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ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)
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ASIN:4022731222
朝日新聞社(2006-12-08)
渡辺 千賀
売上順位:39054
¥ 735(中古:¥ 1)

レビュー総評点:166
この値段は高いのではないでしょうか。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この値段を払うには惜しい本。裏表紙に「日本の若者に送る」とあるが、それこそ筆者が昔経験したように、安い時給のマクドナルドで額に汗して稼いだアルバイト代で購入するのなら、もっと良い本が選べるはず。

気になったのは、著者が随所にアメリカの学歴社会を強調し、根拠無くそれを読者(日本の若者)に押し付けているところ。曰く、「彼はMITを卒業しているのに…失業した」、「彼はスタンフォードを卒業しているのに…職が見つからない」など。アメリカの話ということで、危うく錯覚に陥ってしまいそうだが、これを「彼は東大を卒業しているのに…職にありつけない」、「彼は慶応を卒業しているのに…昇進できない」、と日本の文脈に置き換えた時、その論旨に反発する読者(日本の若者)は多いのではないか。

またシリコンバレーではコネクション(人脈)が重要です、ということを筆者が強調しているが、これもよく注意して見れば、「コネを使ってうまくやろうよ」ということを読者(日本の若者)に呼びかけているようにも聞こえるわけで、日本の若者をがっかりさせてしまいそうで、少々残念と言える。学歴社会を強調した後に、その狭いコミュニティの中でグルグルとお金を融通し合いましょう、と話が進んだとき、読者はどう感じるだろうか。

総括すると、この本はシリコンバレーという名の元に、「日本にこれからやってくる新しい働き方の話」と銘打っているものの、実は日本の過去の姿を映し出している鏡に見えてしまうわけで、過去の日本社会の不条理の焼き直しを狙った本と言えるのではないかと思います。そういう意味で、日本の若者には、こうした歴史を踏まえながらも、そこから一歩抜け出すための本を読んで欲しいと思うのです。若者は、この本で偏った先入観を見に付けるのではなく、もっと良い本を読んで発奮して欲しいと思います。 (卯田/2007-01-07)
主に、通勤の途上で読んだ。読みやすい文体で、サクサク進み、著者の博識から色々参考になることを学んだ。仕事上で迷っていた所で結構ヒントを貰った。

日本の経営形態が変化している中で、こう言う世界があるんだとの知見は、それなりに面白かった。著者が述べている、アグレッシブでポジティブな思考法は、見習うべき面があると思った。

どんなに馬が合わなく、顔も見たくない人でも、ビジネス上の付き合いがめぐりめぐって来ることは有る(私も経験)。別れ際の態度が次の局面に大きく影響をするのは、限られたコミュニティでで生きていれば当然のことである。栄枯盛衰が早いサイクルで回る社会の中で生きている人の経験談は、大いに参考になった。 (mike amazon/2007-01-20)
タイトルが大げさ ||||||||||||||||||||||||||||
何か意味ありげなタイトルがついているが、シリコンバレーで働くことについて雑然と書いているだけで、新しいものや驚きがあるわけではない。
読む必要はないだろう。 (酷評男/2007-08-11)
シリコンバレーに興味がある、という人には
シリコンバレーの日常を知るという意味では
非常におもしろいと思う。

逆に、この本を「働き方の多様性について」
というようなイメージで読むとがっかりするかもしれない。

あくまで読み物として
楽しくシリコンバレーについて知るのが正しい。たぶん。 (なると/2006-12-17)
 社会がどんどん効率化してゆくことに対して、「効率化は諸悪の
根源。痛みを伴う合理化は、結局失うものの方が大きい。」と考える
か、「効率化によっていらなくなった仕事の代わりに、もっと高付加
価値な仕事がつくりだされ、結果として経済全体のパイが増加。国民
も豊かになってゆく」と考えるか?

 本書は、明確に後者の立場に沿ったルールの中で、人々の仕事
に対する向き合い方について意見を述べている。後者の価値観が
もっとも疑いなく適応されている土地の象徴としてシリコンバレーが
あり、そこに集まる人々の考え方、そこに人が集まる「しかけ」を
どのようにつくっているのかといったことを平易な文章で切れ味よく
描いている。

 ここで論の前提となる経済のパイが増加すること、それが国民の生活
が豊かになることにつながるということは必ずしも多くの国民には当て
はまるとは限らないと思えるので、著者の主張には全面的に賛成できない。
なので、そこまで単純明快に割り切ってものごとを考えてよいだろうかと
感じられる部分も少なからずある。

 だけど、それはそれでこういう考え方もあるということを知ることが
出来たし、閉塞した社会をどうやって打破してゆけばいいのかというとき、
成果物の分け前の分配をいじるといった対処療法的なやり方では根本的には
解決せず、成果物自体ふやす「やる気」をみんなが持てるような社会のしく
みを真剣に考えると、シリコンバレーのようなかたちが確かに有効な解決策
のモデルになっているのかも知れないと思うようになったのが収穫。
(ny/2006-12-15)
シリコンバレーの「ノリ」まで伝わる最初の和書。
その「ノリ」の基本は変化を肯定的に楽しむことだから読みやすく、
シリコンバレーについて知りたいギークはもちろん、
ギークについて知ってほしい人にプレゼントすると効果あり。
しかも情報は相当MECEで、豊富な脚注・出典をたどってもう一度楽しむこともできる。

シリコンバレーはギークのポテンシャルが最大限発揮されるように最適化されたアメリカでも特別な地域。
だから、そこから生まれた新しい働き方も、著者が指摘するように誰にでもフィットするわけではない。
むしろヒューマン2.0はPCに対するMacの様なオルタナティブ。
新しい選択肢を知ってから、フィットする方を選べばいい。 (Palo Alto/2007-01-21)
シリコンバレーに生きる人々の仕事(人生)に対するハングリーさ、明るさに触れることができ、私の仕事に対する意気込みは高揚しました。
人々の生活観や人生観が著者近辺の小話で彩られており身近に感じ取ることができます。

8章の「ヒューマン2.0のルール」には、シリコンバレーでなくとも働く上で大切な心がけが詰まっています。 (かどや/2006-12-23)
ロナウジーニョのキラーパス並みの笑いのセンス。この本の内容をまじめに受け取ったら裏を抜かれるし、疑ってかかると「ほんとだよん」とCNNのニュースソースが提示されていたりする。この本の正しい読み方は、毎ページに記載されている脚注だけを読み続けること(かもしれない)。このパスを受けてシュートできる人はそうそういないんじゃないか。 (ryu2net/2006-12-15)
IT最先端のシリコンバレーに、2000年から住んでいる著者の現地話。そこでの働き方、会社のあり方、日常生活などが、ビビッドに書かれています。中国系米国人と結婚して永住権を取得。日米間にまたがる事業開発を専門とする会社を設立し、社員は自分一人だけで、フリーランスとして活躍中の由です。技術系の人、シリコンバレーにチャレンジしに試しに来たら!が本書を書かれたメインの動機だそうです。しかし著者のパワーと自分の技術と運だけを頼りに生き抜いていくニュー社会の実像には、一寸気後れするかもしれませんね。

アライグマやクーガーが出没する野生の谷に湧く様に出現した町。町中には薄汚い金持ちの技術オタクがうろついている。ここで普通に生活するのにもかなりお金がかかる。しかもあてに出来るのは地域社会ではなく自分の家族だけ。そんなシリコンバレーに先端技術を開発したい人、それを企業化したい人たちが、何でワンサカ集まって来るのか。本書を読むとよく判ります。

年齢でも技術力からでも、もはや先兵とはなり得ない我々でも、社会を先取りしている現地の雇用のあり方、人件費の変動費化など、いづれ我が国にも変形導入されるだろう労働事情は、フームと思いながら読みました。またシリコンバレー流生き方の経験則も、かなり普遍的な現代の人生準則のようで面白く読めました。実はそんな冷静な感情だけでなく、結構刺激されて、もう一歩先に自分のIT技術を進ませなきゃとも思いました。
(ビブリオン/2006-12-13)
タイトルはさておき、内容はITベンチャーの最先端を行くシリコンバレーでの働き方や振舞い方などを、著者の実感を込めつつユーモアたっぷりに、読んでいて疲れない程度に詳しく説明されていて、なんとなくシリコンバレーでの生活がイメージできるような気にさせられた、気軽に読んでみて楽しかった一冊でした。

カジュアルな文章ですので、IT用語は苦手という方でも読みやすいと思います。ですが、IT業界の大まかな動向ぐらいは知らないと内容についていけないかもしれません。また、2006年の10月ぐらいまでのネタを元に書かれていますので、古くなりすぎないうちに早めに読んだ方がいいと思います。

読み終わってみて、シリコンバレーの働き方に何か役に立つヒントが得られるかな?とも思いましたが、日本とのあまりに大きなギャップに愕然としそうになりました。まずは少しずつ身の回りの環境を変えないといけないかな…。とにかく、視点を広げるには、また通勤時間の時間潰しにも、なかなか良い本だと思います。 (牛歩戦術/2007-03-28)
シリコンバレー的生き方の紹介ではあるが
万人に向けてそれを推奨しているわけではないことには
注意しなくてはいけない。

読む人によっては、ブログ向けの砕けた文体とあいまって
いささか鼻につく内容かもしれない。
そう感じてしまうのは自分の中のコンプレックスというか
負け組根性の裏返しであることは認めなくてはいけないのだけど…。


ごく客観的に異文化を知るというつもりで読めば、大変に参考になる本である。 (どあーず/2006-12-27)
本書の筆者はシリコンバレーで、日米企業間アライアンスと先端技術に関する戦略立案のコンサルティングをしている社長である。文章が平易でとても読みやすい。また、シリコンバレーでのキャリアに関する考え方が以下のように実例とともに紹介されており、非常に興味深かった。筆者のWebページのURLが紹介されており、そちらも参照してみたい。

・同じ会社の中でも技術系の給料が一番高い。同じレベルの人材だったら、開発エンジニアを100とすると、マーケティングや事業開発などのビジネス系人材が85-90、財務や人事、総務などのオペレーション系が75ー80というのが相場である。(p.49)

・工業製品やソフトウェア同様、「仕事」もスタンダード化が進んでいるのである。その結果、数年ごとにくるくると転職しながらでも、一本筋の通ったキャリアを作っていくことができるようになっている。(p.93)

・異なる背景の人達を受け入れ、協力し合うことで、新しいチャンスに巡り会うことができる。コツは2つ。一つは、どんなに変わった人でも、共通の分かり合える何かがあるはず。それを探す努力をすること。もう一つが、変わった人を「面白い」と思うこと。何故その人が変わっているのか、そのひとにとっての「常識」は何なのかを、観察して理解する努力をしてみる。異質な人達を異質なまま理解する、それだけのこと。(p.162)
(深川ハルー/2009-05-31)
シリコンバレー在住の筆者が、シリコンバレーでの働き方や生活、
どんな人たちがいるか、、を紹介した本です。

どんな企業があるか、給与、生活コストやお金の使い方、余暇、レイオフ
などの企業の様子、ベンチャー企業の興亡、地域の環境などが描かれています。

激しい働き方、サバイバル的な生き方など、ちょっとビックリ、、
今後、日本の企業や我々の働き方は、どうなるんだろう・・・
と考え込んでしまいました。

ユニークでお茶目な文章も手伝って、読みやすく楽しく一気によめる本でした。 (lemonerika/2008-04-23)
裏表紙 |||||||||||
この本の一番最初の見所は、裏表紙の著者の顔写真だと思う。

古いのか新しいのかわからない感じの、
ちょっと不気味な笑み。
ジョークなのか真剣なのか、
判断しかねる。
(そこが変に興味を引くのだが。)

しかし、シリコンバレーにいる人は外見にとらわれないということだから、
外見は気にしてはいけないのかもしれない。
内容のほうは面白いと思うので。

写真は、外見に惑わされるなということの暗喩なのかな?


本書は、
シリコンバレーで働く人の働き方を描写しながら、
働く、
という事に対する視点をヴァージョンアップしてくれる。

(もり/2006-12-30)
シリコンバレーでコンサルティング会社Blueshift Global Partnersの社長として活躍されている渡辺千賀さんの書籍です。シリコンバレーの少し変わった住人たちの少し変わった働き方を解説しながら、Web新時代の働き方を考えるという内容になっています。

書籍を読むところによると、この労働観に関しては、シリコンバレーという土地と、その住人は特異的なようです。能力があるギークでありさえすれば、どんな汚い格好^^; をしていても、誰にも気にされなかったり。また、ものすごい分業制が進んでおり、特定分野のみ (経理とか人事とか) を専門に扱うフリーランスが活躍していたり。アメリカの国柄に、シリコンバレーに数あるベンチャー企業の事情があいまって、独特の風土が出来上がっているみたいです。

この書籍で書かれている働き方が、本当に日本にやってくるかどうか分かりません。しかし、コンピュータとネットワークの発達により、自宅勤務などが多く見られるようになったように、テクノロジの進化と、それによる人々の労働観の変化によって、シリコンバレーで行われているような自由な働き方が増えていく可能性はあります。
会社や組織に依存するのではなく、個人で、社会と世界と、渡り合っていかなくてはいけない時代がもうすぐ来るかもしれません。その時になってからではなく、今から常に、どう働くべきか考えていく必要がありそうです。

最後になりましたが、少し批判を。この書籍、構成に問題があります気がします^^; 6章まで、シリコンバレーの状況が延々えがかれており、前置きが長すぎます。これから、どういう働き方をしていくべきか?というような話が短くなっています。前置き部分をもっと短くして、もう少し主題部分をしっかり書くべきでしょう。続編があるとしたら、その点を改善してほしいですね。 (ヴィヴ/2006-12-15)
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読了本2007年1〜2月
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50歳までに「生き生きした老い」を準備する
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ファーストプレス(2008-06-07)
翻訳:米田 隆ジョージ・E・ヴァイラント
売上順位:10915
¥ 2,520

レビュー総評点:
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w:10 h:15 320page
シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)
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ASIN:4480422536
筑摩書房(2006-08-10)
梅田 望夫
売上順位:31271
¥ 672(中古:¥ 1)

レビュー総評点:47
「ウェブ時代をゆく」が面白かったので過去にさかのぼって本書を読んでみた。2001年8月に出版された「シリコンバレーは私をどう変えたか-起業の聖地での知的格闘記」の文庫版として2005年に出版されている。2001年の記述はそのまま再録されていて、2005年から振り返った長いあとがきが追加されている。

本書のよさは、その時点で格闘している梅田氏の濃密な時間を感じることができることだと思う。新しいものに触れて格闘しているとき、人は輝くと思う。

シリコンバレーの流儀や日本とのビジネス環境の違いなどが紹介されている。シリコンバレーで資金集めに成功し起業したら、その資金が果てるまで徹底的にがんばりつくす、どんなに困っても自分の資産には手をつけない。調達した資金がなくなったらアウト。また再出発。

中でもマドル・スルー(muddle through)という言葉が気に入った。「行き先が見えない中、手探りで困難に立ち向かう」意味らしい(P.266)。アングロ・サクソンには「マドル・スルー」の状態自体をプロセスとして楽しむ骨太の行動文化があり、その文化の存在こそが「霧の立ち込め始めた時代」にアメリカやイギリスが活力を保持している所以だという。
(mbookdiary/2007-12-09)
シリコンバレーにどっぷり浸かった著者の人生哲学が興味深いです。

・変化していく自分を楽しむ
・「わかっていないことの面白さや混沌」の方へ踏み出す生き方
・自分一人で判断して行動に移す
・限られた情報と限られた能力で、限られた時間内に拙いながらも何かを判断し続け、
その判断に基づいてリスクをとって行動する
・「好きで好きで仕方ない」こととは、自分にとって何なのか。どうせ一生仕事を続けていくのなら、
そのことを突き詰めていくしかない。

シリコンバレーという特殊な場所での所感とはいえ、
人生を豊かにする大切な考え方がきらめいている気がした。
(渡邉輝/2007-09-02)
自分の置かれてる環境とのギャップを思うと、
あんまりリアルな話に思えないんだけど、
ロマンはある。そこが良いと思う。
自己啓発の契機として「理想の働き方」を考える上で参考になった。

なお、たまたま機会があって「ヒューマン2.0」も併読してみたんだけど
文章のクオリティは段違い。 (どあーず/2006-12-26)
この本の大部分は、1996年から2001年のシリコンバレーの空気の中で書かれた文章だ。
初め、「ちょっと古いかな。。」と思った。
というのも、ネットの世界の出来事は半年、いや3ヶ月もすると
何もかも様変わりして、古いものはまったく忘れさられる世界だからだ。

しかし、この本の魅力は別のところにある。
それは文章の力だ。
前作「ウェブ進化論」を読んでみるとよくわかる。
ネット世界の変化の様子を情熱をこめて語る、その語り口に魅了された人は多いだろう。

この本のあとがきに、著者の父は作家の梅田晴夫だと書いてあって、
やはり、文章にこだわりを持つ人なんだと、妙に納得してしまった。

“ハイテク・ベンチャー企業の集積地シリコンバレーの気候が最高で、
自然環境にも恵まれ、
できれば仕事などしないですごしたいなぁ、
と心から思うような場所であることは、
案外知られていない。
シリコンバレーは天才たちが夜を日に継いで働き、
富を創り出している場所であることは間違いないのだが、
「華やかさと殺伐とした雰囲気が同居した」
ウォール街のようなところとは対照的な
「天気のいい田舎町」なのである。”

そんな「天気のいい田舎町」が、
今や世界を動かすおおきなうねりの発信地となっている。
マイクロソフト裁判、ベンチャービジネスのしくみ、ナードと呼ばれる人たち。。。etc
どの項目も簡潔でわかりやすい文章で書かれ、しかも面白い。

(rizy/2006-10-22)
 20世紀の終わりから21世紀の初めにかけて、シリコンバレーで
何が起こっていて、著者が何を考えていたのかが書いてある。
自分がいる日本とのあまりの違いに衝撃を受けた。特に、個人
の財産は個人のもの、会社の借金は会社のもの、と分けている
部分には文化の違いを感じた。
 著者がその当時考えていたことの記録に近いものだが、今になって
読んでみると当たっていたこともあれば、はずれたこともある。
都合の悪い話もそのまま掲載してあるところに、著者の真摯な姿勢
を感じる。
 長いあとがきを読み終えて、次の本が読みたくなった。 (しんちゃん/2007-02-14)
読んでいて楽しくなる本である。徹底した楽観主義、希望が出てくる。明るくなれる。著者の文章力もあるだろう。一介のベンチャーキャピタリストが書く文章ではない。蛙の子は蛙の子。藤原正彦に通じる物がある。父上は有名な作家とか。
 人のお金を借りて、好きで好きでしょうがない仕事を徹底して楽しみ、失敗してもお金は返さなくていい。シリコンバレー精神!、何とすばらしいと思う。私も20歳若かったら、挑戦してみたくなる。今の若者はいい時代に生まれた物だと思う。
 でもこのシリコンバレー精神が生まれるのは、パソコン、通信などのハードの技術が完成期に達し、インターネットが急速に普及して、それに乗っかれたからだ。蒸気機関が産業革命につながったように、インターネットの勃興期の特殊な時期だから、シリコンバレー精神が生まれたんだと思う。これがずーっと続くとはとても思えない。(著者はずーっと続くと楽観的だが・・)
 好きで好きでしょうがない仕事をやりたい人は沢山いる。でもそれでは飯が食えず、泣く泣くワーキングプアーをやっている人が大勢世の中にはいるんだ。現実はそれほど甘くはないと思う。シリコンバレーでも、この本に書いてあるように成功している人は少数ではないだろうか、多くは落ちこぼれてるのではないか、その辺の所はほとんど書かれていない。でも読後感はすがすがしい。 (カッツ2007/2007-05-18)
 「ウェブ進化論」以来 WEB2.0関係で飛ぶ鳥を落す勢いの梅田の処女作。単行本が2001年に出たが それから5年も経った後で 「ちくま文庫」という 中々ハイブロウな文庫から出た点にも注目して 読んでみた。

 ネット関係の本で1996〜2001年に書かれた記事を纏めた本を2006年に再刊するというのは 出版社にしてもRISKはあるし 更には著者には更に大きなRISKのはずだ。何故なら 2006年までの歴史を知っているという「高み」から 1996〜2001年に記事が審判されることを意味するからである。

 結論的に言うと 著者が執筆当時に 本書で「断言」したことのかなりは外れたし 当たった点でも「鮮やかさ」は無い。「ノストラダムスの予言」を現代に至るまでの歴史で 強引に解釈して「ノストラダムスの予言は当たった」と表明する種類の本では全く無い。
 逆に言うと 当時の外れた「予言」を 堂々を再刊でも載せてくる著者の 誠実さと それ以上のしたたかさを感じさせるものがある。

 この本を2006年に文庫化させたのは 著者が描き出す「シリコンバレー精神」が 爽快な程の楽天主義であるからだ。「意欲と努力と愛情があれば 誰にでもチャンスがある」と言い切っている梅田のアジテーションは 今尚耳に心地良いし 元気が出てくるからである。

 個人的には梅田の以下言葉に震撼した。

 「四十代前半を『縮小均衡』的精神で過ごしてしまうと 急激に老け込んでしまう」

 正しく僕自身が その年代であるなかで 再度自分を見直そうと蹴飛ばされた思いである。 (くにたち蟄居日記/2007-07-15)
「ウェブ進化論」で梅田ファンになり、
この本「も」買ってしまった人は多いだろう。
もちろん私もそんな一人だ。

「売れるうちに売っておけ」とばかりに、過去の作品をこのタイミングで
改めて文庫する出版社のマーケティング手法への不満はあれど、
それはまあこの際置いておこう。
確かに内容的には古いし、「ウェブ進化論」ほどのインパクトはないが、
この本はこの本で、所謂「ドットコムバブル」の頃のシリコンバレーの
空気を伝える貴重な記録になっているし、興味深い記述には溢れている。

「誰が読んでも面白い」とまではいかないが、
少なくとも(広い意味での)IT業界で生きている人には、
考えさせられる記述が多いのではないか。
特に、ソフトウェアの分野で日本企業がなかなか世界に羽ばたけない一方で、
シリコンバレーからは次から次へと世界的な企業が沸いて出てくる要因の分析は、
現地にどっかりと腰を下ろした人なりの説得力がある。

「失敗しても返さなくてもいいお金」が現に存在することなど、
「グーグル(のような会社)を生むビジネス風土」として、
シリコンバレーならではの「風土(あるいは「精神」)」があるらしいのだが、
逆にそのような風土がなぜ日本に根付かないのかを考えるのは、
私たち自身に与えられた宿題なのかもしれない。
この本は少なくともそのきっかけにはなるだろう。

いや、それとも日本のIT業界でも、
若い世代は既にシリコンバレーライクな精神を持っていて、
既に世界に出ようとしているのだろうか? (山田晃嗣/2006-12-16)
本文庫の価値は、シリコンバレーからの手紙、ではなく、
「文庫のための長いあとがき」という題における、
「これまでのシリコンバレーを振り返り」、来るべき近未来を
展望するところにあります。つまり、ジェットコースターの
ように、人類の歴史にない、経済のメカニズムを、怒涛の速度で
生み出していった、シリコンバレーモデルを、その肌で感じた
著者による、ネットの速度のエコノミーのアナトミーです。

その解剖を、将来へ敷衍すると、Web1.0で沸いている時代に
グーグルがWeb2.0の基幹検索技術にまい進し、開花したように、
きっと今どこかで次代の覇者となる誰かが、何かに夢中でまい進
している・・それが、シリコンバレー精神だ、という主旨だと
思います。

その地に身をおいて見聞し、投資もし、自らシリコンバレーの人と
なった梅田氏による、まだまだ終わっていない、同時代のルポであり、
平行して現代の先端経済の壮大な実験場でもある世界の分析と
予測の書でもあり、『ウエブ進化論』への道程でもある本文庫は、
今でも少しも古くなく、かえって今となってみれば、ということで、
過去の出来事を分析する貴重な証明でもあります。

特に、どんな段階、どんな登場人物、どんな力学で今日に
至り、これから何がおころうとしているのか、を予見する姿勢は
鋭くも、背筋がゾクゾクするところでもあります。 (佐倉ごるふ/2006-11-07)
90年代後半からネットバブル前後までのシリコンバレーを流れていた空気が読みやすく綴られていると思う。シリコンバレーの活動がバブルを発生させる構造を含んでいる、という指摘も分かりやすく整理されている。ただ、言葉の誤用も一部にあるので、すべてをそのまま受け取るのではなく、あくまで「梅田仮説」として考えるべきだろう。

一方、2006年に本書を手にする読者の方は、バブル崩壊後のことに(も)関心があるはず。副題の「グーグルを生むビジネス風土」が含まれているのもバブル崩壊後の時代のはずだ。「文庫のための長いあとがき」で触れられていることにはなっているが、正直物足りなさがある。もしそこを本当に知りたいのであれば「Web進化論」と併せて読むべきなのかもしれない。 (txk/2006-08-31)
本書は梅田さんがシリコンバレーから日本へ向けて書いた手紙をまとめたものです。もうずいぶん昔(1996〜2001年)の手紙ですが、ネットバブル崩壊後、グーグルがまさに大化けしようとしていた “シリコンバレー大革命” 期に書かれたものであり、不安と期待の入り混じった熱くリアルな空気感は最高です。

シリコンバレーのうずくような熱々の空気を伝えさせたら、日本では梅田さんの右に出る人はいませんね。読み終わった後に、胸が熱くなるこの感じ、やみつきになります(笑)

長い手紙の束からは、シリコンバレーがいかにして “シリコンバレー” になったのか、そして梅田望夫自身がいかにして “シリコンバレー” に染められていったのかが、リアルな手触りを持って感じられます。

シリコンバレー精神の真髄は、梅田哲学の真髄。彼の徹底したオプティミズム思想の根底には、未来を信じ・期待し・応援する熱い想いがあふれています。

だから梅田望夫はやめられない。 (のいのい/2008-04-16)
梅田望夫本、やっぱり面白いです!
読み進めながら、
なにかがフィットするし、動き始める予感がある。

とにかく氏のテーマに対するコミットぶりは並ではない。
月刊雑誌連載の短文なので、 どこからでも読める。
読めるが、短文と侮るなかれ、
どの頁にも、暗中模索の中、氏自身が直接行動を起こし、
体験した中から会得した英知に満ちている。
「未来創造」へのヒント、インスピレーションをもたらしてくれる出会い、
偶然を必然にした出会いが溢れている。

>
そうなんだ。
何でもかんでも、すべては個人の中から生まれるんだ。
会社からじゃないんだ。
価値を生み出すのは会社ではなくて個人なんだ。
日本人でそういうモノの考え方をする奴に初めて会ったよ。
>

パーティなどの自己紹介で、「××社△△部所属の○○と申します」式の、
つまり、日本式の挨拶が通用しない世界、
裸の自分のコトバで語り掛け、
組織よりも個人が最優先される世界… でのお話し。

一冊丸ごと、全部引用したくなる。
こんな著者との出会いは、 そうあるものではない。
(『Web進化論』もそうだったが)
>
行動するもの同士でそれらの情報が連鎖し、未来が創造される。
行動する者がいなければ生まれなかったはずの未来がである。
未来志向の行動の連鎖を引き起こす核となる精神。
それが「シリコンバレー精神」である。
>

「グーグルを生むビジネス風土」には、あるいは今も、
ピューリタニズムの伝統が脈々と引き継がれているのか?
「未来創造」に掛けて、その点、わたしたちの文化は、とても臆病だと言わざるをえない。 (Bali_high/2006-10-07)
1996年から2001年にかけて著者が日本に向けて書いた「シリコンバレーからの手紙」を再構成して出版したものです.この時代はグーグルがまだ未来を模索していた時期で,変化の激しい業界だけに,具体的なところは大きく変わっているのかなと思いますが,それでもタイトルの「シリコンバレー精神」は活き活きと感じ取ることができます.

本書の中に,シリコンバレーの流儀として次の3つが挙げられています.
1. 事業の成功・失敗は,ビジネスというルールの上でのゲームであって,それを人生に反映させてはいけない.
2. 事業とは「失敗するのが普通,成功したら凄い」というある種の遊び感覚が必要となる.
3. 失敗したときに「関係者に迷惑がかかる」という考えをすてること.自己責任で集まってきていると思い込むこと.
これくらいの心構えでやらないと,ビジネスの荒波は乗り越えていけないとのことです.ここらあたりが資金の調達が難しくて,人材の流動性の低い日本でベンチャー企業がなかなか育たない原因なんだなと思います.

チャレンジして失敗してもやり直せる世界というのはやはりすごいですね.
(wave115/2008-05-29)
一言で言えば、ちょっと昔のシリコンバレー物語(短編集)といったところか。シリコンバレーについてほとんど知らない人にとっては、かなり新鮮、いや、むしろ衝撃的とも言える内容だろう。一方、スタンフォード大学出身者の活躍やエンジェル投資家の存在など、当地の事情に関してある程度知っている人には、知識の再確認に終始してしまうかも知れない。ただし、当地のエンジニアやビジネスマンがそこまで意識しているかどうかは別にして、主題である「シリコンバレー精神」の定義や、副題にもなっている「ビジネス風土」の分析には、精力的なものがあり、著者の意気込みのようなものが感じられた。 (ひとりプロジェクトZ/2006-10-04)
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ハーバード流 キャリア・チェンジ術
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翔泳社(2003-05-17)
ハーミニア・イバーラ
売上順位:49452
¥ 2,310(中古:¥ 277)

レビュー総評点:23
最近、「あなたのパラシュートは何色?」など転職を考えている人々を対象にした本がかなり出版されている。私もそれなりの疑問や悩みを持ちながら、答えを求めてずいぶん読み漁った。ほとんどの本はまず、自己分析、ついで適正分野のテストといった構成であった。しかし、答えは出なかった。どの本も答えにたどり着くと言っているにもかかわらず。本書を読んで答えがないわけがわかった。
  座って自己分析や適正分析をしても、あなたにぴったりの職業は見つかりません。行動して初めて道はひらけるのです。じっくり、ゆっくり、色々のことを少しずつやってみる。一歩後退二歩前進の心構えであせらずにやってみる。ピッと来たら、その方向を探ってみる。そのうちに、今までの自分と違う自分、いままでと違う、と思い込んでいたのと違うライフスタイルや職業が見えてきます。しかし、最初のうちはそのことに気づきません。このときが一番苦しい。後ろを見たり、左右を見たり、どっちへ行ったらいいか分からない。しかし、自分に素直に、それなりにやって行けば、やがて霧が晴れます。      (かん/2003-02-26)
高橋俊介著『スローキャリア』で薦めていたので本書を読んでみました。主張のコアは「人生の方向転換に必要な知恵は杓子定規には決められない」「言葉ではっきりと表現しづらく」「経験を通じて蓄積される」ということです。だから「具体的な状況で特定の人との関わりあい社会と交流することで得られる」と言っています。転職、キャリア形成では、一般的には、人生の目標を見つけ出し、計画をたて、具体的なアクションを実行する、ことがオーソドックスな方法論だと言われ、巷にもノウハウ本もたくさん出版されています。ですが、本書によれば、実際に、多様な考え方や価値観(かならずしも金持ちになることばかりが、人生の勝者であるとはかぎらない、など)が許される現代、選択肢は無数にある社会においては、はじめから、自分を認識し、将来を見通し、目的に向かって計画的な人生を生きて行く、ということは現実には困難が多い、と思われます。「計画して実行するという順序では」キャリア・アイデンティティーを築くのは困難と述べています。
では、どうすればいいのか?については、本書では数人の具体的な転職の動機、経緯、人脈、行動などを具体的に事例として多数登場させています。ただ、残念ながら、事例は、当然、米国、英国人であり、日本のビジネスマンの参考にはなりますが、卑近な例として共感するには違和感がありますし、どの事例も、みな高学歴ですので、自分なりに咀嚼して理解する必要があります。でも、新しい、実際的な転職、キャリア形成の考え方を得るには好著であるといえます。 (佐倉ごるふ/2004-10-11)
 この本の画期的な点は、分析し計画を立て行動するという従来の手法の限界を示し、”試し学ぶ”過程を繰り返すことによって、アイデンティティの修正を伴う本当に満足できるキャリアチェンジが達成できることを語っている点にある。また、キャリアチェンジの過程で陥りがちな罠にも言及している点で、とても実際的である。
 
 従って、職業人生半ばにして、今の延長線上にあるキャリアに疑問を持った方だけでなく、キャリア相談に携わる方々にも一読をお勧めしたい良書である。 (Love & Peace/2003-06-14)
「今の仕事になんとなく不満はあるけど、転職するのもいろいろ大変そうで迷っている」という本にオススメです。小さなことから行動しよう!と思えます。
ハーバード流と書かれているだけあって、欧米のアッパークラスの人々の輝かしい転職遍歴が39人紹介されてます。投資銀行から会社設立、大学教授(文系)から証券アナリスト、経営コンサルから(希望していた)ヴァージンに入社etc..
この本では「明確にゴールを決めてからそれに向かって一直線に進む」という方法よりも、「試しながら学ぶ」「小さな勝利を積み重ねる」ことを推奨しています。すぐに転職することがなくても、「もっと自分にあった仕事をしたい」という志を持ちつつ日ごろから努力していれば、チャンスがやってきたときにそれをつかめる!ということだと思います。
本のスタイルとしては、2,3人の活動例を紹介したあと、作者によるその活動の評論が書かれています。評論は基本的に同じことの繰り返しなので、39人分の活動例をたくさん読んで、自分を勇気付けるのがこの本のよい使い方ではないでしょうか。
それにしてもアメリカ人の自分のキャリアに対する貪欲な姿勢には驚かされます。。。 (サトナカ/2003-08-29)
原題はWorking Identity Unconventional Strategies for Reviewing your Career。
一方、邦題がよくない。「ハーバード流」がどんなものかはわからない。
ハーバード・ビジネススクールプレスから出ている本だから、著者がそこで教鞭をとっていたからそんなタイトルをつけたのかもしれないが、大切なのは、この本がUnconventional Strategies ということ。

これまでの多くのキャリア本によく書いてあるのは、自分の天職を知るために必要なのは、「これまでの自分を振り返る」「自分とは何かを知る」ことで「天職がわかる」ということだ。これがおそらくConvensitonalな自分探し戦略。でもそれではなかなか自分は見つからない。

一方、こちらの本。
「人は常に成長し変わっていくものだから、出発の時点ではっきり見えるわけではない」「行動するたび何かを学び、毎回得る新しい経験は答えにも問いにもなっていく」(212p)
これがこの本の趣旨。だからUnconventional Strategyなのだ。

自分がやりたいことがわからなかった私は、これまで数多くの自分探し本や自己啓発本を読んできたが、この本を読んで、深みにはまっていたことに気づいた。
机の上で、本を読んで自分探ししているだけでは、自分は見つからない。
考えながら行動して、見えてくるものだということがわかった。

この本には、そうして考えながら行動してきた人の多数の事例が出てくる。
みんな大いに迷いながら自分の道を切り開いていくのだということがわかる。
出てくる人の年齢がいろいろなのがいい。20年間迷いながら仕事をしてきて
ようやく天職に出会った人、45歳、50歳で天職を見つけた人。

大切なのは、行動しながら探し続けること、なのだ。 (emiquita/2009-04-09)
そこそこ順調に仕事を続けていた人が、ふと「今やっていることは、本当にやりたいことじゃない」と思い悩み、まったく別のキャリアを探してハッピーになるという事例が列挙されてます。
読み終わるころには、もの凄く会社を辞めたくなって危険です。
それにしても、日本語の題名は商魂がみえて品がない。かえって逆効果だと思うのだけど。本自体はキャリアに関するアイデアにあふれロングセラーの価値があります。 (fevrier/2006-09-02)
転職活動に対する今までの常識が覆りました。立ち止まっているだけでは小さな勝利もえられない。人間関係を変える。それは他のプロフェッショナルも説いています。 (/)
7件のレビューを表示しています。
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ウェブ人間論 (新潮新書)
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新潮社(2006-12-14)
梅田 望夫
売上順位:80260
¥ 714(中古:¥ 1)

レビュー総評点:43
人間論って? |||||||||||||||||||||||
一言で言ってしまえばウェブ進化論を読めば十分、ということです。この本において、ウェブ進化論の著者、梅田さんの話に新鮮味がありません。かなり進化論と重複しています。ウェブ進化論を読んでいて、納得できない部分やおかしいなと思う部分、共感できる部分がありますよね?読書している時はそんなツッコミを絶えずしていると思うんですが、そのツッコミを平野さんがしている感じ。そしてそのツッコミに対する梅田さんの答えがウェブ進化論と重複していることばかりだから、正直おもしろくない。深みがない。人間論→進化論みたいな感じで深めていくならいいかも。進化論→人間論では買って無駄したと思うはずです。立ち読みがベスト。 (ゾンアマ太郎/2007-02-20)
本書を通じて、次のようなWebの課題の存在を感じることができる。
A.社会不満のガス抜き装置としてのWeb、B.匿名問題、C.エコー効果、
D.グーグル八部リスク、E.著作権問題(但し書籍のみ)、その他。

基本的な構図は、平野氏が課題を投げかけ、梅田氏がいなすというもの。
平野氏は、AやBについて本質を突いているのだが、梅田氏がいなした後、
追及していないのが残念だ。
対談形式ゆえの予定調和が働いてしまっているのか、年上の梅田氏を
立てているのか...。
前述の課題は本来根が深いが、さらりと読んでしまうと梅田氏のいなしが
この本の回答に見えてしまう。

例えばAの論旨を取り上げてみる。

1.Webは、抑圧された社会において発言しにくい「体制批判や個人攻撃、
その他様々な主張」を可能とするため、個人は不満解消できる。
2.ブログなどで批判を受けても体制側はビクともしない。逆に、Webが
捌け口となり、個人の不満は霧消され、体制改革の行動には至らなくなる。
3.一方、個人に対してのWeb上での攻撃はいわば暴力として表れる。

つまりwebは、権力・体制に対しては体制維持をもたらす不満解消サブシス
テムとして働き、その一方、個人に対しては圧倒的暴力をもたらす増幅器
として働く。
更にこれに輪をかけるのが、匿名問題であり、エコー効果(似た意見の人が
集まり、盛り上がってしまう現象。サンスティーン著の本が詳しい。)だ。

これら課題に、事業者そしてユーザーである市民自身が蓋をすると、結果的
に国の統制を招くため、真剣に市民はWebの善悪両面を考える必要がある。
梅田氏はWebの負の側面についての深い議論をかわす。基本的なスタンスは
自己解決だ。課題の存在を知るという点では良書だが、楽観的意見を鵜呑みに
させてしまいかねない危うさも本書は併せ持つ。

Web関連の権威である梅田氏にはイノベーティブな部分だけでなく、適切な
運用のための市民への啓蒙を今後期待したい。 (On the water/2007-03-13)
普通でした |||||||||||||
平野さんの暗く力強い考え方はとっても好きです。これといって新しい話はありませんでしたので、さらっと読み終わってしまいました。前回の梅田本に比べれば軽い。 (しもむ/2007-02-14)
ジャンルが違う世界で活躍するお二人ですが、本書で為されているのは、相手を打ち負かそうという、所謂「論争」とは違って、ネット社会が確立されつつある今、将来的に社会はこうあるべきでしょう、ということでの、熱き「お話会」です。

平野氏は総じて大人し目ですが、「ネットで十万字哲学を読むのと、哲学書の原書を読むのとでは、充実感が違う」というような、作家らしいことを(正確な引用ではない)時折仰っていましたが、私もそう思います。例えば、作家の大西巨人氏は、現在自身のHPを創設し、自作の小説を無料公開されていますが、やはり、氏の作品を手に取って、ページを直に捲りながら読むのと、インターネットで目をチカチカさせながら読むのとでは、正直のところ、充実感も、理解度も、全く持って違いました。
これから紙自体が無くなっていくかもしれない時代に、文学を真実に愛する作家という職業人は、大いなる危機や憂鬱を感じて当然なことでしょう。ただ、それでも、インターネットで得られる玉石混淆の「情報」と、学問を通じて血肉に染みて得られる「知識」とでは、それぞれの価値においては雲泥の差がある、と信じたいと思います。

また、梅田氏は、「社会変化は不可避との前提で、個は如何にサバイバルすべきか」というテーゼを掲げていますが、その裏を返せば、ネット社会を「サバイバル」とするなら、ブログであったりMIXIであったり、一見表層的に「仲良し」っぽく見せているコミュニケーションも、総て自分が生き延びていくための手段であるという訳で、何というか、パブリックに自分を顕示していくには、多かれ少なかれ打算が含まれる訳で、このネット社会で他者と真に分かち合うというのは、なかなか困難であり、我々は虚無の只中を生きていかざるを得ないのだと思いました。 (Confesion Del Viento/2007-05-22)
進化論ですっかりロングテール信者となった私にとって待望の続編でした。
いろいろ感想はあるのですが、やはり印象的なのは梅田氏の言葉に対する
際立ったセンスです。

グーグル、アップル、アマゾンの経営思想などは、これまでにも星の数ほど
語られていながら、キャッチーな言葉でそれを切り取ってみせる梅田氏の
手腕で、初めて知るような新鮮な驚きを与えてくれます。

今、思い返しても言葉の専門家であるところの平野氏のコメントは、なかなか
思い出せないのですが、梅田さんの言葉だけはいくつも心に残っています。
文中でも語られますが、紙媒体という形が最後まで残るための「壁を超える力」
というものが、まさに本書で実証されています。

一つの証左として、将棋の第一人者羽生名人の「高速道路」「インプットの質」
などがありますが、これは羽生氏の口を借りた梅田氏のコピーそのものだと思います。
羽生氏が斯界のトップに立っているこの10年以上、少なくとも将棋以外の社会に
浸透していくような語録は記憶にないわけで、やはり聞き手が引き出している
と言わざるを得ないでしょう。

私は梅田氏のシリコンバレーでのポジションや「はてな」の将来は全く分かりませんが、
これからも流行語を生み出し、ベストセラーを連発していくことだけは間違いがない
ような気がします。 (ninjaninja/2007-01-06)
私にとっては、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」よりこちらのほうが数段面白かった。

二人の対談は、今年、「新潮」に二月に渡って連載されたものです。その連載を読んでこの対談の完全版がでないかと期待していた私にはこの本は待望の書でした。そして期待に違わぬ内容です。

二人の対談を読んでいて感じたことは、これはよくできた二人芝居の脚本ではないかということでした。そこに書かれているのは二人の会話文だけだけれど、行間から彼らのそのときの表情や身振り手振りが浮かびあがってくるような気がしました。

P169の「ネットで居場所が見つかる」での梅田さんのコメント:
「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼより「今の環境が悪いんだったら、他の合う環境を探して、そちらへ移れ」という方が時代にあった哲学のような気がしています。

ネットのおかげで友達付き合いにかんしてはこれが可能になりました。しかし、実際の生活というものを考えると(日本の労働環境はますます悪くなっていて)、梅田さんほど多くの人達の現状は恵まれてはいません。「他の合う環境」のほうが、自分を受け入れてくれるかという問題もあるし。いいアイデアなのだし、トライしてみる価値はあるけれど(私もいろいろトライはしているけれど)、なかなかすぐ成功というわけにはいきません。

海外に飛び出せる実力とタイミング(年齢も含めて)を持っている人は別として、「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼはまだまだ重いものがあります。

梅田さんの「やはり壁を超えられる人は、本をたくさん読んでいる人ではないでしょうか」というコメントに、本好きの私はいいことを言ってくれると感激しました。

余談:インターネットのことを知りたいのなら、インターネット勃興前夜に書かれた、ダン・シモンズのSF小説の金字塔「ハイペリオン」二部作もお勧めです。 (ADELANTE/2006-12-24)
『ウェブ進化論』の梅田望夫氏と『日蝕』の平野啓一郎がインターネットの今と未来を語った対談集。

はてなダイアリーの狙い、ネット時代の人脈活用、検索に引っかからない語=空いているスペース、情報がフローするネット時代の本のメリット、グーグル社員のスターウォーズ好きなど、興味深い話が読めて満足。そのほとんどが梅田氏の発言で、平野氏の意見は当たり前すぎて素通りしてしまう。

この分野で圧倒的なデータを持つ梅田氏に対して、平野氏は30歳以下の世代の感覚をぶつけ、その正誤を確かめているような印象を受けた。

自分と同じ志向性をもった人が集まりやすい「島宇宙」についてはそこまで実感がわかなかったが、頭の中の記憶(教養)と外部記憶(調べられる情報)のすみわけがインターネットの検索、とりわけ検索の精度向上で変わりつつあるというところに深く共感。

私自身、頭は使っているのに記憶力だけ減退している気がするのはネットのせいか(年のせいかも)。覚えてなくてもネットで調べられるという油断はある。 (おの/2006-12-25)
「社会変化は不可避との前提で、個は如何にサバイバルすべきか」を志向する梅田望夫氏。
一方「この社会変化をより善い方向にするために個は何ができるか、何をすべきか」を志
向する平野啓一郎氏。違いは明白である。
しかも、志向性だけでなく、ITリテラシーに関しても、梅田氏に一日之長が感じられる。

また、前著「ウェブ進化論」で示されたグーグル礼賛に対し、読者から示された懸念に対し
ても、補足説明を試みている。
すなわち、「あちら側」での情報の「開示性」「散在性」および「自動秩序形成」などの
キーワード、あるいは直接見聞したエピソードを交えて懸念の払拭を試みている。
確かに前著で感じた「グーグル主義」に対する私の違和感は大幅に少なくなった。
梅田氏の言う「不特定多数無限大への信頼性」の有無が分かれ目になるのであろう。

結局、Webの「あちら側」と「こちら側」とのどちらに比重を置くかで差異は明確になるが、
それぞれの組み合わせによって、多様な生き方が選択できるというのが結論ということだろ
うか。いずれにしろ梅田氏は、キリスト教における聖ヨハネ、あるいはユダヤ教のモーゼの
ような、いわば「Web教の使徒」あるいは「Web教の預言者」ではあるまいかという印象を持
った。
(フクロウ探検隊/2007-07-30)

この本を読もうと思っている方は、前身の「ウェブ進化論」を読まれた方が多いのではないかと思います。
私もその一人です。
前作を読んだときには、インターネットの可能性やグーグルの凄さに頭をガツンとやられたような気分でした。

今回の作品は、作家の平野啓一郎氏との対話を掲載する形式です。
平野氏は、人間社会学的な考え方をとても重要視される方で、
インターネットが人間に及ぼす危険性や、リアルな世界をちゃんと見据えた上でのインターネットの位置付けを語ります。

前作では、梅田望夫氏のポジティブな考え方が爆発していましたが、
それを平野氏が冷静に捉え、そうではない可能性を論理的に指摘しているので、
インターネットに対する過度な期待を少し抑えてもらった気分です。

インターネットの可能性を、人間臭い一面から改めて考えさせてくれる本です。
前作にしびれてしまった人は、ぜひご一読を。 (渡邉輝/2007-06-02)
私のようにweb2.0の世界に足を踏み入れたことのない人におすすめしたい本です。

mixiのようなSNSや、blogというネット上の新しい公共空間がまだまだ苦手という人は意外と多いのではないでしょうか。私もその一人です。いや、”でした。”になろうとしているかもしれません。

本書では、すでに「ウェブ人間」最前線の梅田さんと作家の平野さんによって、「ウェブの世界に生きることは人に何をもたらすのか」が、対談形式で語られています。基本的には、その行為の善悪批評よりも、オプティミズムの視点で語られているので読みやすいです。

本書を読むことで、web2.0の世界に足を踏み入れることへの抵抗感はずいぶん緩和されると思います。寧ろ、一度もレビューなど書こうと思わなかった私に「書いてみようかな」と思わせた本です。

できれば、本書よりも先に『ウェブ進化論』(ちくま新書)を読まれることをおすすめします。 (しんぺー/2007-03-26)
衝撃的なほどに面白かった、『ウェブ進化論』の続編と思って読むと、
とんだ肩透かしになってしまいます。
“進化”の様子がいまひとつイメージできない旧世代向けに、
ちょっと説明を加えようとした“副読本”といった趣きです。
残念ながら、対談で期待するリズム感もほとんどなく、
正直、読んでいて退屈な部分が多かったです。
「この二人の対談なら、面白いはず・・・」
と、期待値が高かったせいかもしれませんが。 (きょうパパ/2007-02-25)
数年前には検索エンジンの重要さがあまり認識されていなかった(換言すれば、わからなかった)ことと同様に、本書で梅田氏も言うようにウェブをめるぐ将来の展開がどうなるかはわからない。

結局のところ、本書を読んでもその未来は「わからない」から隔靴掻痒的なもどかしさや欲求不満を覚える(もっとも、そもそもそれがわかるはずもないのだが)。

梅田氏がグーグルに対してずいぶん楽天的な考えをもっているところも気がかりだ。本書が「対談」ではなく、佐々木俊尚氏も参加した「鼎談」であったなら、あるいは議論がもっと深まったのかもしれない。 (ロベルト・キャパ/2007-02-17)
自分なりに考えてみる |||||||||||||||||
「ウェブ進化論」の梅田望夫さんと、小説家の平野啓一郎さんの、ウェブをテーマにした対談。

「社会がよりよき方向に向かうために、個は何が出来るか、何をすべきか」
と考える平野さんと、
「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」
と考える梅田さん。

さらに平野さんは、
ウェブの世界でいろんな欲求が充足されてしまうと、リアルな社会をより良い方向へ変化させようと思う人がいなくなるのではないか、
と心配しているようである。
一方梅田さんは、
その辺のことにはある程度楽観している感じがする。

私に関しては、まだ今のところは楽観でいいのではないかと思う。
私は、ネットに長くつながるようになってから、以前よりもものを考えるようになったと思うし、
本を読む量も増えた。
昔は、選挙というものにはほぼ絶対に行かなかったが、ネットをやるようになったここ数年は、だいたい行く。
選挙の大切さが、なぜかネットをやってわかった気がするのだな。

それから、
平野さんはウェブの世界をいまだに「仮装現実」と考えているような気がするが、
梅田さんは、ウェブの世界も含めて現実、と捕らえているように思う。

この考えかたは、梅田さんのほうが新しい感じがするので好きだった。
「仮想現実」みたいな話は、例えば、マトリックスとか攻殻機動隊とか、そういうので散々扱われたテーマだから、ちょっと飽きたし。
もしかして「仮想現実」という言葉は、既に死後になりつつあるんじゃないだろうかとも思う。

それにしても、何かと考えたくなるテーマが満載の本だと思う。 (もり/2006-12-26)
あくまで「人間論」 |||||||||||||||||
あくまで「人間論」ですね。ウェブそのものに関する対談ではないようです。
若き小説家である平野啓一郎氏が、持てる知識を総動員して、これでもかと抽象的な人間論を展開する。
「こういう懸念はないか」
「こうあるべきではないのか」
「ここを譲ってはならないのではないか」と。
「ウェブ進化論」で私たちをぶったまげさせ、ウェブの最先端を知り尽くすエンジニア梅田望夫氏は「難しいことをいう人だなあ」と平野氏を少々持てあましつつ、
「でも現実はすでにここまで行ってるんだ」
「大きな流れは、少なくとも今はこの方向に向かっている」
「それを前提に、これからを探ろうじゃないか」
とリアリストに徹する。
人間論そのものに興味がある人には面白いでしょう。しかし私のように、ウェブの側からこの本に興味を持った人間には、正直よく分かりませんでした。 (あぶはち/2006-12-24)
梅田望夫氏の「ウェブ進化論」の続編ではなく、芥川賞作家の平野敬一郎氏との対談記録です。長時間の対談(2日間で10時間以上!)を書籍化したものらしいです。

テーマは、前著にある「ウェブ進化」によって、人間のコミュニケーションのあり方、新しい世代の若い人たちの世界観が、ウェブとの付き合い方、などが、どう変わってきたか。
内容は多岐に渡るので、どう整理したらよいやら分からないぐらいなんですが、とにかく面白いです。知的興奮に包まれながら、あっという間に読んでしまいまいた。
特に、僕の心に留まったのは、mixiの笠原社長、はてなの近藤社長、平野氏が全員1975年生まれであり、大学生の時に、日本のインターネット普及を体験したことが、ウェブの技術に対する感性を育むきっかけを作ったという件。それ以前の世代では、すでに会社員になっており、感性は古い世代に属してしまうという。

そういう、どの時期に、感動できる技術に出会ったかどうかというのが、その技術に対する接し方や感性みたいなものに与える影響ってのはたしかに大きいと思います。僕は、82年生まれで、インターネット元年とも言える95年時に、中学校2年生14歳でした。インターネットの進化と、僕らが大人になっていく過程は重なっており、僕らの世代ではネットにつながることは本当に当たり前のことのように思っている感があります。
さらに言うと、僕ら80年以降生まれってのは、初めて10代で携帯を持ち始めた年齢でもあります。僕らの世代では、携帯は体の一部みたいなものです。さらには、携帯でインターネットにアクセスすることが当たり前の世代でもあります。

僕らの世代が30代になった時、モバイルを使った革新的なサービスが生まれる予感がバリバリしてます。読みながら、そんな風に思いました。 (ヴィヴ/2006-12-16)
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パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)
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アスキー(2008-03-10)
海部 美知
売上順位:26224
¥ 760(中古:¥ 57)

レビュー総評点:91
日本は裕福な国(パラダイス)である。
しかしながら、その為に外国に出て競争する必然性を失い
自然と鎖国化されてしまう。
このままでは、日本の国外との競争力低下と、日本の社会の変化の停止が懸念される。

本書では日本を様々な角度から分析し、内在する問題点を指摘する。
そしてただ単に危機感を煽るのではなく
著者が考える「ゆるやかな開国」という解決方法を提案している。

方向性として挙げられた「多様性の国を目指して」は興味深いと思った。
日本は異分子は排除される風潮が強い様に思う。
もっと様々な性格や方向性を持つ者が共存し、出会う事で
どんどん新しいイノベーションが起きてくれる事に期待しています。

随所に見られる「厳しいぬるま湯」、「孤高のマイノリティ」etc...
キャッチーなコピーが凄く好き!

日本が海外において、どのような立場にあり
これからどのようにあるべきかが、さらっと読める文章で書かれてます。
日本に閉塞感を感じていたり、海外で日本はどう思われているのか気になる大学生が読んでみると大変面白いと思います。 (しょう/2008-04-06)
本書はブログ本です。しかしブログ本ながら、ほとんど書き下ろしと言ってもよい、中身の詰まった読み応えのある本です。IT時代における、新しい日本人のあり方を、「パラダイス鎖国」の開国として示してくれる画期的な一冊といえるでしょう。

ただ本書は残念ながら思考方法を提示してくれるだけで、具体的な行動の指針を示してはくれません。あとは読者ひとりひとりが、いかに自らを「開国」していくか、自分の頭でしっかり考えていかなければならないでしょう。

ちなみにこの著者、解説で梅田さんも指摘されているとおり、超一流のコピーライターでもあります。本書の中でも、一度聞いたら忘れられない素晴らしいコピーをたくさん生み出しています。これらの言葉を味わえるだけでも、本書は一読の価値があると思います。 (のいのい/2008-04-16)
表現が秀逸です。 |||||||||||||||||||||||||||
「パラダイス鎖国」とは「誰も強制していないけれど、住み心地のいい自国に自発的に閉じこもる」「日本人は海外に行きたくなくなったし、海外のことに興味がなくなった」ことと著者は定義します。

日本はとかく閉鎖的で、世界経済の中でその存在感を発揮するためにはどうしたらよいのかという処方箋が穏やかな語り口で書かれています。

各種の統計では日本は安心・安全で住みやすく、また日本の市場が「そこそこ大きい」ため海外での市場に早くから見切りをつけてしまい、国内の市場が飽和状態になってから後悔するという日本的な思考はなるほどなと思いました。

また日本では議論の分かれることはなかなか進まず、「議論の分かれない」「衆目の一致する」ことはどんどん進んでいくというところも思わず唸ってしまいました。

ビジネス書なので対象としては「何かやりたい」と思っている方や、現在の仕事に行き詰まりを感じている方にお勧めしたいです。

(弘樹/2008-03-15)
池田信夫氏のBlogで紹介されたので読んでみました。池田信夫氏のような痛快に現在の日本をぶった切るのか?と思ってましたが、とても柔らかな書き方で、押し付けずに読み手に考えさせる文章でした。

今の日本がパラダイス鎖国状態なら、なにも苦労せず海外に出て行く必要が無いと思う人、それでも外に出ていかなければならないと思う人、読み手によって意見が分かれるのでは?と思う内容です。要は自分で考えろ、ということですかね? (kawauso00/2008-04-15)
今の日本が抱えている独特の閉塞感を、様々な方向
(例えば、ジャパンブランドが衰退していく過程など)から
言い当てていると思いました。
そして、その分析をするだけにとどまらず、著者が考える解決方法を
いくつかあげ、読者に押しつける形ではなく、読者1人1人が少しずつ
変わってほしいと思う願いが、軽やかに届く本でした。

以前から日本人が得意としてきた
「果てしなき生産性向上戦略」の存在も肯定しつつ、
それとはまた別に、自分なりの「好き」を貫き、これまでに
ない仕事や生き方を試行錯誤で作り出していくやり方である
「思考錯誤戦略」をしていく人が出てくる事を期待する
著者の意見には、深く頷いてしまいました。
(「ウェブ時代をゆく」の梅田望夫さんは”けもの道”と表現
していますが、著者は”試行錯誤戦略”と呼んでいます。)

本の最後の方には、
「自分が興味を持てることや好きな有名人の名前を、英語で検索してみること」が
普通の人にまずできることとして、提案されており、
特別な能力を持った人だけでなく誰にでも(私のような学生にでも)
自分の意志さえあれば、開かれた世界に行けることを考えさせられました。

私としては、背中をポンと押してくれる一冊になりました。
(三佳/2008-03-28)
(前回書いたレビューが消えてしまったとのことなので再投稿します)

『パラダイス鎖国』->「閉鎖的な楽園」->「引きこもり万歳!」と勘違いしそうになりました。
『忘れられた大国・日本』というサブタイトルにあるように、
日本が近年世界から忘れられつつあるということを書いている本です。

「このままじゃ置いていかれるぞ!という叱咤激励系の
マッチョな本だったら苦手だなぁと構えてしまったのですが、
推奨しているのは『ゆるやかな開国』。
まずはネットで自分の意見を表明してみようよ、というゆるさにつられ、
まんまとここでレビューを書いています。

最近の「ベンチャー万歳!」、「唾棄すべきは既得権益!」といった
力強くも汗臭い(?)思想/思考にちょっと息切れ気味だったので、
できる範囲でできることからやっていきましょ、という
筆者の主張が新鮮です。

シリコンバレーの『厳しいぬるま湯』とは具体的にどんなものか、
どんなビジネスがあるのか、知りたくなりました。

さらっと読める本ですが、キャッチーなコピーが多くて
無意識に使ってしまいそうです。 (緒佐奈綾/2008-03-27)
 「パラダイス鎖国」タイトルを見たとき、また読み終わった今、とても今の「日本」を言い当てている言葉だと思いました。ホンダやソニーが国際的な企業に成長したのに比べ、ここ数十年ほどは大きく育ったベンチャー企業が出ていませんが、その理由などを具体的な資料や著者なりの意見で解説してくれます。
 また、単純に現状を憂うのではなく、「開国」するための方法論を示唆している。大変興味深く読みました。 (サトマン/2008-03-19)
日本が裕福になるにつれて、外国に対する魅力が薄れ、やがて興味を失うことによって、精神的な鎖国が起こる問題を提起している。

筆者の主観から導かれた結論であるようだが、各機関が発表した統計データなどを用いることによって、論理的な検証もなされている。

日本がパラダイス鎖国を乗り越えるために、どのような方策をとるべきかということが、各先進国の現状を比較しつつ語られており、非常に中身の濃い作品である。

(tigerbird/2008-03-19)
著者の指摘は、すごくもっともなのですが、「パラダイス鎖国」というフレーズ以外、オリジナリティを感じることができない内容です。後半にいたっては、「ロングテール」など、他の人が発表済みのことをかいつまんで紹介しているところが、ホント、ブログのノリ。それでも星4つは、著者がそれに気づいて、効果的な名前を付けたためです。

それにしても、著者は女性でありながら、本の書き方、物事の論じ方は男性そのもの。表現こそ柔らかいが、男脳。ついでに購入時の帯も推薦人は2人とも男性。普段、男性主体のビジネス環境でお仕事されているから、周囲が男性ばかりでも違和感ゼロの女性なのだろうか。

ただ、鎖国と言っても、日本人が国際結婚して、外国人の配偶者と日本に定住している数が増加していることについては、触れられていません。大枠では、同じパラダイス鎖国の大先輩、アメリカ合衆国と同じこと、って言われそうですが、旅行といった消費行動や、エレクトロニクス産業のことばかりではなく、結婚についても相応に書いて欲しかった。ハーフの子供達をどこで、どう育てるか、というポイントがあって、本当に日本はパラダイス鎖国しているのか、ってより深く書けたと考えます。 (Chopin's Thirds/2008-11-17)
ベストセラーとなった梅田望夫『ウェブ進化論』読後の居心地の悪さを、本書はまさに暗雲を散らすがごとくに取り払ってくれた。梅田氏も海部氏も、同じシリコンバレーの地でビジネスを行うプロフェッショナルである。そういう共通の境遇の元、梅田氏の論は、彼自ら「無邪気」と言いはばからないシリコンバレー礼賛に終始するものだった。対する海部氏のそれは、今でこそシリコンバレーに職住の居を構えつつも、同じアメリカでも企業文化の異なる東海岸でのビジネス経験もあるため、その論説はより深みを増しているように見える。そうした海部氏が、梅田氏の「日本を離れシリコンバレーに行こう!」というアジテーションへのアンチテーゼとも言える「内なる黒船」を期待するという言には、大いに賛同の気持ちを覚えるのである。経済不安が顕著になってきた昨今、若者たちの保守化が著しいと聞く。実に残念だ。若い人たちにこそ、閉塞感に満ちた日本の企業社会・政治社会の変革を担ってほしいと切に願うのである。 (藤田/2008-07-22)
ん? ||||||||||||||||||||
パラダイスがゆえに出て行く必然性がないから
実質鎖国になっててこれじゃマズイよニッポン!というお話。


前半いかに日本がパラダイスなのかというのを書かれていて、
それが後の論の布石とされているんだろうけれど、
逆に「お!すごいじゃんニッポン!」と誇りに思ってしまいました。

中盤数字がたくさん出てきすが、統計を駆使すればするほどなんか軽く感じられます。
出来ればそういう「客観」に頼らず、ブログで展開されているような
アメリカ現地暮らし、現地ビジネスの観点から見た「主観」で勝負して欲しかった。

ブログでやられている現地人からみた日本りポート的なものをきたいしてただけに
そこが平凡な国家論的なところに落ち着いちゃったのが残念。

悪い本ではないし、学ぶところもたくさんあります。

ただ、次回作ではぜひブログの持ち味をフルに出した
米国からみた生活者としての母としての視点から論じていただきたいと思います。
(ケレベラ☆/2008-03-13)
 ここで書かれている事は、実際には昔から言われている、いわゆる村社会
 日本の姿に他ならないのですが、その視点を再び
 持ってきた点は貴重です。
 とりわけ外国に魅力をなくなったという点は、それ以上に想像力が
 働かなくなったという事を意味しているように思います。
 無意識に想像力が抑圧されている現状、を理解しておく上で貴重な本です。 (sight/2008-04-25)
ので、購入し読んでみたのだが、よくわからない。

これは、小生が著者のブログ(あとがきを書いている、「ウエッブ進化論」の梅田氏によると、著者のブログは人気のブログだそうな)の存在を知らず、おそらく意図するところの相当部分を理解できないためであろう。

よって、本書を読む前に著者のブログ(Tech Mom from Silicon Valley)に親しむことをお勧めしたい。

池田信夫blogでの本書評で述べられている通りで、本書では「パラダイス鎖国」を解決するための具体策は乏しい。池田氏は「それは政治の役割」としているが、今の政権の状態、幹部経済官僚が「外資参入を許さない」ような態度を取っているようでは、望むべくもないのではないだろうか?
(mikeexpo/2008-04-13)
日用品で足りないと思ったものはコンビニとかスーパーですぐに手に入る。食べ物もおいしい。高速インターネット回線は当たり前のように使えるし、すごい便利なケータイを当たり前のように持ち歩いている。街を歩くときに何かに怯える必要はない。僕は決して富裕層では無いが、安心して快適に生活することができている。日本の商品やサービスの質は高い方だと思うし、外国に比べて暮らしやすいと思っている。
かといってすごく満たされた状態かというと、そうでもない。
未来のことを考えると不安要素がいっぱいだ。拡大路線と効率化で得られた成長は陰りを見せ、かつて世界最高を誇った技術分野では世界市場での競争がより一層激しくなっている。特に日本発の技術が少なく、後追いになりがちなソフトウェア業界に身を置いている者として、そういった危機感はより強く感じている。高度成長を担保に築かれた社会保障制度の未来なんか、もう誰も期待していない。

この国では、「パラダイス感」と「閉塞感」が入り乱れた妙な感覚にとらわれている人はたくさんいるのでは無いかと思う。本書は、そんな微妙な状況を、的確な分析と切れ味の良い言葉でまとめたもの。タイトルなんか絶妙で、これ以上の表現は無いと思う。

後半ではそんな鎖国状態(閉塞感)から抜け出すための長期的な提案、すなわち、「開国への道しるべ」がしっかりと示されている。豊富な国内市場と、ハングリーさを原動力に、効率化を武器にした拡大路線がパラダイス状態を作り上げてきた。次のステップに抜け出すには、やはりイノベーションを引き起こす土壌が必要である。イノベーションというと大掛かりなきもするが、だれもができる小さな改革の積み重ねこそが、日本人のやりかたであるというメッセージは、まさに開国への第一歩かもしれない。 (mnishikawa/2008-05-31)
シリコンバレーに滞在する著者は,わかい日本人が海外旅行や海外での仕事などに関して消極的になったことを「パラダイス鎖国」と呼んでいる.「鎖国」はわかるが,非正規雇用問題,セーフティ・ネットの危機など,さまざまな問題をかかえている日本が「パラダイス」だとはとてもおもえない.しかし,著者はいろいろな数字をあげて,日本がさまざまな問題をかかえながらも,まだ大国であり,アメリカよりくらしやすいと書いている.

この本は「鎖国」に悲観しているわけではなく,そこからぬけだす道をしめしている.すなわち,シリコンバレーにいるような「霧の中で見えないものに向かって敢然と進むこと,あるいは,ほかの人には見えないけれど自分だけに見えるものを探すこと」を積極的にするひとをそだてる必要があるという.しかし,シリコンバレーにはそういうひとたちをつなぐしかけがあることが重要だろう.そこまでふみこまなければ,そういうひとたちがうまれても,すぐにきえてしまうだけではないだろうか.
(Kana/2008-05-14)
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ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
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文藝春秋(2006-12)
佐々木 俊尚
売上順位:221648
¥ 840(中古:¥ 1)

レビュー総評点:13
やや散漫 ||||||||
分量の薄い新書で語るにはやや無理がある。やや散漫。

ネット文化の根源がヒッピー文化であるとするのは、なるほどと思わせる。米国の元ヒッピー達のその後を見てみれば、極一部のハードコアを除き、結局は体制に迎合していったという事実もある。(少し異なるかも知れないが、日本の全共闘世代などとも類似するのではないか。)

とすると、結局は体制に取り込まれ、現代の「経済・金融による覇権」に代わり、ネットも「情報による覇権」のためのツールとなってしまうのではないかという危惧を抱かせる。グーグル一極集中はその序章ではないかと思う。欧州や中国が危機感を募らせるのも当然である。

Winny事件については、開発者にそれほど高邁な思想があったのかどうか疑問である。単に「スゲーの作っちゃったよ。どうよこれ?」という自己顕示欲や全能感みたいなものが動機ではないだろうか。良くある人権裁判のように、本人ではなく回り(弁護団)が大騒ぎしているだけではないかという印象を受ける。(一読者として何の実地検分していないので、憶測・偏見に過ぎないが。)
(dragonalivedragon/2007-01-28)
本書はウィニー事件とインターネットの歴史を通して、科学者・技術者vsビジネス・権力という対立を描いているように思いました。

ウィニー事件では、技術vs著作権の構図を詳細に描き、現在の著作権ビジネスは限界に来ていると指摘します。

また、インターネットの歴史は、技術vsビジネス・権力の歴史を通じて、科学者・技術者が描くネットの理想像が国家戦略・企業活動に飲み込まれていく様子を描いています。

また、本書を読む限り、日本企業はIT革命に翻弄され、未だ新たなビジネスを構築できずにいるように感じました。

結構お勧めです。
(mini1/2007-03-14)
羊頭狗肉 ||||||||||
この本の帯には「『文明の衝突』をめぐる21世紀最大の戦いが始まった!」という扇情的な惹句。そして、サブタイトルは「誰がウェブ2.0を制するか」。

佐々木俊尚氏の『グーグル Google』を読んでいた私としては、いやがうえにも期待が膨らんだわけです(内容を確認せずすぐレジへ…)。

しかし、本書の6〜7割はwinnyと著作権をめぐる問題に割かれていて、期待はずれもいいところです。ちなみに本書の第七章はまるまる80年代の「半導体戦争」について書かれています(「前世紀」の戦いですね)。

要するに、この本はタイトルと内容との乖離が甚だしいのです。目次をよくチェックしたうえで興味のある方はどうぞ♪ (ロベルト・キャパ/2006-12-27)
ネット関係の本が興味深いのは それが社会論になっていく点にある。

 技術革新が 社会を つまり人間を 変えてきたことは古来からの歴史だ。ネットも その数ある技術革新の一つに過ぎないといえばそれまでだが 幾つかの点で非常に興味深い。

 まず第一に僕自身が直面している技術革新である点だ。いいかえると僕自身が「歴史」に直面していると言う事だ。当たり前ながら 誰しも「歴史」には直面しているわけだが ネットというように「切り口」がはっきりしていると 強く歴史を感じることが出来る


 次に世界同時多発的な現象である点だ。こういう事態は 人類の歴史上でも 初めての経験だと僕は考える。発生している場所が多いということは そこから生まれる対応にも バリエーションが極めて多様化するのではないかと想像する。

 本書が語っているのはネットが齎すものは「民主化」なのか「アナーキー化」なのか「覇権化」なのかという点だ。この視座は 1998年という相当昔に提出された廣瀬克哉という学者の論文に負っている。その論文も なかなか射程距離の長い視線を持っていたと思う。なぜなら 今尚 この3つのどれになるのか もしくはまだ提出されていない第四の事態になるのか 解らないからだ。
 本書は 答えは出せていない。とりあえず 幾つかのagendaに絞りつつ ネットが齎すものを模索している。歴史というものは 後にならないと解らないというのは いつの世でも同じだ。その意味で答えが出せていないのはしょうがないかと思う。

 但し 革命家とは自分で答えをまず出して それを世に問う人なのだと思う。その意味では本書を物足りないということも可能だ。但し著者はジャーナリストであり革命家ではない。本作は 優れたジャーナリストとしての仕事なのだと ITには素人の僕は思った。 (くにたち蟄居日記/2007-05-06)
ネットVSリアルの衝突 誰がWeb2.0を制するか を読みました。
タイトルから期待するところは、ネットビジネスとリアルな世界でのビジネスの
対比、競合、融合などビジネスロジック的な比較検証をイメージしたのですが、
期待をはずしてくれました。

Winny事件をめぐってのルポでした。P2Pで著作権開放賛成的な記述もあり、
共感できるかというとそうではない部分もあるので、読み物としては面白いの
ですが、内容的にはインパクトにかけました。

コンピュータビジネスの過去の流れなども触れてあり、懐かしく読めました (tzepp/2006-12-26)
P2Pソフト『Winny』の作者が、著作権法違反の容疑で逮捕され、2006年12月13日に、著作権法違反幇助により罰金150万円を科せられました。被告は、大阪高等裁判所に控訴中です。著者は、「月刊アスキー」の編集者時代の2000年に、P2Pソフトの『グヌーテラ』の記事を書いて以来、このP2P問題に関心を持ち、今回の事件も最初から追ってきたそうです。この事件全体の綿密な調査ドキュメントがあり、全容と問題の核心が分かります。

本書はそれに終わらず、この事件を手がかりに、PCやITの発展の流れの底には、自由と独立を求める反体制的な考え方があることを歴史を遡って明らかにしています。大型コンピューターが大学や官庁の組織エリートに占有されていた60年代後半に、機械を組織外の個人にも使えるようにタイムシェアリングすべきだとの運動があったそうです。この年代の若者に支持されたヒッピー運動の一環だそうです。その流れを受け継いだITのカウンターカルチャーとしての気概と自負は、著者が本書で訳しているバーロウの1996年の「サイバースパース宣言」に顕著に読み取れます。

これに対して各国の政府が、非合法なソフトを排除したり、ITと反政府運動との結びつきを恐れて動きを制限したり、国策ソフトを企画して囲い込みを図っている動き。国家同士のITの標準化、覇権をめぐる争い。ヨーロッパなどで厳しく非難されている検索会社と人権を保障しない国家との関係など。今の問題状況が網羅的に書かれています。

思想的な流れの根を掘り起こしている点が魅力です。自分が触れてきた機械がどういうコンテキストにいたのかが分かり懐かしく読めます。これからネットと世の中はもっと混じり合っていくのでしょう。当初あったロマン溢れる文化の香りをIT側が捨てなければいいなと思いました。
(ビブリオン/2007-01-02)
 これ、若干「看板に偽りあり」ですねぇ。“誰がウェブ2.0を制するか”なんてサブタイトル打たれると、どうしても前著「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」の続編って受け取るわけで(それが売り手の意図でしょーが)。
 内容としては、前半がWinny、後半が半導体、OS、ipodっていう日米デファクト争いでの度重なる日本の敗戦であり、万人のパーセプションとしての「ウェブ2.0」ってのとは、ちょっとずれているんだよね。ただ、そうでありながら、この本なかなか面白かった。 次のようなスチュアート・ブランドの言葉が引用されている。「インターネットを経験した人は、自分が官僚主義の非情な世界ではなく、文化の薫り高い牧歌的な世界の中にいると感じるだろう。その世界は実のところ、六〇年代の残像だ。当時のヒッピー共同体主義と自由主義が、サイバー革命の原型を形作ったのである」。アップルはヒッピームーブメントから生まれた。コンピュータは人間の精神を解放する。なんて文脈は、こんだけITがビジネスや国家支配に結びついたご時世じゃ、多くの人にとって「なに寝言言ってんの?」ってなもんだろうし、若い人にとっちゃ初耳だろう。でも、僕も、Winnyの開発者の気まぐれな発言に勝手に肩入れしちゃった著者の青臭い“初心忘るべからず”的理想に、勝手に連帯(古!)しちゃいたい気分なのである。「ウェブ2.0はブランドやバーロウが夢見た理想の、正当な後継者なのである」。ほんとそうあって欲しい。ウェブ2.0の中核企業がビジネスだけの近視眼で中国市場に条件鵜呑みで進出しちゃったり、なんてのを傍らで見ていると、とても楽観的にはなれないけどね。それを使う人間によってネットってヨクもヤバくもなる訳でさ。
 次は「看板に偽りなし」で、“ウェブ2.0は果たして夢見た理想の正当な後継者たりえるのか?”って検証レポートを是非お願いしたい。 (盥アットマーク/2007-04-30)
『Winny』作者の著作権法違反事件を取材報告の姿を借りた、到達することの無いコンピュータ文化の理想像へ片思いの書として読んだ。
 大層なタイトルであり、表紙の半分以上を占める帯の巨大さにも、またその宣伝文句にも、本書の内容が投影されているとは思えない。
 しかしながら、国境のある国家を前提として築き上げられた「リアル」世界と、理想の志を内包し発展途上であった「ネット」世界の攻防が垣間見られる『Winny』事件法廷に、取材者である著者が最も思い入れ深く関係しているかのようだ。 (歯職人/2007-02-12)
 本書のテーマは、「インターネットやその利用技術はいったい誰の
ものか」ということ。Winnyとその作者の逮捕、裁判の一連の課程を
詳細に取材し、このとても難しいテーマを分かりやすく浮かび上がらせ
てくれる。付けられたタイトルは必ずしも内容に沿って付けられている
わけではない。

 関係者の取材、裁判の傍聴を重ね、他方で関連分野の文献などにも
目を向けて事実を集めならがら論をひとつづつ積み重ねていくスタイルが
本書でも健在。一気に引き込まれる。
(ny/2006-12-28)
前半はネット世界からリアル世界への影響として
winnyによる、著作権への影響について触れている。

後半はその逆でリアル世界から、ネット世界(IT世界)への影響として、
政治的な動きを交えて、国際情勢などについて触れている。

副題になっている「誰がウェブ2.0を制するのか」というのは、
名前によって購入意欲を誘う作戦か。

あまり内容的にウェブ2.0に触れているようなところはないような!? (ニャンゴロ/2007-02-04)
Winny問題について詳しくなれます。
裏話みたいなのがいろいろ載っていておもしろいです。

まあそんな感じです。

いや、正直あまり書くことも無いんですけど。
ただ「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、下手な小説を読むよりもよっぽどおもしろかったのは確かです。
やや週刊誌ネタというかテレビの特番ネタというか、そういう雰囲気が無くもないのですが、どっちみちみんな普段からそういうものを楽しく読んだり見たりしてるわけで、たぶん違和感もなく、かつちょっとした知的刺激もありつつ、おもしろく読み通せる新書ではないでしょうか。

(今さらですけど)Winny問題に詳しくなって友達に自慢しちゃいましょう。 (のいのい/2007-01-14)

 同じ文春新書で昨2006年「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」を物した著者の最新刊。

 「ネットvs.リアル」とありますが、率直な読後感から言えば、この書名と内容には距離があると思います。300頁に満たない本書のうち153頁がWinny事件の摘発から公判までを追っていますが、これをサイバースペースとリアルワールドの攻防として描くというのはぴんと来ませんでした。おそらくこの書名は、Winny開発者である被告が当初2ちゃんねるに書き込んでいたように、ネット社会で生まれたものが著作権など既存社会の従来の概念を破壊していくという対立構造の到来を、著者が半ば強く期待してつけたものだと思われます。しかしWinny開発者は公判では、そのような殉教者的証言は一切していませんし、著者の期待が空回りしている感が否めません。

 とはいうものの、普段からネットでの出来事すべてに目を通しているわけではない私にとって、Winny事件の顛末もさることながら、政官財を巻き込んだ国際的なコンピュータ・ソフト開発抗争の経年変化を丹念に追ったくだり(「第七章 標準化戦争」、「第八章 オープンソース」、「第九章 ガバナンス」)は大変興味深く読みましたし、勉強にもなったと感じています。

 毎日新聞記者という経歴を持つ著者の文章は、老若男女の理解を前提にした、大変読みやすいものです。その分野に明るい者だけが理解できればそれで結構という態度の硬質かつ衒学的な文章とは縁遠いものです。その点を私は前著「Google」以来、大変信頼しています。今後もネット関連の興味深い事件や現象を、分かりやすい文章で私たちに提示してもらいたいという期待を、私は引き続き持っています。

(yukkiebeer/2007-02-11)
今ちまたで氾濫しているWeb2.0系の本とはちょっと違いますので、よくもわるくもご留意ください。よく議論されているブロードバンドを前提としたビジネスの可能性というよりは、だれが情報管理の「中央」をつかさどるかとか、情報流通の「中央」なしでやりとりが可能であることは善か悪かとか、そういうことが書いてあります。

私はWinnyとP2Pについて理解できていなかったので、タイトルで違う内容を期待していたけれど、結果的によい参考書になりました。
タイトルと本文はだいぶ異なっている気がするし、ロングテール、ブログ、マッシュアップなどはやりの用語もとりあげていません。ただ、テクニカル、ビジネス的なことより、だれがどう情報を扱うかという概念的なアプローチをしている点に興味が持てる方にはよいと思います。

1.Winny
2.P2P
3.著作権破壊
4.サイバースペース
5.逮捕
6.アンティニーウイルス
7.標準化戦争
8.オープンソース
9.ガバナンス
10.デジタル家電
11.ウェブ2.0 (カスタマー/2006-12-19)
最近スピードを増している著者の仕事ぶりの中では、
本書は一気呵成に書き上げられたとの印象が濃い。

そのため、スピード感という表面的な記述のメリットに沿うように、
話題があっちに飛びこっちに飛び、という風に、散漫な感じも否めない。

とはいえ、これだけの情報量を、たった一人の人物が取材をもとに、
ものしたという事実には、一票を投じなければならないと思う。

というのも、膨大な取材費と書籍代を経費にして、
新書という形式で安価に提供することによって、
ベストセラーにでもならない限り、著者の懐が潤うということはないからだ。

よって、著者が今後も一層ネット業界に深部へと歩みを進めていけるよう、
本書は、借りずに購入するというのが筋というものだろう。

ただし、時代先進的な試みは、数年後に読み返されることがなくなり、
圧倒的に時代遅れになる可能性も有している。

それゆえに、著者は走り続けなければならないし、
読者もともに追い続けなければならない。

本書に登場する名称、十年後に残っているだろうか? (ヨットクラブBB/2007-08-08)
前半は,P2PソフトWinnyの作者が逮捕された,いわゆるWinny事件を取り上げています.前作のGoogleの本はちょっと期待はずれでしたが,このWinny事件についてはかなり突っ込んで取材してあり,読み応えがあります.著者はこの作者に対して,Winny作成の動機は現状の著作権の考え方に対する警鐘であり,「それでも地球は回る」と言って欲しかったみたいですが,訴えられている本人にしてみればそうもいきませんよね.

後半部分は,日本のネット社会の今後を占う目的で,これまで日本が歩んできた道のりを概観しています.半導体戦争やTRONの話は,だいぶ昔の話ですので若い人には参考になるでしょう.
(wave115/2007-02-09)
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決弾 最適解を見つける思考の技術
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アスペクト(2009-03-23)
小飼 弾
売上順位:15305
¥ 1,500(中古:¥ 790)

レビュー総評点:-70
いかに精度が高い決断をするのかを知りたくこの本を手に取ったが、全くの期待はずれだった。


小飼流「決断の法則」として

・決断とは「捨てる」ことである
・よい決断するには心のゆとりが必要
・目の前の選択肢以外にも道はある
・「待つ」こともテクニックである
・「明日死んでもいい」という決断をする

とあるが、この法則に直接割かれているページは各2ページ程度。
おそらく読者は、この法則をいかに適用するかを知りたいのだと思うが、この本のほとんどの部分は「人生はこう生きろ」的な親父の説教エッセイで終わっている。

読者の本当に知りたいであろう部分、たとえば「決断とは『捨てる』ことである」に関しては、どうやって取捨選択をするのかが書いてない。


しかも、その後のエッセイの部分からもそのエッセンスは得られない。


あまり参考にならない本でした。 (きゃんきゃん/2009-03-28)
最初に著者の決断とは、「複数の選択肢から1つを選び、他の選択肢をすてること」と定義し、CONCLUSIONで、「決断は買えない」が「知恵なら買える」と述べている。
即ち、この本は、著者の決断例を知ることにあり、自分の決断は自分でしかできないことを教えてくれる。

勝間和代さんとの講演も面白い。
その中でも、
「本というのは、新事実との遭遇ではなく、新表現との遭遇である」
との言葉に、著者の多読の極意を見た思いがした。 (人は皆オンリーワン/2009-05-02)
弾さんが自分の経験を踏まえて人生相談に答えてくれる。
エッセイ感覚で実に読みやすい。

扱っているテーマは幅広く、面白い。
0.決弾…「良い決断をするには心のゆとりが必要」、「第三の道を探せ」
1.男女…「異性にモテない」、「配偶者に不満」
2.親交…「友達ができない」、「人間関係に悩む」
3.楽習…「大学に進学すべきか」、「ブログに何を書く?」
4.仕事…「仕事ができる人になるには?」、「才能は必要か」
5.育児…「子どもを持つべきか」、「子どもにゲーム機を与えるべきか」
6.人生…「自分探しが止まらない」、「都会に行くべきか」

さらに、勝間和代さんとの対談「知的生産のサバイバル術」が特別付録として収録されている。
何だかとってもお得感がある。

最も印象的だったのは、特別付録の「余裕を作らないと、考えることはできない」という考え方。
知的生産性を上げることで、様々な問題を考えるための余裕を作ることができる。
両手でやっている仕事を片手で回せるようにする。
そうすれば、新しいチャンスをつかむための準備ができる。
両手がふさがっていると、やってきたチャンスを捕まえることができない。

確かに僕自身の失敗を振り返ってみると、欲張りすぎて両手がふさがっていたと思う。
ゆとりが無いと、楽しくないから面白い発想ができなくなる。

こういうことを考えて仕事をしている人と何となく仕事をしている人とでは、2年も経てば大きく差が開いているのではなかろうか。

より良き決断を下すための一助となってくれる一冊。 (K.J./2009-03-28)
本書は男女・親交・楽習・仕事・育児・人生をテーマに
ブログ読者からの質問に対し、著者が回答するQ&A形式で進められている。

質問を一部とりだしてみると「異性にモテない、配偶者に不満、
人付き合いせずに生きていきたい、学生だが出産すべきか、
やりたいことがわからない、自分探しが止まらない、親の介護が大変」など。

後半に勝間和代氏との対談があるのもみどころ。

ビジネス書を読むことでいろいろなアイデア・智恵を学ぶことができる。
あとはいかに決弾(決断)し、実行に移すか、
行動につながらずに躊躇している方にお薦めの本。
そんな人の背中をそっと押してくれる力になる。

牧野谷 輝
メルマガ『1日2秒で1冊!究極の成功法則365冊』 発行人
1日1冊ビジネス書を読み、その書評と名言を毎日1冊分紹介(無料)
http://www.mag2.com/m/0000265234.html
(牧野谷 輝/2009-03-30)
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フューチャリスト宣言 (ちくま新書)
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筑摩書房(2007-05-08)
梅田 望夫
売上順位:68547
¥ 735(中古:¥ 1)

レビュー総評点:48
ITは未来を豊かにするのだろうか? ||||||||||||||||||||||||||||||
ウェブ進化論、ウェブ人間論と読み、この本となった。茂木さんの本はそれなりの数を読んできた。最近の本では「感動する脳」です。
今回の書はお二人の対談がメインにあり最後に母校慶応の中学と茂木さんは横国での講演記録が付けられている。
本書の中でも盛んにお二人が語られるのは「明るい豊かな未来を作るインターネット社会」である。そしてポジティブ思考とポジティブ指向なのだと思う。日本の談合的社会体系や閉鎖的アカデミズムの現状を憂いていることが基本にあり、その結果としてグーグルやyoutube的なITを進化させるようなブレイクスルーは日本に起こらないと危惧しているのかもしれない。
そして若者に対し、未来を創造せよと鼓舞する。そして面白いと思う事をとことんやる事の重要性も指摘する。
本書を通して感じるのは非常にアメリカ的なビジネス人生論であり、勝ち組生き残り論にも聞こえる。確かにシリコンバレーという地域的背景があるのであろうが、では常に戦争を行なっているアメリカ、ハリケーン被害で明らかになった負け組多数と言うアメリカ格差社会の未来をITはどうのように創造していくのか?茂木さんが2年間留学していたイギリスの話は殆ど出て来ないのだが、ヨーロッパ的IT未来論はどのようなものなのか?
ITが途上国開発の福音となるように書かれているが本当なのか?

どうしても脳化した社会がそこに見えてしまう。頭以下を切り取った身体性の無い社会を。自然としての人間を考え、どう生きるのかと考え抜いてITの未来を創造しているようには思えない。これは内山節さんや池田晶子さんの本の読み過ぎだろうか。。。
(dream4ever/2007-07-29)
ネット世界における輝かしい未来創造の魅力と可能性が語り倒されます。
基本的には新しい未来への強い期待感が共有される形で対談が続いていきます。

ただ残念ながら本対談では、未来が共有されている分、気持ちよく読み進めることはできますが、一方で脳を揺さぶられるような体験がほとんど無いという、なんとも中途半端な結果に終わっています。
これでは「対談」という形式は完全に失敗していると言わざるを得ないでしょう。

たぶん、問題は、茂木さん。
彼は基本的にその場の思いつきでしゃべっているように思えます。
特に信念があるわけでもなく、その場のノリでなんとなく思ったことをそのまましゃべってるだけに見えてしまいます。
梅田さんの話にひとまずうなずき、その視線に沿った形で(その場で作り上げた)自説を展開しているように思えて仕方ないのです。
だからどうも議論がふくらまない。
表面的な共感に終わってしまう。

茂木さんは非常に頭が良い人なので、きっとその場でサッとそういうことができちゃうのでしょう。
頭が良く発想力も豊かな人なので、思いつきでもすごく良いことを言う場合が多々あるのが困ったところ。

気持ちよく読める本ですが、得るものはあまり無いかと。 (のいのい/2007-10-08)
インターネットの権威である梅田望夫氏と
脳科学の先進的な専門家である茂木健一郎氏の対談がまとめられた本です。
どの話題も、それぞれのバックグラウンドから独自の視点で語られているので、知的な刺激が満載です。
二人とも【今の常識を鵜呑みにしない】という考え方をベースに持っており、
未来に対して果敢に行動を起こす勇気を喚起してもらいました。 (渡邉輝/2007-07-07)
本当に面白かった。「著書たちが想定するようなリテラシーを持った人たちはどれくらいいるんだろう?」とは思うが、とにかくも明快な未来像を提示しているし、対談としてもスピード感があって、一読の価値あり。
特に共感するのは、学問・教育の場として今の大学が全くダメだという点。「大学にしか出来ないこと」を真剣に探さなければ生き残れないと痛感する。 (六条ひとま/2007-05-30)
梅田望夫氏、茂木健一郎氏という今を代表するオピニオン・リーダーの対談集で読み応えがありました。梅田氏はリアル社会とネット社会との関係を、そして茂木氏は脳の機能とネット社会との関係を、それぞれ分かりやすく解説してくれています。両氏のテーマの共通項は「ネット社会」です。そして両氏の思考がまさに「化学反応」を起こして「Σ((リアル社会)×(ネット社内))×Σ((脳の機能)×(ネット社会))=(フューチャリスト宣言)」という方程式が動いた!といった感じです。

茂木氏は対談時にリンゴ柄のTシャツを着込んでこれを「世界史の4つ目のリンゴ」に例えています。1つ目がアダムとイブのリンゴ、2つ目がニュートンのリンゴ、3つ目がアップル社のリンゴ、そして4つ目が「フューチャリスト宣言」でデザインされた”未来”というリンゴ、という意味だったんですね。とても知的なジョークで茂木氏のセンスの良さが感じられます。それぐらいの壮大な気概で未来を明るくデザインしている心意気は素晴らしいです。

梅田氏はシリコンバレーに長く在住し、ネット社会を生み出したシリコンバレー精神を氏の体験を通してこの対談で紹介されています。アメリカの東海岸文化に対する西海岸の反権威的精神、つまり、大組織/古い権威の象徴であるアメリカ東海岸に対して新興勢力であるアメリカ西海岸(シリコンバレー)は「インターネット」という武器で挑みかかり、今日の繁栄を築きあげました。それは梅田氏の生き様と重なるところでもあり、シリコンバレー精神に共鳴した梅田氏を通して読者はネット社会の精神を知ることができます。まさに「思考の補助線」になってくれました。

ネット社会には、個人情報が悪用されるであるとか不特定多数の人から誹謗中傷されるという負の側面も広く世の中で伝えられています。が、「フューチャリスト宣言」でデザインされた”未来”というリンゴだってあります。ネット社会の負の側面リスクをしっかり自己管理し、このリンゴを美味しく味わいたい!、この著書を読んでそう感じました。 (Blue-gene/2008-05-24)

悲観論が多く、現実も厳しいなかで、それでも未来を「明るいよ」といってくれる貴重な本。

閉塞感が強く、先が見えず不安が大きい時期だからこそ、こういう主張は大事だと思う。

悲観論では未来を拓けないのだから。

私も陰ながらフューチャリスト同盟に参加したい。

本書のポイントは梅田氏のいう「俯瞰性」と茂木氏のいう「サーチとチョイス」と私は感じた。

これからは世の中の流れを俯瞰し、調べ、選んでいくことが生き抜く術であるということに同感です。

世の中の悲観論に染められてしまった人に特にオススメしたい。 (mini1/2007-05-19)
インターネットをにフルに使い仕事の新しいやり方を実践している二人が、エスタブリッシュな大企業や、閉塞された世界であるアカデミック界への警鐘を鳴らしている。

自分はいわゆる日本の大企業に属し始めたばかりであり彼らの生き方との違いの大きさを感じた。

先輩、上司、付き合いのある他企業の人からの信頼を得ることだけに集中する。彼らと、飲みニケーションと接待に明け暮れ、思考停止になることを恐れつつもそのプロセスを通してでしか信用を勝ち取る方法はないと言われている。

一方、2人は、個人の信用はネットで保証すればよいと言う。そのために、何も知らない人が理解できる言葉で未知の対象を表現することをいつも考え、もう一度むくとあとは何も残らないというギリギリの言葉遣いを意識しようとしている。

自分の会社は、既存のステークホルダー皆が喜ぶ仕組みを考えなければならない。一方、今あるモノを壊してでも何かをやろう、新しいモノを想像しようという姿勢が無ければならないと2人は言う。

大企業にいることで、鈍ってしまうだろう視点。不可能となる行為があることは間違いない。自分のキャリアを考える上でとても役に立った。 (だーーー/2007-06-02)
中年カルチャー系アイドル2人の対談です。現在から将来に向けてのネットを軸とした社会の変化や人間の存在の仕方の変化を毎度おなじみのトピックで語り合うという感じ。それぞれのこれまでの著書を読んでいる場合、対談という形式でそれらの内容を噛み砕いて語っていたりするので、「あーそういうことだったのね」と今更ながらに理解できてしまったりする。特に茂木氏については、「本当に脳の研究者なの?」的な疑惑(白衣を着て実験している匂いが希薄なので)を持っていたけれど、とりあえずその匂い自体が「意図的」であったことがわかってすっきりした。
内容としてはさほど濃いということは無く、読む側も特に否定的な感覚を持つような話も無く、「未来は明るい」という期待感にあふれており、読み終えたあとも「よしがんばろう」という気に素直になれる。対談よりもそれぞれの講義の部分の方が話がまとまっていてわかりやすかったけど。
一つ気になる(というほどでもないけど)のは、お互いに「褒めすぎ」かな、ってところでしょうか。 (mac-s/2007-05-26)
梅田氏は、大学からの講演のオファーをすべて断っているという。
それは「脱エスタブリッシュメント」したいから。
大学や新聞社、出版社など従来のエスタブリッシュメントとかかわっている
パワーがあるならネットでブログ見たり書いたりしたほうがいいらしい。
ならば、なぜ出版社からのオファーは断らないの?
本書くパワーをネットにつぎ込んでほしいな。
と不思議に読んでいたが、「リアルの世界はお金になる」という本音も出ていたので納得。
なるほど〜と思えるところ2割、何をいまさら的な話が8割、それ矛盾してない?的な
のが1割ってところか。内容は深くないが読んでいて面白い。
(ck/2007-05-23)
最初から最後まで開放感に満ち溢れている。「しょうがないこの現実の中で生きるしかない」と思うか、「現実は僕らで変えられる。ほら、こんなに楽しい未来が」と思うか、同じ現実を見ていてもそれをどう感じるかによって体感の現実は変わってくる。どうせなら楽しいほうの未来がよくないか?

既成の枠に縛られないのは彼らの年齢のせいもあるし、ウェブの世界を泳いでいるというのもある。「談合」や「しがらみ」という古めかしい拘束帯に縛られて喜びを感じている世代とは完全に断絶している。つながりは常に大量に生成していて希薄だったり、一瞬で濃密になったりする。そしてまた希薄になる。可能性に満ち溢れた世界。もう少し正確に言うならば「可能無限(自然数を1,2,と数えていったときにどんな大きな数(n)を考えてみてもさらに大きな(n+1)を可能性としてどこまでも提示できるということ)」の世界。常に「更に」がある。

対談はウェブに限らず、組織と個人の関係などにも言及していて楽しい。一言一言がすべて現時点を出発点として考えられている。僕らは現在を生きているわけだから現時点をゼロとして考えるのは普通に正しい。わざわざ現時点からさかのぼって30年を一緒くたにして考える必要はない。現時点から現実を再構築している。うれしい。

全体を通して僕の気持ちを代弁してくれているような気持ちいい書だった。 (mbookdiary/2007-05-28)
 この本には、ういうメッセージが溢れていた。どう創りだすのか?
Googleなどによって、いままで手に入らなかった知がネットを介して自由に手に入る時代がくる。大学などに行かなくても高等教育を受けれる時代になる。そういう時に、どういうビジョンを描き、進んでいくのか?そいういうことを考えさせられた。

 本文中の「個人の信用はネットで保証すればよい。それに気づいた人がこれからは輝く」という言葉に思わず反応してしまった。個人の信用はネットで分かる時代がくる、ネット分からないということは情報を発信していない(世の中に貢献していない)そういう判断をされる時がくるのかもしれない。そういう危機感を持った。

 いずれにしても、ネット社会での可能性、影響性を考えれば、リアルな世界とのバランスを考え関わっていきたいという強い思いを持ちながら本を読み終えた。
 
 全体に対談形式の内容であるが、ネットの世界のとらえ方を学ぶことができた。自分には何ができるのか?何をやるべきか?そんな気持ちにさせられた。 (塩手勝久/2007-08-19)
日本人論として |||||||||||||||||||
テキストの量は新幹線で一気に読みきれる位の薄さですが
知的刺激がすごくて、本を閉じてしばし妄想、ちょっと読んで
また妄想・・・と、過激なオープン思想の果てに現れる近未来に
思いをはせる楽しい読書時間を過ごしました。

(ちなみに、私の妄想物語では宗教法人フューチャリスト同盟の
信者となったある社長が社内の伝票から営業日報、賃金明細に
至るまで全てスキャンしてWEBにアップし、ライバル他社の
絶賛を受けながら豪快に倒産してしまうというものでした)

それはさておき、一つ引っかかりがあったのは、世界を変えてしまう
ような概念破壊者がアメリカばかりから出てくることに対して、日本の
教育や風土や談合型社会が否定的文脈で語られていますが、
そういう類型的なことではなく、DNAレベルの話ではないかと思いました。

極論するとアメリカ人は無限荒野を開拓するのにストレスを感じない
民族であり、限られた領域を最適化することについては世界最強レベルの
われわれ日本人は、うっすらと線に囲われていないと本領を発揮できない
のではないかという感想を持ちました。

そのうっすらとした線が「カイシャ」や旧来の組織でないことは、なんとなく
意識しつつも、Second Lifeよりもmixi、ブログで世界中に情報を発信する
よりも一人の名無しさんでいたいという本能が心の奥底にあるような気が
してなりません。 (ninjaninja/2007-06-06)
ウェブに対する議論を見ていると、結局あちら側かこちら側かという議論になってしまう。限りなく自由なネット世界VS.しがらみに囚われた現実世界という構図だ。でも、ネット世界にも現実世界にも可能性は存在する。あちら側でもこちら側でもないのだ。バランスの取れた考え方は、Web2.0をどのようにして自分達の実際の仕事や生活に生かせるか、という事に尽きるのではないか。だったらこの類の啓蒙書なんて読まずに、Web2.0に関する専門書に直行すべきだ。ネットにパソコンをつないでいるなら、すぐに現実を確かめられる。あちら側かこちら側かという議論も本当は正しくはない。若い人のコミュニケーションは、携帯メールと実際の会話を並列的に用いている。どちらも利用して、お互いにコミュニケーションしているのだ。あちら側かこちら側かという視点ではない。自分のような三十代の人間がやっていないやり方を若い人はしてしまっている。このような啓蒙書で時間を無駄にするのは無意味だ。直接ネットでWeb2.0について調べてみて欲しい。 (ジブラルタルの風/2007-10-27)
ものづくりのリアル世界の常識を
変えていく事業を現在進行中です。
インターネットの可能性と、人間性が出るものづくりの
合わせが新しい産業を生み出すと思っています。
少し専門用語が多く理解しにくい部分もありますが、
常識にとらわれず、未来を創造する勇気が沸く本です。

(高木英俊/2007-07-09)
明るい話題ばかりの本で、読み終わってからすごく前向きな気分になれます。
あとがきにもある通りそれを意図して書かれたようです。
他分野でもこのようなポジティブな本がたくさんあればいいのですが。

インターネットは「学ぶ」という最も根源的な喜びを得る機会を無限大に爆発させ、
言語獲得以来の脳の使い方を全く変えさせるものである、という茂木さんの指摘が面白かった。
学ぶ意思というのは食欲や性欲と同じくらい、あるいはそれ以上に根源的な欲求なのだから、
インターネットに対しては「使うべきか」ではなく「いかにうまく使うか」という議論をすべきなのですね。
(TOSHI/2007-08-01)
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技術評論社(2006-10-06)
編集:橋本 大也梅田 望夫(著)
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レビュー総評点:10
Web2.0についていろんな人がいろんな能書きを言うわけですが、
「具体的にはどゆこと?」というのは今ひとつわからなかったりする。
ならば、ぐだぐだと難しいことを言わないで、
どんなサービスがあってどう使えばいいのかをカタログにして見せてくれた方が
よっぽどわかりやすいわけで。というわけで入門書としても最適。
しかし、デザイン上の問題か、読みにくいところがあるのと、
結構URLの間違いが多かったりするので☆マイナス1 (どあーず/2006-12-26)
・この世界を語る上ではやや古くなってしまっている本ですが、
 ここで語られているツール群は今でも健在だなと感じました。
 RSSリーダーなら”ライブドア・ブログリーダー”、
 ソーシャルブックマークでは”はてな”など。
・IT業界人がどんなツールを使っているかは興味深かったです。
・また、梅田望夫vs.小飼弾 往復書簡は結構面白かったです。
 TVで見る小飼さんはやや軽薄な印象だったのですが、教養の深さを感じました。
・個人的には(今頃と言われるかもしれませんが)Riyaとかは初めて知りました。 (Pt/2007-06-10)
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“気になるあの人”のWeb2.0の使い方
という内容があって、ここで
ソーシャルブックマーク、RSSリーダー、WEB2.0の定義
を10人の先人に聞いていて、実際に何をつかっていのか
どういった使い方をしているのかが判り、
何がスタンダードで、自分が今後どういった使い方をしたらいいか。
非常に参考になった。 (もれしゃん/2006-10-17)
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