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フラット革命
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ASIN:4062136597
講談社(2007-08-07)
佐々木 俊尚
売上順位:19818
¥ 1,680(中古:¥ 235)

レビュー総評点:111
既存メディアの権威が低下し、マスメディアの提供する情報と
一般ユーザーの価値が「フラット」になる世界を占った本。

といっても本書の語り口は決してオプティミズム一色というわけではない。
(もちろん、アンチネット本であるはずもないが)
メディアの担い手にさせられた「ネットのあなた」に
突きつけられた重い課題を鋭くえぐっている。

これぞジャーナリストの仕事と言える一冊です。
フラットな世界に凡百の言論が生まれようと、
これだけの仕事は誰にでも出来るものではないと思う。

ネット嫌いな人もマスコミ嫌いな人も、
あるいはそれぞれ逆の人も、
この本は読んでおいた方がいい。

(どあーず/2007-08-20)
筆者の格子は
(1)インターネットの出現により、マスメディアには「匿名言論の登場」「取材プロセスの可視化」「プログ論断の出現という危機の発生
(2)マスコミは総質社会ではないのに総中流を代弁する「われわれ」が記事を書いている。
(3)インターネット社会では「われわれ」でなく「わたし」という個人が枠組みを超えている。
(4)共同体構造は消滅し、社会に対してシビアになっている。
(5)マスメディアの「公」が消滅しつつある。
(6)ネット上の議論は誰でも見える。これが「わたし」が実質「公」となりつつある。
(7)以上から新たな民主主義が生まれつつある。
ということだと思う。将来、ラディカルな民主主義につながっていると思われる。
近未来予想として、面白く読めました。 (ハスキルfan/2007-10-09)
「ことのは」とか「出会い系嬢の憂鬱」のような
マニアックな事例を引いて、目の覚めるような
論考をやってのける切れ味の鋭さはさすが!

ネット中毒の人はいざ知らず
フツーに暮らしていたら死ぬまで気づかないような
問題提起がつまっていて、内容は充実している。
新書の倍の値段だけど十分元が取れる。
内容的には間違いなくこれまでの佐々木本の中で最高傑作といえよう。

惜しむらくはタイトル。
タイトルが某ベストセラーを連想させるもので
なんか俗に媚びた感じがしたのでマイナス1。
まあ、内容に齟齬はないんだけどね。
(山田のキモチ/2007-08-22)
ウェブの出現とインターネット・インフラの整備は社会に大きな変化をもたらした。それは、mixiなどのSNSや、2ちゃんねる、ブログなどによって起こった。それぞれ程度は違うがそれ以前とは圧倒的に違う点がある。発言者の地位や年収など立場に影響されず、発言内容のみに価値が見出されるということだ。これが本書のテーマであるフラット化した社会を構成する要素となっている。

大手メディアが流し続けてきた情報は以前は大雑把に「間違っていることもあるが、まぁたいていは正しいことを言っているんだろう(だって信頼できるメディアが流しているんだから)」というふうに見られていた。しかし、インターネットの出現で個人がさまざまな情報にアクセスできるようになり、また、才能のあるブロガーが自由に的確な批判を権威のある記事や人物にするようになり、以前、漠然と信頼していた媒体が相対化され価値が下がってくる。発言したものよりも、発言そのものが大事になってくる。

しかし、そうやってすべてがフラット化してしまうと、危険な言論が出現したときに以前は新聞やテレビという「公器」が果たしていた防波堤の役割は誰が担うことになるのか。そいういう疑問が提起される。この疑問に対し、著者は互いに批判しあい議論を戦わせることで公共性が立ち上がっているのではないかと書いている。

少し前に「『みんなの意見』は案外正しい」という本などによる「集合知」がネットの本質としてロングテールとともに流行ったが、これは実際に機能していると思う。互いに批判しあうことでおぼろげに立ち上がる議論の空間の雰囲気は案外皆が受け入れやすい妥当なところに落ち着くのではないかと思う。これは、安心できるけれど窮屈な、権力と服従が支配する以前の社会に比べて住みやすいものになるという感じがする。

たとえその新しい社会に参加する人々が以前に比べ分断されていて孤独な戦いを日々戦い続けなければいけないとしても、その戦いの中でセレンディピティという偶然で幸福な出会いを多く経験することができるならば、以前に比べて幸福度の総計という点で考えればそれは高まるのではないかと思う。 (mbookdiary/2007-10-10)
本書はおもにインターネットがもたらした変化,とくに言論のフラット化 (匿名でも権威があっても「何を言ったか」だけで判断される) と,ウィキペディアなどにおいて意見の集約が困難になっいること,セレンディピティによって人と人とが出会いやすくなったことについてのべている.しかし,それと同時に日本において 2000 年代前半に「戦後世界」のわくぐみとそれを象徴する共同体が完全に崩壊した崩壊したことによって人々がばらばらにされたこともフラット化のひとつであり,それが「出会い系」へののめりこみを生んでいることも指摘している.このようなネットだけにとらわれないはばひろい視野はまなぶ価値がある.
(Kana/2007-10-01)
 タイトルに魅かれもっとオプティミスティックなビジネス本だと思って読み始めたら良い意味で期待を裏切られた。

 本書は既存メディアとネットメディア(メディア、と言い切れない部分もあるが…)の違い、お互いの嫌悪感を豊富な取材、実体験を通じて描いている。

 インターネットメディアが登場した当初、大手マスコミ人はそれを軽んじ「便所の落書き」と侮るキャスターもいた。その一方、自らは「社会の木鐸」を任じ、「ネットに匿名で書いている奴らは責任感がない」ゆえに「公」ではない、と言い切る既存大手メディアは、放送法で縛られる許認可事業であったり、記者クラブ制度や、政府や公共機関からの情報提供をあてにする引き換えに報道に偏向がある部分もある。
 ネットの普及に伴い、こうした偏向を嫌い、またそれぞれが高度な専門性を持った個人が(既存メディア記者はどうしても広く浅くになりがち)それぞれの知見を公開し、すなわちネットでは大手メディアにはない情報を与える理想の場になるかに思えたが…

 というのが前段で、しかしネットにもやはり欠陥があった、というのが特に著者の実体験にもとづく「ことのは事件」で顕著に描かれる。大物政治家、大手メディア、人気ブロガー、出会い系にハマった女性など、多くの取材に基づくレポートはやはり新聞記者出身とうならせる。事件と言っても何か犯罪が行われているわけではないが、まるで面白いミステリーのように一気に読んでしまった。

 もちろん、大手メディアには優秀な記者が豊富な人的ネットワークを活かして取材する力があるし、ネットにはどんな個人も発言することができる、すなわち究極の民主主義が存在する。双方にいいところがあり、欠点もある。情報を受ける側はそれを取捨選択していくほかにはないのであるが。 (antibush/2007-08-25)
 今まではマスコミの権威による「誰が」書いたのかが重要であったのが匿名記事の増加に伴い「何を」書いたのかという内容重視になってきています。誰もがマスコミと同等の発言力を持つ可能性がありネット社会によりマスコミ権威が脅かされている現状をフラット革命と呼んでいます。

 著者の膨大な取材により非常に内容の濃い1冊になっており楽しく読めました。結論としては失われた「公共性」が必要(しかしシステム化はほぼ不可能か)ということですが、問題提起としては有益な本であると思いました。ただしネット社会とは言っても本書ではあくまで日本国内のみ取り扱っていますので注意が必要です。

 新聞は絶対だと考えておられる年配の方々に是非読んでいただきたい良書だと思いました。 (読書好き/2008-02-25)
氏はウエッブ2.0関連の著作が多く、少なからず私も読ませていただいたが、取材の濃さは本書が一番ではないだろうが。
自身が元マスコミであるということから来る使命感もあるのだろうが、冒頭の「元マスコミによるマスコミ批判」とでも言うべき某大手新聞社との対決劇は特に秀逸だ。 (mikeexpo/2008-02-07)
深みがあっていい本だと思います。

最近のインターネット関連の書籍のほとんどがビジネスサイドに関するものばっかりであったのに対して、この本は人間そのものがどう変わるのか?公共性はどうなるのか?社会はどうなるのか?といった問題意識を提起している。

一種のルポルタージュになっているので、サっと読めるものでもないが、読み通せば確実に、これは考えなければいけない問題だなという、宿題に似た感じを与える本である。

特に、匿名性が維持されるネット内において建設的な関係性・公共性をどう維持していくのか?という点は深く考えていかなければいけない問題だろう。

ネットビジネスの事例やチャンスを求める人にはフィットしませんが、一種の社会学上の重要な問題意識を提起することに成功していると思う。 (アマゾン太郎/2007-10-17)
「グーグルGoogle−既存のビジネスを破壊する」、「ネットvs.リアルの衝突−誰がウェブ2.0を制するか」などIT・ネット分野に関する著作で有名なフリージャーナリストの佐々木俊尚氏 の最新作。

「フラット」といえば、トーマス・フリードマン氏の「フラット化する世界」 を想起するが、まさにインターネットという新しいテクノロジーの出現で世界がフラット化する中で、マスメディアと個人の激しい相克が始まっており、フラット化とは何か、これからどういう革命が起こり、僕らの住む世界がどう変わっていくのかについて筆者のネットに関する深い知識に基づく興味深い知見が示されている一冊だ。

そのプロローグには私たちの世界に起こりつつある革命的な変化の象徴として、昨年のタイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」としてその表紙にパソコンの画面にミラーを貼り付けた「You(あなた)」が引用されている。(YouTubeやブログ、SNSといったウェブ2.0の出現で今や個人が力を持ち、世界を変えようとしているという意味で今年の主役をパソコンの中の「あなた」としたもの。)

僕がこの本の中で最も興味を引かれたのは、インターネットにおける匿名性の問題だ。佐々木氏は、匿名だから信用できない、匿名だから無責任として、いまだにブログなどの個人のインターネットメディアに対して否定的、もしくは攻撃的な姿勢をとり続ける大手メディアや柳田氏などの一部知識人とは一線を画し、いまだ混沌の中にはあるもののインターネットという力を得た個人は匿名すなわち、肩書きや権威に頼ることなく、ロジックがしっかりしていれば大手メディアもかなわないような力を持ちえると力説している点だ。彼は言う。

「その世界では、匿名というだけで否定されることはない。情報源がきちんと提示され、そこから展開されたロジックが説得力を持っていれば、匿名言論であってもきちんと評価される。もちろん、16歳の高校生でも、小学生であろうと80歳の高齢者であろうと、あるいは会社経営者でもフリーターやニートでも、その属性や社会的地位によって評価は揺るがない。」(P.276)

この事実は権威にすがる人達にとっては、とんでもなく不愉快な出来事だ。だからこそ、匿名性を攻撃しているとも見える。

かくいう僕もブログやMixiが生活の一部になっており、インターネット上での意見交換でそのことを痛切に実感している一人だ。これから何が起こるのか、そしてその革命的変化の中で自分をどう表現し、ふりかかってくるリスクをどう避けるか、いろいろな示唆を与えてくれる一冊だ。

ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を楽しんでおられる方、インターネットでのやりとりに一抹の不安を感じておられる方、メディアの行く末に関心のある方、必見の書です。
(ラッキーメンタイ/2007-09-14)
 著者のこれまでの本には刺激されることが多く、今回も大きな期待をもって手にしました。しかし本書は私には少々難しく、だからこそ"food for thought"ともいうべき事柄が数多くありました。私自身が考えるべき課題として以下の点を書き留めておきます。

1)難病の少女が米国で心臓移植を受けるための募金活動を、あるブログがこう批判したとあります。(20頁)「心臓移植を必要とする患者数は、提供される心臓の数を上回っており」、少女が「救われる確率が増える分、リスト入りしている他の患者が死ぬ確率が高くなるだけ」。だから「一人の命を救うためにとてつもない大金を集める」活動は「(臓器を横取りされて死にゆく患者)を殺すことを幇助している」。
 ということは募金によって少女の渡米が実現すると誰かから臓器を横取りする事態が起きるということでしょうか。移植待ち患者の順番づけに(横取りを許さないような)厳格な規定はないのでしょうか。
 仮に横取りが起こるとしても、批判すべきは募金活動ではなくて、横取りしないと救われない命があるという今の移植事情のほうではないのでしょうか。

2)「公共性」はこれまで、メディアに登場する知識人たちが担保してきたが、ブログの拡大によって今や無数の「わたし」が公共性を担保する新しい時代になるという見方が綴られています。(277頁)
 しかし、私や私の周囲にいるサラリーマンの多くは無数のブログに目を通す余裕はほとんどありません。ブログによって公共性が担保される時代が来ると、私のような時間のない者はその公共性から排除されてしまうのでしょうか。
 また、書かれている内容に大きく頷けるようなすぐれたブログを書ける(公共性を担保できる)ブロガーと、ノイズしか書けないブロガーとの見分けは、私のような駄文しか書けない大衆にはかなりハードルの高いことです。どうしたらよいのでしょうか。 (yukkiebeer/2007-11-04)
事実に即してない部分が多くて ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
通常、事実を積み重ねた上に意見を書かなければならない物だが、
結論有りきの意見の元に事実をよりわけていて残念です。
中でも毎日新聞の記者の項は、毎日新聞記者Iの私的な携帯番号を
ばらまいたのは誰なのか、佐々木氏は知っているのに、
Gという男という記述をされておらず、逆に毎日新聞の記者の事をIとだけ表現している上、
GがIの番号をばらまいたり私的な携帯に電話をした事をわざと抜かして書いてあって残念。

全部イニシャルか、全部実名で書いた上、事実を書くべきだった本。 (アマゾン一郎/2007-08-09)
「次世代ウェブ」という新書で気に入った、佐々木俊尚さん。この本では、ネット社会の流れを手放しで喜ぶばかりではなく、ネガティブな部分もあわせて紹介してあり、文章のキレもよく、すばらしい本でした。

この本の構成はおおむね4章に分かれるのですが、最初の章では、1999年に筆者が毎日新聞記者だったときのエピソードが紹介されています。

個人が事故現場の写真をネットに掲載し、それを毎日新聞が問題にした(つまり、責任あるマスコミならいいが、責任をともなわない個人がそんな報道まがいのことをしては良くない)というエピソードです。今なら普通のことですが、当時は筆者によれば「新聞社のインターネットに対する拒絶反応があった」ということで、ネット叩きが起こったようです。

そのようなエピソードから始まる本書は、いかにもネット礼賛に進みそうなのですが、そうではなく、ネットで起こっているリアルな問題にも触れているところが興味深かったです。

たとえば、Wikipediaの編集合戦や、「加藤の乱」について、加藤紘一がインターネットに乗せられてしまった面があること、そして最終章、筆者自身も巻き込まれたという「ことのは事件」の丁寧な紹介。そこでは可視化、が大きな論点となっていました。

これらをまとめると、第4章のタイトルにもあるように、「公共性を誰が保障するのか」という点が、筆者のもっとも関心のあるところなのかもしれません。

>世界で起きていることすべてがフィルタリングされ
>しかし砂糖菓子のようにくるまれた安心社会に
>戻るのか
>それとも生々しい現実と相対することが可能で
>しかし自分の頼る場所も見えなくなった浮遊社会
>へと歩みだすのか
>つまるところわれわれは、この二つの世界観の
>選択肢に迫られているのである。

本書で明らかに述べられているのは、既存の知識提供システムはもう終わっているということ。だけど、ではどうなってゆくのか、ということは、まだ誰にもわからないのでしょう。また数年後、この筆者の考えを読みたいなと思いました。

わたし自身はインターネットを楽しく使うだけの素人ですが、そんな素人にとっても面白い時代になったなあと感じています。これからの変化を興味深く見つめてゆきたいと思いました。 (miyama/2008-12-16)
  「フラット革命」という威勢のいいタイトルとは裏腹に、本書のテーマは“フラット化が生み出す新たな難問”に収斂していく。これまでの著作では、元新聞記者ならでは手腕でグーグル、ウェブ2.0といったネットのリアルが客観的に整理、提示されていたが、本書では自らもネット上の事件の当事者として登場するなど、その趣き、肌合いを変えている。だが、この混沌、未整理、未決着こそが今のネットのリアルだろう。マスコミによる一面的な<われわれ>は崩壊し、ネットの<わたし>が増殖するという流れは誰しもが感じているはずだ。一方で人は自らの世界観の中だけでは生きていくことが出来ない。「どのようにして私は外の世界につながっていけばいいのか?」という欲望はネットの出現によって逆に強度を増している。大塚英志の言う「公民の民俗学」という一種の理想論が本書でも語られている。“つまりは個の確立こそが、公共性につながっていくという考え方”。ところがそれってやっぱ一筋縄ではいかないんだよな。“つまりはフラット化が過度に進行すれば、<公>が消滅してしまうのではないか”というアンチテーゼも著者は指摘している。
  もうひとつの、“リアルの人間関係と、オープンな情報共有”の折り合いって論点も難しい問題だ。著者は、“ネットの世界での評価が、そのままリアルの世界での評価とイコールになる時代は、まもなくやってこようとしている”って言うんだけど、僕はそれはちょっと?と思う。ネットとリアルの部分的な互換はあってもいいけど、まったく重なっちゃうのは勘弁だ。逆に、ネットにリアルが、リアルにネットが全面的に流入していかないようにする弁が必要であり、そのひとつの可能性が「匿名」だ。著者が原則認める「匿名」については僕も同じ考え方で、「匿名」はネット上で人格を持てばいい、つまり「通名」的「匿名」は絶対あって然るべきだと思うのだ。 (盥アットマーク/2007-12-15)
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インフォコモンズ (講談社BIZ)
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ASIN:4062820927
講談社(2008-07-17)
佐々木 俊尚
売上順位:82959
¥ 1,365(中古:¥ 809)

レビュー総評点:-3
「情報を軸とした新たな共同体」が生まれてくる・・・。普通にネットを使っていれば体感していること(mixi上の人間関係と実際の人間関係との問題など)が羅列されていて、読み通してみても、どういう理由でそういう結論になるのか今ひとつ、ぴんとこない。この本を読み終えて思ったことは「googleとSNSの次に来るのはなんだろう?」ということぐらいでした。 (toto/2008-08-05)
 現在,圧倒的に時代を牽引しているグーグル。しかし,そのグーグルの先にいったいどのような世界が広がっているのかを大胆に予測した本。公と私の間に,中間共同体(マジックミドル)としてのインターネットの存在がどんどん大きくなり,リアルな世界にも影響を及ぼしている。著者は,それを情報共有圏(インフォコモンズ)と名付け,今後インフォコモンズがどのように発展していくのかを考えている。人々が,実際に欲しい情報を手にし,かつ他者に求めている情報を的確に配信するためには,このインフォコモンズの発展が欠かせない。それは,現在のグーグル検索やSNSでは不十分であると指摘している。グーグル検索では,適当なフレーズを入力しただけでは,欲しい情報が手に入らない。現時点では,欲しい情報を手にするためには,グーグルをそれなりに「使いこなす」必要がある。また,SNSでは自分のすべての情報を他者に配信してしまうため,情報を必要としていない人にまで無駄な情報(ノイズ)を配信してしまう。今後,インターネットの世界に求められるのは,一人の人間が,各ジャンル別にそれぞれのインフォコモンズを共有し,自分にとって必要な情報を的確に得ること,またそれだけでなく,自分が意識すらしていないが有益な情報を得る機会(セレンディピティ)をも得ることができる世界が求められている。この本で,著者はその必要性を誰よりも予見し,私たちに明示してくれている。
 そして,それこそがウェブ3.0とも言える新しい世界の始まりとなる。著者はそれが2010年頃になるだろうと考えている。本文中にあるウェブ3.0の定義「非集中化(デセントラライズ)した私」についての文章は,非常に説得力があった。 (長谷川 純一/2008-08-15)
何人か同じ感想をもたれているのでちょっと安心しました。
言っている個々の状況はわかるのですが、「だから何???」と思うことが多数。
結局インフォコモンズってなんなの??ということは解決しないまま。

多数、漢字に英語のルビを振っているのも読みにくさ・理解しにくさを助長しているかも。

何度も読めば理解できるのかもしれませんが、読みにくさで私は断念しました。 (Turtle/2008-10-23)
「情報を軸とした新たな共同体」=インフォコモンズという考え方をもとに
人−ウェブとの関係、ウェブを介した人−人との関係についてのあり方が
書かれている。
実在するネット上のビジネスを用いて書いてあり非常に読みやすかった。








(田中田/2008-07-23)
情報共有圏という造語を軸にWebの今後を抽象的に占う本。超抽象的レベルでの議論となっていますので、抽象アーキテクチャを決定するポジションの人は参考にしてみてはいかがでしょう。そんなに難しいこと言わなくても勝手にネットは進化していきますよというスタンスもありだとは思います。 (たこたこ屋/2008-11-06)
ひとが情報にアクセスするときの枠組みあるいは文脈を著者は「情報共有圏 (インフォコモンズ)」と呼んでいる.このことばじたいは「場所」とむすびついているが,著者はむしろひとのグループとむすびつけている.情報検索における絞り込みも情報共有圏のひろさを制御するものだととらえている.いずれにしても,きわめてあいまいな概念である.

著者はユーザごとにこの情報共有圏を適切に選択するためのしかけが「暗黙 (インプリシット) ウェブ」,たとえばフェースブック・ビーコンのようなしかけだという.そこでは情報共有圏を適切に設定するためにさまざまな技術がつかわれるが,困難がおおく,たとえばマイクロソフトはベイズ理論をつかったユーザ支援で失敗している.そこで著者は Web 3.0 を登場させ,さらに考察をかさねている.

いろいろな知識が動員されくみあわされているが,それで現在の状況になにがつけくわえられ,問題が解決されるのか,私には理解できない.
(Kana/2008-09-07)
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ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)
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ASIN:416660595X
文藝春秋(2007-10-19)
佐々木俊尚
売上順位:11024
¥ 767(中古:¥ 300)

レビュー総評点:31
目次に書いてある20の論点を眺めた時点で、本書を読む価値のうち50%は押さえたことになると言ってもよいでしょう。
(それぐらい、何が注目されているか、を知ることが重要な世界ということ)
あとは残りの50%を手に入れるために買うかどうか、ですね。

本書ではひとつの論点について数ページで語っている(というか20個も論点出しちゃったから数ページしか語れない)ので、ひとつひとつはちょっとした長めのブログ記事を読む感覚です。
これをよしとするかどうか、意見の分かれるところかと思います。

普段からIT関連のブログや記事を読んで「ネット未来地図」を描いている人であれば、目次を眺めるだけで十分かもしれませんね。

ただ、佐々木俊尚さんがいま何に注目しているか、それに対してざっくりとどのような判断をしているか、短時間でネット界全体を鳥瞰できるのはありがたいところ。
とりあえず買ってみてサクッと読むのが正しい使用法でしょうか。

いずれにしても変化の激しい世界についての未来地図なので、気になる人はいますぐに買っていますぐに読みましょう。 (のいのい/2007-10-24)
20のトピックに関して事象を上手くまとめており、自分のように、この分野にとりたてて知見がある訳ではなく「現状の今後の行方についてのひとつの見方」をクイックに知っておきたい」というニーズで本書を読む者にとっては、簡潔ながらも各トピックを構造的に描写してくれる著者の視座は、非常に分かりやすく有益である (勿論他にもいろんな見方はあるのだろうが、それは他の著者の本を読めば済むことである)。
また「ウェブ2.0の本質はデータベースである」(215ページ)という見方は、本書を読んでみると納得がいく。Googleの検索は言うに及ばず、Amazonの「お勧め」、携帯電話での新しい収益モデルの模索、POS, テキスト・マイニング, RFID等々は全てデータとanalyticsに関連しているし、自分の仕事との関係で考えても、この潮流が及ぼす影響は極めて大きそうであることを改めて認識した。また、Googleその他のネット勢力が既存の産業や収益モデル(テレビ・新聞・雑誌・広告・携帯電話等々)を次々と塗り替えていく様子が伺えて面白い。
(thrivingonrandomness/2007-12-14)
なるほど〜とうなる部分が多々あります。しかも普段感じているモヤモヤした事柄を最新の事例や傾向を基に、明快にその潮流をわかりやす解説してくれており、読み終えた後は非常にスッキリした気分にさえなりました。

アマゾン、行動ターゲティング、Google、新聞、テレビ、雑誌・・・それら20の論点別に詳しく書かれていますが、しょっぱなのアマゾンのサブタイトルからして『アマゾンは日本のオンラインショップを制覇する』ですよ なんと刺激的なコトバかと思いましたが、普段なんとなく「そうなるんだろうな〜」と感じていた部分をきっちり説明してくれています。

ネット業界の住人だけでなく、テレビ、新聞等のプロデューサーやデスク、雑誌編集長やそれらに関わる全ての人達には必読の書であると思います。 (comman/2007-11-09)
 技術としてのインターネットが定着し、利用段階に入った。
具体的なビジネス(モデル)やコミュニケーションの変化、それらがもた
らす社会的影響やパワーシフトなど(多面的な意味合いを持ちながら
ウェブ2.0というキーワードで勝手解釈されている変化)について、
具体例を挙げながら「AはBだ」「CはDになる」なぜならば〜からだ。
という著者の持ち味である明快な解釈を20本披露している。

 ロジカルな文章の組み立て、みんなが知っている具体例を使った理由付け
でなるほど、なるほどと「勉強になった」感が味わえるのは最近の著者の
作品と同じ。それぞれのテーマについて1冊づつ本が書けるようなテーマで
ある。

 背景や前提、ものごとの多様性という観点から、著者の解釈についての適切
さは見方が分かれると思う。
 しかしとにかくここに挙げた20のテーマを切り取ってみせてくれただけで、
本書は充分に価値があるし、あえて著者のロジックの反論を考えてみるとさら
に利用価値が高まると思う。ちなみに冒頭にとりあげられているトピックは
「Amazon」だ。
(ny/2007-10-24)
今までこの著者の本を何冊か読んできたが,その中で最も面白く,読み応えのある本であった。論点を20に絞り,それぞれの特徴についての説明が納得のできる文章で書いてある。特になるほどと感じたのは,論点15の「Second Life」の章。雑誌などで頻繁に紹介されているセカンド・ライフ。しかし,私はそれにまったく興味が持てなかった。使ったことがないのだから,批判はできないと考えていたが,この章を読んで,実際にはセカンド・ライフはそれほど日本で盛り上がっていないことがわかった。そして,今現在,人は何を望んでいるのか。著者はそれは時間/空間の共有ではなく,「つながり」だけの純化であると説く。なるほどと感じた。確かに著者が言うように,同期的なコミュニケーションのツールは,音声電話から携帯電話,電子メール,掲示板,SNSという道を辿っている。セカンド・ライフはそれに逆行しているのである。そして,なぜそれなのに雑誌で頻繁に紹介されるのかという理由もそこには書いてあった。また,私は今話題の「ミクシィ」が好きではない。なぜか,好きになれない。でも,自分自身その理由がわからなかった。しかし,この本を読んで,理解した。それは,ミクシィには「コミュニケーションの強制」というものがあり,返事や足跡を残さなければならないという煩わしさがある。そして何より私が違和感を感じたのは「知人に自分の日記を積極的に見せようとする姿勢」である。そこには,「寂しさを紛らわせたい」という人間の弱さがあるような気がして仕方がない。悪い言い方をすれば,「ミクシィ」は,その人間の弱さに付け込んだのだ。まぁ,それを気づけない人達も悪いのだが。むしろ,返事をすることを積極的に期待しないブログの方が私には馴染める。その方がより「人間らしい」ということだ。著者が紹介している「トゥイッター」や「ドロップシッピング」は私は知らなかった。機会があれば試してみたい。 (長谷川 純一/2008-04-02)
 最近の新書ブームは 出版界の一大ニュースなのだと思う。

 このブームに関しての分析というものを余り見かけない気がするが「本の賞味期限」という点で 中々革命的なのではないか。

 新書とは ある種の季節物であると思う。ある特殊な時宜に 場所を得た新書が大いに読まれる。但し 賞味期限も予め設定してあり それが過ぎると 消えていくという点も運命づけられている。いわば ボージョレヌーボーのような。
 それが 最近の新書ではないかと思う。

 本書も正しく「新書」である。例えば この本が10年後に読まれているかというと それはまずありえないだろう。
 大事な事は それは著者も初めからわかって書いているという点である。本書が扱うネットの未来の俯瞰図は 言葉通りの「俯瞰」だ。この時期 この瞬間という特殊な時宜に 著者が描き出すネットの未来の言説は ある意味では予言であり 占いである。従い 未来が現在になった段階で 予言が当ったにせよ 外れたにせよ 「もはや予言ではない」という点では 同じ事になっている。それが 新書という媒体にとてもマッチしている。

 ネット社会を考察するにおいて「これはこういうことだった」という過去の検証を行う手法と「これは 今後こうなるだろう」という未来予言の手法と二つがあるのだと思う。
 前者が 社会学者の精神であるとしたら 後者は ネット企業家の精神である。言うまでも無く著者は後者の立場を取っているわけだが 著者の出自がマスコミであることより どこかに前者=社会学者の味付けが 本書には漂っている気がする。そういう「味付け」は時として スパイスとして 味や香りを立たせるものだ。そういう一種の香しさも本書にはあり それはそれで楽しい。 (くにたち蟄居日記/2007-11-08)

 Amazon、Google、YouTubeから、Twitter、Wikinomicsといった新しい事柄まで、Web2.0時代の論点を20取り上げた書です。大変読み応えのある一冊でした。

 私が特に注目したのは、放送と通信の融合にまつわる章です。英米では既に放送番組のネット配信が始まっていますが、日本ではなかなかそうした進展が見られません。私はその理由をこれまで、作曲家や俳優など著作権やそれに近い権利を有する人々が許可しないからだと理解していました。
 しかし、著者はこの問題を「コンテナー本位制」から「コンテンツ本位制」への移行という枠組みで切り取って見せます。なかなか興味深い論点です。
 日本では「コンテナー」である民間放送局が広告収入を得るための重要な構成要素として「コンテンツ」の独占を図ってきましたが、例えば米国ではプライムタイム・アクセス・ルール(ネットワーク局は自社制作以外の番組を一定時間以上放送しなければならない)とフィンシン・ルール(ネットワーク局が外部制作会社による番組の所有権をもてない)という二つの規制が70年代に生まれ、「コンテナー本位制」が崩れていたとあります。
 こうした歴史的背景の違いが、日米で放送と通信の融合に差をつけた要因の一つだというのです。

 またメディアが盛んに取り上げた「セカンドライフ」は、一過性のブームに終わる可能性があると指摘します。なぜなら「セカンドライフ」はユーザーたちが空間と時間を共有する同時性を前提としているけれども、それは電話〜Eメール〜掲示板〜SNSと、必ずしも時間と空間を共有しない方向に進化したコミュニケーションツールの歴史に逆行しているからだといいます。これも大きく頷ける指摘です。

 本書は、著者があとがきで書くように、激しく変化するネットの世界に必死でついていくための有効なツールとなる一冊であることは間違いないと思います。
(yukkiebeer/2007-12-24)
あらためて佐々木さんはネット業界を広く深く勉強していらっしゃるという事実を強く認識させられました。自分もこの業界のど真ん中に身を置いて、技術やサービスの移り変わりを目の当たりにしているのですが、佐々木さんは、今、この日本で起こっているWeb2.0と言われるものの本質、あるいは2-3年先の新しいサービスの萌芽を本著のなかで見事に描き出していると思います。

もちろん20ものテーマがあるわけですので、それぞれのテーマの内容は掘り下げたものではありませんが、今と近未来のネット業界の本質について知りたい方にとっては必読の書だと思います。お金を払って読む価値ありだと思います。 (緑禅/2008-04-29)
「グーグルやアマゾンに支配されないで、ウェブ2.0で儲ける方法って?」
ネットビジネスの「マネタイズ」の試みを中心に、最新動向を20の視点から俯瞰する。

グーグルが切り開いた「無料経済」での収益モデルにより、既存メディアが存亡の危機に瀕していることや、ロングテールの塵である個人が「無料経済」の中で収益を上げるための試みなど興味深い事例が紹介されている。

未だ、グーグルモデルを超えるビジネスモデルは登場していない、というのが正直なところだと思うが、極端にイノベーションの速い業界のこと、来年にはまた違った状況になっていることも十分に考えられる。

本書が書かれた07年秋にブームとなっていた「セカンドライフ」についても、「バブルである」と冷静な判断を下している。1年もたたないうちに、事実そのとおりになり、著者の視点の正しさがうかがえる。

気がつけば、一転しているネットを取り巻くビジネス環境。少しでもついていくために、押さえておきたい視点が網羅された一冊。 (ぷりうす/2008-10-13)
フリージャーナリストでIT・ネット分野に詳しい佐々木俊尚氏による、これからのインターネットの動向を模索した一冊。

これまではグーグルをはじめとする「Web2.0」がもてはやされてきたが、これから先には何が起こるのか?
そしてインターネットビジネスはどのように変化していくのか?
YouTube・ニコニコ動画などの動画サイトとテレビ・新聞・雑誌などの既存メディアの関係、セカンドライフがこの先どうなるか、インターネット上の仮想通貨とリアル世界の関わり、などの論点を通してこれからのインターネットの世界がどのように変わっていくのかが述べられている。

「Web2.0」がどのようなものか理解できているうえで、これからインターネットビジネスの将来がどうなるか気になる方にとっては興味深い一冊だと思う。 (shigegon/2008-03-23)
「わかりやすく」「ロジカルに」「今とちょっと先のことが」わかる本。
一冊の本として、キーワードの並べ方に一貫性がなく
書き散らかしたものを寄せ集めたような印象はなきにしもあらずだが、
ダイナミックな刺激に満ちているともいえるし、
ネット進化論に食傷気味の人でも興味のあるところだけ拾って
わくわくしながら読める。

ブログ論壇が既存メディアに拮抗しようとする中、
著者の切れ味の鋭さは鍛え抜かれたプロの矜持を感じさせる。
(こういうほめ言葉は著者にとって不本意かもしれないが)
(どあーず/2008-01-08)
論点を20個にわけわかり易く説明している。2,3時間で読める内容であるため
今ネットで何が起きているのか手っ取り早く知るにはもってこいの本であると思う。
googleにはじまりセカンドライフ、新聞雑誌の今後、amazonなどこの本を読めば
大方のネットで起こりつつある事、未来像なんかが分かって非常によかった。
ただどれもまとめて簡潔に書いているため一つ一つの論点が議論しつくされていないように
感じた。その点を考慮して星4つである。 (半可通/2008-01-04)
IT関連いわゆるWeb2.0に関する20の論点を考察している。
それなりにインターネット利用者として普通の知識があると思っていたら、大間違いであった。グーグルやアマゾン、Youtube等は知ってはいたが、Twitterだのマジックミドルだの知らない事も沢山ありました。オープンソースと言う文脈でリスペクト(尊敬)を基調としていく分野、いかに先進性と斬新性でビジネスにしていくかといった分野が混沌としながら大きな波として押し寄せてきていることは理解できます。
しかしながらITによって全てがデータベース化され、個人や集団あるいは国家の将来予測までが確率論やアルゴリズムで左右されうる恐怖を感じます。鈴木謙介氏のカーニヴァル化する社会 やウェブ社会の思想―〈遍在する私〉をどう生きるか、等を読んだ時と同じ感想です。そこには梅田望夫氏の書かれるIT未来像とはかなり異なる様に思います。
小市民はWeb2.0の大波を上手くサーフ出来ないとしても、さらわれないようにしないといけないと強く感じた一冊である。 (dream4ever/2008-02-16)
本書のタイトルは『ネット未来地図―ポスト・グーグル時代 20の論点』。
大仰なタイトルであるが、読むと1ページ目から金の話である。
最近は「マネタイズ」とかっちょいい横文字になっているらしいが、要は金の話なのである。

本書はWeb2.0世界の、とりわけグーグル以後(「本当にグーグル以後なのか?」はおいといて)を占う20の論点が論じられる。
論点が20個あるということはすなわち、20通りの儲け方について書かれてあるということであり、
この本書のタイトルの「未来」とはすなわち「次のビジネスモデル」ぐらいに受け取っておいた方がいいだろう。

冒頭から、何度も「金の話」ということを強調していてしつこいぞと思われたかもしれないが、私自身タイトルだけ見て読んでみたら面食らってしまった。
金儲けに限定しない普通のウェブ関連の本だと思ったら間違われると思うので、しつこく書いた。 (倒錯委員長/2008-11-10)
2007年のネット世界を概観する20の論点を挙げて今後を占っているわけですが,うまく問題点が整理されています.

Amazonでは過去の購入履歴をもとにお勧めを表示してくれ,なかなかいいところを突いてくれますが,これからは,Amazonに限らずいろいろなサイトで,さらに多くの情報をもとにお勧めを出してくるようになるでしょう.そうすると私たちは,いつも自分の行動が見られているということを意識せざるを得ません.これが本当に私たちに利便のみならず幸せをもたらしてくれるのでしょうか.そんなことを考えさせられる一冊でした.

使ったことのないサービスもいくつか紹介されており,勉強になりました.ネットの現状をざっくりと知るのによいと思います.
(wave115/2007-12-21)
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ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047)
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アスキー(2008-01-10)
佐々木 俊尚
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¥ 790(中古:¥ 87)

レビュー総評点:2
日本で開発が進められている有望なウェブ技術について、
関係者へのインタビューと著者の分析を織り交ぜながら
紹介している。紹介されている技術は、
2ch周辺から出発した検索エンジンや、
ケータイを前提としたライフログ(生活全体の記録)の活用、
ブログ解析、P2Pなど。

こうした技術が本当に有望だという確信を私は持てなかった。
しかし、ウェブ技術の歴史をさかのぼったり
日本の現状の特殊性を考察したりしてこうした技術の
意義や将来性を述べる本書の記述には、学ぶべき部分が大きかった。
また、ITに関連する行政も変わりつつあることも本書で
知ることができた。

本書のタイトルのように「国産」を強調されると、時代遅れで偏狭な自前主義や、
今までのさまざまな失敗例(本書にも出てくるシグマプロジェクトなど)
が連想され、あまり前向きにはなれない気がしていた。
だが本書では、そうした考えをさらに1まわり深く掘り下げてから、
改めて「国産」技術の意義や将来性を論じている。
(鷺宮次郎/2008-01-19)


 Z-80の時代からパソコンと仲よくしている私は、マイクロソフト一色の今の時
代はおかしいと感じています。ワープロソフトはむかしから一太郎を使っていま
すが、ほかのソフトは、ファイルを他の方とやりとりする都合上、ついマイクロ
ソフト社製を使用してしまいます。

 もちろんパソコンのプロフェッサーはマイクロソフト社製です。

 インターネットの検索エンジンもグーグルを使っていますので、ここで日本の
技術者は携帯電話のリナックスのように日本の技術で世界を制覇してもらい
たいものです。

 パソコンがすべてアメリカの技術に頼ることなく国産でなにかできないか考
えてしまう一冊です。
(河岸宏和/2008-02-15)
コアな技術としてハードウェアとソフトウェア。
CPU技術にOS技術。

それに昨今では検索技術が重要なものとして本書ではその中心を解説。
日本国産の技術がどこまで食い込んでいくか。

日本が持っている技術について、触れながら今度の展開についてが取りまとめられた一冊。 (ニャンゴロ/2008-04-05)
著者は巻末のあとがきで、IBMもマイクロソフトも思いの他、凋落は早かった。グーグルもしかり、との説を展開している。
そういった中で、国産ITが覇権を握る可能性があるのだというのが本書の主張だ。

ウエッブの世は、ますます加速してるのだから、その移ろいもますます速くなることだろう。
さて、どういう未来が待ち受けるのか、楽しみにして待つことにしよう。 (mikeexpo/2008-04-02)
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佐々木俊尚
 
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ウェブは資本主義を超える 「池田信夫ブログ」集成
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日経BP社(2007-06-21)
池田 信夫
売上順位:3150
¥ 1,785(中古:¥ 954)

レビュー総評点:32
おすすめ ||||||||||||||||||||||||||
池田氏のブログを通じて氏の物事の本質を鋭くえぐる思考と特定の立場にとらわれない言論に感銘を受け、この本についても興味がありました。
ブログを読んでいるだけでは時に難解で、断片的にしか得られなかった氏の論点を、よりわかりやすい形で理解することが出来、非常に面白かったです。

また、製造業で働く身としてドラッガーの言う’21世紀の製造業は単純な製造業ではありえない’という示唆が、心に引っかかりながら明確には理解できず、実務に結びつけられずにいたのですが、本書で展開される’資本主義の先にあるもの’や’経済理論’によってこの言葉に対する自分なりの答えに近づけたように思います。 (Yoshi/2007-09-17)

 刺激的な書題の付いた池田信夫氏のこの著作は、04年8月から書きためた氏のブログの集成である。従って、コンテンツは様々であるのだけれど、今日におけるグローバル化・デジタル化した資本主義経済との関連を一言で表せば、「現代のいかなる産業もムーアの法則による創造的破壊をまぬがれることはできない」(P.98)ということであろうか。

 確かに、日進月歩する情報通信産業の分野では、インテグラル型の「持続的技術」に対するモジュール型の「破壊的技術」の優位性が明らかとなりつつあるようだ。「技術が経済制度を決める」という前提を措くならば、垂直統合型(製造業型)アーキテクチャは水平分業型のそれに取って代わられる、というパラダイムシフトの像が否応なく浮かび上がってくる。

 とはいうものの、私には、たとえば「Nスペ(NHKスペシャル−引用者)は70分バージョン(試写版)が一番おもしろい」(P.54)とか、外務省と同じようにNHKの内部にも存在するらしい「チャイナスクール」(P.58)の暗躍とか、そういった著者のNHK職員時代の内幕(暴露)話や、日本におけるメディアバイアスの問題などについても大いに興味を引いた。

 無論、著者の専門である情報技術やメディアの未来などに関して、それなりに参考にはなるのだが、論調として独断的(強引?)な箇所もみられる。やはり、本書の後に刊行された『過剰と破壊の経済学』(アスキー新書,07年12月)を併読することで、指数関数的な技術進歩の代名詞といえる、先述した「ムーアの法則」の“破壊力”などが少しは理解出来よう。

 最後に、本書との直接性はないのだが、大江健三郎「沖縄ノート」裁判を巡る文芸評論家・山崎行太郎氏とのネット上の“論争”は、最終的に決着がついたのであろうか…。一介のネットイナゴ(笑)としては気になるところだ。
(仮面ライター/2008-03-14)
慧眼 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
池田信夫は,知る人ぞ知る情報通信分野における評論家だ.元NHKのプロデューサの経歴を持つ著者がTV業界の内幕に詳しいのは当然のことではあるが,さらにくわえて元々の専門の経済学の知識を生かし,日本の情報通信業界を取り巻くさまざまな現象を,極めて深い洞察力によって解説していく様は,著者ならではの圧倒的な迫力を感じさせるものだ.

同タイプの評論家に東大の野口悠紀夫がいるが,野口氏があくまで理論的裏づけを元に現実社会を斬っていくのに対し,池田氏のそれは現実と理論の間の取り方が絶妙なのが面白い.たとえば,インサイダー取引によって利益を得るものがいるのは株式市場の整備が不完全だからである,と考えるのが野口氏なら,池田氏はインサイダー取引規制は株式市場が一般投資家を呼び込むために考えた人為的制度に過ぎず,そもそも市場はインサイダー情報によって成り立っているものだ,と考える.

氏の現実的な視点と理論の二刀流の切れ味は極めて鋭い.経済が専門家の割りにはハイテク技術にも詳しく,日本のTV番組はなぜ低俗化の一途をたどるのか? 日本の携帯電話メーカはなぜ国際競争力を持てないのか? なぜ日本に画期的なIT企業が生まれないのか? などの諸問題について,日経新聞を読むより遥かに説得力のある解説が展開される.

かてて加えて舌鋒も鋭く,「(地上デジタル放送に)こんな横暴なコピープロテクトをかけているのは日本だけである」「日本の銀行はライブドアの1万倍以上の粉飾決算をおこなってきた」「(TRONの失敗)が...外圧でつぶされたという物語に仕立てるのは,歴史の偽造」「NTTとNHKの研究所は必要か」など,まさにわが意を得たり! 多少の経済学的な知識があればより楽しく読めるが,そうでない人にもぜひ読んで欲しい,画期的な評論だ.


(ぴかーど/2007-08-13)

 著者は上武大学大学院経営管理研究科教授。主にインターネットなどの情報産業の動向に詳しい論客として知られる人物。自身のブログに掲載してきた文章を加筆修正して一冊にまとめた書です。

 大学教授という肩書きからは想像できない読みやすい文章を綴るのは、著者がかつてNHKの番組ディレクターを務めた人物だからでしょう。小難しそうな経済問題を老若男女に向けて分かりやすく切り取ってみせる手腕はなかなかのものです。一日で読み終えました。

 著者がみつめる対象は、著作権の延長問題、最低賃金、メディアのバイアス、日の丸検索エンジン、インサイダー取引と実に多岐にわたります。そしてそれぞれについての著者の論を追うと見えてくるのは、現今のメディアによって報じられる経済事象の多くが、実態を必ずしも正確に写し取ってはいないという事実です。
 例えばタクシーの規制緩和によって運転手の労働条件が悪化したという世間でよく耳にする批判に対して(89頁)、著者は資料をたぐって、規制緩和によって運転手3万人分以上の雇用が創出されたと割り出し、収入ゼロであったかもしれない3万人が300万円の年収を得られるようになったと論じます。規制緩和によって労働条件が悪化するという世評は、「今雇用されている人の待遇だけを問題にし、労働市場から排除されている本当の弱者が視野に入っていない」と指摘します。

 言われてみれば確かにそうだ、と思わせる著者の論理展開にいちいち頷かされると同時に、どうしてメディアや政官界はそうした見方をしないのだろうと訝しく思うことしきりです。おそらくメディアや政官界に、事象をきちんと捉えるだけの眼力がなくなっていて、思い込み(といって悪ければ、結論)を先に立ててからその枠に事象のほうを都合よくはめ込んでいくという事態が起こっているといえるのかもしれません。

 世の中を見方がちょっと変わる、大変勉強になる一冊です。
(yukkiebeer/2007-11-10)
・本書のカバーしているテーマは非常に広範囲で、
 各課題について、本質の抽出とその原因分析
 本来あるべき姿の提示など、論理に説得力があります。
・このような方がブログで持論を展開され、それを一般庶民である私たちが
 即共有できる。すごい時代になってきたものです。
・展開されている範囲が多岐に渡っている為、私の書評では要約しきれませんが。
・個人的に「誰かここを指摘してくれ!」と以前から思っていたことを
 ズバリ斬って下さり、すっきりした部分がありましたのでそこを。
・”過剰なセキュリティ要求が「ITゼネコン」を太らせる”の項です。
 −住基ネットのデータは全国民分で10GBほど、
  圧縮すればCD−ROM1枚に入るほんの僅かなデータに400億円も
  注ぎ込み、24時間交代の警備という多大なランニングコストをかけている。
 −この例からも分かるように
  情報セキュリティ分野は費用対効果の評価が最も歪んでいる分野である。
  (ITゼネコンから見れば”濡れ手に粟”ということだ。)
  本来、どういうリスクをどれくらい減らすか、その為にコストは
  どの程度かけるべきかを冷静に評価すべきだが、それが成されていない、と。
 −「万一、事故が起きたら大変ですよ」というITゼネコン=
  大手6社(ex.NTTデータ、NRIなど)の脅し をそのまま丸飲みし
  過剰なセキュリティ要件から「特注」の大型機と専用線を発注してしまうと。
 −その問題は発注する行政側がリテラリーが低すぎることにある。
  (ITゼネコンは税金から暴利を貪っているがそのモラルは
   追求しても仕方ない、とする立場)
 −またその背景に、櫻井よしこが住基ネットで展開したような
  ヒステリックな反対運動も影響している とも書かれている。
→全くその通りだと思う。
 対処方法は一つしかなく、国民が賢くなること。
 (その為にもメディアが冷静に報道することを切に望みます。) (Pt/2007-09-23)
硬派なコラム集である。
難しい言葉も多い。

自分はITについては弱いことを自負しているので、
あまり気にせず読み飛ばしながら進むのだが、
悲しいかな経済についても理解できない(難しくて)言葉が多い。

ただ、おもしろい。
なるほど、ふむふむ、その通り!の連続だ。
著者の紹介する様々なエピソードを読み進むと
自分の日々の仕事が、非効率的で時代を見るピントのボケたものであることがわかる。
実に刺激的な一冊だ。

ただ、タイトルは少しわかりにくい。

(コーヒー牛乳/2008-10-20)
力作 |||||||||||||||||||
官僚/経済界などのプラットフォームの弊害に言及しつつ、国内の
「通信、IT、ネット事業、テレビ、新聞、ネットメディア」分野
が持つ課題を浮き彫りにする。
著者は高い視点から情報通信メディア産業界の旬な課題を詳細具体
的に斬る。業界に身を置く者としては痛快だ。

冒頭に列記した各情報通信メディア産業界は、これまでは全く
別の業界であり、お互い関心も無かった。
しかし、インターネットの影響度が増すにつれ、お互いの存在
を無視できなくなりつつあるらしい。そこが著者や佐々木俊尚
氏の存在価値が高まる所以。

情報通信メディア産業の革新は世界規模で進んでいるが、日本
では内需産業。本書中で取り上げている携帯電話事業に限らず、
日本の情報通信メディア産業界は国内しか見ない。
「内需」が前提ならば、企業にとっては「日本型"システム" by
カレル・ヴァン・ウォルフレン」に寄り添った戦略がベスト。

既得権益を有する既存プレイヤーが最も恐れるのは、イノ
ベーション(より具体的には"破壊的イノベーション" by クリ
ステンセン)だ。特に巨大な利権を国から付与されている新聞、
テレビ、(その上に乗っかった)広告会社、通信の雄はイノベ
ーションを全力で潰す。

IT事業者は閉ざされた国内企業の顧客獲得、規模拡大競争に
躍起だ。
ネット事業者が狙うのは、せいぜい国内企業からの広告費のお
こぼれに留まる。

著者はそんな業界を、バッサバッサと斬り続ける。

著者は情報通信メディア産業界"システム"の中核たるNHKを退
職し、現在は大学教授。"システム"の外側からさらに意見を述
べやすくなったのだろうが、その一方で主体者として"システム"
の改革ができなくなったことはどう整理しているのだろうか?

多くの現役労働者は本書を読んで「そうだよな」と溜飲を下げ
つつ、今日も「文学部唯野教授」の世界に生きる。

結論。関連業界人は、恥ずかしい思いをしないためにも、本書
の知識レベルは最低限必要。 (On the water/2007-10-09)
思いきったことを書く人が減っていると思う。ブログも書籍も、ひとをほめる言説があふれており、批評性が見あたらない。
そういうなかで、池田氏のブログをまとめて書籍にしてくれたのはありがたい。
(東京悟郎/2008-02-17)
 目から鱗な内容が盛りだくさんです。

 普段メディアに接するとき、視野が狭くならないようにと気をつけていても業界の専門用語やWebの記事に踊らされてしまうのが常ですが著者は違います。非常に高い視野から物事を見ておられポイントを見事にズバッと述べられています。

 わたしもIT業界の人間なのでWeb2.0などについてなんとなく分かった気になっており、「こうこうこういうもの」と勝手に解釈していたのですが本質を捉えた著者の記事にドキッとさせられました。


 非常に面白い視野からの記事が多く、時間をかけてゆっくりじっくり読みたいと思える非常に希な良書だと感じました。IT関連の方には特にお薦めです。とても面白く読めました。 (読書好き/2008-03-02)
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ブログを書く意味
SOHO買物帳2007
 
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3時間で「専門家」になる私の方法
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PHP研究所(2007-09-11)
佐々木 俊尚
売上順位:5580
¥ 1,365(中古:¥ 860)

レビュー総評点:0
知っておくと良いこと |||||||||||||||||||||
インターネットの検索によって、効果的な情報収集の方法が
数多く掲載されている。

すぐに活用できるノウハウが詰まっているので、かなり実践的な
本と言えるだろう。

ただし、インターネットを普段から使っている方にとっては、
すでに知っていることも数多くあるので、少し物足りなさを感じる部分もある。

拾い読みをして、自分の好きなところだけ読むのが効果的だと思う。 (常夏/2008-01-21)
Web検索論入門!? ||||||||||||||||||||
Web検索で有用な情報をうまく検索できないという人や
Web検索をどう使えば役に立つか周りに伝えられない人には
効率的なWeb検索の仕方、説明の参考になるかもしれない。

ただ、普段からネットを使いこなしている人は
ちょっと物足りないかもしれない。
(hiro/2007-09-26)
かなり多くのアルファブロガーさんたちが推薦していた情報収集系LifeHacks本。

かなり著書の佐々木氏の「情報哲学」から「情報収集ノウハウ」までが具体的に書かれており、かなり活用しやすい内容。

日経テレコンや2ちゃんねるの活用法についても触れられており、「Google活用読本」的な本よりは数段レベルが高い内容となっています。

ただ「あとがき」でご本人も書かれている通り、「情報収集」に特化した内容となっており、「情報編集」「情報出力」の部分については書かれていない。

ここは自分で補うべき部分ではあるが、正直続編を期待しています。

(adman/2007-10-20)
……………
どんな本?
……………
著名なITジャーナリストが、その情報収集方法を披露した本

………………………………
内容をひとことで言うと?
………………………………
日経テレコンとネットを駆使すれば、3時間でちょっとした専門家になれる。情報のマトリックス念頭に置き、分析角度に漏れがないようにする。

…………………………………
面白かった点、新しい点は?
…………………………………
著者の情報収集を実演公開した点のユニークさはある。

……………
おすすめ?
……………
著者の本は好きでよく読むが、この本は期待外れと言わざるを得ないか。情報収集手法としては、平凡で既知のものゆえ。でも嘘や誇張がない内容といえばその通り。新書ならありえるが、単行本としては物足りない仕上がり。
(N/2008-05-19)
 当方、IT業界の人間ですが当たり前の内容ばかりでした。ただしマトリックスという考え方が明文化されておりそこは参考になりました。

 IT業界の方でなければ、かなり詳細に細かく書かれておりますのでわかりやすい良書にあたると思います。しかしながらGoogleが浸透したご時世である程度は自然に身についていると感じますので「一読の価値はある」という程度の判断として星3つとさせていただきました。 (読書好き/2008-02-17)
著者は元毎日新聞記者であり,現在もフリー・ジャーナリストである.その経験をいかして,記事や提案書などを書くためのインターネットからの情報収集の方法を書いている.その方法はまず,直観的な世界把握 (クオリア) をもとに,必要な情報要素と取材先を縦横にならべたマトリックスをえがいて全体像を把握する.そして,4 種類のインターネット情報源,つまり新聞や雑誌の記事データベース,一般のウェブサイト,個人や企業のブログ,2 ちゃんねるなどのネット掲示板をこの順に調査していく.インターネットをつかった調査は拡散的になりがちなので,「ニューロン型」 という方法をすすめている.これは,拡散的な調査法と直線的な調査法とをくみあわせた方法である.そして,調査途中でのいきづまりをセレンディピティ (偶然の出会い) によって克服することについても記述している.

インターネットで情報収集しているひとは,ある程度はここに書かれたのとちかい方法で情報収集しているだろうが,かならずしも著者ほど確立された方法にしたがっているわけではないだろう.おおくのひとにとって,ここからまなべる点はすくなくないものとおもう.
(Kana/2007-10-06)
本書においては、ネットを使いこなして、必要な情報を集める手法
までの部分については、読み手のスキルのレベルによって、
簡単すぎたり難解だったりする可能性がある。

一方、著者が「セレンディピティ」と呼ぶ手法については、
マニュアルチックに落とし込むところまではいっていない。
著者自身、このやり方で「100%の結果が得られる」とは思っていないのが、
きっと「3時間」という時間設定(逃げ?)なのだろう。

確かに、「もし」そういう時間の括りがあるのなら、このやり方は
かなり有用かもしれない。
ただし、「時間をいくらかけてもいい」のなら、果たしてどうか?

もっとも、ビジネスマンなら、やみくもに「100%」を目指して、
期限内に「一定のレベルのもの」を提出できないのは問題外。
その点、本書のやり方は、期限内に80%(?)の結果を出せる
一つのやり方として評価できる。 (xlnt/2007-10-03)
インターネットの出現で個人がアクセスできる情報はそれ以前に比べて格段に増えた。新聞などの一般的に信頼性の高いといわれる媒体からブログや2ちゃんねるなどの信頼性はあまり高くないが情報の密度の高い媒体までさまざまなレベルで情報が氾濫している。その情報の海を泳ぐひとつの方法を教えてくれる。

キーワードはクオリアとセレンディピティだ。クオリアとは世界の生々しい有様をダイレクトに感じ取る皮膚感覚のようなもの。世界の本質をいかに知るかということ。漠然とした多くの母集団をざーっと眺めていくことで自分が知りたい分野の全体像をつかむ。

そしてセレンディピティとは幸福な偶然だ。普段はなかなかこれにめぐり合う機会は少ないがネットの世界ではこれがよく起こる。例えば、はてブ(はてなブックマーク)という有名なサービスがあるが、これは読者が気に入ったウェブページにタグ(付箋のようなもの)をつけて管理する。例えば、「少子化」というタグを調べると「少子化」に関連するウェブページが出てくる。これは個人のブログの場合もあるし、有名な媒体の記事の場合もある。その中には直接「少子化」に関連していないものが多く出てくる。なぜなら、それが直接的には「少子化」に関連していなくても、間接的にあるいは感覚的に関連していてある他人がそれを「少子化」と結び付けて考えたということが多くあるからだ。こういう風にして出会う記事には自分が気づかなかった視点が含まれていることが多い。これは、Googleなどの検索(文字が含まれている)では掬い上げられない、そして、生活感覚にあふれた出会いとなる。

佐々木氏の情報の探し方が例として出ていて、短時間でこれだけの情報がつかめるのかと驚かされる。ただ、これ、多くのネットユーザーが普段何気なく行っていることの精度を上げただけかもしれない。しかし、一度、整理することによってその効率が上がることはよくあることだ。ヘビーユーザーにも初心者にも気づきをくれるという点で役に立つ本だと思う。
(mbookdiary/2007-10-05)
3時間で「専門家」と同じ知識・認識を持てる情報収集方法が
紹介されています。その方法は大まかに以下の通りです。
 ・専門家になるテーマを決める
 ・全体像を見通す
 ・「情報マトリックス(必要な情報×情報源)」を作る
 ・情報収集する

僕もそうでしたが、どうしても、テーマを決めたらすぐに情報
収集しがちです。情報収集前に2ステップ挟むことで、短時間で
の情報収集ができるようになります。

このプロセスを具体的に記述しているので、パソコンを片手に
読み進めると理解が深まるのではないでしょうか。

実践には、これらのプロセスに慣れることとともに、専門家の
認識を持つための「直感的な世界把握」=「皮膚感覚の獲得」
について工夫が必要でしょう。 (中/2008-02-29)
元新聞記者であり、現在はIT分野のライターとして活躍している著者が、その経験をベースに情報の氾濫するインターネット時代ならではの情報収集法を示した一冊。

その昔、情報収集は「ネットだけに頼るな」「ネットの情報の海におぼれる」なんて云われて、ネットに注力した情報集めには否定論も強かった。その否定論の論旨は、「所詮、簡単に入手できるネット情報は、リアルな情報に比べて、中身がなく、うすっぺらな知識しか得られない。何時間もPCの前に座っていても、得られるモノは少ない」といったものだった。しかしながら、まさに「リアルな情報収集のプロ」である著者は、

・公式媒体、ブログ、掲示板、はてなブックマーク、検索エンジンなど、様々なネットメディアを目的別に分け、優先順位をつける。

・「クオリア」と「セレンディピティ」という概念を導入する。

・ニューロン型検索

こうした様々な手法を用いて、鮮やかに、かつリアルな実例を交えて旧来の手法ではない、情報が氾濫し、リアルタイムに入手出来るという現在の状況に応じた、ベターな情報収集の方法を解説。

たとえ、リアル情報収集をする場合だって、最低限のベースの知識は短時間で素地を作り、ある一定の仮説に基づいてインタビューなり、取材なりを行うことで最大限の効果を生むはず。ましてや、今後の環境下では、そこが求められる最低限の条件になってくるだろう。

どんなビジネスを手がける人でも、転職活動をする人でも、下準備の為の一助としてお勧め出来る一冊。

(マサフミ/2007-09-23)
書名通りではなくあくまで「情報収集」に対してのHow toもの、と捉えた