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「系統樹思考の世界 (講談社現代新書)」 とその関連商品
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系統樹思考の世界 (講談社現代新書)
ASIN:4061498495講談社(2006-07-19) 三中 信宏 売上順位:105933 ¥ 819(中古:¥ 297) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:26
系統樹をキーワードにして、いろんなことが詰め込まれている。ひとつひとつはそれぞれ面白いトピックなのだが、非常にまとまりに欠ける感じがする(著者がエピローグで述べているとおり)。まずどういう読者を想定しているか不明瞭で、科学哲学的な分野ではかなりの思惟を要求するが、系統樹のグラフ理論になると無闇に初歩的な説明がなされる、かと思うといきなりネットワークの個数の漸化式が説明なしで提示される。読むほうは書き手の要求するレベルに合わせて行かねばならない。次に、トピックとトピックを繋いでいるのは著者自身の経験談だが、これがもうひとつどの話題ともしっくり結びついておらず、同じことの繰り返しになっている感が強い。そしてしつこい各章ごとの引用!トゥーランドットが嫌いになりそうである。全体を読み通してみて、トピックはいくつも印象に残るのだが、それぞれについてはざっと見渡した程度の踏み込みで、全体からは散漫な印象しか残らない。非常にいい材料が揃っているのに。「だから、系統樹!」と叫び、系統樹はコトバである、と主張する著者を心情的には全面的に支持するが、惹きこみかたをもう少し考えるのは如何かと。
(荒野の偏微分/2006-08-29)
系統樹思考というものを歴史的にも
一般人にもわかりやすく書かれていて、 とても理解しやすかった。 とても人間的なスケールの大きさを感じた。 学者さんってともすれば持論にはまりこみ 読者おいてけぼり(いわゆる本から拒否される) 状態になりがちなものですが。 筆者のおっしゃる、 「この本をヒントにあらゆるものを 世の中を見る目」が変革しました。 やっぱり分類グセがあるんですね…。 (夢うさ/2007-03-09) 生物の進化だけではなく、怪文書や古文書など
現在から過去に遡る方法、"推定"。統計学では良く 使っていましたがこんな使い方もあるものだと感心。 著者の経歴から系統樹、そしてこういったルーツ探し。 話がかなり飛んでるように見えますが、抵抗無く読み進められます。 (I/2006-11-26) 非常に熱い本である。敢えて言えば哲学的な科学論と呼べるのではないか。著者の専門は進化生物学だが、著者の長年に渡る幅広い知的彷徨が存分に披露されている。 本書では「系統樹思考」に関連するいくつかのテーマが扱われている。私なりにまとめると、まず、系統樹思考そのものについて。それから、共通言語としての系統樹思考が既存の学問の壁を壊す可能性。系統推定の方法。そして、歴史の科学は可能か?という話。 私にとって最も面白く感じたのは、歴史は科学の対象になり得るのか? 歴史を扱う科学は可能か? という問題を扱った第1章。ここは系統樹思考について述べる前の準備の章なのだが、最も強い印象を受けた。自分の専門分野が二流科学と見なされているというコンプレックスを感じている読者には、この第1章を一読してみることをオススメする。 1冊の本として考えると多くのことを詰め込みすぎなのではないかと感じた(著者も読者のそういう感想を予想している)。また、いわゆる「哲学くさい」文章スタイルがとられているので、そのテの分野の本をあまり読んだことのない私には少々読みづらかった。 (萩原 湖太郎/2006-10-02) 各ブログでの賞賛の嵐の声に押されるようにしてようやく読み切りました。
う〜ん、(科学哲学の基本にまでさかのぼっていて)深い!(系統学の基本的方法まで説明していて範囲が)広い!そして何より(ブックガイドも付いて)お得だ! やはり本書の「キモ」は帰納でもない演繹でもなく、データに最適な説明を推論する「アブダクション」(最尤法とか「オッカムの剃刀」とかと似ています)を系統樹思考の有用な方法として推奨しているところ。そして「アブダクション」を著者の本丸である生物系統学だけでなく、非生物の分野、例えば「不幸の手紙」の変種である「棒の手紙」に当てはめていく様を、あれよあれよと見ていくうちに、「これって、普段自分でも気づかない間にしていることじゃないの?」と思い当たりました。 目からウロコの1冊です。 (射手座/2006-10-03) 英語ではNATURAL HISTORYと言い、ニューヨークにはMUSIUM OF NATURAL HISTORYがあるけど上野のは科学博物館。日本では「科学・技術」対「歴史・哲学」という二項対立でとらえてきた弊害。本書で進化生物学は歴史学だったことに納得。
現象に対する理論は「歪んだガラス」。しかし森羅万象を人間が理解するためにはこの歪んだガラスが必要で、系統樹がその強力な枠組みを提供する。ネットワークは複雑すぎると筆者は説くがツリーも十分複雑で、もっと歪んでいるマトリックスはツリーより判りやすい。 ところで貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書を三位一体とする財務諸表に昨今米国企業改革法SOX内部統制が加わって先行きが混沌としてきた観のある会社評価。系統樹モデルが役立つかもしれない。 (にゃにゃにゃのおじさん/2006-09-10) 刺激的な本である。
系統樹という思考法を通じて学問間の壁を破壊し、知の世界を統合的に捉える方法を模索している。 作者はもともとは生物学系の学者であり、専門は進化生物学ということである。 生物学とはいまここにある生物を対象とする学問であるが、進化生物学となるとそれに加えて時の流れを相手にしなければならない。 進化とは過去のことであり、それぞれの進化は個別である。 となると観察・実験・反証・予測・一般化といった科学の一般原則が適用できない。では、進化生物学は科学ではないのか?更に拡げれば歴史は科学ではないのか?一般原則の適用の難しい社会科学や人文科学は真の科学ではないのか? このような出発点から科学の原則とはなにかを追求し、「よりよい理論」をもとめる第三の推論形式アブダクションや分類と系統の違いといった人間の認知形式と次第に科学の根源を目指す深い思索の旅が始まる。 科学とは人間の日々の営為にも深く関わっている。 これも作者の主張の一つである。系統樹思考は家系図や事物の由来・継承などに見られるようにわりと身近な世界でも使われている。そして「棒の手紙」のように系統樹の考え方を用いて身近な世界について考えることもできる。 系統樹思考とは世界を新しく開け直す思考法である。 (糸音/2006-11-18) 非常に刺激的で示唆的,面白い新書です.個人的にこの本からたくさんの考えるヒントが得られました.
全8件のレビューを表示しています。なるほど生物の歴史はその系譜=木を具体的に考えることで科学的に論じることができる.しかしこれは生物に限った話ではなく,本書にある比較文献学の例もさることながら,構造を持ったものであればもう何でもそうですね.この「系統樹思考」によるアプローチのしかたは,対象が複雑すぎるがゆえに定性的な記述をやむなくされている諸研究領域にとってはけっこうな活路になるのではないでしょうか? あと,内容はもちろんなのですが,本の書き方というか話の持っていき方というかスタイルがかっこいいですね.読書中,エーコの小説を読んでいるような気がしました. (mits/2008-02-27) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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知の分類史―常識としての博物学 (中公新書ラクレ 236)
ASIN:4121502361中央公論新社(2007-01) 久我 勝利 売上順位:181526 ¥ 798(中古:¥ 542) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:9
書名が「分類史」で、副題が「博物学」になっています。著者によれば、この二つ、知の分類と体系化は表裏一体だそうです。ここから代表的な過去の「分類法」を見ることで、歴史の中の様々な「知の体系」をも見渡そうというのが、本書の目論見のようです。このために、博物学・百科事典・図書分類法の3領域で、過去に公刊され残存している有名な書籍を、歴史の流れに沿って取り上げています。各書物から、目次や知の体系表を転載し、その目次や著者・書籍・歴史的背景の簡単な説明を付けています。
横文字を使わずに易しく書いています。その為トピックされている書籍は、日本訳があるものだけで、古代ギリシャ・ローマ、中世イスラム、中央ヨーロッパ、中国、日本に限られています。日本の翻訳界を反映しており、世界全体の知には及ばないようです。しかし本書で「知の全体」を捉えようとした過去の様々な試みを簡単に鳥瞰することが出来ます。『3次文献』を纏めた『4次文献』とでも言えるユニークな本だと思います。 著者は、読者が自分の実用という視点から知を分類することを試みることを薦めています。日々の雑学知から自分の「知の宇宙」を作る方法だそうです。また思考訓練の分類として「2分割」と「3分割」にも言及されています。これらの問題は真剣に考えると手強く、詳述されれば、本書がもっと面白くなるなと思いました。 (ビブリオン/2007-01-08) 古今東西の博物学・百科事典といった書物を紹介し、その分類法(目次)を解説しています。と、書いてしまえば単純な繰り返しのように思えますが、どのような背景でそのように分類したのかなどの解説にふむふむと頷きながら読み進みました。
特に「雑」に分類された分野から新しい知識が生まれるとは然り。また分類することで知識となるというのにも納得です。今ではコンピュータで手軽に検索できますが、その手軽さが知識としての定着を妨げているかもしれません。 最後には図書や音楽CDの分類方法も紹介されています。 (vatmideo/2007-03-25) 「分かる」と「分ける」が語源的に関連があるように、外界の事物を分類するという行為は人間の知的営みにとって最初にして最大の問題である。
全3件のレビューを表示しています。本書は、特に博物学的な分類方法について、古今東西の例をあげて考察していく。見ているだけ飽きない、楽しいものである。そこから分類という行為の対象や方法における多様性や普遍性が見てとれる。 現代の情報にあふれた我々にとって、それらを単なる事実の羅列に終わらせず、いかに分類し、処理していくかは重要な課題であり、その上で本書が大いに参考になるであろう。 (ishilinguist/2007-04-21) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
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「分ける」こと「わかる」こと (講談社学術文庫)
ASIN:4061597671講談社(2006-06-09) 坂本 賢三 売上順位:56924 ¥ 840(中古:¥ 560) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:14
思考法としての「分ける」ということに関する原論のようなものを期待して読んだが,古今東西の哲学者や思想家が,世界をどのように「分ける」ことによって理解してきたかについての,事例集だった。
第1〜2章では一と多という古来の形而上学的テーマについて,人類がどのような考えをもってきたか,ユダヤ・キリスト教,ゾロアスター教,仏教あるいは老荘思想,易教,さらには古代ギリシア哲学などが紹介される。創造主の観念の出所についても唯物論的思考との対比しながら書かれている。第3章では,ピュタゴラス派,アリストテレス,カント,フィヒテ,シェリング,ヘーゲルについて,ちょっとした「カテゴリー思想史」のように記述されている。ここまでは,けっこう興味深く読むことがてきた。 4章5章は個人的にはいまいち。動植物学の分類法が紹介されたり学問の区分け(体系)について記されたりするのだけれど,ただの事例の羅列,紹介に終止していて,そういう内容なら中尾佐助『分類の発想』のほうにずいぶん分がある。 総じていえば,1〜3章の内容(これだけでも読む価値はあると思う)を,もっと思想史的に一貫した構想でもってふくらまして書かれていたら良かったのにと思う。あれこれ盛りだくさんではあるけれど,散漫な印象で,一冊を通して何が言いたいのかわからない。まとめとして三つの教訓が書いてあるけれど,読むとちょっとがっかりである。 1.分類は認識や行動のために人間がつくった枠組みであって,存在そのものの区別ではない。 2.分類をつくる際には,かならず「その他」や「雑」の項目をおいておくことが有用である。 3.「わかる」とは,その分類体系がわかるということであり,「わかり合う」とは,相互に相手の分類の仕方がわかり合うことである。 (あべまりあ/2006-12-21) 「文明の衝突」などといういかがわしいでっち上げによって開始された戦争が未だ続いているが、こうした世界史的闘争の原理こそが「分けること」と「わかること」のギャップに潜んでいることが「わかる」。世界史的闘争は、何も異国の地だけで進行しているわけではなく、著者が指摘する「若い奴はわからない」という感懐にも、最近の「ニート、フリーター」という言葉にも生々しく息づいているのだ。この極めて控えめで折り目正しい名著は、「とくにお急ぎの方へ―おしまいの第五章を読んでください」という実用書然とした端書(前書き)の一文から始まっており、ここで「3つの教訓」を挙げて本書を締めくくっている。冒頭の「教訓その一」は、人間の認識や思想、哲学の問題はある意味これに尽きるというべきものだ。
全2件のレビューを表示しています。<分類は認識や行動のために人間がつくった枠組みであって、存在そのものの区別ではない> 池田清彦の『分類という思想』にもあったが、分類とは特定のイデオロギーからなされた枠組みなのであって、これは特定の側からの特殊な見方に過ぎないのである。にもかかわらず、我々は、この「分ける」ということでもって「わかる」という認識に直結してしまう。これは安心したいという怠惰な精神であるとともに、複雑怪奇な現実を片側から裁断してしまう傲慢でもある。あらゆる世界に充満している精神ではないか。「癒し」とかいう卑しい発想も、この精神から流れ出た汚水というべきだ。 講談社現代新書のときに読んで以来ひさしぶりに手に取ったが、欺瞞と悲惨いや増す今こそ輝く名著である。 (野火止林太郎/2006-10-15) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
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分類という思想 (新潮選書)
ASIN:4106004291新潮社(1992-11) 池田 清彦 売上順位:171449 ¥ 1,155(中古:¥ 260) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:5
生物の分類の必要に迫られて、『種』『門』という言葉を使うとき、一体どういう根拠なのだろうという思いと、なんとなくいかがわしい思いが離れなかった。本書では、生物学の分類根拠について、現行の数個の学派の主張とその妥当性について厳密な考証が行なわれている。そして、生物という変化するものに不変の言葉を当てはめるという行為そのもの困難性の自覚が無いまま、絶対分類を考えているという学会の問題点を指摘している。分類学が登場する前から人間その認識パターンによっては生物を分類している。この事実を謙虚に受け止めることから、生物分類学はスタートするのだろうと思った。また、このような人間の基本的認識パターンまで遡って、科学的論理の妥当性を考察する態度は、今後の科学の行く末を考える上でぜひとも必要なことだろうと思った。
(こたろう/2002-05-26)
構造主義科学論を唱える著者の、比較的初期の作品。生物学の大問題である分類学を扱い、構造主義分類学を提唱している。構造主義科学論とは、人間の認識を基本にすえた科学のこと。世界は、我々の目に見えるような存在なのであり、見えるがままに解釈するのがもっとも妥当であるとする立場。
現在の分類学の主流は進化論の流れを汲む分岐分類学である。生物は単一の祖先を持ち、単純から複雑へと進化してきたという思想に基づき、樹形図を用いることで生物を分類しようとする。しかし、分岐分類学には様々な問題がある。著者はそれらを暴き、分岐分類学が現状とそぐわないものであることを立証する。そして、代わりに構造主義分類学を持ち出すのである。そのあたりの論説は見事であり、納得させられる。 とはいえ、著者自身が認めるように構造主義分類学はベターな存在でしかない。ベストではないのである。その限界をもきちんと提示している点が偉いと思う。 生物学・分類学の専門的な内容であり、純粋思考的に論が進められるので、一般読者には向かないだろう。しかし、驚くような発想の転換を楽しめる良書。 (志村真幸/2005-02-18) 分類とは,物事を便宜的に,作業効率を上げるためだけにただ分ける,という作業だと思っていた.しかしながら本来,人間というものの思考過程と分類するということは,便宜を図るという理由以上の密接な関係があることを思い知った.本書はまさに私にとって分類学考の転換であった.また本書では科学者の立場から,哲学の領域にまで踏み込んで,分類するとはどういうことかを詳説してある.日頃どのような立場の人でも,ほとんど無意識のうちに様々な分類体系の下に生活しているはずである.そのような普段意識しないものに意識を向けることは,自分の生きている世界を理解するためにとても重要なことだと思う.本書はこのように自分の生きる世界に対するしっかりとした理解を持ちたい人にお勧めである.
(nomnom/2002-04-08)
著者の提唱する「構造主義的分類学」とは結局何なのか、残念ながら私にはいまひとつイメージが湧かなかったが、我々の認知パタンや自然言語に合致する分類体系、つまり最も沢山の人々に受け入れられる分類体系こそが自然分類体系なのだという、「反」科学者たる著者の指摘には納得がいく。
(オリオン/2002-12-14)
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「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育 (講談社プラスアルファ新書)
ASIN:4062725576講談社(2009-02-20) 澤口 俊之 売上順位:92213 ¥ 880(中古:¥ 369) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
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生物系統学 (Natural History)
ASIN:4130601725東京大学出版会(1997-12) 三中 信宏 売上順位:412161 ¥ 5,880 これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
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知の編集術 (講談社現代新書)
ASIN:4061494856講談社(2000-01) 松岡 正剛 売上順位:12536 ¥ 756(中古:¥ 126) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:99
著者独特の観点で、モノゴトを「編集」する術が書かれている。著者の言う「編集」は、たんに情報を書物などの形にするといったことでなく、頭の中で情報を束ねたり、表現の順序を考えたりといった、人間の知的営み全体のことを指している。
この『知の編集術』を出す約3年前、朝日新聞社から『知の編集工学』という本が出されている。『知の編集工学』にくらべて『知の編集術』は、著者が明確に新書の本と意識しているようで、「編集」とはなにかの説明に限定して書いている。また『知の編集術』には「編集稽古」という問いが設けられている。たとえば「ここではきものをぬいでください」に句読点をつけてふたつの文脈をつくろう、といったもの。読者はこれらの設問を解くことにより「編集」するとはどういうことかに近づくことができる。 ただ、この『知の編集術』と『知の編集工学』は、共通している部分も多いので次のように、読む目的で本の選び分けをすることもできる。 まず、著者のひととなりをより詳しく知りたい、もしくは、著者の深い教養に浸り続けたいという方は、以前に出た『知の編集工学』のほうをオススメする。いっぽう、著者の言う「編集」とはどんなものか手短かに知りたい方や、「編集工学」の一部分に実践的に触れてみたい方には『知の編集術』をオススメする。 (漆原次郎/2004-07-04) 手に取る前は作文を教える本だろう、と予測していた。「編集」の二文字しか見えなかったからだ。「いかに上手に文章を構成するか」「編集者が教える注意点」が読めるだろうと期待していた。ところが、「編集はもっと広範囲なものだ」ということを教えてくれる、スケールの大きな内容であり、かつ実践的な「解説の多い問題集」のような本であった。
日常の会話も編集、映画も編集、芸人のネタも編集、法律も編集、スポーツのルールも編集。編集の達人として「ビートたけし」を挙げている。 情報がクロニクルに連続的に流れる中、どこを選択するのか。また、どんなふうに編集するのか。それを鍛えるべく「編集稽古」という形の問題と模範解答が提供されている。これを解くことはどれも時間がかかり、かつ頭を使うので、まさに「知」の編集…本の題名がいい得て妙であることを納得させられる。 著者が大学教授でもあるからか、授業を受けているかのような語り口で読み易い。また、「編集は遊びから生まれる」といっているだけに、楽しい話題も適度に出てきて、飽きさせない。 「編集」というと、「書かれた文章に印をつけて書き直していく」程度の認識であったが、「思考をまとめたり、系統立てて整列させる」ためには、「記号を駆使する」「一枚の絵にする」など、様々な手法があることを知った。分類は無論、「発想・連想」も編集にはかかせないが、最終的には「他者から編集してもらう&他者のものを編集してあげる」ということも、トレーニングになるようだ。 (ambrosia_heart/2004-09-04) 著者は早くから情報という概念に注目してきた日本屈指の碩学の一人である。日々のニュースや学校の勉強のやりかたやスポーツの戦術などを、著者独自の「編集」という概念を用いて、活用する術を解説する。
この本は編集が絶妙であり、どこを開いて読み始めてもいいようになっている。各トピックごとに編集稽古なるエクササイズがあり、自分の編集力がいかほどのものなのかを知ることができる。 また情報論という観点から見ても「遊び」を基礎において、そこに人間のコミュニケーションの原点を発見するなど、面白い。 (大谷門堂/2003-08-26) 「創造」とか「発想」とか「知的生産」とか様々に呼ばれてきたものを、ただ「編集」と言い換えただけの本じゃないかという言い方もできるだろうが、松岡氏は一生を「編集工学」構築にささげる人だけあって、その徹底した分析はさすがだ。
著者も認めているように、この本を読めば「編集」ができるようになるという類の本ではないが、少なくとも編集とは何かということが多少はわかったような気にはなれるだろう。 (/) この本は、内容とタイトルが一致していない。
よみにくいと思いつつ、最後までよむと、 著者は、この本の構成を、実はしていないと書いてある。 自分の本の編集もせずに、編集術の本とは、、、絶句。 まとまっていない。論理的に書いていない。 (/) 21世紀は「方法の時代」になると考えている。ここで「方法」と言っているのは「主題」の時代ではないという意味だ、と著者は言っています。続けて、編集術とは我々がどのように世界とかかわるかという「方法」に目を凝らそうという、いわば「気が付かなかった方法を気づくための方法」だと言っています。
言われてみれば大した事ではないかもしれませんが、「編集」という行動を通して、世界というか社会を解釈していく姿勢には共感を覚えます。 会社の中で知識をハンドリングする立場にありますが、どのような形に編集するか、いつも悩んでいます。その悩みを解決する方向を示してくれた、良き一冊でした。 (希望を探して/2006-07-28) 世界はいかに編集作法に満ち溢れてるかは伝わってきたが、
具体的な編集方法、例えば「遊びの4分類」「12の編集用法」「64編集技法の作法」などもっと編集して欲しい。 それとも私のエディティング能力が足りないのだろうか。 (mayaya/2007-12-08) 編集という概念をコンパクトに編集した一冊。
書籍というメディアでできる限りのさまざまな題材を使いながら、編集を実践した姿を提示している。編集道場という演習もあるが、正直おまけのようなものだろう。ここでは何が正解かは問題視されていないのだから、こんな問題も編集という概念が活用されるということが理解できればよいのではないか。 正直編集の概念をあまりに広く捉えているので、新書という形態では手に余るような部分もあるが、筆者の考える編集の概念に触れるには最適な一冊であり、同時に編集という「方法」の一端に触れるにも適切な一冊であると考える。 (Pt/2007-12-13) ・情報の編集をうまくやりたい、その為の技術の向上の方法が
書かれているのではないかと期待して1.5回くらい読みましたが 私にはほとんど記憶に残りませんでした。 ・理解できないので何が悪いのかも分かりませんでしたが −使われている言葉が独特で難解だからから か −例が古すぎて、要求されている教養度合いが高すぎるからなの か あたりではないかと思います。 (その意味では松岡さんは分からない人には理解出来なくても良いと 割り切る水準が高すぎる、気はしました。) ・松岡正剛さんには何かを感じますが 何かを吸収できると期待するのは無理なのかもしれません。 あまり人にもお勧めしません。 ・またいつか読んで理解できる日が来たら評価も上げたいと思います。 私も人なりに本を読み、理解出来る本が95%くらいなので本の評価を 印象と共にダイレクトに付けさせて頂きます。 (パープリンレイン/2001-11-23) ごめんなさい。松岡さんはハンサムだけだと思って読み始めたのですが、ちがうちがう。彼の筆力にグイグイと楽しませていただきました。編集工学?の大権威らしいのですが、そんなことはさておき、彼の主張とは、「編集」とはみんなが日常していることで、あったということ。
そしてその、編集技術を意識的に磨いていくためのヒントが引用と共にプラクティスのカタチで書かれています。別にこの本を読むと人生が変わる・・って訳じゃないけど、もやもやしてたことを論理的に頑張ってくれてる人がいるっていう発見はすごく大きかった。ハンサムであるってことも、ひとつの編集的才能なのかも。 (/) 「すでにわれわれは二十世紀においてだいたいの主題を提出し、その展開が意外にも難題をたくさんかかえていることを知った。P.38」「問題の解決の糸口はいくつもの主題を結びつける「あいだ」にあって、その「あいだ」を見出す「方法」こそが大事になっているはずp.39」「二十一世紀は「方法の時代」になるだろうp.38」「人間の歴史は情報の歴史であり、編集の歴史なのである。P.43」と編集の重要性を訴え、「われわれがどのように世界とかかわるかという「方法」に目を凝らそうという、いわば「気がつかなかった方法をきづくための方法」というものであるp.138」編集術について解説している。編集の例示が漫画や絵画、心理学の療法といったあきれるほど広範囲な分野にわたっており、「編集術」がどんな人にも使えるもの、役に立つものであり、世界を切り開くための武器になることを感じさせる。学問だけでなく、仕事にも恋愛にも家事にも使えそうな編集術はとても魅力的。自分の創造力が貧困だと悩んでいる人、発想する力が乏しいと思っている人に特におススメ。
(パッション太郎/2009-05-10)
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言葉と意味を考える 講談社現代新書 哲学・思想にとりつかれる 2007年の夏あたりに読んだ本 2007春 要チェック 情報を文化する 講談社現代新書 考える術 2005 読んだ本 問題解決技法 |
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「負けるが勝ち」の生き残り戦略―なぜ自分のことばかり考えるやつは滅びるか (ベスト新書)
ASIN:4584121214ベストセラーズ(2006-09) 泰中 啓一 売上順位:128527 ¥ 714(中古:¥ 114) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:27
『生き残る生物,絶滅する生物』の著者のひとりで理学博士の泰中啓一氏の著書。タイトルからはわかりづらいが,数学的な論理に基づく淘汰理論から,著者が望ましいと考える生き残り戦略,ひいては対人関係のありかたを結論づけている。数学的な思考に基づくも,小学生レベルの平易な数式と表現法で構成されており,シミュレーションのグラフを含めても中学生以上であれば数時間で読破できる内容。160ページ程度の分量も大きめの文字で読みやすく少し知識があれば読破に2時間もかからない。
本書の記載は後に出版された『生き残る生物...』との重複が多いが,部分的には説明が詳しく,選挙やジャンケンなどを例示して理解しやすいように配慮されている。万人を対象とした入門書ながら,参考文献も提示されており,一部を検証した限りに於いては信頼性は高いと思う。 難点は,囚人のジレンマなどを知る者にとっては物足りないこと,やや説明不足を感じる点があることである。後者については,『負けるが勝ち』という勝者とは必ずしも一旦負けた個人が最後は勝つという意味ではなく,部分的に負けを認める戦略を認める個体のいる種族が絶滅しないという意味を含むことを明記すべきである。例えば,ある自動車製造会社が負けることによってその隙間には別の自動車会社が入り込むために,自動車産業全体が絶滅することはないが,負けた会社自身は消滅してしまうということだ。つまり,自己の滅亡と種全体の絶滅を区別して理解する必要がある。逆にいうと,各自がわがままであれば種族全体が絶滅するということを含む。それ以外にも『シカの角が大きくなったのは他のオスに勝ちたいから』という表現よりも『より大きな角のシカが高確率で子孫を残せたためにその形質が選択圧になった』の方が正しいと思う(これは他の進化論の本にも言える。アノールトカゲなどエピジェネティックな変化を除く)。細かく言えば,イクラとタラコの大きさの違いの根拠も説明不足である。 全体としては良書と思うし,著者の理念は素晴らしいと思う。学者としての業績も優れているとおもう。できれば脚注などを加えて,もう少し詳しくしてほしかった。先の難点を考慮して星4つの評価。 (MM/2008-04-12) 普段我々の生活感では、害虫がいれば駆除したくなるのは当然であるし、選挙ではスキャンダル候補がいれば落選するのは目に見えている。ところが、害虫は退治してしばらくすると、前以上に増えてしまう。スキャンダル候補も、一定期間たつと当選の確率が最も高くなるという。
また、我々は病気を退治するために、医療を充実させてきたわけであるが、充実すればするほど病気が増えるという。 本書を読み進めるうちに、今まで常識で考えられていたことが、シミュレーションや実例から、見事に覆されていく。 進化論による自然淘汰の仕組みを、ゲーム理論によって解説しているが、短期的には相手をだます戦略が優勢を示すが、長い目で見ると「黄金律」に乗っ取った行動、すなわち、どんな人に対しても善行を行うことこそが、最も生き残る戦略であるという。 これは、我々の日常行動にもいえるであろうし、国際関係における日本の取るべき行動にもいえるのではないか。 生物学の世界であっても、我々が学ぶべきものは多いものだと感じた。 (takokakuta/2007-03-13) 自分の人生を振り返ると、たいてい自分の利益のことに
懲りかたまったときには誠実な人とめぐりあわない。 自分が汗して他者のために気もつかずに働いている、 あるいは思っているそんなときは回りを見渡せば ほら、あの人もこの人も自分を守り立ててくれる人ばかりではないか。 こんな単純ではないが、他社の利益を考え夜も寝ないで編んだセーター が気に入ってくれて、という例えだが、そんなときは利益の倍返し三倍返し となってわが身にふりかえってくる。 そんな簡単な人情話でもなさそうだが、この複雑利己主義の社会において 案外優しい心と聡明な頭脳はきみのゆるぎない友人となってくれるだろう。 一読をおすすめする。 (flora/2006-12-25) 弱いものほど生き残る。
この逆説的な思考は面白かった。 生物進化の長期的最適化がゲーム理論によって 理由づけされている。 著者の言う、 「本当に豊かな社会では、弱いものでも不安なく生きて いける社会ではないだろうか。 負けるが勝ちの科学的事実に多くの人が気づき、 目の前の諸問題の数々に関しても短期的な応答ではなく、 長期的な視野で行動選択することが、そういう社会を実現するための 鍵になるはずである」。 これこそがこれからの私たちの生き方ではないだろうか、と 深く感銘を受けた。 競争社会で病んでいく人が多い中、 負けるが勝ち、とステージを降りて、ゆっくりと まわりを見渡してみると、この事実に気付くのでは。 (夢うさ/2007-02-07) 生物の世界は弱肉強食である。しかしながら、生物史と言える長いスパンで捉えた場合、強いものが必ずしも長い期間生き残れるとは言えない。むしろ、環境に適合し、利他的な生き方をしている生物の方が圧倒的に長い間生きながらえている。このことを、本書は分かり易く教えてくれる。これを、人間社会で見た場合、強いものが弱いものを平気で飲み込んでしまう、行き過ぎた資本主義的活動をしている企業は、一時的には良き時代を謳歌するが、長続きはしないことを示唆している。このような意味からも、本書は、生物学の一部として捕らえることに留まらず、社会を見る参考書としても良書である。
(PhysisLinn/2009-01-20)
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百マス計算でバカになる (光文社ペーパーバックス)
ASIN:4334934579光文社(2009-02-24) 寺脇研 売上順位:133761 ¥ 1,000(中古:¥ 288) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:-68
タイトルは売りたいためでしょう。だから許す人が多いと思います
しかし中身がね 算数は医師にも必要でデータを見ながら頭の中で 計算するのが普通です なんとなく化学反応式を頭の中で書いてみて ここでは電子が移動するからえ〜っとエネルギーが〜とかカリウムイオンの濃度が 影響してるのかなとか %濃度だからここまでで何グラムあるから体重55キロとして この程度かとかいろいろ普通に公文や百ます先生の機械的な計算能力のようなものは役に立つ やっぱり細かく算数しますよ 電卓もあるけど暗算もね こういうのってバカなのかどうかはわかりませんが きっとバカなのかもね そこで本書登場 そこまで言うんだったらこの著者はバカになるとはどういうことか及び 百ます計算との直接的疫学的なループのようなものを示すべきだよ それに他人をバカになると断定するからには自分は利口だと言ってることになるし この著者のこういう思い上がりには個人的にはイラッと来るんですが しかしテレビにも出ておられるしゆとりの専門家ということで購入 ☆ 一番の欠点はこの本が科学的ではないことでしょう どこにも冷静な分析がない データが示されていないのが痛い ☆ 普通に書いてあるキャッチフレーズの逆を書いて喜んでるようなところが多い こういうアタマのひとは独創性がないのではとおもう 最初から既成の概念によりかかってるだけだし けっきょく文科省の政策決定をしているときもこの調子で理解が浅かったんでしょう ☆ キャリア官僚として地方の教育庁なんかで出向してるみたいですが そのとき現場の教師を軽蔑することだけを覚えて帰京したのではないでしょうか。 東大卒のキャリア官僚の限界をさとることなしに自己弁護ではね 文系のばあい東大が圧倒的なブランドですが日本の文系方面の専門的な人材供給に ついては考えさせられますね。 ☆ 結論は「自分の頭で整理しろ」 でも何を整理したらいいんでしょうか ゆとりを誤解されたという憤怒の感情だけはひしひしと伝わってきますが ご自身のご子弟は私立の受験名門高で学ばせていながら偏差値教育粉砕のために つまり公立校教育復権のためにゆとり教育を推進すると宣言していた これはごく背信的なスタンスで道義的には許しがたいと感じる父兄は多いのではないですか すくなくともその社会的道義的責任は感じるべき― そこいらの変節お構いなしの大学教授や社会学系の評論家とは違う れっきとした文科省の立案担当者だった人です このひとはもう一度原点に帰るべき 読むと出版社に買わされていることに気づく本―大したことない中身に出たがりの著者という いつもの組み合わせです (デロンギコーヒーメーカー/2009-04-28) 面白い本かと言えば、そうではない。「買って損した」と思う人もいるでしょう。「百ます計算をしているとバカになる」という本ではないのですから。
売らんがためのタイトルにごまかされないようにしましょう。この本は、いつも寺脇さんがあちこちでしゃべっていることをまとめたものです。一言でこの本の中身を説明すれば、「寺脇語録、言いたい放題」てな感じでしょうか。 確かに、なるほどと思う点も多々あります。が、言い方が一方的で、さしたる根拠も示さず、あまり説得力がありません。彼は、この本で強調しているように、「メディアや政府に振り回されて思考停止になってしまってはならない」と言っているのに、「寺脇さんこそ思考停止でキャンキャンほえているだけじゃないの?」と思わせてしまう。これじゃあ、彼が忌み嫌っているテレビ番組のいい加減なコメンテーターとほとんど同レベルじゃないの、と思ったりします。 僕たちが寺脇さんに期待するものはもっと違う。この本に指摘されているようなことは、みんな、日常生活で骨身にしみて分かっていることです。寺脇さん、こんな本を書いていないで、もっとほかにやるべきことがあるでしょう。 本書の内容を大学で若者に講義されているそうですが、おいおい、ちょっと待ってよ、と言いたいです。教育行政の責任者の1人としてこのような(本書でご指摘のような)世の中にしてしまった責任や、悔悟を少しでも感じておられるのでしょうか。ゆとり教育を徹底すれば世の中が変わると言っていたのに、反対勢力にやられて途中で投げ出した挙げ句、一方的にメディアや政府批判だなんて。教育行政の責任的な立場から抜けて自由になったら、何でもかんでも言いたい放題なんて、ずるいよ。ゆとり教育世代も、その前の詰め込み教育世代も、「教育が変わる」と期待をしたすべての寺研ファンへの背信行為の書です。 タイトルで「バカ」を作る道具にされた百ます計算がかわいそう。 (てらけん応援団/2009-05-03) 衝撃的なタイトルに惹かれて買ってみたのですが、タイトルの「百マス」に関係する話は20ページぐらいで終わってしまい、全体の10分の1もありません。おまけに、百マスでバカになったというデータは示されておらず、「百マス計算で算数が嫌いになり、それがきっかけで不登校になった子どもを知っている」と書いているのみ。平成18年度で小中学校の不登校児童生徒の数は約20万人であるから、その中の何人が、「百マス計算で算数が嫌い」になったことが原因であるのか、ぜひ説明をしてほしい。
私は(そしておそらく陰山氏も)百マスのみで教育問題をすべて解決するような効果があるとは思っていないが、あまりに酷い著者の思い込み、あるいは作為にあきれ返ってしまった。この後に続く「常識を疑え」という著者の主張にも首をかしげたくなる点が多々あった。このような人物がゆとり教育を先導し、教育現場に多大な混乱をもたらしたことへの反省もなく、いまだにマスコミに登場したり、著書を発行したりしていることに疑問を感じる。 本書のほぼ終盤にさしかかったところで「百マス計算で頭がよくなるはウソ。もちろん百マス計算をやるとそれによってバカになるというのもうそ」などと書いており、このような人を馬鹿にした人物が文科省の重要ポストに就いていたということに憤りを感じる。 (eplp17/2009-04-05)
道楽者の教育論 ||
この著者はゆとり教育で一躍有名になりましたが、落語評論家とピンク映画評論家という顔も持っています。ま、道楽者なんですね。ご結婚はされていますがお子さんのいない(子育てをしたことない)この著者が文部科学省で子供たちの教育問題に携わっていたことがそもそも噴飯ものです。快楽亭ブラックさんの話しによるとこの方は大変なSMマニアなんだそうです。
(せなかがかゆい/2009-06-11)
著者は百マス計算では頭は良くならないと主張する。
確かにそうだろう。 しかし、基礎的な計算が身に付き、しかも早くできれば、その先の応用もより有利だ。 学生時代も、社会に出ても、コンビニで買い物をするときも、 ちょっとした、足し算・引き算のスピードが早い人は、ものすごく有利だ。 計算が速くて、損をした人はいないだろう。 それを、一概に否定する著者の論法は、木を見て森を見ず、ではないだろうか。 (teabook/2009-04-11) 「常識に染まった大人たちに贈る「物事の考え方」の本である。
全6件のレビューを表示しています。本書を読んで冷静な判断力をつけていただければ幸い。 さぁ、まず常識を捨てるところから始めよう。」 ずばりこれが著者のメッセ−ジです。 まず、この本で使われる用語解説から。 <バカ>=思考停止=他人やメディアに乗せられて自分の頭で考えずに信じ切る <頭が良い>=自分で考える==未知のものに法則性を見つけ行動に活用する 百マス計算で頭はよくならない/平等なんて、くそくらえ/ 日本は科学技術立国を目指すな/文化予算はゼロにしろ/ マスコミは弱者の敵である・・・・などなど いずれも常識をひっくり返すような問題提起であるが、 著者のいう「バカ/頭が良い」の切り口からとらえなおしてみることで、 なるほど、そんな見方もできるのかと、新たな気づきを提供してくれる一冊である。 本著のタイトルでもある百マス計算について見てみると、 「子どもの自信をつけるツ−ル(手法)」であり、 それ以下でもそれ以上でもないと理解をすることにより、 それなりに納得できる。 要するに「学力向上」という一面的なアプロ−チではなく、 その背景にある教育観(競争/共生/ゆとり)のとらえ方が大切なのだと思えてくる。 「本に書いてあることも一つの情報として受け止め、自分の頭で整理していただきたい。」 という著者のむすびのメッセ−ジを、 これからの読書にあたっての自戒としたい。 (南河内太郎/2009-03-16) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:2.0 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
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知の編集工学 (朝日文庫)
ASIN:4022613254朝日新聞社(2001-02) 松岡 正剛 売上順位:8093 ¥ 672(中古:¥ 270) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:56
著者の捉える「編集」は、一般的な「本を編集する」などの意味とはだいぶ異なる。著者は「編集」を、人間だれもが生活で行っているものとして、捉えている。それは、世の中に溢れる情報を頭の中で整理したり、他の人とコミュニケ-ションをとったりといったようなことだ(もちろん、それはごく一部にすぎない)。
「編集工学」とは、ごくかんたんにいえば、そうした人間の生活が編集作業をする方法やシステムを探っていくというものだ。たとえば編集技法にも「収集」から始まって、「創造」にいたるまで、64に細分化されている。この本の中には、モノゴトの分類分けがよく出てくる。 また、その編集工学の支えとなる、知識の量も膨大である。マルチメディア発達の場についてなど、物語のプロトタイプや理系・文系といった枠を超えたバックグラウンドの数々が披露される。編集というものに興味がない方であっても、教養を得ることができる(それも編集の一部)。 読んでいてとくに驚いたことがふたつあった。 編集工学ということをなぜ、著者が考えるようになったのか、その動機が意外なまでごく個人的な体験から来ているものだったということだ。 そして、そのごく個人的な体験から編集工学を体系化するまでの間に、著者が行ったエクササイズの全貌だ。ぼおっとしていると頭の中に浮かんでくるモノやコト(情報の断片)を、そのままの状態にしながら観察するという、とても高度なエクササイズをして、頭の中の編集状態を調べていったという。たんに得られた知識を編集して編集工学の体系をつくったのではなく、そうした実験がなされていたのだということに驚いた。 (漆原次郎/2004-07-03) 「編集」者とだけあって、文章の中には様々な領域の知見が入っており、素直に知的に楽しめる。学問では難解な概念も入っているが、筆者の「知の編集」という概念に絡めて比較的易しく説明されており、門外漢でも十分楽しめるだろう。
(本の鈴虫/2006-10-04)
数多く出ている著者の編集工学の本の中でも一番簡単に まとめて書かれている本です。 そして一番本業(編集工学そのもの)について書かれている本なのではないでしょうか? ただし文庫の為、膨大な編集工学の項目一つ一つを読み解くことは難しく、分厚い本で一項目に一章を費やすか、 一項目について一冊くらいのボリュームがちょうど良いと思います。 しかし、これだけ見ても編集工学の一端しか知ることが出来ません。 自分の中で編集を繰り返しながら、もう一度基本に立ち帰ってみるときにちょうどいい本かもしれません。
(jiateng4/2008-02-22)
編集とは関係の発見をすることだと確信する著者が、該博な知識を動員して編集の意味について解き明かし、その技術をマスターする秘伝について語っている。何度も受け入れる日本人にとって枠組みをつくり、システム思考の基本の分類を試みるのは苦手だが、それが編集の基本だということを明らかにし、編集の創発性にまでたどり着く過程は刺激的だ。情報化といわれている現代にあって、著者のような多角思想の人が導き役をすることで、混迷の時代を抜け出せるように勇気付けられたと思う。二十一世紀に活躍する社会人になるために、意欲的な姿勢を持つ学生たちに一読を勧めたい。
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「編集」という単語から連想されるイメージと、本書で語られる編集の意味は大きく違う。
全5件のレビューを表示しています。本書では、共働きの主婦が、「仕事」、「家事」、「育児」を同時にうまくこなす能力こそ、「編集力」に他ならないと喝破している。 今まで漠然と理解してきた、編集という単語の定義がその瞬間に腹に落ちた。 であれば、編集とは生きていく事そのものではないか、という疑問は本書を読み終わった時に読者の腹に綺麗に落ちるだろう。 それにしても、日常の何気ない思考、思索からここまで論理を構築してしまう、著者の編集力には驚くばかりである。 (/) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
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