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「みんなの意見」は案外正しい
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ASIN:4047915068
角川書店(2006-01-31)
ジェームズ・スロウィッキー
売上順位:8097
¥ 1,680(中古:¥ 1,058)

レビュー総評点:146

 翻訳が大変うまく読みやすかったが、タイトルから想像するような軽い読み物ではない。本書が社会心理学のコーナーに並ぶことはないだろうが、本書の扱っているテーマは本質的に社会心理学的なものだと思うし、「集団」について考える者にとって読むべき文献の1つではないかとも思う。残念なのは、論点が豊富な事例に埋もれがちな点。

 著者は、多数派の意見は正しいとか、案外人々は真実をつかんでいるものだ、という主張をしているわけではない。著者の主張するのは、ある事柄に関する推定の正確さについて考えると、一握りの優秀なエキスパートによる推定値よりも、専門的知識もなくそれほど優秀でもない烏合の衆それぞれの推定値の「平均値」の方がより正確である、ということ。このことを、集団に含まれるどんな個人よりも「集団」は賢い判断を下すことができる、とか、誰1人として真実を知らなかったが「集団」は真実を知っていた、というように著者は表現する。

 著者は、集団が賢くなる条件として、ありとあらゆる観点からの意見が存在しているという多様性、他者からの影響を受けない独立性、個々人がそれぞれの専門的知識に基づいて判断を下す分散性、多様な意見を集約する仕組みの存在、の4つを挙げている。例えば、本書の読者は必ず「この本の対価として支払ってもよい最高価格」を個人的に申告するものとする。100円でも高いという読者もいれば1万円払ってもよいという読者もいるだろう。読者によって経済力も、本書に求めるものも異なるだろう。しかし、申告された価格の平均値が、この本の真の価値に極めて近い、というわけだ。

 もちろん「集団の知恵」が試される問題はこの種の問題(著者は「認知」の問題と呼ぶ)だけとは限らず、他にも「調整」の問題と協調の問題が挙げられている。それぞれ集団は賢くもなるし愚かにもなる。この辺りが明確に議論されていれば、文句なしに星5つなのだが。
(萩原 湖太郎/2006-06-09)
これはおもしろい、あたり本です ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本語タイトルから受ける内容の印象と違って、
本書は、優れて社会経済、哲学的な論考のエッセイで、
知的好奇心を相当満足させてくれます。

いわゆる「烏合の衆」が各人が個別勝手に判断している
ような状況は、経済、社会、生活の中に相当多く見られる、よく
ある場面ですが、そのさまざまな場面について、社会学、心理学、
経済学、政治学、行動力学、交通社会学、生物学、その他
博識を駆使して、しかも、平易な文章で、読者をぐいぐい引っ張ります。

果ては、インターネット、グーグル、リナックスなどの話題も
入れながら、「烏合の衆」の知恵について、ここまで高邁な考察と
深い示唆に富んだ分野に仕立て上げた著者の力量に脱帽です。

ただし、著者は、「烏合の衆」の判断が常に正しいと主張している
わけではなく、結果としてそうなる場合に対する摂理への驚異と
科学的分析と畏怖の念を丁寧に考察している、という本です。

さらに、日本語訳もかなりこなれていて、大変読みやすいです。 (佐倉ごるふ/2006-03-28)
「みんなの意見」はたいてい正しくない |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本書は、単に「たくさんの人が意見を寄せれば正しい答えに近づく」と書いた本ではない。
多様性、独立性、分散性が満たされて初めて正解に近づくと主張している。
実際には、これらを満たす集団はそれほど多くないように思う。

オンラインコミュニティでの議論が、極端な方向に走りがちなのはなぜか、など、むしろ「みんなの意見が正しくない」ことについての考察の方が面白いと思った。
(yokoyama/2006-11-24)
何故、今"Wisdom of Crowds"なのか? ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「正しい状況下では、集団はきわめて優れた知力を発揮するし、それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている。優れた集団であるためには特別に優秀な個人がリーダーである必要はない。」というのが本書のメインメッセージ。
「正しい状況下とは何か?」、「集団が直面する問題とは何か?」などの点について豊富な事例をもとに語られており、「何故今、社会で"Wisdom of Crowds"が注目されているのか?」という問いに対する直接的な答えはないが、答えを見つけるための材料が山ほど紹介されている。本書を読み解けば、「情報技術の進歩」のみがその要因でないことがわかるだろう。"Wisdom of Crowds"という考えをビジネスに活用しようとしている方には必読の書と言える。

一方で、言葉の定義が明示的にされていなかったり、第1部の各章のメイントピックが何かわかりにくかったりと、お世辞にも親切な構成とは言えない。下記の定義を事前におさえておくとより読み易くなるだろう。

<認知> 正しい答えが必ず見つかる問題
<調整> 他人の行動も加味する必要のある問題
<協調> 自己利益だけ追求すると全体の利益を損なう問題
<多様性>集団の中のそれぞれの人間が自分の私的な情報とそれに基づく意見を持っており、突飛なものも含め色々な意見がある状態
<独立性>周囲の人の意見に影響されずに集団の中の人がそれぞれ意思決定できる状態
<分散性>集団の中のそれぞれの人間がローカルで具体的な情報に基づき意思決定をする状態
<集約性>多様な情報や意見を集め、うまく集約する仕組やプロセスがある状態


下記のような方には、お勧めの一冊。
・WEB2.0などのインターネットの新しい潮流に興味のある方
・"Wisdom of Crowds"という考えをビジネスに活用しようと考えている方
・「多様性・独立性・分散性・集約性」などの考えをより深堀したい方 (ktdisk/2006-03-20)
結局、集団の判断には頼れない |||||||||||||||||||||||||||||||

「集団の判断は、正しくない」というニュアンスの言葉をよく見かけるので、
それにアンチテーゼを示すようなタイトルに少し期待して購読しました。

1.多様性→各人が独自の情報を多少なりとも持っている
2.独立性→他者の考えに左右されない
3.分散性→身近な情報に特化し、それを利用できる
4.集約性→個々の判断を集計して、集団として一つの判断に集約するメカニズムの存在
この4つを満たす集団は、賢い判断ができる可能性が高いということでしたが、
そんな集団はなかなかないだろう、というのが率直な感想です。

また、具体例や実験の話を通じて、これを証明しようとしていましたが、
論点がずれていたり、ただの結果論だったりして、全く根拠になっていませんでした。

著者自身も、
「集団の知力が存在しているからといって、必ずしも正しい方向に活用されるとは限らない」
ということを認めており、全体として何が言いたかったのかが不明確でした。

「結局、個人が自分自身の責任によって判断するしかない」
それを改めて考えてみるという意味で読むならいいかもしれません。 (渡邉輝/2007-06-09)
疑問だらけ |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大衆の意見が正しいとする根拠で、牛の重さを当てるゲームについて。予想の平均値がほとんど実際の重さと同じであったとある。
まずは、平均値はあくまでも平均で、確率論から言えば尖度、分散の度合い、歪度を勘案しなければならない。たまたま回答数の山が2つ出来ていて、その谷間に平均値が来ることだってあるからだ。分散についても、極めてなだらかな山を形成していれば平均値に集中していると言ってもほとんど意味は無い。
次に、株の予測について。本当の意味で客観的に予想しようとしている人はどれだけいるか疑問。希望的観測が入るのは当たり前だし、マートンの予言の自己成就的な現象だってありえる。
だから、「牛の重さ」と「株の予想」と同じ次元で話をしてはならないはずだ。同じであるとするならばその根拠を書かなければならないが、それはどこにも無い。 (nobu2002/2006-11-13)
この本のいちばんの魅力は、わかりやすい事例がたくさん載っていることです。それを読むだけでも、多面的な考え方ができるようになります。ただ、そこに挙げられている事例が、「みんなの意見は案外正しい」という主張を裏付けているかどうかとなると疑問は残ります。 (Nishi/2006-09-29)
「適切な状況の下では、人々の集団は、その中で最も優れた個人よりも
優れた判断を下すことができる」というのがこの本の大きな主張で、そ
れが達成される適切な条件とは、(1) 意見の多様性、(2) 各メンバーの
独立性、(3) 分散化、(4) 意見集約のための優れたシステム、が揃った
時である、と説く。

(1)-(3)の条件を述べるにあたって統計学的な手法等には全く触れられ
ず、科学的な解析がなされていないのが理系の読者としては若干気には
なるが、その分、身近な例を豊富に挙げることで読みやすくしてあり、
気にならない読者にはかえって理解を進めやすいであろう。
それにこの本の鍵となる部分はやはり(4)意見集約のための優れたシス
テム、である。

インターネットが(1)-(3)の条件を満たしていてGoogleのPagerankが
(4)を見事に実現していると述べられているが、現実世界においてこの
(4)の条件を実現することが、今後は経営に限らず政治の世界等、あら
ゆる場面で必要となってくるのかもしれない。

本書は経営書というジャンルに分類されるのかもしれないが、スロウィ
ッキーが提示した枠組みが様々な示唆に富んでいるものと考え、豊富な
実例を日本人にも受け入れやすい形で挙げることで、経営というジャン
ルにこだわらずに「普通の人」が集まって生活をしていかざるを得ない
今後の私たちの社会が進むべき一つの方向性を読者に提示したいのだと
すれば、その訳者の意図するところは充分に発揮されたものと感じられ
る。

幅広く多くの人に勧めたい好著。 (かく/2006-02-12)
会議で決まった、とごまかされるな ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 読後印象の一つは、数々の文献、事例、報道、発言などなどからの引用がどこを開いても出てくる、という点。その割には、出所を明示していないものが圧倒的に多い。これだけ拾い集めりゃ何か書けるだろう。それが、個人vs集団の意見ということか。
 売上税と消費税のどちらなら良い政策かと聞かれても、いやな質問だ。何か仕掛けられているような気がする、ということが良くある。みんなの決めたことだから仕方のないことだ、と思わされていないか。

 前もって、集合的な知力であるための三つの問題として認知、調整、協調に絞って論ずると述べている。また、集団が賢くあるための条件として、多様性、独立性、分散性を取り上げるとも。しかしながら、前者については一章ずつ割り当てるという、その意気込みが本文中でピカッとせず、拾えない。むしろ、後者についてのほうが、よく練ってある。われわれは集団の意見が正しいと何を見て判断できるのか。われわれはすでに、集団浅慮、集団圧力、集団凝集性について知っている。加えて著者は、集団極性化、リスキーシフト、社会的比較、発言順、発言量、情報カスケード、地位と発言、上位階級者の知識への譲歩、見せ掛けの権限委譲などの概念を紹介し、何がみんなの意見を裏から支えているか、を見よと説く。それと当然の帰結だが、集団の意見として一つに集約する仕組みがどのようなものだったのか、をである。

 注意すべき事例を一つ紹介。相互依存的な意思決定に傾いたときに起きるバブルは独立した意思決定を聞く耳を持たなかった。
 最後に問いを一つ。我が国でも良くある例だが、楽しい映画とつまらない映画を上映する映画館は、なぜ同じ金額なのでしょうか。

 索引なし、参考文献なし(これだけ、あちこち箸をつけてしまって、後でどうやって参照しろっていうの?)。目次、章名と副題のようなものあるだけ。ひもなし。
(空也 苦惑子/2006-08-11)
会社のプロジェクトチームに入っていると、そこで話されている「常識」と、チームの外で聞く話とが大きくずれていて「あれ?」と思うことがあります。本書はそんな心理状態を見事に解説してくれる、とてもありがたい本です。重要なのは、「集団が賢い判断をするためには、個々人ができるだけ独自に考えて、行動すること」が不可欠なんですね。われわれ日本人が弱いところなのでは?テレビのニュース番組の解説に「そうよねぇ」とうなずいてしまう人こそ読むべき本です。 (benkeiu/2008-06-22)
新しいものの見方 |||||||||||||||||||||||
非常におもしろい内容の本でした。Web2.0系の本をアマゾンで見るとたいていこの本を買った人は、この本も買っていますというリストに載ってくるので、どんな本かなと思い読んでみました。確か梅田さんの「web進化論」の参考文献にもあったかと思います。

この本のメインテーマはというと、集合知ということなんですね。一人の優れた人の判断よりも、自立した多くの人が判断したことをまとめて統計化すると、一人一人の判断は外れていても、その答えを合わせた値は、不思議なことに非常に正しい判断をするというデータを、様々なケースや実験から集め、分析して、紹介してくれます。この現象について、なるほどと、感覚的には分かる気がします。個々は間違っても、全体での人間としての生物的な勘、生命ネットワークみたいなものは働いて、非常に賢い知恵がそこにあふれているというようなことが言えそうですね。

まあ、とにかく例題に上がっている様々な実験や調査が非常におもしろいんですよ。この著者は、コラムニストということですが、専門は金融に関してなんですね。株式、市場の調査や実験など、アメリカは進んでいるなと思います。さすがに市場経済主義の基礎を作り、先頭を行く国の歴史を感じます。時代がかわり、新しい概念、新しいものの見方、考え方、視点を理解するためにも、ぜひともお読みになってみてください。
(遊女・asome/2006-06-25)
おそらくこの作者は民主主義に対して非常に高い理想を持っていて、驚くほどに幅広い好奇心と、知識を持った人なのだと思う。それらがたった1600円の本に詰め込まれてしまった、傑作でもあり迷作でもある。

この値段と、簡易なタイトル、及び親しみやすい表紙に期待して、「休日にちょっと難しい本を読みたい」といった向きの需要には全くそぐわない一冊でした。
テレビ番組の前振りから始まったかと思えば、畳み掛けるように引用が続き、エピソードはビジネスを中心としながらも政治から科学、経済、宇宙、スポーツと縦横に展開し、陳列され続ける。とにかく多すぎる。そして唐突に、頻繁に挟まれる(作者がそれを裏付けると関連付けた)各大学での実験の紹介。

困ったことに、それらが読み辛いけれども内容を持っていて、興味深く面白い。時に一文に止まり、何度も読み返して紙に主語と述語と彼の主張を区別してやっと意味が分かるといった文も多い。もっと一つひとつのエピソードを噛み砕いて、焦点をしぼり10冊くらいに分けて売ってくれ、と思うくらいのコンテンツボリューム。とにかく疲れた。

この本の一つだけ親切で人間的なところは、必ず確章の終わりの1センテンスで「こういうことがいいたかったのだ」という作者のまとめ、本音のようなものがあるところだろうか。例えば『第8章 科学 協力、競争、名声』のラストはこうだ。
『 科学の世界では、主張している人が誰であるかに関係なく、ほかのどんな理論よりもデータをうまく説明できるというそのアイディアに内在する価値ゆえに業績として認められる。
 これは幻想にすぎないかもしれないが、とても大切な幻想だ。』

読み辛いから4つ星。コンテンツ的には10個くらい星があってもいいんじゃないかと思う。 (クロラ/2007-11-18)
たとえば、このアマゾンの妙味は、ユーザーのレビューというところにあると思う。
実際に、買った人、使った人の声が集まっているからこそ、参考になるし信頼に足るし、
購入前の事前情報収集としては最適なわけである。

ネット誕生以来「インタラクティブ:双方向」などと言われてきたんだけれど、
よくよく考えてみれば、誰かが用意した文章を読み、
ユーザーは足跡(アクセスログ)を残すだけの双方向で、真の意味での双方向ではなかった。

しかしながら、昨今言われている「WEB2.0」の世界では
ユーザーをも巻き込んだホントの意味でのインタラクティブが提唱されている。
アマゾンしかり、はてなしかり、Wikipediaしかりである。
どれもユーザーがいて参加して初めて光り輝く存在だから。


かつては「性悪説」を元に、「ユーザーに参加させない」を是としてきたものが、
「どうやら違うんじゃない?」と皆気が付き始めた時代に、本書は最適の本。

世の中そんな悪いやつばかりじゃないし、そもそも文明のベースは人の英知が重なってあるわけだし
おばあちゃんたちの生活の知恵だって相当なもんだし。

(ケレベラ☆/2006-02-27)
読む前は、なんとなく自分の知っている事の確認になる本であろうと思って読んでみるとかなり違っていた。この本では、集団的判断が結構正しいということをいくつもの事例を使って見せてくれている。また、集団的判断がどのようなとき(何故ではない)に間違うものなのかということも同様に多くの事例をもって見せてくれる。このため、雑学的にも面白いし、机上の空論ではないことがわかるので興味がかきたてられる。

特に6章の信頼と資本主義の話、8章の集団的判断から見た科学の発展の理由と陥り易い罠の話は興味深く、面白かった。また、9章の小さな集団においては発言量に留意しなければならないという指摘は、自分の普段の振る舞いを考え直させられるとともに「すごい会議」で紹介されていた会議法の正しさを見た思いがした(ただし、「すごい会議」では地位や年齢による萎縮を防ぐためと説明されている)。

ただし、1つ不満足な点がある。それは、多様性があり、それぞれ独立で、かつ、ローカルな知識により判断を下す集団が存在し、彼らが下した判断を我々が手に入れられるようなとき、どのようにしたら集団的判断を得る事ができるのか?という点について詳しくかかれていない。1章で、ベイズ推論という道具が、各章のところどころで予測市場という同じく道具がでてくるだけなのでやり方がわからない。 (四十九次/2006-03-08)
期待していたような内容でなかったが十分面白く読了しました。
自然、学校、職場などいろいろなレベルで、「みんなの意見が案外正し」くなるメカニズムが説得的に語られます。
興味深い事例、ウィットに富んだ表現で、翻訳本であることを忘れさせる作品でした。
最先端のWEB2.0の話を期待すると拍子抜けだが(私もそうでした)、経済学エッセイとして期待以上の面白さでした。 (ushinabe1980/2006-06-16)
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クチコミはこうしてつくられる―おもしろさが伝染するバズ・マーケティング
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ASIN:453214938X
日本経済新聞社(2002-01)
原著:Emanuel Rosen翻訳:浜岡 豊エマニュエル ローゼン
売上順位:16571
¥ 1,890(中古:¥ 700)

レビュー総評点:64
この本のテーマの「バズ」≒「クチコミ」。売る側も買う側にもとても大事な「口の端に上る」っていうアクションですが、これをわかりやすく分析している本です。
ただ、「こうすればバズは起こりやすい」っていうのはクリアだけど、その「こうすれば」を実現するのはまた大変だぞ…というところです。もちろん、やみくもに試すのに比べれば、意識的に「バズを起こす」努力をすることは大事だと思います。
あくまで、基本はしっかりした製品・サービスと、正直な情報提供にあるということですから、心理学でダメな製品を売ってしまおうという内容ではありません。念のため。 (Tack/2002-04-20)
 他の本に比べて比較的ケーススタディ的な内容が多いためスムーズに話に没頭でき、且つクチコミという一見非常に複雑且つアナログなものを、いろいろな要素に切り分けて解説してあるため、頭の中で整理しやすくなっています。 個人的には、クチコミと既存広告媒体・インターネットをハイブリッドに活用することによる効果等非常に勉強になりました。
 もう一つ、この本が優れていると思われるのは、「単なる自慢話ではない」ということ。 その他のクチコミマーケティングの本では、如何に自分がすごいことをやってきたかという話が延々と続くものも多く、いい加減辟易しますが、この本にはそういったことはありません。
 まさにこの本自体がクチコミに乗る商品の必要条件である”商品そのものが優れていること、誠実な内容であること”を満たしているということなんでしょうね。
 僕としては、100点満点で95点。 (クチコミによる売上向上効果を定量的に測定していないのでマイナス5点。 ただ、この分野は学問としてはまだ未完成な領域のようで、その他の学術系の文献を調べてもいっこうに定量的な結果が得られていないことを考慮すれば、この本にそこまでもとめるのは酷かも。) (mbookdiary/2005-06-05)
クチコミを単なる偶発の事象として捉えるのではなく、必然として、計画することさえできると教えてくれる。反応を待つのではなく、積極的にクチコミを起こさせることが大事。また、普通の人に伝えるよりも、メガ・ハブという多くの人に情報を伝える性質の人に気に入ってもらうのも大事。
さまざまなケースとともに説明されているので、納得して読み進められる。この本はクチコミ関係では最高級の本なのではないだろうか。 (徳重郁夫/2002-02-11)
顧客がいかに気移りしやすく、企業の思惑とは違う行動をとってしまうか。
この本は「良いでしょう皆さん!」という企業のメッセージがいかに無力かを改めて気づかせてくれる。
また成功と考えられる事例をクチコミという視点から分析し、私たちが日々顧客をいかにしてつかむか、そのヒントがちりばめられている。
(本が書かれた後、取り上げられた企業の中には失速してしまった企業も実はあるのだが...)
新しい視点としては、インターネットを媒介としたクチコミの位置付け。
現在の多様なメディアのなかでインターネットを利用することの有用性を明言していることは秀逸。 (生田 知久/2005-10-10)
クチコミがなぜ起こるか?
そのエッセンスを知ることができます。
学術的な話も入っているので多少難しい一面もありますが、2度3度読む価値がある本です。
クチコミを生み出したいなら是非ご一読を。 (/)
本書は主に、「クチコミが発生するメカニズム」と、「それを制御するための施策」の説明ですが、根本の所では、

「ブームやムーブメントを、意図的に発生させるためには、誰に何をしないといけないのか」

を解説した本です。
そこには、影響力の優先順位づけから、それぞれのランクにどのようなアプローチが必要かといった、マーケティング業界の人なら、是非とも知っておきたい知識が解説されています。

マーケティングに関わっていなくても、純粋に知的好奇心としての読み物として考えても本書はかなりレベルが高いと感じました。
(jiateng4/2008-02-10)
クチコミはこうしてつくられる、というサブタイトルだっただめ、もっと具体的にクチコミの仕組みが語られるのかと思っていたのですが、ケーススタディ的な事例ばかりで全く仕組みだったものが見られず、(要は「オピニオンリーダー」からクチコミが発生する。という当たり前のこと一つだけでした。。)期待から随分離れたものでした。タイトル負けしている気がします。 (輝子/2009-06-10)
7件のレビューを表示しています。
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第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
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ASIN:4334961886
光文社(2006-02-23)
翻訳:沢田 博翻訳:阿部 尚美M・グラッドウェル
売上順位:695
¥ 1,575(中古:¥ 1,144)

レビュー総評点:194
「ひらめき」の力を得る(というか確かなものとする)には「知識」と「経験」が必要だ。しかし、どのようなプロフェッショナルも「偏見」によってひらめきの力は鈍る。では「偏見」をなくすには。。。
結局これはノウハウ本ではなく、事例集なのだが、読むだけで「ひらめき」の力がえられると思うほうが間違っているか。
やはり大切なのは「知識」を得、「経験」をつみ、謙虚に人に、事象に接すること。それにより「偏見」から少しは逃れることができるかも。
事例は豊富でそれぞれが示唆に富む。
医者が訴えられる可能性は、医療技術の高さには関係はなく、いかに患者に説明を尽くしたか、丁寧に扱ったかに関係する。
全米一位の車のセールスマンの極意。一瞬でお客様のニーズがわかる、お客様を偏見の目で見ない。この話は実は説明は逆で、お客様を偏見の目で見ないことの積み重ねで、お客様のニーズがわかる「ひらめき」が鍛えられた、という話だと思うが、どうか。
顔の表情だけで、嘘や部族の性質まで見抜く心理学者。これは長い時間の観察の成果でもある。等々、事例に触れるだけでも読む価値あり。
決して「ひらめき」は才能ではない。 (camera/2008-03-08)
直感を熟考して説明した本 ||||||||||||||||||||||
人間の直感、理屈を越えた直感的な何か、について考え、研究した本です。
第4章「瞬時の判断力」の章にはアメリカでのインプロシアターの例もあげられており、インプロシアターとそのトレーニングに注目した筆者は、即興芝居が行き当たりばったりでも無秩序でもなく、「重圧にさらされた動きの速い状況で、瞬時の認知によっていかに正しい判断を下せるかどうかは、訓練とルールとリハーサルで決まる」と書いています。
私たちが無意識に行っている、「考える以前の瞬間の判断」「直感」といったものに興味がある方に参考になる一冊だと思います。
(kaji/2006-04-05)
「一瞥の力」を鍛える、とても実用的な心理本 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原題を"Blink"という本書、邦題が『第1感』ですが、私は「一瞥力」ってことか、と感じました。
いろいろ考えて結論を出すよりも、最初に感じた「なんとなく」のほうが本質を突いてて正しい判断であることが多い。こういう経験はみんなあるでしょ。本書は、それを理詰めで検証し、自信を持って「最初のなんとなく」で決断できるようにトレーニングできる本です。とても実用的な心理学の本。

具体的なエピソードをつらねながら、人間の感覚・認知メカニズムがどうなっているか、教えてくれます。エピソードはビジネス場面に即したものが多く非常に面白い。
「古代ギリシア彫刻が売りに出されたけど、これは贋作なのか真作なのか」
「何気ない夫婦の会話から、将来離婚するかどうかがわかる」
「本人を面接するよりも、部屋を見せてもらうほうが性格がわかる」
「“黒人=悪・不穏”といった無意識の偏見を克服するには」
「顧客満足度が高く成績の良い自動車セールスマンと、並みのセールスマンの大きな違い」
「米軍大演習で、ハイテクで武装した正規軍が、フセインもどきのならず者軍に敗れたのはなぜか」……

私の個人的な経験ですが、仕事がデキる人はみんな決断が早い。「今夜一晩考えさせてよ」と言う人は、例外なくダメ。本書を読むと、その理由がはっきりとわかります。そしてあなたも、勇気を持って正しい即断即決ができるようになります。
本書はとても実用的で、ビジネスにすぐに役立つ、何より面白い、大変満足度の高い本でした。 (不審な言動/2006-03-08)
第1感というよりは、 ||||||||||||||||||||||||||||||||
知性で補完してしまうところに陥穽がある、と言う話ではないだろうか。
時間の長短はともかく、いずれは判断は下さなければならないものだ。
その判断が時として、判断材料が脳内で補完されることによって誤ることがある、ということを説明した本だと思う。

「人は見た目〜」というタイトルの駄本がベストセラーだが、「第1感」の方が見た目、第一印象については誠実に解説してると思う。

思うに、第一印象で人を決めてしまうのはよいことではない、というような美徳・道徳観念が人をミスリードしてしまうんだろう。
実際、ポジティブな第一印象は肯定されがちなのに、ネガティブなそれは「見た目で決めるのは良くない」と言われてしまうでしょ?
違和感というものをもっと信じた方がよいかもと思いました。

ちなみに主にエピソードに終始してる感があるので、その「第1感」とやらを学んだりできるような本ではないです。 (バイク犬/2006-04-01)
何だこの面白さは? |||||||||||||||||||||||||||||||
「直感」とか「勘」についての本である。
「あの人は勘がいい」などとよく言うが、そもそも「勘」とは何なのか、
いったいなぜ当たるのか?
本書はそうした疑問に、あるいは今までは疑問にすら思わなかったことに、
気持ちよく答えをくれる。
豊富な事例にはことごとく発見と驚きがあり、読み終えたあとは
自分を取り巻く世界が以前とは違うもののように思えた。
知的な刺激にあふれた、全く新しいタイプのスリリングなノンフィクションだ。 (newnew/2006-03-01)
毎日高ストレス下で瞬時の判断を迫られている身としては物足りなかったです。

著者は「第1感」を多くの人に知ってもらい、利用されることを望んでいます。
第1感とは次の2つを合わせた力です。
・少しの情報だけで本質をつかむ力
・理由は分からないが、そうなることを感じる力
例えば、15分の夫婦ゲンカのビデオを見ればその後別れるかどうか判断できる学者、サービストスが上がった瞬間にダブルフォルトを見抜くテニスコーチが具体例として登場します。

とても素敵な力なのですが、第1感は誤ることもあります。ですからそれを防ぎ、向上させるための方法が書かれています。

豊富な取材と資料に基づいた(著者はもともと記者)具体例の多い読みやすい本です。

しかし次の点で私にとっては「実用レベル」とは言えません
・第1感のメカニズムに触れていない
・経験以外の向上させかたが書いてない
・瞬間的判断の際の思い込みの除去の方法についての記述が少ない
(さどる/2008-12-20)
示唆に富んだ、刺激的な一冊。 ||||||||||||||||||||||||||||||
読んでみて、う〜ん、人間って、こんなに無意識に支配されているのか〜、と、少し怖くもなった。
でも、「じゃあ、どうしたらいいのか?」というところまで、ちゃんと書いてあるので、救いがないわけではない。
そこが、本書のよいところかな、と感じた。

特に印象に残ったのは、第6章の「心を読む力」。
極限状況に陥った警官たちが、善良な市民を4人がかりで41発も発砲して殺してしまった事件が、どのようにして起きたのか、とか。
自閉症の人が映画を観ている時の目線の動きが、自閉症ではない人とはどのように違うか、とか。

また、第5章「プロの勘と大衆の反応」も、非常に参考になる内容。
市場調査って、必ずしも当てにならないんだな〜、ということがよく分かった。

第3章「見た目の罠」も、ちょっとびっくり。
というのは、恥ずかしながら、自分が実は無意識的な先入観に支配されていたことに気づいたから。

全体に、とても興味深い逸話が満載で、飽きずに読了できてしまった。
示唆に富んだ、ある種、刺激的な一冊。 (猫村しず/2006-07-09)
資格試験の勉強をしているとき、
謝った肢を選ぶのに「ぱっと見」で判断出来る事に気付きました。
ぱっと見た瞬間、「あ、これ違う」と言うのが分かるんです。
理由は後からついてくる、みたいな?
なんでだろう、と思いこの本を読みました。

結果、心から満足できる答えは得られていません。
でも、経験が第一感をより強固なものにする、と言うのは納得できます。
実際私の経験も、資格試験が間近に迫った頃の話だったので・・・
(勉強初期には全く感じられなかった感覚でした。)

第一感が正しい事もあるし、間違う事もある。
って結局どっち?が本当の感想です。
ただ、冷静さを保てなければ、第一感が間違った自信になりえる
ということは、きちんと知っておかないと。
文中に出てくる「輪切り」を、まだいまいち理解しきれていないので
もうちょっと深く読もうと思っています。
(なずなっくす/2008-09-14)
コピーがひどすぎる |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第一印象や直感のもつ素晴らしい力と、それを歪めてしまう要素について
書かれた本で、なかなか興味深い。
しかし、この本につけられたコピーは何なのだ。
売るためとはいえ酷過ぎる。
「データ、論理、会議はもういらない ひらめきで判断する驚異の思考法!」
だと?
どこにそんな内容が書かれている?
この本はいくつかの心理学実験や事件を解説しているだけで、実用性は低い。
著者には悪いと思うが、内容でなく、売り方がひどいので最低の評価をさせていただきます。 (クラ/2006-04-08)
 第1印象の正しさについて、あれやこれや論じている本です。
原著はアメリカでベストセラーリストに1年間も載りつづけるほど話題になった、とのこと。

 アメリカのある美術館が古代ギリシャ彫刻を購入しました。
 いろいろな科学的検査で本物と鑑定されましたが、美術鑑定家たちは一様に、「違う」と感じ、「まさか購入していないですよね」と心配してくれました。美術館の目玉となる作品を求めていた学芸員は、科学的鑑定結果を頼りに彫刻を購入しましたが、あとで、やはりニセモノと分かります。
 なぜ、美術鑑定家たちは一目見ただけで贋作と見抜けたのか?
 本書は、その秘密を追うことからはじまりました。

 とはいえ、本書は単純な「人間能力礼賛」本ではありません。
 むしろ、先入観による判断誤りの例、誤った第1印象のこわさを、これでもか、これでもか、と並べあげてくれます。

 夫婦の会話を録画した15分のビデオを観察して15年後に離婚しているカップルを見分ける、という実験を著者自身が受けた時のこと。ジャーナリストとして多くの人間に接してきた著者には、正確に見分ける自信がありました。しかし、正解率は5割。
 あてずっぽうだったとしても正解率は5割なのですから、結果は散々です。
 その道のプロは、4つの感情に注目しさえすれば見分けられる、とタネあかししてくれました。(4つの感情の内容は、本書を参照ください)

 第一印象に関する、あれやこれや全ての内容が大切な本書ですが、私なりに無理やり結論を抜き出すと、
  どうやら私たちは、自分の得意なこと、いつも気にかけていることに
  関しては、経験と情熱で第一印象の質を高めていけるらしい
ということのようでした。

 あまり論理的な期待を持たず、本書に載っている「理屈以前」の事例をお楽しみください。 (くろやぎ/2006-06-13)
中途半端な印象 ||||||||||||||||||||||||||||
常識的には到底信じられないほど少ない情報から、多くの情報を得る人々の実例が、色んな分野にわたって豊富に挙げられているところは実に面白かった。

しかしそれが結局何なのかについて明確な結論が示されていないのがまず不満である。

それでも読み手の方で補って読めば、不思議な判断力が生まれるのは、経験と分析によって練り上げられた勘、つまりプロの技によるものと著者は考えている(それも自信なさ気に)様な印象を受ける。

だがそれではこの本の価値は半減してしまう。なぜならこの本を手に取る読者の中には、プロの能力を知りたいのではなく、普通の人間にも使えるような不思議な能力について知りたいと思う人も多いと思われるからである。 (オスカー/2006-03-15)
感性や、一瞬の判断の正確性というものに興味があったので、この本を読んでみた。
事例も豊富で、読み物として面白いことは面白いし、参考にはなったのだが、ぐーっと引き込まれるような楽しい読書はできなかった。
学術的な裏づけをつきつめる本でもなく、読み物としてすごく面白い本でもなく。ちょっと中途半端な印象の本だった。 (久保田夏彦/2009-01-19)
マルコム・グラッドウェルの著書は、かなり独創的な視点と豊富な話題で魅力的だ。

「第4章 瞬間の判断力 論理的思考が洞察力を損なう」は、一読の価値があります。

p124 彼は部下に「支持は出すが諸君の行動を支配はしない」(中略)
「つまり、全体的な指示や作戦の目的は私を含む指揮官が伝えるが、戦場に出た部隊は上からの細かい指示を当てにするな、ということだ。……」

第6章 心を読む力 無意識を訓練する
感情は顔の表情から始まる
p211 顔に現れる情報は心の中で起きていることを示すただの合図ではなく、ある意味で、心の中で起きていることそのものである。

彼女の怒った顔を見た時、「本気で、怒っている」と思った瞬間、手遅れになることもある。
それ以前に、この本を読み返して「第1感」を鍛える必要性を感じる。

p238 最近ではパトカーには二人乗せずに、一人だけ乗せるように、警察署の多くが方針を変えてきている。

なぜ、パトカーに警官が一人のほうが良いのか、興味深い内容です。

人の行動心理を考える上で、とても貴重な1冊である。 (ビタミン・トム/2008-09-18)
表紙にひかれて買ってしまった。

人間の無意識の持つ力というものについての本。
人は、知らないうちに物事を「輪切り」にして考えているらしい。
だから、必要最小限の情報をとらえてそれなりに
正しい判断をすることができる。
そして、その能力は誰にでもあり、訓練することが
できるらしい。
その実例や検証実験についてたくさん述べられている。

たくさんの例について触れているので、
すんなりと読むことができた。
個人的には、瞬時の判断が必要な場合には、
過剰な情報や論理的思考が悪影響を及ぼすというのが
印象的だった。

なかなかおもしろかったです。 (nissy1121/2008-03-24)
 後に本書が手元に来たのはちょうど科学者が書かれた脳の本を何冊か読んだ後でした。相乗効果があってよかったと思います。一見テーマは違うのですが、よく考えてみると、脳の神秘を貫くトンネル掘り(科学者・研究者)の見学のあいまに、山の向こうからこちらに向かって掘り進んでいる別働隊(科学者ではない人々)にも気付いた、ということになります。
 誰もが無意識に判断する能力を持っています。進化の過程でそれが平均的に有利に働いた結果なのでしょう。平均ですから、いつも正しいわけではありません。この”直感”と時間のかかる”合理的判断力”を使い分けられるかどうかが、総合的判断力の程度をきめるのでしょう。
 「言葉としてあらわした瞬間に、思考が制約をうける」といった内容にははっとさせられました。特にビジネスでは、こんがらかった情報の塊を、ある軸・平面を設定し写影して情報量を圧縮することでわかりやすく解説するようなことが必要になることがありますが、この「わかりやすさ」というのはけっこう曲者です。操り方によって「冷静な分析」にもなれば「老獪な詐欺」にもなりえます。謙虚な気持ちを失うとたいへんなことです。成功した「軸・平面」も、いつも固定でいいわけがありません。このあたりの戦略を日頃時間をかけて作っておかねばなりません。

 帯には、”全米連続52週ベストセラー&34カ国で翻訳”とあるので、数百万(あるいは数千万?)の読者がついたことになります。そのうち一定の割合で、この本のナレッジに触れ、経験や知識に照らし合わせて確認し、自分の知覚・認識・判断の限界とバイアスに気付き、よりよい人生を送っていく役に立てる人がいるでしょう。
 科学的な実験の積み重ねを行う科学者も勿論必要ですが、その中身を本書のような形で編集して出版する記者・ライターの役割も大きいですね。
(jimmy/2006-11-13)
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人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
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ASIN:4788504480
新曜社(1993-06)
原著:Thomas Gilovich翻訳:守 一雄翻訳:守 秀子トーマス ギロビッチ
売上順位:6236
¥ 3,045(中古:¥ 2,405)

レビュー総評点:114
どうしてギャンブラーは繰り返し損をしても「今度こそ儲かる」と信じるのだろう...。
どうして占いは当たる(当たっているように感じる)のだろう...。
どうしてルーキーには「2年目のジンクス」がつきまとうのだろう...。

 人の心はさまざまな情報を自ら統合しつつ外の世界を認識しています。情報量は膨大ですから効率的に処理しなければならず、要らない情報は取り除かれ、重要な情報は他の情報と一緒にまとめられて単純な形にされます。この合理化の機能こそ、コンピューターには到底真似のできない、人の心のすばらしさです。

 ところが、この優れた仕組みがあるが故に、無いものを認識したり、意味の無いものに意味を見出したり、人はしばしば迷信や誤信や過度な自信に、極めてあっさりと陥ってしまいます。

 そんな人の心の不思議な性質について、本書は認知・社会心理学の視点から考察をしています。著者は学術的な心理学のエキスパートであり、多くの実証研究を踏まえながら説得力のある論を展開していきます。

 訳文の質の高さもあって文章は判りやすく、内容の充実具合とは裏腹に無味乾燥な学術書からほど遠い読みやすさです。アメリカでの話題が多いものの、心理学には縁遠い読者にも馴染みやすいトピックスが散りばめられており、読後には冒頭の問いの答えに気づくでしょう。

 人の心についての知的好奇心を満たすだけでなく、迷信や誤信にできるだけ陥らない為にも大いに役立つ本だと思います。 (阿楠/2008-09-03)
目から鱗が。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||
厚い本でしたが、一気に読んでしまいました。特に記憶に関することは
いかに先入観で汚染されやすいか、また、何故に短絡的に関連付けてしまう性質が人間にはあるのかが実験例と共に説得力をもって語られています。故に裁判などでは文章などの物証が証拠として重要視されるのだと改めて納得。日記をつけておいてよかった、と思ったことが私の実体験であったので。小難しい本かもしれませんが、読んでおいて損はしないです。ものの捉え方が確実に変わります。特にトンデモのもにはまりやすい人はぜひお読みください。(トンデモものにはまる人がそもそもこの本に出会うこと自体、まれかも。私も、もっと早くに出会いたかったです。しくしく・・。) (ハニーサックル/2003-10-22)
誇大広告はなぜいまだになくならないのか。迷信、ジンクスと呼ばれるものが、先進国でも幅を利かせているのはなぜか。怪しげな民間信仰が現れるのはなぜか。超能力者が減らないのはなぜか。
これらの疑問は全て人間個々が生み出す「信念」による誤解の結果である、と筆者は説く。実験社会心理学・認知心理学の準教授を務める筆者の主張の展開は非常に示唆に富んでいて、興味深い。また、「こうであるかもしれない」というあいまいな(この「曖昧性」が筆者の攻撃目標の一つでもあるのだが)論理展開で話を進めていくこともないため、科学教養書として安心して読むことができる。
人間も動物である。進化の過程で、外界から全ての情報を得ようとし、それを元に推論を立てたり、その後の行動の予測につなげたりすることは実際的ではない。そのため、必要最小限の情報に基づいた判断(=信念)を確立し、それに則って行動を行う。その情報の取捨選択の中にこそ、「誤信」の生まれる余地があり、冒頭に述べたような、第三者的に冷静に見た場合、眉唾的なものに走ってしまうことになる、と筆者は述べている。
「ものを幅広く見て偏りを排除する」ことが大切だとよく言われる。しかし、本書を読むとなかなかそうしたことは現実には難しく、「誤信」がいかに生まれやすいものであるか、ということが良くわかる良著である。 (ぶれぐま/2005-11-04)
迷信や誤信に引っかかるのは、人間の知性が拙いからではなく、実は極めて優れているからであるというい逆説的な事実が本書によって理解できると思います。事象が複雑に絡み合った世界の中で、因果や秩序を人間が如何に巧みに洞察するか、ということが「ヒューリスティクス」という概念によってわかりやすく説明されています。
生存のためには(とりわけ人間が進化した原環境である野生環境下では)物事の因果関係を見逃すことは即致命的なミスにつながることがあるので、因果の兆候を検知するとそれを確証する前に速やかに「実在する因果」として同定してしまうという(野生環境下では「正確さ」よりも「迅速さ」のほうがより重要になります)、いわば「生存知」とでも言うべき知性を人間は備えています。この知性は通常は極めて適切に「因果」を見出すのですが、それでも百発百中というわけにはいかず、実際には存在しない「因果」を存在すると誤認識することがあります。これがつまり迷信・誤信の由来なのですが、こうした迷信発生のメカニズムを身近な実例をもとに(例えばツキのような)丁寧に解説してくれています。
ロジカル・シンキングの入門書としての用も果たしているのではないか、と思います。本書の内容を理解すれば、「ルルドの泉」や「宝くじの当たる神社」、「地震雲」、あるいはテレビでよくある「性格テスト」のような迷信やインチキ実験のからくりを看破できるようになって、小気味よい気分を味わうことができるでしょう。 (マクシ/2005-05-26)
唯物論的立場からの考察 |||||||||||||||||||||||||
本書では、人間が思考のプロセスをスキップして、無意識に信じがちな迷信や超能力と言ったものを、唯物論的立場から考察、解説した本です。

人間がなぜ騙されてしまうのか、を追及する事は大変意義深いと思いますし、本書で例に挙げられた、湾岸戦争時のイラクによる原油放出ニュース(後に誤りだった事が判明)などは、その間に実際に起こっていた事が記録として残っている為、”どのように世界の人は騙されたのか”という著者の結論にも説得力があります。

しかし後半で例として挙げられた、信仰及び超能力と言ったテーマに於いては、「始めに結論ありき」(つまりそんなモノは存在しない!と言う考え方)で話が進められているように感じます。
ルルドの泉で、「めがねや、補聴器、杖は捨ててあるのに、なぜ義足が無いのだろう」と言う表現は、本書で奇跡や超能力を否定する立場にある著者自身の考え方と自家撞着を起こしています。

ロジックに凝り固まった人には痛快な本でしょうが、全てを素直に受け入れる事は出来ませんでした。 (jiateng4/2008-04-24)
魅惑的な目次通り、本文も人間を知りたい者にとっては魅惑的な内容。
人間がいかに信じやすく、自分に都合よく考え、あいまいな生き物かを、実験と例文で淡々と述べてゆく様がなかなかに好み。
読み続けると、何故情報が人づてに伝わると次第に変化するのか、その答えまでおぼろげに浮かんでくる。 (mitinoku_r2d2/2005-03-21)
 湾岸戦争(1991年)の時の事である。アメリカがイラク空爆を開始した直後、或る衝撃的な映像が、テレビを通じて、世界に流された。それは、原油にまみれた真っ黒な水鳥の映像であった。そして、その際、その映像に加えられた解説は、イラクが、ペルシャ湾に原油を放出した為に、ペルシャ湾が原油で汚染され、ペルシャ湾では、この様な深刻な環境汚染が発生して居ると言ふ衝撃的な物であった。
 この映像に、世界各国で、イラクに対する怒りの世論が湧き上がった。そして、一部の国では、「イラクに対して、戦術核兵器を使ふべきだ。」と言ふ声すら上がったのであった。--この「イラクに対する戦術核兵器使用の声が上がって居る。」と言ふニュースを聞いた時の衝撃は、今も忘れられない。
 ところが、それから間も無く、海流の速度などからして、その映像が撮影されたとされる場所で、報道が伝えた日に、「イラクが放出した原油」が海岸を汚染するとは、到底考えられない事が、指摘された。それから、テレビは、その水鳥の映像を伝えなくなり、更に後、湾岸戦争が終結して数ヶ月後、その海岸が原油で汚染された原因は、実は、何と、アメリカの空爆によって破壊された油井から原油が海に海に流れ出し、そこに流れ着いた為らしい事が、確認されたのであった。つまり、「イラクがペルシャ湾に原油を放出した」証拠は全く無く、それどころか、アメリカこそが、その水鳥を油まみれにした張本人だったらしい事が明らかに成ったのである。ところが、それにも関わらず、その映像が放送された直後には、世界中でイラクへの怒りが巻き起こり、一部では、イラクに対する戦術核兵器使用の声すら上がったのであった。--もし、あの時、あの水鳥の映像に関する解説がそのまま信じられ続けて居たら、一体、何が起きて居ただろうか?
 人は、騙されやすい。そして、騙されやすいが故に、「国際世論」すらもが、この様に、核兵器の使用にすら、容易に傾く事を、この水鳥の事例は語って居る。--人間は、どうして、これほどまで、騙され易いのだろうか?
 本書は、そうした人間の騙され易さを、様々な事例から分析した、アメリカの心理学者トーマス・ギロヴィッチ(Thomas Gilovich)の著作の日本語訳である。--心理学者である訳者(守一雄、守秀子、両氏)の日本語は、読みやすく、明確である。--本書を読むと、容易に騙され、踊らされるのは、カルト教団の信者ばかりではない事が、痛感される。この情報過多の現代社会で、人がどの様にして騙されるかを理解する為に、この名著が、多くの読者に読まれる事を切望する。
(西岡昌紀・内科医/オウム真理教信者による坂本弁護士一家事件から
 16年目の日に) (西岡昌紀/2005-11-04)
 The Skeptic's Dictionaryの自己欺瞞の項目にある「大学教授の94%は、自分が同僚より良い仕事をしていると考えている。大学生の25%は、自分が他人との協調能力では上位1%に入っていると信じている。大学生の70%は、自分が平均以上のリーダーシップを備えていると信じている。平均以下だと考える学生は、たった2%にすぎない。」は本書からの引用である。
 ほかにもテレンス・ハインズが書いた教科書、カール・セーガン最後の著作などにも、本書を参照し、引用して書いた章があるほどだ。
 
 これらのことからも本書の重要性は判るだろう。もちろん普通に認知心理学の領域でも古典的名著である。とくに人間の認知の機能そのものが、ニュートラルだと誤信を積み重ねてしまう仕組みになっていることを、実験を交えながら力強く示しているのだから。

 まさに誤謬・誤認・誤信形成の専門書なのだ。さらに読み物としても面白いのだから、もう大変だ。

 懐疑論者必読なのは当然である。実際に教材として採用している大学もあるようで、特別な知識が必要というほどではない。超常現象領域に関心を持つ向きは、立場に関わらず一読を推奨する。とはいえ昨今ではさらに洗練された類書も登場しているの、必読とまではいわない。 (ワカシム/2008-10-18)
論旨も明確で読みやすい。人間がいかに騙されやすいか、信じ込みやすいかということを科学的
に紹介してくれる。
超能力の問題、総合的健康法と呼ばれるものなど、具体例も豊富に解説されている。

マスコミなど、無数の事実の中から商業的に受ける内容、側面だけを故意に選んで、歪んだ
情報を流すというのは良くあることでしょう。

これだけたくさんの情報が氾濫し、インターネットの普及によって誰もが簡単に情報にアクセス
できる時代、社会科学者の役割は大きい。物事を正確に判断するための良書と言えます。 (モト松田/2008-12-23)
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知識資本主義
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ダイヤモンド社(2004-09-10)
レスター・C・サロー
売上順位:48224
¥ 1,890(中古:¥ 68)

レビュー総評点:21
   世界で同時進行している3つの革命・・・第三次産業革命による技術革新、新しい通信技術、共産・社会主義国家の資本主義への移行が、経済のグローバリゼーションを促進しているが、上流階級とその他の階級格差を拡大する等資本主義固有の問題を顕在化させ、摩擦と反グローバリゼーションを惹起している。
   これまで、資本主義は、問題と批判に真剣に取り組んだ結果、テクノロジーを生産性の向上に活用し、活発な金融・財政政策と義務教育によって福祉国家政策を推進し、資本主義本来の経済的不安定と所得格差の拡大をコントロールして資本主義システムを維持してきた。後戻りの利かなくなったグローバリゼーションにも同じ修正が出来ないか。
   これが、サロー教授の問題提起である。
   そのために現実のグローバル経済を分析し、今後、グローバル経済システムを危機に陥れるとすれば、日本が経験したようなデフレ、アメリカを襲う重大な国際危機・ドルの暴落、知的所有権の徐々の崩壊であろうとして、米欧日の3極グローバル経済牽引機関車論等々を提言しているが、白眉は、現実を知的資本主義と捉えて国家と企業にCKO(最高知識責任者)の設置が必須だと説いていることである。
   ドルの暴落の可能性が高いこと・・日本のデフレは、大胆な不良債権の処理と巨額の財政政策を一挙にすべきをやれなかった政府の無能さ・政治的危機の所為でコンセンサス重視の文化(意識)革命なしには解決できない・・商業主義のアメリカ文化、等々独自の持論を展開していて興味が尽きない。異論・反論はあろうが、提起した問題は、実に重い。 (中村/2004-09-20)
グローバル経済は日本では、アメリカナイズされた経済を指す事が多いが、本書では誰もこの流れをコントロールすることは不可能であると述べている。
ただ、本書の題名の「知識資本主義」は原書の題名からも内容からも若干ずれているような感じもあるし、内容もグローバル経済に関する部分がほとんどである。全体的に内容も散乱している感があり、細かい部分で見れば有効なのだが、全体的な一本通った筋を感じられない点は残念である。
読書時間はおよそ2~3時間でしょうか? (シンタロウ/2004-09-27)
北海道在住で、第三次産業の今後の動向に興味がありました。本書を読んでみると『確かにね』というところはありましたが、これと言って斬新な考えはないと感じました。
女性を活用したり、バイオテクノロジーに注力した経済環境を作ったりと提案はありましたが、『全部、北海道でもすでにやっている(これからすぐに始める)』というものでした。
やや、期待外れといった感じです。 (ダイサク/2004-09-19)
この本の主張は大きく2点である。(そしてこの指摘はまったく正しい。)
・自由貿易は正しい
・知的資本が重要になる
そのことを何度も繰り返して述べてあるが、冗長な感じはなくとても読みやすい。しかし特に新しい主張であるというわけでもない。
後半に触れてある企業の撤退については独自の視点であり興味深い。
全体的に、読んで損はない本である。
ただ、以下の怪しい主張はせっかくのよい内容を少し台無しにしているようである。
・デフレは悪である
・ドルの暴落は不可避である (両津博士/2004-11-15)
市場経済をどう理解するかでこの考え方への賛否が異なってくるのでは?ないだろうか・・・・・
グローバル経済が進むべき路をいろいろと論評しているわけだが、不平等社会。二極化社会を是とするか否か?知的財産をそう位置づけるか???私達への問題提起が大きいと感じた。 (クリエイティブFMKTG田作健一/2004-11-10)
現代のグローバリゼーションに直面して、3つしか選択肢はない。それを受け入れるか、拒否するか、積極的に参加し自ら構築していくか。あとがきで訳者も述べているように、これがこの本の要点である。
本書は全8章、264ページであり、さほど量が多いとは感じない程度で、どこかで聞いたような内容が続く。さらに、論を尽くし切れていないためか、論理の飛躍で読者を煙にまくためか、過去から現在まで世界中で起きたいろいろな事象が同レベルで括られて議論されており、読む際に関係性を自ら考えながら読み進まなければ、サロー教授の独断的理論に取り込まれてしまい、妙に納得させられてしまいそうだ。
目新しい内容が無いとはいえ、9.11後のアメリカ経済を代表する経済学者が、いかにして世界の世論をコントロールしようとしているかが垣間見えると思う。 (あんびばれんと/2004-09-16)
 私がこの本を読んだ感想としては、アメリカの知的所有権保護強化政策を根拠づける本であるというものです。
 アメリカが製造業で日本に敗北してから、新しく世界の頂点に君臨する方法として、知的所有権として、異常な知的所有権保護政策を行っています。
 この政策が、本当に知識資本主義といえるのかと思います。
 本当に知識資本主義といえるためにはさらなる知識が発展しやすいように、知的所有権を保護しすぎないことではないでしょうか。このように、ちょっとした知的所有権を保護しすぎることは、一定の階級のみが読書階級だったヨーロッパ中世と同じように停滞した社会が訪れるのではないかと思いしました。
 知識の解放こそ、本当の知識資本主義ではないかと思いますがいかがでしょうか。
 しょせん、知識すらも生み出すことが難しくなったアメリカが、苦肉の策としてやっているだけではないかと思います。
  (岡野秀城/2009-01-23)
翻訳者あとがき(三上義一)によると「グローバリゼーションとはグローバル・スタンダードに従うことであり、それに倣うことはアメリカナイズされること」と多くの日本人は思いこんでいるが、その既成概念を打ち砕いてくれる「目からウロコ」の一冊、だそうです。ふむふむ。

その中にはドキッとする一節も。技術革新と世界観の変化によって戦争が「富を得る」手段でなくなったことの理由探しを「1973年、原油価格が急騰したにもかかわらず、先進諸国がサウジアラビアに侵攻しなかったことに読み取れる」……って、戦争行為を思いっきり経済活動の一環にしてませんか?なんかアメリカの(しかも権威ある)学者さんだなぁという感想。

それはともかく僕(経済音痴)には、一流の経済学者としての持論は汲み取れても、誰もが見落としていることへの新たな指摘は感じられませんでした(アメリカナイズがグローバル化だと思っている人は、まずレベルが低いのでは)。新たな指摘とは、何かを解決するアイデアを導くもの。ここで語られているのは著者の「見解」であり、現状を正しく、もしくは幅広い視点で理解する役には立つものの、もうひとつ発見に乏しいと思います。

ただCKO(Chief Knowledge Officer、最高知識責任者)という提案はおもしろい。「グローバル知識資本主義における短期・長期の戦略と戦術を計画立案し、そして指導する」役目を果たし、仕事としては「CIAのトップと同じ」といえるCKO。著者によればビル・ゲイツはまさに模範的な存在のひとりだそうです。ただしも知識という日本語単体では正確さに欠ける。それはもっと戦略的な視点を含んだものであるはずで、むしろ最近使われるようになった情報的意味合いでの「インテリジェンス」が近いのではないでしょうか。

なんかグローバル経済の道場訓みたいなところはありますが、なかなか勉強になる一冊です(なんか勝間和代的締めくくり方だなぁ)。 (trashbox0827/2008-10-19)
グローバリーゼーションと知識資本主義の波は、世界に何をもたらすのか?グローバリーゼーションには米国が好き勝手な単独行動を抑制する意味合いもあり、又米国を世界の国々と上手く連携さえていくという意味もあるのか?著者がグローバリーゼーションと知識資本主義の本質を分かりやすく説いている一冊です。 (浜のジョイフリー/2005-04-15)
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急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)
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ASIN:4797338121
ソフトバンククリエイティブ(2007-06-23)
翻訳:高橋 啓マルコム・グラッドウェル
売上順位:228
¥ 819(中古:¥ 500)

レビュー総評点:48
マルコム・グラッドウェルの「ティッピング・ポイント」の廉価版。

バズマーケティング、バイラルプロモーション等々、WOM(Word Of Mouth)周辺のマーケティングに対して、ネットワーク理論から切り込みを入れている名著。

この手のクチコミ関連書籍には3種類くらいあって、

1.クリエイティブ視点のバイラルプロモーション
2.PR視点のバイラルプロモーション
3.その他(ネットワーク理論、伝染病など)視点のバイラルプロモーション

本作品は「3」にポジショニングするんだけれども、その中では明らかにトップクラスの内容。

事例と原理・原則の部分が程よいバランスで含まれていて、読みやすく、わかりやすい。

この本を読んでから、上記分類「1」「2」の本を読むと大分客観的に読むことができると思います。


特に世に言う「インフルエンサー」言う概念を、

1.コネクター
2.メイヴン
3.セールスマン

という3つにカテゴライズしているのは秀逸。

正直この値段でこの内容はマストバイだと思います。

また、これからネットワーク理論に興味をもたれたら、アルバート・ラズロ・バラバシ氏の「新ネットワーク思考」を読むと、この世界にどっぷりはまれます。 (adman/2007-10-20)
予想に反して科学的 |||||||||||||||||||||||||
タイトルから推測すると、商品のマーケッティングに関する内容と思われますが、そうではなく、いわゆる「感染理論」が詳細に検討されています。全体の構成をしっかり掴んでおかないと、今何が議論されているのか混乱してしまうくらい、個々の議論は深いものとなっています。とにかく知的好奇心をくすぐられる本です!お勧め!
(加納 裕/2007-08-19)
爆発的なヒットに必要なもの

ものが魅力的であるのは最低条件ですが、

・ちょっとした記憶に残る工夫
・勝手に良さを教えてくれる人
・勝手に広めてくれる人
・勝手に売り込んでくれる人
・大勢の人に広まる背景

、、、などなど

ほとんど無駄なく
筋道立てて解説されているように思えます。

何かを世の中に広めたい、と思っているなら
これを読んで損はないと思いますが、いかかでしょうか? (まーい/2009-02-07)
さまざまな事実と照らし合わせながら、どのように口コミが広がっていくのかを
教えてくれ、それを元に自分の仕事の場合は、、、と考えさせてくれる。
自分の場合は、文字数が多く、難しく感じた。訳本だから仕方ないかなとも思う。 (三河/2009-06-02)
小さな変化がなんらかのかたちで大きな結果をもたらす。
これを、伝染病の伝播にみたてて、感染がいかに起こり、臨界点に
達し爆破的な事象を生み出すか、を、タマネギの皮をむいていく
がごとくに、メカニズムを分析していくさまは、ワクワクする。

その3原則を、伝染病の蔓延過程を事例とすることで、
(1)少数者の法則、(2)粘りの法則、(3)背景の力、とする。
そして、伝播過程におけるさまざまな役割を抽出し、感染をスタートさせる
類型を、「媒介者」「通人」「セールスマン」などに分類し、それぞれの
通過点に果たす役割を、豊富な事例を用いて、解明していきます。

本文庫文では、感性マーケティングで著名な小阪祐司氏の解説が
巻末についていて、この解説を先に読むことで、本文の概略をつかむこと
ができる。

さらに、自分でティッピング・ポイント(「傾く」しきい値)をつくり
あげることができるというメッセージがあり、小さなことが、結果として
大きなブームを作り上げる。

さらに、そのブームの先のブームが去る
メカニズムにも考察が及んでいて、セサミストリートやハッシュパピー、
さらには、梅毒など本物の伝染病や犯罪率低下など、これでもかというほど
事例を引用し、かつ、追跡し分析し、ティッピングポイントを生み出す
フレームワークを類型化している、との執念に敬服します。
(佐倉ごるふ/2009-04-29)
伝染病のような速さで広まる流行や情報、
その発信源と仕組みを探る。

誰も履いていなかった時代遅れの靴、
荒廃した街の安全、
ニュースキャスターの表情から読み取る大統領選の行方、
クチコミから始まったアメリカ革命。

上記の例を分析した結果、
人は気付かぬうちに自分の役割を担っているという、
メイヴン、セールスマン、コネクター等々、
あなたの特性はどれに該当する?

ティッピング・ポイント(臨界点)を超えた先にある状態を
持続させることも重要だと感じた。

大切なコトは、わかりやすく翻訳することであり、
誘発するシグナルを考えることである。

集団が巨大化する時の危険性や
バンドエイド的応急処置広告の利点。

ついでに、タバコで鬱に!? なんて話や、
毒煙の中毒(喫煙感染)から退散する2つの戦略など。 (ウェブ担当/2009-04-14)
繰り返しが粘りになる ||||||||||||||||||||||||
本書は伝染病のように流行が広まる現象を明らかにした書籍である。特に印象が残ったのは「粘り」についてである。感染を継続させるためには、メッセージに「粘り」が必要とする。情報を記憶に残すための工夫である。「粘り」をもたらすものとして、人気テレビ番組『セサミ・ストリート』や『ブルーズ・クルーズ』を例に繰り返しの効用を指摘する。
一見すると繰り返しは退屈である。同じ経験を何度も追体験させられるのはかなわないと考えがちである。しかし、体験する度に全く異なる受け止め方をすることもできる。これは私にも思い当たることがある。私は複数の市民メディアに東急リバブル・当給付土讃とのマンショントラブルについての記事を書いた。
読者の中には「もう東急批判はいらない」と反発のコメントを寄せる人もいた。しかし、新たな記事で東急批判が繰り返されると、「それでこそ林田記事」と喝采される。たまに東急批判を言及しないと「林田記者の記事は東急不動産との紛争に関連づけなければ読者は納得しないよ」とコメントが寄せられる。表所の表現を借りるならば、東急批判は飽和点に達する。それからノスタルジアが始まるのである。
(林田力/2008-10-10)
この本の特色: ある地点・時期を境に、ブームが爆発的に広がったり、
       犯罪が激減する理由を、3つの原則を軸に具体例を豊富に用いて
       解説した本。原書のタイトルであるティッピングポイントとは
       「或る考えや行動が、感染症のウィルスの如く急速に広まる
       まさにその瞬間のこと」。例えば、バナナダイエットの場合、
       マスコミが全国ネットで紹介したその瞬間がこれに相当する。
        全編を通じて、我々人間の従来の常識に基づく先入観がいかに
       誤っていて、それがいかに根深いかが繰返し解説されている

この本の要旨: 著者によれば感染=ブームの広がり が起きる上で重要なのは
       以下の3つの要素であるという。
       1:少数者(ブームの広がりの初期には特殊な能力を持つ3種の
         人物が関係する。ただし3種全て必要というわけではない)
       2:粘り(或る考えは、それが重要でありさえすれば必ず
         伝えたい相手の記憶に刻まれるとは限らない。提示の仕方
         如何によって決まり、それには実は些細な要素が左右する)
       3:背景(人間は、実は自分がその時々に存在する場所、環境に
         敏感に反応する、時には完全に支配される)

この本の結論:些細な変更や工夫によって、大きな成果を生むことが出来る
       (大きな成果には、必ずしも大きな行動が伴うとは限らない)
       手当たり次第に周囲の人物に働きかける必要はない 少数の
       特殊な人物に働きかければすむ

著者が一番言いたいこと:上述したように、この本には人間の脳の処理には 
 限界があること・また人間が環境に非常に影響を受けやすい事を、
 様々な実験結果の提示を通じて何度も解説し、結果従来の常識、
 つまり先入観や思い込みに基づく直感は誤りであるとしている。
 (セサミストリートの例では、製作スタッフがある実験を行った結果、
 従来の常識が誤りである事を発見する件がある)
  そしてその思い込みは人間それ自体の基本的な性能に基づくため
 容易に克服できるものではない。しかし、大きな成果には必ずしも
 大きな行動が伴うわけではなく、些細な事(常識にとらわれていたら
 見過ごしてしまうような)に鍵があるのだから、常識を疑い柔軟に考える
 事ができれば我々のような無名の人物にも潜在的に社会を変えうる力がある。
        
私の感想:私はこの本の評価を4にしました。
     理由は、章立てが分かりやすかった事(目次・見出しが詳しい事)
     次に、読みやすいように文章が構成されていること
     (先ず分かりやすい物語から始まり(平易な文章)すぐ後に
     詳しい解説がくる。本自体はボリュームがあるが難解ではない)
     3つ目は、大事な文章は太字で強調されていること
     最後に、本の一番最後にこれまでのまとめをきちんと書いて
     くれているため、理解が散漫にならないですむ
      星が1つ減っているのは以下の理由です。
     1つ目は、できれば各章にまとめを付けて欲しかった事
     2つ目は、これは私自身の問題ですが、著者の言いたいことは
     分かったつもりですが、完全に腑に落ちた、という感覚が無い箇所
     があったからです。少数者の法則では、3種の少数者について
     分かりやすく説明してくれていますが、そのような人物を、
     私は個人的に知り合いに持っていないのです。
     「あー○×のことか!媒介者って彼のことなんだ」っていう様な
     ガッテンが無かったわけです。交友関係がすごく狭いからです。 (大阪のビジネスマン/2009-05-25)
「感染」をキーワードに、突然世の中で何かが広がるメカニズムを解説しています。
ティッピングポイントの文庫版らしい。ティッピングポイントは手に入らなかったので、
こちらを手に入れました。

ジャンルを問わず、「感染・拡大」した事例がもりこまれるため、逆にわかりにくくなった感がありますが、キーワードは太字で書いているので、僕はキーワードを追いかける形で最初は斜め読みをしました。(それでも十分、概略は汲み取れます。)

何かを広めようと思っている人は知っていてもいい内容ばかりです。
逆説的に言うと、熱意、情熱でただただ頑張っても、「あなたの提供する物、サービス」が売れないヒントが隠されています。 (インタプリタ/2009-06-13)
題名に惹かれてネットで購入、しばらく読んで以前購入し読んだティッピング・ポイントの文庫判であることに気付きました。以前読んだのは5-6年前ですが、気付いたことが3点あります。
1)当時も良い本だと思いましたが、今回も最後まで面白く読ませて頂きました。私の記憶に断片的にしか残っていないのにも少しビックリしましたが、内容が全然古びていません。2)本書は人の意思決定がどのようにされているか、情報がどのように集団内で拡がっていくか、感染と同じ視点でとらえようとしてます。しかし、ネットワーク理論の本ではありません。3)著者はジャーナリストで科学者ではないようですが、それが本の構成にも現れていて話題があちらこちらに跳ぶ点があります。個々の話は確かに面白いのですが、論点がややぼやける感じがあります。そこがちょっと残念でした。

しかし、多くの人にお薦めできる本だと思います。 (neurologistsk/2009-06-06)
モノが売れにくくなっている現在で、題名が気になり、今の情勢の中でも役に立つのかどうかも見てみたくなり購入しました。

商品が急に売れる、情報が一気に拡散することをマーケティングに生かそうという機運は高く一般には「口コミ(WOM)」といったり、インフルエンサーマーケティングと言われています。それらの場合、多くは事例が語られることが多く、感心はするのですが、マーケティング手法としての再現性に乏しいというのが私の実感でした。

この本はそれらの構造を明確にしているので、非常に判りやすく、また優れた点だと思われます。例えば、情報が拡散する際には「少数者の法則」に則り、そこで媒介者(コネクター)、通人(メイヴン)、セールスマンと呼ばれる役割を負った人々が活躍しているという構造は、具体的であるので情報拡散がイメージしやすい。
これは、まだ一つの仮説だと思われますが、マーケティングの手法として実践しPDCAに基ずいて精度が高まる期待が持てます。

この手のマーケティングに興味のある方に、お薦めできる一冊です。
(itgaki/2009-04-12)
いわゆる《流行現象》と、その背後に隠れた《法則性》を、科学的な切り口で分析した、画期的なマーケティング理論です。流行現象の裏側にある複雑な原因を、実に、分かりやすく明快に描いています。後は、この理論を、どう応用するかです。こういうビジネス系の本は、最終的には、読者の応用力が問われます。基本原則を理解したら、最後は、自分の頭で考えるしかないのですね。大変、勉強になりました。 (新谷広規(ビジネス歌人)/2009-04-06)
12件のレビューを表示しています。
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平均点:4.5
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w:15 h:21 488page
「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき
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ASIN:4822246000
日経BP社(2009-01-22)
翻訳:水谷 淳スコット・ペイジ
売上順位:61751
¥ 2,520(中古:¥ 2,000)

レビュー総評点:-7
集合知、集合の知恵とは具体的に何か?を問うた本です。

まず序章は集合知を測定するアルゴリズムには遺伝的アルゴリズムを用いている事を
指し示しています。そしてその手法を紹介しています。

本書はパート2からが本題です。集合の知恵を用いて出した解答は非常に正確なのもだと
著者は言及します。
そのためには似たりよったエリート集団よりも様々な考え方、発想をもつ集団から
ランダムに選んだ方が正解に辿り着きやすい、もしくは正解へ近づく。
それを様々な事象から事例をこれでもかというくらいに持ち出して、説明しています。

本書の欠点は集合知を正確だと指し示すために表やグラフを持ち出してその正当性を
示唆していますが、かなり恣意性のある内容や強引にこじつけのある事例もあり、
とても感心できるものではないものも多々あります。

まだ集合知の研究は始まったばかりなので、サンタフェ研究所の猛者が書いた本でも
この水準のものかと落胆しています。
参考になるものもありますが、もし本書を読まれるならば十分に注意しながら、
著者の我田引水的な「集合知」の解説を吟味しながら読み解いてください。

それからまた本書を読まれた方からこのレビューを書いてくれる方が出てくる事を
願います。
それは私のレビューだけだと私的バイアスが強く働いてしますからです。
この本のレビューだけではなく、本サイトの☆は様々なレビューから
構成されているものの方がこうやって単一のレビューを書かれているものよりも
精度は必ず高い。それこそ「集合知」ですから。 (フジキセキ/2009-05-08)
問題解決の場において、多様性がいかにして集団に恩恵を生むのか、また、問題点は何かということを、さまざまなモデルやデータを元に、丁寧に解説している。

一様な集団は、つまるところたった一人とほぼ同じであるため、個人平均以上の結果にはならないが、多様な集団は、さまざまな観点や問題解決法を持つため、結果として個人平均以上の結果を残す。しかし、多様性はこのように恩恵をもたらすが、それには前提条件があり必ずしも絶対ではない、というのが著者の主張である。

また、多様性にはコストが存在するため、その恩恵はコストを考慮する必要がある。すなわち、【多様性の正味の恩恵=多様なツールの恩恵の合計−多様性のコスト】となる。

研究開発に従事する私のような人間には、「多様性」についての本書の考え方は非常に参考になった。

なお、本書の「多様な意見はなぜ正しいのか」というタイトルに若干の疑問がある。本書の内容とやや食い違いがあるように思うし、意訳としてもやりすぎでは? (くりろ/2009-05-23)
2件のレビューを表示しています。
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平均点:3.5
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w:14 h:21 279page
儲かる顧客のつくり方 (Harvard Business Review Anthology)
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ASIN:4478000743
ダイヤモンド社(2007-03-09)
編集:DIAMONDハーバード・ビジネスレビュー編集部
売上順位:151325
¥ 2,100(中古:¥ 1,400)

レビュー総評点:2
顧客ロイヤリティをキーワードとして、これらに関する論文を集め編纂した本。

昨今CRM(Customer Relationship Management)など顧客満足に焦点を当てた活動がここそこで推進されているが、顧客満足をどう測り、どの様な戦略を展開し、最終的にどう利益につなげてゆくかが重要なポイントであること説いている。

本書では顧客ロイヤリティを色んな角度から考察しているが、顧客ロイヤリティを推し量るてき面な指標は、「顧客が知人・同僚にその商品・サービスを勧めたいかという」質問に集約される。 アンケートなどで満足度を量ったとしても、大満足レベルの点数をつけていない顧客は単に心情的に悪い評点をつけなかっただけであり、離反して行く可能性を帯びているという。

また、業種によってはロイヤルカスタマーほど我儘を言ったり、付加価値を認めず安い価格を要求したりする逆説的な面があることも、一部論文では指摘している。

さらにB2Bの顧客は一般消費者へのアプローチと大きく異なり、医師決定者に対して自社の優位性をアピールすることが一番有効とされる。

などなど・・・

本書は顧客戦略に行き詰ったときに読む本だと思う。 (Aki17/2008-07-30)
1件のレビューを表示しています。
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平均点:4.0
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w:15 h:21 270page
組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか
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ASIN:447837323X
ダイヤモンド社(2000-11)
菊澤 研宗
売上順位:58988
¥ 2,940(中古:¥ 2,190)

レビュー総評点:53
 本書は、インパール作戦・ガダルカナル戦など従来「不可解・不条理・反倫理」とされてきた旧日本軍の行動を、新制度派経済学に基づく組織論で読み解くことにより、これらが人間の合理的な意思決定の上で生じた「誤謬」であり、同様の事例は現在の日本企業でも十分に生じうる(事実生じている事例も多数紹介)危険性を孕んでいると示唆する。
 旧日本軍、ソニー、トヨタ、拓銀等々といった非常にポピュラーな組織に焦点を当てたことにより、現代の組織論・経営論的思考を広く社会に浸透させ得る点で、本書の価値は大いに認められる。
 しかしながら、本書の大部分が旧日本軍の行動を綴った事実紹介に割かれ、コスト理論・エージェント理論・囚人のジレンマ等といった制度分析ツールの掘り下げたapplicationが十分になされておらず、結果として旧日本軍の行動が「新制度派経済理論の上では」合理的であったと確信させるところには至らなかった。
 また、最終章ではこうした「合理性に基づく非条理」を回避するための処方箋として、「批判的精神の涵養・実践」「漸次変革の実施」を提言する。事実、社内批判を取り入れることで成功した企業も多いし、何より現代サラリーマンの耳に非常に心地よい提言だろう。しかしながらこの結論には折角の前半での分析が全く生かされていない。今村中将は将校・下士官の批判を聞いたから成功したのか?牟田口中将は部下からの散々な批判を受けたが、失敗した。内部批判が尽くされた上で合理的な判断がなされたとしても、不条理は生じ得る。敢えて新制度派理論に沿って解決策を挙げるとするならば、組織変革による取引コストの低減と情報拡大による合理的判断の確保であると思われるが、この点についての説明はなされていない。まるで「要は経営者の心構えだ」と説く本書の態度に、組織論の学説書としての限界を感じる。 (江田島平八/2004-10-21)
 一般に、勤勉かつ優秀な人材を集め、最高の教育を施し、考え得るもっとも合理的な行動をとれば、どんな組織でもその分野で勝者となりうる。これが一見真理のように見えることを否定する人はいないだろう。しかし、現実は必ずしもそうではない。それは、恐らく組織人として生活した経験のある人ならば思い当たる例が身近にも存在しているはずである。
 では、なぜそうなるのか?  この問題に対し、最新の経営学理論を用い、かつて日本で屈指の「優秀を指向した組織」であったにもかかわらず無残な敗北を喫した日本陸軍を分析することで一つの妥当性のある解答を示したのが、菊沢氏の本書である。
 かつて日本陸軍がその幹部候補にきわめて充実した教育を行ったことはよく知られている。にもかかわらず、なぜ太平洋戦線で緒戦はともかく、あれだけの敗戦を重ねたのか?「補給軽視」「特定戦術に固執」今までの戦史書の常套文句である。しかし、もともと優秀な上に充実した教育を受けた参謀達がなぜ同じ失敗を繰り返さざるをえなかったのか?本書の斬新さは、これを経営学理論から説明したことにある。
 本書の斬新さはもう一つ、人間とは不合理性を必ず有した存在である、という前提に立っていることである。今までのこうした類書は、意思決定をする人間は、完全に合理的に行動しているという前提で、どのようにかつて振る舞い、また振舞うべきか、と論じてきた。本書では、それが時には組織を滅ぼすことがありうることを証明している。
 これら以外にも、新たな驚きが本書には満ちている。
 結局、組織とは何か。その中での戦略、意思決定はいかにあるべきか。伝統的な戦略本における解答では満足できない人は、本書により新たな考える視点を得る事ができるだろう。 (モト松田/2009-01-10)
日本軍はなぜ、ガダルカナルにおいて無謀ともいえる百兵突撃を繰り返したのか、203高地の
失敗から何も学ばなかったのか?この疑問に対して本書では新制度派経済学のアプローチより、
解明を試みる。失敗の原因を人間の非合理性にみるのでなく、限定合理的な人間の特質にある
とするのは従来にない面白い解釈であると思う。

人間は常に誤りを犯すものであり、組織内部に絶えず非効率と不正が発生する可能性を認め、
それを防ぐためには絶えず批判的な態度を持つべきであり、誤りから学ぶことが大切。

日本人は仕事上において、他の国の人々より、より上司の言うことを鵜呑みにしやすい体質を
持ち、また、場の空気を感じすぎて云いたい事を遠慮しがちな国民性があると言えるのではな
いでしょうか? 

(/)
 21世紀の正月を読書で過ごすにはまたとない一冊だった。「組織の不条理」これは、中間管理職の一人として常々感じることだ。しかし、不条理に対して、20世紀までの私は個人的な憤懣の域を出たことがなかった。分析し、解決するツールを持たなかったためだ。20世紀は組織の不条理にやり場のない憤りを押し殺してきた中間管理職の方々、公務員、私企業は問わない。新年会を一つサボってでも読む価値がある。組織の不条理に対する憤りを、改革するエネルギーに還元できる可能性を本書から得ることができる。組織の不条理を分析し、克服する武器を提示してくれているからだ。本書は学究の世界の成果を現実の組織経営上の問題点へのアプローチへと見事に融合させている。では組織の不条理を克服するにはどうすればいいのか?その問いにも著者は明確な答えを用意している。これについては読んでからのお楽しみとしておくべきであろう。
 組織経営については様々な著作が出ている。その多くが、人間が完全合理的に行動できることを前提にして、分析、対策を論じている。読者にしてみれば、「それはそのとおりなんだけどね。でもね。」と言いたくなるものが多い。しかし、本書はそうした「あるべき論」とは一線を画している。その分析手法は、従来の研究に見られた、「人間が完全合理的に行動できる」という前提に立つものではなく、「人間は機会主義的であり、限定合理的である」という現実に立脚した分析である。そして嬉しいことに「完全合理的」、「限定合理的」、「機会主義」といった用語も本書では丁寧に解説されているので、私のような組織経営論には疎い者でも容易に理解できるように工夫されている。
 新制度派の組織分析手法を用いながら、「組織の不条理」の典型であるインパール作戦やガダルカナル戦を分析し、結果として非合理的でデタラメ極まりない作戦が、意思決定の各局面では、緻密なコスト計算に基づいた合理的なものであったことを指摘している。また、失敗例の分析に留まらず、組織の不条理を克服した例として硫黄島戦、沖縄戦をも分析している。「悲惨な戦闘でした」で片付けられがちなこれらの戦闘について、日本に在る司令部と、戦闘の現場に有る部隊間において、いかにして不条理が発生し、どのようにしてそれらが克服されていったのかを浮き彫りにすることに成功している。
 組織経営論としても、戦史分析としても非常に斬新的であり、読者に解り易いように気配りが随所に施されている。研究され尽くしたかに見えるこの分野を、著者は再度、組織経営論の手法を駆使して歴史からの教訓を掘り起こすことに成功している。
 さらに、戦史分析のみならず、実は日本の企業は今でも大東亜戦争で日本が陥った経営失敗の二の轍を踏みつづけていることも指摘している。分析手法一つで、大東亜戦争時の日本の経営からここまで明確に教訓を抽出し、現在の日本企業の経営分析にもそれらは対応できることを本書は証明している。 (/)
要するに個別最適の集積が全体最適にはならない、ということを「最新の経済理論」というのを使って説明した本です。これのアナロジーはたくさんあると思うのですが、例えば最近はやりのサプライチェーンマネジメントも流通システムにおける個々のサブシステムの合理化が却って全体の不合理を招く場合があることに注目したものです。従ってアプローチとしては「目からウロコ」というほどの斬新さは無いと思います。複雑系システムにも似たようなアプローチの手法がありませんでしたっけ?
ただ面白いと思ったのは、個々の組織間で働く部分最適化(この本では限定合理性と読んでいますが)の過程でどういった組織力学が機能するかを判りやすく紹介してくれている点で、リエンジニアリングに携わる管理職の方!は理論武装のために読んでおいた方がいい一冊です。
この最新の経済理論というのは「新制度派経済学(institutionism)」という名前なのですが、もっとマシな名前は無いのか、と思うくらい分かりにくいネーミングですね。経済畑の人たちはネーミングのセンスに欠けるのか、あるいは経済・経営理論の進化に語彙が追いつかないのか・・・・。 (/)
 「なぜ上司とは、かくも理不尽なものなのか」の菊澤氏による日本陸軍の研究書である。本来は経営学者である菊澤氏が、防衛大学で教鞭を執った際に、WW2での旧日本陸軍の行動についても経営学の理論で説明が付くことに気が付いたとのこと。
 その理論は先の書と同じなのでここでは省略するが、限定合理的でしかない人間が自分は完全合理的であると錯覚することにより、組織としては非効率で非倫理的な結果を招くのである。この不条理の例としてガダルカナル戦・インパール作戦を分析している。逆に限定合理的なことを自覚して効率的・倫理的に不条理を回避した例としてジャワ軍政・硫黄島戦・沖縄戦を説明している。
 硫黄島、沖縄での戦いは悲惨な例ではあるが、実は最も米軍に損害と恐怖を与えた最良の作戦であり、ガダルカナルの白兵戦は上層部が優秀で合理的だったから失敗したという結論はユニークで一読の価値がある。優秀で合理的な人物の作戦が失敗し、誤った指示をはぐらかして現場が最適解を見つけた作戦が成功するというのは非常に興味深い。
 さらに現在の企業においても同じ現象が発生していると指摘する。対策として、オープンで批判的な意見交換により新戦略を模索し、漸次的に組織を改編するアプローチこそが組織の生き残り策であると提案する。 (じゃー/2009-05-10)
人間は限定合理的であり、その限定合理的な人間の集団であるいかなる組織も、限定合理的である。そして条件さえそろえば、組織は合理的に非効率な手段を選び、やがて破綻していく。題材は大東亜戦争で敗退した日本軍であるが、今日のどんな組織にも当てはまる、鋭い指摘である。
本書では、人間と組織の限定合理性を認め、常に批判を受け入れる「開かれた組織」を構築することを、その解決策として主張している。セオリーとしての組織論は理解できても、実際の組織が不条理に陥らない方法を見出すことのできる組織経営者は少数派であろう。多くの経営者が、このメカニズムを研究し、具現化することを切に望む。華やかさは無いが、地に足の着いた良書である。 (六等星/2004-07-17)
防大教授による日本軍の組織論というと、「失敗の本質」が思い浮かびますが、軍隊というのは「組織の特徴が極端にでる」(あとがきより)存在で組織論の格好の研究対象のようです。なお、「失敗の本質」から二十年、両書を読むとこの間の組織論の進展が分かります(著者も「失敗の本質」を意識。)著者の主張は「組織の不条理も個々の行動主体から見れば経済学的に合理的であり、経済学の視点から説明がつく」というもの。そのため、分析のツール(制度派経済学)が説明されますが(第一章)、組織経済学の成り立ちを整理する上で、ここだけでも読む価値はあります。
感想を三点。①身の回りの分析が現実的になりました。確かに経験的にどんなひどい(不条理な)と思われる組織も、何らかの経済的インセンティブをもって行動された結果、と見とれるような気がします。②組織を見る眼が暖かくなりました。不条理な組織でも個々の成員の責任や倫理観だけを問うても意味がなく、事の本質は組織の制度設計。結局、身の回りを見ても個々に限定的ではあるにせよ、合理性を持った人達でした。③穏健的(民主的)リーダーシップは、経済学的にも正当化されることが分かったことが嬉しかった、というのもありました。限定的合理性の集まりの組織では、極力個々のインセンティブの働く方向や情報を同じにすることが成功のひとつの要素、専制的ではこの働きが弱くなります。
非常にお薦め。読みやすく、「組織の経済学」の厚さにたじろぎを覚える人には、まずこちらを。 (omr/2004-10-20)
 読みやすい本で一気に読了できる。経済学に縁がなかった読者でも問題なく読めるだろう。
 内容はあの話題になった「失敗の本質」に続くものである。「失敗の本質」ではその分析は多角的になされているという点が売りであったが、残念ながら当時の学問の水準では経済学・経営学の観点からの分析には問題があり、詳しく取り上げられてはいなかった。本書はこの点に絞ったもので、しかも同一の著者によるものであるために分析にもばらつきがなく、そこは評価できる。
 問題なのは、このような分析が現代の組織を見る上で応用できるのか、実際の組織改革に役に立つのか、ということだが、この点に関してはいかがなものか。私見ではいまひとつという印象を受ける。というのは、組織改革に必要なコストを考えれば、たいていの組織は現状維持という、まさに当時の日本軍と同じような「無難」な選択を取ってしまう危険がないだろうか。
 日本軍の中に、そのがんじがらめになった「組織」を改革することでうまくいった事例があったのだろうか。本書で取り上げられている今村大将、硫黄島、沖縄の例は、組織改革の例として適当とは思えない。
 面白く読めることと、現実の組織にその分析を応用して改革に役に立てる、ということとは両立しないのではないか。 (daepodong/2005-09-24)
衝撃の1冊 |||||||||
ダブルKこと菊沢研宗御大による旧日本軍をケーススタディとした経営学界の最高傑作です。
ふだん、組織の中で"不条理"を感じている人には衝撃の1冊だと思います。 (/2005-05-24)
 経営学では、会社組織は軍隊組織と比較して論じられることが多々ある。
 どちらも同じようなヒエラルキーとかハイアラーキーを有しているからである。そんななかで、本書は、この前の戦争で、なぜ勝つ見込みのない戦いに敢えて踏み込んでいったのか、なぜ勝つ見込みのない戦いにのめり込んでいったのか、その不条理性について延々と同じことを、手を変え品を変えと言いたいところだが、手も変えず品も変えず、ダラダラと論じる「トンデモ本」である。何回も同じ事を書くのは、書く方は疲れないものだろうか。

 コースとかウイリアムソンの「取引コストの定理」とか、モラル・ハザードとかアドバース・セレクションの考えを駆使する「エージェンシー理論」とか、はたまた「所有権理論」とかによって、合理的であるが不効率であるという不条理な組織行動が見られると考えられるというのだ。なるほど、ナルホド。

 この論理によるとこの前の戦争で、ガダルカナル島で採られた「白兵突撃トンデモ作戦」、インド亜大陸で採られた「インパールこれまたトンデモ作戦」が極めて合理的なコスト論理に即した作戦という事になるのだ。
 また、「ジャワ軍政」では、なぜ住民・捕虜主体の穏健統治を展開することが出来たのか、硫黄島戦と沖縄戦では「戦略」と「戦術」の分離現象が起きなぜ組織は大量の無駄死を回避できたのかを、同じ論理で説明している。

 いずれにせよ、私はいかなる不条理な戦争の合理性を認めるわけにはいかない。
 沖縄戦は大量無駄死にでないとどうして断定できようか。
 
 北海道拓殖銀行とか、大沢商会とか、日本商事とか、不条理な会社の例として取り上げているが、2000年に出された本書としては取り上げた会社が少々偏ってはいないか。大沢商会が倒産したのは1984年でしょ!
 著者は、あの防衛大学の教授であるということだが、大丈夫か・・・・。

 それにしても、平成はあと何年続くのだらうか? (ヒデボン/2009-03-20)
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w:13 h:20
The Wisdom of Crowds
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ASIN:0385721706
Anchor(2005-08-16)
James Surowiecki
売上順位:23379
¥ 1,287(中古:¥ 2,192)

レビュー総評点:0
詳しすぎたかも |||||||||||||||
 民衆は案外正しい判断を下すものだ、という事例を次々提示する本。簡単な実験から政治判断に至るまで、一個人の専門家が下す判断よりも正しいことが多いらしいです。まあ例えば、そうなると陪審員制度も捨てた物ではないのかな、とか思いを馳せたりしたりして読みました。英語は決して困難ではないのですが、どうもスパッと入ってきませんでした。でも、あくまでもこれは小生の英語力の問題です。まあそういうことで、一応星三つ。 (インプットランナー/2005-05-29)
ここ数ヶ月の間に読んだマネジメント、統計、投資関連の複数の本(例えば“The Future of Management”[Hamel], “The Upside”[Slywotzky], “What Were They Thinking?”[Pfeffer], “Expert Political Judgment”[Tetlock], “Super Crunchers”[Ayer], “Black Swan”[Taleb],等)で幅広く引用されており、気になっていた本書を遅まきながら読んだ。
『一部の専門家やプロの判断よりも、知識や経験のレベルや領域もそれぞれの(専門家も含む)多くの人達による集合知(或いは全体の平均値)の方が正しいことが多い』という、ともすれば直感的には「えっ?ホント?」と疑わしく感じることを、多くの事例と実証研究を紹介しつつ説いている。但し、集合知が有効に機能する為には、とりわけ構成員の意見が多様であり(diversity)且つ他人の意見に影響を受けない (independence)状況が必要である旨強調している。
本書で取り上げられている例は、動物の体重や瓶の中のjellybeanの数、消息不明になった潜水艦の位置の推定から始って、プロスポーツの勝敗や大統領選候補者の指名予測、ハリウッド映画の興行成績の予測、自動車エンジンの発達等イノベーション、スペースシャトル事故、税金、株価形成、組織運営や経営の意思決定、等実に広範囲に亘る。
個人的には、なぜ本書が近年のマネジメントの方法論、とりわけ組織運営・リーダーシップ・イノベーション分野でのアプローチに大きな影響を及ぼしているのかにつき、大いに納得すると共に、experimental economics(実験経済学)やシミュレーション等が意思決定に応用されていく可能性に期待できると感じた。巻末注の関連文献も興味深いものが多い。 (tetsuya morikawa/2008-02-16)
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