レビュー総評点:
641

最高です☆☆☆☆☆
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「4」の最後でVoldemortの復活をこの目で見、何か大変なことが起こりそうな不安を抱えたまま夏休みを迎えたハリー、おじさんの家がつまらないのはいつものことだけど、今年の夏は何故かロンもハーマイオニーもそっけなく、自分だけ取り残された気分。そんなある日、一見平和に見えるPrivet Driveに突然Dementorが現れ いとこのDudleyを襲う。思わず禁じられた魔法を使ってしまったハリーに 退学処分の危機。ハリーを魔法の世界から排除しようとする何者かの陰謀なのか?今回の敵は Voldemortだけではなさそうだ。 ただの子供向けのファンタジーだと思われがちなこのシリーズだが、第3作めくらいから始まったサイドラインも益々奥行きを増し、この第5作めでは完全にただのファンタジーの域を超えている。本作では ハリーの父ジェームズの意外な過去、スネイプ先生の苦悩、ハリーのシリウスへの思慕、思春期を迎えたハリーのやり場のない怒り、ハリーの初恋など 盛りだくさん。そして 本作では そもそも何故生まれて間もないハリーがVoldemortに命を狙われることになったのか、何故ハリーが毎年夏休みにはおじさんの許で過ごさなければならないのか など 今までの様々な疑問への答えが明らかにされる。 私がこのシリーズを通して一番好きなのは、物語のヒーローであるハリーが、いつも清く正しいヒーローとして描かれてないところ。確かにハリーは皆とはちょっと違う特別な存在だが、それ以外は 嫉妬もする、間違いも犯す、嘘もつく、普通の少年である。そして、数々の失敗を繰り返しながら、魔法使いとしてだけではなく、一人の人間として成長していくハリーの姿に、作者の、ハリーに対する、自分の息子に対するような果てしない愛情を感じる。もっと多くの大人にも読んでもらいたいし、9月の翻訳版発売が待ちきれない人は、是非英語版にも挑戦してもらいたい。(sarala / 2004-04-30)
UK版が挿し絵や目次もなく質実剛健(?)なのに対し、こちらのUS版は、装丁(背表紙布張り)・中表紙・チャプターごとの挿し絵が凝っていて高級感有り。UK版より百頁以上多いにもかかわらず、本の厚さはなぜかUS版の方が薄くて手に馴染みます。文字も大きく、読み易さでは断然US版がおすすめ。しかも文中に登場する新聞記事や手紙、ホグワーツ校内掲示物など各種文書はすべて、それらしく字体を変えてありイメージが鮮明。ローリングのオリジナルの文章から自分でイメージを拡げていきたい読者はやはりUK版でしょうが、原書を少しでもリラックスして読みたい方はUS版に! グランプレの挿し絵は古典的な味わいの中に現代的なテイストがミックスされていて好感が持てます。特にアンブリッジ先生の描写は、UK版を読んで思い描いていた通りのイメージでした。予想外の外観のチョー、こうだったのかと思えるルナ、自分のイメージとグランプレの作品を照合するのも楽しい。最後に、ベールのかなたに消えた例の人物、私はきっと戻って来ると信じています。そうでないとあまりにあっけなさすぎます。(クルック / 2003-11-13)
そうやって大人になる
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日本語訳がでるのを待切れず、チビチビと3ヶ月かけて今日読み終わった。 なんだか複雑な気分だ。 予定されている7巻までを大きく起承転結にわけるならば、この『Harry Potter and the Order of the Phoenix』はおそらく「転」に相当する巻だろう。 白も黒もグレーに近付いて行き、今まではっきりしていたものごとの境界線が急に不明瞭になる。 全体を通じて、Harryは自分に理解できないものごとや、理不尽なものごとに対し、ひたすらイライラをつのらせつづけている。 この物語を「暗い」という評価もあるようだけれど、むしろ、子どもが成長していく過程において、誰もがぶつかるであろう『世界の矛盾した姿』、それをよく描いていると思う。それを超えて世界を達観している大人に、まだその域に達せないHarryは苛立ちを覚え、それがHarryと気持ちがシンクロしてしまう読者にストレートに伝わるせいで、なんとなくすっきりしない読後感になるのかもしれない。 後半まで物語は広がるところまで広がって、読みながら「これってどうやって収拾つけるんだ?」と心配になるが、そのあたりはさすがのRolling、最後の100ページくらいになると、勢いできっちりまとめあげている。今回も、シリーズ最後の6巻、7巻に向かっていろんな伏線が張られているようだが、今の時点ではそれが何なのかは知らされていない。 今回は、以外にNevillが活躍。Dumbledoreの告白に、ちと涙。 人が大人への階段をのぼるときに避けて通れない、理不尽な世界との対峙。 この巻で描きたかったのは、それに立ち向かうHarryたちの姿だったのだろうと思う。 次巻以降、クライマックスに向かってどう行き着くのか、楽しみにしながら待つとしよう。(piggy-peggy / 2003-10-28)
5巻注文後に1-4巻を読み直した。シーカー(チョー)がにこっと笑ったとか、ボッターをダズリー家へ連れて行くためにハグリッドがシリウスからバイクを借りたとか、占いの先生はこれで2回本当の予言をしたとか、出ていた伏線の多さや緻密な構成に驚かされた。 これまで正義の味方的で、個性豊かな脇役に囲まれ、性格描写的には沈みがちだったハリーも、挫折感、いらいら、反発、感情の浮き沈みの激しさを感じたりと、青年期の心理が表れていて、むしろ好感が持てた。 心に残る言葉をいくつか挙げれば、「若い者は年寄りの考えや感情は分かりようもないが、年寄りが若かった頃のことを忘れるのは、年寄りの過ちだ。」「無視するのはあからさまな憎しみよりも大きな傷を与える。」などのダンブルドアの円熟!味。「あの子(ハグリッドの弟)、ハグリッドっていっているのよ」(ハーマイオニー)の言葉は、ハグリッドが注いだ愛情と、ハーマイオニーの賢さや人間観察の深さ(恋愛講座も最高!)が伺われて感動した。「君の名前はいったい、こんな所(魔法省)で何をしているんだ?」というロンのおとぼた味も実にいい!スネイプやダズリー一家も愛すべき人物と思えてくる。 ダンブルドアとトムの関係の詳細、トムが闇の帝王になった経緯、魔法省、巨人、屋敷僕、ケンタウロスの動きも気になるし、ジョージ・フレッドの痛快な活躍、パーシーと両親の関係の行方、ハグリッド、ハーマイオニー、ロン、ハリー、それぞれの恋愛、ネビルの今後の活躍等々、楽しみだ。個人的には、ネビルの持っていた植物が妙に気になる。 ただし、11歳の娘が来年出る予定の翻訳本を見て、どこまで分かるか、面白く感じるかは疑問。(漱石ファンです / 2003-09-18)
原書と日本語訳
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特にこの第5巻のレビューは、賞賛と酷評にきっぱり分かれているようですが、それは原書と日本語版を読んだ方の違いではないでしょうか。 わたしも書店で日本語訳を手にして愕然とした一人です。まるで違うのです。全体的に稚拙で子供騙しな印象を受けます。読んでいてとても退屈で疲れます。日本語としても極めて不自然です。“誰が何をした”という出来事は追っているかもしれませんが、行間に漂う心情や空気感は全てぶち壊しです。読書の醍醐味は物語の世界観に浸り、行間を感じ取ることにあるのに、第5巻を退屈・苦痛と感じた方はおそらくそれができないことによるイライラや不快感を持たれたのではないでしょうか。とにかく日本語訳のみを読んでローリング氏に評価を下すのは、まったく不当としか言いようがありません。 同じイギリスの文学で世界的に愛好者を持つ『シャーロックホームズ』は、非常に優れた訳者によって日本語訳されています(「新潮社」刊の延原謙氏によるものです)。時代背景や英国独特の文化、主人公の性格づけや謎解き、ユーモアにいたるまで、原書の持つ妙味やテンポをいっさい損なうことなく見事に再現されています。そればかりか、日本語としても一つの優れた作品として成立しているのです。大人になって原書を読むようになってから、訳者の仕事がいかに優れたものであったか気づかされ感服したものです。『ハリーポッター』シリーズにもそのような訳者との出会いが切実に望まれるところです。 翻訳とはいかにも難しい仕事です。もう一方の言語を知らない人に、別の言語でその世界観を伝えることは至難の業です。例えば『ポケモン』を英語にするのはさほど難しいことではないかもしれませんが、『水戸黄門』や『忠臣蔵』になるとどうでしょう。「印籠」や「御公儀」を何と言えばいいでしょう。「足袋」を「socks」(ソックス)と言い換えた時点で何かがこぼれ落ちてしまうような気がします。それと同じことが『ハリー』の世界と日本語の間でも起こっているのです。 映画では言語の力を借りなくても、圧倒的な映像の力で物語の世界観が表現されています。一目瞭然です。本ではそれができないだけに、訳者の方にはもっと細心の注意を払って最大限の努力をして頂きたいと切に願います。とはいえ、他の言語に移し変えた時点で“純度100%”でなくなってしまうのはやむを得ないことです。日本語訳でがっかりされた方は、日本語訳がおもしろくないことと原作がおもしろくないことは必ずしも同じではないことを心にとめられ、ぜひ原書にチャレンジなさることをお勧めします。(karenia / 2005-04-13)
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今回のHarryは 今まで以上に重く、そして言いようのない怒り・苦悩や悲しみがあふれています。 ある人の死の場面では 涙がとめどもなくあふれてきました。 のちに ダンブルドア校長の話の終わりで、ダンブルドア校長が涙するのを読んで 更に涙が止まりませんでした。 かなり分厚い本で 初めて原本を読みましたが 完読できて、とてもよかったです。( / 2004-06-22)
悲しい。
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ヘビーな序章編
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本作は『ゴブレット』のヴォルデモート復活を受けて、新たな戦いへの序章編と位置づけられるでしょう。『アズカバン』のスリルとスピード、『ゴブレット』の華やかさにくらべて、『フェニックス』はThe Ministy of Magicの事なかれとお役所主義が生み出す抑圧がメインテーマなので、ヘビーだというのがまず読み始めの感想。ハウスエルフや半獣人に対する差別や偏見も前作よりつっこんで書かれています。伏線が前作より格段にこみいっていて、メモをとらないと1回で内容を理解するのはむずかしいかも。大人の読者を意識したように思います。 DDAの教師がキーパーソンとなるお約束は今回も不変。今回の登場人物ではいちばん濃い人物でしょう。彼女の恐怖政治は政治的メッセージを含んでいるように思います。ハリーはangry Harryで、ハーマイオネは変わらず、ロンがかなりしっかりしてきました。あと今回は、ネビル、ジニーが大活躍します。特にネビルは今までのへたれぶりとは見違えるようです。 次作へのヒントになりそうなのは、ハリーとネビルの思いがけない接点、ハリーとルナの関係、スネイプの少年時代でしょう。他にはハリーの父親とスネイプの関係が少しわかったり、ロックハートが思いがけない形で登場するし、デスイーターは前作よりもパワフルです。それに比べてダンブルドアの登場は少ないです。マジックの場面は今までになく迫力があります。ネタバレになるので誰とはいいませんが、私の好きな登場人物が死ぬのはちょっとショック。というわけで5点満点で4点。(morisukun / 2003-07-04)
リスニングの勉強にももちろん効果的ですが、学生時代の英語の勉強のクセが抜けず、ついつい一言ずつ訳してしまい、なかなかページが進まない方にもお勧め。 朗読はJim Dale氏。 イギリス版のStephen Fry氏の朗読に慣れていた私には最初、違和感がありました。Stephen氏の朗読に比べて暗く、語尾に余韻がありすぎるような気がしたのです。 しかし聞いている私が慣れたのか、この違和感は完全に消えました。 一人で様々な声音を使い分け、テンポ良く進んで行きます。 まったなしの朗読ですが、嬉しいのか怒っているのか困惑しているのか、声音で雰囲気が伝わるので100%聞き取れなくても、なんとなくついていけるはず。 23枚組みというCDの分量にまず驚きです。 ブルー系で統一されたパッケージはすべて紙製で、かわいいイラストが描かれています。 CD自体にも4枚ごとに違うイラストが印刷されています。 1枚のCDは15曲(?)前後。つまり5分おきくらいで区切りが入っています。(聞いている分にはわかりません) 不満点はどこにもChapterのインデックスが書かれていないこと。 そのため、たとえばChapter10を聞きたいと思っても、どのCDに収録されているのかわかりません。 とはいえ、ストーリーがしっかりしていることと朗読の上手さで何度でも聞きたくなる魅力があります。( / )
何ともつらい5巻でした。 まさに思春期のハリー、成長の一冊。彼はこの5巻で様々なことを経験します。 体制も常に信用できるものではないこと、信頼おける大人も過ちをおかすこと、自分の境遇になぜと疑問をなげること、そして大きな喪失。 前半は「頑張れ、ハリー!乗り越えるんだ!」なんて応援したけど、後半は先を想像するのが恐ろしいほど。 両親からの愛情と父親という等身大のモデルを持たないハリーが大人になるという事は本当に大変な道のりでしょう。 作者のビジョンもあるでしょうが、子持ちの主婦には何ともつらい5巻でした。 つらいけど、5巻中、1番はやく読み終わったのもこの本。苦しみはまだ続き、乗り越える選択しかないハリー。 心配で6巻が待ちきれません。(うさぎ / 2003-10-31)
待ちに待った5巻ということで、あっという間に読み切ってしまいました。今は6巻を待ち望むばかり… というのも寂しいので、また読み返しています。 今回の特徴としては、若いキャラクターたちの性格的な変化と成長でしょうね。大人になっていく途中のハリーたちが、とてもよく描かれていると思います。4巻までは子供だったのが、5巻では明らかに、そして急速に大人になろうとしています。今後彼らがどんな人間になっていくのか、楽しみです。 ストーリーは、今まで以上に暗く、最初から最後まで意外な展開です。イライラするような状況ばかり続いたり、ハリーの夢のことなど、ゾクゾク&ヒヤヒヤする内容です。さらに、いままで何気なく語られてきた物事の意味、人物の重要性が少しずつ明らかになってきて、もつれた糸がほぐれてきたような、全体像がよりはっきりしてきたようなかんじです。どうやってこんな!に複雑な話を組み立てられたのかと、著者には頭が下がります。( / )
1~4巻に対しては、エンターテインメント性は高い、だけど安っぽいという印象を持っていました。 主人公が異世界に自分の本当の居場所を見いだすという物語は、ファンタジーノベルにありがちなパターンであり、「ハリー・ポッター」も所詮はその類である、と。 しかし、5巻では印象が変わりました。ハリーが心の拠り所としていた人物の、途轍もなく嫌な面が分かったり、大切な人が命を落としてしまったり。 ホグワーツになかなか到着しなくてイライラしましたが、シリーズはこれから面白くなる気がします。 で、日本語訳が発売される前にUK版を読んだのですが、英語力に自信のある方以外はお勧めできません。 まず、約780頁と分厚い。見るだけで意欲が萎える。持ち歩けない。 イギリス英語のせいか、ひどく難解に思える。 和訳が出る前に読むなら、US版の方がお手軽でしょう。UK版より平易な文章に「翻訳」されているという噂だし、子供向けもあります。(現代のエスプリ / 2005-06-13)
クライマックスに向かってギアがガッツンと入れられる巻です。 渋めのストーリーカラーがファンの感想を真っ二つに分けそう。 低学年のお子さんには少しヘビー過ぎる内容かもしれません。( / 2003-07-18)
ハリポタシリーズももう5巻目。 けれども、ワタシ的には4巻のラストで、やっと「始まり」という感じです。 原書初挑戦でしたが、 ストーリーや台詞のテンポの良さと、ローリングさんの伏線の張り方の狡猾さ、トリックの素晴らしさにただ驚き、 あっという間に読み終わりました。 4巻では前半部分のダラダラしたストーリー展開が批判されましたが、 今回はそんなことは全くありませんでした。 何しろテンポが良い。少し落ち着いたと思うとすぐに衝撃の展開。 ハリーの子供から大人への変化に伴い、 前半部分はかなり不安定な彼の精神状態に少し戸惑いを感じましたが、 中盤から終わりまでは期待を裏切らない展開と興奮の数々デス。 ハリーの行き場のない苛々や、理由のないむかつきが、 今までのハリーシリーズの中でどれよりも生々しく、人間らしく描かれていました。 恋の進展も、ただ単なる時間の流れの成り行きではなく、彼の人間としての成長あってこそのものでしょうね。 この巻のメインテーマは「秩序だった世界の崩壊」だと思います。 ひとつは、ヴォルデモートの復活に伴う状況の変化。 ひとつは、ハリーの純粋な子供時代の終結。 そこからどう流れていくのか、まだまだ先の6巻の発売を首を長くして待ちたいです。(apricot-qo_op / 2003-06-29)
レビュー数 199
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平均点:4.5
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