リスト:情報研究入門:佐藤優の世界2 を表示しています。(全 5 件)

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No.1-1
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私のマルクス / レビュー総評点:164
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ASIN:4163698302 / 売上順位:80682
文藝春秋(2007-12)
佐藤 優
¥ 1,700(中古:¥ 443)
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レビュー総評点:
164
『国家の罠』(逮捕前後の話)、『自壊する帝国』(ソ連崩壊前後の話)、『獄中記』(獄中の話)と読んできたが、感じとしては『自壊する帝国』のようなお話要素はありながらも、ややこしい議論の部分が増えた感じ。神学や共産主義に関する長めの引用が結構でてくる。お話要素というのは、佐藤氏が神学部生としていかに活躍(暗躍?)して、様々なセクトやら教授陣やら自治会やらと渡り合ったかみたいな話で、著者は学生時代から緊迫した空気の中で生きてきたのかとわかる。学生運動を舞台としたちょっとした青春小説としてもおもしろく読める。ただ、内容的には「私のマルクス」というより「私のキリスト(神)」という感じではないか。年次を経るにつれてマルクスは色あせていき、いつしかほとんど忘れられ、神学の話ばかりが表に出てくる。 もっとも、私は神学にも社会主義の細かな思想的側面にも興味がなく、引用部分などほとんど表面をなでるように読んだだけだが、それでもぜんたいとしては興味深く読めた。(sandroc / 2008-11-05)
もともと母親の影響でプロテスタント系のクリスチャンであった著書の佐藤さんは同志社大学神学部時代に無神論を勉強し、19歳で洗礼を受けました。 本書では、正に鬼才の元ロシア外交官で現在、起訴休職外務省事務官の佐藤さんの、主として同志社神学部時代の回想が、1.神学、2.神学に大きく影響するマルクス(の資本論)、3.少なからず巻き込まれる学生運動、を中心になされています。 超人的記憶力を持つ佐藤さんは、会話形式で回想しますが、同志社の神学部を中心とした仲間、教授・教諭達との会話に私は強く引き込まれました。 会話からそれぞれの登場人物の人となり・思想が浮き彫りにされ、とてもドラマチックであり、会話の内容に知的な刺激を受けるだけでなく、例えば直木賞作家東野圭吾氏の最近の佳作達よりも小説的な魅力を感じました。 表立って言葉には出てきませんが、本書に登場する人達は佐藤さんも含めて世の平和なり、社会的弱者を労わる社会を夢見て奮闘(生きて)しているように思います。 マルクスの資本論における資本主義の内在的論理とは何か。またマルクスの資本論と社会主義、マルクスの資本論と現在の金融資本の帝国主義時代との関係とは何かについて少しでも興味を惹かれる方、既に佐藤さんの著書に惹かれている方、同志社大学にゆかりのある方には、ご一読を強く勧めます。 (New JJ-K 72 / 2008-02-11)
佐藤の青春期
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昨年末に「獄中記」を読んで以来 この一年は佐藤の本が出る度に すぐ買う日々が続いた。本書もその流れで購入し 一気に読み終えた。 考えれば考えるほど 佐藤という人は 今の日本の言論界では突出した人である。僕の狭い知見で見る限り 佐藤に対する表立った批判は殆ど無く 完全に時代の寵児である。 佐藤のような経歴と はっきりした物言いを考えてみると 幾らでも反論異論の余地があるような気がするのだが それが出てきていない。 やはり 佐藤の経歴に圧倒されてしまうのだと思う。神学科でキリスト教を学んだ後に外務省にノンキャリアで入省し ソ連崩壊のモスクワで人脈を駆使し 帰国後は 鈴木宗男と北方領土に取り組み、鈴木宗男の失脚と同時に「国策捜査」にて入獄し 512日もの牢獄生活を 膨大な読書で過ごし 保釈後は 次々と著作を世に問う。敢えて 長く一文で書き出してみたが こんな経歴の方は 最近では他には見たことがない。 特に 牢獄生活を強いられた知識人などは ここ30年程度余り無かった話だ。佐藤に批判異論がある人も 相手が かような獄中期間に 検察と対峙しつつ 悠々と 哲学や宗教を耽読してきたという部分だけで 位負けしてしまっているのではないかと思うことすらある。 本書は佐藤の「青春期」である。相変わらず キリスト教には疎い僕には 知らない人名も多い。但し これを読むことで ようやく佐藤の「獄中記」の背景が見えた気がした。というか 獄中で行ってきた読書や思索は 佐藤の大学時代の生活の延長にあったことがはっきり分かった気がした。彼は獄に入ったことで読書家・思索家になったわけではなく 読書家・思索家が 獄に入っただけの事なのだ。 しかし 凄い方である。(くにたち蟄居日記 / 2007-12-07)
青春期
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内容は、佐藤氏の原点を紹介する一冊。 肉親から刷り込み、共産圏の国々の旅、 学習塾や高校、大学の友人や恩師、 学生運動、数多くの読書。 それらから筆者が、マルクス主義、哲学、神学に興味を持っていく様子を書いています。 正直な所、私はマルクス主義、哲学、神学について話についていけないことが多くあります。 青春期なら少しは体験が重なる部分もあるかと考え読み進めましたが、 好奇心が人間の思想に向かっている変わった子の青春期なので、神学への出会い、学生運動、真剣に読書する風景。 描かれている世界は、私自身どれも見たことも想像することもない風景でした。 それでも、登場人物の会話や人物紹介、エピソードの混ぜ方が楽しいので良くわから所が多々ありましたが、最後まで楽しんで読めました。 読了後は うーん・・・高校の倫理教科書読んでみようかな・・とは思えましたが・・・。 たぶん、哲学の素養があった方がより楽しめるのでしょう。 ですが、ほとんどなくても気軽に読めるちょっと変わった青春期として楽しく読めると思います。(明日天気にな〜れ / 2007-12-10)
同氏が、埼玉県立浦和高校入学時から同志社大学神学部大学院卒業までの自らの思想的遍歴や政治運動歴をある意味赤裸々に語った著。同氏のモラル・バックボーンを把握するためには必読。また、冒頭の高校一年時夏休みの東欧訪問記部分は、旅行記としても秀逸。個人的には、特に彼がいわゆるマルクス経済学を神学の方法(聖書の内在的論理)を用いて読み解いたという記述部分(176頁、262頁)が、こういう観方もあるのかと印象に残った。また、本書を読むと、神学を学ぶ過程で培ったラディカルな思考力と学生運動で鍛えられた強靭な行動力やカリスマ性が、その後の外交官時代以降の彼の活躍の根底にあることがよく理解できる。(麒麟児 / 2007-12-30)
レビュー数 20
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平均点:4.5
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No.1-2
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野蛮人のテーブルマナー / レビュー総評点:29
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ASIN:4062143666 / 売上順位:64458
講談社(2007-12-07)
佐藤 優
¥ 1,050(中古:¥ 99)
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レビュー総評点:
29
雑誌『KING』連載をまとめたもので、インテリジェンスの作法・技術を、女を口説くため、会社で 生き残るためなどの目的にも利用できるものとして一般のビジネスマン、若者に紹介する。 興味深かったのは情報源として、いかに他人と付き合い、また質問によって相手の知識などを評価す る方法についてや、会話についての独特の記憶術など。 本書が佐藤氏が今まで書いたもののなかで一番ライトなものだろう。インテリジェンスの世界を垣間 見れるし、安くて簡単に読める。物足りなければ次の著書へ進めばいいので…(k_1924 / 2007-12-16)
雑誌KINGに連載された文章と対談等をまとめた一冊。鈴木宗男さんとの対談も含まれている。 相変わらず佐藤さんの博学博識が冴える。また今回は下ネタも入り読みやすい。公務員としてしての守秘義務を守りながらここまで書かれると言う事は、裏を返せば、さらに凄いドロドロした世界が外交上にはあるのだろう。 今回はかなり軽いノリなので、がん細胞化した官僚組織(永遠に増え続ける)の改革にはAV(アダルトビデ)業界のシステム導入が良いとか。 また外交上での付き合い方は一般ビジネス界でももちろん通用することを事例を挙げて説明しているが、基本的には全て人間関係で世の中が動いていることでもある。 いずれにしても世界の動きを多様な価値観を内蔵する佐藤さんのような専門家が増える事で日本の国益に繋がるのは間違いない。逆に言うと、いかにテレビやネットの2択あるいは一刀両断的な世界の見方の危うさを佐藤さんの出現により多くの人が認識しただろう。(dream4ever / 2008-02-03)
外務省事務官として辣腕を振るってきた著者の、人脈の作り方使い方情報の取り方扱いかた等々がロシアで活躍していた実話を挟みながら具体的に書いてある。 後半は対談、新聞紙面で結果としてでしか知りえなかった内情を語ってくれている。 「必要な情報の90%は公開情報の中にある」というのは面白い。ビジネスマンには必須の様々なテクニックが明るみになっていて勉強になる。(山根晋爾 / 2009-03-10)
本書では、佐藤さんの一人称もしくは、鈴木宗男衆議院議員や国際ジャーナリストの 河合洋一郎氏らとの対談形式で、様々なトピックをインテリジェンスという切り口で 料理し、時にはインテリジェンスのビジネスへの応用方法も紹介されています。 これまでの氏の著書に比べて読みやすく、かつその切り口や分析はいつもどおり、 切れ味するどく知的好奇心が大きくくすぐられます。 河合氏曰く、外交界のイチローである佐藤さんの著書を読んだことが無い人にはとっ かかりとしてお勧めです。 蛇足ですが、個人的には佐藤さんが村上春樹や高橋留美子(マンガ家)の作品に触れ 外務省のゾンビぶりをマンガ「人魚の森」の人魚になぞらえていた点や、別の著書で 二・二・六事件に触れ宮部みゆきの「蒲生邸事件」を引用されていたこともあり一般 の小説やマンガも良く読まれている(だろう)ことに驚きつつ、親近感を持ちました。 (New JJ-K 72 / 2008-01-09)
本来外交上の情報収集に活用されているインテリジェンス(諜報)の技法を企業や個人など日常生活に応用しようと雑誌に連載された記事をまとめた本。 情報源の見つけ方、接待、記憶術、組織の中での生き残り方など、確かにビジネスにも応用できそうで、わかりやすくまとまっており楽しく読めました。 ハードボイルド小説読んでいるような感じですが、佐藤優さんは実際に外交官としてリアルに経験してきたことなんですよね。改めて外交官ってカッコイイなー、すごいなーと思う一冊です。(たつこばあ / 2009-03-21)
レビュー数 17
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平均点:3.5
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No.1-3
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ウルトラ・ダラー (新潮文庫) / レビュー総評点:8
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ASIN:4101381151 / 売上順位:6441
新潮社(2007-11)
手嶋 龍一
¥ 660(中古:¥ 100)
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レビュー総評点:
8
この本は読むのに半年かかりました。 プロローグは北朝鮮の偽札「ウルトラダラー」偽造へのわくわく感でスムースに読めるのですが、 その後は枝葉の表現にこだわって、本題がないがしろのようでした。 これは僕の先入観だったのですが、偽札を巡る大冒険だと思ってたのですが、 実はスティーブンが活躍するスパイ活劇で、スパイ活劇としても、 最後の尻切れトンボの終わり方は、実は下巻があるのでは。。 と表紙を見直したほどでした。(りたこ / 2008-08-10)
大変面白く読んだが 若干の戸惑いもあった。本書は スパイ小説なのか事実に近いノンフィクションなのかが 読んでいてはっきりしなかったからだ。 スパイ小説だと考えるなら もっと上手い書き手はいくらでも居る。手島は少なくとも小説家の資質が飛びぬけているわけではない。「創作された小説」として読むなら細部に詰めの甘さも感じるし サスペンスの盛り上げ方も幼い。またもっとエンターテイメント性も出すはずだ。手島が時折サービスのように挿入するエンターテイメント的な場面はいささか浮いている。照れていると言って良い。やはり ジャーナリストという出自だからであると思う。小説家とジャーナリストは 同じように言葉を武器としても まったく「文法」が違う。 一方 ジャーナリストが書いたノンフィクションかというと それは有り得ない。例えば登場人物でもモデルを特定できる人も出てくるが その中身はおそらくフィクションである。この内容が全てこのまま本当だったとしたら かような本などは発行されないし 手島自身がどうなってしまうのかわからないと思う。 この本の面白さは「どこまで創作なのか わからない」点にある。これは「どこまで本当なのか わからない」と言う言い方と 同じ事を言っているようで 実は全く違う。 創作だと思っていて読んでいるだけでは読み取れないということだ。 本全体に流れる一種の「説得力」を感じてしまうと「もしかしたらこの部分は本当かもしれない」と思わされてしまう事がしばしば出てくる。おそらく手島は 解る人には解るような書き方をしているはずだ。そんな 手島のウインクが 端々に感じられる。(くにたち蟄居日記 / 2007-12-25)
「わが国に初めて誕生したインテリジェンス小説」、なのだそうだ。 作者は長年NHKに勤めた外交ジャーナリストの手嶋龍一氏。 インテリジェンスか何か知らないが、小説として面白いかどうかは 別物である。 視点が定まっていない箇所がある。時系列が判り難い。伏線が 未消化で登場人物がいつの間にか消えている等、小説としての 基本的な書き方が未熟なのである。新人賞の最終選考に残るか どうかといったレベルではないだろうか。 作者は経験豊富な外交ジャーナリストだけあって、北朝鮮の偽札 作りを軸とした国家の外交戦略や官僚の駆け引き、諜報活動など 惹かれる部分はあるのだが、エピソードの羅列のようになった感も あり、ラストも締りが無い。 本書には真実が散りばめられているのかも知れないが、例え 嘘っぱちでも、クリエーターとしてのプロである作家が書いた作品 の方が、小説としては面白いのではないか。もっとも、そういう 作品は本当に数少ないのではあるが。(まどか / 2009-05-01)
読む前は、NHK元ワシントン支局長が書いたということで、報道関係者しか知り得ない情報が詰まった限り無くノンフィクションに近いものだろうとワクワク期待していました。 前半までは、偽札疑惑の舞台裏にどんどん踏み込んで行く面白さで引き込まれるのだけど、どうも人物がイメージ画像として頭に浮かんで来ないので、途中から読むのが疲れてきます。 拉致被害者の方々の帰還にまつわる話は実際にあったことなのに、関係者の人物設定がやり過ぎのような。重要人物の外務官僚の生い立ち設定や、浮気をネタに脅される下りには、ちょっと引きました…。こういう設定を使いたいのだったら、完全なフィクションにすればよかったのにと思いました。 話の大部分が情報のやりとりで進んできたのに、終盤の片付け方は肩透かしじゃないでしょうか。インテリジェンスがテーマだと思ってたら、いつの間にか活劇になってて。うーん…って感じです。(海ぶどう / 2008-12-06)
「日本初のインテリジェンス小説」というのがこの本のウリ。 「インテリジェンス小説」とは、解説の佐藤優によれば「公開情報や秘密情報を精査、分析して、近未来に起こるであろう出来事を描く小説」だと定義されている。 流石にそのように称されるような小説であるから、物語中描かれている、秘密情報を相手から聞き出したり盗んだりする手口は興味深く、「情報入手のためなら手段を選ばない」というインテリジェンスオフィサーの特徴がよく表れており、その点は非常に勉強になる。 ただし、本書は小説としては全く楽しめるものではない。 ストーリーはつまらない、オチはくだらない、そして何より数多い登場人物の中で魅力的なキャラが全くいないのは辛い。 魅力を全く感じないのに、魅力を持たせようとしている箇所があちこちにあるのがわかるだけに、余計滑稽に感じる。 インテリジェンスについて学ぶなら同じ著者の『インテリジェンス 武器なき戦争 』(幻冬舎新書)を読んだ方がはるかに勉強になるし、面白い小説を読みたいのであれば他を当たった方が良いと思う。(哲学する河童 / 2008-03-16)
レビュー数 27
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平均点:3.0
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No.1-4
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インテリジェンス人間論 / レビュー総評点:111
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ASIN:4104752037 / 売上順位:56774
新潮社(2007-12)
佐藤 優
¥ 1,575(中古:¥ 397)
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レビュー総評点:
111
月刊誌「新潮45」からの掲載が13話、文藝春秋から2話、月刊現代から1話、EN-TAXIから1話、書き下ろし2話、計19話。必ず付加価値をつける佐藤さん。書き下ろしで鈴木宗男氏、小渕恵三氏のエピソードを追加。 「人物ノンフィクション」として、バラエティ豊かな内容だ。 鈴木さんの章では、佐藤さんが、何故5年前に最後まで鈴木氏と進むことにしたのか、明言している。”ここで僕と鈴木さんは、きれいに死ななくてはならない。死ぬことによって、別の外交官と政治家を生かすことができる。そうして、北方4島を少しでも日本に近づけることができれば、僕は本望だ” 村上正邦さんの”俺は死に場所を得たい、きちんとした死に方をして、天皇様と日本の国と国民のために少しでも貢献したいと思うんだ。。。(略) 私は後醍醐天皇にもう一度チャンスを与えてください、村上正邦に死に場所を与えてくださいと懸命にお願いしたよ” 亡くなったり、失脚していく、歴代総理、ロシア高官。。。。しかし、佐藤さんの目をとおして、その人々を見ると、なんと視座が高く、彼らが志を遂げたいと思っていたか、ひしひしと伝わってくる。読み易い。 涙ぐむところもあるが、国とは何なのか、考えさせられている。 日々の雑務に追われる中、現実から離れ、想いをめぐらせることができる良書である。 (えっつい / 2007-12-16)
佐藤優の本としては気楽に読める。亀山先生との対談集のような異様な緊張感を強いる本ではない。他の本にも出てくることが書かれているせいか。お馬鹿な総理と思われていた森さんがそうではないこと、ばら撒きと批判された小渕さんが国政に殉じてしまったこと、助平な橋本さんや福田さんの性格など、面白い話も多いが、他の本に比べると深みはないかな。(判内 / 2008-08-05)
年末にかけて佐藤優の本がぞくぞくと刊行されている。年末年始の休みを佐藤優の本で過ごす方も多くなりそうだ。それが 佐藤の出版戦略なのだろうか。 本書は 佐藤の「人物論」である。 取り上げられた「人物」の幅の広さは佐藤のバックグラウンドのままであり楽しい。現役若しくはついこの間まで現役であった政治家、イエスキリスト自身を含んだキリスト教関係、インテリジェンス関係者等を 縦横無尽に論じつくしている感がある。 佐藤の著作を読んでいると その博覧強記に驚かされるわけだが 佐藤が熟読してきたのは本だけではないことが解る。本だけではなく「身の回り」の人間をも「熟読」している佐藤の視線が随所に感じられる。 ここで僕が言った「身の回り」とは 必ずしも物理的な「近さ」は意味していない。例えばイエスキリストは 二千年前の人だが 佐藤にとっては 今なお身の回りの人であることは本作を読めば瞭然だ。 読書家としての佐藤が 人間を読んだらどうなるのか。そういう意味では 佐藤の「読書感想文」であるのが本書の本質だ。 稀代の読書家の佐藤の視線を楽しむことが 一番正しい本書の読み方である。(くにたち蟄居日記 / 2007-12-22)
鈴木宗男氏・橋本龍太郎氏・小渕恵三氏・森喜朗氏といった日本人に馴染みのある政治家を 外交官時代のエピソードを添えて紹介したり、終戦における有末精三氏の情報将校としての活躍や蓑田胸喜氏の大活躍、ゾルゲの評価等 19編のエッセイ集という感じです。 書き下ろし2本、新潮45に載ったものを中心にまとめた本です。 個人的には、イエス・キリストがとんでもない悪ガキだった、ユダ以外の弟子も全員キリストを裏切っている、村上正邦氏との吉野への旅行等のエピソードを興味深く読みました。 最後に、本で取り上げられた人物の名前や肩書きがインデックスでまとめてられており理解の助けになりました。 今回は、国際情勢への提言やインテリジェンスの技法の話が中心にきていないので すごく新鮮な気持ちで読み進めることができ、佐藤氏の人物評をまた読んでみたいと思える本です。(明日天気にな〜れ / 2007-12-15)
粒よりの人間論が19話。具体論(内外政治家のエピソード)から抽象論(キリスト教神学)へという配列を貫く鍵語は、さしずめ「インテリジェンス」ということになろうか。筆者のいう「インテリジェンスの文法」に則り、様々な人々やその行動について解釈が施されるが、そのシャープさには幾度も頷かされた。(個人的に、興味深かったのは、第1話、第9話、第14話、第17〜19話。特に、第1話では、「現実の政治から距離を置き、過去に退却し、埃にまみれた書物の中から日本国家と日本人が生き残る知恵を見出し、読書界に提示することが、私の役割分担なのだと思っている」(31頁)として、筆者の文筆活動における覚悟のほどが披瀝される。)また、ティリッヒの解読の箇所で、アメリカにおけるロマン主義の伝統の欠如(従って、ニヒリズムの欠如)を指摘した箇所(252頁)は、何かこう日々感じられるアメリカという国の薄っぺらさの遠因のひとつであるように思えてならない。(麒麟児 / 2008-05-18)
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平均点:4.5
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No.1-5
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国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス) / レビュー総評点:140
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ASIN:414091100X / 売上順位:93562
日本放送出版協会(2007-12)
佐藤 優
¥ 1,218(中古:¥ 285)
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レビュー総評点:
140
充実した読書体験
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佐藤氏の書いた本はほとんど全部読んできたつもりですが、彼の思想が端的によくまとめられているという点で、恐らくこの本は彼の著作の中でもベストではないでしょうか。力強い本です。しかも難しいテーマをわかりやすく書いてくれている、極めて啓蒙的な本といえます。読者はまず、マルクス、宇野弘蔵などを通して、現代の資本主義国家としての日本という国の仕組みや問題点を学び、次いでアーネスト・ゲルナー等を参考にナショナリズムとは何かについて学ぶのですが、その後に出てくる「聖書」だとか「否定神学」、「神学者カール・バルト」というようなものが、なぜ「国家論」と関係があるのだろうかと、とまどうに違いありません。だが意外や意外、最後まで読んでいくと佐藤氏の魔術にかかって、なっとく!なっとく! となってしまうのです。 佐藤氏は「国家は必要です。しかし、国家はその本質において悪です」と端的に述べています。国民が、なぜあれよあれよいう間に小泉純一郎に同調したのか、この本を読むとよく分かります。 佐藤氏は「私は右翼です」と公言していますが、惑わされてはいけません。国への愛を語っているだけで、いわゆる「右翼」とは全く違います。ちなみに彼は強い護憲派です。また、佐藤氏は自称「クリスチャン」ですが、この本を読むと、彼が既成のキリスト教会など支持していないことがよく分かります。ブッシュやアメリカのキリスト教右派などは、キリスト教とも言えないものとして、バッサリと切って捨てています。 私は赤線を引きながら時間をかけてゆっくりこの本を読みました。千円ちょっとでこんなに充実したすごい読書体験ができるとは!ここ一年間の私の読書体験の中でもベスト3の一つに入ることは間違いありません。(machi / 2008-02-07)
国家を強化するためには、社会を強化せねばならない。そのためには人間関係を強化せねばならず、その前提として必要なのは夢、理想をもつことであると著者は言う。この論理を「資本論」や「想像の共同体」、そして聖書を用いながら神学的に分析する。 政治家や官僚、国際機関で働く事を目指す者が誰しもぶち当たる壁である「究極的なもの」である平和や愛。そんなものは実現不可能だと志半ばであきらめるものもいるかもしれない。しかし、佐藤は国家や社会は不完全であるが故に重要であり、私達の努力でそれをいかに究極的なものに近づけるかが可能であるからであると説く。 また、佐藤は自分自身を右翼であると説く。それは「理性の限界を認識し、人間の偏見や、嫉妬を除去することはできないと考えた上で、人知を超越した神や伝統を信頼する」のであるという。偏屈なイデオロギーに囚われた狭義の左右の思想よりも遥かに明快で、現実的な思想であると共感する。 少々難解な部分もあるが、非常に面白く、よくまとめられていてテキスト性に優れている。 国際関係に携わるものには必読の書。(ふっち〜 / 2008-02-13)
インテリジェンス(諜報)がインテリジェンス(知性)である所以が実によくわかる本である。 諜報において情報の入手は確かに大事だが、その情報を解釈する文脈と背景の理解の方がよほど重要だ。 情報は多くの場合、断片でしかないため、そのピースをどういう図柄に当てはめてみるかでまるで結論が異なってくる。 インテリジェンス(諜報)の現場とは、日々、自らの「相手国理解」が相手国の行動により試される「知性の戦場」に他ならない。 対ソ連で考えてみれば、ロシア人の発想の根本に座っていたのはマルクス主義だ。 マルクス主義への理解なくしてソ連という国がわかるはずはない。 日々のソ連情勢分析により、自らのソ連理解−マルクス主義理解が試されていたのだ。 そういう超実践的な知性による「国家論」だ、面白くないはずがない。 特に「マルクス主義」講義は実にわかりやすく、刺激的だ。お勧めである。(馬場伸一 / 2008-02-18)
年末から読み出し 元旦の初日の出とほぼ同時に読み終えた。因みに今は元旦の朝6時54分である。 「国家」に無意識に住んでいる一人として 本書のように「国家」を相対化する本は 読んでいて 目からうろこが落ちるような思いを受けた。僕らが 日々の生活の前提としている制度は 普遍的なものではなく 特殊なものであるという点に驚いたからだ。 「国家論」というと 確かに大上段に構えたむきもある。しかし 本当は僕らの日々の生活の中で僕らが考えていること、やっていることという「細部」に 国家論があることを感じた。「神は細部に宿る」というが 国家も細部に宿っているということなのだと思う。 佐藤の博覧強記にはため息が出る。実際 この「国家論」で論じられている思想家に関して十分な知識を持った人が どれだけいるのだろうか?特にNHKブックスといった 普通の読者を想定したシリーズを手に取る人が どれだけマルクスやバルトの本を手に取るというのだろうか? そういう「普通の読者」の一人である僕として この本は実に手ごわい。 但し 佐藤の本の良いところは 実践的で具体的で時代性がある点にある。実際 聖書と小泉政治を同時に語ってくれることで 僕らの理解は幾分たやすくなる。 本書の「本としての生命」として考えると 最近の日本の政治状況を例としてあげることは得策ではないと思う。50年後に本書を手に取る人は 小泉という人の話を読んでも ぴんとこないに違いないし それゆえ本書の格が下がる可能性があるからだ。 しかし 佐藤自身はそれは意にかえさないと思う。佐藤は 学者ではなく 活動家であることを志している以上 徹底的に同時代的であるべきだし 自身の著作も 研究書として生き長らえるよりは 寿命は短くても時代にアジテーションを行うことを好むと思うのだ。 元旦に きちんと自分と国家を考えたい。そう思ったところだ。(くにたち蟄居日記 / 2007-12-31)
三島由紀夫は自刃と日本の神に連なるその思想を持って米国化する資本主義を受け入れる日本を憂いその目覚めを促そうとしたと私は認識していますが 佐藤優さんは著書とキリスト教を基本とするその思想を持って、小泉政権下の新自由主義政策により資本主義の純粋化(=1.格差がもたらす地獄絵と2.国家の暴力がもたらす地獄絵)へ突き進む日本の国民に目覚めを促しているのだと本書から感じました。 佐藤さんは以下の過去の偉大な知識人達の著書を紐解きながら、国家、社会、民族、ナショナリズムとは何か、解説を加えて読み解きます。 ・カール・マルクス(資本論) ・宇野弘蔵(経済原論、) ・アーネスト・ゲルナー(民族とナショナリズム) ・刈谷行人(世界共和国へ) ・カール・バルト(ローマ書講釈) 辿り着いた結論は、「人間が究極的なもの(世界平和等)に至ることは不可能であるが、その不可能を可能にしなくてはいけない。その為には、究極以前のもの(国家・社会・家族)を通じる道しかない」という考えで、佐藤さんは以下のように本書を結びます。 小泉政権(=ボナパルティズムに象徴される愚かな国民が自ら選んだ自らを苦しめる政権)下の新自由主義政策の結果、一人ひとりがバラバラにされ、他者や外部社会に対する想像力が弱っている現状を根本的に立て直さなければならず、 この誤った国家を正すには、社会を強くする必要があり、その為には、大きな夢(=究極なもの)を実現することに満足を感じる人を増やす必要がある。 国家と社会を繋ぐ役割を担う政治家こそ大きな夢を見るべきなのに、過去の政治家や諸外国の指導的政治家と比して今の日本の政治家は究極的なものが見えていない。 だから、我々が社会の側から政治家に大きな夢を持たせるように働きかけていく(例えばマスコミはきちんと政治家の良い実績を報道する)ことが現下の閉塞状況から日本の国家と社会を脱出させる為の出発点である。 (New JJ-K 72 / 2008-02-11)
レビュー数 14
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平均点:4.5
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