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「ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)」 とその関連商品

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ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)
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ASIN:4022731222
朝日新聞社(2006-12-08)
渡辺 千賀
売上順位:22409
¥ 735(中古:¥ 97)

レビュー総評点:166
この値段は高いのではないでしょうか。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この値段を払うには惜しい本。裏表紙に「日本の若者に送る」とあるが、それこそ筆者が昔経験したように、安い時給のマクドナルドで額に汗して稼いだアルバイト代で購入するのなら、もっと良い本が選べるはず。

気になったのは、著者が随所にアメリカの学歴社会を強調し、根拠無くそれを読者(日本の若者)に押し付けているところ。曰く、「彼はMITを卒業しているのに…失業した」、「彼はスタンフォードを卒業しているのに…職が見つからない」など。アメリカの話ということで、危うく錯覚に陥ってしまいそうだが、これを「彼は東大を卒業しているのに…職にありつけない」、「彼は慶応を卒業しているのに…昇進できない」、と日本の文脈に置き換えた時、その論旨に反発する読者(日本の若者)は多いのではないか。

またシリコンバレーではコネクション(人脈)が重要です、ということを筆者が強調しているが、これもよく注意して見れば、「コネを使ってうまくやろうよ」ということを読者(日本の若者)に呼びかけているようにも聞こえるわけで、日本の若者をがっかりさせてしまいそうで、少々残念と言える。学歴社会を強調した後に、その狭いコミュニティの中でグルグルとお金を融通し合いましょう、と話が進んだとき、読者はどう感じるだろうか。

総括すると、この本はシリコンバレーという名の元に、「日本にこれからやってくる新しい働き方の話」と銘打っているものの、実は日本の過去の姿を映し出している鏡に見えてしまうわけで、過去の日本社会の不条理の焼き直しを狙った本と言えるのではないかと思います。そういう意味で、日本の若者には、こうした歴史を踏まえながらも、そこから一歩抜け出すための本を読んで欲しいと思うのです。若者は、この本で偏った先入観を見に付けるのではなく、もっと良い本を読んで発奮して欲しいと思います。 (卯田/2007-01-07)
シリコンバレーに興味がある、という人には
シリコンバレーの日常を知るという意味では
非常におもしろいと思う。

逆に、この本を「働き方の多様性について」
というようなイメージで読むとがっかりするかもしれない。

あくまで読み物として
楽しくシリコンバレーについて知るのが正しい。たぶん。 (なると/2006-12-17)
 社会がどんどん効率化してゆくことに対して、「効率化は諸悪の
根源。痛みを伴う合理化は、結局失うものの方が大きい。」と考える
か、「効率化によっていらなくなった仕事の代わりに、もっと高付加
価値な仕事がつくりだされ、結果として経済全体のパイが増加。国民
も豊かになってゆく」と考えるか?

 本書は、明確に後者の立場に沿ったルールの中で、人々の仕事
に対する向き合い方について意見を述べている。後者の価値観が
もっとも疑いなく適応されている土地の象徴としてシリコンバレーが
あり、そこに集まる人々の考え方、そこに人が集まる「しかけ」を
どのようにつくっているのかといったことを平易な文章で切れ味よく
描いている。

 ここで論の前提となる経済のパイが増加すること、それが国民の生活
が豊かになることにつながるということは必ずしも多くの国民には当て
はまるとは限らないと思えるので、著者の主張には全面的に賛成できない。
なので、そこまで単純明快に割り切ってものごとを考えてよいだろうかと
感じられる部分も少なからずある。

 だけど、それはそれでこういう考え方もあるということを知ることが
出来たし、閉塞した社会をどうやって打破してゆけばいいのかというとき、
成果物の分け前の分配をいじるといった対処療法的なやり方では根本的には
解決せず、成果物自体ふやす「やる気」をみんなが持てるような社会のしく
みを真剣に考えると、シリコンバレーのようなかたちが確かに有効な解決策
のモデルになっているのかも知れないと思うようになったのが収穫。
(ny/2006-12-15)
タイトルが大げさ |||||||||||||||||||||||
何か意味ありげなタイトルがついているが、シリコンバレーで働くことについて雑然と書いているだけで、新しいものや驚きがあるわけではない。
読む必要はないだろう。 (酷評男/2007-08-11)
シリコンバレーの「ノリ」まで伝わる最初の和書。
その「ノリ」の基本は変化を肯定的に楽しむことだから読みやすく、
シリコンバレーについて知りたいギークはもちろん、
ギークについて知ってほしい人にプレゼントすると効果あり。
しかも情報は相当MECEで、豊富な脚注・出典をたどってもう一度楽しむこともできる。

シリコンバレーはギークのポテンシャルが最大限発揮されるように最適化されたアメリカでも特別な地域。
だから、そこから生まれた新しい働き方も、著者が指摘するように誰にでもフィットするわけではない。
むしろヒューマン2.0はPCに対するMacの様なオルタナティブ。
新しい選択肢を知ってから、フィットする方を選べばいい。 (Palo Alto/2007-01-21)
主に、通勤の途上で読んだ。読みやすい文体で、サクサク進み、著者の博識から色々参考になることを学んだ。仕事上で迷っていた所で結構ヒントを貰った。

日本の経営形態が変化している中で、こう言う世界があるんだとの知見は、それなりに面白かった。著者が述べている、アグレッシブでポジティブな思考法は、見習うべき面があると思った。

どんなに馬が合わなく、顔も見たくない人でも、ビジネス上の付き合いがめぐりめぐって来ることは有る(私も経験)。別れ際の態度が次の局面に大きく影響をするのは、限られたコミュニティでで生きていれば当然のことである。栄枯盛衰が早いサイクルで回る社会の中で生きている人の経験談は、大いに参考になった。 (mike amazon/2007-01-20)
シリコンバレーに生きる人々の仕事(人生)に対するハングリーさ、明るさに触れることができ、私の仕事に対する意気込みは高揚しました。
人々の生活観や人生観が著者近辺の小話で彩られており身近に感じ取ることができます。

8章の「ヒューマン2.0のルール」には、シリコンバレーでなくとも働く上で大切な心がけが詰まっています。 (かどや/2006-12-23)
ロナウジーニョのキラーパス並みの笑いのセンス。この本の内容をまじめに受け取ったら裏を抜かれるし、疑ってかかると「ほんとだよん」とCNNのニュースソースが提示されていたりする。この本の正しい読み方は、毎ページに記載されている脚注だけを読み続けること(かもしれない)。このパスを受けてシュートできる人はそうそういないんじゃないか。 (ryu2net/2006-12-15)
タイトルはさておき、内容はITベンチャーの最先端を行くシリコンバレーでの働き方や振舞い方などを、著者の実感を込めつつユーモアたっぷりに、読んでいて疲れない程度に詳しく説明されていて、なんとなくシリコンバレーでの生活がイメージできるような気にさせられた、気軽に読んでみて楽しかった一冊でした。

カジュアルな文章ですので、IT用語は苦手という方でも読みやすいと思います。ですが、IT業界の大まかな動向ぐらいは知らないと内容についていけないかもしれません。また、2006年の10月ぐらいまでのネタを元に書かれていますので、古くなりすぎないうちに早めに読んだ方がいいと思います。

読み終わってみて、シリコンバレーの働き方に何か役に立つヒントが得られるかな?とも思いましたが、日本とのあまりに大きなギャップに愕然としそうになりました。まずは少しずつ身の回りの環境を変えないといけないかな…。とにかく、視点を広げるには、また通勤時間の時間潰しにも、なかなか良い本だと思います。 (牛歩戦術/2007-03-28)
IT最先端のシリコンバレーに、2000年から住んでいる著者の現地話。そこでの働き方、会社のあり方、日常生活などが、ビビッドに書かれています。中国系米国人と結婚して永住権を取得。日米間にまたがる事業開発を専門とする会社を設立し、社員は自分一人だけで、フリーランスとして活躍中の由です。技術系の人、シリコンバレーにチャレンジしに試しに来たら!が本書を書かれたメインの動機だそうです。しかし著者のパワーと自分の技術と運だけを頼りに生き抜いていくニュー社会の実像には、一寸気後れするかもしれませんね。

アライグマやクーガーが出没する野生の谷に湧く様に出現した町。町中には薄汚い金持ちの技術オタクがうろついている。ここで普通に生活するのにもかなりお金がかかる。しかもあてに出来るのは地域社会ではなく自分の家族だけ。そんなシリコンバレーに先端技術を開発したい人、それを企業化したい人たちが、何でワンサカ集まって来るのか。本書を読むとよく判ります。

年齢でも技術力からでも、もはや先兵とはなり得ない我々でも、社会を先取りしている現地の雇用のあり方、人件費の変動費化など、いづれ我が国にも変形導入されるだろう労働事情は、フームと思いながら読みました。またシリコンバレー流生き方の経験則も、かなり普遍的な現代の人生準則のようで面白く読めました。実はそんな冷静な感情だけでなく、結構刺激されて、もう一歩先に自分のIT技術を進ませなきゃとも思いました。
(ビブリオン/2006-12-12)
シリコンバレー在住の筆者が、シリコンバレーでの働き方や生活、
どんな人たちがいるか、、を紹介した本です。

どんな企業があるか、給与、生活コストやお金の使い方、余暇、レイオフ
などの企業の様子、ベンチャー企業の興亡、地域の環境などが描かれています。

激しい働き方、サバイバル的な生き方など、ちょっとビックリ、、
今後、日本の企業や我々の働き方は、どうなるんだろう・・・
と考え込んでしまいました。

ユニークでお茶目な文章も手伝って、読みやすく楽しく一気によめる本でした。 (lemonerika/2008-04-23)
裏表紙 |||||||||||
この本の一番最初の見所は、裏表紙の著者の顔写真だと思う。

古いのか新しいのかわからない感じの、
ちょっと不気味な笑み。
ジョークなのか真剣なのか、
判断しかねる。
(そこが変に興味を引くのだが。)

しかし、シリコンバレーにいる人は外見にとらわれないということだから、
外見は気にしてはいけないのかもしれない。
内容のほうは面白いと思うので。

写真は、外見に惑わされるなということの暗喩なのかな?


本書は、
シリコンバレーで働く人の働き方を描写しながら、
働く、
という事に対する視点をヴァージョンアップしてくれる。

(もり/2006-12-30)
シリコンバレー的生き方の紹介ではあるが
万人に向けてそれを推奨しているわけではないことには
注意しなくてはいけない。

読む人によっては、ブログ向けの砕けた文体とあいまって
いささか鼻につく内容かもしれない。
そう感じてしまうのは自分の中のコンプレックスというか
負け組根性の裏返しであることは認めなくてはいけないのだけど…。


ごく客観的に異文化を知るというつもりで読めば、大変に参考になる本である。 (どあーず/2006-12-27)
シリコンバレーでコンサルティング会社Blueshift Global Partnersの社長として活躍されている渡辺千賀さんの書籍です。シリコンバレーの少し変わった住人たちの少し変わった働き方を解説しながら、Web新時代の働き方を考えるという内容になっています。

書籍を読むところによると、この労働観に関しては、シリコンバレーという土地と、その住人は特異的なようです。能力があるギークでありさえすれば、どんな汚い格好^^; をしていても、誰にも気にされなかったり。また、ものすごい分業制が進んでおり、特定分野のみ (経理とか人事とか) を専門に扱うフリーランスが活躍していたり。アメリカの国柄に、シリコンバレーに数あるベンチャー企業の事情があいまって、独特の風土が出来上がっているみたいです。

この書籍で書かれている働き方が、本当に日本にやってくるかどうか分かりません。しかし、コンピュータとネットワークの発達により、自宅勤務などが多く見られるようになったように、テクノロジの進化と、それによる人々の労働観の変化によって、シリコンバレーで行われているような自由な働き方が増えていく可能性はあります。
会社や組織に依存するのではなく、個人で、社会と世界と、渡り合っていかなくてはいけない時代がもうすぐ来るかもしれません。その時になってからではなく、今から常に、どう働くべきか考えていく必要がありそうです。

最後になりましたが、少し批判を。この書籍、構成に問題があります気がします^^; 6章まで、シリコンバレーの状況が延々えがかれており、前置きが長すぎます。これから、どういう働き方をしていくべきか?というような話が短くなっています。前置き部分をもっと短くして、もう少し主題部分をしっかり書くべきでしょう。続編があるとしたら、その点を改善してほしいですね。 (ヴィヴ/2006-12-15)
シリコンバレーの愉快な日常 ||||||||||||||||||||||||
シリコンバレーで働く日系エリートの渡辺氏がWEB2.0時代の高額所得者らしい独特の文章でシリコンバレーの愉快な日常を語る。シリコンバレーでは第一線で働ける期間は人生で20年という共通認識があるからそれにあわせて高めの給料が設定されている。転職は当たり前だからそれに備えて取引先にも良い対応を心がけるのが常識。フリーランス、ライフスタイルワーカー、チャンクワーカー、ポートフォリオワーカーなどさまざまな働き方の紹介など。
(mbookdiary/2006-12-09)
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2006年12月に読んだ本
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ウェブ人間論 (新潮新書)
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ASIN:4106101939
新潮社(2006-12-14)
梅田 望夫
売上順位:29810
¥ 714(中古:¥ 1)

レビュー総評点:55
本書を通じて、次のようなWebの課題の存在を感じることができる。
A.社会不満のガス抜き装置としてのWeb、B.匿名問題、C.エコー効果、
D.グーグル八部リスク、E.著作権問題(但し書籍のみ)、その他。

基本的な構図は、平野氏が課題を投げかけ、梅田氏がいなすというもの。
平野氏は、AやBについて本質を突いているのだが、梅田氏がいなした後、
追及していないのが残念だ。
対談形式ゆえの予定調和が働いてしまっているのか、年上の梅田氏を
立てているのか...。
前述の課題は本来根が深いが、さらりと読んでしまうと梅田氏のいなしが
この本の回答に見えてしまう。

例えばAの論旨を取り上げてみる。

1.Webは、抑圧された社会において発言しにくい「体制批判や個人攻撃、
その他様々な主張」を可能とするため、個人は不満解消できる。
2.ブログなどで批判を受けても体制側はビクともしない。逆に、Webが
捌け口となり、個人の不満は霧消され、体制改革の行動には至らなくなる。
3.一方、個人に対してのWeb上での攻撃はいわば暴力として表れる。

つまりwebは、権力・体制に対しては体制維持をもたらす不満解消サブシス
テムとして働き、その一方、個人に対しては圧倒的暴力をもたらす増幅器
として働く。
更にこれに輪をかけるのが、匿名問題であり、エコー効果(似た意見の人が
集まり、盛り上がってしまう現象。サンスティーン著の本が詳しい。)だ。

これら課題に、事業者そしてユーザーである市民自身が蓋をすると、結果的
に国の統制を招くため、真剣に市民はWebの善悪両面を考える必要がある。
梅田氏はWebの負の側面についての深い議論をかわす。基本的なスタンスは
自己解決だ。課題の存在を知るという点では良書だが、楽観的意見を鵜呑みに
させてしまいかねない危うさも本書は併せ持つ。

Web関連の権威である梅田氏にはイノベーティブな部分だけでなく、適切な
運用のための市民への啓蒙を今後期待したい。 (On the water/2007-03-13)
人間論って? |||||||||||||||||||
一言で言ってしまえばウェブ進化論を読めば十分、ということです。この本において、ウェブ進化論の著者、梅田さんの話に新鮮味がありません。かなり進化論と重複しています。ウェブ進化論を読んでいて、納得できない部分やおかしいなと思う部分、共感できる部分がありますよね?読書している時はそんなツッコミを絶えずしていると思うんですが、そのツッコミを平野さんがしている感じ。そしてそのツッコミに対する梅田さんの答えがウェブ進化論と重複していることばかりだから、正直おもしろくない。深みがない。人間論→進化論みたいな感じで深めていくならいいかも。進化論→人間論では買って無駄したと思うはずです。立ち読みがベスト。 (ゾンアマ太郎/2007-02-20)
普通でした |||||||||
平野さんの暗く力強い考え方はとっても好きです。これといって新しい話はありませんでしたので、さらっと読み終わってしまいました。前回の梅田本に比べれば軽い。 (しもむ/2007-02-14)
進化論ですっかりロングテール信者となった私にとって待望の続編でした。
いろいろ感想はあるのですが、やはり印象的なのは梅田氏の言葉に対する
際立ったセンスです。

グーグル、アップル、アマゾンの経営思想などは、これまでにも星の数ほど
語られていながら、キャッチーな言葉でそれを切り取ってみせる梅田氏の
手腕で、初めて知るような新鮮な驚きを与えてくれます。

今、思い返しても言葉の専門家であるところの平野氏のコメントは、なかなか
思い出せないのですが、梅田さんの言葉だけはいくつも心に残っています。
文中でも語られますが、紙媒体という形が最後まで残るための「壁を超える力」
というものが、まさに本書で実証されています。

一つの証左として、将棋の第一人者羽生名人の「高速道路」「インプットの質」
などがありますが、これは羽生氏の口を借りた梅田氏のコピーそのものだと思います。
羽生氏が斯界のトップに立っているこの10年以上、少なくとも将棋以外の社会に
浸透していくような語録は記憶にないわけで、やはり聞き手が引き出している
と言わざるを得ないでしょう。

私は梅田氏のシリコンバレーでのポジションや「はてな」の将来は全く分かりませんが、
これからも流行語を生み出し、ベストセラーを連発していくことだけは間違いがない
ような気がします。 (ninjaninja/2007-01-06)
ジャンルが違う世界で活躍するお二人ですが、本書で為されているのは、相手を打ち負かそうという、所謂「論争」とは違って、ネット社会が確立されつつある今、将来的に社会はこうあるべきでしょう、ということでの、熱き「お話会」です。

平野氏は総じて大人し目ですが、「ネットで十万字哲学を読むのと、哲学書の原書を読むのとでは、充実感が違う」というような、作家らしいことを(正確な引用ではない)時折仰っていましたが、私もそう思います。例えば、作家の大西巨人氏は、現在自身のHPを創設し、自作の小説を無料公開されていますが、やはり、氏の作品を手に取って、ページを直に捲りながら読むのと、インターネットで目をチカチカさせながら読むのとでは、正直のところ、充実感も、理解度も、全く持って違いました。
これから紙自体が無くなっていくかもしれない時代に、文学を真実に愛する作家という職業人は、大いなる危機や憂鬱を感じて当然なことでしょう。ただ、それでも、インターネットで得られる玉石混淆の「情報」と、学問を通じて血肉に染みて得られる「知識」とでは、それぞれの価値においては雲泥の差がある、と信じたいと思います。

また、梅田氏は、「社会変化は不可避との前提で、個は如何にサバイバルすべきか」というテーゼを掲げていますが、その裏を返せば、ネット社会を「サバイバル」とするなら、ブログであったりMIXIであったり、一見表層的に「仲良し」っぽく見せているコミュニケーションも、総て自分が生き延びていくための手段であるという訳で、何というか、パブリックに自分を顕示していくには、多かれ少なかれ打算が含まれる訳で、このネット社会で他者と真に分かち合うというのは、なかなか困難であり、我々は虚無の只中を生きていかざるを得ないのだと思いました。 (Confesion Del Viento/2007-05-22)
あとがきに書いてある梅田氏の言葉が、この本の内容を端的に現している。
「ウェッブ・人間論」であり「ウェッブ人間・論」であるとまとめているのだが、まさにその通り。
ウェブによって、人間がどう変わるのか?というお題と、ウェブ上でうごめいている人間がどういう人種で、思想で、思考回路か?というのがふたつめのお題。
コンサルティング会社社長であり、ウェブ進化論の梅田氏と、15歳年下の芥川賞作家、平野氏の8時間が二度に及ぶ談からこの本はうまれたそうだ。
対談ものは読みづらくて基本的に嫌いだ。しかしこの本は読みやすかった。
ただし、あくまで人間の対話なので、思想の構造化はあまりできていない。なので星4つ。
ただ逆に言えば話しが多岐にわたるので、それぞれが自分にフィットするところを見つけて、考えはじめたり、参考にしたらいいと思う。
僕が一番面白かったのは、WEBと本の今後の共存とキャラクターの違いについて二人が議論するところだった。
この手の本は数年後はもう内容が古くなって読んでもあまり役に立たないだろう。旬なうちにさーっと読んでしまうに限る。
(久保田夏彦/2006-12-22)
衝撃的なほどに面白かった、『ウェブ進化論』の続編と思って読むと、
とんだ肩透かしになってしまいます。
“進化”の様子がいまひとつイメージできない旧世代向けに、
ちょっと説明を加えようとした“副読本”といった趣きです。
残念ながら、対談で期待するリズム感もほとんどなく、
正直、読んでいて退屈な部分が多かったです。
「この二人の対談なら、面白いはず・・・」
と、期待値が高かったせいかもしれませんが。 (きょうパパ/2007-02-25)
梅田望夫氏の「ウェブ進化論」の続編ではなく、芥川賞作家の平野敬一郎氏との対談記録です。長時間の対談(2日間で10時間以上!)を書籍化したものらしいです。

テーマは、前著にある「ウェブ進化」によって、人間のコミュニケーションのあり方、新しい世代の若い人たちの世界観が、ウェブとの付き合い方、などが、どう変わってきたか。
内容は多岐に渡るので、どう整理したらよいやら分からないぐらいなんですが、とにかく面白いです。知的興奮に包まれながら、あっという間に読んでしまいまいた。
特に、僕の心に留まったのは、mixiの笠原社長、はてなの近藤社長、平野氏が全員1975年生まれであり、大学生の時に、日本のインターネット普及を体験したことが、ウェブの技術に対する感性を育むきっかけを作ったという件。それ以前の世代では、すでに会社員になっており、感性は古い世代に属してしまうという。

そういう、どの時期に、感動できる技術に出会ったかどうかというのが、その技術に対する接し方や感性みたいなものに与える影響ってのはたしかに大きいと思います。僕は、82年生まれで、インターネット元年とも言える95年時に、中学校2年生14歳でした。インターネットの進化と、僕らが大人になっていく過程は重なっており、僕らの世代ではネットにつながることは本当に当たり前のことのように思っている感があります。
さらに言うと、僕ら80年以降生まれってのは、初めて10代で携帯を持ち始めた年齢でもあります。僕らの世代では、携帯は体の一部みたいなものです。さらには、携帯でインターネットにアクセスすることが当たり前の世代でもあります。

僕らの世代が30代になった時、モバイルを使った革新的なサービスが生まれる予感がバリバリしてます。読みながら、そんな風に思いました。 (ヴィヴ/2006-12-16)
「ウェブ進化論」の梅田望夫さんと、小説家の平野啓一郎さんの、ウェブをテーマにした対談。

「社会がよりよき方向に向かうために、個は何が出来るか、何をすべきか」
と考える平野さんと、
「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」
と考える梅田さん。

さらに平野さんは、
ウェブの世界でいろんな欲求が充足されてしまうと、リアルな社会をより良い方向へ変化させようと思う人がいなくなるのではないか、
と心配しているようである。
一方梅田さんは、
その辺のことにはある程度楽観している感じがする。

私に関しては、まだ今のところは楽観でいいのではないかと思う。
私は、ネットに長くつながるようになってから、以前よりもものを考えるようになったと思うし、
本を読む量も増えた。
昔は、選挙というものにはほぼ絶対に行かなかったが、ネットをやるようになったここ数年は、だいたい行く。
選挙の大切さが、なぜかネットをやってわかった気がするのだな。

それから、
平野さんはウェブの世界をいまだに「仮装現実」と考えているような気がするが、
梅田さんは、ウェブの世界も含めて現実、と捕らえているように思う。

この考えかたは、梅田さんのほうが新しい感じがするので好きだった。
「仮想現実」みたいな話は、例えば、マトリックスとか攻殻機動隊とか、そういうので散々扱われたテーマだから、ちょっと飽きたし。
もしかして「仮想現実」という言葉は、既に死後になりつつあるんじゃないだろうかとも思う。

それにしても、何かと考えたくなるテーマが満載の本だと思う。 (もり/2006-12-26)
あくまで「人間論」 ||||||||||||||||
あくまで「人間論」ですね。ウェブそのものに関する対談ではないようです。
若き小説家である平野啓一郎氏が、持てる知識を総動員して、これでもかと抽象的な人間論を展開する。
「こういう懸念はないか」
「こうあるべきではないのか」
「ここを譲ってはならないのではないか」と。
「ウェブ進化論」で私たちをぶったまげさせ、ウェブの最先端を知り尽くすエンジニア梅田望夫氏は「難しいことをいう人だなあ」と平野氏を少々持てあましつつ、
「でも現実はすでにここまで行ってるんだ」
「大きな流れは、少なくとも今はこの方向に向かっている」
「それを前提に、これからを探ろうじゃないか」
とリアリストに徹する。
人間論そのものに興味がある人には面白いでしょう。しかし私のように、ウェブの側からこの本に興味を持った人間には、正直よく分かりませんでした。 (あぶはち/2006-12-24)
私にとっては、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」よりこちらのほうが数段面白かった。

二人の対談は、今年、「新潮」に二月に渡って連載されたものです。その連載を読んでこの対談の完全版がでないかと期待していた私にはこの本は待望の書でした。そして期待に違わぬ内容です。

二人の対談を読んでいて感じたことは、これはよくできた二人芝居の脚本ではないかということでした。そこに書かれているのは二人の会話文だけだけれど、行間から彼らのそのときの表情や身振り手振りが浮かびあがってくるような気がしました。

P169の「ネットで居場所が見つかる」での梅田さんのコメント:
「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼより「今の環境が悪いんだったら、他の合う環境を探して、そちらへ移れ」という方が時代にあった哲学のような気がしています。

ネットのおかげで友達付き合いにかんしてはこれが可能になりました。しかし、実際の生活というものを考えると(日本の労働環境はますます悪くなっていて)、梅田さんほど多くの人達の現状は恵まれてはいません。「他の合う環境」のほうが、自分を受け入れてくれるかという問題もあるし。いいアイデアなのだし、トライしてみる価値はあるけれど(私もいろいろトライはしているけれど)、なかなかすぐ成功というわけにはいきません。

海外に飛び出せる実力とタイミング(年齢も含めて)を持っている人は別として、「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼはまだまだ重いものがあります。

梅田さんの「やはり壁を超えられる人は、本をたくさん読んでいる人ではないでしょうか」というコメントに、本好きの私はいいことを言ってくれると感激しました。

余談:インターネットのことを知りたいのなら、インターネット勃興前夜に書かれた、ダン・シモンズのSF小説の金字塔「ハイペリオン」二部作もお勧めです。 (ADELANTE/2006-12-24)
『ウェブ進化論』の梅田望夫氏と『日蝕』の平野啓一郎がインターネットの今と未来を語った対談集。

はてなダイアリーの狙い、ネット時代の人脈活用、検索に引っかからない語=空いているスペース、情報がフローするネット時代の本のメリット、グーグル社員のスターウォーズ好きなど、興味深い話が読めて満足。そのほとんどが梅田氏の発言で、平野氏の意見は当たり前すぎて素通りしてしまう。

この分野で圧倒的なデータを持つ梅田氏に対して、平野氏は30歳以下の世代の感覚をぶつけ、その正誤を確かめているような印象を受けた。

自分と同じ志向性をもった人が集まりやすい「島宇宙」についてはそこまで実感がわかなかったが、頭の中の記憶(教養)と外部記憶(調べられる情報)のすみわけがインターネットの検索、とりわけ検索の精度向上で変わりつつあるというところに深く共感。

私自身、頭は使っているのに記憶力だけ減退している気がするのはネットのせいか(年のせいかも)。覚えてなくてもネットで調べられるという油断はある。 (おの/2006-12-25)
「社会変化は不可避との前提で、個は如何にサバイバルすべきか」を志向する梅田望夫氏。
一方「この社会変化をより善い方向にするために個は何ができるか、何をすべきか」を志
向する平野啓一郎氏。違いは明白である。
しかも、志向性だけでなく、ITリテラシーに関しても、梅田氏に一日之長が感じられる。

また、前著「ウェブ進化論」で示されたグーグル礼賛に対し、読者から示された懸念に対し
ても、補足説明を試みている。
すなわち、「あちら側」での情報の「開示性」「散在性」および「自動秩序形成」などの
キーワード、あるいは直接見聞したエピソードを交えて懸念の払拭を試みている。
確かに前著で感じた「グーグル主義」に対する私の違和感は大幅に少なくなった。
梅田氏の言う「不特定多数無限大への信頼性」の有無が分かれ目になるのであろう。

結局、Webの「あちら側」と「こちら側」とのどちらに比重を置くかで差異は明確になるが、
それぞれの組み合わせによって、多様な生き方が選択できるというのが結論ということだろ
うか。いずれにしろ梅田氏は、キリスト教における聖ヨハネ、あるいはユダヤ教のモーゼの
ような、いわば「Web教の使徒」あるいは「Web教の預言者」ではあるまいかという印象を持
った。
(フクロウ探検隊/2007-07-30)

この本を読もうと思っている方は、前身の「ウェブ進化論」を読まれた方が多いのではないかと思います。
私もその一人です。
前作を読んだときには、インターネットの可能性やグーグルの凄さに頭をガツンとやられたような気分でした。

今回の作品は、作家の平野啓一郎氏との対話を掲載する形式です。
平野氏は、人間社会学的な考え方をとても重要視される方で、
インターネットが人間に及ぼす危険性や、リアルな世界をちゃんと見据えた上でのインターネットの位置付けを語ります。

前作では、梅田望夫氏のポジティブな考え方が爆発していましたが、
それを平野氏が冷静に捉え、そうではない可能性を論理的に指摘しているので、
インターネットに対する過度な期待を少し抑えてもらった気分です。

インターネットの可能性を、人間臭い一面から改めて考えさせてくれる本です。
前作にしびれてしまった人は、ぜひご一読を。 (渡邉輝/2007-06-02)
私のようにweb2.0の世界に足を踏み入れたことのない人におすすめしたい本です。

mixiのようなSNSや、blogというネット上の新しい公共空間がまだまだ苦手という人は意外と多いのではないでしょうか。私もその一人です。いや、”でした。”になろうとしているかもしれません。

本書では、すでに「ウェブ人間」最前線の梅田さんと作家の平野さんによって、「ウェブの世界に生きることは人に何をもたらすのか」が、対談形式で語られています。基本的には、その行為の善悪批評よりも、オプティミズムの視点で語られているので読みやすいです。

本書を読むことで、web2.0の世界に足を踏み入れることへの抵抗感はずいぶん緩和されると思います。寧ろ、一度もレビューなど書こうと思わなかった私に「書いてみようかな」と思わせた本です。

できれば、本書よりも先に『ウェブ進化論』(ちくま新書)を読まれることをおすすめします。 (しんぺー/2007-03-26)
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パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)
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アスキー(2008-03-10)
海部 美知
売上順位:19023
¥ 760(中古:¥ 199)

所属カテゴリ:
文学・評論
レビュー総評点:59
(前回書いたレビューが消えてしまったとのことなので再投稿します)

『パラダイス鎖国』->「閉鎖的な楽園」->「引きこもり万歳!」と勘違いしそうになりました。
『忘れられた大国・日本』というサブタイトルにあるように、
日本が近年世界から忘れられつつあるということを書いている本です。

「このままじゃ置いていかれるぞ!という叱咤激励系の
マッチョな本だったら苦手だなぁと構えてしまったのですが、
推奨しているのは『ゆるやかな開国』。
まずはネットで自分の意見を表明してみようよ、というゆるさにつられ、
まんまとここでレビューを書いています。

最近の「ベンチャー万歳!」、「唾棄すべきは既得権益!」といった
力強くも汗臭い(?)思想/思考にちょっと息切れ気味だったので、
できる範囲でできることからやっていきましょ、という
筆者の主張が新鮮です。

シリコンバレーの『厳しいぬるま湯』とは具体的にどんなものか、
どんなビジネスがあるのか、知りたくなりました。

さらっと読める本ですが、キャッチーなコピーが多くて
無意識に使ってしまいそうです。 (緒佐奈綾/2008-03-27)
表現が秀逸です。 ||||||||||||||||||||||||||
「パラダイス鎖国」とは「誰も強制していないけれど、住み心地のいい自国に自発的に閉じこもる」「日本人は海外に行きたくなくなったし、海外のことに興味がなくなった」ことと著者は定義します。

日本はとかく閉鎖的で、世界経済の中でその存在感を発揮するためにはどうしたらよいのかという処方箋が穏やかな語り口で書かれています。

各種の統計では日本は安心・安全で住みやすく、また日本の市場が「そこそこ大きい」ため海外での市場に早くから見切りをつけてしまい、国内の市場が飽和状態になってから後悔するという日本的な思考はなるほどなと思いました。

また日本では議論の分かれることはなかなか進まず、「議論の分かれない」「衆目の一致する」ことはどんどん進んでいくというところも思わず唸ってしまいました。

ビジネス書なので対象としては「何かやりたい」と思っている方や、現在の仕事に行き詰まりを感じている方にお勧めしたいです。

(弘樹/2008-03-15)
今の日本が抱えている独特の閉塞感を、様々な方向
(例えば、ジャパンブランドが衰退していく過程など)から
言い当てていると思いました。
そして、その分析をするだけにとどまらず、著者が考える解決方法を
いくつかあげ、読者に押しつける形ではなく、読者1人1人が少しずつ
変わってほしいと思う願いが、軽やかに届く本でした。

以前から日本人が得意としてきた
「果てしなき生産性向上戦略」の存在も肯定しつつ、
それとはまた別に、自分なりの「好き」を貫き、これまでに
ない仕事や生き方を試行錯誤で作り出していくやり方である
「思考錯誤戦略」をしていく人が出てくる事を期待する
著者の意見には、深く頷いてしまいました。
(「ウェブ時代をゆく」の梅田望夫さんは”けもの道”と表現
していますが、著者は”試行錯誤戦略”と呼んでいます。)

本の最後の方には、
「自分が興味を持てることや好きな有名人の名前を、英語で検索してみること」が
普通の人にまずできることとして、提案されており、
特別な能力を持った人だけでなく誰にでも(私のような学生にでも)
自分の意志さえあれば、開かれた世界に行けることを考えさせられました。

私としては、背中をポンと押してくれる一冊になりました。
(三佳/2008-03-28)
本書はブログ本です。しかしブログ本ながら、ほとんど書き下ろしと言ってもよい、中身の詰まった読み応えのある本です。IT時代における、新しい日本人のあり方を、「パラダイス鎖国」の開国として示してくれる画期的な一冊といえるでしょう。

ただ本書は残念ながら思考方法を提示してくれるだけで、具体的な行動の指針を示してはくれません。あとは読者ひとりひとりが、いかに自らを「開国」していくか、自分の頭でしっかり考えていかなければならないでしょう。

ちなみにこの著者、解説で梅田さんも指摘されているとおり、超一流のコピーライターでもあります。本書の中でも、一度聞いたら忘れられない素晴らしいコピーをたくさん生み出しています。これらの言葉を味わえるだけでも、本書は一読の価値があると思います。 (のいのい/2008-04-16)
日本は裕福な国(パラダイス)である。
しかしながら、その為に外国に出て競争する必然性を失い
自然と鎖国化されてしまう。
このままでは、日本の国外との競争力低下と、日本の社会の変化の停止が懸念される。

本書では日本を様々な角度から分析し、内在する問題点を指摘する。
そしてただ単に危機感を煽るのではなく
著者が考える「ゆるやかな開国」という解決方法を提案している。

方向性として挙げられた「多様性の国を目指して」は興味深いと思った。
日本は異分子は排除される風潮が強い様に思う。
もっと様々な性格や方向性を持つ者が共存し、出会う事で
どんどん新しいイノベーションが起きてくれる事に期待しています。

随所に見られる「厳しいぬるま湯」、「孤高のマイノリティ」etc...
キャッチーなコピーが凄く好き!

日本が海外において、どのような立場にあり
これからどのようにあるべきかが、さらっと読める文章で書かれてます。
日本に閉塞感を感じていたり、海外で日本はどう思われているのか気になる大学生が読んでみると大変面白いと思います。 (しょう/2008-04-06)
 「パラダイス鎖国」タイトルを見たとき、また読み終わった今、とても今の「日本」を言い当てている言葉だと思いました。ホンダやソニーが国際的な企業に成長したのに比べ、ここ数十年ほどは大きく育ったベンチャー企業が出ていませんが、その理由などを具体的な資料や著者なりの意見で解説してくれます。
 また、単純に現状を憂うのではなく、「開国」するための方法論を示唆している。大変興味深く読みました。 (サトマン/2008-03-19)
池田信夫氏のBlogで紹介されたので読んでみました。池田信夫氏のような痛快に現在の日本をぶった切るのか?と思ってましたが、とても柔らかな書き方で、押し付けずに読み手に考えさせる文章でした。

今の日本がパラダイス鎖国状態なら、なにも苦労せず海外に出て行く必要が無いと思う人、それでも外に出ていかなければならないと思う人、読み手によって意見が分かれるのでは?と思う内容です。要は自分で考えろ、ということですかね? (kawauso00/2008-04-15)
日本が裕福になるにつれて、外国に対する魅力が薄れ、やがて興味を失うことによって、精神的な鎖国が起こる問題を提起している。

筆者の主観から導かれた結論であるようだが、各機関が発表した統計データなどを用いることによって、論理的な検証もなされている。

日本がパラダイス鎖国を乗り越えるために、どのような方策をとるべきかということが、各先進国の現状を比較しつつ語られており、非常に中身の濃い作品である。

(tigerbird/2008-03-19)
シリコンバレーに滞在する著者は,わかい日本人が海外旅行や海外での仕事などに関して消極的になったことを「パラダイス鎖国」と呼んでいる.「鎖国」はわかるが,非正規雇用問題,セーフティ・ネットの危機など,さまざまな問題をかかえている日本が「パラダイス」だとはとてもおもえない.しかし,著者はいろいろな数字をあげて,日本がさまざまな問題をかかえながらも,まだ大国であり,アメリカよりくらしやすいと書いている.

この本は「鎖国」に悲観しているわけではなく,そこからぬけだす道をしめしている.すなわち,シリコンバレーにいるような「霧の中で見えないものに向かって敢然と進むこと,あるいは,ほかの人には見えないけれど自分だけに見えるものを探すこと」を積極的にするひとをそだてる必要があるという.しかし,シリコンバレーにはそういうひとたちをつなぐしかけがあることが重要だろう.そこまでふみこまなければ,そういうひとたちがうまれても,すぐにきえてしまうだけではないだろうか.
(Kana/2008-05-14)
 ここで書かれている事は、実際には昔から言われている、いわゆる村社会
 日本の姿に他ならないのですが、その視点を再び
 持ってきた点は貴重です。
 とりわけ外国に魅力をなくなったという点は、それ以上に想像力が
 働かなくなったという事を意味しているように思います。
 無意識に想像力が抑圧されている現状、を理解しておく上で貴重な本です。 (sight/2008-04-25)
ので、購入し読んでみたのだが、よくわからない。

これは、小生が著者のブログ(あとがきを書いている、「ウエッブ進化論」の梅田氏によると、著者のブログは人気のブログだそうな)の存在を知らず、おそらく意図するところの相当部分を理解できないためであろう。

よって、本書を読む前に著者のブログ(Tech Mom from Silicon Valley)に親しむことをお勧めしたい。

池田信夫blogでの本書評で述べられている通りで、本書では「パラダイス鎖国」を解決するための具体策は乏しい。池田氏は「それは政治の役割」としているが、今の政権の状態、幹部経済官僚が「外資参入を許さない」ような態度を取っているようでは、望むべくもないのではないだろうか?
(mikeexpo/2008-04-13)
ん? |||||||||||||||||
パラダイスがゆえに出て行く必然性がないから
実質鎖国になっててこれじゃマズイよニッポン!というお話。


前半いかに日本がパラダイスなのかというのを書かれていて、
それが後の論の布石とされているんだろうけれど、
逆に「お!すごいじゃんニッポン!」と誇りに思ってしまいました。

中盤数字がたくさん出てきすが、統計を駆使すればするほどなんか軽く感じられます。
出来ればそういう「客観」に頼らず、ブログで展開されているような
アメリカ現地暮らし、現地ビジネスの観点から見た「主観」で勝負して欲しかった。

ブログでやられている現地人からみた日本りポート的なものをきたいしてただけに
そこが平凡な国家論的なところに落ち着いちゃったのが残念。

悪い本ではないし、学ぶところもたくさんあります。

ただ、次回作ではぜひブログの持ち味をフルに出した
米国からみた生活者としての母としての視点から論じていただきたいと思います。
(ケレベラ☆/2008-03-13)
ベストセラーとなった梅田望夫『ウェブ進化論』読後の居心地の悪さを、本書はまさに暗雲を散らすがごとくに取り払ってくれた。梅田氏も海部氏も、同じシリコンバレーの地でビジネスを行うプロフェッショナルである。そういう共通の境遇の元、梅田氏の論は、彼自ら「無邪気」と言いはばからないシリコンバレー礼賛に終始するものだった。対する海部氏のそれは、今でこそシリコンバレーに職住の居を構えつつも、同じアメリカでも企業文化の異なる東海岸でのビジネス経験もあるため、その論説はより深みを増しているように見える。そうした海部氏が、梅田氏の「日本を離れシリコンバレーに行こう!」というアジテーションへのアンチテーゼとも言える「内なる黒船」を期待するという言には、大いに賛同の気持ちを覚えるのである。経済不安が顕著になってきた昨今、若者たちの保守化が著しいと聞く。実に残念だ。若い人たちにこそ、閉塞感に満ちた日本の企業社会・政治社会の変革を担ってほしいと切に願うのである。 (藤田/2008-07-22)
在米著名ブロガーの新書。ブログ本かと思ったが、ちゃんと単行本としてまとまっていて
読みやすい。
本書を読めば、いかにアメリカに活力と変化へのダイナミズムがあり、日本にそれらが
無いかがよくわかる。ダイナミズムに欠けるから企業はコストカット意外に戦略が無く、
若者は大手か公務員にしかなりたがらない。
いつまでたってもベンチャーは脆弱で、政治家は公共事業意外に金の使い方を知らない。

よく「アメリカはこんなにひどい貧困大国だ、だから日本も改革なんてしちゃだめだ」
というバカがいるものの、そのアメリカに世界中から優秀な人材が集まり、日本が閉塞感に
覆われている現状をどう考えているのだろう? (毒ギョウザ/2008-04-27)
著者の指摘は、すごくもっともなのですが、「パラダイス鎖国」というフレーズ以外、オリジナリティを感じることができない内容です。後半にいたっては、「ロングテール」など、他の人が発表済みのことをかいつまんで紹介しているところが、ホント、ブログのノリ。それでも星4つは、著者がそれに気づいて、効果的な名前を付けたためです。

それにしても、著者は女性でありながら、本の書き方、物事の論じ方は男性そのもの。表現こそ柔らかいが、男脳。ついでに購入時の帯も推薦人は2人とも男性。普段、男性主体のビジネス環境でお仕事されているから、周囲が男性ばかりでも違和感ゼロの女性なのだろうか。

ただ、鎖国と言っても、日本人が国際結婚して、外国人の配偶者と日本に定住している数が増加していることについては、触れられていません。大枠では、同じパラダイス鎖国の大先輩、アメリカ合衆国と同じこと、って言われそうですが、旅行といった消費行動や、エレクトロニクス産業のことばかりではなく、結婚についても相応に書いて欲しかった。ハーフの子供達をどこで、どう育てるか、というポイントがあって、本当に日本はパラダイス鎖国しているのか、ってより深く書けたと考えます。 (酸度のエチュード/2008-11-17)
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シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)
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筑摩書房(2006-08-10)
梅田 望夫
売上順位:43563
¥ 672(中古:¥ 145)

レビュー総評点:44
「ウェブ時代をゆく」が面白かったので過去にさかのぼって本書を読んでみた。2001年8月に出版された「シリコンバレーは私をどう変えたか-起業の聖地での知的格闘記」の文庫版として2005年に出版されている。2001年の記述はそのまま再録されていて、2005年から振り返った長いあとがきが追加されている。

本書のよさは、その時点で格闘している梅田氏の濃密な時間を感じることができることだと思う。新しいものに触れて格闘しているとき、人は輝くと思う。

シリコンバレーの流儀や日本とのビジネス環境の違いなどが紹介されている。シリコンバレーで資金集めに成功し起業したら、その資金が果てるまで徹底的にがんばりつくす、どんなに困っても自分の資産には手をつけない。調達した資金がなくなったらアウト。また再出発。

中でもマドル・スルー(muddle through)という言葉が気に入った。「行き先が見えない中、手探りで困難に立ち向かう」意味らしい(P.266)。アングロ・サクソンには「マドル・スルー」の状態自体をプロセスとして楽しむ骨太の行動文化があり、その文化の存在こそが「霧の立ち込め始めた時代」にアメリカやイギリスが活力を保持している所以だという。
(mbookdiary/2007-12-09)
シリコンバレーにどっぷり浸かった著者の人生哲学が興味深いです。

・変化していく自分を楽しむ
・「わかっていないことの面白さや混沌」の方へ踏み出す生き方
・自分一人で判断して行動に移す
・限られた情報と限られた能力で、限られた時間内に拙いながらも何かを判断し続け、
その判断に基づいてリスクをとって行動する
・「好きで好きで仕方ない」こととは、自分にとって何なのか。どうせ一生仕事を続けていくのなら、
そのことを突き詰めていくしかない。

シリコンバレーという特殊な場所での所感とはいえ、
人生を豊かにする大切な考え方がきらめいている気がした。
(渡邉輝/2007-09-02)
 「ウェブ進化論」以来 WEB2.0関係で飛ぶ鳥を落す勢いの梅田の処女作。単行本が2001年に出たが それから5年も経った後で 「ちくま文庫」という 中々ハイブロウな文庫から出た点にも注目して 読んでみた。

 ネット関係の本で1996〜2001年に書かれた記事を纏めた本を2006年に再刊するというのは 出版社にしてもRISKはあるし 更には著者には更に大きなRISKのはずだ。何故なら 2006年までの歴史を知っているという「高み」から 1996〜2001年に記事が審判されることを意味するからである。

 結論的に言うと 著者が執筆当時に 本書で「断言」したことのかなりは外れたし 当たった点でも「鮮やかさ」は無い。「ノストラダムスの予言」を現代に至るまでの歴史で 強引に解釈して「ノストラダムスの予言は当たった」と表明する種類の本では全く無い。
 逆に言うと 当時の外れた「予言」を 堂々を再刊でも載せてくる著者の 誠実さと それ以上のしたたかさを感じさせるものがある。

 この本を2006年に文庫化させたのは 著者が描き出す「シリコンバレー精神」が 爽快な程の楽天主義であるからだ。「意欲と努力と愛情があれば 誰にでもチャンスがある」と言い切っている梅田のアジテーションは 今尚耳に心地良いし 元気が出てくるからである。

 個人的には梅田の以下言葉に震撼した。

 「四十代前半を『縮小均衡』的精神で過ごしてしまうと 急激に老け込んでしまう」

 正しく僕自身が その年代であるなかで 再度自分を見直そうと蹴飛ばされた思いである。 (くにたち蟄居日記/2007-07-15)
自分の置かれてる環境とのギャップを思うと、
あんまりリアルな話に思えないんだけど、
ロマンはある。そこが良いと思う。
自己啓発の契機として「理想の働き方」を考える上で参考になった。

なお、たまたま機会があって「ヒューマン2.0」も併読してみたんだけど
文章のクオリティは段違い。 (どあーず/2006-12-26)
この本の大部分は、1996年から2001年のシリコンバレーの空気の中で書かれた文章だ。
初め、「ちょっと古いかな。。」と思った。
というのも、ネットの世界の出来事は半年、いや3ヶ月もすると
何もかも様変わりして、古いものはまったく忘れさられる世界だからだ。

しかし、この本の魅力は別のところにある。
それは文章の力だ。
前作「ウェブ進化論」を読んでみるとよくわかる。
ネット世界の変化の様子を情熱をこめて語る、その語り口に魅了された人は多いだろう。

この本のあとがきに、著者の父は作家の梅田晴夫だと書いてあって、
やはり、文章にこだわりを持つ人なんだと、妙に納得してしまった。

“ハイテク・ベンチャー企業の集積地シリコンバレーの気候が最高で、
自然環境にも恵まれ、
できれば仕事などしないですごしたいなぁ、
と心から思うような場所であることは、
案外知られていない。
シリコンバレーは天才たちが夜を日に継いで働き、
富を創り出している場所であることは間違いないのだが、
「華やかさと殺伐とした雰囲気が同居した」
ウォール街のようなところとは対照的な
「天気のいい田舎町」なのである。”

そんな「天気のいい田舎町」が、
今や世界を動かすおおきなうねりの発信地となっている。
マイクロソフト裁判、ベンチャービジネスのしくみ、ナードと呼ばれる人たち。。。etc
どの項目も簡潔でわかりやすい文章で書かれ、しかも面白い。

(rizy/2006-10-22)
 20世紀の終わりから21世紀の初めにかけて、シリコンバレーで
何が起こっていて、著者が何を考えていたのかが書いてある。
自分がいる日本とのあまりの違いに衝撃を受けた。特に、個人
の財産は個人のもの、会社の借金は会社のもの、と分けている
部分には文化の違いを感じた。
 著者がその当時考えていたことの記録に近いものだが、今になって
読んでみると当たっていたこともあれば、はずれたこともある。
都合の悪い話もそのまま掲載してあるところに、著者の真摯な姿勢
を感じる。
 長いあとがきを読み終えて、次の本が読みたくなった。 (しんちゃん/2007-02-14)
読んでいて楽しくなる本である。徹底した楽観主義、希望が出てくる。明るくなれる。著者の文章力もあるだろう。一介のベンチャーキャピタリストが書く文章ではない。蛙の子は蛙の子。藤原正彦に通じる物がある。父上は有名な作家とか。
 人のお金を借りて、好きで好きでしょうがない仕事を徹底して楽しみ、失敗してもお金は返さなくていい。シリコンバレー精神!、何とすばらしいと思う。私も20歳若かったら、挑戦してみたくなる。今の若者はいい時代に生まれた物だと思う。
 でもこのシリコンバレー精神が生まれるのは、パソコン、通信などのハードの技術が完成期に達し、インターネットが急速に普及して、それに乗っかれたからだ。蒸気機関が産業革命につながったように、インターネットの勃興期の特殊な時期だから、シリコンバレー精神が生まれたんだと思う。これがずーっと続くとはとても思えない。(著者はずーっと続くと楽観的だが・・)
 好きで好きでしょうがない仕事をやりたい人は沢山いる。でもそれでは飯が食えず、泣く泣くワーキングプアーをやっている人が大勢世の中にはいるんだ。現実はそれほど甘くはないと思う。シリコンバレーでも、この本に書いてあるように成功している人は少数ではないだろうか、多くは落ちこぼれてるのではないか、その辺の所はほとんど書かれていない。でも読後感はすがすがしい。 (カッツ2007/2007-05-18)
「ウェブ進化論」で梅田ファンになり、
この本「も」買ってしまった人は多いだろう。
もちろん私もそんな一人だ。

「売れるうちに売っておけ」とばかりに、過去の作品をこのタイミングで
改めて文庫する出版社のマーケティング手法への不満はあれど、
それはまあこの際置いておこう。
確かに内容的には古いし、「ウェブ進化論」ほどのインパクトはないが、
この本はこの本で、所謂「ドットコムバブル」の頃のシリコンバレーの
空気を伝える貴重な記録になっているし、興味深い記述には溢れている。

「誰が読んでも面白い」とまではいかないが、
少なくとも(広い意味での)IT業界で生きている人には、
考えさせられる記述が多いのではないか。
特に、ソフトウェアの分野で日本企業がなかなか世界に羽ばたけない一方で、
シリコンバレーからは次から次へと世界的な企業が沸いて出てくる要因の分析は、
現地にどっかりと腰を下ろした人なりの説得力がある。

「失敗しても返さなくてもいいお金」が現に存在することなど、
「グーグル(のような会社)を生むビジネス風土」として、
シリコンバレーならではの「風土(あるいは「精神」)」があるらしいのだが、
逆にそのような風土がなぜ日本に根付かないのかを考えるのは、
私たち自身に与えられた宿題なのかもしれない。
この本は少なくともそのきっかけにはなるだろう。

いや、それとも日本のIT業界でも、
若い世代は既にシリコンバレーライクな精神を持っていて、
既に世界に出ようとしているのだろうか? (山田晃嗣/2006-12-16)
本文庫の価値は、シリコンバレーからの手紙、ではなく、
「文庫のための長いあとがき」という題における、
「これまでのシリコンバレーを振り返り」、来るべき近未来を
展望するところにあります。つまり、ジェットコースターの
ように、人類の歴史にない、経済のメカニズムを、怒涛の速度で
生み出していった、シリコンバレーモデルを、その肌で感じた
著者による、ネットの速度のエコノミーのアナトミーです。

その解剖を、将来へ敷衍すると、Web1.0で沸いている時代に
グーグルがWeb2.0の基幹検索技術にまい進し、開花したように、
きっと今どこかで次代の覇者となる誰かが、何かに夢中でまい進
している・・それが、シリコンバレー精神だ、という主旨だと
思います。

その地に身をおいて見聞し、投資もし、自らシリコンバレーの人と
なった梅田氏による、まだまだ終わっていない、同時代のルポであり、
平行して現代の先端経済の壮大な実験場でもある世界の分析と
予測の書でもあり、『ウエブ進化論』への道程でもある本文庫は、
今でも少しも古くなく、かえって今となってみれば、ということで、
過去の出来事を分析する貴重な証明でもあります。

特に、どんな段階、どんな登場人物、どんな力学で今日に
至り、これから何がおころうとしているのか、を予見する姿勢は
鋭くも、背筋がゾクゾクするところでもあります。 (佐倉ごるふ/2006-11-07)
90年代後半からネットバブル前後までのシリコンバレーを流れていた空気が読みやすく綴られていると思う。シリコンバレーの活動がバブルを発生させる構造を含んでいる、という指摘も分かりやすく整理されている。ただ、言葉の誤用も一部にあるので、すべてをそのまま受け取るのではなく、あくまで「梅田仮説」として考えるべきだろう。

一方、2006年に本書を手にする読者の方は、バブル崩壊後のことに(も)関心があるはず。副題の「グーグルを生むビジネス風土」が含まれているのもバブル崩壊後の時代のはずだ。「文庫のための長いあとがき」で触れられていることにはなっているが、正直物足りなさがある。もしそこを本当に知りたいのであれば「Web進化論」と併せて読むべきなのかもしれない。 (txk/2006-08-31)
本書は梅田さんがシリコンバレーから日本へ向けて書いた手紙をまとめたものです。もうずいぶん昔(1996〜2001年)の手紙ですが、ネットバブル崩壊後、グーグルがまさに大化けしようとしていた “シリコンバレー大革命” 期に書かれたものであり、不安と期待の入り混じった熱くリアルな空気感は最高です。

シリコンバレーのうずくような熱々の空気を伝えさせたら、日本では梅田さんの右に出る人はいませんね。読み終わった後に、胸が熱くなるこの感じ、やみつきになります(笑)

長い手紙の束からは、シリコンバレーがいかにして “シリコンバレー” になったのか、そして梅田望夫自身がいかにして “シリコンバレー” に染められていったのかが、リアルな手触りを持って感じられます。

シリコンバレー精神の真髄は、梅田哲学の真髄。彼の徹底したオプティミズム思想の根底には、未来を信じ・期待し・応援する熱い想いがあふれています。

だから梅田望夫はやめられない。 (のいのい/2008-04-16)
梅田望夫本、やっぱり面白いです!
読み進めながら、
なにかがフィットするし、動き始める予感がある。

とにかく氏のテーマに対するコミットぶりは並ではない。
月刊雑誌連載の短文なので、 どこからでも読める。
読めるが、短文と侮るなかれ、
どの頁にも、暗中模索の中、氏自身が直接行動を起こし、
体験した中から会得した英知に満ちている。
「未来創造」へのヒント、インスピレーションをもたらしてくれる出会い、
偶然を必然にした出会いが溢れている。

>
そうなんだ。
何でもかんでも、すべては個人の中から生まれるんだ。
会社からじゃないんだ。
価値を生み出すのは会社ではなくて個人なんだ。
日本人でそういうモノの考え方をする奴に初めて会ったよ。
>

パーティなどの自己紹介で、「××社△△部所属の○○と申します」式の、
つまり、日本式の挨拶が通用しない世界、
裸の自分のコトバで語り掛け、
組織よりも個人が最優先される世界… でのお話し。

一冊丸ごと、全部引用したくなる。
こんな著者との出会いは、 そうあるものではない。
(『Web進化論』もそうだったが)
>
行動するもの同士でそれらの情報が連鎖し、未来が創造される。
行動する者がいなければ生まれなかったはずの未来がである。
未来志向の行動の連鎖を引き起こす核となる精神。
それが「シリコンバレー精神」である。
>

「グーグルを生むビジネス風土」には、あるいは今も、
ピューリタニズムの伝統が脈々と引き継がれているのか?
「未来創造」に掛けて、その点、わたしたちの文化は、とても臆病だと言わざるをえない。 (Bali_high/2006-10-07)
1996年から2001年にかけて著者が日本に向けて書いた「シリコンバレーからの手紙」を再構成して出版したものです.この時代はグーグルがまだ未来を模索していた時期で,変化の激しい業界だけに,具体的なところは大きく変わっているのかなと思いますが,それでもタイトルの「シリコンバレー精神」は活き活きと感じ取ることができます.

本書の中に,シリコンバレーの流儀として次の3つが挙げられています.
1. 事業の成功・失敗は,ビジネスというルールの上でのゲームであって,それを人生に反映させてはいけない.
2. 事業とは「失敗するのが普通,成功したら凄い」というある種の遊び感覚が必要となる.
3. 失敗したときに「関係者に迷惑がかかる」という考えをすてること.自己責任で集まってきていると思い込むこと.
これくらいの心構えでやらないと,ビジネスの荒波は乗り越えていけないとのことです.ここらあたりが資金の調達が難しくて,人材の流動性の低い日本でベンチャー企業がなかなか育たない原因なんだなと思います.

チャレンジして失敗してもやり直せる世界というのはやはりすごいですね.
(wave115/2008-05-29)
一言で言えば、ちょっと昔のシリコンバレー物語(短編集)といったところか。シリコンバレーについてほとんど知らない人にとっては、かなり新鮮、いや、むしろ衝撃的とも言える内容だろう。一方、スタンフォード大学出身者の活躍やエンジェル投資家の存在など、当地の事情に関してある程度知っている人には、知識の再確認に終始してしまうかも知れない。ただし、当地のエンジニアやビジネスマンがそこまで意識しているかどうかは別にして、主題である「シリコンバレー精神」の定義や、副題にもなっている「ビジネス風土」の分析には、精力的なものがあり、著者の意気込みのようなものが感じられた。 (ひとりプロジェクトZ/2006-10-04)
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ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
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文藝春秋(2008-02-28)
梅田望夫
売上順位:7431
¥ 1,365(中古:¥ 569)

レビュー総評点:22
IT起業家の金言集、大切な教訓ではあるが話半分で。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
IT起業家である梅田望夫氏の書。同氏が起業家として成功するうえで教訓となった先人の名言を収載し、自身の解釈をエッセイ風に加えた構成となっている。全体を5つの章に分類し、起業家に必要な精神や、社会性に必要な心得などを述べている。とくに起業家をめざす社会人を対象としているが、誰もが数時間あれば読破可能な内容で、普通の会社員にも有用な教訓が多い。

同氏の『ウェブ進化論』などではIT時代が何をもたらし、どんな知識に基づいて行動すべきかという内容であったのに対し、本書ではITの世界で成功を収めた起業家の金言を、著者の好みで収載しており、前著と比較して主観的な印象が強くなっている。書かれている言葉はIT化に伴う時代の変化を見据えたものも多いが、あたりまえすぎる教訓も多々あって、本書のコピーとなっている『明日からの仕事と生き方が変わる本!』というのにたいしては、話半分でとどめておいたほうがいいと感じた。本書のような内容は、成功した者が述べているので説得力があるように見えてしまうが、後づけで述べているだけである可能性も高いし、ハロー効果に過ぎない可能性も十分。たとえば、『何も考えずにまず始めよう』という考えと『じっくり考えて十分な準備を怠るな』という相反する教訓のどちらを主張する者にも成功者と敗残者は存在する。つまり、誰もが一念発起するためには何か教訓的な金言が後押しして、ある者は成功しある者は敗れ去っているに過ぎなく、このうち成功者だけが持論を展開する権利を与えられるのであって、言葉の内容よりも成功したかどうかという結果論がその重みを決定している可能性もある。現に記載されている教訓どうしが相容れない矛盾する内容であったり、大失敗した某IT企業にあてはまってしまう金言も多く、やみくもに紹介するのではなくもっと厳選した方がいい書になると感じた。本書の金言を心に置いていれば成功すると考えるのではなく、それに十分な資質が先に育っていなければならない。また、金言を学ぶことよりもそれを創造すること、つまり他人が何を言ったかではなく、自分自身が何を主体的に主張するかの方が大切であると理解すべきだ。

『わたしはこれで億万長者になりました』という成功秘話を知って誰もが成功するのであれば苦労はない。前述のように、成功体験に金言を後付けする手法は話半分にとどめておく程度がよいとおもう。もちろん、成功者がそれぞれ何を考えたかという偉人伝としてわりきって読むのであればたいへん面白いし、悪書であることは絶対にない。記載されている言葉にも素晴らしいものもあって、それらを上手く使うことで豊かな精神生活が得られるかもしれない。ただ、本全体の完成度からみた場合、本書を自分の人生をよくしようという目的で買わせられるかというと、そこまでは言い過ぎと感じる。書を売るための戦略が見え隠れするようで、読者の本来の目的と乖離していること、また同氏の他の著作と比較すると客観性や一貫性・合理性に関してやや低調であることから、おもしろい書ではあるが星は3つまで。 (MM/2008-03-03)
著者が集めた「ビジョナリー」たちの金言を5つに分類し、まとめた書。

一度は見聞きしたことがある内容も多いですが、新しい時代のマネジメントの黄金則というくだりは非常に参考になりました。

1.データを徹底的に集めファクトをしっかり把握したうえで行う合理的な思考
2.情報共有を徹底したうえでみんなの合意によって行う意思決定
3.質問することによって運営することでつくるイノベーションを生む風土

特に3は、マネジメントを行う上で非常に重要だと思います。

命令にして落とせば誰も考えなくなる、
本質的な問いを常に発することで、社員の想像性を刺激する。。。

マネジメントする側も、される側も心がけたいことです。 (plateau/2008-06-04)