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No.1-1
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残りの雪 (新潮文庫) / レビュー総評点:45
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ASIN:4101095108 / 売上順位:138704
新潮社(1980-07)
立原 正秋
¥ 820(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
45
もう10年にもなろうか、その頃つき合っていた「愛しい人」から、この 「立原正秋」を教えられた。勧められたのは『辻が花』だった。 探せどなかなか見つからない。それが近時、短編集の中で入手できた。 あの人が勧めるだけに、それは良い本だった。読後すぐに彼の本を探し て手にしたのが、この『残りの雪』だった。これもまた素晴らしい。 文末の解説で、この本は昭和48年に日経新聞に連載され、好評を博した ことを知った。不覚にも、このことは知らなかった。 無理もない、その頃は社会人になってまだ5年、28の青二才だった。 今や立原氏の世界をさ迷い、理解できる歳になったことを感謝したい。 いま同じ日経紙で、W氏の『愛の流刑地』が評判というが、この立原本 の前ではまったく勝負にならない。あのW氏とは品格が違う。 本書が持つ、①「奥行きの広がり」、②「構成の妙」(解説文も絶妙。 2組のペアに描き出される対極軸の妙味などは、読後この解説文を読め ば分かろう)、そして③「賢い女はかくあるものか」といった驚きと同 調など…、実に学ぶものは多い。(なべて、賢い女は美しい) 「四季の移ろいを丹念に描く中にあって、決して移ろわない里子と紙屋 の信頼と情」に、場面においては、涙さえ落としてしまう。 読む過程で「長い人生のどこかで、こんな素敵な出会いにめぐり合いた い」とまだまだ願いつつ、男女の仲は、「素敵であればある」ほど、そ れはまた「厳しさを伴う」のだと、素直にうなずいてしまう。 そんな“本当の大人にしかわからない”、実に良い本である。 50代以上で、「自分は大人である」と思える方よ、読んでみてください。(karakkaze / 2005-04-13)
幼い頃からの本好きは、やがて早熟な思春期に突入。立原作品の 「恋」に触れるたび、恋する人とはこのように美しきものかと、 己の身姿を鏡に映し冷静になるでもなく一人トキメイテいたのでした。 あれから数十年の歳月が過ぎ、この作品を読みふける休日、 日本とはこの様に美しき国であったかと思い巡らし旅立ちの 誘惑にかられるのです。まるで上質な日本画を描くようにつづられた 美しい作品ではないでしょうか。落ち着いて読むことの出来る 激しい恋愛物語です。(chiyonosan / 2004-01-31)
立原正秋をはじめて読む人にもおすすめ。鎌倉や旅先の情景、季節、美術、食など、滅びつつある美しい日本の描写にまずは惹きこまれてしまう。そのなかで繰り広げられる男女の恋愛模様は、さながら華麗な絵巻物のよう。一方で失踪したヒロインの夫とその愛人たちの様子は、同じ不倫でありながらまったく彩りのない、通俗的な姿に描かれる。この2つの対照的な恋愛模様のコントラストにくわえて、老いてなお男女の性愛に捉われるヒロインの親たちの姿が品格を失わず描かれるのも見逃せない。とどまることのない人間の情念、性愛のゆくえが、作者が生涯貫きとおした独特の美意識のなかで昇華され、こころゆくまで立原正秋の世界を堪能できる。(book-may / 2006-06-07)
工藤保之は妻里子と幼稚園に上がる前の男児を残して、愛人千枝と失踪した。里子にめぐり合った骨董に目が効く40代の会社社長、坂西浩平は「あなたは目について仕方がない人です」という。里子は「目につかないようになさればよろしいのではございませんか」と答える。…というように、物語ははじまる。多くの男性読者にとって、里子はいかにも愛してみたい女性、多くの女性読者にとって、坂西はいかにも愛されてみたい男性であろう。その意味で、これは大人向けのお伽話といえよう。坂西と里子の深まって行く愛と平行して、工藤と千枝の薄らいで行く愛も述べられる。愛の場面の描写は、先の二人において、自然の細やかな描写とないあわされて美しく、後の二人において、乾いて殺伐としている。異種の愛を描き分けるための作者の巧みな工夫であろう。しかし、そのように美しい表現が見え隠れすることと、全編があまりにも読みやすいことから、これを純文学と呼ぶべきか、通俗小説と呼ぶべきかと迷わされる。里子の父が「男も女も、その生涯を終えるまで、たがいに相手にたいする思いが熄むことはない」と考えるところがある。筋を興味深く追いながら、その「思い」のいろいろな形について考えさせられもする作品である。(tttabata / 2002-12-18)
京都への旅行や箱根の宿の日帰り利用など不倫の遊び方のお手本になるような小説。実際、手本になってきたのかもしれない。越後湯沢の雪以外なにもない温泉に籠もった日々を絵巻物、と形容するのが感慨深いものがあった。不倫が多くなってしまう成人の恋愛を扱うと、どうしてもそういうものがふさわしくなる。「犬を連れた奥さん」もこおろぎの声だけがする無声映画にするのがふさわしく思えたこともあった。 さて本筋とは違うのかもしれないがこの小説でもっとも感銘深かったのは中絶の手術を受けた主人公が寿司一折とケーキ3つとお茶100グラムを買って帰るところだ。なんとなくこの3品以外にふさわしいものはないほど似つかわしいし、これほど細かく指定されているというのは作者も供養などの意味をもたせているはずだ。これを買った帰り道の乾いた感じが伝わってくる。お腹が空いているので寿司はおいしかった、とされている。傷ついたことと疲れが伝わってくる。立原正秋についてはよく知らないのだが食通として知られた人のようだ。なるほどというところ。ほかに食べ物に薀蓄を傾けたシーンも多かったが、ここが一番よくできていると思う。しかし何よりその前に、大人同士なのだから避妊したらいいのにと思うのだが。昭和40年代末だったら現代と避妊知識方法にも差があるのだろうか? ところで主人公の相手は友だちの元カレという設定である。しかもその友だちを介して知り合っている。そして怒った友だちは悪者になっている。現代では主人公はこの点で特に女性からおそらく共感を得にくいと思う。昔は女同士の関係というものがこの程度に認識されていたという歴史資料としての意味すらあるが、これほど女性の心の動きをよく知っている人なのに、もう少し別な設定はなかったのだろうか。(kurohyopanda / 2005-08-14)
レビュー数 5
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平均点:4.0
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No.1-2
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有頂天家族 / レビュー総評点:200
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ASIN:4344013840 / 売上順位:58079
幻冬舎(2007-09-25)
森見 登美彦
¥ 1,575(中古:¥ 630)
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レビュー総評点:
200
洛中を舞台に、天狗、人間、そして狸の眷属が三つ巴、縦横無尽の大活劇を魅せてくれる面白小説。 往年の天狗力、今いずこの赤玉先生。半人間、半天狗の美女・弁天。四匹よれば、時には百人力の狸魂を発揮する下鴨(しもがも)四兄弟。下鴨ファミリーとは宿命の抗争を繰り返す夷川(えびすがわ)ファミリーの金閣、銀閣の兄弟。などなど、登場するキャラクターたちの、のほほんとした言動と化かし合いが、なんとも飄々としていて痛快。楽しかったです。 また、『夜は短し歩けよ乙女』を彷彿させる、森見ワールドならではの歌い、踊り、流れるような筆致。ひょいひょいとつながって行くエピソード、その連係プレイがとってもイケてる話の展開。そういうところが、実にいいんだなあ。 終章の話の疾走感などは、遊園地で人気のアトラクションに乗ってるみたいな、スリリングな楽しさがいっぱい。帯の背表紙のところに書いてあるとおり、「面白きことは良きことなり!」であるなあと、存分に堪能させられました。 下鴨ファミリーを結ぶ強い家族愛にも、ぐっときました。そのほろりとさせられる味わいは、忘年会で鍋料理をはふはふ言いながら食すのにも似たあたたかさがあったなあ。 幻冬舎の「パピルス」、2005年10月号〜2007年2月号に掲載されたものに、書き下ろしを加えた作品。 この話につづく「有頂天家族」シリーズ第二部、第一話「二代目の帰朝」が、2007年10月27日発売の「パピルス」15号に掲載予定の由。待て、しばし。楽しみになってきました。(東の風 / 2007-09-28)
人間・天狗・狸が暮らす街・京都が舞台。 京都という地の持つ奥ゆかしく味わいのある風景が この3つの種族が共存する不思議さと見事にマッチしています。 はじめは相変わらずのモリミー節のバカバカしさに 呆れつつも楽しく読んでいたのですが、 父の死の真相がわかるにつれて怒涛の展開に! いちいち驚きの声をあげ、 愛すべき毛玉たちに声援を送りながら熱い気持ちで読みました。 奥ゆかしさ・バカバカしさ・妖艶さ、この3つの絶妙なバランス感。 そして主人公がかわいい狸だっていう力の抜け具合。 バカバカしさをしっかり保ちながらも感動させてくれるから凄い! 巻末では第二部の始動が大きく予告されてあり、 今後も毛玉4兄弟の活躍から目が離せません。(夢追い虫 / 2007-10-28)
面白い
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狸と天狗と人間の話。 最初は登場人物(狸か)の紹介と状況説明が続く内容で これは面白くないかも・・・なんて思いましたが、 やはりそこはモリミーです。 中盤から後半にかけて一気に読ませる面白さ。 もう、なんというか、阿呆さ爆発。 出てくるキャラクターたちが 非常に人間っぽくて、狸のくせに(笑)。 周りにもこんな人、いや狸?、いるなぁ〜なんて。 人間をキャラクターにして書いていたらありきたりな物語になってしまうところを 狸や天狗を主役に持ってくることで、あっさりと面白い話に 変えてしまう、そんなモリミーの筆力というか発想に感服。 狸たちがかわいくてしょうがありません。 その化けっぷりも、 叡山電車に化けて街中を走り回ったり、 如意ヶ嶽に化けちゃったり、 丸ごと蕎麦屋に化けちゃったり、 どこまで妖力あるんじゃい!って突っ込みたくなるほどでした。 そんな狸でもあっさり狸鍋になっちゃったり。 ところどころ笑えるツボがしっかり抑えてあるし、 また、親子兄弟の愛情考えさせられたり。 ほろっとさせられたり。 上手すぎです。 第2部も始まるようです。 これから下鴨4兄弟や赤玉先生、弁天に何が起こるのか、 楽しみですね。 (なおっち / 2007-10-05)
面白きことはよきことなり!! ファンタジィである。 しかしある意味謎ときミステリィであったりもする。 京の都には 人間と天狗と狸がいる。そしてそれぞれ三つ巴になりくんずほぐれつするのである。 糺の森に住む狸の4兄弟が 宿敵夷川親子と知力を尽くして戦い抜くのである。 と、言うとなんとも血なまぐさく聞こえるが(実際、兄を騙して狸汁にして人間に食わしちゃうくらい意外とノアールだったりする)そこはほれ、モリミーだからもう阿呆の血が騒ぎまくり七転八倒呉越同舟捲土重来樋口一葉なのである。 いやぁ もうなんとも面白いのなんのって読み出したら止まらないんだから。特に最終章のスピード感ったらジェットコースター並だから。 あちこちにちりばめられた森見的エッセンス健在。偽電気ブランやら怪しげ隠居やら腐れ大学生やら、キュートな擬態語やら…もうぷりぷり けぽっなのである。 あぁ 言葉にならないくらい 有頂天な小説なのだ(かばりっち / 2007-10-22)
森見作品はどれもおもしろいので今回も楽しみにしていましたが、 期待を裏切らない作品でした。 特に中盤以降はストーリーがどんどん展開して、あっという間に読みきってしまいました。 風変わりな設定だけに頼らず、物語の中身や何気ない表現にも工夫があって、 小説としての完成度は今までで一番な感じです。 奇抜な設定と独特の文体を使い、頑固に京都という舞台にこだわり… 他のどんな作家にも追随できない王国を築き上げているのが本当にすごいです。 これからもこの作風を貫いて頑張ってほしいです。(mayu / 2007-10-11)
レビュー数 46
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平均点:4.5
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No.1-3
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コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫) / レビュー総評点:138
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ASIN:4061831585 / 売上順位:14863
講談社(1984-01-09)
村上 龍
¥ 490(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
138
衝撃的な作品でした。 解りやすいエンターテイメントを好んで読んでいた僕には、最初の100ページを読むのに三日費やすほど体力の要る小説で、上巻はほとんど意地で読みきりました。ただ、下巻に差し掛かってからはどういうことか休まず一気に読まされました。マシンガンさながらのディティールの乱射が、この一貫した危うい感じのリアリティーとなっているのか、受け入れてみるとどんどん読み進められました。(疲れることには変わりありませんが) 80年代から物語はスタートしていますが設定はどこか近未来的にも写り、「破壊と自閉」のイメージは僕の想像力の限界を超えたところに刷り込まれ、大袈裟かもしれませんが、ラストでは軽く眩暈がするような感覚でした。貴重な読書でした。(アヒル / 2006-08-28)
凄く面白く、エネルギーに満ち溢れた小説です。 そのテーマを一言でいえば「破壊」ということになると思いますが、単なる負の力から絶対的な肯定へと昇華していく疾走感はすさまじいものがあります。 その眩しすぎて目をつぶってしまいたくなるほどの強烈さは、人によっては、生理的にまったく受け付けることができないこともあるでしょう。 が、一度、手にとって目をとおす価値は充分ある小説だと思います。 ちなみに、「アキラ」よりも前に出版されていますので、「アキラ風に処理した」小説ではありません。 村上龍の完全なオリジナルであり、村上龍の思想・世界観が最も忠実にわかりやすく表現された小説だと個人的には思っています。(lsd / 2005-03-25)
「全力だ!」 村上龍のエネルギー溢れた作品を読むと、そんな気分になる。 途方もなく広がる想像力と、ゴーギャンの絵が更に激しくなったような、 原色の生物の息吹と色と匂いが立ち上り、句読点すらもどかしいように 疾走する文体は洗練という形とは遠い。 無論、それが村上龍の最大の武器である彼の生理であり、 力強い才能のコアだと思う。 10年以上前、初めて「コインロッカーベイビーズ」を読んだとき、 僕は細胞が叫びだすような興奮を感じた。 コインロッカーへの置き去りの子供、崩壊した東京、破滅へと向かう ストーリー。 現実化すると単なる破滅的なテロリズムだろう。 でも、閉塞から抜け出せない今の日本に少しでも元気を出すためならば、 この飛び切り危険でパワフルな虚構に引き込まれてもいいと思う。 元気を出すためも、鬼才村上龍が若干30歳で描いた本作が多くの 人に読まれることを望みたい。(聖跡桜ケ丘 / 2003-10-26)
冒頭からトップギアで走りだす、文芸的近未来小説。村上さんの小説作品は半分弱くらい読んでいますが、これを越える作品は知りませんし、私が読んだ日本文学の中では、間違いなくトップクラスの刺激的作品です。 精神的にギリギリのところに所在する登場人物の独白のような言葉と、精緻な性的・肉体的・感覚的描写の連続に、読者の感覚が犯されていくような錯覚があります。決して、感情移入するのではなく、感情浸食されていくような、そんな小説です。 できればもう少し長い小説にして欲しかったという思いはありますが、クライマックスを過ぎても、ひたすらダラダラ続いてしまう作品よりは遙かにまし。少し足りない位で止められた作者のセンスにも、敬意を表したいと思います。(dosei / 2002-10-11)
この本は語り尽くせない思い入れがあります。私が読書に目覚めるきっかけとなった唯一の本です。村上龍の作品では後にも先にもこれ以上のものはありませんでした。何度読み返しても、また感動してしまうんです。この感情はなんだろう??感動させようとしている話ではないと思うけど、感動してしまうんだ。見事に。 最も「ガツーーーン!!」ときたのは、キクという主人公が走ることに目覚めるシーン。私自身運動の喜びを知らない人間だったのに、まるで自分の体が目覚めたように、ビリビリと伝わってきました。その描写がすばらしかったです。他にも運動の描写がたくさん出てきます。どれもこれも体が震えるほどの感情を呼びました。ほんっとにこれ以上の本はないと思うんだけどなあ・・・。 でも、友人に貸したり、プレゼントしたりしたけれど、ちょっとキツイっていう人も多かったです。設定が、なさそうで、でもリアルだし、におってきそうな描写が多いです。テーマも重いです。村上龍独特の文ですよね。匂ってくる感じです。重油の匂い、新宿の公園の匂い、ワニの匂い、アネモネの匂い、ハシの匂い・・・それぞれ匂いを感じます。(らら / 2003-05-21)
レビュー数 44
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平均点:4.0
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No.1-4
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あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット / レビュー総評点:234
『あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット』で画像検索
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ASIN:4069348522 / 売上順位:2307
講談社(2001-08-01)
大和 和紀
¥ 4,673(中古:¥ 3,770)
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レビュー総評点:
234
大和和紀の源氏物語は、素晴らしい!着物の柄、女性の長い髪、丁寧に書きこまれた風景・・・。原文を読むだけでは思い浮かばなかった物語の背景が、見事に絵で表現されています。雅で美しく、思わず見とれてしまいます。誰かが、大和和紀は「現代によみがえった紫式部」だと言っていましたが、本当にそう思えるほど見事に、原作に忠実に仕上がっています。 絵だけではなく話の方も、千年前に書かれたものとは思えないほど新鮮で面白い。学校の古文の授業も、この本を読めば楽しくなること請負です。私もこのおかげで古文のテストの点がずいぶん上がりました。まさに一石二鳥。 千年語り継がれているだけあって、とても魅力的な内容です。 帝の御子として生まれ、世の栄華を極めた光源氏と、あまたの恋人達の物語。光源氏の美しさもさることながら、姫君たちも1人ひとりに個性があり、魅力的です。私が特に好きなのは、葵の上・雲居の雁・秋好中宮です。でもやはり、源氏の君が特別に愛したのは、藤壺の宮・紫の上・明石の御方でしょうね・・・。彼の人生を狂わせた、朧月夜・女三の宮にも注目です。 ただこの本の唯一の欠点は、女性の顔の見分けがつきにくいこと。数が多いうえに髪形も似ているので、見分けるのが大変です・・・。 古典が嫌い、漫画なんか読まないと言う人も、ぜひ読んでみてください。勉強にもなるし、きっと感動できると思います。この本を通して、もっともっと現代の人が源氏物語に興味を持ってくれるようになりますように。( / )
源氏物語を知ってみたいなと思い、購入したのがきっかけ。 すぐに全巻読みました。何度も何度も読みました。 少し登場人物が多くて何度も人物関係を確認しながらでしたが、 かなりはまりました。(ashita / 2004-09-26)
「源氏物語」は、古文を勉強する上では避けては通れませんよね。 ちょうど私は高校3年のときに「あさきゆめみし」読み始めました。 小学生の頃にも最初のところをちょっと読んだのですが、年齢が 低すぎたせいかあまり印象がありません。 ですが、古文の勉強をしつつ読むと、「あさきゆめみし」がどれだけ 原文に忠実かを身にしみて実感しました。 源氏の表情、屋敷の赴き、庭の情景、町並みの様子。 全て原文である古文を訳すと出てくるものなのです。 ですから、あさきゆめみしを読んだ後に古文を読むと、訳がとても しやすいのです。ですからテストに「源氏物語」が出ると 「もらったっ!!」と思ったものです。(実際良い点いただきました♪) 受験生の方! 息抜にも、勉強にもなるマンガですよ!( / )
声も香りも
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「あさきゆめみし」を読んでしみじみ思ったのは、当時は 文のやりとりや御簾ごしの面会が主で、 あらゆるインフォメーションを集大成してそのひとを想像し そうして恋をしていたのだということです。 だから家柄、血筋もそうですが、歌のセンス、筆跡、便箋の 選び方、声、香り、楽器の腕前、後姿の髪の美しさ、 といったさまざまな要素がそれぞれに重要であり、 お顔は最後の最後に見るくらい。イケメンがもてはやされたり、 美容整形がはやったりする現代は、なんと「美」のとらえかたが 薄っぺらなのであろうか、と考えてしまいました。(masakosama / 2004-06-05)
最初は受験勉強の道具だと思っていたが、読み進めていくうちにそんなものを超越し、一つの作品として、とてもおもしろかった。恋の何とも言えない気持ちを見事に表現していて、こんな素晴らしい作品を、1000年も前に紫式部という日本人の手によって書かれたことは、ホントに凄いことだと思う。そして、大和和紀さんは私たちにわかりやすく、親しみやすくしてくれたことも素晴らしい。紫の上の死や源氏の出家前の宴のシーンは、鳥肌が立つぐらい美しくて感動的だった。(トグロ / 2006-01-12)
レビュー数 34
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平均点:5.0
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No.1-5
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キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) / レビュー総評点:124
『キャッチャー・イン・ザ・ライ 』で画像検索
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ASIN:4560090009 / 売上順位:6800
白水社(2006-04)
原著:J.D. Salinger/J.D. サリンジャー/翻訳:村上 春樹
¥ 924(中古:¥ 190)
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レビュー総評点:
124
レビューを書こうと思ったら、すでに235ものレビューがあって、一瞬ひるんだ。 しかし、俺には俺の見方がある。 著者のJ.D.サリンジャーは今年、2010.1.27に亡くなった。これを機会に新聞のコラムやエッセー欄にサリンジャー賛辞の記事が沢山出た。青春小説の傑作だそうで、落合恵子とか、若者に説教したがり屋が特に褒めちぎっていた。そこで俺も読んでみようと思った。断っておくが、俺は75歳のじじいだ。翻訳は野崎孝のものが名訳ということになってるらしい。 読み始めて、まず感じたのは外国映画の日本語吹き替えのあの妙なイントネーションだ。この妙なイントネーションは芸人の友近が「ディラン&キャサリン」というペアで売り出していて、俺は感心していた。この二人はまさに日本語吹き替え映画のせりふのいやらしさを見事にあらわしている。この日本語吹き替え洋画的文章もしばらく読んでいくうちに気にならなくなってきた。彼のいんちきを見抜く直観力とその表現に思わずなんども噴出した。こんなことは俺には滅多にないことだよ。 さて、本題だが16歳の少年が、余りのはみ出しぶりに名門高校を退学になり、家に帰るまでの数日間、大人の真似をして、酒を飲んだり、娼婦を買おうとしたり、先生の家に遊びにいったりしながら、ぼろぼろになって、家にたどり着くまでの間に、色々考えたり、人物についてこき下ろしたりしながら、彼の考えを述べる。これがまさに的を射ているんだな。彼は、別に論理的とか倫理的とかに考えて、人物に対する判断をおろしているわけではないが、まさに直感的に、こいつは胡散臭い奴だとか、偽善者だとかわかるんだ。でも、自分の亡くなった弟や,幼い妹は深く愛していて、心を打たれる。おれ自身も青春時代とはいわず、40・50・60になっても(俺は会社員だった)上役・同役・下役のインチキ性を身をもって感じていたから、主人公の直感がよくわかるんだ。 柄にもなく、野崎さんの翻訳口調をちょいと真似したが、彼の翻訳の足元にも及ばないことはよく承知している。(ボーン・ウイナー / 2010-03-05)
村上訳だからといっていいわけではないのだよ。
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私は原書の翻訳の野崎訳を推薦します。この本は世界的に有名で 各国で翻訳がされており、一度は読んでおくべき本でしょう。 従って、私はこの本をあなたが手に取るものだとして、レビュー を書きます。断然野崎訳です。当時の原書はその時代の反抗的若者 の言葉遣いを知る上で、文学的に、そして文化的にも貴重なものと 認識されています。野崎氏はその点に留意し、ホールデン(主人公) の言葉遣いを難解な作業でありながら、日本語でその気品に満ちた 反抗性を表現しています。一方、村上氏はその気品を重んじるあまり、 反抗性への留意が欠如しており、現代の小説を読んでるイメージを 受けるとともに、この小説がなぜ、ホールデンが一人称として物語 が展開していっているのか、を考えさせることができていない。と 思います。そして、言うまでもなく、村上訳が野崎訳をベースに編 成されていることを留意すれば、断然....でしょう。(really / 2004-02-26)
十代から五十代の現在まで、10年に一度くらい読み返してます。 読む年齢によって、読後感がすごく変わります。 昔は、ホールデンに全面的に共感したりもしたけど、今の年齢で読むと、これだけ感受性のかたまりのようだと生きるのはつらかろうなあ・・・と、ホールデンに対してなんだかせつない気持ちを覚える。そりゃ世の中イヤな奴と頭の悪いボンクラばっかだけど、でも人間ってさ、みんなが君みたいに優秀なわけじゃないんだよホールデン君。そういう感想になっちゃう。 僕もオヤジになったってことか。 作者サリンジャーが、これを書いたあと60年も生きたっていうのがなんだかすごい。(スパークル1 / 2010-02-08)
訳のせいもあるでしょうが、前半は、何もかもに反抗する自暴自棄な主人公が不自然に感じるかもしれません。 しかし、彼は認めている人間には限りない羨望を惜しげもなく表現しています。妹だったり、NYで出会ったシスターだったり。 そういう人たちへの観察力、分析力は、若さゆえに正直でまっすぐでピュアなものです。その半面、権力や地位や見栄で街を闊歩する多くの大人たちに対しては、遠慮のない憎悪、嫌悪を露にしています。 後半、彼をとりまく大人たちから貴重な言葉が向けられます。10代がゆえに悩み、受け入れがたい現実社会の規律、規範・・・。 そういった漠然とした青年期の葛藤が見事に描かれた傑作です。 90年代初頭の高校時代に一度読み、30代に突入した最近また読み直しましたが、訳の違和感さえ取り除けば、ほぼ普遍的に読み継がれる作品だと思います。(iimiycoco / 2006-03-17)
大人社会に疑問を持っている人へ
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JFK、J.レノンを暗殺した犯人がポケットに入れていたという、いわくつきの小説。 高校を退学させられた少年・ホールデンが、大人社会を語り口調で痛烈に批判する。 この作品の特徴は、50's米国の汚い若者言葉が連発されていることであり、それが発刊当初、図書館に置いてもらえなかったという理由の一つである。 ホールデンの将来の夢は、一面に広がるライ麦畑で、どこを走っているのかわからず崖から落ちそうになる子どもたちをつかまえる役――"the catcher in the rye"――になることだったが、このryeは、嘘の多い大人社会という意味で、lieと韻を踏んでいると考えられないだろうか。あてもなく街を彷徨い、嘘ばかりの大人社会に片足を踏み入れて、誰かにつかまえて欲しいと願ったのは、本当は彼自身だったかも知れない。 日本版は野崎・村上の2人によって訳されているが、野崎訳の攻撃的な言葉と流れるようなリズムが、よりホールデンという人物を的確に表現しているかも知れない。村上が、この作品をどう解釈したのか、著者(サリンジャー)の要請により実現されなかったという解説を読んでみたい気がする。(由巳ゆみ / 2005-01-16)
レビュー数 238
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平均点:4.0
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No.1-6
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ぼくには数字が風景に見える / レビュー総評点:163
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ASIN:4062139545 / 売上順位:21521
講談社(2007-06-13)
翻訳:古屋 美登里/D. タメット
¥ 1,785(中古:¥ 170)
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レビュー総評点:
163
サヴァン症候群の著者にとって、どのような感覚の世界に住んでいるのかを、自分なりの言葉で分かりやすく表現されています。驚くことしきりです。 人間の多様性に対する理解を深め、ひいては未だに蔓延する様々な差別をなくすためにも重要な書籍だと思いました。 それとともに、アスペルガー症候群でもありながら、少しずつ一歩を踏みしめて社会性を身につけて行こうとするひたむきな姿勢に静かな勇気を感じました。 この点においても自分の社会性に悩みを持っている人たちにとても参考になり、元気をもらえる本だと思います。 語学の天才でもある著者に、是非日本語にも挑戦もらいたくなりました。漢字に接したときにどのような感覚世界が広がるのか聞いてみたいです。(猫鉄会長 / 2007-06-28)
もう一昔にもなりますが、「レインマン」を見て「難儀な人だな〜」と思うと同時に人間の能力の深遠さも垣間見た気がしたものですが、この本はそんなサヴァン症の人が書いた自伝というものだから、興味を持って読んでみました。文章はレインマンが綴る言葉のように少し網羅的に書かれているのが作者の個性が窺えましたし、自分の障害(アスペルガー症候群)の説明も説得力がありました。また、自分の数字をイメージする能力(共感覚)についてもかなり詳しい記述があり、読んでいて興味が尽きなかったです。ユーモアを排した(というより比喩が苦手だけど)、生真面目な文章が作者の人柄を偲ばせて良かったです。余談になりますが、作者のWebサイトを見たら作者が描いた抽象画が通販で売られていて、妙に親近感が湧きました。(コークス萌太 / 2007-06-28)
以前、ラマチャンドラン博士の「脳の中の幽霊」を読んで、共感覚というのを知り 興味を持っていたので、(読んで分かったのだが、この作者はラマチャンドラン博士とも会っている)タイトルから共感覚がどういうものかを詳細に説明した本なのか と思って読んでみたら、びっくり。 ご本人は、共感覚だけでなく、共感覚かつサバンかつ自閉症スペクトラムとのこと。 これは、ものすごく稀なことらしい。 自閉症的性格に起因して、子供時代、人と打ち解けることができず、いじめられて しまうのだが、それでもそんな自分を鍛えるべく、海外のボランティアに志願し 人と交流することにしだいになれていき、自分でイベントを企画できるように なっていく過程はすばらしい。 訳者あとがきで訳者も書いているのだが、作者がレインマンのモデルになった実在の 人物と会うシーンなどは、本当に感動的だ。 共感覚を知りたくて読んだが、共感覚を知りたい人より、むしろ人生にくじけている 人にお勧めだと思う。(よろよろ / 2007-09-26)
「サヴァン」にとても興味を感じています。 映画『レインマン』のモデルになったキム・ピークが有名ですが、常人では考えられない記憶力や計算力を持った人で、自閉症と同居していることが多いようです。 本書の著者ダニエル・タメットはイギリス人。アスペルガー症候群でサヴァンです。そう、この本の面白いところは、サヴァンの人が自分で本を書いたというところなのです! ダニエルは幼児期にてんかんを患い、コミュニケーション障害を感じつつも、忍耐と理解のある両親の元で育ちます。 並外れた記憶力、計算力、そして言語習得力を持つサヴァンであることが徐々に分かります。さらに、数字を見たり考えると色や風景が見える、「共感覚」の持ち主でもあります。 しかし、友達も作れず孤立していたダニエルが高校卒業後に大きな決断をします。その勇気には感動します。そして、てんかん基金のためにπ2万桁以上を暗唱するイベントを行い、TV局や研究機関の注目を集めるに至るのです。 『レインマン』キム・ピークや、脳科学のラマチャンドラン博士との邂逅など興味深いエピソードも出てきます。 サヴァン能力の話に加えて、自閉症スペクトラムの方の感じ方、特に対人関係での共感の困難さについての記述もとても貴重です。彼が研究対象を買って出たことにより、対人障害の理解に大きな進歩がもたらされるかもしれません。 脳の不思議、努力、差別、愛…いろいろなテーマがちりばめられたオススメの一冊です。 (Tack / 2007-08-11)
世の中には人並みはずれた才能を持っている人がいます。 私を含め、とりたてて人と変わった長所のない凡人は、 それにあこがれたりうらやましがったり、嫉妬したりします。 私がこの本を読んで思ったことは、すばらしい才能を持っているということが、 必ずしも本人の幸せを保証するというわけではないんだな、という単純な実感でした。 人と違ったものを持っているということは、人と違った苦労を背負っているということにも つながるところがあるんだと思います。 それは病気だったり周りの人からの反応だったり、また別のものだったりするのでしょう。 それでも前向きに周囲と向き合っていこうとする筆者の姿に、考えさせられるものがありました。 あと、作者の頭の中の描写も新鮮でおもしろくて、そこも楽しめました。(mayu / 2007-08-23)
レビュー数 29
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平均点:4.5
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No.1-7
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つめたいよるに (新潮文庫) / レビュー総評点:10
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ASIN:4101339139 / 売上順位:5914
新潮社(1996-05)
江國 香織
¥ 420(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
10
前半に「つめたいよるに」として9編、後半に「温かなお皿」として12編が、単純計算して1編あたり約10ページで収められている。そのどれもが読みやすく、読者は知らず知らずのうちに物語の世界に曳きこまれてゆく。 たくさんの奇想天外な世界と、人間の営みが織り成すさまざまな模様が、まさに「凝縮」されている感じ。前半は「夜」を題材としているだけあって、夢か現実か区別がつかないような不思議な世界が広がっている。後半は「お皿」ということで、料理や食事を通して、陰と陽、さまざまな人間模様にスポットがあてられている。(古都涼基 / 2007-06-02)
友達の江國ファンから「超おすすめ!!!」と言われて買いました。 傑作なんだそうですね。確かに評価も高いようです。 この人は装飾過多系の文章を書く人なんですね。 装飾系と簡潔系に分けるのであれば、三島由紀夫と同じ仲間に入るかと思います。 私は三島は好きですが、江國ファンにはなれそうもないです。 文章ばかりきらきらしすぎていて、中味が感じられないというか。 好きな人には、このふわふわした頼りない感じがいいらしいですが この人の文章って、かなり好き嫌いが分かれると思います。 私と同じ好みの人に聞くと、決まって江國は読めん!と言います。(化け猫 / 2007-01-27)
ひとつの本の中でいろんな人間になりかわって語っている。可愛がっていた犬のデュークを亡くしてしまった21歳の女の子、卒業間近の小学生、幽霊の父を持つ少年、養老院のトキお婆ちゃんに会いに行くトキオ、いつかずっと昔、へびで、豚で、貝だったかもしれない恋人、ご飯を食べるのに二時間もかかるお翁さん、同じ団地に住む子供達・・・。 こうやって描くことができるから、小説はすてきなんだと思わせる。( / 2002-06-30)
この小説には、不思議な魅力を持った話しがたくさん登場します。特に私が好きなのはデューク。主人公がとてもとても愛していた飼い犬のデュークが死んだ翌日、彼女はハンサムな男の子に出会うのだけれど、彼は一体何者なんだろう。想像が膨らみます。そして、最後に彼が言った言葉。私はここで、涙が出てきました。気になる方は、ぜひ。大人だけでなく、お子さんに読んであげるのにも、とても良い本だと思います。( / )
短編集です。一つ一つのお話がものすごく短いです。 そのためか、読後感かえって印象的な一冊になっていると思います。 テーマの一つに「別れ」があります。 胸が切なくなるようなプロセスにもかかわらず、物語が短すぎるためか、「ふっ」と頭をよぎっていきます。 一瞬の春の風に吹かれたかのような、とても暖かな気持ちになります。 冒頭の「デューク」が珠玉だと思います! 愛犬が無くなった直後の主人公(女性)の前に、不思議な雰囲気の男の子が現れます。 主人公と男の子は最後にキスをしますが、その時主人公によぎった思いは・・・? (fankybassman / 2006-08-23)
レビュー数 53
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平均点:4.5
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No.1-8
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金閣寺 (新潮文庫) / レビュー総評点:134
『金閣寺 』で画像検索
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ASIN:4101050082 / 売上順位:844
新潮社(2003-05)
三島 由紀夫
¥ 580(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
134
三島由紀夫の作品は、何と言っても その日本語の美しさに圧倒される。 しかし、本作は、読み進むにつれ、 主人公の独特な論理の難解さによって、 珍しく日本語に酔っていることが出来なくなった。 それに引き換えてか、物語の情景そのものの美しさに 打たれる、という極めて印象的な箇所がいくつかあった。 南禅寺での美しい男女の不思議な逢瀬の場面。 月夜の金閣で尺八を奏でる場面。 台風の夜、金閣の守衛をする場面。などなど 私は、読むのは二度目だが、やはり難解で 全てをわかったとはとても言えない。 ただ、この作品の優れた点に、差別表現ととられかねない 外見による人の宿命、ということを鋭く突いているところが あると思う。 それは、醜い、ということだけではなく、実は、美しい、 ということにおいても、人並みでない容姿に生れた者は、 それだけで生きにくい、ということである。 この作品に出てくる美女たちは、かなり悲惨な人生に 描かれている。 昨今、「美人のなり方」がブームだが、 本当に生れついての美人、とはそう甘いものじゃない。 これは、美の残酷さ、ということが描かれた作品である。(れんげ / 2007-11-11)
誰の心の中にも絶対的に超えられないと感じる何かがきっとあると思う。それが彼にとっての金閣であったわけだ。人が生きて行くうえで様々なものからのプレッシャーを感じながら生きている。両親やルール、先輩などから。偉大な金閣との関係もさる事ながら、人間関係の描写が人の深い部分を全て出した感じで生生しさと共に面白さも感じた。中学生の頃に読もうとして挫折した作品だが、大学生になり、人というものも少しはわかってきたので、おもしろくていっきに読む事ができた。あと、作者独特の情景描写が素晴らしい。人間関係だけでなく情景にも注目して読んでみるとおもしろさのます作品だと思う。(ウィルヘルム / 2001-10-24)
日本文学の最高峰!
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なんでこんなに精緻で美しい文章が書けるのだろうか!と驚愕を禁じ得ない。 正直、読み進めるのは大変だった。難解な語句が頻出するし、仏教用語も多い。手元に国語辞典を用意しての読書だった。 軽い気持ちで読んでいるとすぐに文章についていけなくなった。集中して主体的に読み進めないと理解できなくなる。 テレビや音楽といった受動的なメディアと違い、活字は主体性が重視される媒体なのだと再認識させられた。 昨今の活字離れを背景に、大衆に迎合した軽い文章、浅薄な内容の作品しか書かないで作家気取りの人達の作品とは大きな違いだ。 日本語の美しさ、奥深さ、読書の醍醐味を満喫させてくれる作品。中・高校生にも是非読んでほしい。一生の財産になるはず。おそらく一回読んだだけで理解するのは難しいだろう。2度、3度読んでほしい。一生読める本だと思う。不世出の鬼才・三島由紀夫が日本人に残した宝だと思う。 日本語を母国語として育った人間で本当に良かった。この作品は日本語で読んでこそ真髄が伝わる。(occhi / 2004-05-15)
はじめて三島文学に触れた。 非常に圧倒された。重い暗い感じの中に「美」についても書かれてあり、うまく言葉であらせないが、読み終わったあと、いままでの本にはない気持ちになった。 主人公の病的な気持ちの揺れを事細かに表現しているが、もしかすると誰しもこのような部分を少しは持っているのではとふと思ってみたり。 30歳そこそこに書いたとは到底思えない、迫力ある1冊。これはすごい。(カラッと爽快 / 2006-08-22)
この作品は、昭和25年に実際に起こった出来事を下地に描かれた作品である。 文学史に名を残す作品だけに、選びぬかれた語彙と硬質な文体で書かれる文章は、読者に読ませ、考えさせる力を持っている。 主人公を明るいところに留めてくれるはずであった朋輩の死、同学の友にみる暗い悪意、それから親からかけられる期待の大きさ。そんな外的要因が積もって、「美」の象徴である「金閣」を憎むようになる主人公の倒錯した感情を、緻密なディテールを持たせた回顧という形で描きあげる。 この作品を読み通し、消化するのは、難儀なことだが、読後にはそれなりの達成感と充実感を得られることだろう。(海山ごはん / 2005-09-06)
レビュー数 78
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平均点:4.5
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No.1-9
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) / レビュー総評点:228
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 』で画像検索
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ASIN:4101001340 / 売上順位:3481
新潮社(1988-10)
村上 春樹
¥ 620(中古:¥ 26)
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レビュー総評点:
228
「ノルウェイの森」を読んでも、「国境の南、太陽の西」を読んでも大して面白いと思えなかったが、これだけは違った。今まで読んだ全ての本の中でも間違いなく5本の指に入るし、人に勧めたくなる作品だ。 私がどうしても村上作品を好きになれない要因である、女性との関係の描かれ方や、おしゃれすぎる飲食の情景でさえ、「世界の終わり」の幻想的な世界との対比によって、“日常”を構成する要素に見えてくる。 そして、物語の結末。 それまで、冒険活劇が繰り広げられてきた「ハードボイルドワンダーランド」の結末は、悲しくなるほど穏やかで内省的。主人公が手放さざるをえない“日常”を想ってなぜか涙が出た。 もう一方の「世界の終わり」は、眠りから目覚めたような展開で、希望へとつながっていきそうな描写で終わる。 絶対に、読み終わってもすぐには現実世界に戻れず、深い余韻にゆっくり浸りたくなる1冊だ。(kunyako / 2003-10-21)
作品冒頭、巨大なエレベーターでポケットのコインを数える印象的なシーン。そして、金色の一角獣、ピンクの太った娘、老博士、夢読み、影、やみくろ、歌の消失した世界……作家の豊かな想像力を見せつける数々のキーワード。2つの話が並行的に語られるが、あまり気にせず本の順序通りに読み進めると、不思議なシンクロ感が味わえる。意表をつく結末も、読む者におおきな宿題を投げつけられたようで、私自身未だ折に触れて読み返してしまう要因かもしれない。 最初、読み通せずに挫折してしまう人も、それだけ読み応えのある作品だと思って、何度かトライしてください。きっとすばらしい作品だと感じ取れるはずです。ところで。単行本も文庫本も今のポップな装幀よりオリジナルの司修氏の暗いイメージのデザインがおすすめです。(竹内正浩 / 2003-06-15)
完璧に語られた不完全性
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村上春樹の数ある著作の中で完成度が最も高いのは世間も私も認めるところである。それほどまでに、細部に至るまで精密に計算されつくされている。一章ごとに二つのストーリーがパラレルに展開している。二つの世界は互いに影響しあっている。この二つの物語がつむぎだす緊張感がたまらない。 村上春樹は翻訳家でもある。翻訳というのは一つの物語を頭の中に概念として記録し、それを違う形のものに作り変える仕事である。小説の主人公は頭の中にブラックボックスを持っていてそこで、なにやら作業をする。作業の内容は主人公にもわからない。これは翻訳家である村上春樹だからこそ、思いついた一つの世界認識の方法であるよう気もする。 この作品には考えるべく、問題がたくさんあると思う。しかし、そこを気にしなくても、不思議な冒険物語として気軽に読めるだろう。私は、村上春樹初心者には必ずこの本を進めることにしている。もっとも、読みやすく筆者のテイストも伝わるからだ。村上春樹の最初の一冊に思い悩んでいる人、これから読み始めたらどうですか?(mbookdiary / 2003-05-25)
自分が自分である所以とは何かを考えさせられる、非常に深い物語。「私」は心に他人には踏み込めない「壁」を抱えた人間。その「壁」の中には「街」がありもう一人の「私」はその街に暮らしている。つまり壁の中の街は主人公の自我を象徴している。人間は「心」があるから悩み、憎み、苦しむけれど、「心」があるからこそ幸せや喜びを感じることができる。でも一体「心」とはなんなのか?自分の「心」はどこにあるのか?そんな答えの出ない疑問を投げかけ続ける、哲学的な物語。村上作品の中でもっとも骨太な作品だと思う。( / 2005-04-01)
「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」との2つのストーリーが最初は何で交互に出てくるのだろうと思い、その内に何か関係ありそうだと思い、最後に繋がるのだけれども、それが本当にどんな繋がりなのかを読後も考えされられてしまう物凄い作品です。読み終わってから、また上巻の最初に戻って読み始めてしまいました。 どうしてこんなストーリーを考え付くのか想像を絶するものがあり、ハルキストのみならず、文学好きの人にはたまらない作品だと思います。本質は真面目ながら、随所にユーモアがあって(机の上にたくさんクリップがある理由が分かったときは笑ってしまいました)、迫力満点で、読んでいて思考回路がフル回転する気分です。また、絶対映画化出来ないだろうなと思いますし、それぐらい文学のレベルの高さを感じさせてくれます。 それから、太った娘が何でいろんなことを知っているんだろうと不思議な感じでした。そうでないとストーリーが進まないからですかね。星5つでも足りないぐらいです。(シロウサ / 2007-03-21)
レビュー数 82
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平均点:4.5
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