されるまでの歴史を考え、その1つの式が導き出されるまでの意味を本当に「わかった」という気になるまでに私は20年かかりました。 「ネットワーク」について「知っている」ことはそれなりにありましたが、本書は、その断片的な知識をつなげて、前よりも一段「わかった」気にさせてくれるものでした。いまでこそ当たり前のように感じることも、先人が少しずつ知恵をため、後世に残してくれたことの結果なのだと思うと、感謝の気持ちがもてます。 私の場合、理解したと感じるまでには、ある程度の時間とさまざまな角度からの説明が必要です。その中の説明のひとつがある日、一気に理解を深めてくれます。ネットワークについて書かれたさまざまな書籍の中で、本書はその役割を果たしてくれたと思います。冗長な部分や、多少強引な展開もありますが、それが私にとっては理解の助けになったと思います。 ただし、翻訳書の題名、体裁は、そのチャンスを私から遠ざけてしまいそうに思いました。原書を友人から紹介され、ネットで検索して見たときの表紙はとても魅力的に感じ、すぐに注文をしましたが、邦訳がでたと知って読むスピードを考えてそちらも購入しました。翻訳された題名と表紙の体裁が原書の雰囲気とは全く異なり、私には魅力的ではありません。多少軽めのノウハウ本のような印象ですね。とても惜しい気がします。(jimmy / 2003-03-06)
インターネットのネットワークとしての特性である「ハブ」「べき法則」を分かりやすく解説する本だ。ネットワークの特性を研究することが、ひとつの大きな研究分野であると言うことにまず驚かされる。 技術的な知識もほとんど必要としないし(ルータやハブという用語程度)、数式に至ってはほとんど出てこない。しかしネットワークの特性とは何を意味するのか、またインターネットにおける特殊性はどんなところにあるのかと言うことを理解させてくれる。 有名な「ケーニヒスベルクの橋」の一筆書き問題からグラフ理論を紹介したり、「六次の隔たり」や「ケヴィン・ベーコンゲーム」でネットワークの大きさを説明したり、「80対20の法則」でネットワークのスケールフリー性を説明したりと、特性を理解させるのに分かりやすい例を用いることで非常に読みやすくなっている。 後半ではインターネットの成り立ちから、ネットワークとしての脆弱性とは何かというような解説と共に、今後ネットワークによって受けられる恩恵や、医学や経済社会分野でのネットワーク思考の重要性にも触れているが、やや散漫で付け足し風ではある。しかし経済でのネットワーク思考の実例であるとか、WWWの大きさを議論する段階でWWWの世界がリンクの流れから4つに大別されるという話が非常に面白い。 「金持ちはより金持ちに」と言う章で、先行事業者の優位性を覆せる戦略があることを解説しているが、大局的にはハブ的存在である先行者の利益は揺るがないと思う。したがって国家や地域レベルでの「IT格差」による経済成長格差というのが今後の大問題になると思われるが、本書ではそこまでは踏み込んでいない。(まる・ち / 2006-12-04)
ネットワークをキーワードに、最先端の研究者が知識をひとつひとつ獲得していく様子の(知的)興奮を覚えた。 長い間疑問がもたれることのなかった「事象はランダムに発生する」という前提条件にチャレンジし、「優先される事象の存在」を許容することで、ネットワークの本当の姿を理解していくプロセスは、身近な事例や物語風の導入などがあり、物理を専門とする方でなくとも、楽しめる内容になっている。 それにしても、人間が作り出すインターネットの成長の振る舞いが、量子の世界での振る舞いと同様の数式で表されることに気付いた時、筆者らはどれほど興奮したのか、想像するだけでこちらもワクワクする感覚を持った。 訳者も専門性に優れ、その日本語は安心して読めた。(hiroshi617 / 2004-02-22)
カオスやフラクタルに関心がある方はぜひ手にとって見てください。 ネットワーク理論を説明した一般書ですが、インターネットのネットワーク構造の研究を手がかりにした記述は、理論の発展経過を面白く、かつ、わかりやすく(数式なしで)、まるで実況中継を見ているみたいに読ませてくれます。 特に、自然界から人間界にわたって広く存在するパワー則が、ネットワーク構造にも存在し、その構造は量子統計力学の式で表現できるという発見に至るまでの記述、さらに、その概念を参考にしてネットワーク構造を見直すと---。読んでいて、こんなにゾクゾクする本にめぐり合ったのは久しぶりです。 かん(かん / 2002-06-24)
最初から最後まで知的好奇心に身もだえしながら読めます。扱っている内容、構成、文章のどれもが一級品だからです。タイトルだけが三級品というのはご愛嬌。 読了後には何気ない普段の生活にも隠れたネットワークが見えてくるようになるでしょう。 ダンカン・ワッツ 『スモールワールド・ネットワーク』では、本書と大体同じ事例を扱っていながらも理論的な解釈が違っているので、両者の違いを見るのも大変面白い。ただ、本書の方が面白く書かれているので、本書から読むのが良いと思う。(ニックネーム / 2006-03-29)
レビュー数 37
[残りも全部見る][amazonでレビューを書く]
平均点:4.5
|
No.1-2
▼
SYNC / レビュー総評点:91
『SYNC』で画像検索
|
ASIN:4152086262 / 売上順位:101807
早川書房(2005-03-29)
翻訳:長尾力/スティーヴン・ストロガッツ/翻訳:蔵本由紀
¥ 2,310(中古:¥ 915)
|
レビュー総評点:
91
徹底して数式を使っていない本である。 著者の自伝的な研究履歴を示しながら、その都度テーマを解説しながら同期現象の面白さを伝えてくれている。 元の数式を理解している人にとっては、著者の使った比喩がよく理解できるが、はたしてまるで予備知識のない人がこのアナロジーでどこまで理解できるのだろうか?と思ってしまう。 たとえこの分野になじみがない人でも、それなりに興味深いテーマを選んでいるので読み進むのに苦労はしないとは思う。 だが、元の数式を知っていれば面白さ倍増であることは確実であろう。 本書のテーマに引っ掛けて言うならば、著者の研究テーマとその思考の流れにSYNC(同期)できれば面白い本である。 扱っている素材そのものも面白いし、これから大きな発展が見込まれる分野であるので必読書のひとつになることは確実であろう。(3流心理学者 / 2005-06-24)
一見バラバラになりそうな振る舞いが同期をみせる(つまり秩序 を生じるようにみえる)のはなぜか? ホタル、睡眠、脳、天体、量子・・・様々な事象にみられる同期 を探っていく。バラバシやワッツのネットワーク理論についても 本書で知りました。 他の複雑系に関する一般書野中では、あまり話題にならなかった ように思えるのですが、とても読みやすく含蓄があって面白い。(白頭 / 2006-07-09)
自然界/人間社会における様々な同期現象の不思議に迫った好著です。(原題:"SYNC: The Emerging Science of Spontaneous Order") 同期現象は、本質的に連立非線形(偏)微分方程式で記述されますので、本当に理解するためには数式を避けて通れないのですが、数式アレルギーな方にも何とか説明しようと、さまざまな比喩(イメージ)を持ち出します。数式が念頭にあれば「ほぉ、そうやって一般向けに説明するのね」という参考になり、興味深く読めました。(そのためには大学レベルの応用物理/応用数学に通じる必要があろうかと思います) しかし、数式を全く分からない人が、この本の内容をどこまで深く理解できるかは不明です。それでも、雰囲気/イメージは何とか伝わるかもしれません。(ブルーバックス好きな方なら大丈夫かも) そういう訳で、数学/物理好きな方向けに限れば星5つかな、と思います。 大学/大学院レベルの応用物理/応用数学の素養があって、この本の内容はどんな数式で記述されているのか興味のある方は、Strogatz氏の"Nonlinear Dynamics and Chaos: With Applications to Physics, Biology, Chemistry, and Engineering (Studies in Nonlinearity)"(Perseus Books ; ISBN: 0738204536)を御覧になると良いかと思います。Strogatz氏は、この本を一般向けに説明したいと思って"SYNC"を書いたんじゃないかな?とも思ったりしました。逆にこの数学書の内容の背景を理解する副読本として"SYNC"を読んでみるもの良いかもしれません。 同期現象だけでなく、その解明にかかわった科学者たちの逸話も載っていて、その点も面白かったです。(ジョセフソン先生の過去と現在とか) ダンカン・ワッツと共に"Small world"(6次のへだたり)の世界を切り開いたときの模様も、指導教官側からの追想として記されていて、そういう意味でも興味深く読めました。今後は、small worldのような複雑ネットワーク上での結合振動子のダイナミクスの進展が楽しみです。(ゴルゴ十三 / 2005-04-15)
カオス理論における、カオスの中の秩序について、 複雑系理論における、カオスの縁での相転移・自己組織化について、 ネットワーク理論における、弱いリンクについて、 SYNC(同期)という視点から数学と物理学を駆使して説明し、この3つの理論を整理しています。 著者も述べている通り、これだけが複雑な世界の全てを現す法則ではないでしょうが、 要素還元主義だけでは分からない世の中について挑戦しています。 現時点では、何故SYNCが起きるのか、そのメカニズムについては未だ分かっていないことの方が多いのですが、 見方を変えれば21世紀の大フロンティアが目の前に開かれているということなのでしょう。 また、「エレガントな宇宙」を著したブライアン・グリーンが推薦しているのもいいですね。 彼は還元主義の極地であるスーパーストリング理論を提唱しています。 要素還元と相互作用はどちらも大切ですので、上手くSYNCしながら発展させていって欲しいと思います。 なお、本書を何の知識もなく最初に読んだときは、SYNCってすごいな、ぐらいの印象しか持ちませんでしたが、 カオス理論(ジェイムズ・グリック)、 複雑系理論(マレイ・ゲルマン、スチュアート・カウフマン、ブライアン・アーサーなど) ネットワーク理論(マーク・ブキャナン、アルバート・ラズロ・バラバシなと) を読んでから、再度本書を読んで、この奥深さが少し理解できたと思います。 (“脳と生命の科学を経営に活かす” / 2005-12-26)
この本を読んで感じたことは、物事の本質にはかなりの確立で単純な 数学が成り立つのだなぁ、ということでした。 もちろんそこに行きつくまでの、大変な過程があるからこそなのです が…。そして、その発見の醍醐味を本書は十分に伝えてくれていると 思います。多少触れた題材が未消化な部分もありますが、それよりも 数学のダイナミズムのようなものを、スリリングな体験として紹介し てくれています! いろいろな意味で自分の創造性を刺激してくれる本だと思います。(ロキ / 2005-04-17)
レビュー数 16
[残りも全部見る][amazonでレビューを書く]
平均点:4.5
|
No.1-3
▼
創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク / レビュー総評点:16
『創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク』で画像検索
|
ASIN:4797321075 / 売上順位:183023
ソフトバンククリエイティブ(2004-03)
翻訳:山形 浩生/原著:Steven Johnson/スティーブン ジョンソン
-(中古:¥ 2,522)
|
レビュー総評点:
16
創発現象を概念的に理解するのに適した本。数式を一切使わず、数多くの例を引き合いに出しながら説明が進むので、創発という現象に共通の特徴がよく理解できる。一方で、創発している状態と、していない状態の違いや、創発に近い/遠い状態、創発現象を定量的に観察する方法などは範囲外。ウィーナー、ホランド、セルフリッジ、ゴードン、クルーグマン、ヒリスといった、創発や自己組織化といった分野でよく知られている人々の仕事が幅広くまとまっているのもよいと思う。訳者の訳注には、的を得たものも得ないものもある。訳注を楽しむか、不快に思うかは読者によって分かれるところだと思う。ただ、訳者の仕事というのは、本の内容を素直に別の言語に置き換えることであって、内容に合いの手や茶々を入れることではないのでは、とも思った。(鈴木純一 / 2007-11-17)
粘菌の動きから,脳の機能,果ては都市の発生や分化まで,さまざまなスケールで現れる何らかのパタンについて,自己組織化現象として眺めたもの。 これまで,何らかのパタンはその背景に,そのパタンを生み出す全体的な法則があると考えることが多かった。しかし,創発性概念の登場によってパタンは,それを構成する個々の要素が隣の要素との関係に基づいて振舞っているだけで,生まれてくるものだ,と見なされるようになった。 本書は,様々な創発現象を一切数式を用いずに紹介する。アリのフェロモンがコネクショニストモデルでの結合荷重と同じ意味として解釈できる,などの視点は,こうした領域横断的な読み物でしか得られないものだ。 しかし,創発現象のオンパレードに留まっており,筆者は本書で何が主張したかったのかが不明瞭で,読み進むうちに少々退屈を感じた。 それにしても,ミンスキーでさえ,ある創発系のシミュレーションを見て,そこにトップダウンに制御する力を見てしまうところからなかなか抜け出せなかったとの挿話は,人がいかに支配型ルールを志向するのかが伺われ考えさせられた。 少しでも創発系がらみのシミュレーションなりを経験した方には,より豊かな創発系に対するイメージを抱かせてくれるであろう一冊であった。(しじみがい / 2004-04-30)
たくさんの要素が互いに交流しだすと、各要素のレベルからは思いもよらないことが生まれることがあるという創造力についての科学読み物。自己組織化、複雑系、カオスなどに関連する話を、副題に書いてある蟻・脳・都市・ソフトウェアの話を中心に紹介している。 理論面を考察して話を進めるというよりは、具体例を次々と紹介しているので、(物足りない人もいるかもしれないが)創発という言葉を知らなかった私にはとても読みやすかった。迷路を解く粘菌や工業都市マンチェスターのような都市の話が特によかった。 (1)創発に気づく前の人々が同種の現象をどう観察していたのか? (2)創発に気づいた人々がどんな発見をしたのか? (3)創発を自覚した人々がどんなことをしようとしているのか? という三段階に分けて語っていて、前二つの段階の話が興奮するほどおもしろい。しかし、最後の段階の話は尻すぼみの感があって、将来の見通しがよくわからない。クリントンのスキャンダルが放送局上層部の意図を離れて過熱報道されたことを、創発の制御不能の側面だといわれてもピンとこない。訳注のつっこみも最後の段階に多いよう。 とはいえ、最適なアルゴリズムを考え出すメタアルゴリズムの話は素直にすごいと思う。ひとつひとつの要素は大したことがないものでも、複雑なものが生まれることに可能性が感じられる。現在進行形の話が大量に蓄積された頃にこの本の続きが読みたい。( / )
創発現象の大雑把なイメージをつかむには、悪い本じゃない。でも、それだけ。特に、後半は同じような話で退屈する。最初の数章は、なかなか楽しめるんだけどね。ま、2000円以下ならハズレもOKと覚悟してて、時間もある人にだったら薦めるよ。 あとさァ、訳者の山形氏が、目立たない訳注でしきりに著者に突っ込み入れてるんだけど、山形氏ってこの本、評価してないでしょ。翻訳で食べてる訳でもないんだろうから(翻訳でも食べてる?)、自分が評価してない本を出すのはよくないんじゃないかしら。 まあ、超人的な語学力と速筆の人(みたい)だから、片手間にやっちゃったんだろうけど、批判があるんだったら、せめて訳者あとがきとかの目立つ場所に書いておいてよ。買うかどうか迷ったとき、この訳者が訳してるんだったらと、踏み切る人もいると思うぞ。実際、私は他の訳者だったら「購入する」をクリックしなかったな。(モワノンプリュ / 2004-08-04)
蟻やアメーバの生態、脳の作り、インターネットの網目、人間社会のあり方までを自己組織化ネットワークをキーワードに発想がやや飛躍的につなげております。複雑系の研究は単独の学問の1ジャンルではなく、学問と学問の間(学際?)に意味があると思われるため、このような研究により発想が拡がるとよいと思います。(tamadam / 2005-04-03)
レビュー数 5
[amazonでレビューを書く]
平均点:3.5
|
No.1-4
▼
ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ / レビュー総評点:141
『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』で画像検索
|
ASIN:482224587X / 売上順位:95102
日経BP社(2007-06-07)
ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ/翻訳:井口 耕二
¥ 2,520(中古:¥ 502)
|
レビュー総評点:
141
新たなパラダイムシフト−その時個人は
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
インターネットの目覚しい発展により、企業や個人が【知識】を囲い込むことの意味が急速に薄れつつある。 未だに自身の知的財産を隠蔽しようと必死になる企業も多いが、 それは穴の開いた船から、手で水をかき出す様に似ている。 インターネットという自然の驚異にも近い、圧倒的な力を持つフレームワークが、それを拒否しているからだ。 企業が恐れるべきは、その「共有化」による既存商品の衰退ではなく、 その「共有化」の波に乗り遅れ、対応できない状態に陥ることだ。 大きな流れが変わってしまった今、一刻も早く群衆が織り成すスキル、独創性、知性を利用することを考えなければならない。 では個人は、その共有化がもたらす「無料化」をただ喜んで受け入れるだけでよいのか。 否、結局そこから享受できる利益は、その人のリテラシーに依存しており、 そのリテラシーはインターネットがもたらすオープンコミュニティに参加し、自らも与えることによってのみ高めることができる。 つまり、個人の能力の重要性は変わらない。いや、より高まったと言ってもいいかもしれない。 インターネットがもたらした新しい仕組みが個人の教育、仕事、起業の可能性を高めてくれた。 だから、私たちは、その世界とつながるために必要な、 スキルとやる気、一生懸命勉強してく気概を常に求め続けることを怠ってはならない。 特に知的作業を生業としているエンジニアは、それをしっかり肝に銘じ、本書を読むことをおすすめする。 きっと新しい知的作業の喜びの可能性を感じ取れるはずだ。(watanabe8760 / 2007-06-10)
ビジネス書としては、エクセレントカンパニーや第三の波、などと並ぶレベルの名著として残るのではないでしょうか。 ただし、従来のビジネス書とこの本が大きく異なるのは、人生観に左右される要素が大きいと思います。 特許権、著作権、知的財産と権利ばかりを主張し、50年でも70年でもあぐらをかこうとする会社。はたまた、知的財産を秘密にし、特許すら出さない(そういう会社でも他人の論文は読みまくるんでしょうけれど)ことにした会社もあります。 そういう動きをつきつめると、学問とか人類共通の知恵といったものはどうなるのか?このままでいいのか? と感じたことはありませんか。 ウィキノミクスとはそういう人類の知恵は共有物と考える人々に支えられていて、従来の権利を主張しなくても「分かち合うことで生きていける」と確信している人々の動きなように感じました。そのマグニチュードはとても大きく、古いタイプのビジネスと互角にやっていけていると、この本は事実の積み重ねで証明しているように思います。たとえば、人のDNAを解読し著作権を主張する会社が新聞をにぎわせていたことをご記憶の方も多いでしょう。それが今どうして共有されるようになったか、知ることができます。 ウィキノミクスでは知を共有しながらビジネスを展開していく点こそが最も経験と知恵が必要な部分であり、ひとつひとつの事例が参考になります。そういう観点で読まないと同じような話の繰り返しに読めてしまうかも知れません。それでは大切な知恵を取りこぼします。 資源は有限ですが、知恵は無限であり、共有することで次々と新しいことができていく世界を私はすばらしい、と感動をもって読了しました。 でも、自分が考えたものは他人の影響よりも自分だけのものだ、秘密にしておきたいしひと儲けしたい、と考える人もやはりいるでしょう。 どちらの道が好きか、でこの本の評価は大きく異なるでしょうね。(アルチザン / 2007-09-01)
コンサルタントの2人が書くマスコラボレーションの世界の紹介 インターネット上の不特定多数が参加して作成する辞典wikiを中心に マスコラボレーションで成り立ってゆく世界の紹介 ベースは、インターネットにより、知の距離が近くなり ボーダーレスに一挙に破壊された時代にどのような活用が あるかどうかについて述べています。 インターネットは、ITの世界で、ITの世界だけの出来事ととらえがちですが 、ITは”知”を扱うことから知を中心に大きな変化が起きていることを 述べています。 ボーイングがバリューチェーンにインターネットの威力を使う事例や 鉱山会社が、鉱山情報を公にすることで社内で発見できなかった 鉱脈を見つけたり、ほぼ1章において、1つづつの事例が紹介されています。 3人寄れば文殊の知恵ではありませんが、コラボレーションの力を 利用してさらに上昇してゆく企業と、従前の特許と社外秘で守った 秘伝の技術で勝負してゆく企業とどちらが生き延びるかなど 考えさせられること多の内容です。 パラダイムシフトを伴うこの考えは、使い方を間違えばインターネットへの 情報の漏洩だけで致命的な失敗になりかねないが、パラダイムシフトに 乗り遅れるとやはり、恐竜として旧大陸に置き去りにされる時代に なったのだなという怖さを感じる内容でした(親カッパ / 2008-12-04)
いや、驚いた。 「フラット化する世界」を読んで、アメリカでコールセンターに電話するとインドのバンガロールに繋がるとか、 ウェブを通してアメリカの子供がインドの家庭教師に勉強を教わることは知っていた。 あるいはIT技術者の仕事や経理等々の仕事もインドへアウトソーシングされていたりとか。 しかし現在では、InnocentiveやYet2.comを通じて、知識や技術までもが売買されているらしい。 実際に上記のHPを訪れてみると、物理、化学、生物分野等の知識までが売買されている。 これは、全ての研究者、技術者にとってかなりの脅威(チャンス?)ではないでしょうか? もはや、官僚的な組織は無用であり、権威も年齢も性別も国籍も関係ないのですね。 いやはや、参りました。(mini1 / 2007-10-08)
率直に言って「胡散臭い」。 「これからは、企業は自分の資産をどんどんオープンにして、社外のコミュニティを上手に使って新しい価値の創造とコストダウンをしないと生き残れないよ〜」って、ようするにWeb2.0啓蒙系の本なんだけど。自分もそういう流れの渦中にいる身だし、そういう世の中はエキサイティングで面白そうだし、どんどんやって欲しいと思うけどさ。 でもそういう流れって、実際のところ死屍累々じゃん? それこそ、なんでNetscape社の話が出てこないの? まっさきに自社のコア技術をオープンソースにしたものの、Mozillaプロジェクトは存続したけど会社はお粗末な状況じゃないか。 こういう、マイナス面を扱わないバランスの崩れた本って良くないと思う。実際はオープン化しなくても生き残れる(というかクローズドの方が上手くいく)企業だってあると思うし。オープン化ってある意味「劇薬」なのに、さも簡単に扱えるように煽るだけ煽って、無責任じゃね?(ただただし / 2008-03-26)
レビュー数 24
[残りも全部見る][amazonでレビューを書く]
平均点:4.0
|
No.1-5
▼
フラット化する世界 [増補改訂版] (上) / レビュー総評点:95
『フラット化する世界 [増補改訂版] 』で画像検索
|
ASIN:4532313775 / 売上順位:4979
日本経済新聞出版社(2008-01-19)
翻訳:伏見 威蕃/トーマス フリードマン
¥ 2,100(中古:¥ 1,192)
|
レビュー総評点:
95
IT機器の技術革新とインターネットの普及が、ITバブル期に光ファイバーのグローバルな通信網敷設を促進し、バブル崩壊後に光ファイバー網の低コスト利用を可能にした。それにより、インドや中国が、アメリカのすぐ隣に存在するような身近なものとなった。 世界の水平分業が飛躍的にスピードアップされ、インドや中国をはじめ多くの国々がサプライチェーンに組み込まれ、企業が事業活動を展開している。その実体がこれでもかこれでもかと具体的事例で積み上げられて行く。この本はアメリカの視点からの膨大な事例を織りなしたレポートである。初版を読んだ読者の反響をさらにとりこんでいるようだ。 現代世界の経済・社会と企業の関わりは、時差を逆にうまく活用しながら、あたかもフラットな空間領域で行動しているかの状態で営まれているというのが著者の主張だ。具体的なレベルでフラット化の意味を体感的に理解するのに役立つ本である。日本もまさにアメリカと同じベクトル上にあると思う。世界のサプライチェーンにうまく組み込まれる上で、教育水準とインフラ基盤の成熟が如何に戦略的要因となったかがよく分かる。 インターネットのマイナス局面も冷静に理論化し、レポートされている。現代世界の構造を知るための必読書だと思う。 (茲愉有人 / 2008-07-12)
まだ始まったばかりの21世紀ではあるけど、盛りだくさんな21世紀史です。ベルリンの壁の崩壊からコンピュータ、ウインドウズ、インターネット、ブログ等の発明があって、中国、インド等を含めた世界が密接に関わりを持った新しい世界が出現している・・・って内容。 基本的には、知っている内容だし、テレビや新聞でもよく見かける話。でも、これだけまとまった形で見せ付けられると圧倒されます。特に、ふんだんに語られる例が面白い。なんとなく、知っていたことや感じていたことが質感をともなって実感されます。 全然知らないことを伝えるのもメディアの力だけれど、知っていることに形を与えるのもメディアの力として大きいだなって改めて感じました。 この本、面白いです。知ってた話なのに、読む前と読んだ後の自分は違うような気がします。 (aaaieu / 2008-06-01)
現在の世界がどこに向かっているのかを確認するために参考になる本。具体的な企業名をあげ、その企業がフラット化にどのような役割を果たしているのか、また、フラット化にどのように貢献しているのかが書かれている。ビジネスするうえでも投資するうえでも読んでおいて損はしない本といえるだろう。(matsunoki55 / 2008-02-22)
インターネットの発展に伴って今まで知的産業とされてきた弁護士、税理士、会計士の簡単な諸手続きや、医者が患者を診察するために使われる高度な解析は国境を超えて発展途上国にある各会社で行われ、今後先進国ではこのようなことはますます海外でも任せられるようになる。これが現実になれば知的な職業とされてきた仕事が先進国ではいらなくなり、失業者の増加が数年後に数字で正確に表せること、また現実化する約20年前にすでに世界企業が準備を始めていることなど世界経済のスピードの速さがこの本からうかがえました。 この本を初めて読んだ時は「恐ろしさ」がこみ上げましたが、それよりも「ページをめくって知った喜び」の方が大きいと思います。
(パピオン / 2008-08-10)
「それまで競技場から締め出されていた30億人が、あらゆる人と自由にプラグ&プレイできるようになったことに突然気づいた」「世界がフラット化しつつあるというのは、誰もが平等であるという意味ではない」。 グローバリゼーションを世界のフラット化というキーワードから調べて論じた一流の良書である。厚さはあるが、難解ではない。また、優れた著作の多くがそうであるように、本書も読みながらにいろいろなことを考えさせてくれる。アメリカ人の著作には珍しく、日本及び日本企業も頻繁に登場する。幅広い読者に一読をお勧めしたい。 本書は「2008年1月18日第1版」とある改訂増補版である。実際、いろいろ新しい情報や章が追加されている。しかし、その一方であちらこちら既に古くなっているものも散見される。わかりやすい例でいくと、Googleのアクセス件数はこれよりさらに増えているし、HPのカーリフィオリーナ会長は数年前にその座を追われて今や忘れかけられている人だ。「テクノロジーの進歩にはついていけないタイプなんだ(わたしみたいに!)」とある通り、確かにITにはそう詳しくはない著者のようだが、世界のフラット化は常に現在進行形である。特にこの上巻はIT関連の記述が多いから、わざわざ増補改定版を出すのであれば、自分がついていけてない部分に関して専門家の助言を受けるなりして、さらに丁寧に細部まで内容を最新化して欲しい。 別の見方をするならば、世界のフラット化のスピードは、少なくとも本書がその変化をもらさず追いかけようとするのが大変なくらい、速いのかもしれない。(FreshAir / 2008-02-23)
レビュー数 15
[amazonでレビューを書く]
平均点:4.5
|