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暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
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ASIN:4105393022
新潮社(2001-07-31)
原著:Simon Singh翻訳:青木 薫サイモン シン
売上順位:38842
¥ 2,730(中古:¥ 956)

レビュー総評点:286
文明発祥の古代から現代まで。通信情報の秘匿=暗号化の重要性を史実に基づく悲喜劇こもごもの痛快エピソードで紹介。またそれは同時に暗号開発者と解読者が繰り広げた逆転に次ぐ逆転の、壮烈な戦いの歴史でもあったのだ。
 ”たぬき”レベルの古代暗号から最新コンピュータ暗号まで。豊富な取材と著者/訳者の優れた筆致によって、暗号技術の成り立ちや仕組み、その破られ方など、歴史に沿ってわかりやすく理解できる。数々の暗号システムの巧妙さに知的好奇心は満腹。次々と現れる天才暗号技術者たちの閃きと英知に感嘆。そして暗号に翻弄される人々の人生と歴史ドラマに感動。
 史上最強!解読不可能としか思えないドイツ・エニグマ暗号の解読に挑む英国数学者たちの知られざる偉業。埋蔵財宝暗号にまつわる数奇な物語。現代数学者たちの苦闘と勝利。豊富なエピソードはどれも本当に面白くドキドキして読み進められる。
 JPホーガンのSF小説が好きな方には特にオススメ。科学者数学者考古学者の探求心と不屈の闘志はやはり素晴らしい。元気が出る。 (実況人/2002-02-19)
暗号について扱った本をそんなに読んだわけではありませんが,この本は絶対にお薦めの本です。著者のサイモン・シンは自身物理学者で非常に明晰な頭脳を持った方のようですが,知識をひけらかすような所はみじんもなく,とにかく読んでいて全く飽きないのが驚きです。それは,単に「この暗号はこういう仕組みである」と述べるのではなく,「なぜその暗号が生まれたのか,それに関わった人達の人生ドラマはどうだったのか,そしてその結末は!?」ということを,深く掘り下げているからです。まるで小説を読んでいるかのように,暗号の歴史がよく分かります。暗号にロマンを感じる人,ぜひともご一読下さい。 (nobptl/2006-03-28)
この人の書く本は読ませ方がうまいと思う。
「フェルマーの最終定理」の時もぐいぐい引き込まれたが、本作も同様に引き込まれた。
コンピュータ関連の仕事に携わる者として、現在、暗号は避けて通ることができない。
「現代の暗号が何故存在しているのか?」について背景となる歴史を知ることで、理論への理解を深めやすくなると思う。
(toshi/2007-03-18)
もともとは、暗号の勉強をしなくちゃならない状況になって仕方なく買っただけの本だったんだけれど、あまりにおもしろくてたちまち夢中になってしまった。おすすめです。

構成としては、暗号の発展の歴史を段階的に追っていくなかで、暗号の理論が自然に学べてしまうように書かれている。古い暗号がいかにして破られ、それに対抗してどのように新しい暗号がつくられてきたのか。そういう、暗号に関わる歴史上の事件の話とか偉人列伝みたいなのをわくわくしながら読み進めるうちに、はじめは原始的な文字置き換え式の暗号とかの話だったのが、終わりには、現状では最強である量子暗号の理論にまで辿りついてしまう。ぼくなんかは、頭のいい奴が新たな暗号方式を考え出すたびに「こんなすごい暗号、絶対に破られっこないぞ!」と毎回(愚かにも)思ってしまうんだけど、でもそのたびにもっと賢い(あるいは執念深い)奴がでてきて、そいつをやすやすと(あるいは苦労に苦労を重ねて)破ってしまうので、ああ世の中には何と恐ろしい連中がいることよ、それにひきかえ……とため息をついてしまうのだった。でもそのため息は、とても爽快なため息なのだ。

盛り込まれているエピソード自体も、もうめちゃくちゃにおもしろい。古代文字の執念の解読。ドイツによる驚異の暗号機械エニグマと、それに挑戦した(せざるを得なかった)弱小国ポーランドの涙ぐましい努力。大発見をしても、安全保障上の要請からそれを発表することができなかった数学者たち(暗号理論は数学理論なのだ)の悲哀と誇り。今度公開される映画「ウィンドトーカーズ」(ジョン・ウー監督)のネタになっているナヴァホ語暗号の話もでてくる。理系文系かかわりなく、好奇心さえあれば誰でも読める。50過ぎのうちの母も大喜びで本書にかじりついておりました。売れ行きがよいのも当然です。

訳者あとがきによると、著者シンの前作「フェルマーの最終定理」のほうも異常におもしろいらしい。こっちも読まなくては。 (ryoma komiyama/2002-08-04)
著者は、ケンブリッジ大学で物理学博士号を取得した後、BBC放送の番組プロデューサーの経験がある人です。本書は、スコットランドの女王メアリの悲劇から、現在最も注目を浴びている量子暗号に至るまで、暗号のくわしい解説・社会に及ぼす影響だけではなく、暗号作成とその解読にまつわる人間ドラマまで生き生きと描いて、非常によくまとまっているという印象を受けました。
とりわけ、第2次世界大戦時ドイツ軍が使用した暗号機械エニグマのメカニズムについて説明した第3章と、その解読に貢献した数学者アラン・チューリングの業績について説明した第4章が圧巻です。この2章だけでも読む価値があるといえます。
第5章では、インターネット時代の電子商取引のバックボーンとなる「公開鍵暗号技術」についてわかりやすく簡潔に説明しており、著者のサイエンスライターとしての力量を感じました。
最終章での量子暗号の叙述については、若干さらっとしすぎていて物足りないところもありますが、巻末に"Further Reading"として文献、関連サイトも紹介されているのでそれを読めということでしょう。
結論からいうと、科学書読解の楽しみ(暗号の仕組みについての理解)と歴史書読解の楽しみ(暗号にまつわる人間ドラマの鑑賞)の両方が味わえるため、読んでよかったという気持ちが強かったです。 (カエターノファン/2002-05-19)
サイモン・シンが『フェルマーの最終定理』に続いてまたもやってくれた...とはいっても,原書の出たのはもう2年前だが.
食いすぎにげっぷの出そうな,最新科学の解説書はいくらでもある.しかし,最先端の発見をした人々の知的興奮を伝えること,発見の中の本質的部分を読者が共同作業できること,しかも重要な点を明確にわかりやすく伝えること,これらを同時に成し遂げた解説・読み物を仕上げた作家は,サイモン・シン以外にわたしは知らない.
この本では暗号解読に携わる人たちの精神的価値と科学的価値とを同時に伝えている.挑戦することの素晴らしさをこの本を通じて体験してほしい.
最後に訳者の青木薫さんに感謝したい.科学書に対するこの人の翻訳は読んでストレスを感じない.専門用語を多く含んだ文章を自然に読める文章に書くこと,これは日本人が書いた科学書の半数近くで実現されていないことである.しかし,この方の翻訳で快適に読めない文章には出会ったことがない. (じろう/2001-08-09)
 東京都美術館で開催中の「ルーヴル美術館所蔵 古代エジプト展」 で古代エジプト文字ヒエログリフをながめているうちに”どうやってこの文字を解読したのだろうか”という素直な疑問を思い出しました。
 これが、4年前に読みかけのままにしていたサイモン・シンの「暗号解読」を本棚から取り出すきっかけでした。
 スコットランド女王メアリーの事件、米国の埋蔵金探し、2つの大戦の帰趨・・・と単独でも十分フルコースになりえる話題の連続、公開鍵暗号の誕生にいたる歴史、量子暗号の概論、と息つく間のないスペクタクルです。読み終えたときには脱力感さえ感じました。
 どの暗号作成/解読にも、何人かの数十年単位の執念と、さまざまな形でのコラボレーションが絡んできるところが印象的です。多彩な学問領域の異才が国家レベルの組織に集って暗号という知の塊をつくり上げるドラマは格別でした。特に、エニグマの解読と、RSA暗号発明のドラマは圧巻でした。
 「量子コンピュータ」についてだけは記述があっさりしすぎているので、他の書籍にあたる必要があるでしょう。 (jimmy/2005-09-19)
暗号技術を語る本書の面白さはいくつかの側面がある
①作成技術と解読技術の確執の中で急速に進歩していく技術進化の面白さ
②歴史の転回点で暗号がいかに大きな役割を果たしたかの歴史秘話的な面白さ
③暗号解読という日の当らないところで大変な苦労をするプロジェクトX的な話しの面白さ
④現代社会のネットワークの発展において暗号がいかに重要かの啓蒙書的な要素
個人的には①と②が圧倒的に面白く、エニグマ解読の辺りまでが素晴らしかった。③については、多少、センチメンタルな部分があり好みの分かれるところだと思う。④については、技術的な記述の厳密さが複雑に進化した対象に対してどうしても不足してくることもあり、今日的な重要度は理解できるものの読み物としての面白さとしては見劣りするかも知れない。
しかし、本書はそうした暗号に関する古来から現在を経て今後の展望までを総覧しているところが凄いと思う。同じ著者の「フェルマーの最終定理」は題材に関心が持てずパスしたのだが、本書は充実した読書体験を与えてくれたと思う。 (いしだ/2005-08-10)
おもしろい! |||||||||||
単アルファベット式、ヴィジュネル、エニグマ、量子暗号
よくこれだけの暗号方式を一冊の本にまとめられたなと思う。
書き方も単にこういう暗号が今まであったというような教科書
的な書き方ではなく、暗号を開発する人やそれを解読する人といった
個々の人間の営みを躍動的に描いている。(このあたりは青木薫さんも
本の最後に指摘していたが)個人的には鍵配送問題に取り組んだ
ディッフィー、ヘルマンの”神は愚か者にむくいたもう”といった
名言やRSAを開発したアドルマンらの公開鍵暗号誕生秘話のあたり
が気に入ってます。公開鍵暗号の発想自体鳥肌がたつほど美しいも
のだと思う。これは不思議なのだが世の中に革命ともいえるほどの
変化をもたらした発明や思想はそれがいったん世の中に普及してしまう
とそれがあることが当たり前になってしまう。本を読めばああ確かに
そう考えればいいのかと結果だけ追うことになるがそれを答えがない
状態で取り組んだ先駆者たちに頭が下がる思いです。ただRSAと同じ
発想でケンブリッジ大学を卒業したばかりのクリフォードコックス
が素数を使って一方向関数を見つけてしまうあたり、不思議と世界中で
少なからず同じことを考えている人がどの分野にでもいるのだなあ
と思った。(本の批評ではないが)
 
とにかく内容自体5000円以上の価値があるものだと思うので
ぜひ読んでみてはいかかでしょうか? (ジダン2/2005-07-10)
分厚い本ではあったがとても面白かったので一気に読んでしまった。暗号の本と言うとインターネットのセキュリティーを思い浮かべる人も多いと思うが、この本ではむしろ暗号自体の面白さや発展の歴史を綴っている。と言っても後半になると当然インターネットに使われている暗号の話も出てくる。
暗号に関する様々なトピックが並んでいるがそのどれもが非常に読みやすく、おもしろい。それぞれの話のスケールが大きく、歴史を変えてしまうような重大な事件の裏側で行われていた情報戦争が生々しく再現されている。歴史をおって展開して行くので、本の後半に行くにしたがって徐々に暗号のレベルも上がって来る。しかしながら無理なく理解しながら読めるように非常に注意深く構成されているし、暗号の本質をついた説明がされているので暗号が複雑になっていっても無理なく理解して読み進めれる。
暗号は、その歴史の始めのころのものは数学者が作った物ではないのでパズル好きの人ならば解読法を考え出す事もできるはずだ。そういう意味でも知的好奇心をかきたてられる。インターネットを使っている人ならばクレジットカードの番号など本当に秘密を守られているのか心配な人も多いはず。この本を読み追えるころには秘密を守っている基本原理が理解できるようになっている事だろう。 (takashi_m/2002-09-19)
この本を買ったのは題名が気になったから。とくに暗号に興味があったわけでもないが、以前に映画で『U-571』を見ていたからかも知れない。読み進めながら自分でも簡単な例の暗号解読に挑戦していたが、進むうちに複雑になりど素人の私にはとても解読は不可能になっていった。ただ読み終えてみて暗号の時代背景は良く分かった。昔から解読者と作成者のイタチごっこであるが、なんでこんな暗号を思いつくのか?どうしてこんな意味不明な暗号が解読できてしまうのか? 切磋琢磨の両者の戦いはまだ続いている。 (カルロス オヤマダ/2001-09-05)
電子メールの普及やインターネットショッピングなどで
気になるのはプライバシーデータの保護。これらを解決
してくれるのが暗号技術。その暗号の成り立ちや歴史上重要な
史実をわかりやすく紐解いてくれています。

第2次大戦中に米軍は解読不可能な暗号を作成するために
ネィティブインディアンの少数部族のあまり海外に知られていない
言語を駆使して彼らを通信班として利用。一方ドイツや日本は
かなりの情報を解読されて敗戦にいたったなど秘話も満載です。

現在のインターネットの通信の保護に利用されている公開鍵、秘密鍵
もわかりやすく紹介され、最後には次世代の量子コンピュータによる絶対に
明かない暗号の作り方など大変楽しく興味深い内容です。 (山田晃嗣/2006-12-17)
まず、この分厚さがいい。暗号の深い世界を紹介するにはこれ位の当然。暗号の世界には昔から興味もあり、えいやっで買ってしまった。後書きでびっくり。最近の私のbest bookである「フェルマーの最終定理」の著者ではないか、サイモンさんは。ほんとにおもしろい本をかくかたですね。本著は暗号は当然のこと、ヒエログラフから量子・光子の世界まで素人にも噛んでふくめるように本当におもしろく紹介してくれる。二次大戦の暗号でナバホ族の活躍がこのなかでは一番印象に残った部分。
サイモンさん、次ぎはどんな世界を紹介してくれるか興味しんしん。 (fnkmsk/2001-10-18)
非常に難解な暗号技術について、その必要となった歴史的な背景や、
関わった人物のひととなりなどを織り交ぜながら、実に面白く描いてくれる。

面白いだけでなく、この本で得られる知識は多い。
第二次世界大戦は言うに及ばず、多くの世界史の重要な事件の背後に
「暗号解読」の可否が影響を与えいると言う事実は、歴史の見方も変えてくれる。
また、暗号作成者とそれを解読しようと試みる者達の競争なのであるが、
これまでの人類の歴史では解読者達の圧勝であることは、
我々にとっては意外な事実なのかもしれない。

現在もインターネット通信で多く使われる「DES」の暗号化アルゴリズムについて
別の本の解説読んだ際に「よくもまあ、ここまで複雑な計算を。。」と感じただけで、
その複雑さの「必要性」まで理解できなかったが、この本でようやく理解できた。
加えて、DES暗号の鍵長が、米国の政府機関NSAの圧力で
わざわざ短くなるように(解読しやすいように)規制されている事実も見逃せない。
我々が普段使っている暗号は、「絶対安全」とは言えないのだ。

何らかの形で暗号に関わるのなら、この本は読んでおいて損はないだろう。
文系出身でも十分読めるはずだ。

ただ、「技術解説本」としては、過大な期待をしてはいけない。
現代の通信で最も重要なRSA暗号のアルゴリズムに関して、
巻末に補遺として数学的な説明が記されているが、
(さすがの著者も、本文での説明には難解すぎると判断したのだろう)
判り易いとは言えないし、十分なものでもないと思う。
RSA暗号のアルゴリズムについては「図解雑学 暗号理論」と言う本がお勧め。 (/)
とても面白かった。
まっ先に読んだのが最終章の量子暗号の話で、新聞記事などでこういうものがあるのは知っていたものの、実際にどうやるのかさっぱり分からなかったのが、これを読んですっきり。なるほどねえ。
一週間ほどかけて少しずつ読みましたが、毎夜、無意味な文字が並んだ暗号を必死に解こうとする夢を見て困りました(笑)。 (/)
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フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
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ASIN:4105393014
新潮社(2000-01)
原著:Simon Singh翻訳:青木 薫サイモン シン
売上順位:33411
¥ 2,415(中古:¥ 372)

レビュー総評点:393総評点300以上の注目商品
Andrew Wilesが1994年に証明したフェルマーの最終定理を題材に、ピュタゴラス、エウクレイデス(ユークリッド)、ディオファントスなどのギリシャ数学者に始まり、フェルマー、オイラー、ガウス、ガロア、ヒルベルト、ゲーデル、等の巨星が次々に登場し、読者に息つく暇を与えない。様々な逸話が登場するが、それが主題と直接・間接に関連し、著者の博識と筆力に脱帽せざるを得ない。
Wilesの8年間に渡る努力の描写は素晴らしい。特に1993年母校ケンブリッジで証明を公表した後、それに欠陥があると判明してから1994年遂に修正を終えるまでの一年間は、シナリオとしても出来すぎである。
Aczelの本でもそうだったが、谷山・志村両氏の貢献を正当に評価している。ちなみに本書では、Aczelほどヴェイユを悪く捉えてはいない。
!フェルマーの最終定理を扱った書物は数多く存在するが、こと一般向けに書かれたものでは、本書を凌駕するものは全く考えられない出来栄えである。 (加納 裕/2003-10-12)
面白い! |||||||||||||||||||||||||||||
とにかく面白いの一言!高校時代、数学ができず進級すら危ぶまれた私が一晩で読み上げてしまいました。数学者の情熱に刺激され、なぜか高校時代の教科書(・・・と言っても解答つきの虎の巻の方だけど)を引っ張りだし、解き始めて周囲を驚かすことに(笑)それでも興奮が冷めやまず、高校時の数学の先生(担任でもあった)にこの本を薦めたところ、すでに担任クラスの生徒に読ませており、なんと読後はテストの平均点が著しくアップしたとのこと!素晴らしい!!「あなたが五年前に読むことができれば、私もあんなに苦労しなかったのに・・・」と恩師にため息をつかれたのはせつなっかたけど。 (so/2001-11-07)
中学・高校・大学(教養課程)にて数学を学んでは来ましたが、負の数・虚数などがなぜ考えられたのか?数学はなにを目的としてくるのか?どのような人・歴史によって発展してきたのか?などの総合的背景が分からないまま、公式・問題の解き方のみを勉強してきて、今日に至っていました。
しかし、この本を読んでその奥深さ・数学界を垣間見ることができ数学に対する考え方が変わりました。数学そのものが分からなくても十分に理解できる構成になっています
久しぶりに心ときめく本と出会えて、充実した時を持つことができました
子供にも、もの心がついたら読ませてあげたい本の1つです (tote/2004-03-21)
卓越したストーリーテラー ||||||||||||||||||||||||||||
すごい。絶対のおすすめ。同著者の「暗号解読」を最近読んだが、それと並ぶ名著。フェルマーの最終定理の証明については以前も読んだことがあるが、難解で楽しめなかった。この本はそんな純粋数学の歴史をドラマチックにしかも正確に啓蒙的に描くというほとんど不可能とも思えることを成し遂げている。面倒な証明などは巻末の補遺に回してあるのだが、普通この手の本であれば敬遠するような補遺の部分も読みふけった。中学校卒程度の数学力で理解できるよう巧妙にかみ砕いた説明。
 純粋数学から離れて、川の全長が直線距離の円周率倍に近づくこと(43ページ)、セミの幼虫が地下で過ごす年数が素数になる理由(137ページ)など、幅広い分野でのエピソードも満載。
 なぜこのようにおもしろく読めるのか (/)
ピュタゴラス、オイラー、ガウス、パスカル、コーシー、フーリエ、
ガロア、ダランベール、ラグランジュ、ヒルベルト、ディリクレ、
ルジャンドル、リュービル、ポアンカレ、ゲーデル、チューリング。
フェルマー。ワイルズ。
全てこの物語の登場人物である。数多くの偉大な学者たちが
ほんのひとときこの本に登場し、自分の役割を演じる。
それぞれにドラマがあり、苦悩がある。一種のオムニバスであろうか。
彼らを繋いでいるのはフェルマーの最終定理である。
もちろんこの物語は作り話ではない。実話である。しかし
とても実話とは思えない楽しさ、面白さ、壮大さ、そして悲しさ。
フェルマーの最終定理を軸に、これほどの物語を作りあげた
著者にはまさに脱帽である。
物語の前半は数学の成り立ちからフェルマーの最終定理が
作られたいきさつ、それに対する様々の数学者の
必死の挑戦、苦悩が書き綴られている。
さらにゲーデルによる物語を根本から覆すような
示唆。
そして二人の日本人が登場する。彼らがフェルマーの最終定理に、
そして数学界に与えた影響は計り知れない。
彼らの登場により物語は一気にクライマックスへと進み出す。
ワイルズそして彼を取り巻く人間たちのドラマは
この物語の一番の見せ場だと個人的には思う。
ワイルズの努力と挫折、あきらめ、そして・・・
ワイルズが得たもの、失ったもの。ワイルズの「大切なもの」。
ワイルズの心情については共感できると感じる方は少なくないだろう。
是非この実に起伏に富んだ物語を体験してみてほしい。
あくまで主役はフェルマーの最終定理ではなく
それを取り巻く人間達である。
個人的には、訳者あとがきにもあるが、日本人を非常に良く
(というか公平に)書かれていると感じた。一瞬「著者は日本人か?」
と思ったほどである。
記述も実に読みやすく、判りやすい。
数学の専門家でも、全く知識がない人でも読めると思う。
掛け値無しにお薦めの一冊である。 (/)
歯痒い |||||||
 全編を通じて膨大な人数の数学者が登場し、普通だったら投げ出し
てしまいたくなりそうな冗長な歴史書になるところだが、ひとつの数
式を巡る人間模様の絡み合いが実に面白い。特に前半は文句無し。
フェルマーの最終定理だけではなく数学にまつわる種々のエピソード
がちりばめられ知的好奇心を満足できるだけでなく、人間ドラマも近
代以前の激動の時代だっただけに、戦争あり、策謀あり、男装の麗人?
あり、決闘あり、とスケールが大きいのだ。

 残念なのは「谷山=志村予想」が出てくる後半部分からは普通の伝
記とあまり変わらなくなってしまうところ。これは筆者サイモン・シンの
責任ではなく、あまりにその数学の内容が高度なため証明の詳細に
(というより概念すらもほとんど)立ち入ることが不可能なため。したが
って知的好奇心を満たす、という面からは歯痒さが残る。
(子犬のころすけ/2004-11-23)
「暗号解読」に続く、サイモン・シンの著書。
小さい頃、フェルマーの大定理(最終定理などいろいろ言い方はあるが)というものを知り、たかが「X^n+Y^n=Z^n (n>2) は成り立たない」ということをこの科学万能の時代に出来ていないということに驚いた。
近年、この大定理がとうとう証明されたというニュースを新聞で読んだが、本書を読んでその歴史的に長く葛藤してきた数学者たちのロマンが多く綴られていることをはじめて知った。
本書は2000年間という長きにわたり、多くの数学者を悩ませた難問題を如何にして解読していったか、そしてワイルズ氏が孤独にこの難問題を小さい頃に読んだ本から二十年余りにわたって研究を取り組んできたことなど、その内容は読み始めたら止まらないほど面白いものだった。
中学生の頃、誰もが学んだ「ピュタゴラスの定理」(または「三平方の定理」)のべき数が変わるだけでここまで難解になるという数学の不思議さに驚かされた。
ぜひともお勧めしたい本です。 (やぶ/2004-01-26)
断然5つ星の作品 ||||||||||||||
私はフェルマーの最終定理に興味を持ち、同テーマの本をもう一冊読みました。どちらもとても面白かったのですが、こちらの方が更に高度な知的冒険を味わえたような気がします。
 もちろん私は典型的文系人間で数学についての素養はありません。それでも楽しめるようにわかりやすく、注釈が加えてあり、難しい問題を噛み砕いて説明してあるという点でも秀逸な作品であると言えると思います。 (k.yamamoto/2001-03-21)
数学の魅力がここにある。 |||||||||||||||||||||
 数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクションである。
 とてもおもしろかった。読書意欲が眠気に勝ることなどまずないが、この本にかぎっては眠い目をこすってまでページをすすめたくなった。
 まず、テーマ自体とても魅力的である。このフェルマーの最終定理は、学校で習った「ピタゴラスの定理」をちょっと変えただけ。定理自体はだれもがかんたんに理解できるものである。でもその定理を証明するまでに350年もの歳月がかかったというのだ。問題の単純さと、解決に至るまでの遠大さ、その溝がドラマチックであり、数学門外漢にとってはエキセントリックでもある。
 ただ、その魅力的なテーマをさらに魅力的な話に仕立てた著者サイモン・シンの力もすごい。あたかもサイモン・シンがわれわれをゴンドラに乗せて、数学という大河を源流から河口まで船頭となって案内してくれるかのようだ。その流れはピタゴラスが生きていた時代から始まり、ついには20世紀後半のアンドリュー・ワイルズによる証明にまでたどり着く。途中には、証明に失敗しつつも数学の進歩に寄与した数学者をエピソードゆたかに案内してくれたり、“数学の”証明とはどういうことか、無限とはどういうものかなど数学の本質的なところを考える機会をあたえてくれたりする。
 本を読む前は、たったひとつの(しかも真であるかさえわからない)定理の証明ごときに、なぜ数学者たちは人生をかけてまで夢中になるんだろうかと思っていた。でも、本を読んでいくうちにその理由が実感として理解できた。彼らは純粋にその問題を解きたいから数学をしているのだ。
 たったひとつの証明のみに7年もの歳月を費やし、いったん証明の欠陥が指摘されて敗れてもなお立ち上がり、ついにフェルマーの最終定理を証明してみせたアンドリュー・ワイルズ。彼こそが、その「問題を解きたい」という気持ちをだれより強くもっていたのだった。 (漆原次郎/2004-04-21)
フェルマーの最終定理がどのように証明されるかを書いているというよりは、
フェルマーの最終定理を理解するための背景知識というか、背景となる情景を映し出している。

数学の本は、単調で、理解できないと、挫折してしまう。

しかし、この本を片手に、原理の理解を進めようとすると、
挫折しても、また、もう一度やり直そうという気力がわいてくる。

数学は、無味乾燥な学問ではなく、理論の背景があって成り立つ学問であることを再確認できる。

単なる知的好奇心だけでは続けることができない。
美的センスと信念について、ある種の啓示をしているかもしれない。

(kaizen/2007-12-30)
数学の物語をこれほど劇的に歴史小説を読んでいるがごとく魅力ある人物を登場させられるのは、作者の明晰たらしめる頭脳のなせる余裕さからなのであろう。とりあげたテーマは長く複雑であるがためにどうしても避けられない説明はある。なので中だるみ的なところは2箇所ほどあったが、それでもぐいぐいと読者を引きよせるパワーと緻密な計算は素晴らしいの一言につきる。
一般に人間ドラマを描いた物語はどろどろした人間の名誉欲が根底にはあるはずなのだが、前面に知識欲を満たすロマンティックさをかもしだすことに成功し、読者にも知識を得る満足と、成功物語の疑似体験という2つの悦びをあたえてくれる。
そしてこの物語が現実に最近の出来事にあったと気づくだけで、さらに心のワクワク感があふれ出てくるのである。 (きたまくら/2004-03-24)
一気に読みました ||||||||||||||||||||
とにかく面白い!私は理系の人間で幸いにもこの本の最後にある補講がすべて理解できます。そういう人には特にたまらない一冊だと思います。高校の数学の授業でいろいろ教える前に生徒に読ませれば良いのでは?と思いました。
高校生でも理解できる数式を証明するまでの世紀を超えた人々の努力、その一つ一つのピースがだんだんと埋まっていく様子、でも、もしそのピースの大元が間違っていたら…という不安、ちょっとした機転で論理がつながり視界が開けた瞬間の歓喜、それら全てがこの本に詰まってます。
久しぶりに読み終わるのがもったいないと思えた一冊です。数学の問題に関する書籍にも関わらず数式がほとんど出てこないのでヒューマンドラマとして誰にでも読めると思います。天才たちの情熱を感じ!て欲しいです。
現在は同じ著者の作品である「暗号解読」を読んでいます。 (まさ/2001-09-13)
数学をめぐる冒険 |||||||||||||
 自分が数学に関して書かれた本を読むことはおろか、それを楽しむことになろうとは思いませんでしたが、本書の面白さは尋常ではありません。算数もおぼつかないまま大人になった私でさえ、フェルマーの法則に魅入られた人達の歴史と戦いの物語を夢中になって読んでしまいました。
 これまで”数学は楽しい”とか”数学は美しい”などという発言を聞くたびに全く理系の連中の気が知れないと思っていましたが、今では少しだけその意味がわかった気がしています。 (aequanimitas1026/2000-12-05)
この本は自分の大学にての専攻を決める大きな要素となりました。学年末試験の最中に開いたのですが、止まらなくなったのです。精読させてしまう著者の数論への案内は、読者を数学の世界へ導き驚きの発見と冒険をさせてくれます。数学が嫌いな人などいない...数学の卓越した魅力をこのたった一冊の本で体験すれば、数学を愛してしまうことでしょう。数学の授業が嫌いな人は今使っている教科書を閉じ、数学の授業の時間にこの本を読む方が長期的に考えれば、あなたの大いなる利益となると思います。 (/2005-07-18)
数学に関しては完璧なる素人の自分が読んでも楽しめる内容でした。
①偉大な数学者たちがフェルマーに挑むも攻略できず、夢半ばで一生を終える。しかし彼らは新たな一歩を踏み出す。
②その一歩は次の世代へと引き継がれ、あるものは直接的に、あるものは思いもよらない関わりからフェルマーへの挑戦への鍵となる。
③その過程が数百年続き、膨大な一歩一歩が積み重なりながらフェルマー攻略へと近付いてゆく。
④そしてついに最後にワイルズが全力を持ってフェルマーを攻略した。
この数百年に橋を架けるこのドラマはまるでフェルマーの最終定理をラスボスとしたRPG(ロマサガ2?)を見ているようにドラマチックでワクワクするものでした。
また細かい数学的なところで理解できないところはありましたが、関係なく楽しめました。
多くの人にこの壮大なファンタジーのような実話を読んで欲しいです。 (/)
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Big Bang: The Origin of the Universe (P.S.)
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ASIN:0007162219
Harper Perennial(2005-11-01)
Simon Singh
売上順位:19433
¥ 1,435(中古:¥ 1,942)

レビュー総評点:6
友人に教えてもらいフェルマーを翻訳で読み、これは大変面白いと、さっそく暗号も翻訳で読み、これまた裏切られず大変満足。
この3作目はまだ文庫本化もされておらず、ならばと原書を読みました。大正解。
フェルマーと暗号も原書で読み直そうと思ってます
日本人による原著も翻訳物も、科学系ノンフィクションを新書、叢書などで、読みあっさってきましたが、これを機に、翻訳物については原書で読むことにしてみます。

英字新聞などとても歯の立たない小生ですが、この分野なら原書で読めるのが嬉しいです。 (キャベツ/2009-02-23)
 古代ギリシャからの宇宙観の推移を描いた前半、中世の天動説とローマ教会の対立、そして安定的で永遠の宇宙観とビック・バン理論の対立。この時空を越えた議論のなかからSimon Signは科学とは何かという問いかけへの答えを導出しようと試みている。
 500ページを越ええる大作ではあるが、文章は平易で論理的であり、理論的な点の多くは図表で説明が加えられており理解は容易である。
 登場人物の生い立ちや置かれていた状況も良く描かれていて例えばハッブルの観測はするけど推測はしないとの頑な性格など、何でと問いかけたくなるくらいであった。
 個人的には日本人の天文学に対する貢献の深さを考えると一人、二人くらいは登場するかと期待していたが、やはり日本人は内弁慶で、国際的な討論・討議の前では存在感が薄かったのかなと残念に感じた。

 私は前作、”Fermat's Enigma: The Epic Quest to Solve the World's Greatest Mathematical Problem”に次いで本書を読んだが、未だ読んでいない方には本書と同じような論理を楽しむことができる前作も読まれることをお勧めする。 (在星猫/2006-10-12)
Big Bang については その道の第一人者によるものを含んで すでに多くの解説がある中で、これだけ平易な形で 宇宙像全体とその理論の発展を 歴史を通して述べ、その折々で論争にかかわった巨人たちのエピソードを組み込んで、読み応えのある一大ドラマとして描ききった巧みさに感心させられる。普通の論文には表れない苦悩や葛藤も描くとともに、人間臭さも感じさせながら 全体像を見せてくれる かけがいのない一冊である。
Big Bang の決め手の一つとなった CMBの個所で "Boys, we've been scooped!" のくだりはその場の雰囲気が伝わってくるようで息を呑みます。
エピローグの章では 時空や量子宇宙について不充分な記述もあるように見受けますが 専門家の意見も聞きたいものです。
(SteadyState-T/2006-09-11)
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平均点:5.0
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書籍マニア
tekito
覚え書き(分野いろいろ)
 
w:13 h:19 288page
ビッグバン宇宙論 (下)
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ASIN:4105393049
新潮社(2006-06-22)
翻訳:青木 薫サイモン・シン
売上順位:110792
¥ 1,680(中古:¥ 356)

レビュー総評点:2
前2作が超絶に面白かったので、こちらも期待して購入した。700ページ近くある大作であるが、あっという間に読んでしまった。
確かに宇宙論の解説本としては物足りないという意見もあるだろう。ビックバンの解説はほかにもいい本がある。だが、この本は、ビックバン理論が歴史上どうやって浮かび上がって、どうやって対立する理論を蹴散らし、最終的に確立されたかという筋を追ったもので、たいへん説得力がありドラマがある。
昔はトンデモ理論だったビックバン論が正しいと認知されるまでの過程を知るのと、
すでに認知されたビックバン論を解説したものを読むのでは、理解の深さでいうと前者の方に軍配が上がるだろう。
たとえば、現在の民主主義、たとえばアメリカの3権制度の仕組みを解説した本があったとしよう。それは確かに詳しく現状を分析しているが、面白くはないだろう。それより、古代からどうやって民主主義が成り立ってきて、なぜヨーロッパのピューリタンが新大陸にわたって国家をつくったのか、といった根本に流れる思想について解説した本の方が、はるかに示唆に富むからである。
本書もそのようなものである。
(もぐぞう/2007-04-03)
「宇宙論理研究者は研究室の外に出て、ビッグバン・モデルは人間の好奇心と知性に対する
賛辞なのだと、世界に向かって語りかけるべきである。」(本書より)
高校2年で物理の授業についていけなくなった。
しかし、そんな自分でも本書は面白く読めた。
そして、上記の言葉に心から賛成した。
人間の理性が到達し得る、究極の謎解き。その世界をかいま見せてくれたサイモン・シンと、
訳者の青木薫氏に感謝。 (みーむ/2006-09-07)
やはり物足りない内容だった。恒星の核反応や銀河形成に付いては、佐藤・松田『新装版 相対論的宇宙論』(ブルーバックス)が、ビッグバンに付いてはワインバーグ『宇宙創成はじめの三分間』が良い。ホイルが公平に解説した『宇宙物理学の最前線』(値段が高い)や、背景放射の観測ならスムート自身による『宇宙のしわ』が、インフレーションならグース自身の『なぜビッグバンは起こったのか』がある。そちらの方が迫力がある。
出典のがわかるような文献表が無いのは不思議。ノンフィクションや個人の会話などがたくさん載っている本で、出典が明記されていないの不合格。訳書で省かれているのならば、言語道断。また、原著刊行から2年経っているのが惜しい。自然科学の翻訳は、少数の翻訳者に仕事が集中しているようだ。出版社や編集者自身が内容を理解せずに、安易に企画しているのだろう。 (おひるねおさる/2006-09-15)
うーん、前の二冊が神がかって面白かったので期待していたのだけれど、
思った以上にあっさりしてました。前作までは「数学者」「暗号の解読者&作成者」達が、
試行錯誤やひらめきにより問題を突破していくところに興奮と感動があったんですが、
今回の研究者たちは基本的に当時最新の科学機器による「忍耐強い観測」と「データ収集」
により業績を上げていくもので(というのも対象が手の届かない「大宇宙」なので
仕方がないんですが)、宇宙論の発展=科学者たちの戦い、というよりは科学技術の
発達の歴史じゃないのって思えてしまうのね。ハッブルが「自作の望遠鏡で大発見をした」
というので無い以上、科学機器に関する記述も並行して述べていくべきかな、と。
直径うんメートルのレンズが登場したところで、それがどういう素材や製作過程を経て
生み出されたのか等は全く記述がありません。人間ドラマを通して描く、という今までの
スタイルにこだわりすぎたのかなとも思います。
文句ばっかですが値段相応の読み応えはありましたし、引き続き次回作が待ち遠しい作家で
あることには変わりません。個人的には「暗号解読2」でもオッケーですw (ねこのつむじ団/2006-11-15)
「フェルマーの定理」「暗号解読」とサイモン・シンの本は、専門外の私でもとても楽しく読めた。
ビッグバンについては類書がたくさん出ているので、何をいまさらと思っていて、最初はこの本を読んでいた。特に下巻に至るにつれ、冗長に感じて、飛ばし読みをしてしまった。
しかし、2006年のノーベル賞は、まさにこの本の下巻の後半で大きく取り上げられているCOBEが受賞した。改めて読み返すと、ビッグバンというのは、今こそ旬というのがよく理解できた。 (777/2006-10-30)
 本を読んでいて徐々に残りのページが少なくなっていくのを、残念、残念、もっと読んでいたい、と思う事がある。 科学書でこんな気持ちになったのは久しぶり、小学生のとき野口英世伝を読んだとき以来である(嘘つけ!)。 この本は、ビッグバンという現実にあったかどうか本当のところはまだはっきりとはわからないイベントを非常にうまく説明している。 カトリックの坊主の理論がビッグバンの端緒だったとは! 女性コンピュータの面々が、ボランティアで頑張ってくれたおかげで、天体写真の画像解析が飛躍的に進んだなんて、みんな、知ってた? ヘンリエッタ・リーヴィット、あんたはエラい。  (ヒデボン/2006-07-19)
ポピュラーサイエンスのライターって、オーケストラの指揮者みたいに見えてきますね。どちらも題材 (事実/楽譜)は決まっている訳で、あとはライター/指揮者の解釈によって見せ方/聴かせ方を変えてくる訳です。本書を読み終えると、サイモン・シン氏はただ者ではないなぁーと感じ入った次第です。

私はこれまでビッグバンに触れられた本(※1)を読み、TV番組(※2)を見てきました。それでもなお本書を読むと、新しい発見がありました。(私はすっかり本書にハマリ、週末の午後で上・下冊を読みきりました)
「科学はエラーの自己修正過程である」(カール・セーガン教授)の発言通り、ビッグバン理論が紆余曲折しつつも次第に確立していく様子がイキイキと描かれます。非常に感心したのは、資料・図・表の見せ方ですね。(ガリレオのスケッチを始めとするオリジナル資料、対立理論の勝敗表、概念の説明図、等々) オリジナル・データによっては「えっ、そんな風に見るんだ、解釈できるんだ」というモノがあり、「星の王子さま」の名言「ものごとは、心で見ないと良く見えない。いちばん大切なことは、目に見えない」を思い出した次第です。実験データも「仮説に基づく信念」がないと真実を掴み取れない訳ですね。科学におけるセレンディピティ的発見の解説にもなっているところがサスガです。
そんなわけで宇宙科学に馴染みがない方は勿論、「今さらビッグバンなんて」という科学ネタ通な方にもお薦め出来ます。

(※1)「僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して」(マーカス・チャウン)、「人類が知っていることすべての短い歴史」(ビル・ブライソン)は特にお薦めです。なお宇宙の始まりに関する試論を含めた超弦理論の解説本としては「はじめての“超ひも理論”― 宇宙・力・時間の謎を解く」(川合 光)が面白いでしょう。
(※2)「Cosmos Collector's Edition」のDVDボックスは、1980年の作品ではありますが、今もなお重要な作品だと思います。もし超弦理論と宇宙の始まりの関係に興味のある方は「Nova: Elegant Universe」を御覧になると良いでしょう。(英語の聴き取りが出来る方に限られますが) (ゴルゴ十三/2006-06-25)
さて、下巻。下巻の主役はフレッド・ホイルだ。彼は、アンチビッグバンすなわち定常宇宙論の旗頭だから、変な話だが、ヒールとして最高のパーソナリティーなのだろう。まあ、定常宇宙論は彼で持ってたわけだし、一方、ビッグバン宇宙論はたくさんの役者が出て来て、決定的なヒーローがいない。これからの正しい理論はどんどんそう言う傾向が強くなるのだろう。量子論でもそうだしね。

フレッド・ホイルの定常宇宙論は何となく嫌いで、しかも、彼の書いた SF に良い印象を持っていなかったりして、科学の発展の足を引っ張った変なイギリス人という印象しか無かった。しかし、元素合成の理論で極めて重要な貢献をしていることを本書で知った。その他にも、ホイルの宇宙論は、当時としてはビッグバンより「とんでも」では決してなかったことを説得されたのは収穫だった。それに、フレッド・ホイルに焦点を当てることで、ビッグバン宇宙論の特徴にスポットライトを当てることが出来ている。まあ、彼は、ビッグバンの名付け親でもあることだし。

そこから、宇宙背景輻射の発見、COBE による背景輻射の揺らぎの発見で、ビッグバン宇宙論は確固たる地位を確立する。本書はそこまでで筆を置いている。インフレーション宇宙など、その後の発展については本文では触れていない。現在の科学の到達点として確として書けるのがこれまでとサイモン・シンは思ったのである。本書を読んでいて、それも説得的だった。

一つ、前から感じている疑問が本書を読んでも残ったままだったのが残念。それは、背景輻射が地球の運動でドップラーシフトする話だ。直接的は当然すぎるほど当然の話なのだが、これって、絶対運動を規定するのではないだろうか。相対性信奉者としては、なんとなく引っかかる。どなたか、納得させてくれませんか? (shibchin/2008-03-27)
 まず。”ビッグバン”という言葉を軽蔑の意味で使ったフレッドホイルの、報われないが価値のある人生は、映画のように印象的でした。
 宇宙論を支える観測事実の全ては、人類が誕生した当初から、様々な波長と強度の電磁波(電波、光)で地上に降り注いでいたわけです。人間の肉体的な眼が望遠鏡で拡大されて微弱な光をとらえられるようになり、電波の理解によって機械をつかって関知できる波長の幅を広げて、既に全天に提示されていたものを認知し分析し解釈してきたのです。
 理論と観測と実験が絡み合い、複数の仮説が競争し、137億年前を見通す眼が階段状に進化していく様子は、そのままエンターテイメントにも思える面白さでした。
 以前見学した施設では暗黒物質の感知をターゲットにした次世代の眼(観測機)の製作が進んでいました。この問題の決着を生きている間に聞けるかどうかは微妙ですが、いずれ次のステップは必ず訪れるという確信は強まりました。 (jimmy/2007-10-13)
ビッグバン理論だけを扱っているのではないかと思って手を出さなかったのだが、人類の宇宙に対する認識から物語が始まっているので興味を惹かれた。まずは、ギリシャ時代の太陽中心説対地球中心説のエピソードが丁寧に書かれている。また、コペルニクスによるパラダイムシフト、それを根拠づけたガリレオの観測とケプラーとニュートンの理論もわかりやすく紹介されている。ビッグバン理論が宇宙背景輻射によって決定的になるまでの人間ドラマも面白い。科学とは、理論が提出されて、実験や観測によって根拠づけられるという、その過程を実に丁寧に書いている。本書は科学書でもあると同時に、いやそれ以上に人間ドラマを描写しているのだ。

ビッグバン理論やガリレオの成果、ニュートンの功績については、それらを個々に取り上げてる書籍の方が分かりやすいかもしれない。『ビッグバン宇宙論ん』においては、個別の事項については物足りなく感じることもあるだろう。けれども、本書はあくまで宇宙に関する科学史の本であり、また科学者たちの人間ドラマの本なのだと思う。そのことに留意すれば間違いなく楽しめるだろう。 (kayakaya/2007-09-12)
この頃の急激な望遠鏡の値段の低下で、もしかしたら、60回ローンを組んだら、世界でも有数の望遠鏡を作ることが出来るのではないかと夢見ているあなた。そんなあなたに絶好の1冊です。人間が持ちあげられる最高の大きさは、どうやら口径60センチの反射鏡が最大のようですので、すぐさま買って、高い山に登って一晩中夜空を眺めていたら、きっと宇宙の最初も分かるはず。そんな気にさせてくれる1冊です。上巻も読みましょう。 (PAL/2007-04-06)
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平均点:4.5
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w:13 h:19 304page
ビッグバン宇宙論 (上)
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ASIN:4105393030
新潮社(2006-06-22)
翻訳:青木 薫サイモン・シン
売上順位:110593
¥ 1,680(中古:¥ 172)

レビュー総評点:63
いつもながらサイモン・シンの鮮やかな語り口には、宇宙のナゾが解明されていく過程を追体験した気にさせられ、"天才に肉薄!"した気分に浸れますね。

訳者の青木薫さんが言われているように、宇宙論のことをよく知ってる人ほど、深く楽しめますし、
また宇宙論に詳しくない人にこそ、読んでもらいたい。この科学史ドラマには感じるものがあるでしょう。

それにしても「天才列伝」というよりもむしろ「反逆児列伝」という感じなのが笑えますね。
(nonsense/2006-10-12)
 書名を聞いたときに、訳者があとがきで語っているのと同じく、”なんで、いまさら、ビッグバンを。サイモンシンが?”と私も思いました。
 「暗号」や「フェルマーの定理」のように、過去あまり一般向け類書がないテーマを扱った話の場合、そのテーマ選定自体の新奇性でつかみがあります。しかし、「ビッグバン」となると、すでにさまざまな一般向け書籍がでているメジャーなテーマなので、すこし後回しにしていました。でも、やはりサイモンシンでした。「そうだったのか」という発見の連続でした。
 いろいろな形をした素粒子のように個性豊かな科学者が絡みあいながら、宇宙創生の理論を解明していくストーリーは、あらためて科学に対する理屈無しの憧憬を思い出させてくれました。  
 上巻では、天動説から地動説、相対論の登場という決定的なパラダイムシフトを経て「宇宙は静的なのか・・」というあらたな課題認識までが扱われています。誰でも名前は知っているガリレオ、ニュートン、アインシュタインといった巨人たちの取り組みも結果にいたるプロセスまで味わうと格別です。もちろん、他にもティコ・ブラーエ、ケプラー、コペルニクス、マイケルソンとモーリー、フリードマンとルメートル、ハーシェル、メシエ、ハッブル・・・と覚えきれないほどの天才鬼才も連綿と織り込まれた宇宙解明の物語です。

・・・下巻に続く
(jimmy/2007-10-10)
宇宙をどう解釈するかを極めて分かりやすく解説した宇宙論への入門書。「テクノロジーは生と死をより快適にするために役立ち、それに対して科学は、ひたすら世界を理解しようとする努力だ」との言葉どおり、最新技術やデータの羅列ではなく、人生を理解するための入門書でもある。 (Krokodil Gena/2009-01-08)
ガリレオ、ニュートン、アインシュタインなど誰でも知っているメジャーな学者をベースに展開しながらも、無名に近い一般人や学者の貢献を
巧みに織り込んでギリシャから現代にいたる宇宙論をみごとに描ききっている。個々にはどこかで読んだか聞いて知っていた事が天動説から
ビッグバン理論までの壮大なストーリ展開の中で「そうだったのか!」という新鮮な驚きをもって改めて教えてくれる内容である。

これは正にその妻でしか知られていない無名な武将山内一豊の目線で
戦国を描いた「功名が辻」のストーリ展開と同じなのである。

「コンピュータ」といわれた婦人たち、聖職者でありながらビッグバン
理論を提唱したル・メール、ビッグバンの証拠となる赤方偏位写真を
最高の精度でとるのに貢献したもともと掃除夫だったハッブルの助手
など多くの無名の人たちが描かれている。

また「ビックバン」というネーミング自体もビッグバン理論に負けた定常宇宙論提唱者が冗談半分で呼称したのがはじまりだとか。

これだけの内容をサスペンスストーリのように一気に読ませてしまう
著者の力量たるや正に「ビッグバン」なみと言えよう。
(猫好きのアナログおじさん/2006-07-11)
この本(以下上下巻をまとめて扱う)は,著者のこれまでの名著(Fermat's Last Theorem 等)に比べると長い.その理由は,主題の性質上,抽象化も省略もせず,なまの素材を用いたことによる.しかし読んでみると全く快調で長くなんかない.まず定石的に Eratosthenes の地球の大きさの測量から始めて,宇宙マイクロウェーヴ背景放射の非一様性の最終的確認まで,驚くほどの詳しさ (Gamow の ylem の語源など知らなかった)と劇的描写の連続 (Hoyle による質量数5のクレヴァスの克服 ! )で,人間はどこまでやってのけるのか息を呑む思いが続く.私たちは Alpher-Bethe-Gamow 論文には間に合わなかったが,Burbidge-Burbidge-Fowler-Hoyle (B2FH)論文の衝撃は昨日のことのように思い出す.でもその裏にHoyle 対 Fowler の駆引きがあったとは.今思えば,Hoyle の定常宇宙モデルは初めから負けだったけど,彼の建設的反対ぶりは見事だった.
一つだけ注文がある.この本に出てくる人名は,上に書いたようにまだ文献的に生きている.従って検索の便のために,ローマ字ではどう書くのか,短い索引が是非ほしい.それと110番元素 (図67) は darmstadtium (Ds)と命名された. (ymatsui4/2006-06-25)
「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」で我々を楽しませてくれたシンが第三弾として「宇宙論」に挑んだもの。だが、出来は前二作より落ちるようだ。

プトレマイオスから最新のビッグ・バン理論まで敷衍するのだが、如何せん本書を手に取るような方には"常識の範疇"の逸話が多く、啓蒙される点が少ない。題材が雄大過ぎて個々のエピソードに深みがないのだ。ただし、語り口は相変わらず巧みなので、体系だって「宇宙論」を俯瞰したい方にはお勧めかもしれない。

また、近代以降の研究者は別として、ロクな観測機器もない昔に、夜空の星を眺めながら次第に宇宙の謎に迫って行った研究者達にはロマンを感じると共に、改めて人類の英知に驚嘆する。そういう意味で、「宇宙論」と言うよりは宇宙への夢に賭けた人物伝としての価値がある書。 (紫陽花/2007-09-25)
私は電離圏プラズマを研究対象にしている研究者です。
本書に出てくるような宇宙物理現象は専門外なのですが、
学生時代から物理全般に興味があり、、
アインシュタインの相対性理論から始まるビックバン理論には特に興味がありました。
しかしながら所詮専門外。趣味程度にブルーバックス・シリーズなどを時折手に取り、
多少の薀蓄(うんちく)を得て満足していました。
大学教養の相対論の講義を、大学院生になってから受けに行ったりもしていました。
ただ、どうしても全体像がはっきりしません。
「この数式はどうして重要なのか?」、
「この理論は何に役立つのか?」、
といった疑問が残ったままです。

私が学生時代に感じていた、このような疑問は
最近の学生の理系離れに直結しているのではないでしょうか?
2008年に物理学でノーベル賞を受賞された小林誠先生が
「今の教科書には最低限のことしか書いてない。全体のストーリーが見えない」
とおっしゃっている通り、現代の理系教育の問題点の一つがそこにあったと思います。
例え数式の羅列でも、人間の作り出した学問としての物理や数学において、
たった一行の数式の中に多くの人間の歴史や、彼等の生きた時代の歴史が詰まっているのです。

現代の教科書にはない、ストーリーを著者サイモン・シンは完璧に伝えてくれます。
私が大学で物理を教えることがあるなら、本著を副読本とし、学生にレポートを書かせるでしょう。
読み切るのに一週間ほどかかりましたが、過去の読書とは比べ物にならないぐらい、多くのことを学ぶことができました。

(Dr. Gonzo/2009-01-19)
上巻を読んだところでレビューを書くのもなんですが・・・原書は一巻ものだし・・・レビューが上下巻別に出てくるので。

『フェルマーの最終定理』も『暗号解読』も面白かったので、見つけてすぐに購入。焦点は確かにビッグバン宇宙論なのだが、西洋の教養主義らしく、ギリシャ時代の宇宙認識から始まって、コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタインと、上巻は悠々と進んで、ハッブルが系外銀河のスペクトル赤方偏移を見いだすところまで。銀河の大きさを初めて類推したハーシェルは全恒星が同じ明るさとして概算した事(意外にも決して悪くない見積もりが得られている)セファイド変光星を用いた距離の見積もりの発見の経緯など、知らないことも沢山あって、楽しく読めた。

ただ、特殊相対論の紹介はちょっと賛成できなかった。特殊相対論は電磁気学の基本方程式であるマックスウェル方程式がガリレオ変換とコンパチブルでないことの解決として、運動方程式の方を変更する事で、電磁気学と力学の矛盾を解消したことに大きな意味があると、私は思っている。本書では電磁気学の話がまったく出てこなくて、エーテル否定の説明も、媒質(光の場合エーテル)の運動との関わりで極めて不十分なものになっている。特に、光速度一定の原理を、極めて天下りに与えているのが気になるところだ。この手の説明が世の中の「相対論は間違っている」本の出現を手助けしているのだから、もう少し工夫が必要だったと思う。

というところで、あとは下巻を読んでからにします。 (shibchin/2008-03-27)
ビッグバン宇宙という言葉は十分一般的になっているが、この現代用語を、専門家ではない一般読者にわかりやすく伝えるという点で、よく書かれた本だと思う。他のレビュアーも指摘しているが、シンの語り口はとても柔らかくわかり易い。ややページ数は多いが、長さを感じさせないほどソフトな本で、一気に読める。難解な専門用語がほとんど表に出てこない点がその理由だろう。
ビッグバン宇宙についての一般教養書として、第一にお奨めできる本だと思う。 (shannon/2008-02-11)
ポピュラーサイエンスのライターって、オーケストラの指揮者みたいに見えてきますね。どちらも題材(事実/楽譜)は決まっている訳で、あとはライター/指揮者の解釈によって見せ方/聴かせ方を変えてくる訳です。本書を読み終えると、サイモン・シン氏はただ者ではないなぁーと感じ入った次第です。

私はこれまでビッグバンに触れられた本(※1)を読み、TV番組(※2)を見てきました。それでもなお本書を読むと、新しい発見がありました。(私はすっかり本書にハマリ、週末の午後で上・下冊を読みきりました)
「科学はエラーの自己修正過程である」(カール・セーガン教授)の発言通り、ビッグバン理論が紆余曲折しつつも次第に確立していく様子がイキイキと描かれます。非常に感心したのは、資料・図・表の見せ方ですね。(ガリレオのスケッチを始めとするオリジナル資料、対立理論の勝敗表、概念の説明図、等々) オリジナル・データによっては「えっ、そんな風に見るんだ、解釈できるんだ」というモノがあり、「星の王子さま」の名言「ものごとは、心で見ないと良く見えない。いちばん大切なことは、目に見えない」を思い出した次第です。実験データも「仮説に基づく信念」がないと真実を掴み取れない訳ですね。科学におけるセレンディピティ的発見の解説にもなっているところがサスガです。
そんなわけで宇宙科学に馴染みがない方は勿論、「今さらビッグバンなんて」という科学ネタ通な方にもお薦め出来ます。

(※1)「僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して」(マーカス・チャウン)、「人類が知っていることすべての短い歴史」(ビル・ブライソン)は特にお薦めです。
(※2)「Cosmos Collector's Edition」のDVDボックスは、1980年の作品ではありますが、今もなお重要な作品だと思います。 (ゴルゴ十三/2006-06-25)
興奮する宇宙 ||||||||||||
いい本にはよけいな言葉はいらない。ここまでわかりやすく、かつ人間味あふれた宇宙論はない。一種のミステリーを読み終えたような爽快感がある。基礎知識も必要なし、まさしく万人向け。読んで損なし。 (ボウモア/2006-10-18)
暗号解読、フェルマーの最終定理の著者、サイモン・シンの第3作目。前2作、特に暗号解読は、僕の生涯ベスト3に入る名著だったため、ちょっと期待しすぎてしまったか、新鮮な驚きはありませんでした。

じっくりと秩序だてて宇宙創造という複雑なテーマを、その背後にある人間ドラマとともに書き上げているのは確か。僕自身もずいぶんと頭の整理になりました。宇宙論の入門編としてはとてもよいです。でも目新しいものはなし。

良くできたガイドブックではあるけれど、穴場案内やマニア垂涎のお宝紹介までは含まれていません。うーん、ちょっと残念。 (くろくま/2006-06-27)
 サイモン・シンならではのタッチでとても分かりやすく古代から現代に至る宇宙論を展開している。地動説と天動説、定常宇宙論とビッグバン宇宙論をそれぞれの論点から比較した表はとても分かりやすい。時代とともにその表の項目の評価が変化して行き優劣が定まる様は人間の理解が確実に深まってゆく様子を示している。
 また登場人物が生き生きと描写されている。訳者あとがきでも触れられているビッグバン宇宙論を展開したジョルジェ・メルートルは私も初めて知った。神学者であり科学者であるがゆえにうがった見方をされたことと思う。彼自身は「科学と宗教を混同することはない」と明言している。しかしファイマンが言うように(その直感があっているかはともかく)直感が人を動かす。したがって聖書の「光あれ」は科学者にインスピレーションを与えたのではなかろうか。

 その他にも民間企業のATTで電波望遠鏡が発明された経緯、それを更に発展させて宇宙マイクロ波背景放射の発見に至る経緯は、損得を超えた人間の善意がもたらした発見ではなかったか。

 定常宇宙論推進者のホイルが元素合成の問題を解決しビックバン宇宙論の基礎固めをするなど多くのドラマがあり生き生きとした宇宙論になっている。そのにしても量子力学の世界では無から有が生まれるというおよそ現実の世界からは推測できないことが生じているという。サイモン・シンには量子論の話も書いて欲しいと思う。 (21世紀/2007-04-22)
 これまでにも多くの書籍がビッグバンを題材として取り上げ、様々な角度から論じているが、本書はいかにビッグバンを解説しているだろうか。上下巻を読んだ感想としては、特別新鮮な驚きはなかったというのが正直なところだ。確かに筆者の筆力は素晴らしく話には引き込まれるし、今まであまり語られていなかったエピソードなど見所もあるのだが、いかんせん到着点が決まっているためにどうしても新味が薄いのだ。さらにビッグバンは殆ど「事実」として認められているもののまだその理論には不完全な部分も多く、最新の理論では主流?のインフレーション理論や、果てはVSL(光速変動理論)等も提示されており、そのあたりの展開がなかった事も不満が残った。
 ただし最新の(まだ不確定な)理論が記述されていないのは、観測と理論の科学の両輪が揃った地点までを現代の科学的宇宙観として知って欲しいためだと語られており、これには納得させられた。人類の叡智がいかにしてビッグバンを解明したのか、その歴史を知るにあたっては本書は一読の価値ありと思う。 (ことち/2006-11-16)
宇宙論の歴史を、それに携わった人々を伝うようにして話を進めていく、「フェルマーの最終定理」等と同じ手法でのストーリーの組立で、頭を悩ませる事無くすいすいと読んでいけるのは流石と思った。最終的にはどのような経緯を辿って今の宇宙論があるのかを、ざっと把握でき、ストーリーも楽しんで読めるのでオススメできるが、「フェルマーの最終定理」の時ほど盛り上がる感じもなく淡々と進む印象だった。(私個人としては「暗号解読」をまだ読んでいないので、「フェルマーの最終定理」のみとの比較になってしまいました)
上下巻まとめてのレビューとします。 (anomalocaris/2007-04-20)
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w:13 h:18 267page
異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念
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ASIN:415208524X
早川書房(2003-10)
原著:Charles Seife翻訳:林 大チャールズ サイフェ
売上順位:87538
¥ 2,415(中古:¥ 1,061)

レビュー総評点:225
数学・物理の基本をやさしく解説 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ゼロという数の歴史と、ゼロの発明が数学・物理学をはじめ、哲学や宗教、化学など、様々な分野に与えた影響を解説すると同時に、ゼロとその影としての無限大を切り口に、数学や物理学の様々な原理や理論を分かりやすく紹介している。最初のゼロという数の歴史については、すでに古典とも言える吉田洋一「ゼロの発見」とも共通する部分があるのだけれど、それ以降の部分がまた非常におもしろい。数学の簡単なところでは微積分から高度なところでは複素数の概念まで、そして物理学の領域では相対性理論や量子力学、ひも理論まで、最先端の領域も含めた幅広い領域をカバーしていながらも、非常に分かりやすく書かれている。基礎的な教養として数学や物理学の知識を身に付けるのには素晴らしい内容。対象としては高校生以上向けでしょう。 (schizophrenica/2003-12-15)
図版が秀逸。良い本。 |||||||||||||||||||||||
難しい部分の説明では、グラフや図やイラストを提示しながら説明してくれるので、数学が得意でないわたしでも付いていけた。なかでも複素平面の説明は秀逸で、「円は直線と同じ」という概念が直感的に理解できた。 (amam5/2004-04-04)
不思議な数「0」の魅力に魔力 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「0」という数字は、1から9までの他の数字とはなりたちも性格も大きく違うもの。その異端の数字がこの本の“主人公”である。こうしたテーマには惹かれるものがある。
 前半は「0」という概念の発見から始まり、なぜ、世界の多くで「0」が長い間受け入れられてこなかったかが書かれてある。そこには「神の存在」という問題がつねにつきまとっていたのだ。
 そして、「0」がだんだんと中世以降のヨーロッパで認められていく過程や、「0」が生み出したともいえる新発見などに話が移っていく。そして最後は数学から離れて、20世紀以降の物理学や天文学で扱われてきた「0」の話になる。
「0」というテーマは、けっこう壮大なものかなと思っていたが、本編のボリュームは標準的な240ページほど。たとえば『エレガントな宇宙』や『フェルマーの最終定理』などの分厚い海外ノンフィクションに比べると、人物の紹介やエピソードなどはエッセンスだけに絞って、いくぶん抑えてかかれてあるような気がした。
「0」と表裏一体の関係の「無限大」についての話も、「0」についてと同じぐらいの分量で出てくる。それほどまで「0」と「無限大」は切っても切れないものということか。
 専門的でものすごく難しいことが書かれているわけではないが、少しは数学や物理の知識があったほうが、つまずかずに読み進めることができるだろう。学校で数学の勉強をまあしっかりやっていて、相対性理論や量子力学の初歩をかじったことのある方ならば付いていける。また、「ある数を0で割ると、その答えは無限大になる」といったことをあらかじめ知っておいた上で読めば、よりすんなりいくと思う(そうした話があまり説明なしで出てくるから)。
 素晴らしいことに昔の人々は、存在の無いものを「0」として存在させて、世の中の仕組みをよりわかりやすいものにした。こうした話を読むと、「0」の発見とは言わないまでも、単純でありながらまだ発見されていない「便利なもの」が、世の中には眠っているのかもしれないと思えてくる。 (漆原次郎/2004-05-18)
であると言うことが巻末の付録で証明されています。これを見たときは笑いました。
正直文系人間には微分積分あたりで数式が出てくるとつらいです。そういうところは
見なかったことにして、ゼロという概念がいかなる歴史をたどってきたかという読み物
としてみれば面白いと思います。ちなみに私は二次方程式の解き方すら忘れた文系人間
ですが面白く読めました。
(okada/2008-03-12)
 本書の第0章(!)に著者が書くとおり、「ゼロが古代に生まれ、東洋で成長し、ヨーロッパで受け入れられるために苦闘して、西洋で台頭し、現代物理学にとって常なる脅威となるまで」の、「ゼロの物語」です。
 この手の本ではいつもそうなんですが、文系人間にとっては相対性理論や量子論、ひも理論なんかに絡む部分は、やっぱり何となくしか分からない。それは仕方ないとして、ゼロ概念がアリストテレスの思想やキリスト教の縛りを解き放って広まっていく部分は、思想史の問題として十分に楽しめた。実際、本書の半分以上がこの叙述に割かれているんで、「ゼロの思想史」みたいなタイトルでも違和感ない。
 あと、余分なことですが、ゼロという言葉の起源がアラブ人の使ったsifrだという説明がp85にあって、そういえば著者の名前がSeifeなんですよ。似てるでしょ。トンデモな関係付けでしょうけど、著者の名前と研究テーマって、時々偶然とは思えない一致をするんですよね。 (モワノンプリュ/2005-02-21)
ゼロと無限大の伝記。 ||||||||||||||||||||||||||||||||
 昔、地上に、ゼロは、なかった。
 ゼロは、かつて、発見され、異端視され、双子の兄弟ともいえる無限大とともに、忌み嫌われ、排除された。
 しかし、現代の我我は、ゼロという数字を、忌み嫌っていないし、排除していない。なくてはならない数字だ。(冒頭で、ゼロによってアメリカの軍艦ヨークタウンがただの鉄の塊になってしまったというエピソードが紹介されているが)
 ゼロ(と無限大)が、どのように発見され、消され、また復活し、受け入れられて来たのか、その歴史物語を、何万年も前の古代から、説き明かしてくれる。
 その過程で、ゼノンのパラドクスや、微積分、絶対零度、相対性理論などについて、わかり易く教えてくれる。
 文字が小さくて、字数も多いが、結構スラスラと読めた。数字や数学に興味のある、一般の人に、面白い内容だと思う。 (汐菱Q/2004-01-21)
ゼロの物語 |||||||||||||||||||
数学書という感じの本ではなく,「ゼロの歴史」,あるいは,「ゼロの物語」といった趣の本です.

その昔,「ゼロ」は単なる位取りの記号で,数学は哲学や教会と密接に関連していたそうです.そして,その中で「ゼロ」がどのように拒絶され,受け入れられてきたかという話は非常に興味深いものでした.

第7章の物理学のところは,量子論や相対性理論をある程度知っていないとちょっとつらいですね.昔大学で習ったことはあるはずですが,すっかり忘れていたので眠くなって大変でした.

アキレスとカメの話は有名ですが,同じように明らかにおかしいのにどこがおかしいのか分からないような数学的トリックがいくつか説明してあり楽しめます. (wave115/2006-02-25)
 ほかの数と明らかに違う数として0が気になりだしたのは私が高校生のころ。自分の平凡さがいやで0がすごくカッコよくみえた。そのカッコいい0についての本を見つけてソッコー買ってみた。ユーモアがあって簡潔な文体には好印象。とくに、チャーチルがニンジンであることの証明やワームホールの作り方は笑えた。表題は異端とか危険とか煽ってますが、この本を読めば0に親しみがわいてきます。0の子供のような天真爛漫さが、偉い科学者や世の中を戸惑わせるさまは痛快です。ただやっぱり0は野生動物です。人間が飼いならすことができないコヨーテです。この本をよんで、自分が0にあこがれた理由がちょっとわかりました。 (ラストアマゾネス/2009-02-12)
数字のゼロが西洋の歴史に登場する経緯より始まり、数学、哲学、宗教に与えた影響について書いてあります。数学史、哲学史に興味のある方で、英書が苦でない方にどうぞ。一般向けに書かれていますが、高校の数学が嫌いだった人にはあまりすすめられません。S. Signh,"Fermat's Enigma: ...."と読んだ印象が良くにた本です。ただ、Seifeのほうが題材に対する思い入れが強い印象を受ける文章で書いています。 (/2001-07-25)
9件のレビューを表示しています。
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w:10 h:15 495page
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
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ASIN:4102159711
新潮社(2006-05)
原著:Simon Singh翻訳:青木 薫サイモン シン
売上順位:1111
¥ 820(中古:¥ 300)

レビュー総評点:325総評点300以上の注目商品
ニュートンもかくありき ||||||||||||||||||||||||||||||||||

とても上質なドキュメントです。「余白が足りないので驚くべき証明を書き記せない」という何とも思わせぶりなメモと、簡潔な数式で余りにも有名なフェルマーの最終定理が、とても余白などには書ききれないような膨大かつ高度な最新数学を駆使して証明される過程を素人に分かりやすく記した、小説以上にドラマティックなノンフィクションです。

ワイルズの証明の前提を成すある『予想』を提示した数学者も、ワイルズの発表前に誤った『証明』を発表した数学者も、そしてワイルズが発表後の瑕疵を解決する際に大きな役割を果たしたある『理論』を提唱した数学者も、全てが日本人であると言うこともこの真実のストーリーにのめりこむ一要素になっています。

しかし、何と言っても一番感動的なのは、砂上の栄光の後の挫折の中で一度は自ら閉じかけた解決の扉を才能が導いた閃きと共にもう一度押し開く瞬間の描写です。ここはワイルズ自身の言葉で語られていますが、もしニュートンにリンゴが落ちた瞬間の閃きの感動をインタビューしても同様の言葉が返って来るのではないかと思えるほどです。

最終章の四色問題や球体充填問題の説明は蛇足のような気がしますし、73ページ9行目の誤植は場所が場所だけに残念な気がしますが、そのような小さな欠点を補って余りある興奮と迫力が全編を貫いています。 (midiman/2006-07-03)
本書は数学をテーマに掲げているものの、
その内容は素晴らしいドキュメンタリーだ。

戦争映画を見るのに、銃の取扱いを知ってる必要は無い。
スパイ映画を見るのに、数ヶ国語に熟達してる必要も無い。
数学者の物語を読むのに、数学を知っている必要は無い。
むしろ、先入観も無く、数式もさらりと流してしまえる、
数学嫌いな人の方が本書をより楽しめるのではないだろうか。

500頁のボリュームだが、ハラハラドキドキの展開、
思わず息を殺して読んでしまう程のスリルと緊張感。
面白いドキュメンタリーの要素が、ぎっしりと詰まっている。

ぜひ、身構えずに読んでみて欲しい。 (ナカヤンJP/2007-06-04)
フェルマーの最終定理を解くために、19世紀の数学、世界中の数論を
統合したプリンストン大学のアンドリュー・ワイルズ、なんともすごい話
である。それにしてもピタゴラスの定理につながるとは、この著者サイモ
ン・シンもすごい、物理学からTV界に、そして、この本である。たぶん、
サイモン・シンがBBCで放映し、この本を書かない限り、一般の人には
この大きな業績の意味を理解できなかっただろう。たまたま、何年も前に
BBCの番組を観て、このときのワイルズの言葉で、「朝起きたら、ふっ
とひらめいた」とひらめきの話しがすごく印象にあり、仕事や日常で壁に
ぶつかったときに思い出した、そして、その話しを人にもした。数学は、
問題の解決をする学問である。したがって、答えは一つでも、人それぞれ
に解決への道は違う。ワイルズは、350年間の全ての数学者の考えを1
つにした。こんな、ワクワクした本の著者サイモンに感謝し、さらに、こ
の本を翻訳した青木薫氏にも感謝する、訳者が自然科学を愛する女性とは。
 この三者がいなければこれほどの読み物にならなかっただろう。
 確率論やゲーム理論などなるほどと思った話しが満載である。
 ただ、最終章の未解決のケプラーの話しからは、蛇足であった。

(A・佃崎/2007-01-14)
「数学はいつも3。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||
暗算を求められるとパニックに陥ってしまう。」

そんな超文系の私でも、最後まで一気に読んでしまいました。
今では周囲の友人たちにも、「最近こういう本を読んでさぁ」と、言いふらしたくてしかたありません。
そうすると、数学がニガテであればあるほど、目を輝かせて聞いてくれるのですよ。数学に挫折した人間にとっては、それほどまでに新鮮な世界なんです。

文系人間の私が、数字を通じては感じることの出来なかった美しい「数論」の世界。それを文章というかたちを通じて知ることができたことが奇跡のように嬉しいです。

(チト/2006-07-31)
すご〜くおもしろい ||||||||||||||||||||||
フェルマーの最終定理の証明に関係する専門分野の数学者でも10%程度しか
ワイルズの証明を理解できないと,本文にあるように
非常に難しい,というか意味のわからない話が主体なのに
途中で?もなく,ここまで面白くまとめた著者はすごいでしょう,
もちろん著者も完全に理解はしていないでしょうに,
すぐにファンになりました.

内容はワイルズのフェルマーの最終定理を中心に,それまでの歴史,周辺数学事情を
非常に的確に選んで一つの物語となっています.
難しいはずの内容がほとんどの人が読めるように,しかし「わかった気にする」だましではなく,
うまく端折って次への興味を抱く構成となっています.
数学のわからない人でも一気に読める内容なので,多くの人がおもしろく読めるでしょう.
残念なのはこの書名だと数学嫌い(日本人の大半?)は手に取らないこと.
しかし,これしか書名はないか.

これくらいのテーマだと,訳者も背景の勉強は大変だったでしょう.
著者,訳者ともにブラボー.


(カカポ/2007-02-27)
フェルマーの最終定理がどのように証明されるかを書いている。
フェルマーの最終定理を理解するための背景知識というか、背景となる情景を映し出している。

数学の本は、単調で、理解できないと、挫折してしまう。
しかし、この本を片手に、原理の理解を進めようとすると、 挫折しても、また、もう一度やり直そうという気力がわいてくる。
数学は、無味乾燥な学問ではなく、自然か社会か人間かのいずれかの理論の背景があって成り立つ学問であることを再確認できる。

単なる知的好奇心だけでは続けることができるとは限らない。
美的センスと信念について、ある種の啓示をしているかもしれない。 (kaizen/2007-12-30)
820円は安すぎる! |||||||||||||||||
2000年に出たハードカバー版の文庫化。ハードカバー版は2000円以上しちゃうのでなかなか買えなかった。文庫版になって820円になったので購入したのだけれど、いまさらながらに後悔した。

これは2000円以上出しても良い本であった、と。

ピタゴラスからワイルズに到るまで、数学の歴史を紐解きながら、フェルマーの最終定理について語るサイモン・シンの筆力に脱帽。多くの個性的な登場人物が登場し、フェルマーの最終定理に挑みながら破れ、しかし破れてもなお彼らの挑戦が後の挑戦者の礎となっていく。下手な歴史小説などより遥かに面白い。
この本を高校生の頃に読んでいれば、間違いなく自分は数学者を目指していただろうなあ…。 (miya/2006-06-07)
今回文庫本になったこともあり、読んでみました。約500頁もある本ですが、約3日で読めました。非常にドラマチックです。読了後も暫く興奮してました。
大きな夢(grand design)を持つこと、良い課題を設定すること、それを上手くブレークダウンすること、壁にぶち当たった時にも考え抜いて「ひらめき」が生まれる状況にうまく自分を持っていくこと、、、そんな研究者の営みが「フェルマーの最終定理」に取り組むワイルズの姿を通じて良く分かります。「貴方が、出来ると思っても、出来ないと思っても、どちらも正しい」(フォード)という言葉が思い出されました。「出来るはず!」と信じて8年もの間この課題に取り組むワイルズの根性に素直に感動しました。

広中平祐氏の自伝「生きること 学ぶこと」と色々と共通する点を見出しました。(こちらの本もオススメですよ!) 「知恵の広さ・深さ・強さ」「創造のある人生こそ最高の人生(=気付かなかった自分の資質を掘り当てる喜び)」の意味がこれらの良書を通じてよく分かりますね。「試行錯誤は絶対に無駄ではない」(広中氏)、これはワイルズの話でも共通します。この言葉は大事にしたいですね。 (ゴルゴ十三/2006-06-16)
フェルマーの定理が証明されたと聞いてわくわくした。その後、このことを報道する番組や、扱った本を何冊か目にしたが、やっぱりこの本が一番おもしろかった。おもしろさのポイントは、フェルマーの定理の証明の中身に深入りせず、その背景や手法の説明に重点を置いた点にある。その中で、数学の歴史や、わかりにくい「数論」のおもしろさ、女性や日本人研究者の貢献や、証明を計算でやってのけるコンピュータの活用とその影響など、興味の持てる題材をちりばめている。
その証明を理解できる数学者はむしろ少数であるらしいし、何章にも分かれた証明を読む気にはならない。でも、あの単純さとわかりやすさで多くの人にすぐ理解可能であった定理の証明が、これほどの積み重ねであることには感心する。純粋学問としての数学の奥深さにふれることができた。 (pooh bear/2006-07-22)
フェルマーの定理はピュタゴラスの定理の応用ともいえるもので、問題の意図するところは中学生でもわかるし、証明できそうな気にもなる。
その一方で、当のフェルマーは『この命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない』と挑発。この挑発に対する挑戦が350年も続くことになる。

フェルマーの定理の存在は大学の授業で知り、社会人になってから新聞の社会面で証明されたことを知ったが、フェルマーが挑発的であったことやピュタゴラス教団なるものがあったこと、日本人数学者もフェルマーの定理に関与していること等は本書を読むまで知らなかった。

本書はフェルマーの定理に関与した数学者に関するドキュメントである。350年間の過程、ワイルズが証明に至るまでの過程を丹念にかつドラマチックに描写しており、さらに、π(パイ)と河の長さ、素数とセミ、無限ホテル等、教科書には記載されていないような挿話もある。数のもつ美しさ、数学の厳格さや、捉えようもない難しさを、理系にも文系にも馴染みやすく書いた良質の数学ノンフィクションである。

ただし、以下の2点が引っかかり、読み終わった後に爽快感を感じることはできなかった。
まず、ワイルズが得た感動、爽快感を共有できないこと。ワイルズは20世紀のテクニックを駆使して証明をしているため、証明の内容は高度であり、理解するには相当に高度な数学知識を要する。本書は前半では数学をわかりやすく記載さいているものの、後半に進むについて数学的なテクニックに関する記載は少なくなり、クライマックスのワイルズの証明は、具体的な内容がほとんど記載されていない。本書に責任はないのだが、星5つにし難い点である。

もう一点は、『未解決の大問題』として挙げられている四色問題や球体充填問題が蛇足であること。どうぜ蛇足を書くなら、未だにフェルマーの定理と格闘している数学者を追って欲しかった気がする。フェルマーはワイルズと同じ方法ではなく、17世紀のテクニックで証明しているはず。未だに、フェルマーの挑発に挑んでいる数学者は執念深いのか?ロマンチストなのか? (凱晴/2008-08-31)
この本は、ピュタゴラスをはじめ、数学史に名を残す人たちのノンフィクションであり、また3世紀にも渡り誰も証明をすることができなかったフェルマーの最終定理(未証明のときはいわばフェルマーの最終予想)の証明を果たしたアンドリュー・ワイルズという数学者のドキュメンントです。

この本の著者であるサイモン・シンは、元々BBCに勤めており、その時代にTVのドキュメンタリー番組として作成した「フェルマーの最終定理」が各種の賞を受賞し、エミー賞にもノミネートされた。その番組を元に書き下ろしたものが本書になります。

フェルマーの最終定理とは、17世紀の数学者であるピエール・ド・フェルマーが、意図的なのか、そうでないにせよ、数学史に残したいわば超難解な謎かけです。
フェルマーが「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。」といって証明を示さずに残した定理(予想)であり、3世紀にも渡り、偉大な数学者にも完全に証明できなかったものです。

この本ではそうした数学者達のフェルマーの最終定理への取組みと、数学が発展してきたさまが記されており、また20世紀に入ってワイルズが証明を果たした過程がドラマチックに表現されています。

数学が苦手な私でしたが、この本を読んで数学の完全性、美しさに触れた気がしました。 (カエタノ/2008-05-03)
特に後半の「谷山=志村予想」が出てきたあたりから「どうやって解決に至るんだろう?」とわくわくしながら一気に読めた.

実はこれまですでにフェルマーの定理関係の一般向け解説書は二冊ほど読んだのが,どちらも読みづらく,ほとんど飛ばし読みして中身が頭に入らなかった.しかし,本書は専門用語が出てくるのにもかかわらず,ほとんど気にならない.

フェルマーの最終定理を軸にした数学史入門といった感じで,いろいろなエピソードが出てくる.どれもおもしろかったのだが,ゲーデルの不完全性定理とフェルマーの定理の関連や「なんらかの意味を持つ数学史上最大の数」の話はとくにおもしろかった.
(御猫大明神/2007-02-09)
タイトル買いしました。
私は数学は得意ではないですが、思い立って数学の青チャートなど買ってみたりしています。
中学生のときの数学の先生が、「数学は何のために勉強するのかというと、ものごとを順を追って考えるということを身につけるためなのだよ」みたいなことを言ったのですが、その言葉のおかげで、今でも苦手とはいえ数学に興味があるのだと思っています。
内容は、350年経って、フェルマーの最終定理が証明されたことに加え、数学の歴史がとてもわかりやすく書かれています。
しかも、難しい数学、数論の話が、とてもわかりやすく、頭が混乱することなく、すらすら読めました。
ワイルズの功績はもちろんですが、著者の文才に拍手です。
フェルマーの最終定理は、わかりやすいが難しい。
それに挑んだワイルズの努力とその姿勢には、「子どもの頃からの夢と目標」が大きく影響した。
自信家ではなく努力家。
ワイルズの姿勢には、学ぶところが大きいです。
いろんな人に読んでほしいと思う本です。
(tyrol/2006-07-11)
簡単な算数からはじめて、飛躍を感じさせること無くフェルマーの
最終定理が解決される過程を読ませる構成力と文章力に脱帽です。
また、翻訳特有の感情移入を妨げる変な日本語も無く、
ダビンチ・コードに劣らない、最高にエキサイティングな一冊です。
(kaz-p/2006-06-24)
やはり謎解きは面白いです |||||||||||||||||||||||||
以前から興味を持っていた本ですが、今般、文庫化されたことで購入しました。ご存知の方も多いとおり、タイトルの「フェルマーの定理」は、17世紀の数学者が「この命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」という謎の言葉を残してから、幾多の数学者が、挑戦しても解決できなかった難問です。
本書では、フェルマーの定理が出るにいたるまでの17世紀以前の数学史から、数学者が挑戦し、ワイルズという数学者が解決するまでを、平易に語っています。この本の白眉は、やはり、日本人も含めた数学者が、解決に至る手がかりを見つけながら、解決までには至らず、最終的にはワイルズがそれれらの手がかりをまとめ、証明するくだりで、下手なミステリーよりもドキドキワクワクさせられます。但し、そこのくだりに至るまでは、やや冗長な面もあり、何回か、放り出しそうになったのも事実です。その点を差し引いて、星4つにしておきます。
(993改/2006-12-09)
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w:13 h:18 482page
暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
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紀伊國屋書店(2002-02-16)
翻訳:斉藤 隆央スティーブン・レビー
売上順位:182186
¥ 2,625(中古:¥ 736)

レビュー総評点:34
普段、インタ-ネット接続やメ-ルの送信時、何気なく打ち込んでいる「ID」や「パスワ-ド」に
これほどたくさんの人々の情熱が注ぎこまれているとは、考えもしなかった。
暗号そのものは、非常に高度な数学的知識が要求される学問だが
筆者は数式を避け、数学に親しみのない人にも
分かりやすいたとえ話(アリスとボブと邪魔者のイヴ)で説明をしている。
これは、暗号の本というより
今では常識となったセキュリティ-を、コンピュ-タ利用者が獲得するまでの
熱い人間ドラマ、と呼ぶにふさわしい内容に仕上がっている。
訳文もわかりやすく、瞬時に内容にのめり込める。 (linn/2002-03-05)
 「暗号」というだけで少しドキドキして、何かミステリアスなものを感じる私は、暗号についてちょっと調べてみようと思って、本書を手にしました。2日で読んでしまいましたから、結構読みやすかったのだと思います。
 暗号の開発・解読とその独占に情熱を注ぐアメリカ政府、暗号を独自に研究し市民のものにしようとする数多くの数学とコンピュータ科学の天才・秀才たち。自らの誇りと利益と安全と理念を守るために、さまざまな人々のさまざまな思いが複雑に絡み合いながら物語は展開していきます。
 当事者の発言を丹念に収集し、社会的背景も織り交ぜながら飽きがこないように緻密に作られていて、著者の能力に圧倒されます。
 ただ、暗号に関する技術的な説明は、私にはあまり理解できませんでした。この点は現代の暗号理論の性質上やむをえないのかもしれません。また、登場人物が非常に多いので、主要な人物しかイメージが持てず、ちょっと困りました。
 でも、読むべき本です。ネットワーク社会のプライバシーと情報の保護を考える上で、有益な情報を提供してくれると思います。 (自在(じざい)/2003-03-03)
米国で発展した暗号技術発展の歴史をわかりやすく解説しています。
日本にいると暗号というとスパイなどを思い浮かべますが、本書を
読むとそれ以上に米国では兵器と同等の扱いがされていたことに
驚きを感じます。
また、そのような状況で、「暗号技術が人々の自由を確保する技術」
であると今のネットワーク社会との関係を速い段階で見抜き、暗号
技術を発展させ体制と対立してまでも普及させていった人々の卓越
した技術と精神には驚きを禁じ得ません。
内容は具体的な暗号化技術の詳細にまでは立ち入らず、その拝啓や
技術の意義をわかりやすく伝え、それに関わった人を中心に語られ
ています。挿入されるエピソードはもちろん実話ですが、読み物と
しても非常におもしろく興奮させられるものです。
今日、割と一般的に使用できるようになってきた技術ですが、
ほんの数年前クリントン政権時代には、ここに述べられているように
私たち日本では米国と同等の暗号技術、つまりセキュアな機能を
組み込んだ製品を利用さえできなかったのです。 というようなこと
を考えると、非常に身近に感じることができます。
個人情報保護法案などでプライバシーにますます焦点が当たっている
今日この頃ですから是非コンピューターに関わっている人は目を通し
ておくべきでしょうし、読み物としても楽しめることは保証します。 (papillon/2007-07-31)
 普段何気なく使っているブラウザの右下に表示される「鍵マーク」・・

 その後ろには、一部の組織が「暗号化」の技術を独占し、
オーウェルの「1984年」の「ビッグ・ブラザー」のように全ての情報に対する検閲を
可能とする社会から、
「暗号技術」を自分たちの手に取り戻し通信の自由を確保しようと、
技術的に悪戦苦闘し、また、思想信条的に努力した人々がいたことがわかる感動の物語です。

 「暗号技術」「暗号理論」等が、ついこの間まで、核兵器と同様なレベルでの
国家機密であり、米国政府が通信傍受を全てコントロール可能とするために、
様々な規格の制約を課し、かつまた輸出規制等により、巧みにコントロール
されていた中、

 一人の若者が、どの組織からもバックアップを受けず、
 また協力者もなかなか現われない中で、
 ある日突然、ついに「共通鍵暗号」方式を発見する!
 発見の瞬間の喜びの様子など、ほんと読んでいてワクワクしました。

 一つ一つのエピソードで描かれる実在の登場人物の人物描写が丁寧で、
彼らの理想や悩みを感じながら読み進むことができました。
  (まげ店長/2006-11-11)
「ハッカーズ」の著者らしいです。
NSAについての情報が凄い!
面白くって、2日間で一気に読了です!

DES、RSA、DSA、ハッシュ関数、PGPなどのかなり最近のテーマが主流で、
古典暗号は殆ど載ってません。
最近の暗号技術について易しく知りたい方にもお勧め。 (/)
たとえば、インターネットで本を注文するとしたら…自分の住所やクレジットカード番号など、人には見られたくない重要な情報を入れなくてはいけません。
そこで悪意のある人からあなたを守ってくれるのが「暗号」です。暗号なくして、現在の社会は語れません。
この本は、難しい暗号の話はありません。20年かけてゆっくりと行われた「暗号の革命」を、それに関係した人々のドラマとして書いてあります。
これを読む前と後では、インターネットだけでなく、社会の安全性についての考え方が変わると思います。 (あきよし/2002-03-06)
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w:13 h:18 478page
素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)
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ASIN:4105900498
新潮社(2005-08-30)
翻訳:冨永 星マーカス・デュ・ソートイ
売上順位:70613
¥ 2,520(中古:¥ 1,024)

レビュー総評点:97
 リーマン予想の解説は、とかく難しくなりがちだが、そもそも証明以前に、命題そのものが一般人には理解困難なのだ。
 「ζ(ゼータ)関数の自明でない零点は、全て実部が1/2の直線上に存在すると思うよ」とのことですが、そういわれましても、それを理解するのがまず難問なわけ。ましてや、これがどうして素数定理よりも精度が高い素数密度を出せるのかがさらに難しい。そもそも素数定理そのものすら我々素人には理解が難しい。でも、このリーマン予想はなにやら凄いらしい。
 証明には100万ドルの賞金がついているわ、映画になるわ、全く無関係な量子力学のランダムエルミート行列と繋がっているだわ、もう凄い凄い凄い大変でエレガントで神秘的で萌え萌えだという。それほどイカスならば、否、それほどナウいトレンドだというならば、ぜひとも理解したいではないか。数学は知らない、数学を勉強するガッツもない、だが、せめて概観でもいいから理解したいんです!
 OK任せろ
 という趣旨で書かれたのが本書である。確かに数式を避け、イメージを主としているので判り易い。そして面白い。しかし平易であることを狙いすぎたため、無限の濃度の話をしているところでも、対角線論法やカントールの名前すら出てこないため、かえって理解しにくい箇所もちらほらあるように感じた。それがネック。ただリーマン予想の解説本の中では、最も平易だと思うので、そういう意味で貴重だと思う。GJ (ワカシム/2007-05-14)
深遠なる素数の世界 ||||||||||||||||||||||||
 この本はリーマン予想という素数の非常に深い性質を表す、数学の未解決問題を主題として、それに関係する研究を行なった主要な数学者達の生身の姿を描写した興味深い科学啓蒙書です。著者はオックスフォード大学の現役の数論研究者ですので、この種の啓蒙書にあり勝ちな数学上の間違いもないようです。一般の読者を対象にしていますが、一部は大学学部程度の数学の素養がないと意味のわからない箇所もあります。しかし、それらを気にせずに読めば、偉大な数学者達の研究に臨む真剣な姿勢を窺い知ることができます。この本を読めば、広く一般に誤解されているような「数学とは単なる計算問題を解くこと」ではないことがわかるでしょう。特に数学に関心のある高校生や大学生にはうってつけの読み物と思います。20世紀の数学史を知りたい方にもお勧めです。 (21世紀/2007-04-22)
この本には魅力的な人物がたくさん出てくる。いづれも最高の知性の持ち主で数学が好きな人たち。コンピュータも出てくるがその役割は低い。全編を通じて感じたのはガウスの素数に対する見通しの確かさである。素数表を見てコイン投げの要素を取り入れた素数の分布を予想する関数を作成してしまう。またそれがカオスの考えを入れた現代の素数理論に通じてしまう見事さ。ガウスもオイラーもそしてリーマンも計算の名人でありともかく数字をいじくりまわすのが大好きな人たちだ。昔予備校の先生が手を動かさないわれわれに向かって手が自然に動くまで勉強しないとだめといったがなんだか通じるところがある。膨大な計算をしているうちに深遠な真理にたどりついたのだろうか。

リーマンの予想がなんなのか。ガウスの素数関数とゼータ関数からゼロ点(これも良く分からないが)と素数の関係を予想した式であるらしい。ゼロ点が1/2の線上に分布していることを証明できればいいらしい。そのようななかでモンゴメリーが双子の素数が近接しているのだからゼロ点も近接していると考えた(しかし実際にはそうでなくまた新しい展開が開ける)のは私もそう思ったので数学者もそのような発想をすることを知って安心した。

ラマヌジャンはこの本の中で異彩を放つ人物である。過去の業績や周りの人たちがやっていることを理解するのではなく、数の本質を理解しようとする。結局最終的にリーマンの予想を証明できるのは新たな発想ができる数学者であると著者であるソートイは述べている。

新しい言葉を獲得することにより理解が深まる。また新しい視点が得られる。どうも自分みたいななまけものは今ある知識で満足してしまうが一生を棒にふるかもしれないリーマンの予想の証明に人生をかける勇気ある数学者がいるから数学、そして科学が進歩してゆくのだということは分かった。
(リーマン/2006-02-25)
 学生時代に、この本を読んでいたら、もっと勉強していただろうな、と思えるほど、数学の魅力と展望を描いてくれている書である。数学に興味のない人にも、ある程度は物語性をもって読んでもらえるかも知れないが、やはり、数学を勉強しようかな、あるいは、してみたいと思っている人に是非読んでもらいたい。理系の高校生や、理系大学初年の学生にはとてもお薦めの本である。
 「素数」という、小学生にも理解可能な概念から出発して、とめどなく奥深い数学の深淵を覗かせてくれる素晴らしい本であるといえる。
 難点をいえば、ある程度数学を勉強した者でないと、本当の話のおもしろさが分かってもらえないところか。内容からすればやむを得ないところであるが。 (Nao13/2007-04-09)
この本は「博士の愛した数式」の著者である小川洋子さんが推薦文を書かれていたのと、私も好きな「素数」というタイトルに惹かれ、ついつい買ってしまいました。が、決してそれに違わぬ内容であると思います。

数学をかじったことのある方ならお分かりのとおり、素数って規則性の見えないように見える不思議な世界。そんな素数に魅せられた数学者たちの織り成す物語が、”音楽”になぞらえて展開されていきます。

数式は最小限にとどめられていて、リーマン予想の概略を捉えるには、いい入門書と言ってもいいでしょうし、それよりも広く数学の世界への入門書としてもお勧めできます。この本にもっと早く出会っていたら、もうちょっと純粋数学に興味を持っていたかもしれないな、と思わせてくれる一冊です。 (/)
リーマン予想をめぐる今日までの流れが良くわかる一冊です。多くの数学者の業績や失敗が綴られているので、とても勉強になりました。
そして何より、表現が音楽になぞられていることが美しいです。これなら数学に普段親しんでいない方にも、数学の美を感じることが出来ると思います。
ぜひとも多くの方に読んでいただきたい一冊です! (森の猫ちゃん/2006-07-26)
おもしろいけど疑問 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
グロタンディークがまるでリーマン予想を目指していたように書かれているのですが、彼が目指したのはリーマン予想の類似であるヴェイユ予想であってリーマン予想ではありません。
グロ氏が研究所を辞めた後、数学をしなくなった的なニュアンスで書いてありますが、これも事実と違います。むしろ辞めた後の方がグロ氏は自身の哲学を深く展開していきました。
コンヌがリーマン予想に挑戦している。と書いてあったけれどもコンヌの結果については全く触れられてません。
サルナックの結果についても触れられていません。
物語としては非常におもしろいと思いますが、数学的な内容は若干薄味です。 (付会の哲学者/2006-04-30)
この本の全般の内容からは枝葉末節なのかもしれないが、ニュートンとライプニッツの微積分成立に関する争いについて、著者がちらりと語ったP.179からP.180の意見はとても参考になった。数学者の意見としてこういう見解は貴重だと思う。哲学と数学の境界領域を理解できる数学者または哲学者は世界中でも意外に少ないということなのだろう。またイギリスの数学界がリーマンの革命に乗り遅れたという著者の意見にも、知らないのは私だけだったのかもしれないが、なるほどとうなずけたものがあった。これに加えてないものねだりかもしれないが、ブルバキの活動の意味なども詳しくあればもっとよかったのかもしれない。でもそれは素数とは関係ないのかな?ところで、話はとびきり飛躍するが、一時、素数とフェルメールの絵画について追及したことがある。素数ゼミ(蝉)の繁殖数についてだった。この研究は挫折したが、フェルメールと数学(というよりは、形而上学か記号論=漢字論ではあるが)の関係を知りたかったら、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著という本を読むことをお薦めする。フェルメールと数学をつなぐ糸口がみつかるかもしれない。キーワードはホイヘンスという天文・物理学者にある。 (さるサル/2006-03-17)
リーマン予想に絡む事柄の脳内ネットワークを構築してくれます。リーマン予想に関わる発展の様子、関連するパーツがストーリ展開の中で、とてもよくまとまっています。だけど理論的な内容については、ほぼ皆無です。理論面に触れてみたいのであれば「素数に憑かれた人たち ‾リーマン予想への挑戦‾」(ジョン・ダービーシャー著)がお勧めです。 (すーみー/2008-07-12)
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」をわくわくしながら読み、「暗号解読」を読んで、映画「エニグマ」にドキドキ。ペーパーバックの「ビッグバン」をよんでいる最中に出くわした本書。「フェルマー」の感動が甦ります。数学に敬意を、そして美しさを感じることができ、もういちど数学の勉強をしてみたくなりました。学生時代、ぜんぜんダメと思っていた数学。それでも、学習参考書を買ってきました。計算できなくっても、何を言っているのか分からなくっても、数学が伝えようとしていることが「見慣れたものを新しい言葉で表現してみると別のものがみえてくることがある」という本書のメッセージに励まされ、あわせて読み進めています。音楽を美しいと感じ、絵画から美しさとメッセージを感じ取る感性がごく自然なことだと理解でき、そして数学の美しさを発見できたことは、「フェルマー」以上の贈り物かと思います。 (/)
まあ素敵^^ |||||||||||||||||||||
海の広さや深さは分からないのに、浜辺に座って沖をみながら、波が押し寄せては引いていくときの砂が流れて小さな水泡が弾けるような音を聞いているような感じ、気持ちよくって読むのを止められない。
いいの分からなくっても気持ちいいんだからさ。 (gyamon/2006-01-12)
と呟きたくなる。当然ながら決着するテーマではないけれど、クライマックスまで十分に楽しませてもらえる。数学に詳しくてもそうでなくても。訳者は青木薫のほうが上か?と思える翻訳箇所があった。星マイナス1。 (仁川/2008-01-26)
難しい言葉はたくさん出てきますが
難しい話はひとつもありません
難しい話を如何に簡潔に
誰でも理解できるように
話をすること
センスがあるかないかって
そういうことだと思うんですよ (syu1/2007-11-10)
 普通のヒトがよんでリーマン予想のことが一番よくわかる本。ただ数学の中身の説明はその分少ない。だから数学のフレームしかわからない感じの本ではある。でもそれは、リーマン予想を理解すること自体が難しいせいなんだから仕方がない。それに20世紀数学のことを書けるのは著者がしっかりしている証拠。ただ、なんだか「フェルマーの最終定理」を意識しすぎの商業的な文体にはがっかり。ワビサビがない。でも後半からは面白くなってたしよっかた。個人的には素数大好きなサムライ向けの本が読みたかったかな。 (ラストアマゾネス/2009-02-12)
14件のレビューを表示しています。
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宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)
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ASIN:4102159746
新潮社(2009-01-28)
原著:Simon Singh翻訳:青木 薫サイモン シン
売上順位:8888
¥ 660(中古:¥ 250)

レビュー総評点:47
(「ビッグバン宇宙論」の改題・文庫化です。単行本のレビューを少し改変)

今までに私はビッグバンに触れた本(※)を読み、TV番組(Carl Sagan)を見てきました。ですので本書で語られる内容は予め知っていました。それでもなお、本書を読むと(科学理論の発展について)"新しい発見"がありました。「科学はエラーの自己修正過程である」(Carl Sagan)の発言通り、ビッグバン理論が紆余曲折しつつも次第に確立していく様子が本書で実にイキイキと描かれているのです。感心したのは、資料・図・表の見せ方です。(ガリレオのスケッチを始めとするオリジナル資料、対立理論(定常宇宙論)との勝敗表、概念の説明図、等々) オリジナル・データによっては「エッ、そんな風に見るんだ、解釈できるんだ」というモノもあり、「星の王子さま」の名言「ものごとは、心で見ないと良く見えない。いちばん大切なことは、目に見えない」を思い出した次第です。実験データも「仮説に基づく信念」がないと真実を掴み取れない訳ですね。科学におけるセレンディピティ的発見の解説にもなっているところがサスガです。

「ビッグバンなんて当たり前」とか言う人には「hindsight is 20/20」(後になって考えれば一目瞭然(だが、その時は分からないものだ))という言葉を贈ります。「もし自分が宇宙の始まりについて何も知らなかったとしたら、この"謎解き"にどう挑戦するだろうか?」と登場人物になりきって読むと楽しめることと思います。

(※)「僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して」「人類が知っていることすべての短い歴史」は特にお薦めです。高度な本として「宇宙創成はじめの3分間」があります。本書では語られない ビッグバン理論の"その後"(インフレーション理論、暗黒物質 等)については「宇宙論入門―誕生から未来へ」「宇宙『96%の謎』」「見えない宇宙」など他書をご覧下さい。 (ゴルゴ十三/2009-01-27)
 著者の本は フェルマー、暗号解読に次いで 三冊目である。読みはじめたら止まらず 一気に文庫本二冊を読んだ。

 ビッグバンに関してほとんど知識が無かったので 本書は読んでいて驚きの連続である。文系の僕にして かなり理解を得たという気になったのは 抜群の著者の話術である。実際 科学は サイモンシンという語り部を得た事に感謝すべきではないかと思う。それほど読ませるからだ。

 本書を読むと勇気が湧く。人間は古代から その知恵を絞って宇宙を考え抜いてきた姿が感動的だからだ。実際人間は徒手空拳で ここまで宇宙モデルを組み立てて来ている。古代の人が 太陽の影だけで 地球の大きさを測ったわけだが 現代の僕らが持っている「道具」も大きく見れば 余り変わらないはずだ。なにせ 宇宙論を考えるにあたっても 僕らは現状火星にも行けていない状況である。そんな「徒手空拳」で 宇宙の歴史とモデルを考えていく人類の知性の働きには やはり感動するしかない。

 繰り返すが 僕らは古代の人間と そんなに変わっているわけではないのだ。特に 宇宙に流れている時間から考えてみれば。 (くにたち蟄居日記/2009-03-09)
上下巻込みの感想になりますが、正直、「ファルマーの最終定理」や「暗号解読」に比べるとスリリングさに欠ける内容だと思いました。
前著の題材に比べて「ビッグバン」は遥かにポピュラーであり、多くの読者は本書から新しい知的興奮が得られない分、物足りなさを感じざるを得ないのではないでしょうか。
また、宇宙論にこれから触れていこうとする若い読者にも、これ単発でお勧め出来る内容とは言い難いです。何しろ、最新の量子宇宙論の前で筆を止めていますし…
とはいえ、相変わらず人物の豊富なエピソードは健在で、特に「縁の下の力持ち」的な人や、論争・競争の敗者の方にもスポットを当てていて、楽しく読むことが出来ました。
この点は著者のこれまでの姿勢が貫かれていて、他の解説書の類には見られないとても大きな魅力です。
思わずニヤリとしたのは、本筋に関係のない軽いエピソードで「パルサー」の発見者としてジョスリン・ベルの名を2度挙げているのですが、その指導教授でノーベル賞をもらったヒューイッシュの方は「ヒ」の字も出していないことです(笑)。サイモン・シンもこのノーベル賞においてベルの功績が正当に評価されていないと不満があるのでしょうか; (酌人/2009-05-01)
 昨今の科学ブームで様々な科学書が巷に溢れるが、大抵は面白くない。
勉強にはなるのだが、『血沸き肉踊る』なんてことはまずない(まあ普通そんなこと期待しないか…)。
 この本は、筆者自ら宣言しているように極端に数式を減らし、難解な専門用語もほとんどない(高校の物理を知らなくたってOKだ)。しかるに、読後壮大な宇宙のドラマがぐっと身近になる。そう、誰かに教えたくなる。
 この本はビッグバンを分かり易く説明するだけでなく、それに携わった科学者達の冒険をドラマチックに描く。まさにビックバンは『血沸き肉踊る』科学の冒険なのだ。科学者はこんなにも人間臭く、魅力的なのだ。歴史に埋もれた人間たちがサイモン・シンによって生き生きと蘇える。膨張する宇宙を最初に唱えたのに誰にも理解されることなく死んでいった数学者、宇宙を測るのに貢献した難聴の一女性…等々だ。
 理科離れが著しいというが、是非子供たちにも読ませたい。宝島並みの興奮は味わえる。


 
(スロボヨ ミッケ/2009-03-07)
「フェルマーの最終定理」が滅茶苦茶面白かったので、同じ著者ということで読んでみました。特に、私は宇宙関連の本が大好きで読み漁っていることもあり…。この著者の特徴は、数学者や科学者の理論や主張のみならず、人間性やキャラに関連する記述が多くあって、当時の議論や論調、裏話が思いを馳せることが出来るのが魅力となります。で、本書は…。 
 
うーん。宇宙関連でいうと他に面白い本はいっぱいありますね…。本書を読んで分かったことですが、本題部分でいま一つだと、いくら裏話とかが挿入されててもあまり補強されないんですね(笑)。宇宙理論関連の本で全般に言えることですが、理論の画期さと実証による目に見える面白さの両方の部分でアンシュタインの相対性理論に関する部分は読んでいても実に楽しいのですが、ひも理論などアインシュタイン以降の理論は理論段階に過ぎず、「へー、そうなんだ」ぐらいにしか感じない訳ですよ。なので、上巻は読んでいて楽しいのですが、下巻は面白みが半減します。これは、本書に限らず、宇宙関連全般に言えることなんだけど。 
 
従って、下巻は走り読みで十分かなぁ。当著者でもこの辺の克服は出来なかった感がしますね。上巻読んでから、下巻買うのを検討しましょう。(笑) (長年のブラウン・ユーザー/2009-03-05)
サイモン・シンのファンなら、新しい本が出版されたら、絶対にすぐに手に入れたいよね。
わたしも中身も見ずに、マイカートに放り込みました。
届いてびっくり、なんとハードカバーの『ビックバン宇宙論』を改題しただけの商品でした。
まあ、文庫本なので、通勤時にポケットに入れておけば、満員電車でも読めるわけだし、利用の仕方はいくらでもあるけれど。

サイモン・シン著作の購入者ということでPush型のメールでこの商品を知ったのですが、今度は、本当の書き下ろしの通知がほしいですね。改題版ではなくて。
『ビックバン宇宙論』そのものは胸躍るすばらしい本なのですが、今回の総合得点は、無念の気持ちで減点しました。
(ロックヒル/2009-02-16)
フェルマーの最終定理を読んでいたので期待したが、期待外れだった。
内容自体は悪くはないのだが、比喩が多すぎてストーリーの流れがそこでプッツリと切れ、白らけてしまった。
また各章の最後にその章の要約が載っているが、本書は教科書として書いたものなのだろうか?
興醒めた。
同時期に読んだ『僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して(マーカス・チャウン ) 』は驚くべき内容の本で、本書にもそれを期待して読んだのだが、期待は悪いほうに裏切られた。
本書を先に読んでいればよかった。

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)宇宙創成〈下〉 (新潮文庫) (卓庵/2009-04-08)
ガリレオにせよ、アインシュタインにせよ、ハッブルにせよ、何を成し遂げたかに
ついては一通り知っているつもりでした。
また、これまで数多くの本に書き尽くされた人々でもあります。
だから本書のことを知っても、「今さらねぇ」という先入観があったのは確かです。
しかし、本書によって、それぞれの背景に横たわる物語に初めてふれ、一人の
人間としていきいきと描かれた姿に感動しました。
越えて良いのかどうか懊悩し、正しいのに越えられないという現実に苦悩し、ぎり
ぎりまで追いつめられて憔悴する。天才ではあるが決して超人ではない生身の
登場人物が、時を越えてありありと目の前に現れてくるようでした。
物語としてのスリリングさと、科学読み物としての正確さを併せ持つ、類い希な
本です。

(あぶはち/2009-06-14)
もし自分が中学生の頃に本書を読んでいたのなら,天文学者か物理学者を目指していたかもしれない。それは約30年前_もちろんその当時には本書は存在しないし,本書に書かれている出来事すら,まだ起きていないことも多いのだが。しかし本気でそう思ってしまうほどに,この本とは「出会ってしまった」。
「人間には炭素がある。よって宇宙のどこかで炭素がつくられてしかるべき」という「人間原理」のくだりを読んだとき,「人間原理」という知らないことを知った喜び以上に,「じゃあ私の一部はこの本でできてるなあ」と思った。
天文学に無知な私を,ここまで魅了させてくれた本書には心から感謝したい。
最後に,サイモン・シンはもちろんだが,青木薫氏も素晴らしい訳者だと思う。もちろん私は英語版を読んではいないが,科学的記述だけでなく詩や戯曲的なことまで,日本語で見事に表現されている。 (2ヘルツ/2009-05-26)
サイモンシンの本は知的好奇心を次々に広げてくれる。そのような体験を期待して購入通読
宇宙創造という深淵なテーマに対して、各時代の科学者がどのように取り組んでいって、どのような結論を出したのかを記載してくれている。中でも引き付けられたのは、パラダイムシフトと、アインシュタインという存在だ。特にパラダイムシフトと表現されている科学に対する思想の転換は非常に面白い。科学の価値が変わるようなパラダイムシフトに自分が生きている間に出会えるかどうか、出会った時に既存の価値観をどのように破壊してくれるのかが非常に楽しみだ。
期待通りの書籍でした。科学の歴史という無機質な世界をドラマチックに表現してくれている。 (sickboy/2009-04-21)
宇宙創成は、かつて「ビッグバン」というタイトルでハードカバー版で発売されていた本の文庫化である。そのことを全く知らずに同じ内容の本を買ってしまい、実はちょっと騙されたと思ったが、改めて読み始めるとこれが全く止まらないのである。サイモン・シン氏の書籍は本当に分かりやすく、楽しみながら知的好奇心を旺盛にしてくれる。彼のこれまでの本を読んでいて外れたと思ったことがない。非常に難解な分野や内容も誰にでも分かり易い文章と表現で書かれており非常に丁寧である。文庫になったお陰でポケットに入れたままいつでも読めるようになったことは逆にお得とも言える。古代から現在に至るまで宇宙に取り組んだ人類の足跡にちょっとでも興味がある方には絶対お勧めの一冊である。また彼の他の著作(暗号解読など)も超オススメです。 (セキ爺/2009-03-31)
古代の宇宙観から現代のビッグバン理論にいたる、理論と観測の進展の物語です。
新しい理論が提唱者から数世代を経てようやく古い支配的権威的な理論に取って代わる。そのような歴史と科学者たちの姿に感動します。
テーマとなる宇宙論の記述は、文系で素人の私でもついていけ、かつ十分に知的好奇心を満たしてもらえるものでした。「惑星」「ビッグバン」の言葉の由来など、トリビアも豊富。
テレビの科学ドキュメンタリーの宇宙物がお好きな向きにはおススメの一冊です。

フェルマーの最終定理でもそうだったのですが、訳者青木薫氏のあとがきが実にいい解説になっているので、そこまで是非読んでください。
この本は宇宙論を扱っていますが、科学の発展のありさまが描かれているのです。実に示唆に富んだ素晴らしい本です。 (音源かけ流し/2009-03-20)
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