リスト:きっと本棚から旅立たない小説 vol.1 を表示しています。(全 8 件)

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No.1-1
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Lady,GO / レビュー総評点:-1
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ASIN:4344011953 / 売上順位:449060
幻冬舎(2006-07)
桂 望実
-(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
-1
主人公は自分のことが好きになれない派遣社員南怜奈。 NO1キャバクラ嬢美香に勧められて キャバクラ『クリップ』にタイニュー(体験入店)するものの かわいくないし、ネクラだし、上手に嘘もつけないし…。 そんな怜奈が「みなみ」ちゃんとして どんどんキャバクラ嬢として成長していく。 そして自分の夢を見つけていく。 とにかく面白くて一気読み。 キャバクラの仕組みが良く分かり「なるほど〜」と 感心しきり。 もちろんそれが全てではないと言うことは良く分かるけど。 最初は派遣先が決まるまでの腰掛けのつもりだった怜奈が 徐々にキャバクラ嬢として 自覚に目覚めていくその姿と気持ちの変化が見事に 描かれていると思う。 キャバクラ嬢をしていることに後ろめたさを感じていたものが 最後にはキャバクラ嬢であることを誇りにするまでになっていく。 その後、自分のやりたいことを見つけた彼女の姿は 本当に輝いている。 仕事に貴賤はないんだ、ってよく言われるけど、 誰しもどこかにそんな気持ちを抱いているはず。 だけど、この作品を読んでみて、 どの仕事でも一生懸命やっている人がいて、 その人たちに癒されている人たちがたくさんいることを再確認。 いや、本当に面白かった。 (なおっち / 2006-09-21)
主人公の失業からキャバ嬢を経て起業するまでの筋道は明確で且つ素直で読むものを疲れさせない。非技能労働者の一つの成功物語としてそれなりに筋は楽しめる。 でも、決定的な欠点は、主人公南の性格の薄っぺらさ。自身の性格を地の文の中で説明しているだけで会話や動作の中に性格を物語るものが書き込まれていない。漫画をよんでいるような軽薄さが読後感にのこる。また、キャバ嬢の日常生活も通り一遍のうわっつらだけ書き綴られている。実際に職業の貴賎の話が何箇所でてくるが本人の葛藤について一切踏み込めていない。 ま、キャバ嬢に興味ある人は読んでもいいかも。エンターテイメント小説としても稚拙すぎる。なので、星二つ。(100100 / 2008-01-07)
キャバクラ嬢サクセス・ストーリー。でも、やくざ絡みとセックスシーンは、なし。スポ根タイプのストレート小説。ダメな主人公が、努力で才能を開花させていく。いつだって、こういう真っ当な小説が本気で書かれると気持ちよい。それからオカマのケイさんが素敵。 ストーリーやキャラクターをすっきり整理して、省略の仕方がうまい。例えば’しほ’や小堺のサイドストーリーは、つい説明過剰になりがちな面白いエピソードなんだけど、バッサリ簡略化している。やたら長編にするのが筆力じゃありません。それでいて、桜の花びらを取ろうとはしゃぐシーンや、雪の一片を受け止めるシーンなど、印象的な情景はきちんと書き込んでいる。(確かに「ルーフタイプのピアス」にはのけぞったけど、それは編集さんの責任でしょ。文庫で直しましょ。) ラストの手作りおにぎりも、伏線が生きていてカッコいい。(ドクトルg / 2007-01-08)
面白く読み終わったけど、…作者は女性ですよね?今まで知らなかった『タイニュー』や『バルチックカレー』なんて単語知ることができて、「へ〜」って思ったことは事実です。でも、なんで『ラインストーン』を『ライトストーン』、『フープタイプのピアス』を『ルーフタイプ(屋根タイプすかぁ?)のピアス』って間違えるのお…。インタビューして聞きまちがった感強し。『ラインストーン』知らない人いるのか??主人公に常に都合よく存在する脇役の方々、実人生ではいないよ〜ん。事故啓発型ハーレクイン。前向きな気持ちを呼び起こしてくれます。 (MARQUETRY / 2006-09-17)
何をやっても冴えない派遣社員の女の子が なんとなくキャバクラ嬢になって成功していくという サクセスストーリーで、話の主筋はココ最近のキャバ嬢ブーム? から大きな変化はない。 それでも主人公の変わっていこう、という気持ちや行動の書き方が上手くて、 軽めの小説でありながら、サラリーマンにとっての自己啓発にもなるのではと思う。 特に数年働いて中だるみを感じている人には是非読んでもらいたい一冊。( / 2010-03-21)
レビュー数 7
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平均点:4.0
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No.1-2
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風が強く吹いている / レビュー総評点:612
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ASIN:4104541044 / 売上順位:25754
新潮社(2006-09-21)
三浦 しをん
¥ 1,890(中古:¥ 584)
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レビュー総評点:
612

実際に走った人間も涙しました
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私はもうずっと昔になりますが箱根駅伝に選手として走った事があります。この本を見かけて最初は多分駅伝や長距離走をよく知らない作家さんが想像だけで書いたのだろう、程度にしか思っていませんでした。しかし実際に読み始めて、もちろんかなり無理な設定があることは事実なのですが、走るという行為そして苦しさや喜びそう云った深い部分までよく描いてくれています。苦しい練習から予選会に至るまでの心情や練習の厳しさ、そして何より箱根駅伝本番の各走者の走りの描き方、走りながらの選手の心理描写に思わず自分の昔の姿を投影してしまい、涙しました。これだけの感動を与えてくれた三浦しをんさんに感謝申し上げます。この本に書かれている箱根駅伝の姿は本物だと思います。ありがとうございました。素晴らしい本に出会いました。(ズガコウサク / 2006-10-20)
2冊買いました。
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素人集団が箱根駅伝を目指す、という 一見荒唐無稽なお話ですが、 走ることを止められない主人公・走をはじめとする竹青荘の面々に引き込まれ、 こちらも読むことを止められなくなること請け合いの、ノンストップ青春小説です。 ボロアパートでの共同生活に「ハチクロ」の愛らしさを、 集団でワンチャンスに賭ける情熱に「スラムダンク」のひたむきさを、 頂点を目指す人間の孤高な悲哀に「ピンポン」の清廉さを、 この小説の背骨に通じる物があるなぁと感じながら、 眠らずに一気に読み終え、自分もいますぐ走り出したいような衝動に駆られました。 運動と無縁な生活を送る自分にとっては、 走るという行為は苦痛以外の何者でないのですが 自分の足だけで高みを目指して箱根を駆けるランナーは いったい何を思い、何を願って、襷をつないでいるのか 毎年正月にTVを見るたびに不思議に思っていました。 もちろんフィクションなのですべてが本当ではないけれども、 この小説の後半、1区から10区を駆けるそれぞれのメンバーの モノローグを読みながら、その答えを感じ取った気がします。 そして、正月に実家で箱根駅伝を見ていたら、 どうしてもまた読みたくなってまた買って読み返しました。 ちなみに、自分は2冊所持していますが、 2007年にこの本を薦めた友人達は、全員大絶賛。 本読み冥利につきる幸福な時間を過ごせました。
本が好きな人も、箱根駅伝が好きな人も、 三浦さんが好きな人も、ぜひ手にとって欲しい一冊です。(the・bamboo・eater / 2008-01-08)
なつかしい
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私は箱根駅伝を走ったことがありません。 というより走りたくても走れなかった。 まず予選会のメンバーに選ばれませんでした。 そのうえ私の大学は在学中予選を通過することできませんでした。 だから箱根予選会がどれだけ厳しいものなのか、私はよく知っています。 ましてや走り始めてすぐに本戦出場なんて、当人がいくら努力したって無理です。 でも思い出しました、昔を。 いろんな誘惑を避け、クソ真面目に走ってたあの日々を。 今でもお風呂に入ると足を揉む癖がぬけないくらい、真剣だったあのとき。 だから私は思います。 本の中でくらいは、がんばったら箱根駅伝に出れたっていいじゃないか。 そんな世界があってもいいじゃないか。(春日英樹 / 2008-09-27)
箱根駅伝を走る若者達の生き方が、楽しくて、気持ちよくて、美しいです。10区だから、10人いるわけですが、10人それぞれの状況やら気持ちやらが、ちゃあんと、生き生きと伝わってきて、みんなを大好きになれました。 私は平塚中継所の側に住んでおり、時には旗を持って沿道へ行く事もあるのですが、10区間のそれぞれの描写にも感心しました。本当っぽいです。よく、これだけ調査したもんです。 また、実際に中継を見ていると、選手達が、東京から「アッ!」と言う間に平塚まで来てしまうので驚くのですが、そういうスピード感もちゃんと表しているし、しをんさんは若いのに凄腕ですねえ。 今度のお正月には、大好きな竹青荘のメンバーが走っている姿を幻視してしまいそう。 (むむりく / 2006-11-18)
朝日新聞の、『ありえないと思いながらも、読み始めたら止まらない面白さ(といった意味だったと思う)』という書評につられて読み始めたのだが、まさにその通り。なにしろ、登場人物の会話が面白すぎる。しかも、この本を読んでいると、他選手との競り合いの苦しさ、追い抜かれたときの脱力感、なにくそ!という闘志、そして純粋に走ることの喜び、などの感覚があまるところなく描き出されており、まるで、自分が箱根駅伝を経験しているかのような感覚に陥った。しかも、「走る」ことを通して結ばれていく登場人物たちの心情が美しい。長距離走や駅伝の経験がある人は、涙なくしては読めないのではないだろうか?もちろん、経験のない人でも、十二分に共感できます。 こんなに面白くて、それでいて人生の機微を感じさせてくれる小説というのは、あるいは生まれて初めて読んだと言ってもよいかもしれない。(と言うと褒めすぎか?)ともかく、絶対オススメの1冊。一度読み終わって、すぐにもう一度読んでしまった。特に、自分に自信を無くして落ち込んでいる人は、元気が出ます。(forthefuture / 2006-11-15)
レビュー数 106
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平均点:4.5
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No.1-3
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強運の持ち主 / レビュー総評点:23
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ASIN:4163249001 / 売上順位:243282
文芸春秋(2006-05)
瀬尾 まいこ
¥ 1,300(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
23
わかりやすく読みやすく、ストーリーも適度な起伏に富んでいる。若手占い師ルイーズ吉田が視点人物だ。彼女を中心に4つのエピソードで構成されている。 ジュリエ青柳とか武田くんと違って霊感の全くないルイーズは、ビジネスライクにお仕事として占いをこなす。お客さんのちょっとした人生模様を、愛情ある応援歌のようなスタンスで描いている。 だが、見方を変えるとルイーズはひどい女である。客としてきた男を手に入れようと、占いを使って様々な仕掛けで奪取している。しかも、人付き合いが嫌いで会社をやめた。結構我慢がなくて勝手である。その上、占いだって適当にやっている部分が多い。 でも、読んでいてルイーズにはイヤミを感じない。こういう自分勝手なキャラクターのほうが、特別な才能に恵まれていないだけ読者として共感しやすいのだろうか。よく読むと、ルイーズも少しずつ成長しているのがわかる。(ドクトルg / 2006-07-09)
四篇の、占い師ルイーズ主役の連作集。 一回3000円で占いを請け負う、商業的な占いの場での物語。 物語は穏やかに流れ、普通に悩み、普通に納得する。 今回の作品は、著者の他作品よりも、俗世間の事情の混入が多い。 著者の「天国はまだ遠く」「優しい音楽」などは素晴らしく透明な文章で、 爽やかな風にさらされるが如く、であったが、本書の読後感は少し違う。 確かに読後感は穏やか、かつ爽やかではあるが、 占い師として、多くの人間の運命を左右してきたのだ。 個人の運命が好転するも、悪くなるも、個人自身の事は、自分の意志で決断すべき事。 占いを参考にするという事も、個人の意志に含まれるが、それにしても、、、。 もし、ルイーズがこの仕事をしていなかったら、客には別の人生があったかも知れない。 そんな事が頭をよぎるから、100%の爽やかさを感じない。 しかし、ルイーズの最終場面での心境は興味深い。 何と、占いよりも、、、。 (結論は、本書を読むと分かる) 爽やかさとともに、ルイーズの心の微妙な揺れも見事に描かれる。 あくまで「微妙な」揺れだ。(ヤキソバ / 2006-11-14)
霊感も何のない、占い師ルイーズ吉田。 彼女の占いは、占いと言うより人生相談に近い。 適当に占って助言をしてやるだけで客は満足して帰っていく。 人付き合いのわずらわしさから始めた占い家業。 そんなんでいいんか?と思いつつ 彼女の占いに救われていく人も結構多いんだな。 4編のエピソードもほんわかしたものばかり。 だからものすごく気楽に読める。 これこそが「瀬尾まいこ」の持ち味なんじゃないかと思う。 肩肘張らずに気分良く読めて、読後感も爽やか。 しかし、強運の持ち主はいつその強運を発揮してくれるのだろうか? 続編希望ですね。(なおっち / 2006-11-05)
占い師を主人公に、職場でのエピソードが4編収められたこの本 日々の日常を優しい気持ちに替えてくれる短編集だ。 間違いがない1冊なので、多くの人へお勧めします。(naonao-703 / 2006-07-27)
今回の本の主人公は占い師。 占いに頼る人って実は自分の中では答えは固まりつつあって、 その選択が正しいのか自信がないから、 背中を押してくれる言葉を求めに行くのかもしれない。 瀬尾まいこさんの作品はゆっくりとほんわかに流れ, 心に効くお薬のようなところがありますよね? 「優しく答えに導いてくれる」という部分で 占いと瀬尾さんの作品の持つ効能は似ている。 テーマに占いを選んだ瀬尾さんの選択は大正解です! 特に「ニベア」というお話はクスッと笑えるユーモアがあって、 じんわりいいお話。 収録作の中ではこれがいちばん好きです。 ルイーズがおしゃれなデートではなく、 恋人とダイエーに行くことに幸福を感じるエピソードも大好きでした。(夢追い虫 / 2006-07-04)
レビュー数 14
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平均点:4.0
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No.1-4
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天国はまだ遠く / レビュー総評点:62
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ASIN:4104686018 / 売上順位:123781
新潮社(2004-06-23)
瀬尾 まいこ
¥ 1,365(中古:¥ 1)
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レビュー総評点:
62
瀬尾さんの作品を三作とも読んできて、作品に流れるそこはかとない明るさや、人を信じようとする心や、足を地につけて歩こうとする主人公たちに、ちょっとした勇気をもらっています。読んだ後の、爽やかさが大好きです。傷心と再生、癒しの物語は、今たくさん出されていますが、瀬尾まいこさんの作品は、良質なものだと感じています。 『天国はまだ遠く』も、主人公・千鶴がきちんと生き直すまでの過程を描いた物語ですが、前2作の主人公たちと異なって、優柔不断でぐずぐずしたところのある人物として登場します。 仕事に倦み疲れ、希望を失って、命を捨てようと決意した千鶴が、投宿した民宿「たむら」で過ごした日々。痛々しくも、ゆっくりと心がほぐれ広がっていくようすが、こちらの胸に染みてきます。民宿の主人・田村さんの、要らぬお喋りはしないけれど、必要なことをちゃんと伝える言動に、温かな心根を感じて励まされていたのは、千鶴より私の方だったかもしれません。 自分を見直す作業をし、自分を取りまく状況を素直に受け入れ、自然や近所の人々との何気ない会話などから、千鶴が心地よさやありのままの自分を享受できるようになっていくようすが、ストレートに心に響きます。瀬尾さんの描く傷や打ちのめされた心を抱えた人物たちが、前を向いて行こうと決意する場面は、心というものは何処かで自分で治りたがっていて、ある時期を得ると、自然にオンのスイッチが入る仕組みになっているんだと、思わずにはいられません。けれども、人の心が癒えていくとき、かすかな寄り添うような気配だけであっても、傍にいる人の「心」を感じ、受け止めていて、本当に人は一人では生きられないようになっているとも思わずにはいられませんでした。(遠い日 / 2004-10-01)
当り前の主人公は、当り前の人と出会う。 当り前だけど、どこにでも居そうだけど、どこにでもいないかも しれない人達と出会う。 田村さんは普通の人だと読者である僕たちは思う。 主人公の彼女も普通の人だと僕たちは思う。 でも僕は田村さんと、彼女と出会いたい。 農家のおばあさんと、パン屋のおばさんと出会いたい。 出会いたいけど出会えない。それは小説だからと当たり前の事実に 僕らは気づく。 そんな小説だからこそ愛をしい。 心の隅にしまっておきたい、でも貴方に伝えたい、貴方と分かち合いたい。 そんな小説に出会えた事がとてもうれしい。 (いおなお / 2006-03-13)
死のうと思ってたどり着いたのは、地の端っこの民宿だった。 ゆっくりとした時の流れと、絶景の自然に囲まれて、千鶴は次第に癒されていくのだが・・・。 どんなに心地よくても、どんなに好きでも、どんなに離れたくなくても、自分の居場所じゃない。 そう。そこで得たものは、自分の居場所を求めて旅立つ強さだった。 特に強烈なエピソードがあるわけじゃない。立ちまくってるキャラが出てくるわけでもない。どちらかというと、地味な男女に、地味な展開なんだけど、どこか、安心してゆだねられる心地よさが、この人の作品にはあるような気がする。(silkyway / 2005-09-13)
文体、リズム、重苦しさ(嫌気)を感じさせない内容、全体的に作者の世界がバランス良く展開し、読み終えたあとは、すっきりと素直に「いい本だったなぁ」と思うでしょう。「いい話だったなぁ」ではなく、「いい本だった」と思わせる作者の力量に、今後も期待していいのではないでしょうか? (tangerine-dream / 2005-05-02)
自殺志願の女性が一人自分のことを知らないところで死のうとする。 山奥の民宿で睡眠薬自殺を計るけど・・・。 しかし、彼女は死ねなかった。 そのまましばらくその民宿で寝泊りし、 徐々に自分のあるべき場所を見つけていく。 そこはその民宿のある山奥ではなく やはり今まで自分が住んでいた場所だった。 あるべき場所、やるべきこと それに気付いたとき彼女はまた自分の町へ帰っていく。 淡々と進む物語。 でもそれが心地いい。 誰でも仕事に疲れ、毎日の生活に疲れ そして自分を見失いそうになるときがある。 自分だってそうだ。 でも、その場から離れて自分を見つめなおしたら、 違う気持ちを持てるようになるんじゃないか・・・。 そんな思いを抱かせてくれる物語でした。 (なおっち / 2006-10-24)
レビュー数 20
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平均点:4.0
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No.1-5
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夜は短し歩けよ乙女 / レビュー総評点:58
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ASIN:4048737449 / 売上順位:63926
角川書店(2006-11-29)
森見 登美彦
¥ 1,575(中古:¥ 36)
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レビュー総評点:
58
なじめたら星5つ、なじめなかったら星1つ
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本書の良さについては多くの方が書かれているので、別の面から書いてみたいと思います。 この独特な文章になじめるかどうかで評価は大きく別れてくるでしょう(これもすでに指摘されている方がいますが)。 わたしはなじめませんでした。 その具体的な箇所をいくつか挙げてみます。 ネタバレ注意。 ・・・ 私の手なんぞ何の面白みもありません。紅葉饅頭のほうが断然可愛いに違いないのです。 p.22 私は頬が火照るのを感じましたが、それは酔いのためではなく恥じらいのためでした。豆ッ恥、豆ッ恥。 p.47 しかも私が中学生の頃から欲しかった本が、百円玉一枚だとは! お財布への信頼に一抹の翳りある我々にとってはありがたすぎるお話です。ビバ、「ビギナーズラック」。それとも私は古本市巡りの才能があるのかしらん。私の興奮はいやが上にも高まります。 pp.81-82 そして樋口氏から、彼女がその絵本を追い求めて古本市をさまよっていたことを聞いた刹那、「千載一遇の好機がついに訪れた」と直感した。今ここに一発逆転の希望を得て、ついにふたたび起動する私のロマンチック・エンジン。 p.117 なぜ先輩はあんなに驚いたのだろうと私は思いました。私の顔に何かオモシロオカシイものが? p.138 この先どんなオモチロイことが私を待ち受けているのであろうか! と我が興奮が天井知らずに高まるのも宜なるかな。 p.156 もちろん私は普段から精神を研ぎ澄ましているような人間ではありませんが、その「ボーッ」は、「ボーッ」の中の「ボーッ」、「世界ボッーとする選手権」というものがあれば日本代表の座も間違いなしと思われるほどに筋金入りのボーッであったのです。 p.228 ・・・ こういう文章に違和感を感じなければ読んで損はしないはずです。 いずれにせよ、購入する前に一度立ち読みしてみてください。 10ページも読めば雰囲気がつかめると思いますので。(モノクロ / 2007-02-07)
世界の豊かさを味わえる一冊。 しいてあらすじを伝えるなら「天然少女と、彼女に恋した青年を中心としたドタバタコメディ」となるが、これは「となりのトトロ」を「田舎に引っ越してオバケに出会う物語」と書くのに等しい。あらすじにすると、取り落としてしまうものが多すぎる。 主人公二人もいいのだが、この小説の本当の面白さは二人をとりまく人々の豊かさにある。十数人にも上る脇役が、それぞれ人格をもつ存在として書き込まれている。てんでばらばらな立場の、ばらばらな願望をもつ人々が、つながり結ばれていく面白さ。起こりえない事件、ご都合主義な展開でありながら、網の目のような人間の結びつきにリアリティと温かさがある。 多くの小説、映画が「目的を持つ主人公と、乗り越えるべき障害」というシンプルな構造で進んでゆくのに比べれば、実に雑多で魅力的だ。 「なにをいいたいのかわからない」という人がいるのも理解できるが、起承転結のストーリー、大上段のテーマばかりが小説の面白さではないだろう。ストーリーとテーマ性ばかりが重視されるようになってから、小説も映画も(ハリウッドを代表として)痩せてつまらなくなったのではないか? そうした作品とは対極の「豊かな」作品として、これは傑作だ。 なお特徴的な文体は、夏目漱石や太宰治などの古典的作品や、慣用句を下敷きにしたパロディを含んでいる。そうした古い文章になじみのある人なら、台詞回しにニヤっとさせられること請け合い。(三水 / 2009-06-16)
初めて森見登美彦さんの作品を読みました。独特な文体ついては、始めのうちとっつきにくいと思っていましたが、読み進めていくうちに、その文体が出てくると、心地よくなってきました。逆に、それが出てこないと気持ち悪くなるくらいでした。 不思議な登場人物と京都の雰囲気が絶妙にマッチした作品になっていると思います。(都彌那嘉 / 2009-02-08)
“先輩”と“黒髪の乙女”の二人の登場人物が交互に登場し それぞれ一人称で語る短編の連作4編。 小説の完成度に関しては 評価できる資格はワタクシにはない。 ただ、この二人の語り手が極めて魅力的なことはよくわかる。 とりわけ“黒髪の乙女”の天然で無邪気なところがとても良い。 そしてこの二人の語る文章の何とも言えないリズムと内容が可笑しい。 はじめはその文章のリズムと内容が微妙にずれていて違和感があるのだが いつの間にかシンクロしていく感覚もとても心地よい。 どういうエンディングを迎えるのか期待しながら 残りのページ数がどんどん少なくなっていくのがなんだか惜しくて・・・ そんな感覚を味わうのも久しぶりだ。 ご都合主義で奇想天外な内容ではあるけれど 少なくとも読んでいる時間はとても楽しい。 表紙の中村佑介のイラストもなかなかカワイイ。 (由良上野介 / 2008-11-28)
表紙とタイトルに惹かれ、とりあえず1ページ目だけを読んだ時は、その文体に慣れておらず買おうか迷ったものでしたが、買ってその先を少し読めばあっというまに世界に引き込まれてしまいました。 読み終わった後味も甘くて心地よく、とても楽しくて、ステキな物語です。 いい本に出会えたので、いろんな人にオススメしたくなりました。 面白く不思議な登場人物や、不思議な(それでいてこんなことあるか!という文句は言いたくならないほど気持ちいい)出来事がたくさん詰まっているので、サブカルな漫画などが好きな人にも、是非読んでみてほしいです。 片想い中の方も、青春真っ只中の方も男女問わず是非!(リョコ / 2007-01-21)
レビュー数 119
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平均点:4.0
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No.1-6
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鴨川ホルモー / レビュー総評点:89
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ASIN:4916199820 / 売上順位:44405
産業編集センター(2006-04)
万城目 学
¥ 1,260(中古:¥ 130)
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レビュー総評点:
89
表紙を見ただけでも、うふふと笑ってしまう。京都在住経験者には、どこの景色が一目で知れることだろう。京大出身の作者による、京大生を主人公とする、京都が舞台の物語。 葵祭のバイトに始まり、祇園祭を経て、気づけば吉田神社で奉納舞。十人の大学生が集められて挑まされるのは、大学対抗のある競技。対戦するは、京大青竜会、京産大玄武組、立命館白虎隊、龍大フェニックスの4チーム。野球でもなければ、ラグビーでもない。さて、ホルモーとはなんぞや? ホルモーがなにゆえ始まり、続くのか? 主人公達は謎の起源に迫るのでもなく、謎の解体を図るのでもない。巻き込まれて、盛り上がる。訳がわからなくても、わからないままに、続いていくもの。ホルモー自体が一つのお祭りのようなものである。伝統は続けることに意義がある、的な。 奇想天外な設定に、片思いの繊細な男心の描写、リアルな生活感。妙な迫力と勢いにのまれて一気に読んだ。深くは考えないで、世界を楽しむのがお勧め。 学生気分に戻りつつ、笑いながら楽しんだ末、読後に颯爽と香るは、春の青々しい楠の匂いだった。(香桑 / 2007-03-08)
何ともあほっぽい大学生らしさがにじみ出てます。 まず、題がずるい。 アマゾンでおすすめされて、ふーんと思っていたのに ホルモーって響きが頭の中に住み着いてしまったので、思わず読んじゃったじゃないですか。 陰陽道なんかは出てくるけど 全体的にのんびりした話なので 「妖怪アパートの幽雅な日常」が好きな人には特にお勧め。 軽ーいし読みやすいですよ。(りりれい / 2006-10-09)
おそらくこの著者はスロースターターなのでしょう。前半は京都の歴史とかタイトルにある「ホルモー」の説明に終始して、少し退屈な印象を受けました。私は京都に住んだ経験があったので前半も面白く感じられる部分も多かったのですが…。 でも後半から面白くなってきます。というか急に勢いが出てくるのです。「青春」、「恋愛」、「友情」、「笑い」読んでいて心地よいキーワードが巧みに編みこまれていき、最後は綺麗にまとまります。読後感は爽快そのものでした。 でも間違っても感動を求めてはいけません。タイトルや表紙から想像できるようにこれは純粋な娯楽作品です。ハリウッドのB級映画を観る様な寛大な気持ちで読むことをお勧めします(笑)(スナフキン / 2006-10-02)
よくも悪くも京大色いっぱいの小説です。 ファッション感ゼロの帰国子女という友人や増上慢の法学部男の設定がいかにもで,きっと吉田のキャンパスはこんな雰囲気なのだろうなと楽しみながら読みました。 京都+学生+青春を期待して読む人は楽しめて, 京都+式神+対決 を期待するとその薄さに物足りなさをおぼえるでしょう。 もう少し流れの調節がうまかったら充足した読後感がえられたのでしょうが,話の展開が序破急でいうと序序序序序急という感じで,ちょっと唐突で小説としてはもうちょっと手入れがいるかなと感じました。 でも,個人的な感想では,18才で吉田キャンパスに受験に行って,学生生活はおくれなかった身なので,もしもを想像してとっても楽しい擬似学生体験でした。(kokodokodoko / 2006-10-10)
最高にバカバカしく、読んでるうちに“そこはかとない”可笑しさがこみ上げる娯楽小説! 式神(小鬼)を統率して行う対抗戦『ホルモー』の500代目を背負わされた京大生。 先輩から伝授される、伝統と称した いかにも意味ありげな儀式や作法が大爆笑!! 代替わりの儀式で、代々歌い継がれている曲は、超有名な「昔なつかしのCMソング」。 式神(小鬼)を操るために、半年以上かけて覚えさせられる鬼語は、 「ぐああいっぎうえぇ」といった嘔吐(えず)くような発音のものばかり。(笑) 意味もなく、根拠もなく、品もない・・・でも長年続けたがゆえに“重みある伝統”に。 これが、いかにも学生っぽくて微笑ましい。 大学時代って、社会の得にもならない&害にもならないバカバカしいことを、 “本気でやる”ためにある時間なんだ・・・とあらためて感じました。 それにしてもこの本は可笑しい!!後からこみ上げる具合が他に類のない一冊です。 (かおり&やすらぎ / 2007-07-23)
レビュー数 82
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平均点:4.0
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No.1-7
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武士道シックスティーン / レビュー総評点:67
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ASIN:4163261605 / 売上順位:13810
文藝春秋(2007-07)
誉田 哲也
¥ 1,550(中古:¥ 698)
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レビュー総評点:
67
元々誉田さんが大好きで、すべて作品を読んできて、その流れでこの作品も読みました。 オススメです。なんと誉田さん初、人が一人も死なない! キャラクターは凄いハッキリしてて「強い女の子」と「普通の女の子」 彼女2人の成長が本当に面白かった。 剣道を知らない私でしたが、凄いカッコイイ!って思わず剣道の試合を1度でもいいから見たくなりました。 やっぱり元々サスペンスを書いてる方なので、キャラクターが怒り狂うシーンは凄い怖くて、 青春ストーリーの中にあるそういった“怒り”“憎しみ”の描写が凄い新鮮でしたね。 読み終わって、思わず泣いちゃって、でも気分はスッキリです。 読んでてすごい笑顔になりました。何といってもキャラが愛しくなる。 誉田さんはいつもラストのラストでキャラクターを思わぬ運命に持っていくから憎い!(笑) けどそこが魅力かな、と思います。 サスペンスばかりではなく、こういった違うジャンルも書ける、誉田さん。これからの活躍、大いに期待できます。 余談ですが、しおりが紅白になってるもの剣道に肖ってて拘ってるな〜と、今回はデザインも素敵でしたね。(askt_meiko / 2007-12-08)
武士道シックスティーン たまたま、新聞の新刊広告で、この作品の続編にあたる『武士道セブンティーン』を見かけて、面白そうだと思ったのが、きっかけでした。 どうせなら、最初の作品から読もうということで、「シックスティーン」をまず読んでみることに。 カバーのイラストがなんとなくほほえましくて、いいなとまず思いました。内容も少女の揺れ動く気持ちが、主人公二人の独白形式で交互に語られるという構成で、新鮮に感じられました。 幼い頃から何の疑いも持たずに剣道=勝つこと!と思い込んできたた香織、その香織を試合で破ったとはいえ、勝ち負けとは違う何かを求めて(そこには家庭の事情も作用しています)剣道を始めた早苗。この二人の対照的な性格や剣道との向き合い方、それぞれに好感がもてました。 「好きなことなら続ければいい。何か好きだと思えるモノを持っていることは、幸せなこと」ということを、彼女たちに伝えてくれたそれぞれの家族も、ステキでした。 一気に読み終えて、とても爽やかな気持ちになることができて、続きが気になります! さっそく「セブンティーン」も読んでみなくては! (mitteiomasa / 2008-08-12)
相反する二つの人格が刺激し合い、切磋琢磨してお互い似たような境地に達する過程はページを捲りながら、時に頷き、時に唖然としなが楽しんで読めました。柔術が柔道になり、剣術が剣道になって100年以上が経ちましたが、剛の香織と柔の早苗が目指していたのはまさに”道”の本質に辿り着くことであったのだと思いました。 小説から放たれるメッセージは一般的に言われていることだったのでそれ程、驚きも、強い共感もありませんでしたが、主人公二人がその境地に至るまでの道程が、敷かれた内なるレールを進むように、すんなりと心に届きました。 好きなことを見つけることの大切さ、素晴らしさに気付かせてくれる佳作です。(コークス萌太 / 2007-12-25)
面白かった。 磯山と西荻。この二人には清潔感があり、折り目も正しく、大人としては嬉しくなっちゃうような好感の持てる高校生。 西荻は、磯山が認める好敵手であり、ある面では救世主となる。二人の少女の出会いという横糸と、それぞれの父親と娘のやり直しという縦糸が、絶妙に織り込まれている。 ゆっくりと読むはずが、途中で手放せなくなり、結局、一気に読んだ。 剣道の知識がなくても、説明は丁寧だし、雰囲気で楽しめる。章の合間には、道具の各部名称も図解されている。 最後には、こうきてほしい!という方向に物語は流れ、わかっていてもウルッと涙腺が緩んだ。 表紙も可愛くて、元気があって、ぴったりだ。入院中の見舞いにもらったが、読んでいて元気をわけてもらえるような本だった。(香桑 / 2008-09-12)
この本のスピン(布のしおり)は2本ついている。赤と白。何故か? 香織と早苗の2人の物語。それは「たすき」掛けに進んでいく。 編集者の心意気が感じられる本です。(おんせん / 2008-08-24)
レビュー数 16
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平均点:4.5
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No.1-8
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武士道セブンティーン / レビュー総評点:58
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ASIN:4163271902 / 売上順位:1530
文藝春秋(2008-07)
誉田 哲也
¥ 1,550(中古:¥ 1,999)
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レビュー総評点:
58
高校二年の学園物としては,荻原規子さんの名作 樹上のゆりかご がある.男性の作者に女の子はどうかなと思ったが雰囲気がかなり似ているので安心した.二人のヒロイン,横浜のカオリと福岡に移ってしまったサナエの交互に語る形で物語は進行する.二人の剣道は個性を反映して正反対であるが,そのすき間を突いてさまざまな思いがけない出来事がおこる.そのたびに二人の剣道は次第に磨かれてゆく.そうして最後のクライマックスが各人別に待ち構えていて,物語は爽やかに終る.これほど純粋に楽しめた話は久しぶりだ.推薦.(ymatsui4 / 2008-07-31)
前作の武士道シックスティーンと今回のセブンティーンに共通しているのが、装丁(凝った意匠)に隠し玉があることです。本を手に取った方は気付かれたかもしれませんが、栞(しおり)の紐(ひも)が二本ついています。辞書などの分厚い書籍ではたまに見かけるのですが、単行本の小説には珍しいと思います。拍手を送りたいのはその色の組み合わせです。剣道の試合を見たことがある人にはピンとくるでしょう・・・。是非、本をご確認ください。(kato皇帝 / 2008-08-05)
物語は、高校2年生の女子剣道部員二人「磯山香織」と「甲本早苗」が主人公。 ライバルにして戦友、同志にして親友。共に目指した「武士道」の道・・・。九州と神奈川に分かれることとなった二人の、泣き笑いの剣道部ライフが交互に描かれるが、何度か交差する時間を通してそれぞれの精神的な成長の様子が見えてきます。 練習や試合の場面の描写は具体的でわかりやすく、剣道経験者だったら違和感なく読めると思います。剣道を知らない人には・・・どうなのでしょう???(笑) 主人公二人の対照的な性格やライバルたちの様子、周りの大人や家族との日常もきめ細かく書かれていて楽しめま すし、特に剣道道場の「達人」や、有名な「武勇伝」の持ち主にして一癖も二癖もある「名物教師」などの存在は物語に奥行きを与えています。 ちょっと読んだ感じは現代女子高生のコメディータッチの日記風ですが、主人公たちの「強くなりたい」という思いが昂じて起る波乱を通して、「武士道」精神 の輝きが目を惹きます。今時の女子高生と「武士道」との組み合わせに???とも思えますが、様々なエピソードの中で、彼女たちが叫ぶ切実な言葉の中に、彼 女たちなりの「武士道」精神が感じられて感動的なのです。 (東の閑人 / 2008-08-03)
本書で登場するのは動の磯山香織、静の甲本早苗、高校剣士である。東京と福岡を舞台に微妙につながり、それぞれが成長していく様は心地よい。読み飽きないし、清々しさを周りにふりまいている。 続編が出るのであろうが、本作は前作「武士道シックスティーン」以上にキラキラ感があった。速く次回作に触れてみたい。(ヒュー / 2008-09-09)
携帯電話も、メールもあるし、会おうと思えば飛行機も新幹線も、バスだって、いろいろと方法はある。だからこそ‘別れる’ってことの意味がわかるのが、ますます難しくなっているのかもしれない…。二人の剣道少女の友情と、覚悟の決めるまでの心の揺れ方がすごく爽やかでしたー。 武道とは全く違う競技ですが、オリンピックを見ていたら、無性にこの本が読みたくなってしまいました。笑。『武士道シックスティーン』読んで続きが気になってはいたものの、ほっといていたのですが…。(スズメいか / 2008-09-04)
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