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渋滞学 (新潮選書)
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ASIN:4106035707
新潮社(2006-09-21)
西成 活裕
売上順位:3904
¥ 1,260(中古:¥ 529)

レビュー総評点:115
数学者、科学者ってこう考えるんだぁ、って発見 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 読んでみて、思ってたよりずっと「学」なので驚いた。どういう畑の人が書いているのか知らなかったってのもあるのですが。そして「渋滞学」ってのが歴史が浅いにも係わらず、様々な「学」とリンクしていて、これから大いに発展していく可能性のある学問なんだってことも理解出来ました。とにかく面白い!文系アタマの人間にとっては、着想とか物事の捉え方一つ一つが新鮮なのですねぇ。数学者、科学者ってこう考えるんだぁ、って発見。渋滞っていう日常的な事象ひとつ取ってみても文学的なアプローチと科学的なそれって違うんだなぁっていう。しかしながら、この著者は、科学者のアタマだけでなく文学的な眼差しを持ってるし、理屈から入るんじゃなくて感覚で捉える柔軟性が垣間見られるんだよなぁ。大体、相当奥の深い専門的な内容だろうものを、ここまで素人に解り易く伝えられるってのがすごい。待ち行列理論の「待ち時間=待ち人数÷人の到着率」なんて公式は言われりゃ単純だけど、即、給料日の銀行ATMで使えるもんなぁ。高速道路での渋滞原因の1位が、「事故」「合流」を上回って、「サグ部(ゆるやかな上り坂)」だってことや、その理由も面白い。それにしても、交通渋滞による経済損失が年間12兆円とはねぇ。「本音をいえば、この結果は本書には書きたくなかった」っていう、「混んできた場合は走行車線を走ったほうがよい」といった身近なお得ネタなど、「学」から「実用」の部分まで幅広い知見がふんだんに盛り込まれていて飽きさせない。しかも「渋滞」の枠を超えて、森林火災とかマネーフローとかリボゾームとか一見渋滞とは関係なさそうな領域や、流行のスケールフリーネットワークにまで話が展開していくから興味は尽きない。理学部と工学部の分離化を嘆く件があるけど、個々の専門性をベースにしながらも、その連携、融合による学問の拡がりってのがより重要なんだろうなって思いましたね。 (盥アットマーク/2007-01-15)
興味深い ||||||||||||||||||||
本書を読む以前は,「渋滞」と聞いたら,思い浮かぶのは車のことぐらいでした.
それが,読んでみると,渋滞は奥深く,大変興味深い.
まず始めに渋滞へのアプローチの仕方をわかりやすく解説してくれているので,
科学者がどのように問題を分析しているかが簡単にわかります,
次に,車,人,アリ,インターネット上のデータ,生体のアミノ酸の運搬,の順で
各分野の渋滞問題を紹介しています.
渋滞学は,こんなに幅広く適用できる分野なのだ.
アリも渋滞しているなんてことを知ると,
大人になってもふたたび面白く観察ができるだろうし,
お子さんがいれば一歩踏み込んだ自由研究にも最適でしょう.
また,渋滞学の逆の利用として森林火災を食い止めることを考えているのも興味深い.

3箇所に入っているほんの少しまじめな渋滞学講義もわかりやすいです.
また,著者の幅広い学問を繋げる人材の必要性にも共感出来ると思います.
本書を読めば,満員電車や交通渋滞などもちょっぴり楽しく過ごせるかもしれません. (カカポ/2007-04-14)
「渋滞」と聞いて最初に思いつくのは車の渋滞だろう。本書の研究テーマの発端も、渋滞がなぜ発生するのかという素朴な疑問であった。その問いに科学的手法を使って迫る、というのが本書の大きな柱の一つだ。

本書が秀逸なのは、車の渋滞に限らず様々な「渋滞」を研究しているところだろう。例えば災害時の人の流れ。明石花火大会で起こった歩道橋での惨劇は記憶に新しいところだが、あれも一種の「渋滞」が巻き起こした悲劇だ。例えば通信。インターネット上を行きかう情報もときに「渋滞」を起こして情報が棄却されてしまう。例えば神経細胞。タンパク質を運ぶ「キネシン」や「ダイニン」が渋滞を起こすと深刻な病気になるという。

このように「渋滞」という切り口で様々な社会現象・生理現象を捉えなおすところに、一味違った面白さがある。しかもただ面白いだけでなく、非常に実用性も高い。例えば、神経系の病気の研究に「渋滞学」を持ち込むことで、数学的手法なども取り込んで新しい治療法に繋がる可能性もあるのだという。実際にそのような研究もされ始めているということだ。

また、明日他の人に話したくなるようなウンチクも詰まっていて、それだけでも面白い。例えば、砂時計の「砂が落ちる」という現象は科学的に完全に理解されていないらしく、経験に基づいて作られている、というようなエピソードなどだ。

この本には「なるほど〜」と感じる、どこか新しさを伴った納得感がある。違う角度から物事を見る、ということはこういうことを言うのだろう。個人に専門性が求められる時代において、その専門性に横串を通すことの重要性を再認識させてくれる。もしかしたら「経営」というフィールドで求められるものに近いのではないかと思う。

渋滞にイライラしてしまう人や、知的好奇心旺盛な人にオススメな本。分野横断的なプロジェクトに興味を持っている人にも参考になる部分が多いのでは。 (2haloes/2007-02-01)
NHK「視点・論点」で著者を初めてみた。テーマはもちろん「渋滞学」について。
高速道路で渋滞が発生するメカニズムを、10分という短い時間で簡潔に話していて
その「渋滞学」という耳慣れない言葉と、身近さに引かれ、著者にも関心をもった。

そこで一番興味深かったのは、高速道路で渋滞しないための策が
「やさしい運転をすること」だという。
つまりごく簡単に言うと、高速道路ではある一定の車間距離より間隔が短くなると、
前の車両のブレーキングなどが微妙に直後の車両の運転に影響を与え
余計な減速や加速が繰り返され、それが後続へと連なることでダンゴが発生するのだという。
そこで前へ詰めるのではなく、前の車両とは余裕をもって距離をあけることが
一見、車列が延びて渋滞がひどくなるような気がするが
逆にマクロで見るとかえってスムーズに運転できる結果となるのだという。

オンエアや本書ではもちろん、学術的な論拠も示されており、
きちんと自然科学的アプローチから渋滞という現象が解析されている。
一方、車の渋滞をはじめとした身近な現象の原理で、
いまだ論理的に未解決なものが多いという。
本書では我々の日常のまわりから多くの「渋滞」現象を取り出し、
笑うくらい身近なところからも、まじめに学問している。
硬と軟、まじめと遊びが絶妙にブレンドされている。
研究者らしからぬ“サービス精神”を感じた。著者はメディア向け?なのかもしれない。
(TAMADON/2007-09-09)
流れの仕組みがわかる |||||||||||||||||
渋滞学というタイトルから想像して本書を手にした大方は車の渋滞を想像されたことだろう。
かくいうわたしもその一人で、本書の装丁やタイトルのシンプルさとは裏腹に中身は大変に濃く有用な内容であった。
車の渋滞についての記述もあるにはあるが、渋滞に出会しイライラを感じているものにとっては周知されている内容だ。それが論理的に語られているに過ぎないし、高速走行においての走行車線と追い越し車線の意味ははき違えている点などが見られる。
それよりも重要な事は人口集中によるパニック状態に陥ったとき(明石歩道橋事故)の解消法など、読み進めていくと当然突き当たるいろいろな渋滞への興味。それらの興味をしだいに解消してくれるよう構成されている点はやはり科学者(物理学者)だと感じ得た。
特に「世界は渋滞だらけ」が面白い。 (sonojordan/2006-11-24)

渋滞を科学的に分析する渋滞学の入門書。

決して疑似科学ではないので、当然中学・高校レベルの数学は前提知識として必要である。
(教養バラエティ番組を見るような気分で読める本ではない。疑似科学ではないので。)

読んでみて分かることは「渋滞学」というのはかなり壮大な分野であり、この本1冊にすべての書ききれるはずが無いということ。渋滞学のさまざまなトピックを網羅してあって、渋滞学がどのような現象を研究対象としているのか、そしてその成果が概説してある。

各項目は分かりやすく解説してあるので、渋滞学と言う分野の研究領域・研究対象・研究手法を知るにはとてもよい入門書。
(アマゾン太郎の兄/2009-02-18)
寺田寅彦先生の随筆に「満員電車について」というのがあります。満員電車(バス)とそれに後続する電車(バス)の混雑具合の不均一が何故発生するのかについて、物理屋さん独特の観察&考察が述べられています。この話題を現代風にアレンジすると本書の「渋滞学」になる訳です。
寺田先生が「電車の問題と良く似た問題が他にもある」といみじくも仰っているように、車・人・飛行機・インターネット・生物(アリ)・生体(例:神経細胞ネットワーク上の物質移動)など、「渋滞するモノ」で世の中が溢れています。一見、それらの間には全く共通点がないようですが、「ある経路に沿って流れる非ニュートン粒子(自己駆動粒子)」という立場で、セルオートマトンでモデル化すると、案外にも定量的に把握出来るモノだったんだなぁ、と納得させられます。渋滞の回避策まで示唆されている記述もあり、何だか得した気分ですね。 その他、豆知識や適度な脱線の記述もあり、楽しく読めました。この本を読み終えると、渋滞している事例に遭遇すると、セルオートマトンでモデル化して眺めてみたくなります。例えば「ド忘れ」という脳内現象に出くわした時、「脳細胞ネットワークの中で、情報の流れが今どんな風に【渋滞】を起こしてるのかな? その回避策はどうしたら良いのかな?」という具合に空想に耽るのも一興でありましょう。
この本は複雑系科学が好きな読者には特にお薦めですね。多少の数式や専門用語(例:セルオートマトン)は出てきますが、本書を手に取ろうと決心した読者ならクリアできるレベルでしょう。複雑ネットワーク関係の本(バラバシ、ワッツの著作)や粉粒体の本(田口善弘「砂時計の七不思議」)と共にお薦めしたいですね。
あと、交通機関システムの構築/管理している関係者の皆様にも是非本書を読んで頂きたいと思います。適度「ゆとり」がなぜ必要なのか、良く理解出来ます。過密ダイヤが原因の悲惨な事故を繰り返さないためにも。。。 (ゴルゴ十三/2006-10-28)
 「渋滞学」という表題から、抽象化された理論体系から諸現象を説明できる学問が生まれ掛かっているのかと期待したが、やはりそれは無理な期待だった。広義の渋滞には様々な局面があり、2進法の誤差など渋滞に直接関係しない問題も含めて様々な諸問題を一つずつ取り上げ、論理的解析を加えている。
 学問体系を期待すると失望するが、興味深い諸話題を楽しむ雑学の書として読めば、大変面白い本である。 (松下重悳/2009-05-12)
おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」などを読んできたが,これは「渋滞学」というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である.くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている.未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.
(Kana/2008-07-01)
 中国自動車道上り・宝塚周辺は,土日の夕方以降いつも10キロ程度の渋滞になっている。別に料金所があるわけでもないのに・・・と思っていたら,実は,平成17年度の東日本の高速道路での渋滞原因のうち,料金所はわずか4%らしい(ETCの影響)。一番(35%)の原因は,「サグ部・上り坂」。
 サグ部(気づかないくらい緩く上昇・下降している道)のうち上り道では,何気なく運転しているとスピードが落ち,いつのまにか車間距離が詰まってしまう。そこでブレーキをかけ出すと,列の後ろに行くにしたがってブレーキの程度が大きくなり,渋滞が発生してしまう,というのだ。

 データによると,高速道路を走行している車両の平均速度は時速84キロ。これが,1キロ当たり50台(2車線の場合。1車線当たりだと,40メートルに1台の間隔)を超える辺りで渋滞が発生する。
 細かく見ていくと,1キロ当たり50台を超えてもしばらくは走行速度に変化はない(メタ安定)。これは,車間距離が40メートル以下で時速84キロの走行をしている状態で,非情な緊張を強いられるから,長距離の運転はできない。そういうメタ安定な状態は5〜10分程度しか続けることができず,ある車がブレーキをかけるのを引き金にして一気に渋滞になってしまう。
 なお,2車線ある場合,人は,車が混んでくると自然に右車線に移る傾向があるため,右車線の方が車が多くなって,スピードが遅くなる。

 電車が「時間調整のために停車します」ということがある。
 ホームが混んでいる場合,先行する電車は混雑して乗りにくいし,乗客も多いため停車時間が長くなる。次の駅でも同じである。他方,2番目以降の電車は,乗客も少ないため,速く次の駅に着く。これを放置しておくと,次々来る電車がダンゴ状態になってしまい,放っておいても自然にはもとに戻らない。
 これを,電車を一定時間停車させて,電車間の距離を確保しておくと,ダンゴにならずに済む。
 「急がば回れ」である。

 本書は,高速道路に限らず,インターネットや人ごみなど,色々な「渋滞」の原因と対策を科学的に検討していく本であり,「そうだったのか」という発見も多かった。 (hffrs850/2008-04-13)
生き物たちや人、人が操作する車、そういった物が沢山存在すると、密なところと疎なところが必ずできてきます。気持ちのいい密な状態もあれば、効率を落とす一方の密な部分もある。著者は、こういった感覚的にとらえていた物のも、理論や数式で考えていく事が可能である事を示しています。そして、数式やコンピュータの限界もあわせて併記されています。本書は、自己駆動粒子である我々が、摩擦無く細い部分をうまくすり抜けて、効率を落とす密な状態の渋滞を避けて暮らしていけるヒントを与えてくれています。きっと難しい理論が後ろに控えているでしょうに、とても面白い。人に直観的に物事を伝えてくれる親切さを伴っており、著者のユーモアが効いています。良い本です。久しぶりにうなりました。 (ラビタ/2008-03-09)
前から断片を聞いて面白そうだった話題が書店に平積みになっていたので買って読んでみた。
「渋滞」という切り口で、道路の渋滞、バスの団子運転、避難時間、パケットルーティング、森林火災の延焼分析など、様々な現象を取り上げてあるのはなかなか興味深かった。「どう見ても工学」からの発想が、「新しい理学」を切り開いて行く姿が見えるのだ。
ただ、個々の話題の中で本当に面白かったのは、道路の渋滞の話題だけだったかも。それ以外は、全体に駆け足で説明不足感が免れなかった。まあ、それでも、これだけのボリュームになるんだから、しかたない。
最後の理学工学論もご愛嬌かな。言いたい気持ちはよく分かる。直接言わずに伝われば良いんですけどね。 (shibchin/2008-02-07)
 渋滞をテーマに、現実の問題に対して意思決定支援ツールとしてシミュレーションをいかに利用するかについて書かれている良書です。挙げられている例がどれも身近な話題なので容易に理解できます。

 著者の指摘する通り、現実の問題は多くの専門家が協働しなければ解決できず、その橋渡しをする人材の育成が重要であると思いました。
(tamadam/2007-07-07)
車で渋滞に巻き込まれるといつの間にか渋滞が解消していて,どこが渋滞の先頭だったんだろうという経験がよくあります.本書では,実際の高速道路のデータとセルオートマトンによるシミュレーションでこのメカニズムを解説しています.帯の茂木健一郎氏のコメントにもあるとおり,まさに「そうだったのか!」です.

しかし,それぞれ個別の意志を持って行動している車や人が,ニュートン物理学で扱われる意志のない粒子と同じように物理学の分野で取り扱われるとは思ってもみませんでした.

難しい式などは使わずにやさしく解説されていますので,物理やセルオートマトンに興味のない方でも,渋滞に興味のある人,渋滞の嫌いな人はきっと楽しめると思います.また,車の渋滞に限らず,「渋滞学」のいろいろな応用についても述べられているのは秀逸です.
(wave115/2008-01-12)
車の渋滞だけではなく、人や蟻、あるいはネットワークのパケットにまで話を広げて渋滞について解説している。
時間当たりの交通量が最大になるのは、速度を落とさずにすむぎりぎりまで車間距離が詰まっているときであるという。
また、その状態は不安定で、それが崩壊した途端、渋滞が発生する。
ある意味、当たり前とも言えるが、ちゃんとグラフにして説明をしてくれると説得力がある。
モデルとしてセルオートマトン法を採用して解説しているが、基礎の基礎としてはいいかもしれないが、
現在ではコンピュータの能力が飛躍的に向上しており、もっとリアルなシミュレーションも可能であろう。
実際、先進の研究はどの程度進んでいるのかも知りたかった。
また、もう少し学術的な意味での交通システムの改善点も示してほしかった。
全体的に退屈せずに読むことができるが、もう少し本題である車の渋滞のことについて掘り下げてほしかった。 (かず/2007-09-28)
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無駄学 (新潮選書)
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ASIN:4106036231
新潮社(2008-11)
西成 活裕
売上順位:42729
¥ 1,050(中古:¥ 499)

レビュー総評点:-6
前半は、「無駄」についての定義、「トヨタ生産方式」の解説となっている。「トヨタ生産方式」の関連本はいろいろ出ているが、本書はその中でも非常にわかりやすいものであると思う。他の「トヨタ」解説本だと、トピックの羅列だったり、往々にして根性論だったりするのだが、本書は「無駄」という大きな問題の中で、「トヨタ生産方式」に触れられており、論理的な流れをもち、全体の文脈をつかみやすい。つまり、「トヨタ生産方式」の個々の方法(たとえば、カンバン)の意義がつかみやすい。

前半はとても良いのだが、後半、特に最終章あたりの「環境問題」や「道徳教育」の話は蛇足、つまり無駄であると思われる。こちらは、前著『渋滞学』の成功もあって「科学的」解明を期待しているのだが、そんなことはお構いなしに持論が展開されている。「目的と期間を決めなければ無駄をとらえられない」という定義にも反している。「環境問題」や「道徳教育」の「目的と期間」を著者が勝手に決められるなら問題ないが。

本書は、「直観」や最終章で扱われた問題を宿題として残しており、科学的な書物とは言うことはできないが、新しいディシプリンを「創発」しようとする試みであると、好意的にはとらえることができる。

最終章にとても辟易したので★2つとしたが、前半は価値が高い。著者も自覚しているところだろうが、社会問題にかんする持論を展開したいのなら、もう少しブラッシュアップして出版した方が良かったと思う。

(リヴァイアサン/2008-12-17)
前著『渋滞学』ほどのインパクトはなく、
研究メモのコラージュ程度で散漫な内容。
渋滞学はさすがに長年温められた知見に満ちてエキサイティングだったが、
思いつきの無駄学は準備期間の短い学問領域の創生だけに、
経済分野、思想分野での発見は一般論レベル。こじつけに近い。

製造業に勤める職業柄読んでみたが、
巷間のトヨタ本の方が深く掘り下げられており、
業務目的で読むなら、まったくもって物足りない内容。
ほかに素晴らしいムダ取りカイゼン本はごまんとある。

挙句の果ては、道徳教育の必要性や仏教的な思想の提言など、
理系の学者の書く本にしては、もう、やりたい放題で、
前著のヒットで調子に乗って新潮社にそそのかされて出版されたような本。

渋滞学は★★★★★を付けても、
本としてのクオリティーの落差には正直がっかりです。 (matzn/2009-01-21)
「渋滞学」と同じく数式は出てきませんが、扱っているのは深い分野だと思います。
もっとも近いキーワードは「リーン思考」でしょうか?
最近「リーン・ソリューション」を読んでいますが、似た「匂い」がしてきます。
生産工程の改善についての章もありますが、文字通りに読まないで身の回りに置き換えて考えて行く方が良いと思います。

世の中、包装紙の無駄みたいな単純な事例もありますが「最適化」と呼ばれる複雑な世界になってくると
なかなか無駄な部分を見抜けないものです。
最適化の例は、「電車乗り換え経路」をネットで探す様なものです。
普段の経路よりも、短い経路を計算してくれる可能性もある訳です... 
それが日常化すれば「アインシュタインの夢」に出てきた、エントロピーが減っていく世界みたいで心地よいです。

数学的に突き詰めるだけでは面白くないのですが、最後半では「譲り合い」「かわりばんこ」のような
人にやさしい提案も出てきますのでご安心ください。
(実はこれもゲーム理論で表現できるのですが...)

理系向けのキーワードは、TOC IE JIT リーン トヨタ生産方式 OR 最適化 ゲーム理論...

「投入効果図」は正直云ってあまりピンと来ないのですが、板金工程の改善図はありふれた内容にも関わらず
ふとした事で自業務に応用可能な事に気づきました。
何が為になるのか、分からないもんです... (まげ店長/2008-12-03)
「年収10倍」や「グーグル化」と言ったレベルの低いノウハウ本が溢れているが、久しぶりに読みごたえのある一冊である。 業務の効率化とは無駄の排除に尽きる。どうすれば無駄を排除出来るのか、ヒントが満載である。 (ヨミビト/2008-12-08)
 『ムダとり』を学問にした野心的なこころみです。

 どこにでもあるムダをあらためて見つめ直すことで、工場の問題、習慣の問題、環境の問題、社会システムの問題をあぶり出しています。

 身の回りの何気ないことを科学の視点で見ることの面白さを感じさせてくれる一冊です。
(tamadam/2009-01-30)
無駄の排除のために、発生の要因を学術的に体系化した書籍かと期待して読みましたが、残念でした。
生産改善の手法を学ぶヒント書としてみても、他の書籍でも優れているものが多い。
本文中に出てくる、達人が達人たりえる特殊能力の解明がなされれば、素晴らしい本になったと思います。正直、どこで出てくるのか?と思いながら読みましたが、最後まで出てこずに終わってしまいました。 (琵琶ほうし/2009-02-09)
渋滞学の続きとして、とても期待して読んだのですが、経済学や経営学の知識のある人にとっては、初歩的な解釈と実体験の披瀝にすぎない描写となり、かなり物足りないです。知識のない学生が、初めて経営理論やトヨタの生産管理システムに触れたときのレポートのような感じ。そういった意味で入門書としての役割なのかもしれません。 (amparo/2009-02-01)
渋滞学10年の著者が、「無駄とは何か?」を語ります。

トヨタ流の現場改善・ムダとりの達人である山田日登志との邂逅により、
道路での車の渋滞が、生産ラインでの在庫の滞留と同じ現象として捉え
られる点などが紹介されています。異分野融合の好事例でしょうか。
まだ発展途上のようなので、今後は渋滞学の知見がどのように活用される
のか、期待します。 (中/2009-04-12)
冒頭から理学者、工学者の目配りの足りなさを指摘するところから始まり、無駄の定義、トヨタ生産方式の紹介、無駄の実例の紹介で終わっている。前著「渋滞学」のようなご自身の成果を一般向けに書き直されたものを期待したが、見当はずれだった。
あとがきにおいて「この本では、私の専門分野のサイエンスの話題から離れて、経営、経済、心理などの話題を論じた。」とあり、そもそもこちらの期待とは異なった目的で書かれた本だということが判明する。著者の専門でない分野を議論することにケチをつける気はさらさらないが、数理屋さんが「無駄『学』」と銘打った本を出せばご自身の専門に落とし込んだ解説なり解釈なりを読めると思うのは過剰な期待なのだろうか。
理工学者に対する批判を述べ(批判内容は正当なものと考えるが)、本書のような取り組みをもって著者は理学の実学への展開を図っているともし考えておられるのなら、それは見当違いではないか。難産ゆえ脱稿には爽快感があったとの事だが、東大の先生がこんなもので満足してもらっては困る。
著者のネームバリューにより、「トヨタ生産方式」や山田氏の取り組みがわかりやすく一般向けに著され読まれることに意義は感じるが、是非、まえがきにあるように無駄学パート2を出して「学」にまで昇華してもらいたい。 (takoika/2009-03-08)
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クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相- (知りたい!サイエンス)
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ASIN:4774131245
技術評論社(2007-06-15)
西成 活裕
売上順位:66044
¥ 1,659(中古:¥ 628)

レビュー総評点:20
科学者としての気概が感じられない ||||||||||||||||||||||||||||||||||
1,580円も出して買ったとしたら、渋滞によるストレスどころの問題ではない。
 命題を提起し著者の研究内容や見解を述べる。が、最後はお決まりのように、コンゴが連発される。
「今後は、実験データを蓄積し、、、、」
「今後はモデルを通じて、、、解明が進むと期待される」
「今後、この理論の発展に、、、」
 渋滞学、自己駆動粒子系を考える研究。新分野を開拓することが容易でないことは分かる。
しかし、多くの障壁を乗り越えて既存の概念から一歩踏み出し、大胆な仮説を打ち立てる気概が感じられない。
 辛辣かもしれないが、「このレベルの内容は高校生でも書ける」 (考えるサラリーマン/2008-01-02)
クルマを運転するが、渋滞はいやなものだ。できれば避けたい。
この本はなぜ起こるのかを明快に解説してくれるが、ドライバーだけの問題ではないことが解る。

道路の設計者、道路の管理者、信号の待ち時間・パターンを決める管理者など、ユーザ側でない
人に読んでもらいたい。

渋滞は諸悪の根源。経済的損失は計り知れない。ドライバーも不快。抜け道にされる住民の怒り。
関係者のイライラを数字にしたらどんなものかな。

道路の関係各位、猛省せよ。
(モカイヌ/2009-06-20)
本の内容は「チープでシャビー」 |||||||||||||||||||||||||||||||||
筆者は、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻の准教授である。以前、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」に出演していたのを見たことがある。

なぜ渋滞するのかについて、これを学問としての「渋滞学」としてとらえようとしているらしい。分野としては非常に狭いので、学問とはならないとは思うが・・・。本の内容は、渋滞とは何かから始まって、なにを渋滞と呼ぶのか、渋滞の定義とは何か、なぜ渋滞が発生するか、その数学的モデルはどのように考えるのか、日常生活にどのように渋滞学が関係しているのか、比較的分かり易く一般読者向けに述べられている。最後には、渋滞の解消方法として、トップダウン方式(中央で集中的に監視・制御する方法)よりもボトムアップ方式(ごくせまい領域での相互の協力関係で解消する方法)が現実的であるとして、「オッ」と展開を期待した面もあったが、結局はそのやり方は、一人一人の人間の「マナー」や「エチケット」、「ゆずりあい精神」的なことしか述べられておらず、期待はずれで本は終了する。

今年は3月末から高速道路休日1000円が導入され、ゴールデンウィークにはいずこも大渋滞が予想されているが、残念ながらこの本の解消策は、何の役にも立たないことは明らかである。遠方にはでかけないことが、クルマの渋滞に巻き込まれない唯一の方法かもしれない。本の内容は、「チープでシャビー」です。お薦めと言うほどではありません。
(ねぼすけ2004/2009-05-12)
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w:10 h:17 139page
爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学 (爆笑問題のニッポンの教養 12)
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ASIN:4062826070
講談社(2008-01-11)
太田 光
売上順位:60526
¥ 798(中古:¥ 358)

レビュー総評点:4
実用的 ||||
以前、放送された時に最も最適な車間距離、自分の番までの時間を求める公式を忘れないために買いました。渋滞学としての文献は確かにありますが、高価であり、雑学として知っておくのにはこちらで十分かと思います。読んでいて面白いのも良いです☆ (板さん/2008-09-26)
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平均点:5.0
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w:10 h:16 170page
「負けるが勝ち」の生き残り戦略―なぜ自分のことばかり考えるやつは滅びるか (ベスト新書)
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ASIN:4584121214
ベストセラーズ(2006-09)
泰中 啓一
売上順位:112106
¥ 714(中古:¥ 111)

レビュー総評点:27
『生き残る生物,絶滅する生物』の著者のひとりで理学博士の泰中啓一氏の著書。タイトルからはわかりづらいが,数学的な論理に基づく淘汰理論から,著者が望ましいと考える生き残り戦略,ひいては対人関係のありかたを結論づけている。数学的な思考に基づくも,小学生レベルの平易な数式と表現法で構成されており,シミュレーションのグラフを含めても中学生以上であれば数時間で読破できる内容。160ページ程度の分量も大きめの文字で読みやすく少し知識があれば読破に2時間もかからない。

本書の記載は後に出版された『生き残る生物...』との重複が多いが,部分的には説明が詳しく,選挙やジャンケンなどを例示して理解しやすいように配慮されている。万人を対象とした入門書ながら,参考文献も提示されており,一部を検証した限りに於いては信頼性は高いと思う。

難点は,囚人のジレンマなどを知る者にとっては物足りないこと,やや説明不足を感じる点があることである。後者については,『負けるが勝ち』という勝者とは必ずしも一旦負けた個人が最後は勝つという意味ではなく,部分的に負けを認める戦略を認める個体のいる種族が絶滅しないという意味を含むことを明記すべきである。例えば,ある自動車製造会社が負けることによってその隙間には別の自動車会社が入り込むために,自動車産業全体が絶滅することはないが,負けた会社自身は消滅してしまうということだ。つまり,自己の滅亡と種全体の絶滅を区別して理解する必要がある。逆にいうと,各自がわがままであれば種族全体が絶滅するということを含む。それ以外にも『シカの角が大きくなったのは他のオスに勝ちたいから』という表現よりも『より大きな角のシカが高確率で子孫を残せたためにその形質が選択圧になった』の方が正しいと思う(これは他の進化論の本にも言える。アノールトカゲなどエピジェネティックな変化を除く)。細かく言えば,イクラとタラコの大きさの違いの根拠も説明不足である。

全体としては良書と思うし,著者の理念は素晴らしいと思う。学者としての業績も優れているとおもう。できれば脚注などを加えて,もう少し詳しくしてほしかった。先の難点を考慮して星4つの評価。 (MM/2008-04-12)
 普段我々の生活感では、害虫がいれば駆除したくなるのは当然であるし、選挙ではスキャンダル候補がいれば落選するのは目に見えている。ところが、害虫は退治してしばらくすると、前以上に増えてしまう。スキャンダル候補も、一定期間たつと当選の確率が最も高くなるという。
 また、我々は病気を退治するために、医療を充実させてきたわけであるが、充実すればするほど病気が増えるという。
 
 本書を読み進めるうちに、今まで常識で考えられていたことが、シミュレーションや実例から、見事に覆されていく。

 進化論による自然淘汰の仕組みを、ゲーム理論によって解説しているが、短期的には相手をだます戦略が優勢を示すが、長い目で見ると「黄金律」に乗っ取った行動、すなわち、どんな人に対しても善行を行うことこそが、最も生き残る戦略であるという。

 これは、我々の日常行動にもいえるであろうし、国際関係における日本の取るべき行動にもいえるのではないか。

 生物学の世界であっても、我々が学ぶべきものは多いものだと感じた。 (takokakuta/2007-03-13)
自分の人生を振り返ると、たいてい自分の利益のことに
懲りかたまったときには誠実な人とめぐりあわない。
 自分が汗して他者のために気もつかずに働いている、
あるいは思っているそんなときは回りを見渡せば
ほら、あの人もこの人も自分を守り立ててくれる人ばかりではないか。
 こんな単純ではないが、他社の利益を考え夜も寝ないで編んだセーター
が気に入ってくれて、という例えだが、そんなときは利益の倍返し三倍返し
となってわが身にふりかえってくる。
 そんな簡単な人情話でもなさそうだが、この複雑利己主義の社会において
案外優しい心と聡明な頭脳はきみのゆるぎない友人となってくれるだろう。
 一読をおすすめする。 (flora/2006-12-25)
弱いものほど生き残る。
この逆説的な思考は面白かった。
生物進化の長期的最適化がゲーム理論によって
理由づけされている。

著者の言う、
「本当に豊かな社会では、弱いものでも不安なく生きて
いける社会ではないだろうか。
負けるが勝ちの科学的事実に多くの人が気づき、
目の前の諸問題の数々に関しても短期的な応答ではなく、
長期的な視野で行動選択することが、そういう社会を実現するための
鍵になるはずである」。

これこそがこれからの私たちの生き方ではないだろうか、と
深く感銘を受けた。

競争社会で病んでいく人が多い中、
負けるが勝ち、とステージを降りて、ゆっくりと
まわりを見渡してみると、この事実に気付くのでは。 (夢うさ/2007-02-07)
生物の世界は弱肉強食である。しかしながら、生物史と言える長いスパンで捉えた場合、強いものが必ずしも長い期間生き残れるとは言えない。むしろ、環境に適合し、利他的な生き方をしている生物の方が圧倒的に長い間生きながらえている。このことを、本書は分かり易く教えてくれる。これを、人間社会で見た場合、強いものが弱いものを平気で飲み込んでしまう、行き過ぎた資本主義的活動をしている企業は、一時的には良き時代を謳歌するが、長続きはしないことを示唆している。このような意味からも、本書は、生物学の一部として捕らえることに留まらず、社会を見る参考書としても良書である。 (PhysisLinn/2009-01-20)
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「交通渋滞」徹底解剖
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交通工学研究会(2005-09)
編集:大口 敬
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満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う (角川SSC新書)
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角川SSコミュニケーションズ(2008-02)
阿部 等
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レビュー総評点:61
私たち日本人は「諦める」ことに慣れています。
慣れさせられているのかも知れません。

著者は「満員電車」をなくすにはどうしたら良いか、を
専門家の立場から判り易く解説しています。

鉄道会社の経営陣や現場で働く人達に、
「そんなの無理に決まっているだろう」と思いがちな
先入観を排除して読んでみて欲しいと思いました。

単なる理想論ではなくて、具体的な提言が丁寧に
書かれているので好感が持てます。

このような「提言」型の本がもっと世の中に増えることを願います。
著者の「この本を世に送り出した勇気」に応援の気持ちを
伝えたいと思います。
(ありがとうございます。/2008-02-10)
この本の著者です。「革命人士」様からの大事なご指摘(多くの方
も同様のご意見でしょう)に対し、私の考えをご説明し、読者の皆
さんの疑問にお答えします。満員電車をなくすための建設的な意見
交換を目指して。

「1往復400円の追加負担・・・この主張には非常に違和感」とのご
意見でした。大きな追加負担を求めるのは、着席サービスを望む人
に対してのみです。そして、着席サービスは、「跳ね上げ式座席+
ICカード」により料金収受を含めてセルフサービスとします。

「割安な通勤通学定期・・・値上げを求めるが、利用者のロイヤリ
ティーを失う」とのご意見でした。自転車屋で「この自転車は通学
に使うので8割引きですね」という人はいません。今の通学定期は
それと同じで、その分のしわ寄せが満員電車を生み出す原因の1つ
です。P123〜125に書いた通り、社会的弱者へは少ない費用負担で
のモビリティを提供すべきですが、その費用を鉄道事業者へ押付け
たのでは満員電車はなくせません。税金を投入すべきです。その際
の注意点は本をご覧下さい。

旧国鉄の赤字の原因は「物価上昇に見合った値上げができなかった
から」ではないとのご意見でした。自動車の販売価格の改定に国会
の審議を要し、常に抑制されていたとした場合を想像して下さい。
日本の自動車産業は興隆できたでしょうか。トヨタ自動車が世界に
誇れる優良企業になれたでしょうか。第2、5章に書いた通り、満
員電車をなくすことを象徴に、鉄道の利便性を大幅に向上する方策
はあり、商品価値の向上に応じた値付けが社会に受入れられれば実
現できるのです。

「鉄道事業者寄りな・・・主張には賛成できない」とのご意見でし
た。満員電車をなくすには、鉄道事業者を元気にすることが何より
です。鉄道事業者がサービス改善に向け、知恵を出し、技術開発を
進め、積極的に設備投資し、経費を増投入するようになることを望
んでいる人は多いはずです。 (ライトレール/2008-02-24)
鉄道や交通の分野に関する関心があったので読みました。できればその分野で活躍したいという思いもあったので…

本書は、
「満員電車」状態の通勤ラッシュを解消するため、
主に技術的な面と運賃の面、そして制度的な面から、一般人には斬新と思える提案をしている。

特に総二階建て車両や、 かけそば・てんぷらそば の概念は、本書を読むまで私は思いもしなかったもので、非常に驚いた。

ところで筆者は、満員電車が出現した原因は「運賃抑制の歴史」から来ている、と考えているようだ。これについて、別の専門家も「通勤通学ラッシュの原因は事業者の怠慢ではなく交通政策の誤りだ」と著書で指摘していたように思う。本書を読んでも、いつまでも続く満員電車は、「鉄道会社が怠けている」というよりは交通の政策の問題が絡んでいるという方向で考えてみる必要があると感じた。

また、他にも本書を読み印象に残ったことがあり、それは

”闇雲に鉄道を信奉するのではなく、自動車交通の良い面悪い面も考えながら鉄道のイノベーションを進めていこう”

というような筆者の姿勢だった。
そのためか筆者の主張はかなり説得力があるように感じた。(道路族などの主張が一方的である印象に対して)
このような本が売れ、更に鉄道が発展し、満員電車がなくなる日が来ることを期待したい。(個人的にはローカル線の廃止も止まり、鉄道全体の活性化を願うところです…。) (asp3//2008-12-05)
 東京に住んでいて、たまに大阪に出張すると朝の電車が割りとすいていることに驚くことがあります。

 鉄道の分野が着々と技術革新していることは、Suicaの普及やリニアモーターカーの開発を見ているととてもよく分かるのですが、日々の生活が豊かになるという実感までにはもう一つブレークスルーが必要と思われます。

 本書では、「満員電車をなくす」をキーワードに鉄道の大いなる可能性を考察しており、実現性はともかく大変興味深いと思いました。

 東京でLRTが走り回る日がやってくることを期待します。
(tamadam/2008-09-24)
 最終章に「満員電車が無くなれば、今まで通勤にか帰っていた労力と時間が少なくてすむ」、そして「不便な公害にも人が住めるようになって居住地域が増え、生活コストが下がる」、「コストが下がれば子供を作る余裕ももてる」という話が出てくる。
 確かにそれは一理あると思う。
 あの通勤ストレスは家での活力を奪う。それを避けようとすると、ある程度値の張る地域に住まざるを得ない。そして子供を作る経済的な余裕が無くなる。。。
 ICカードを使って、柔軟な料金設定をする、というアイデア。これは秀逸。ぜひ実現してもらいたい。 (jinya/2008-06-26)
面白い提案がいくつかありましたが、例えば座る席と立ち席とをどう区別するのか、混んでる時に検札するのができるのかな。
渋滞対策の2階建て車両化では、出入りするのに時間がかかって、ダイヤに影響が出てしまわないのか。
ともあれ、私たちが地上に歩ける道と、きれいな空気を取り戻すことには大いに賛成でした。 (地理ペッパー/2009-03-24)
満員電車をなくす、というテーマでいろいろと面白い
アイデアが載っていて面白いですね。
二階建て鉄道なんて、やろうと思えば十分できそうです。
でも安全確保は絶対なので、あまり危険度の高い改良は
「危険性」を考えると無茶なような気がしますが (I/2008-03-01)
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となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学
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早川書房(2008-10-25)
翻訳:酒井 泰介トム ヴァンダービルト
売上順位:38996
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レビュー総評点:41
人間が通常の、100倍のスピード、100倍の攻撃力、100倍の守備力を持ったら
どうなるのでしょうか。

また、視覚が遮断され(前の車の中の人は見えない、後ろの車はほとんどど見ない)
聴覚も意味をなさない(互いにクラクションでしか応対できない)匿名的な世界に集まれば
人は何を感じ、どのように行動するのでしょうか。

そのような世界は原始時代のようでもあり、また現代のインターネット時代に通じるものも
あります。
インターネットの中での名前がハンドルネームというのも何か意味ありげにすら思えてきます。

この本のなかでは、このような異常状況での心理学が特に興味深く感じますが、
その他各国の交通事情、歴史(文革時代は赤を進め、青を止まれにしようとしたそうです)
等についてユニークな驚愕、爆笑ネタ満載です。作者の力量は相当なものです。
好奇心旺盛な方には、是非お勧めしたい作品です。 (至高の豚/2008-11-29)
交通というと,科学の発展でよりよくなっている(気がする)し,なっていくと安易に考えてしまっている自分に気づく。
ドラえもんなどで描いている未来のように,未来で交通問題が起こっているとは,ほとんどの人が勝手に考えていないのではないだろうか。
しかし,本書によると,交通は人間に追っている部分が大きく,科学(機械)の発展だけでは,どうにもならないし,
科学が発展すればするほど人間の問題が超現実的になるという。
渋滞の話から始まって,道路建設と交通量や,交通事故に話が進み,なかなか興味深い。
危険(安全でない)な道路,車のほうが,人は集中するので,事故率が低いらしい。
一例として,歩道と車道を一緒にするなど。ロータリーの話も出てくるが,これは欧州などで暮らしていないとあまり実感がわかない。
日本人の場合,律儀に決まりを守る(最近ではそうでもない?)民族性が根底にあるので,その点についての話があれば,さらに面白かっただろう。
第8章ではインド(デリー)や中国の交通事情が書かれていて,一度でも行ったことある人は笑ってしまうおもしろい内容。
脚注が多すぎて,可読性に欠けるので,★一つマイナス。 (カカポ/2009-01-22)
 おもしろい! 渋滞はなぜいらいらするのか、車に乗るとなぜ人格が(悪い方に)変わるのか。人を型にはめて判断してはいけないと普段は言っている人が、車については妙にドグマチックになるのはなぜか、道を増やしても交通渋滞が減らない理由、カーナビのジレンマ(いちばんいいルートをカーナビが選ぶと、そこに車が集中してかえって遅くなる等々)、車線合流はどうするのがいいのか。どれも車でありがちな話を、心理学や交通研究から軽妙に説明した非常に楽しい一冊。
 最近、行動経済学系の本がたくさん出ているけれど、本書はそれらの基礎にある知見を経済行動以外にもあてはめてみせた(部分もある)、ちょっと目先の変わったしろもの。本書で述べられている、人々のリスク判断とその歪みなどは、他の分野でも大きく効いてくるもの。本書を読むことで、行動経済学的な話も理解しやすくなり、視野も広がる。もちろんどれも決定的な答えがあるわけではないし、渋滞からぬけられるようになるわけでもないけれど、でも人は理由がわかると苛立ちが少なくなるとは本書でも指摘されていること。なぜ自分が渋滞で頭に来るかわかれば、多少は心も穏やかになるかもしれませんぞ。 (h.yamagata/2008-12-19)
車に乗るとなぜ人格が変わるのか、
人(日本人だけではなく万国共通のようです)が
車という鉄の塊を操縦するとこうも人格が変ってしまうのか、
行動心理学と統計的結果に基づき説明を行い、
道路事情に対してどういった対策が施されているかについて
説明がなされている。


例を示すと、
第7章:危険な道の方がかえって安全?
 では、ロンドンの事例だが、通りの美観を目的に道路標識を95%撤去した。
 結果、交通量が減らなかったにも関わらず事故は60%減った。
 以前は、不必要な道路標識が多く、ドライバーは混乱を生じた。
 標識という障害物を除去することが、ドライバーの自主性を促し
 かえってモラルのある行動を行えるようになったようです。

 私も一つの交差点で、トラック用の標識と乗用車用の標識と
 さらに時間帯の標識とが乱立した交差点に出くわし
 標識からどう判断して良いか混乱した記憶がよみがえります。


第6章:どうして女性は男性より渋滞を引き起しやすいのか?
 では、駐車場に停める際の行動が書かれており
 結果、慎重グルグル派は無頓着派よりも停止時間がかかり、
 目的地までの距離も近いわけではない。
 ショッピングセンターなどの出入口に近い空きスペースに
 車を停止させる際に、
 「最高の」スペースを積極的に求める慎重グルグル派と
 目に付いた空きスペースに停める無頓着派とに大別され、
 結果的に慎重グルグル派が停めた「最高の」スペースは
 無頓着派のそれと目的地までの距離が変らないようです。



また、
前の車が女性ドライバーの方が、クラクションをよく鳴らし、
前の車が高級車だと、クラクションを鳴らしにくい。
高速道路で渋滞中は走行車線(日本では一番左車線)が最も早かったり、
駐車場が満車で待っている車があると、
駐車している車はなかなか出ようとしなくなる。
など。


自動車と運転すると急変する人格を行動心理学と
交通事情に沿って述べている点が興味を惹く。 (もれしゃん/2009-03-29)
交通にかかわる様々な話題について、アメリカ人作家が簡潔
かつ軽快に解説していく本。体系的な話ではなく、我々が日
頃から感じているちょっとした疑問や不満を次々に取り上げ
ていく形式です。

「となりの車線はなぜスイスイ進むのか?」、
「あなたが自分で思っているほどよいドライバーでない理由」、
「どうして道路を作れば作るほど交通量が増えるのか?」、etc。
興味をそそる切り口から始まり、話は交通の歴史や世界中の
ご当地運転まで飛んでいきます。古代ローマでも交通騒音が
問題だったとは・・・

読後、周りの人に話したくなるような豆知識がつまった本です。
(食いしん坊/2009-02-07)
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0812,0901/
経済学:気になる新刊邦訳本3
 
w:10 h:16 221page
「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)
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宝島社(2009-06-10)
西成 活裕
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¥ 756

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ムダとりの歌
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ムダとりの歌(2008-11-22)
西成 活裕
売上順位:94080
¥ 1,500

所属カテゴリ:
J-POP
レビュー総評点:-6
以前からメディアでご活躍されています、西成さんにとても興味がありまして書籍も全て読みました。CDを出されるということで聞いてみると・・・・・・・・
本職は東京大学の先生なのに、その歌唱力にはビックリです!!!!!
歌詞もですが、メロディーがキャッチーで覚えやすい曲ですねヾ(*'∀`*)ノ♪。・


(ロングイ/2008-11-25)
無駄学、ムダとりの歌をセットで購入しました。
元気が出る歌声が耳に残ります。小椋佳さんの曲とはとっても驚きです。
無駄学の本を読んだら、その意味合いがよく理解できました。
暗い悲しいニュースばかりの今の社会にやっぱり自分たちが努力しなくちゃいけないんだ!と気づかされました。
特に、自分の身の回りに無駄がいっぱいあると発見したら、無駄をなくす方法を見つける楽しみがわいてきます。 (やまちゃん/2008-11-26)
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