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ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
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ASIN:4166605461
文藝春秋(2006-12)
佐々木 俊尚
売上順位:99018
¥ 840(中古:¥ 31)

レビュー総評点:14
やや散漫 ||||||||
分量の薄い新書で語るにはやや無理がある。やや散漫。

ネット文化の根源がヒッピー文化であるとするのは、なるほどと思わせる。米国の元ヒッピー達のその後を見てみれば、極一部のハードコアを除き、結局は体制に迎合していったという事実もある。(少し異なるかも知れないが、日本の全共闘世代などとも類似するのではないか。)

とすると、結局は体制に取り込まれ、現代の「経済・金融による覇権」に代わり、ネットも「情報による覇権」のためのツールとなってしまうのではないかという危惧を抱かせる。グーグル一極集中はその序章ではないかと思う。欧州や中国が危機感を募らせるのも当然である。

Winny事件については、開発者にそれほど高邁な思想があったのかどうか疑問である。単に「スゲーの作っちゃったよ。どうよこれ?」という自己顕示欲や全能感みたいなものが動機ではないだろうか。良くある人権裁判のように、本人ではなく回り(弁護団)が大騒ぎしているだけではないかという印象を受ける。(一読者として何の実地検分していないので、憶測・偏見に過ぎないが。)
(dragonalivedragon/2007-01-28)
本書はウィニー事件とインターネットの歴史を通して、科学者・技術者vsビジネス・権力という対立を描いているように思いました。

ウィニー事件では、技術vs著作権の構図を詳細に描き、現在の著作権ビジネスは限界に来ていると指摘します。

また、インターネットの歴史は、技術vsビジネス・権力の歴史を通じて、科学者・技術者が描くネットの理想像が国家戦略・企業活動に飲み込まれていく様子を描いています。

また、本書を読む限り、日本企業はIT革命に翻弄され、未だ新たなビジネスを構築できずにいるように感じました。

結構お勧めです。
(mini1/2007-03-14)
羊頭狗肉 ||||||||||
この本の帯には「『文明の衝突』をめぐる21世紀最大の戦いが始まった!」という扇情的な惹句。そして、サブタイトルは「誰がウェブ2.0を制するか」。

佐々木俊尚氏の『グーグル Google』を読んでいた私としては、いやがうえにも期待が膨らんだわけです(内容を確認せずすぐレジへ…)。

しかし、本書の6〜7割はwinnyと著作権をめぐる問題に割かれていて、期待はずれもいいところです。ちなみに本書の第七章はまるまる80年代の「半導体戦争」について書かれています(「前世紀」の戦いですね)。

要するに、この本はタイトルと内容との乖離が甚だしいのです。目次をよくチェックしたうえで興味のある方はどうぞ♪ (ロベルト・キャパ/2006-12-27)
ネットVSリアルの衝突 誰がWeb2.0を制するか を読みました。
タイトルから期待するところは、ネットビジネスとリアルな世界でのビジネスの
対比、競合、融合などビジネスロジック的な比較検証をイメージしたのですが、
期待をはずしてくれました。

Winny事件をめぐってのルポでした。P2Pで著作権開放賛成的な記述もあり、
共感できるかというとそうではない部分もあるので、読み物としては面白いの
ですが、内容的にはインパクトにかけました。

コンピュータビジネスの過去の流れなども触れてあり、懐かしく読めました (tzepp/2006-12-26)
P2Pソフト『Winny』の作者が、著作権法違反の容疑で逮捕され、2006年12月13日に、著作権法違反幇助により罰金150万円を科せられました。被告は、大阪高等裁判所に控訴中です。著者は、「月刊アスキー」の編集者時代の2000年に、P2Pソフトの『グヌーテラ』の記事を書いて以来、このP2P問題に関心を持ち、今回の事件も最初から追ってきたそうです。この事件全体の綿密な調査ドキュメントがあり、全容と問題の核心が分かります。

本書はそれに終わらず、この事件を手がかりに、PCやITの発展の流れの底には、自由と独立を求める反体制的な考え方があることを歴史を遡って明らかにしています。大型コンピューターが大学や官庁の組織エリートに占有されていた60年代後半に、機械を組織外の個人にも使えるようにタイムシェアリングすべきだとの運動があったそうです。この年代の若者に支持されたヒッピー運動の一環だそうです。その流れを受け継いだITのカウンターカルチャーとしての気概と自負は、著者が本書で訳しているバーロウの1996年の「サイバースパース宣言」に顕著に読み取れます。

これに対して各国の政府が、非合法なソフトを排除したり、ITと反政府運動との結びつきを恐れて動きを制限したり、国策ソフトを企画して囲い込みを図っている動き。国家同士のITの標準化、覇権をめぐる争い。ヨーロッパなどで厳しく非難されている検索会社と人権を保障しない国家との関係など。今の問題状況が網羅的に書かれています。

思想的な流れの根を掘り起こしている点が魅力です。自分が触れてきた機械がどういうコンテキストにいたのかが分かり懐かしく読めます。これからネットと世の中はもっと混じり合っていくのでしょう。当初あったロマン溢れる文化の香りをIT側が捨てなければいいなと思いました。
(ビブリオン/2007-01-02)
ネット関係の本が興味深いのは それが社会論になっていく点にある。

 技術革新が 社会を つまり人間を 変えてきたことは古来からの歴史だ。ネットも その数ある技術革新の一つに過ぎないといえばそれまでだが 幾つかの点で非常に興味深い。

 まず第一に僕自身が直面している技術革新である点だ。いいかえると僕自身が「歴史」に直面していると言う事だ。当たり前ながら 誰しも「歴史」には直面しているわけだが ネットというように「切り口」がはっきりしていると 強く歴史を感じることが出来る


 次に世界同時多発的な現象である点だ。こういう事態は 人類の歴史上でも 初めての経験だと僕は考える。発生している場所が多いということは そこから生まれる対応にも バリエーションが極めて多様化するのではないかと想像する。

 本書が語っているのはネットが齎すものは「民主化」なのか「アナーキー化」なのか「覇権化」なのかという点だ。この視座は 1998年という相当昔に提出された廣瀬克哉という学者の論文に負っている。その論文も なかなか射程距離の長い視線を持っていたと思う。なぜなら 今尚 この3つのどれになるのか もしくはまだ提出されていない第四の事態になるのか 解らないからだ。
 本書は 答えは出せていない。とりあえず 幾つかのagendaに絞りつつ ネットが齎すものを模索している。歴史というものは 後にならないと解らないというのは いつの世でも同じだ。その意味で答えが出せていないのはしょうがないかと思う。

 但し 革命家とは自分で答えをまず出して それを世に問う人なのだと思う。その意味では本書を物足りないということも可能だ。但し著者はジャーナリストであり革命家ではない。本作は 優れたジャーナリストとしての仕事なのだと ITには素人の僕は思った。 (くにたち蟄居日記/2007-05-06)
 これ、若干「看板に偽りあり」ですねぇ。“誰がウェブ2.0を制するか”なんてサブタイトル打たれると、どうしても前著「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」の続編って受け取るわけで(それが売り手の意図でしょーが)。
 内容としては、前半がWinny、後半が半導体、OS、ipodっていう日米デファクト争いでの度重なる日本の敗戦であり、万人のパーセプションとしての「ウェブ2.0」ってのとは、ちょっとずれているんだよね。ただ、そうでありながら、この本なかなか面白かった。 次のようなスチュアート・ブランドの言葉が引用されている。「インターネットを経験した人は、自分が官僚主義の非情な世界ではなく、文化の薫り高い牧歌的な世界の中にいると感じるだろう。その世界は実のところ、六〇年代の残像だ。当時のヒッピー共同体主義と自由主義が、サイバー革命の原型を形作ったのである」。アップルはヒッピームーブメントから生まれた。コンピュータは人間の精神を解放する。なんて文脈は、こんだけITがビジネスや国家支配に結びついたご時世じゃ、多くの人にとって「なに寝言言ってんの?」ってなもんだろうし、若い人にとっちゃ初耳だろう。でも、僕も、Winnyの開発者の気まぐれな発言に勝手に肩入れしちゃった著者の青臭い“初心忘るべからず”的理想に、勝手に連帯(古!)しちゃいたい気分なのである。「ウェブ2.0はブランドやバーロウが夢見た理想の、正当な後継者なのである」。ほんとそうあって欲しい。ウェブ2.0の中核企業がビジネスだけの近視眼で中国市場に条件鵜呑みで進出しちゃったり、なんてのを傍らで見ていると、とても楽観的にはなれないけどね。それを使う人間によってネットってヨクもヤバくもなる訳でさ。
 次は「看板に偽りなし」で、“ウェブ2.0は果たして夢見た理想の正当な後継者たりえるのか?”って検証レポートを是非お願いしたい。 (盥アットマーク/2007-04-30)
『Winny』作者の著作権法違反事件を取材報告の姿を借りた、到達することの無いコンピュータ文化の理想像へ片思いの書として読んだ。
 大層なタイトルであり、表紙の半分以上を占める帯の巨大さにも、またその宣伝文句にも、本書の内容が投影されているとは思えない。
 しかしながら、国境のある国家を前提として築き上げられた「リアル」世界と、理想の志を内包し発展途上であった「ネット」世界の攻防が垣間見られる『Winny』事件法廷に、取材者である著者が最も思い入れ深く関係しているかのようだ。 (歯職人/2007-02-12)
 本書のテーマは、「インターネットやその利用技術はいったい誰の
ものか」ということ。Winnyとその作者の逮捕、裁判の一連の課程を
詳細に取材し、このとても難しいテーマを分かりやすく浮かび上がらせ
てくれる。付けられたタイトルは必ずしも内容に沿って付けられている
わけではない。

 関係者の取材、裁判の傍聴を重ね、他方で関連分野の文献などにも
目を向けて事実を集めならがら論をひとつづつ積み重ねていくスタイルが
本書でも健在。一気に引き込まれる。
(ny/2006-12-28)
前半はネット世界からリアル世界への影響として
winnyによる、著作権への影響について触れている。

後半はその逆でリアル世界から、ネット世界(IT世界)への影響として、
政治的な動きを交えて、国際情勢などについて触れている。

副題になっている「誰がウェブ2.0を制するのか」というのは、
名前によって購入意欲を誘う作戦か。

あまり内容的にウェブ2.0に触れているようなところはないような!? (ニャンゴロ/2007-02-04)
Winny問題について詳しくなれます。
裏話みたいなのがいろいろ載っていておもしろいです。

まあそんな感じです。

いや、正直あまり書くことも無いんですけど。
ただ「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、下手な小説を読むよりもよっぽどおもしろかったのは確かです。
やや週刊誌ネタというかテレビの特番ネタというか、そういう雰囲気が無くもないのですが、どっちみちみんな普段からそういうものを楽しく読んだり見たりしてるわけで、たぶん違和感もなく、かつちょっとした知的刺激もありつつ、おもしろく読み通せる新書ではないでしょうか。

(今さらですけど)Winny問題に詳しくなって友達に自慢しちゃいましょう。 (のいのい/2007-01-14)

 同じ文春新書で昨2006年「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」を物した著者の最新刊。

 「ネットvs.リアル」とありますが、率直な読後感から言えば、この書名と内容には距離があると思います。300頁に満たない本書のうち153頁がWinny事件の摘発から公判までを追っていますが、これをサイバースペースとリアルワールドの攻防として描くというのはぴんと来ませんでした。おそらくこの書名は、Winny開発者である被告が当初2ちゃんねるに書き込んでいたように、ネット社会で生まれたものが著作権など既存社会の従来の概念を破壊していくという対立構造の到来を、著者が半ば強く期待してつけたものだと思われます。しかしWinny開発者は公判では、そのような殉教者的証言は一切していませんし、著者の期待が空回りしている感が否めません。

 とはいうものの、普段からネットでの出来事すべてに目を通しているわけではない私にとって、Winny事件の顛末もさることながら、政官財を巻き込んだ国際的なコンピュータ・ソフト開発抗争の経年変化を丹念に追ったくだり(「第七章 標準化戦争」、「第八章 オープンソース」、「第九章 ガバナンス」)は大変興味深く読みましたし、勉強にもなったと感じています。

 毎日新聞記者という経歴を持つ著者の文章は、老若男女の理解を前提にした、大変読みやすいものです。その分野に明るい者だけが理解できればそれで結構という態度の硬質かつ衒学的な文章とは縁遠いものです。その点を私は前著「Google」以来、大変信頼しています。今後もネット関連の興味深い事件や現象を、分かりやすい文章で私たちに提示してもらいたいという期待を、私は引き続き持っています。

(yukkiebeer/2007-02-11)
今ちまたで氾濫しているWeb2.0系の本とはちょっと違いますので、よくもわるくもご留意ください。よく議論されているブロードバンドを前提としたビジネスの可能性というよりは、だれが情報管理の「中央」をつかさどるかとか、情報流通の「中央」なしでやりとりが可能であることは善か悪かとか、そういうことが書いてあります。

私はWinnyとP2Pについて理解できていなかったので、タイトルで違う内容を期待していたけれど、結果的によい参考書になりました。
タイトルと本文はだいぶ異なっている気がするし、ロングテール、ブログ、マッシュアップなどはやりの用語もとりあげていません。ただ、テクニカル、ビジネス的なことより、だれがどう情報を扱うかという概念的なアプローチをしている点に興味が持てる方にはよいと思います。

1.Winny
2.P2P
3.著作権破壊
4.サイバースペース
5.逮捕
6.アンティニーウイルス
7.標準化戦争
8.オープンソース
9.ガバナンス
10.デジタル家電
11.ウェブ2.0 (カスタマー/2006-12-19)
前半は,P2PソフトWinnyの作者が逮捕された,いわゆるWinny事件を取り上げています.前作のGoogleの本はちょっと期待はずれでしたが,このWinny事件についてはかなり突っ込んで取材してあり,読み応えがあります.著者はこの作者に対して,Winny作成の動機は現状の著作権の考え方に対する警鐘であり,「それでも地球は回る」と言って欲しかったみたいですが,訴えられている本人にしてみればそうもいきませんよね.

後半部分は,日本のネット社会の今後を占う目的で,これまで日本が歩んできた道のりを概観しています.半導体戦争やTRONの話は,だいぶ昔の話ですので若い人には参考になるでしょう.
(wave115/2007-02-09)
いわゆるネットの世界における内幕を新聞記者が書いた風の論評である。政治部記者か社会部記者あるいはテレビの報道特番のスタイルで、ここ数年の歴史とあまり知られていない内実を調べてある。全体に漂う雰囲気は「暗い」のひとこと。著者は旧世代の人なのであろう。
梅田望夫氏の心地よい楽観論とは対照的である。


(両津博士/2007-03-15)
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次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)
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ASIN:4334033857
光文社(2007-01-17)
佐々木 俊尚
売上順位:107467
¥ 798(中古:¥ 6)

レビュー総評点:-31
web2.0をマーケティングに活用する(要はブログマーケティング)場合、ブログの質を高めておく必要があるのと、そういうブログを優先的に検索できるツールが重要だ、という内容。特に目新しい内容ではないと思う。 (ハルナ/2007-03-18)
「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」の著者佐々木俊尚氏の最新作。Google/Appleなどのネット企業の一人勝ちの様相が強まり、閉塞感すら感じられるネット社会の次を描く作品。
Google/Appleなどのビジネスを「地主ビジネス」を称し、その小作人とならず独自のビジネスを築こうとする日本のネットベンチャーに焦点を当てたところまでは、視点はさほど新しくはない。
但しその取り組みに対し「情報検索のソーシャライズ」「リアルへの導線の拡大」「リアル社会でのDBの構築及び検索技術の革新」などいくつかのカテゴライズを行ったことで、現在諸処のネットベンチャーが仕掛けている取り組みについて理解が深まることは確か。
「Googleを超えるビジネスの可能性」について語ろうとしているにも関わらず、現在進行形の取り組みに対するルポルタージュに終始し、将来的な展望が描けなかったことはテクノロジー/マーケティング双方に詳しくない著者の限界のようで残念ではある。が、「次に何が起こりうるか」について現在表層に現れている現象の体系的理解が出来る、良書。 (横浜ルーレット/2007-02-13)

ベストセラー『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する』
の著者の最新作です。

本書ではヤフー、楽天、ミクシィなどの企業から成長中の
ベンチャー企業まで幅広く実例を集めて、次世代ウェブの
可能性について考察されています。

業界の著名人への数多くのインタビューもあり、まだ具体的な
形を取っていない次世代ウェブの可能性について探られて
いますが、本書はもともとはウェブの連載をもとにまとめられた
こともあり、『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する』
ほどのインパクトはないかもしれません。

次世代ウェブ自体がまだ夜明けあるいはそれ以前の時期のため
可能性を探るような内容になってしまうのは、仕方ないと思い
ますが、読後は、本書に収められた数々の可能性が今後どのように
発展していくかについては楽しみになりました。 (bestbook/2007-01-18)
 日本のWeb2.0の実例が紹介されている。Web 2.0ってまさにバズワードで、定義は曖昧。でも、ここに紹介されている事例をみると結果論的には間違いなくWeb 2.0であって。同様に、著者が言う通り楽天はWeb 2.0じゃない。そこら辺のWeb 2.0判別感覚を身に着ける上で、この本はいいかも。Web2.0自体の定義は置いといて、Web2.0の展開パターン、(1)ロングテール・マッチング→(2)ソーシャライズ→(3)データベース極大化って著者の見立てには納得。「サンプル百貨店」開発者の、マッチング=コイン・パーキングってアナロジーはわかり易いけど、何マッチングするか?ってことと、やっぱビジネス的成功ってことだけじゃなくて、そろそろちょっとは倫理じゃねえの?って気もする(法律守ってりゃいいんでしょ?っていうコンプライアンスの概念を超えてさ)。このままじゃヤダなって思うのは、リアルの関係性がネットにまで持ち込まれたら逃げ場ないじゃん!って危機感である。一時、住基ネットの国民総背番号制への懸念が取りざたされたけど、社保庁の例のごとく官だけでやってる分には悠長に構えてられるけど、民のビジネス絡んで“リアルの人間関係”が、(1)→(2)→(3)のステップ歩むのはかなり慎重に考えたいんだよね。“匿名の必要悪”って問題も浮上する訳で。
 しかし、どうやら時代は戸川純の“♪どんな情報も見逃さないが 自分捕らえる機能はない”“♪仲間同志で情報交換 何から何まで同じ構造 私と同じあなたがそこに あなたと同じ誰かがそこに プリントされた記憶と知識”っていう「レーダーマン」の世界観に突入したんだなぁって思うね。
 著者はここんとこ、文春、宝島、光文社から立て続けに新書を出しているけど、内容と新書のコンセプトに親和性があるんだろうね。ネットでの匿名エントリーを引用しちゃう感覚はネット的で好感持てます。 (盥アットマーク/2007-07-08)
グーグルを超えるビジネスモデルが生まれつつある。

主に日本におけるWeb2.0サービスの実例を紹介しながら、新たなビジネスモデルの可能性を検証する。

『ウェブ進化論』を読んだときに、その進化の可能性と「いまネットのあちら側で起きていること」の革命的な動きに感動した。また、グーグルという企業のすごさを実感することができた。本書では、それを超える感動を期待していたのだが、残念ながらそれは期待はずれであった。

本書の実例はいずれも小粒なものばかり。グーグルのように「世界を変える」ような予感を感じさせるものではない。わくわくできない。

日本におけるウェブビジネスの「今」を知るためには多少役立つが、カタカナ語が多く読みにくい上、内容もあまり一般的ではないので、万人にお勧めできる内容ではない。読むにはそれなりの基礎知識が必要だろう。

なお、本筋ではないが、著者は「UFOキャッチャー」(データベースの海の中から的確な情報を拾い上げるための仕組み)ということばがいたくお気に入りのようだが、あまり的確な表現とも思えない。「拾いたくても、思ったとおりには動いてくれない」という意味かと勘ぐってしまう。(ある意味正しいかもしれないが(笑)) (ぷりうす/2007-06-17)
Web2.0 といわれている現在を含めその前後をざーっと見る感じ。焦点が定まっていないように感じるが、現状を確認したいという人にはよいのではないか。 (mbookdiary/2007-05-24)
現状と過去の話に終始し、次世代のWebにはほとんど触れられていない。次世代に対して望まれていることが少し出てくるが、ただの希望にとどまり実現に向けた具体的な話は無い。
ITについて専門外のジャーナリストが専門外の人に向けて書いたような内容で、その意味ではWeb初心者が読むにはいいのかもしれない。そういった読者層を狙って広く浅く書いたのかもしれないが、残念ながらWebのビジネスにかかわる人間が読むものではなかった。
成功モデルについての見方もややずれている。本書でiPodはiTunesがあって成功したと書いているが、日本ではiTunesが広まる以前にiPodは人気が出ている。このように成功モデルの視点についても??な箇所がいくつも見られ、マーケティングの視点からもちょっと・・・という感じ。 (fuji/2007-02-28)
「次世代」という単語にひっかかりこの本を買ってしまった自分が恥ずかしい。

まったく次世代のことを語っていないし、
グーグルやアマゾン、楽天等への作者の悲しい負け惜しみ的な内容に終始し、
読んでいて気分が悪くなる。

具体的な次世代も示せているわけでもなく、そもそも文章自体も稚拙。
作者が悦に入っているだけのマスターベーション的な本。
読むのに無駄な時間を使いました。 (Dom/2007-04-15)
Web2.0でネットにおけるビジネス・コンテンツのありかたが進化している中、そのような進化の過程がいまどのような段階にあり、そして今後はどのようにして進んでいくのか。そして、そのフェーズの中で、どのようなビジネスチャンスが生じつつあるのか、ということを、筆者は描き出そうとしている。Web2.0関係の本では、どうしてもシリコンバレー企業の話が多くなるが、この本では日本の企業の例をとりあげ、その生まれ・進化について説明されていることが多いのは、特徴である。

進化といっても、いろいろな要素・側面があるわけで複雑であり、読み終わった後に、決して整理されたような形で理解できた気には至らなかったが、それでもポイントをいくつか拾いつつ、将来を感じることが出来たのは、大変参考になったかと思った。 (あきらくん/2007-02-18)
情報の正確性を求め多角的に分析。関連性が無いようで最後まで読むと、全体像が確実に見えてくる。元々、この質問に対して正しい正解はまだ無いのだから、自分なりの「正解」を見つけるのに、とても良い本である。 (角田和司/2007-04-16)
近年、矢継ぎ早に上梓している著者による新刊がこれ。
中身としては、Web2.0という大きなパラダイムシフトの時期に、
各情報関連業界の動きを自身の取材によって炙り出していき、
今後の成長の果実が奈辺にあるかを探ろうとする。

当然のことながら、ポータルサイト・検索エンジン・SNSサービス・オンラインゲームなど、
各種業界の代表者からの聞き取りが基礎となり、
自身の読書および体験を介して、綴られる記述は、
さながら推理小説あるいは犯罪捜査の手法に似る。
こうした傾向は、
著者自身が毎日新聞時代に培った「警視庁」関連での仕事に起因していると思われる。

いわば、犯罪捜査の手法と推理小説の心理分析を、経済分野に適用しようとする、
著者自身の戦略と言ってよかろう。

ところで、である。

著者は、かつてないスピードで、
このIT業界の最先端の分析グラウンドを疾駆しているのではあるが、
それに耐えうる取材力と取材人脈、そして未来を見据える可能性を熟知しているのならば、
自身がIT業界の何がしかの事業を実際に起業されてはいかがなものか。

フリーのジャーナリストという、費用対効果のなかなか現れない事業を補完する形で、
安定的な不労収益を獲得する方向に進まれたほうが、
今後の更なる複雑多岐である業界内容を知悉するための、
膨大な資金拠出安定化に繋がるのではないか。

もしかしたら、すでに導入されているのかもしれないが、
2005年から税法改正にて導入された、「有限責任事業組合」のような形式にすることで、
多数のジャーナリストの横のつながりを、会社形式にするよりもよりフレクシブルにできる。

さらには、組合自身の儲けは分配がなされるまで国税フリーである。使わない手はなかろう。 (ヨットクラブBB/2007-08-06)
本の帯には、
Web3.0を制するのは、一体どんなビジネスモデルなのか?
と、書いてあったけど、
現在がWeb2.0で、その次にくるのは何かという意味でWeb3.0なのだと思うが、
現在のところWeb2,0もいろいろに変化を繰り返して、Web2,1とか、Web2,1,1とかになっている、
ということが書かれた本だと思った。

それから、Web1,0が2,0になる過程のこととかも書かれていた。
その変化の過程は、戦国時代の歴史にも似てて、とても面白いなと思った。
変化はもっと早いだろうけど。


それで、
3,0に至りそうな技術は何か?という部分では、
個人的な要素をリアルタイムでとりれた検索技術、
というようなことに触れられていると思う。

しかし、2,0から3,0への変化は、
もう少し想像を絶するくらい突き抜けていてほしいな、
という気もした。

なんかこう、
脳とパソコンが直接接続できるようになってて、
意識の部分だけパソコンの中と自分の頭のなかを行ったり来たりできる、
みたいな。
Web20,0くらいでは、そんな感じになってたりして。

マトリックス。 (もり/2007-04-15)
2004年から2005年に掛けてわきおこったWEB2.0の波。2006年はその成果として様々なサービスがWEB2.0をキーワードに始まっていた気がします。

本書ではその流れを解説しながら、次はどこへ向かっていくのか。その流れを解説しています。 (ニャンゴロ/2007-01-24)
非常に関心のある情報が多くあったのだが、各章、各項目に散乱してしまっており、興味のある情報を拾い上げるのに少々ストレスを感じた。

筆者、かなり忙しいなか書きあげたとのことなので、そのあたりのしわ寄せかな、とも感じたが、しかしできればモデルケースはモデルケース、展望は展望として再構築されていると、興味のある内容の理解がより深まり、よかったのにと思わざるをえなかった。

特にグーグルの次のモデルと題されているタイトルにもあるように、その内容こそ、本書の肝であるので、その部分が集中的にまとめられ、より深められた章があればよかったのに、と感じた。しかし、個人的には第4章と6章が面白かったので、星4つに。
(まのの/2008-07-04)
話の内容が今更である。
ベンチャー企業のインタビュー記事ばかりの印象を受け、結局何が言いたいのかよくわからない。
グーグルの次のモデルは、何が来るのか。明確なものが出てこないのであれば、別に書かなくてもよかったのではないかと思う。Web2.0がテーマになっているが、目新しい内容はない。 (まじた/2008-06-01)
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佐々木俊尚
「てきとうな選択」
何度も読みたくなる本
 
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YouTube革命 テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ [ソフトバンク新書]
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ソフトバンククリエイティブ(2006-12-16)
神田 敏晶
売上順位:76754
¥ 735(中古:¥ 1)

レビュー総評点:6
You Tubeが日本語版が開設されたのも記憶に新しい昨今。
TV業界が放送してきた内容には、多々疑問も感じていた。

Web2.0の概念、ユーザー主体で市民一人一人がカメラマンである。
綺麗事しか取り上げないテレビに、新たな波が加わった。
神田氏もアメリカで数年前に起こった地震を例に挙げている。

テレビは決まった時間に放送されているものを、見るしかないが、
動画ビジネスは好きな時に見れるのが、利点ではあるが...

だが、著作権問題や視聴率問題など、対応しきれていない箇所の方が、
目立っている感が否めない。

(STZX/2007-07-12)
内容が薄い |||||||||||||||||||||||||
よくあるWeb2.0称賛本にまた薄い一冊が加わった、というところ。YouTubeに人並みの関心があって日常的にブログ界隈の話題を追いかけているような人にとっては特に新鮮な話題は取り上げられていないし、実証的な議論はほとんどありません。
著者はビデオジャーナリストとしてYouTubeにもチャンネルを持って積極的に利用しているようなので、もっと映像を提供する側からの当事者的なディープな話題を取り上げて欲しかった。
"YouTubeって最近良く聞くけど、それって何?" という人にはいいかもしれないけど、本読んでる暇あったら実際にサイトを見てみたほうが早いしなあ。 (2bor02b/2007-01-08)
ビデオジャーナリスト、神田敏晶氏の最近の著書です。YouTubeに焦点を当てて、YouTubeが社会に与える影響を考察しています。

 私のYouTubeに対するイメージは、「著作権を無視した違法コンテンツの宝庫」というものでしたが、
同氏はYouTubeやWinnyの誕生によって、著作権そのものの概念が変わりつつあると指摘します。

「日本のように、これまでの著作権の概念に囚われ、既存のビジネスモデルを継続するためにYouTubeを提訴しているようでは、今後行き詰まる」という意見に同感です。

Google同様に、YouTubeの発展によって最も影響を受けるのは、収入を既存の広告に頼っているマスメディアであろうと述べています。

また、日本と違いアメリカという国は、既存ビジネスを脅かす新たな技術の登場を前向きにとらえ、積極的に活用しようとするチャレンジ精神に溢れた国だなぁと、つくづく感じました。
(mini1/2007-03-13)
YouTubuの可能性を概論的に述べてあり、具体的なYouTubuの楽しみ方とかは、巻末の付録程度の紹介である。
YouTubeの啓蒙書としては、それなりに読める内容であるが、まずはYouTubeを使ってくれという、それだけの内容である。
200Pageで内容も軽いので1日で読むには適量の内容である。 (tzepp/2006-12-22)
YouTubeは楽しい。
慣れてしまえば簡単に操作できるし、いろんな映像が見える。

しかし、
日本人にとっては、やっぱり英語がネックかな。
英語の映像のほとんどは、なに言っているかわからないし、
コメントとかもつけづらい。

英語の勉強にはなると思うけど。

一方YouTubeにおける日本語の映像は、
テレビ番組の録画とかが多くて、
テレビ見るのとそんな変わらない感じがすることもある。

見逃した番組の場面を探して見るときには使えるけど、
それだけではYouTubeを十分に活用できたことにはならないだろう。

なので、日本におけるYouTube革命はまだ道半ばなのだと思う。

日本でも、一般の人が面白映像を作ってもっと投稿したらいいのに。

本書を読んで、そういうことがわかったと思う。



(もり/2006-12-21)
「ヤバい」というのは「危険」じゃなくて「すごい」の意味。
ビジネス視点でYoutubeが語られる時、彼らが抱える問題点をあげつらって
そのポテンシャルを全否定してしまうような言説が少なくない。
そんな中で、動画共有のすごさをビジネスやライフスタイルなど
さまざまな角度から大真面目に考察した貴重な一冊である。

「こうなりつつある」という現状認識と「こうなって欲しい」という著者の思い込みが
混同されがちな傾向はあるものの、メディアのパワーシフトは避けられないだろうし、
著作権の観点から脊髄反射的にYouTubeを否定するより、利用するすべを考える方が
生産的であるとする主張は正しいと思う。

ユーザーによるバイラル(口コミ)CMの効果や、企業発信映像の事例など、
著者の主張を裏付けるエピソードもバラエティに富んでいて、それぞれ面白い。

YouTube革命が成就するのか誇大妄想で終わるのかは、まだ誰にもわからない。
しかし、冷静になることは悲観的になることと同じではない。
未来が変えられることを少しは信じてみようかと、前向きな気持ちにさせてくれる一冊だ。 (yamahat/2006-12-28)
ビデオジャーナリストの著者が、今はやりのYoutubeについて、その革新性、魅力・ビジネスモデル等等について説明しています。実際にView数の多い作品の紹介も多数あり、思わず実際にYoutubeで一つ一つ見てしまいました。

また、放送など旧メディアとの関係、著作権の話題など、関連する話題は一通りカバーされています。巻末には、サイトのレイアウト・説明までついています。

Youtubeについて、一通り分かります。グッドです。 (あきらくん/2007-02-02)
ちょっと前にgoogle(グーグル)がyoutube(ユーチューブ)を
買収したというニュースが流れて以後、
どうなっているか気になっていたのもあって、
ユーチューブについて知りたくて購入。

ユーチューブというサービスがどのように注目されているのかを
知ることができました。

最後の著作権について述べられている中の、
「クリエイティブコモンズ」が印象的。
ユーチューブとビジネス、特にテレビなどがどう変化していくのかが
楽しみになりました。 (kkk/2007-05-27)
最近の若い人たちはむずかしいことを考えずに、実際にユーチューブを使い倒しているように思われます。次の方向性などは開発者や経営者たちに、まかせておけば勝手に変革は起こっていくでしょう。その変革のうねりを感じ取れるのは、やはり実際に使い倒している若者でしょう。 (たこたこ屋/2008-11-06)
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グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)
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光文社(2006-09-15)
森 健
売上順位:53384
¥ 735(中古:¥ 83)

レビュー総評点:53
タイトルはこれでいい? |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 丹念にデータを集め、文章も推敲され、丁寧に作られている
点は好感が持てる。しかし、本書に書かれている情報はWeb
2.0ということばを自分なりに理解しているヒトにとっては
2回目、3回目に出会う情報ばかりなのではないか。グーグル
やアマゾンについても、新しい情報を期待したが、独自の取材
に基づくモノは出てこなかった。

 タイトルは「売れる」ためにこのようなかたちにされたのでは
ないかと勝手に想像するが、著者の言いたいことはそこではない。
本書の「売り」は後半の5章以降だと思われる。なぜ、一極集中と
いうことがおきるのかということを考察し、最後は「民主主義」
「主体性ある思考」という著者が夢見る?世界がインターネット
を通じて実現する可能性に言及している。

 「タイトルに偽りあり」という点で(最近の新書はみんなこの
手口だとはいえ)不満ありです。後半の部分は「読ませる内容」
なのは間違いありません。



(ny/2006-09-15)
ウェブの世界に触れない日は、まずない。それが日常と化している。
本書は、Web2.0の世界が、リアル・ワールドに何をもたらすか、という視点に軸足を置いている点が新しい。
多様化の果ての一極集中、あるいは、巨大な一極とフラット化−−Web2.0世界で起きている奇妙な現象をこうまとめる(第1章)。第2章でWeb2.0について、第3〜4章でWeb2.0世界の「勝ち組」代表とされる、アマゾンとグーグルが「勝ち組」たりえた条件や戦略を振返っている。以上を受け、Web2.0のマクロ特徴である「スケールフリー・ネットワーク」について(第5章)、ミクロ特徴である「パーソナライゼーション」について例示しながら解説している(第6章)。
スケールフリー・ネットワークで必ず「副次的に」発生する現象が、「金持ちほどますます金持ちになる」、つまり、複雑系科学の収穫逓増、自己組織化である。一方、パーソナライゼーションによって「関心の一極集中」、つまり、「同類志向」による集団分極化が起きやすいことを指摘している。その結果、意見の急速な一極集中化(サイバーカスケード)がおきやすくなること(第7章)は想像に難くない。
このような状況で、果たして「主体性ある思考」は存在し得るのか? 大きなアーキテクチャの中で自らも(自らの思考も)影響を受けていることを自覚しながら、いかに多様性や異質性を汲み上げていくかと問い続けることで、本当により良い解決法が現れるのだろうか? ウェブから意図的に離れるだけでも解決できそうにない。考えさせられてしまった。 (10ちゃん/2006-10-24)
グーグルやアマゾンのビジネスモデルに代表される「ロングテール」現象により、「一個人と大企業は同一線上に並んだ」とされ、究極の機会平等・民主主義をもたらすと言われるウェブの世界であるが、本当にそうなのか。ウェブの世界でも加速する利益の一極集中を検証する。

ウェブの発達については、理想論で語られることが多い中、ネットワーク経済に特徴的な「収穫逓増の法則」がウェブ2.0の世界でも生きており、今後「金持ちはもっと金持ちになる」流れは、さらに加速する恐れがあるという指摘はもっともだと感じた。

検索におけるグーグルの世界シェアは、毎月伸びているし、アマゾンも、強大な小売業として君臨し、ますます力を強めているのが現実だ。「あまりに情報が多いと、みんなが良いと認めるものを無条件に選択するようになる」というのは、アマゾンのレビューを見るときも「有用性が高い順」や「ベストレビュワー」順位が高い順に見ている自分を考えると非常に納得できた。自分もそうだが、時間は限られているし、自分ですべて判断するよりも人に頼った方が楽だ。

ウェブができはじめのころ、「HPをアップすれば、世界中の人が見てくれる」という幻想があったが、現実にはよほどの知名度や話題性がなければ「ないのと同じ」である。ウェブにおける「理想」や「可能性」と、実際に起きている「現実」とのギャップを認識するには非常によい本。一読をお勧めする。 (ぷりうす/2007-06-30)
現在の社会は、情報のチャネルなどどんどん多様化しているにもかかわらず、一極集中現象が見られるという。その原因にインターネットか深くかかわっているのではないかという。その現象がどうして起こるのかを各章で論じている。本書では、今こういう現象が起きているよという紹介をしているに過ぎない。

web2.0とは、ユーザーが参加できること、ユーザーが提供したデータに基づく膨大なデータベースによって構成されるサービスのことを言う。その具体例が、googleやamazonやオープンソースやblogなどである。それが、3章amazon,4章googleのところで記載されている。要は、それらのサービスは、ユーザーをうまく取り込むようにできていることが分かる。

多様化されている中でも、なぜ一極集中が起きるかを、ネットワーク理論から説明している。ネットワーク自体に魅力があれば、そのハブ同士が密着に結びつく。後発であっても、魅力があれば、ネットワークとして結びつく。それが、幾重にも結びついたら、集中することになりえる。また、各種情報峻別化機能(パーソナライゼーション、アラート機能など)は、情報の一極集中をもたらすことになる。

web2.0社会になると、情報の接し方においても、いろいろ社会に影響を与えることになるだろう。意見の合わない人を排除し、自分の意見のあった人同士で極端な思想に走るという集団分極化が進んだり、発言権の大きい人の意見に引きづられる沈黙の螺旋という現象が起きたりして、結果的に一極集中現象が起きることになる。ここで課題となっていくのが、情報にどうやって多様性や異質性を取り入れていくことであろうか。 (itchy1976/2007-08-13)
情報の流通の偏り ||||||||||||||||||||||||||

著者は、Webでの情報の流通が偏ったものになることを終始危惧しているようだったが、

人間の情報伝達は、どこまでいっても不完全だし、

現在存在しているすべてのマスメディアに関しても、全く同じことが言えると思う。


確かにインターネットの規模と可能性はかつてないほど巨大であるが、

そうしたものに適応していくことが、われわれが生きていくことであるし、普遍の原理だと思う。


それなのに、既存のマスメディアによる世論調査の結果などを

当然のごとく尤もらしい数字として取り上げ、Webと比較をしては、

恐怖感を煽るような書き方ばかりが目立ち、残念だった。

私たちが考えなければならないことは、

そのような危険性を持つインターネットに対して、

どう接していくかであり、それに関してもっと言及が欲しかった。 (渡邉輝/2007-05-07)
 本書は、技術畑の読者には物足りなく不向きと思います。ネット事情に精通されている方にも最新の事情が述べられているわけでもなく、不向きと思います。
 お勧めの読者対象は、グーグルが何か大きくなり力を持ち何かと騒がれているみたいだけど「何かあったの」と考えたた貴方だと思います。
 便利なものとことは捨てがたい、便利の魅力には吸い寄せられる。あえて不便に身を置き、流行に抗することは勇気以上に手間がかかる。
 グーグルはより便利を提供し、その対価として貴方の情報から価値を整理し取り込みます。グーグルと付き合うためのには、その覚悟が必要かもしれない。
 著者が想定するグーグルとアマゾンが作り上げる未来社会の姿をまずは咀嚼し、最新事情は他書、更にはネット上で深めるのが、理に適っているのではと思います。 (歯職人/2007-01-22)
そこが浅い ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 一極集中の根拠のひとつとして、近年の大ヒット作の数字を挙げているが、一番新しいもので 2001年の「千と千尋の神隠し」。
 宇多田ヒカルのCDアルバム「ファースト・ラブ」が860万枚売れたのが 1999年とあるが、この頃は今のような常時接続はほとんど無くダイアルアップがメインの時代で、google も今ほどメジャーではない。
 それからネットが広く普及し google がメジャーになった今、ミリオンセラーの数は当時と比較してアルバムで 1/3、シングルでは 1/10 まで減っている。

 少なくとも音楽 CD の分野で 2000年以降に進んだのは一極集中ではなく分散化。
 答えを先に用意して、それに合う古いデータを無理やり持ってきたとしか思えない。

 この時点で読む気がうせた。残りをパラパラとめくってみたが、底の浅い記述が随所に散見される。

 この本を鵜呑みにするのはちょっと危ない。 (snark_tail/2006-12-23)
読み始めははっきり言ってありきたりな感じが否めなかった。
が、読み進めるにつれて次第に筆者のWeb2.0に対する主張がすこしずつ明らかになる。人々の意見のより一極集中化、マイノリティー意見の黙殺などインターネットがもたらす影響とは必ずしもプラスには働かない。情報の取捨選択が可能になったからといって、人々が得られるようになった情報の幅とは広がったのであろうか?又、情報の双方向性ともいうが、人々は一体誰の意見に耳を向け、どうやって自分の意見をより多くの人に知らしめることができるのか。こういったWeb2.0に対する懸念は私にとっては斬新であったため興味深く読ませてもらうことができた。 (kz/2007-01-26)
中小企業の希望の光のように思えたロングテール。
しかし例外を除いて通用しない事実とその理由が理解できるだろう。
本書は一極集中化する社会現象がWebの世界でも同様に当てはまることを指摘している。
各章個々の内容だけでも最新の情報が説明されている為、単純にITの今を勉強するだけでも役立つだろう。
枝葉末節な内容もかなり詳しく説明されている為、読んでいるうちに大局を見失いがちになるが、
読後、再度俯瞰し直すと著者の全体を通して言いたいことがよく分かる。
構成もよく練られているが、、、
タイトル名だけは如何なものかと思う。
Webの世界で一極集中化したその代表的な企業がグーグル・アマゾンということであり
社会がグーグル・アマゾン化するというのは論理が逆である。
タイトルはおそらく内容を理解していない出版社がつけたものだろう。
そこだけが残念というか勿体無いと思う。
(育郎/2007-03-02)
 既にそれぞれ議論が尽くされたかに思える「グーグル」、「アマゾン」、「WEB2.0」、「ネットワーク論」を一体的に取り上げて論じている。著者は1968年生まれのジャーナリストであり、発刊されたのは2006年である。
 
 グーグルやアマゾンは、WEB2.0型企業の特徴である「ユーザー依存型」(「ユーザー参加型」ではない)のビジネスモデルを駆使しているが、これが、利用者の支持を得て、スケールフリーなネットの世界で圧倒的な存在感を持つハブであることを示し、スケールフリーな世界の帰結としてさらに一極集中化を続けていることを示している。

 その成長の論理であるが、アマゾンの場合は、開放された売り場がカスタマーレビューの投稿を通じて一種の疑似コミュニティスペースとして、さらに人を呼び込む役割を果たしていること、また、グーグルの場合は、WEBへの書き込みが増えるほど、WEB全体をコピーし続けるグーグルのデータベースを充実させることになるということが起こっているということである。

 最後の第7章は、やや異質なテーマを扱っており、ネットワーク社会と民主主義の関係である。ネットワーク社会は直接民主主義を実現可能なものにした(が誰も気づかないふりをしている)と思われるが、実は、幾つかの条件が満足されないと、声の大きな(というかオピニオン・リーダー的な)存在に、意見が左右されやすいという(悪く言えば、「悪貨は良貨を駆逐する」)特徴(というかリスク)を有している点に留意が必要だとしている。 (lexusboy/2008-01-07)
「多様化、個人化、フラット化した世界で、なぜ一極集中が起きるのか?」
このオビのコピーのほうが、本書のテーマをよく表しているのではないか? グーグルやアマゾンのアーキテクチャーが、必然的に一極集中を引き起こすという指摘には、ネットの現状になんとなく気持ち悪さを感じていた者としては、思わず膝を打ってしまった。最近のロングテール万歳という風潮に対して、「ヘッドあってこそのロングテール。ヘッドの存在を意図的に無視してロングテールだけしかないような紹介をするのはいかがなものか」というような記述は鋭い。
(とんぺい/2006-09-18)
情報化社会を掴むには良い ||||||||||||||||||||||||||||||
とても読みやすい本でした。
私はネット等には詳しくなく、学校の課題だった為この本を読んだのですが、
初心者でも理解しやすいようにグーグルやアマゾンなどの動きが分析されています。

逆に、専門職の方には当たり前すぎる内容かもしれません。

内容は、あらゆる分野で様々な商品・サービスが消費者に提供され、売れ筋が平均化すると考えられる今日、
逆に一部の商品のみが爆発的に売れる「一極集中化現象」
に焦点を当てたものです。

非常に読み応えがある本です。 (雪うさぎ/2007-01-23)
ウェブを通じて誰もが自由に情報を発信できるようになり、ウェブ上には日々、世界中から多様な意見が集まるようになった。そして、そういった「みんなの意見」から浮かび上がる結論(=多数決による解)は、私たちにとって「最も正しい解」であるかに見える……。
WEB2.0という技術がもたらしたそんな状況に、「それってなんかおかしくね?」と反証を試みたのがこの本。
情報が多様化し、膨大になったものの、私たちにそれらをいちいち精査する能力とヒマはない。そんなとき「みんな」が頼りにするのが「グーグル」であり「アマゾン」なのである。
私自身、自信がない敬語表現をグーグルで調べて、ヒット件数が多い方を採用する、なんて使い方をする(例えば「ご高覧ください:3万7200件」と「ご一読ください:171万件」など。まさに多数決の原理)。アマゾンに「○○さんにオススメの商品があります!」などと言われて、うっかりその本を買ってしまったこともある。
けれども彼らは、集まった情報をそのまま提示してくれているわけではなく、「みんなの意見」に独自の処理を施している。いうなればバイアスのかかった答えを提示している場合もある。つまり、グーグルに「確からしい答え」を言わせるよう仕向ければ、たとえ間違った答えでも「正しい解」になりえるのだ。
与えられる情報を鵜呑みにせず、主体的に見極める力を持たなければいけない、と強く感じさせてくれる良書。とくに、タグとSEOをうまく利用(悪用?)して恣意的にユーザーを誘導する仕組みや、政治的な問題に対して意見が偏りやすくなるという傾向を述べた6章、7章がおもしろかった。 (ジョンまん次郎/2006-10-04)
よく調べて書かれているが著者独自の見識は見えない。
Web2.0を理解しているヒトにとっては 新しい情報は無い。
グーグルやアマゾンについても新しい情報はない。
タイトルと本文は無関係。
タイトルを期待すると裏切られる。
「一極集中」「民主主義」「主体性ある思考」という著者が夢見る世界がインターネットを通じて実現する可能性がテーマ。 (リッキー/2006-09-26)
Web2.0が話題になった当初、語られていた
『ロングテールは裾野に需要が広がる可能性にあふれている、といった考え方が実は【情報の一極集中における危惧である】』
といった趣旨の内容に興味のある方は、是非読まれることをおすすめする。

また、パーソナライズの行く末が、視野狭窄や思想の硬直化に繋がる、といった指摘も同様にインターネットの発展における負の要素として指摘されている部分が印象的だった。
つまりタイトルに象徴されるものは、



危惧すべき一極集中化する社会、を象徴しているかのように感じた。



個人的には、現在の発展はこれまでいかに少ない情報をもって判断の材料にしていたかを実感するにいたっているし、今後の発展は現在の状況を抜きには語れまい。
そして、極度にパーソナライズ化された電子秘書は、意識する気さえあれば多様な考えさえ、克服すべき視点として、提供してくるのではないかと思っている。(依存は危険であることは確かだけど) (まのの/2007-06-04)
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ウェブ人間論 (新潮新書)
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新潮社(2006-12-14)
梅田 望夫
売上順位:16350
¥ 714(中古:¥ 1)

レビュー総評点:55
本書を通じて、次のようなWebの課題の存在を感じることができる。
A.社会不満のガス抜き装置としてのWeb、B.匿名問題、C.エコー効果、
D.グーグル八部リスク、E.著作権問題(但し書籍のみ)、その他。

基本的な構図は、平野氏が課題を投げかけ、梅田氏がいなすというもの。
平野氏は、AやBについて本質を突いているのだが、梅田氏がいなした後、
追及していないのが残念だ。
対談形式ゆえの予定調和が働いてしまっているのか、年上の梅田氏を
立てているのか...。
前述の課題は本来根が深いが、さらりと読んでしまうと梅田氏のいなしが
この本の回答に見えてしまう。

例えばAの論旨を取り上げてみる。

1.Webは、抑圧された社会において発言しにくい「体制批判や個人攻撃、
その他様々な主張」を可能とするため、個人は不満解消できる。
2.ブログなどで批判を受けても体制側はビクともしない。逆に、Webが
捌け口となり、個人の不満は霧消され、体制改革の行動には至らなくなる。
3.一方、個人に対してのWeb上での攻撃はいわば暴力として表れる。

つまりwebは、権力・体制に対しては体制維持をもたらす不満解消サブシス
テムとして働き、その一方、個人に対しては圧倒的暴力をもたらす増幅器
として働く。
更にこれに輪をかけるのが、匿名問題であり、エコー効果(似た意見の人が
集まり、盛り上がってしまう現象。サンスティーン著の本が詳しい。)だ。

これら課題に、事業者そしてユーザーである市民自身が蓋をすると、結果的
に国の統制を招くため、真剣に市民はWebの善悪両面を考える必要がある。
梅田氏はWebの負の側面についての深い議論をかわす。基本的なスタンスは
自己解決だ。課題の存在を知るという点では良書だが、楽観的意見を鵜呑みに
させてしまいかねない危うさも本書は併せ持つ。

Web関連の権威である梅田氏にはイノベーティブな部分だけでなく、適切な
運用のための市民への啓蒙を今後期待したい。 (On the water/2007-03-13)
人間論って? |||||||||||||||||||
一言で言ってしまえばウェブ進化論を読めば十分、ということです。この本において、ウェブ進化論の著者、梅田さんの話に新鮮味がありません。かなり進化論と重複しています。ウェブ進化論を読んでいて、納得できない部分やおかしいなと思う部分、共感できる部分がありますよね?読書している時はそんなツッコミを絶えずしていると思うんですが、そのツッコミを平野さんがしている感じ。そしてそのツッコミに対する梅田さんの答えがウェブ進化論と重複していることばかりだから、正直おもしろくない。深みがない。人間論→進化論みたいな感じで深めていくならいいかも。進化論→人間論では買って無駄したと思うはずです。立ち読みがベスト。 (ゾンアマ太郎/2007-02-20)
普通でした |||||||||
平野さんの暗く力強い考え方はとっても好きです。これといって新しい話はありませんでしたので、さらっと読み終わってしまいました。前回の梅田本に比べれば軽い。 (しもむ/2007-02-14)
進化論ですっかりロングテール信者となった私にとって待望の続編でした。
いろいろ感想はあるのですが、やはり印象的なのは梅田氏の言葉に対する
際立ったセンスです。

グーグル、アップル、アマゾンの経営思想などは、これまでにも星の数ほど
語られていながら、キャッチーな言葉でそれを切り取ってみせる梅田氏の
手腕で、初めて知るような新鮮な驚きを与えてくれます。

今、思い返しても言葉の専門家であるところの平野氏のコメントは、なかなか
思い出せないのですが、梅田さんの言葉だけはいくつも心に残っています。
文中でも語られますが、紙媒体という形が最後まで残るための「壁を超える力」
というものが、まさに本書で実証されています。

一つの証左として、将棋の第一人者羽生名人の「高速道路」「インプットの質」
などがありますが、これは羽生氏の口を借りた梅田氏のコピーそのものだと思います。
羽生氏が斯界のトップに立っているこの10年以上、少なくとも将棋以外の社会に
浸透していくような語録は記憶にないわけで、やはり聞き手が引き出している
と言わざるを得ないでしょう。

私は梅田氏のシリコンバレーでのポジションや「はてな」の将来は全く分かりませんが、
これからも流行語を生み出し、ベストセラーを連発していくことだけは間違いがない
ような気がします。 (ninjaninja/2007-01-06)
ジャンルが違う世界で活躍するお二人ですが、本書で為されているのは、相手を打ち負かそうという、所謂「論争」とは違って、ネット社会が確立されつつある今、将来的に社会はこうあるべきでしょう、ということでの、熱き「お話会」です。

平野氏は総じて大人し目ですが、「ネットで十万字哲学を読むのと、哲学書の原書を読むのとでは、充実感が違う」というような、作家らしいことを(正確な引用ではない)時折仰っていましたが、私もそう思います。例えば、作家の大西巨人氏は、現在自身のHPを創設し、自作の小説を無料公開されていますが、やはり、氏の作品を手に取って、ページを直に捲りながら読むのと、インターネットで目をチカチカさせながら読むのとでは、正直のところ、充実感も、理解度も、全く持って違いました。
これから紙自体が無くなっていくかもしれない時代に、文学を真実に愛する作家という職業人は、大いなる危機や憂鬱を感じて当然なことでしょう。ただ、それでも、インターネットで得られる玉石混淆の「情報」と、学問を通じて血肉に染みて得られる「知識」とでは、それぞれの価値においては雲泥の差がある、と信じたいと思います。

また、梅田氏は、「社会変化は不可避との前提で、個は如何にサバイバルすべきか」というテーゼを掲げていますが、その裏を返せば、ネット社会を「サバイバル」とするなら、ブログであったりMIXIであったり、一見表層的に「仲良し」っぽく見せているコミュニケーションも、総て自分が生き延びていくための手段であるという訳で、何というか、パブリックに自分を顕示していくには、多かれ少なかれ打算が含まれる訳で、このネット社会で他者と真に分かち合うというのは、なかなか困難であり、我々は虚無の只中を生きていかざるを得ないのだと思いました。 (Confesion Del Viento/2007-05-22)
あとがきに書いてある梅田氏の言葉が、この本の内容を端的に現している。
「ウェッブ・人間論」であり「ウェッブ人間・論」であるとまとめているのだが、まさにその通り。
ウェブによって、人間がどう変わるのか?というお題と、ウェブ上でうごめいている人間がどういう人種で、思想で、思考回路か?というのがふたつめのお題。
コンサルティング会社社長であり、ウェブ進化論の梅田氏と、15歳年下の芥川賞作家、平野氏の8時間が二度に及ぶ談からこの本はうまれたそうだ。
対談ものは読みづらくて基本的に嫌いだ。しかしこの本は読みやすかった。
ただし、あくまで人間の対話なので、思想の構造化はあまりできていない。なので星4つ。
ただ逆に言えば話しが多岐にわたるので、それぞれが自分にフィットするところを見つけて、考えはじめたり、参考にしたらいいと思う。
僕が一番面白かったのは、WEBと本の今後の共存とキャラクターの違いについて二人が議論するところだった。
この手の本は数年後はもう内容が古くなって読んでもあまり役に立たないだろう。旬なうちにさーっと読んでしまうに限る。
(久保田夏彦/2006-12-22)
衝撃的なほどに面白かった、『ウェブ進化論』の続編と思って読むと、
とんだ肩透かしになってしまいます。
“進化”の様子がいまひとつイメージできない旧世代向けに、
ちょっと説明を加えようとした“副読本”といった趣きです。
残念ながら、対談で期待するリズム感もほとんどなく、
正直、読んでいて退屈な部分が多かったです。
「この二人の対談なら、面白いはず・・・」
と、期待値が高かったせいかもしれませんが。 (きょうパパ/2007-02-25)
梅田望夫氏の「ウェブ進化論」の続編ではなく、芥川賞作家の平野敬一郎氏との対談記録です。長時間の対談(2日間で10時間以上!)を書籍化したものらしいです。

テーマは、前著にある「ウェブ進化」によって、人間のコミュニケーションのあり方、新しい世代の若い人たちの世界観が、ウェブとの付き合い方、などが、どう変わってきたか。
内容は多岐に渡るので、どう整理したらよいやら分からないぐらいなんですが、とにかく面白いです。知的興奮に包まれながら、あっという間に読んでしまいまいた。
特に、僕の心に留まったのは、mixiの笠原社長、はてなの近藤社長、平野氏が全員1975年生まれであり、大学生の時に、日本のインターネット普及を体験したことが、ウェブの技術に対する感性を育むきっかけを作ったという件。それ以前の世代では、すでに会社員になっており、感性は古い世代に属してしまうという。

そういう、どの時期に、感動できる技術に出会ったかどうかというのが、その技術に対する接し方や感性みたいなものに与える影響ってのはたしかに大きいと思います。僕は、82年生まれで、インターネット元年とも言える95年時に、中学校2年生14歳でした。インターネットの進化と、僕らが大人になっていく過程は重なっており、僕らの世代ではネットにつながることは本当に当たり前のことのように思っている感があります。
さらに言うと、僕ら80年以降生まれってのは、初めて10代で携帯を持ち始めた年齢でもあります。僕らの世代では、携帯は体の一部みたいなものです。さらには、携帯でインターネットにアクセスすることが当たり前の世代でもあります。

僕らの世代が30代になった時、モバイルを使った革新的なサービスが生まれる予感がバリバリしてます。読みながら、そんな風に思いました。 (ヴィヴ/2006-12-16)
「ウェブ進化論」の梅田望夫さんと、小説家の平野啓一郎さんの、ウェブをテーマにした対談。

「社会がよりよき方向に向かうために、個は何が出来るか、何をすべきか」
と考える平野さんと、
「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」
と考える梅田さん。

さらに平野さんは、
ウェブの世界でいろんな欲求が充足されてしまうと、リアルな社会をより良い方向へ変化させようと思う人がいなくなるのではないか、
と心配しているようである。
一方梅田さんは、
その辺のことにはある程度楽観している感じがする。

私に関しては、まだ今のところは楽観でいいのではないかと思う。
私は、ネットに長くつながるようになってから、以前よりもものを考えるようになったと思うし、
本を読む量も増えた。
昔は、選挙というものにはほぼ絶対に行かなかったが、ネットをやるようになったここ数年は、だいたい行く。
選挙の大切さが、なぜかネットをやってわかった気がするのだな。

それから、
平野さんはウェブの世界をいまだに「仮装現実」と考えているような気がするが、
梅田さんは、ウェブの世界も含めて現実、と捕らえているように思う。

この考えかたは、梅田さんのほうが新しい感じがするので好きだった。
「仮想現実」みたいな話は、例えば、マトリックスとか攻殻機動隊とか、そういうので散々扱われたテーマだから、ちょっと飽きたし。
もしかして「仮想現実」という言葉は、既に死後になりつつあるんじゃないだろうかとも思う。

それにしても、何かと考えたくなるテーマが満載の本だと思う。 (もり/2006-12-26)
あくまで「人間論」 ||||||||||||||||
あくまで「人間論」ですね。ウェブそのものに関する対談ではないようです。
若き小説家である平野啓一郎氏が、持てる知識を総動員して、これでもかと抽象的な人間論を展開する。
「こういう懸念はないか」
「こうあるべきではないのか」
「ここを譲ってはならないのではないか」と。
「ウェブ進化論」で私たちをぶったまげさせ、ウェブの最先端を知り尽くすエンジニア梅田望夫氏は「難しいことをいう人だなあ」と平野氏を少々持てあましつつ、
「でも現実はすでにここまで行ってるんだ」
「大きな流れは、少なくとも今はこの方向に向かっている」
「それを前提に、これからを探ろうじゃないか」
とリアリストに徹する。
人間論そのものに興味がある人には面白いでしょう。しかし私のように、ウェブの側からこの本に興味を持った人間には、正直よく分かりませんでした。 (あぶはち/2006-12-24)
私にとっては、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」よりこちらのほうが数段面白かった。

二人の対談は、今年、「新潮」に二月に渡って連載されたものです。その連載を読んでこの対談の完全版がでないかと期待していた私にはこの本は待望の書でした。そして期待に違わぬ内容です。

二人の対談を読んでいて感じたことは、これはよくできた二人芝居の脚本ではないかということでした。そこに書かれているのは二人の会話文だけだけれど、行間から彼らのそのときの表情や身振り手振りが浮かびあがってくるような気がしました。

P169の「ネットで居場所が見つかる」での梅田さんのコメント:
「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼより「今の環境が悪いんだったら、他の合う環境を探して、そちらへ移れ」という方が時代にあった哲学のような気がしています。

ネットのおかげで友達付き合いにかんしてはこれが可能になりました。しかし、実際の生活というものを考えると(日本の労働環境はますます悪くなっていて)、梅田さんほど多くの人達の現状は恵まれてはいません。「他の合う環境」のほうが、自分を受け入れてくれるかという問題もあるし。いいアイデアなのだし、トライしてみる価値はあるけれど(私もいろいろトライはしているけれど)、なかなかすぐ成功というわけにはいきません。

海外に飛び出せる実力とタイミング(年齢も含めて)を持っている人は別として、「リアルの現状を改善する方向へ努力しなさい」というテーゼはまだまだ重いものがあります。

梅田さんの「やはり壁を超えられる人は、本をたくさん読んでいる人ではないでしょうか」というコメントに、本好きの私はいいことを言ってくれると感激しました。

余談:インターネットのことを知りたいのなら、インターネット勃興前夜に書かれた、ダン・シモンズのSF小説の金字塔「ハイペリオン」二部作もお勧めです。 (ADELANTE/2006-12-24)