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自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
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ASIN:4314010215
紀伊國屋書店(2007-02)
原著:Leslie Dendy原著:Mel Boring原著:C.B. Mordan翻訳:梶山 あゆみレスリー デンディ
売上順位:73601
¥ 1,995(中古:¥ 1,150)

レビュー総評点:208
モルモット科学者偉人伝 |||||||||||||||||||||||||||||
この本に紹介されている10人の科学者たちは冗談で実験をしたわけではないことを最初に断っておく。タイトルがしゃれっぽいのでインチキ本かと思うなかれ。それぞれの科学者はいたって真面目、そしてなによりも人の命を救いたいという大望の持ち主であった。

並外れた探究心、人の役に立ちたい・・でも動物で実験するのはどうもデータが不確実。そうかと言って誰かに頼むわけにもいかない。なにしろ命を落とすかも知れない実験なのだから。ならば自分でやってしまおうと思ったとしても不思議はない。主に19世紀から20世紀に活躍した科学者、医学者の実験の内容とその結果を紹介してある。

キュリー夫人を知らない人はいまいが、彼女もまた自分の体を犠牲にしてまでラジウム研究に身を捧げた。さまざまなものを飲み込んで人体の消化のメカニズムを解明した人、ウイルスを持つ蚊に自身を吸血させて黄熱病解明の手がかりをつかんだ人(死んでしまった)、病原菌に汚染されたメスで自身を傷つけ、感染症を発症させて記録を取った医師(死んでしまった)、心臓カテーテルを自分に挿入してX線を撮った医師(のちにノーベル賞受賞)、人がどの程度のGに耐えられるかを試した者。洞窟にこもって数ヶ月すごした女性。彼らに共通して言えるのは「人を救いたい」という使命感と並外れた探究心だ。我々現代人があたりまえのように享受している医療や科学の大本にはこのような命知らずの一見無謀とも思える実験があったのだ。

たいへん読みやすく面白い本だが、くれぐれもよい子はまねしないように。 (ヤマボー/2007-04-29)
カバーに『本書は、科学と医学の分野で、動物実験をやった後で、最後に自分を「実験台」とした、過去2、3世紀の世界各地での事例の中から興味深いものを集め、原論文や様々な資料にあたりつつ再現を試みる』とある。著者はこのような研究者を「モルモット科学者」と呼ぶが、言い得て妙とはこのことだ。実験はまさに命懸けであり、命を落とした人物も少なくない。

暑さに対し人体がどのように反応するかを研究するため、人間はどのくらいの暑さまで耐えることができるのかを身をもって実験した男、消化の仕組を解明するために食べ物を木の筒や袋に詰めて丸飲みし、肛門から排泄されたものを調べ続けた科学者、熱病の原因を究明しようと自らにその菌を感染させた医学生などの物語が10章にわたって紹介されている。

バタ臭さがない訳文で、素っ気ないくらいに淡々としている。センテンスも短くスッキリとしているので読みやすい。

現代人の目から見れば滑稽とも思える実験も、その当時の研究者達にとっては科学的な真理の発見、人々の生活をより良いものにしたいという使命感に迫られたものだったに違いない。自分の体で『実験したい』というよりも『実験しなければならなかった』あるいは『実験せずにはいられなかった』のであろう。

巻末には本文で紹介しきれなかった実験の年表も収録されている。それをも併せて読むと、それらの人体実験?の成果が後世に残した功績の大きさを改めて感じてしまう。

とても興味深く読むことができた一冊だったが、それと同時に読みながら、痛みを感じたような気がしたり、肛門がムズムズしたり、呼吸が苦しくなったりと非常に忙しい一冊でもあった。
(Taro/2007-03-22)
知りたい高度な知識欲 |||||||||||||||||||||||||||||||||
ただただ厳密に、誰よりも早く知りたい科学者達の喜劇の様な、悲劇の様な話です。皆、全員真面目に、人の為になる事を考えて、研究している事だけは確かだと思います。そこが、より可笑しいく、感動的です。真面目に朴訥に研究する事って、いいな、と思える本です。

先人の苦労をお涙頂戴調に苦労話に仕立てなかった雰囲気も好感が持てます。
訳もとても分かりやすいし、写真や絵のバランスもとれていると思います。

(かめ/2007-02-20)
 そんなに「科学」していない、科学書。文字どおり、自分の身体で「実験」した人たちの話し。「全米科学教師会」主催の2006年度「「優れた子ども向け一般科学書に贈られる賞」を受賞しているが、そのとおり、中学生から理解可能だろう。
 「洞窟に4ヶ月入っていた女」「人は何Gまで耐えられるか」などなど。
 特に第4章「ペルーいぼ病」解明のため、患者の血液を接種した医師の話は壮絶、圧巻。
 科学者の本質を見せつけられた。 (ヒポカンプス/2007-07-07)
あまりにも衝撃的な表紙の絵を見ると、内容に不真面目さがあるのではないかと疑ってしまいますが、
サブタイトル「命がけの科学者列伝」とあるように、科学的視点から非常に重要である真実の
探求のために、科学者が結果として自分を実験の被検体として用いなければならなかった状況と
その時代背景、世間からの要求、本人の欲求など様々な側面から事例検討されています。
古くは18世紀からの研究〜1980年代の話まで10例があります。驚くことに、この本に
挙げられている内容は、数ある科学者自身が実験台となった科学実験の中でも代表的なものだけであり、
その他にも数多くの検討がされていた(現代でもされている)ことがあとがきに述べられています。
動物で代用が効かず、他人へ被害を及ぼすことはできず、しかしながら自分の信念を曲げて
確認しないという選択を取らないで果敢にも自分の命を賭してまでも科学的な真実を探求した
科学者の崇高さに感動しました。
現代の数多くの科学的知見の中にも自分を実験台とした例(寄生虫を自分の体内に導入するなど)が、
奇異な例として挙げられていますが、科学者の目から見ると、真実探求のためには避けられなかった
選択であることも、すべてがそうであるとは言い切れませんが、本書を読むことにより
理解できる気がしました。 (daphnetin/2008-02-14)
評者は以前、ある薬科大学に所用で入ったことがある。マウスの塚があった。特に医学のためと称して、たくさんのマウスが実験のために命をおとしていることは、なんとなくわかっていた。ただ、薬や病気は最終的に人間が行わなければならず、誰かが必ず人体実験をやってきた。その列伝が書かれていた。本書60ページにある、ペルーいぼ病に自らかかってみて、死んでしまう人のことが非常に生々しく、印象的だった。病気にかかって弱っていく様が克明に記録されている。研究者は物事の発生から消滅までの一連の出来事をきちんと記録していく、というのが仕事なのかと再認識させられた。限界を見たい、というのがそもそものはじまりだ、ということにも気付いた。
(千葉晃/2008-02-11)
この本は科学者が自らの命と引き換えに、さまざまな偉業を成し遂げた記録である。
もしかりに偉業にならなければ、ただの物好きで終わってしまったのかもしれない。

でも私がここから読み取ったものは、
誰にでも興味や、心奪われるものがあればこそ、人生は豊かになっていくのではないだろうかと勝手にここに載っている人達の発見する幸福感を一緒に味わったような気がした。

病気の人や、悩みがある人とか、普通なら「なぜ自分だけが」とか
とかくダークな感情に流されやすいが、
この本を読むと自分にしか出来ない事があるのではないか、自分だからこそわかる事が
あるのではないかと、ちょっと視点を変えるだけで
人生に豊かさを求められるのではないかと思える。

みんな日常的に「大好きなチョコを食べると幸せな気分」とか
「この枕だと安眠出来る」とか日々自分の体で実験しているのである。
本の方たちは素晴らしい方ばかりだが、
そんな感情も芽生えさせてくれた一冊となりました。 (つるえ/2007-11-07)
 十八世紀後半〜二十世紀にかけて、人間である自分を実験台にして危険な実験を行い、後世の研究に寄与することになった10の自己実験を紹介していく一冊。
 10の章の内容は、次のとおり(「訳者あとがき」より)

第1章 人間はどれくらい高温の空気に耐えられるのか。限界に挑んだジョージ・フォーダイスたちの物語
第2章 食べ物はどうやって消化されるのか。それを解明するため、涙ぐましい実験を続けたラザロ・スパランツァーニの物語
第3章 患者に痛みを感じさせずに抜歯や手術を行ないたい。麻酔法の発見に挑んだホレス・ウェルズとトマス・モートンの物語
第4章 ペルー特有の原因不明の熱病。その謎を少しでも解き明かそうと、自分の体に菌を感染させた若き医学生、ダニエル・カリオンの物語
第5章 黄熱病の感染の仕組みを解明すべく、自ら実験台になったジェシー・ラジアと、徹底した実験を通じて黄熱病対策の確立に貢献した黄熱病委員会の物語
第6章 ラジウムの研究を通じて放射線療法への道を開いたキュリー夫妻の物語
第7章 炭坑、海底、高山など、特殊な環境で働く人々が安全に呼吸できるようにしたい。そのために何十年も危険な空気を吸い続けたホールデーン親子の物語
第8章 自分の体で、世界で初めて心臓カテーテル法を成功させたヴェルナー・フォルスマンの物語
第9章 航空機事故などの非常時に、パイロットはどれくらいの減速の衝撃に耐えられるのか。スピードと減速Gの限界に挑戦したジョン・ポール・スタップの物語
第10章 隔離された環境下では、人間にどんな変化が生じるのか。それを調べるため、洞窟に長期間、ひとりでこもったステファニア・フォリーニの物語

 読んでて、こう、まるで自分が被験者になったような錯覚にとらわれました。胃袋がでんぐりかえる気がしたり、異常に熱っぽくなった気がしたり、凄い風圧にさらされている気がしたり・・・。異様にスリリングで、断崖絶壁に立っているような、めまいにも似た感覚を味わいましたね。物語の主役たちに感情移入しすぎたせいかな。ちょっと気分が悪くなりましたけど(汗)
 「訳者あとがき」で、<良い子はけっしてまねしないように>と書いてあったけれど、良い子じゃないけどまねなんかするもんか!って思った(キッパリ) (風/2008-10-16)
この世の中
「何でこんなことができるの?」
という類のものが多くある。

ちょっと考えただけでも、
・なんで飛行機ってとぶんだ?
・なんで臓器なんてものを移植できるんだ??

当然、元はできなかったものがある時点から実現している。

ライト兄弟は1903年12月17日、人類初の飛行機による有人動力飛行に成功。
臓器移植は1936年にヒト間ではじめて行われた。
いずれもそれらの実現に向け、多くの実験と失敗が繰り返されてきた。

この本は科学者たちが自分の体を使い、
命がけの実験をしてきたという記録である。

例えば「袋も骨も筒も飲み込んだ男」として、
イタリア人科学者 ラザロ・スパランツァーニが取り上げられている。
消化を研究すべく、布を飲み、木の筒を飲んだ。
自らの興味が強かっただろうが、人のためになろうという強い意志もあった。

ところ変わって、現代の政治家ってぇのはナンなんだ。
汚職、贈収賄、媚び諂い。

この本に出てくる科学者は、自らに痛みを強いて、他人を助けた。
方や今の政治家は、他人に痛みを強いて、自らを助く。
あぁ、なさけない。 (メガネメン/2008-05-18)
 ここに紹介された“自らを被験者とした実験者たち”が、自らの死と引き換えに得ようとしたものって何だろう?読み進めながら常に頭にあった疑問がそれだ。もちろん彼らは「死」自体を欲していた訳じゃなくて、どうなっちゃうのか自ら体験してみたいってことの中に、たまたま「死」ってリスクが織り込まれていた訳だけどさ。それにしたって「死」って「ひと」最大のリスクじゃん?「我思う、ゆえに我あり」ってことで言えば、物理的な自己の死ってのは一切合財のジ・エンドであってさ。ジ・エンドを超えていく何か?って、いったい何よ?
 「生きた証」「自己存在感」を社会に刻むことと引き換えとしての「死」なのか?あるいは、そんな世の中的なことじゃなくて、単純に、自己の好奇心を満たすことと引き換えとしての「死」なのか?まぁ、18世紀、19世紀、20世紀って時の流れと共に、死生観も大きく変わってきているんだろうけど、“自らの死と引き換えに出来る何か?”を得られるってのは、やっぱり凄いって思っちゃう。羨ましいかって聞かれるとちょっと躊躇しちゃうけど。
 彼らの凄さを「時代」ってことで片付けちゃいけないんだろうな。「もう今の世の中、死を賭けて知るべきことなんて無いじゃん」っていう。いつの時代でもイマジネーションこそが人間の存在証明であってさ。だから、つい1989年の「ひとりきりで洞窟にこもった女」なんかに結構しびれちゃうんだよ。他の過去事例に比べると、くだらない、スケール小さいって見方もあるかもしれないけど、後世の評価なんてわかんない訳だし(人類がみんな地下で暮らす日がやってくるかもしれない)、少なくとも、知りたい、体験したいって欲望の深さは他の事例と変わらない気がする。
 陳腐な表現だけど、この、死を賭けた実験者たちのケーススタディは、この世に生を受けたこと、生きていることの可能性を教えてくれるね。 (盥アットマーク/2007-06-17)
 本書は、10人の自ら被験者となった科学者たちの記録である。

 人間の好奇心・探求心はとどまるところを知らない。人間は何度まで耐えられるか、人間はどのくらいの濃度の一酸化炭素まで耐えられるか、人間はどのくらいのGに耐えられるのかなどなど、人体実験ができないことを、自分の体を使って実験してみたのである。

 彼らの中には純粋に人類のためという人もいたであろうが、その多くは科学者らしい知的好奇心からだったのではないかと思う。

 それにしても、巻末にもあるようについ最近の事例まで、自分の体で実験する科学者の多いことにはびっくりする。

 死を賭してまで真実を知りたいという彼らの実験が、今の我々の今の社会に大いに役立ったことは認めたい。 (takokakuta/2007-06-09)
科学者のおさえられない、常識を越えた好奇心に圧倒される。
登場する人物の誰もが、儲けや欲とは無縁の人々。それどころか、自らの肉体を犠牲に己の好奇心を満たそうとする。好奇心は科学を発展させ、歴史に名を残す。皆が社会正義に満ちあふれているわけではない。強い好奇心が彼らを突き動かすのだ。
訳者のあとがきによれば、原著は小学生〜中学生向けとのこと。日本でも是非、この年代に読んでもらいたいものだ。
(thamryn7/2007-10-31)
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人間はどこまで耐えられるのか
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ASIN:4309251609
河出書房新社(2002-05)
原著:Frances Ashcroft翻訳:矢羽野 薫フランセス アッシュクロフト
売上順位:164931
¥ 2,310(中古:¥ 539)

レビュー総評点:63
 なんといってもタイトルがいい。原題は「Life at the Extremes」、副題なのかは分からないが本の表紙には「The Science of Survival」
ともある。まさに”サバイバルの科学”である。
 科学という言葉にひるむ必要はない。数学や化学が大の苦手で、暑いのも寒いのも嫌いで、山登りなどする体力もなければ度胸もない(高所恐怖症である)くせに、数年前の「~飲んで、宇宙へ行こう!」という清涼飲料水のCMには図々しくも「ひょっとして....」などと密かな野望を抱いてしまったわたしにもこの本は十分楽しめたし、逆に登山もスキューバダイビングも朝飯前、バンジージャンプもどんと来い、というあなたにも、宇宙飛行士への憧れを少しでも持ったことのあるあなたにも、この本は必読の一冊となること請合いである。
 
 それにしても考えさせられるのは、現在わたしたちが当たり前に甘受している日々の快適な生活は、多くの科学者たちの奇行とも言える、自らの体を実験台にして得られた研究の成果や、宇宙開発に代表されるような少なからぬ貴重な犠牲のもとに成り立っている、ということだ。このことは、以前にも寄生虫博士こと、藤田紘一郎氏の著書を読んだ時にも強く感じた。普段はなかなか実感できないだけに、こういった本の存在はとても貴重だと思う。そして将来なんらかの緊急事態に陥った時、この本を読んだ人と読まなかった人では、生死を分けることになる...かも知れない。
  (月柊/2002-10-28)
めちゃくちゃ寒かったり、ぶっ倒れそうになるほど暑かったり、という極限状態で人間はいったいどうなってしまうのか? というユニークなテーマ設定で書かれたやさしい生理学の本である。身近な生理現象も解説してくれていて、自分という人間はなんて精巧に作られているのだろうと感心し、「ぼくのからだよ、ありがとう」と感謝の気持ちでいっぱいになる。例えば、なぜ冬になると吐く息が白くなるのか、頬が赤く染まるとなぜ熱を感じるのかetc.(答えは読んでのお楽しみ!)人間以外にも驚異の環境適応能力を持つ動物や細菌など、様々な生物の不思議が紹介されており、とても興味深い。生理学的見地にのっとったダイエットの方法まで言及されていて、明日から実践してみたいと思う。 (竹の梯子/2004-02-10)
 タイトル、目次、本文からとても魅力的に思え、読み進めていった。
生理学の学者の先生が書かれ、一般の読者向けに書かれた本書は親しみ易く、どこかな硬派な科学エッセーといった趣があった。科学が苦手な私に、極限の人間、生物の生理学的機能について興味深く、謎を明かしてくれた。
 面白かったのは第3章「どのくらいの暑さに耐えられるのか」では「アフリカ人が手足が長いわけ」
 「背が高いほど、より効率的に熱を放出できる。また、汗を十分にかける表面積がありながら皮下脂肪が少なければ、体の奥の組織から伝導によって放出される熱の量も増える。~中略~ 動物も、体の表面積を増やして効率よく熱を放出できるように進化してきた。(本文はつづく)」
と「人間の体の大きさが気温と!関係がある」ことがどうしてか理解できたことがまた楽しい。
 また「宇宙では生きていけるのか」の第6章で、「無重力状態」の項も印象深い。「無重力状態では、体液の循環に大きな影響が及ぼされ、体液は上半身に移動していく。頬がむくみ、首と顔の血管がくっきりと浮き出て、鼻はつまって嗅覚と味覚がなくなる」とのことだ。また、「微重力状態では、生成される赤血球の数が著しく減り、それはホルモンが関わっている」など生理学の専門的な知識も語られ、読み進めていっても気になり何度も読み進めながら、後戻りしたりと2~3回は少なくても繰り返し読みたい箇所が多い。
 生物、人間の体の仕組みで知らないことはまだまだ多く、それを知ることは楽しいと思えた本でした。 (すみん/2003-05-18)
 人間の生命能力。限界を科学的に述べ、効果的なサバイバル技術に
ついて述べている。知識としてみにつけても約にたつわけではない。
しかし、読後の人間の能力にたいして感慨深い余韻に浸れるだろう。
 高級な娯楽書 (/2003-01-23)
人間は寒さ熱さその他様々なプレッシャーにどこまで耐えられるかをたんたんと解説してくれています。使いようのない知識の羅列なのですが、楽しめます。もし自分が砂漠に置いてきぼりを食らったときにはこの本の知識を活かして生き抜ければと思いました。いやホント。 (/2002-08-04)
 その名のとおり「人間はあらゆる物理的条件にどこまで耐えられるのか」という究極のサバイバル・ブック。女性生理学者による極めて科学的なサイエンス読本だ。さまざまなケース・スタディが紹介されていて、それはそれで興味深い。
 ヒトって意外にガマン強い動物? (ヒポカンプス/2006-08-02)
この本は題名そのままに人間の限界を書いているのでそれだけでもおもしろい。著者はたいへんユニークな人のようで自らもその限界に挑戦している。原作がいいのか訳がいいのかはわからないが、ノンフィクションなのにロマンチックだと感じるほど、文章表現も素晴らしかった。久々にパーフェクトな本に出会った。装丁も渋くて私好みです。 (yucca/2005-03-27)
この本読んでダイビングを始めたくなった。低酸素でハイになりたくて。ははは・・・。著者ご本人がいろいろお試しになっているところもステキです。 (wacko/2005-02-19)
「人間は弱い生き物だ」という人もいるが、この本を読んで欲しい。この本は、ある意味、自己啓発本だと思う。人間がこんなにも過酷な状況に耐えうるなら、私は現状この程度の大変さで弱音をはくなんておかしい、とハッとする。何か辛いことがあった人、ピンチに直面している人は読むべきでしょう。なんて自分は小さな壁にヒーヒー言ってるんだ・・・負けてられない!と奮起したくなるはずです。面白い企画ですね、この本。 (ちぃ/2008-08-25)
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世界でもっとも美しい10の科学実験
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ASIN:4822282872
日経BP社(2006-09-14)
翻訳:青木 薫ロバート・P・クリース
売上順位:22759
¥ 2,100(中古:¥ 1,391)

レビュー総評点:223
美しい科学実験とは? ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中学〜高校の科学(物理)知識があれば、本書で取り上げられている科学実験のほとんどを
理解できます。
ガリレオ、ニュートン、フーコーなど単に教科書では現象の科学的説明と法則の導出に
とどまっていたものが本書により、時代背景から主人公の生い立ち、その実験を
しなければならなかった必然などがストーリーとしても面白く読めます。
特に実験系に携わっている人なら、美しい実験と言われてイメージするものが
あるかと思いますが、本書には過去の偉大な実験の中でも特に代表的なものが
取り上げられており、科学の広がりと奥深さを感じることができるのではないかと
思います。
前半部の実験は小学生からでも読んで理解が可能であり、また理系の大学生であれば
科学実験の美しさの一端に触れるためにも、全般を通読していただきたいと思います。
お勧めの書です。 (daphnetin/2007-04-07)
書名に惹かれて手にとって見た。著者のクリースは初めてだが、訳者の青木氏はサイモン・シンの『暗号解読』を読んだことがある。原著の内容を十分咀嚼した上で訳出されているので、ちゃんとわかる日本語になっているのがよい。

さて本書は、科学雑誌で募集した「美しい実験」で上位にランキングされたものを、その実験方法や実験者の人となり、当時の社会背景などを織り交ぜながら、科学の実験の「美しさ」を考察するものである。

取り上げられている実験は、

 ・ガリレオのピサの斜塔の実験 →重さに関わらず落下の速度は同じ
 ・ニュートンのプリズムの実験 →白い光は多数の色の集まりであることを証明
 ・ヤングの二重スリットの実験 →光は波であることを証明

などなど。それまでの社会の常識を変えたエポックメイキングな実験ばかりで、科学史としてもたいへん興味深く読める。

主題である「実験の美しさ」とはなにか。
ひとつは、科学の実験は職人芸のようなものである、ということ。注意深くノイズを取り除かなければ対象の真の姿は見えない。材料があれば誰にでもできる、というものではない。もうひとつは、シンプルで直感的な実験を考案するのは、それ自体が芸術と同様、属人的な創造的行為である、ということ。

中世までは科学者のことを自然哲学者といった。哲学と宗教と科学は(日本では全く意識されないが)西欧では非常に密接な関係をもっていて、例えば、学校で進化論を教えるのはいかがなものか、というような議論があるように、いまでもなおせめぎ合っている。科学の「美しさ」もその背後にはアリストテレス以来の論争があるようで、その深さに感じ入った。 (丁三/2007-06-11)
科学という営みがもたらすエクスタシー |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
科学者たちは実験のことを時に「美しい」と形容する。ぼく自身も科学者の端くれだが、確かにそうだ。美しい実験、美しい結果といった言葉づかいに違和感はない。著者は、哲学者・科学史家という自分の立ち位置から、科学者たちとの対話を通して、その「美しさ」の意味をくみ取り、10の「美しい科学実験」を通して、「実験にとって美しさの意味とは何か」「実験に美しさがあるのなら、それは美にとって何の意味があるのか」という2つの問いに答えようとする。もともとは雑誌「Physics World」での連載であり、取り上げられた10の実験はアンケートに基づいて選ばれている。おそらく実験とは、科学者にとって自分自身との対話であり、自分自身の哲学が具現する瞬間でもある。だから、実験を経た後の科学者の言葉は、その深さと重さを増す。訳者もあとがきに書いているが、ニュートンの「光は屈折するときにその色を変えない」という言明に、この書物の中で出逢うとき、理性ではなく感性を揺さぶられ、涙すらあふれてくる。科学が、芸術同様に人間の感性に訴えかける営みであることを著すことに、著者は成功している。10の実験について語った各章を結ぶ間章もとても興味深い。 (Y. Naito/2006-10-29)
科学史上の10の“美しい”実験を取り上げて、解説した本だ。取り上げた実験は
エラトステネスの地球の外周の測定
ガリレオの落体の実験
ガリレオの斜面の実験
ニュートンのプリズムの実験
キャヴェンディッシュのGの測定
ヤングの光の干渉実験
フーコーの振り子の実験
ミリカンの油滴の実験
ラザフォードの原子核の発見
電子の干渉実験
だ。どの実験も、こう書いただけで、科学の心得が少しでもある人には、あの実験と分かる有名なものだ。それぞれについて、科学史上の位置づけや実験の解説がなされていて、楽しく読めた。浩瀚伝えられるエピソードの当否についてしっかりと資料批判がなされているのも勉強になった。例えば、「落体の実験がピサの斜塔で行われたのは伝説である」と言われるが、可能性は十分あるとか、『背信の科学者たち』で告発されている、「斜面の実験」や「油滴の実験」でデータが美しすぎるという非難は不当であると述べられている。科学者の端くれとして、かれらの名誉回復がなされるのはうれしい。

ただ、実験の解説が今一歩ディテールに踏み込めていないことが、少々不満だ。著者は“美しい実験”を芸術になぞらえていて、私もその通りだと思うのだが、芸術同様実験でも「神は細部に宿る」のであって、その細部に踏み込めればもう一つ違う美しさが現れるのだ。まあ、実際に実験をやったことのない哲学者には無い物ねだりではある。 (shibchin/2008-03-27)
取り上げている科学実験は、ほとんどが日本では高校までに学んだものですが、教科書で法則を実証するためのものとして記述されている実験像とは異なる、生の科学者の肉声が聞こえてきます。正しいと仮定した法則の正しさを実証するためには、どう実験すればよいか、その苦労がしのばれます。美しくシンプルな法則の裏には、美しい実験があったことに改めて感動します。訳者あとがきで、青木薫さんが、原子の二重スリット実験の写真に涙が出たと書いていますが、実験環境の進歩でそれが可能になったこととあわせて、そう思わせるだけの説得力がある実験であるように感じました。 (ポピュラーサイエンス/2006-10-15)
科学好きにはたまらない |||||||||||||||||||||||
書名もGood.内容もGood.
著者が雑誌でアンケートをとった結果を参考に10の科学実験を紹介する内容.
ほとんどが物理実験なので,
私のような初心者のために各実験の説明をもっと丁寧にして欲しかったですが,
各章末に設けられたコラムが非常に有意義で面白いです.
コラムは,科学的思考を紐解いてみる内容で,「うんうん」とすぐに納得できるほど
わかりやすいです.
数学,物理ができなくても読めます.読むべし. (歩く鳥/2007-02-08)
 昨今、日本における科学教育レベルの低下が言われて久しい。
 工学部の人気低下も著しく、国立大学の工学部系でさえ、いまや比較的入りやすいと言われる程度になっている。

 確かに、自分の教わった何十年か前の学校の化学や物理の授業もあまりおもしろいものでなかった。
 ところが、この本に提示された「美しい」科学実験は、本当にわくわくさせるものばかりである。
 いまや、常識と言われる科学の体系もこのような努力の結果得られたものであるとは、恥ずかしながらほとんどと言っていいほど知らなかった。
 かくいう私も文系であるが、この本にあるような科学実験を追体験すれば、科学に対する思い入れも、今とは相当に違ったものになったのではないかと思わせる。

 学校で教わった、いわゆる「知識」は、このような先人たちの血と汗と涙の努力の結果であるし、授業で生徒たちに追体験をさせることができれば(そのようなレベルを遙かに超えた職人技が多いことも記載されてはいるが)、今よりももっと多くの科学技術者たちが生まれてくるのではないかと思わせるような本である。

(takokakuta/2006-12-06)
「こういう本があるんだな」というのが一番の感想。
この本に出会えて本当によかったと思える一冊である。

ひとつひとつの実験の原理や結果を理解していくのは、確かに面白いが、同時に、
その実験が「美しい」と感じられる所以を、著者と、そして訳者の緻密な文書
から読み取る楽しさがある。

個人的には、第10章の単一電子の量子干渉は、鳥肌が立ちっぱなし。

読み終わったあと、なぜか美術館にいってみたくなりました。 (ikuzi/2007-10-19)
実験からはじまる、、、 |||||||||||||||||||||||
ここに登場するあらゆる人物はわたくしたちとおなじ
少年時代をすごし、ちょっとへんかなーなんて思われている
そんなこどもだった天才異才をうまく育てていったこの興味
という実験はときに怪我をしたりそれを諦める人もでてくるわけだが
そんなことをいとわずにつづけていたそれが、すばらしい
科学実験へとむすびついていった。
 科学を知らなくてもページをめくると、そこには
いままで知らなかった宝物のありかをおしえてくれるようで
痛快な一冊である。ぜひお薦めしたい。 (flora/2006-12-14)
 世界でもっとも美しい10の科学実験という原題だが、実際は物理実験のみを扱っている。従って、化学及び生物系の実験を期待して読むと、今ひとつ満足感に乏しい。しかし、実験者の生い立ちや背景、実験の説明について概ねとても楽しめた。理系指向の小中学生にも勧められる科学入門書の一つと言っていいだろう。

 いくつか問題点を挙げて、今後の類書に反映されることを望む。

1.実験の詳細及び図が今ひとつ
 もっと鮮明な図やカラー写真があった方が分かりやすいのに…と思うことがしばしばあった。特にキャベンディッシュの実験の説明は雑で、何回か本文を読み返さないとよく理解できなかった。図の説明というのは、基本的に本文を読まなくても簡潔に完結していることが必要だ。著者は科学史の専門家らしいが、物理の素養はないのか?

2.「美しい」実験か否かという蘊蓄が目障り
 本書に挙げられた実験はいずれも科学史上重要で、かつ極めて簡潔に説明でき、素人(私は研究歴はあるが物理学者ではない)でも理解できる程度のものを集めている。それだけで必要かつ十分な科学書と言えるのだが、著者は何をトチ狂ったのか延々と「美しさ」について御託を並べている。これがあまりに修辞的で理解不能。科学的内容は、少なくとも高等教育(大学教育のことだ)を受けた者にとってはある程度世界的に共有可能だが、美的感覚は民族によって異なり、場合によっては共有不可能だ。例えば太平洋の島々では過度に肥満な女性が美しいとされている。この感覚は、高度肥満者の溢れる北米諸国では受け入れ可能でも、少なくとも日本人には受け入れることは難しい。従って、これらの美しさに関する無味乾燥な論説については、日本版ではあっさり省略してしまった方が良かったのではないか?訳者もあとがきで告白しているように、相当苦労の後が見受けられるが、やはり訳者自身も理解できなかったところが結構あったのではないかと感じられる。従って、読者(少なくとも評者)には分からなかった。

 ついでに言うとこれらの御託は「Interlude(日本語で間奏曲か?)」という題名の記事になっているが、いったいどれだけの日本人がInterludeの意味を知っているのか?少なくとも大学受験レベルの必須単語ではないし、頻出上位1万語にも含まれていないと断言できる。読者の99%がわからんだろう外国語を、少なくとも記事の題名にするべきではない。編集者の言語感覚を疑う。 (poch/2008-12-07)
世界中の科学者たちに「あなたがもっとも美しいと感じる実験」についてアンケートをとり、そのうちのトップ10の実験について、歴史順に紹介する内容になっている。古いものではエラトステネスの地球の外周の測定からはじまり、光子の量子干渉実験まで、どこかで必ず聞いたことのある実験系がずらりと並んでいる。取り上げられている実験は、物理学のものが多いが、どれもトップ10を占めるに値する「美しい」実験ばかり。

本書の面白いところは、コラム的にまとめられた項目「Interlude」の節。「なぜ科学は美しいのか」「科学は美を破壊するか」「科学の芸術性」など、一見相容れないように思える客観性を扱う「科学」と主観的な「美の感覚」が決して深い溝で隔てられているものではなく、根底には自然の真理に触れようとする探究心、真理を明らかにするために提案される実験の巧妙さなどに対する共通した体験がある、と説く。本書を読んで、実験に明け暮れる研究者が「美しい!」と叫んでしまう心理を少しでも多くの人に味わってもらいたい。 (ぶれぐま/2008-09-10)
科学という無機質に思われがちな分野に持ち込んだ「美しい」の表現。
その表現方法が間違いではないことを本書では伝えています。

一般的に有名である実験を主に記載している為、高校からは物理を専攻していない
人達にも比較的、その世界に入りやすい内容だと考えます。

現在では小学生でも認識している「地球が24時間で1回自転している事象」
フーコーは一本の長い紐と錘を使用し、誰の目にもわかる形でそれを証明しました。

単純だけど、反証出来ない、わかり易い証明。
美しいという表現がピッタリではないでしょうか。

この他にもヤングによる光の干渉実験やガリレオによる斜塔での実験
(実際には斜塔で行われた記録は残っていないといった事も記載しております)
過去に一度は聞いたことがある実験が記載されております。

出来れば、小学生や中学生の夏休み等に読んでもらい、同じような実験をして
当時の科学者が如何にして仮説を実証してきたかを身をもって体感してくれれば、
数学や科学離れに一役買うのでは(?)なんて思っています。

ちなみに、日本各地のフーコー振り子実験情報がここに記載されています。
是非ご参考に
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/‾yoshiya/foucault/list2.html (nori@amazon/2008-05-30)
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解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
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河出書房新社(2007-04)
原著:Wendy Moore翻訳:矢野 真千子ウェンディ ムーア
売上順位:39053
¥ 2,310(中古:¥ 1,500)

レビュー総評点:4
第1章を読んで一気に読み終えてしまいました。読んだ後に「もっと読みたいのに・・。」と思うほど面白い本でした。
勉強が嫌いで学校は中退。兄の助手をはじめてから才能を発揮し解剖のための死体確保する為墓泥棒など闇の世界に手を染めていて短気で下品でがさつだけど手術の腕は超一流!ドリトル先生のモデルになり屋敷は「ジギルとハイド」のモデル。ダーウィンより70年も前に進化論を確信していた男。
金持ちには高い報酬を要求し貧乏人はただ同様。(手塚治虫のブラックジャックは彼をモデルにしたのかな?とふと思いました)
でも、貧乏人をただ同然で治療するのは彼にとっていい実験材料だからだけのことで別に貧乏人同情してるわけでもない。
自分で検証、実験、証明したことを信じ実行する。伝統や通説などどこ吹く風!型破りな解剖医の生涯。イギリスの医学会や墓泥棒等当時のイギリスを知る上でも面白くお勧めの1冊です。
(リヒテンシュタイン/2007-09-08)
抜群に面白いですね!
書の中に引き込まれてしまいます。

「奇人まみれの英国でも群を抜いた奇人」
「ジキル博士とハイド氏のモデル」(正しくはモデルになったのは家)
のインパクトに、
「近代外科医学の父」
の肩書の印象は全く薄れ、
「面白そうなんだけれど、猟奇的に人を切り刻むヘンタイなんじゃないか、趣味悪そう」と二の足を踏んでいたのでした。

しかし、山形浩生さんが解説しているのと、訳者は矢野真千子さんじゃん、しかも訳者あとがきを読むと「こんなに面白い本に出会ったのは久々で」「訳出作業を終えた時も、「もっと訳したいのに」という名残惜しさ」の言葉が決め手に。

そして読み始めてみると、確かに奇人ではありますが、まさに「近代外科医学の父」の称号がふさわしい!
「悪趣味な印象を与える宣伝をしやがって不愉快だ」と思って見直してみると、ちゃんと「近代外科医学の父」と書いてあるし、偏見をもったのは私の方だったのですね、、(-o-;)
たいへん失礼。

人をモノのように扱い、痛みのわからぬ輩かと思いきや、さにあらず。
むしろ、手術をするのは最後の最後の手段であり、患者を生かすためにできるだけ手術を避けていたこと。
瀉血が信じ込まれていた時代にあって、伝統に一切とらわれず、仮説を立て観察・実験により検証する科学的アプローチを押し進めたところが、尊敬に値します。
そしてその飽くなき探究心・好奇心。発見と驚きに満ち、なんと話題豊富な人生か。よくも一人の人物の生涯にこれだけの話題があるものぞ、と思うぐらいです。

それにしても、いやー、まったく私、無知でしたね。
これほどの人なのに、今までジョン・ハンターなんて知りませんでした。
その外科医学に及ぼした影響がいかに大きいか。
ジェンナーも、この人の弟子だったとは驚きました。

(nonsense/2008-11-28)
ヒュー・ロフティングの「ドリトル先生」は、このジョン・ハンターをヒントにしているとの説が書いてあったのでびっくり。自分の屋敷にいろいろな動物を飼っていて、ワニもいたという設定は、同じです。しかし、これだけ精力的に手術、解剖に集中できるってことは、気力、体力、知力がよほど秀でていなければできないことですよね。軍医としての働きでは、傷口を無理矢理に治療しないで、安静にしておいた方が治りが早いことを見つけ出すところなど、出来事を素直に観察し、結論を出していく科学者としての姿はすばらしい。 (パルヴォ/2007-08-07)
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人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)
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河出書房新社(2008-05-02)
原著:Frances Ashcroft翻訳:矢羽野 薫フランセス アッシュクロフト
売上順位:46137
¥ 998(中古:¥ 485)

レビュー総評点:2
本書を見たのは、ちょうどオリンピックたけなわの頃でした。
どれくらい潜水できるかの事例として、海女、日本の女猟師の紹介をしています。
女性の方が、潜水に向いているのは、男性よりも長く生きを止められることと、寒さに強いことからとのことである。
さまざまな面での人間の限界について、生理学者らしい視点で論点をまとめている。 (kaizen/2008-09-27)
372ページにしてわずかに7章から成る本書は、「びっくり!人間の限界あれこれ」というような、
キワモノを集めたものなどではなく、極めて硬派な、超一流の生理学分析に基づいた良書である。
「走ったらなぜ息が上がるのか」というような、普段まったく疑問に思わない事まで丁寧に丁寧に
解説し、あるいは「なぜ凍傷になるのか、なったらどうすればいいのか」という、覚えていてまず
役に立ちそうにはないけれど、知らなくても良いかと言われれば知っておいた方が絶対良いと思
えることなどもたくさん網羅されている。
著者はなんと、オックスフォード大の生理学部教授にして、インシュリン分泌に関する第一人者で
あるという。その著者がわれわれ読者のために持てる知識を総動員して、人間あるいは生物の素晴
らしさについて書いてくれたのだなぁ、という善意すら感じる。
NHKの『驚異の小宇宙 人体』とか、ちょっと前にベストセラーになった「生物と無生物のあいだ」でも、
生命活動の偉大さに触れていて、大きな感動を呼んだが、本書はそれらと似ているようでまったく異
なる次元からアプローチしている。それがまた面白い。
(あぶはち/2008-10-30)
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資料(ミステリー・事件)
 
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迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか
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日本放送出版協会(2007-08-25)
原著:Sharon Moalem原著:Jonathan Prince翻訳:矢野 真千子シャロン モアレム
売上順位:4408
¥ 1,890(中古:¥ 1,100)

レビュー総評点:56
糖尿病は氷河期の適応が,環境が変わった今,問題になっている。マラリアになったら寝たきりになるのに,風邪だと無理をして会社に行っちゃうのは,マラリアは蚊に運んでもらえるから患者が動かなくても大丈夫だけど風邪は患者が移動しないと動けないから患者を寝たきりにできないから。なるほど,だから媒介者がいる病気ほど重篤になるのか。生物は単独で進化しているのではなく他の生物との関わり合いで進化していることがよくわかる。鉄を過剰にため込むヘマクロマトーシスや貧血も感染症へ対応するための進化だったものが病気という形になったもの。

病気という迷惑な進化も,もとをたどれば環境への適応だった。40年後に死ぬとわかっている薬を飲む理由はそれを飲まないと明日死ぬから。なるほど。

また,この本では最近はやりのエピジェネティクスについても具体的な例でわかりやすく説明している。妊婦が必要な栄養が少ないジャンクフードを食べていると,生まれてくる子供は栄養が少ない環境に対応するため栄養をため込む遺伝子がスイッチONになる。

けっこうびっくりするような学説を紹介していているが,どれも科学的な根拠があることで,特にこの本がえらいのは,紹介した学説のオリジナルがどの論文かを巻末に紹介してあること。この手の本には,どこからそんな怪しげな学説を引っ張ってきたのかわからないものもあるけれど,この本ではオリジナルに当たることができる。たとえば阪神淡路大震災のあと生まれた子供は女の子の比率が高かったことなど日本の研究者の論文が示してある。また,様々な学説を唱えている研究者のホームページも紹介してあるので信頼できる。

とにかく,文章が読みやすくて内容が面白い本でした (ゆっきー/2008-01-21)
遺伝と病気の関係なんて、いかにも面白そうなテーマである。

遺伝病のかなりは実は現在と異なる環境からの淘汰圧による進化であるそうな。書いてあった一番面白い例は、糖尿病は氷河期には有利に働いたというものだ。糖分の多い血液は氷点が低く、氷河期で凍傷にあう確率を減らす。糖尿病による合併症のリスクより、低体温のリスクの方が大きかった氷河期には、糖尿病の遺伝子は正の淘汰圧を受けて増加した考えると、糖尿病遺伝子を受け継いでいる人が多いことが説明できる。他にも鎌状赤血球とマラリアの例とか、鉄分の溜まる遺伝病と中世西欧のペストの流行の関連とか、例が豊富で面白い。

次に、病気の遺伝子と宿主の遺伝子の競争進化と言うか共進化と言うかの面白い例が並んでいる。ドーキンスの「延長された表現形」だよなあと思うのだが、お尻に卵を産む寄生虫は、お尻を痒くすることで、宿主にお尻をさわらせるとか、アリを経由する羊の寄生虫に寄生されたありは、羊に食べられやすいように牧草の葉の先端に行くとか。

伝染病の制圧を病原体と人との間の軍拡競争を起こす抗生物質に頼るのでなく、病原体の伝染経路に適当な淘汰圧を加えることで弱毒化する、なんてアイデアも思白かった。例えば、コレラが致命的なのは、宿主が死んでも強烈な下痢を起こさせることで伝染しやすいからだ。衛生観念を進めて、吐瀉物や下痢を適切に処理すれば、宿主を簡単に殺すような強毒性の菌はむしろ淘汰されて、コントロールしやすい弱毒性の菌が主流になる。そうなると、病気との共存が簡単になるという考え。風邪はなぜそんなにひどくならないか、マラリアにかかるとなぜ動けなくなるか、などが伝染経路と関係があり、そこに淘汰圧をかけるなんてプランも書いてある。

最後の方は遺伝子発現のコントロールが後天的にできる(エピジェネティック)お話とか、人類水中進化説とか、少々雑駁になってくるが、さすがは専門家とクリントン大統領のスピーチライターと共作。語り口がうまくて飽きさせない。

最近の生物学の進歩の面白さを実感させる本であった。大変お薦め。 (shibchin/2008-06-29)
面白かった。内容は結構高度な人類の遺伝子進化や変異をベースにした生物科学の話。でもクリントン大統領のスピーチライターを共著者に迎え、平易ながら興味を引くエピソードや事例を散りばめて最後まで飽きさせない。体に悪いソラマメを食する地中海地域がマラリア汚染地域と重なる話や、コレステロールとビタミンDの関係、更にそれが肌の色の違いに結びつく話やイヌイットのどんでん返しなど瞠目することばかり。またあらゆる事象がそれぞれに「意味」を持った存在だと知ると、何気なく過ぎて行く日常や一人一人の存在がいとおしく感じられる。神の有無は置いても、それなりの調和を持った地球の在り様に神秘さえ覚えるほどだ。 (絹のつぶやき/2007-08-30)
医学が進歩したのに、まだ人類は完全に克服できない病気を抱えています。
例えば糖尿病。でも本来そのような病気にかかりやすい人は、なぜ自然淘汰
されなかったのか?
そんな疑問に対して著者は遺伝子・人類学・地理学の諸研究の成果をもちいて
ユーモアたっぷりに説明してくれます。
糖尿病から高血圧、肌の色から、はたまはアルコールに弱い体質まで、
遺伝子と深い関わりのあるトピックを軽妙な語り口で解説してくれる
おかげで、電車の中で一気に読み進めました。
久々に楽しめる本です。
(しょうさん/2007-10-10)
かなり残念な本 |||||||||||
前半の進化医学に関する説明はかなり良くできている。イーワルドの主張の繰り返しもあるが、実例をしっかりあげ、論理も説明も明快で進化医学の入門書としては素晴らしい。

問題は後半にある。まず驚くのが、「種の保存のため」というナイーブな群選択説(純朴な、稚拙なとも形容される)を信じていること。群選択にまつわる議論はここ40年〜20年前のホットトピックだが、彼はその事を知らないようだ。彼の回りに種の保存論の論理的誤りを指摘してくれる人はいなかったのだろうか。種の保存論を信じていると、生物の社会性を論じるときに大きな過ちをおかすことになる。

次に突然変異に方向性があるという説。それ自体は度々主張されるから目新しくないが、本書のユニークな点は「遺伝子と形質が一対一で対応していないから」という的はずれなもの。遺伝子の多面発現性は古くから知られていたし、多面発現することと変異に方向性があるかどうかは全く別。
その後エピジェネティクスの話になるとまたまともに戻るのだか、変異の方向性と種の保存論という致命的な誤りは痛すぎる。
この二つがなぜどう間違いなのか分からないであろう初学者にはおすすめできない。 (まさすけ/2008-07-02)
米国の進化医学者による書の邦訳版.一見すると病気を引き起こすための『迷惑な遺伝子』(著者自身ももっている)を紹介し,それらがなぜ存在しているのかを説明し,進化のおもしろさ,すばらしさを述べている.同時に,最近わかってきた遺伝形質の伝達や,トランスポゾンなどによる劇的な形質の変化,または外的要因による遺伝子の働きの変化(エピジェネティクス)も紹介している.難しい内容だが,ウィットに富んだわかりやすい表現を用いているため,250ページの分量も,高校生以上であれば数日以内に読破可能で,広い読者層が対象.

第一感は『おもしろい!』である.身近な不思議にはじまり,それを合理的に考察することで,一見不条理な現象をきちんと説明できることを体現しているため,全く退屈せずに知識の欲求を満たすことができる.話題も多岐にわたり,寄生虫やウイルスの不思議な性質だけでもおもしろいのに,それをきちんと説明していることでさらに満足感が得られる仕組みだ.最終的には,病気に対してどう考えるか,人類の持つ生への欲求とはどうあるべきか,あるいは合理的な思考とは何かという問いに対する著者の考えも紹介されている.たとえば,不老を最初に会得した体細胞が癌であることなどが好例である.

難点は,誤読(誤解)されそうな表現が多々見られることである.たとえば,細菌などの振る舞いを擬人化しているために,謝った解釈が起こる点を危惧する.厳しい環境におかれた細菌が『がんばって生きようと考えて』進化するかのような表現は科学者が論文でしばしば見せるユーモアであるし,そのような環境にさらされた細菌が自身を変化させるというよりは,たまたまうまく変化した個体(数億分の一か,数百億分の一か)だけが滅亡した他の個体の隙間を埋める権利を与えられていることを正しく理解しなければ,著者の全く意図しない,オカルトのような思考が広まる可能性がある(すでに勘違いしているレビュアーの方もいる).また,一部の主観的な考察も事実のように見えてしまう部分がある.一卵性双生児の一方が癌になった話などは推測もあり,注意が必要だ.

きちんと読めば,きわめて有用な書であり,今後の医学がすすむべき道,あるいは病気に対する適切な考え方を学ぶことができる.さきの問題点を危惧して星4つにするか迷うも,情報のおもしろさ,読みやすさや,参考文献がきちんと示されている点などから星5つとする. (MM/2008-05-24)
 様々な病気があり,また否応無しに迎える死がある.このような我々の苦痛の根本原因がなぜ存在するかその理由が,人類の歴史における必然的な進化の結果として,鮮やかに説明されている.内容は,日焼けサロンに行くとコレステロールが下がる理由のようなすぐ役立つ話(?)とともに,病原菌を穏やかなものに進化させるための方法という大きなスケールの話まで盛り沢山である.
 生命同士が相互作用し合うダイナミックなドラマの中で,ヒトという種がどのように作られてきたのか,魅力的な文章で書かれており,専門的な話もあるが,一気に読んでしまった.生命に興味のある人すべてにおススメです.特に,進化に関して基本的な知識のある人にはいち押し! (mnita/2007-09-15)
人間の進化や遺伝子関連の書物は、近年の急速なDNA研究の進展に伴い、怪しげなものまで含めて書店にごまんと溢れるほどになりましたが、本当に久しぶりに、新鮮味と説得力のある本に出会うことができました。

著者が着目したのは、一見すると人間に危害を与えるような病気(遺伝子)が、なぜ自然淘汰に逆らってまで私たちに受け継がれているのか、という素朴な疑問です。貧血しかり、糖尿病しかり、あるいは「老化」そのものしかり。
何気なく考えると、進化の過程で取り除かれても良かったようにも思えるこれらの邪魔者は、著者の議論によれば、逆にもっと深刻な環境や病気を乗り切って生き延びるために(次善の策として?)人間が取り入れて、子孫に受け継いできたものだ、というものです。例えば「老化」に至っては、細胞の自己複製能力に限度を設ける(=老化・死)ことによって、癌細胞の増殖というより大きなリスクを減らすためだ、という議論にはまさに膝を打つ想いでした。

本書は、クリントン元大統領のスピーチライターを務めたジョナサン・プリンスという方が共著で加わっています。そのお蔭もあって文章はウィットに富んでとても軽妙洒脱、楽しく読めます。大推薦の一冊でした。 (sergeant_cooper/2008-04-05)
先端科学の話題を、これほど分かりやすく、ユーモアたっぷりに解き明かしてくれるとは! それだけでも、感動的です。
ヒトは、なぜ進化をするのか?
「人間は遺伝子の運び屋に過ぎな」という動物行動学者もいますが、本書を読むと、その感をますます深くします。
遺伝的形質を発現させるかどうかは遺伝子レベルで操作されていて、発現の結果、生存に有効であれば、それは進化として次の世代に受け継がれていく・・・。
常に、遺伝子は異なった形質の発現が起こる可能性を試している。有性生殖の理由も、異なった遺伝子同士を結びつて、新たな遺伝的形質を作り出すことにある・・・(そうなると、一夫一婦制は遺伝子の命令に背く行為、と言えるかもしれませんが)。
いずれにしても、科学知識ゼロでも楽しく読めて、進化の理由を知る大きな手がかりになる本です。


(安田直人/2007-10-02)
従来は、人間が変異するのは偶然の結果だとされてきたのですが、最近はそうではないことが分かってきました。ある変化圧力がかかると人間の遺伝子はすさまじい勢いで変化するのです(特にそういった遺伝子を「ジャンピング遺伝子」と呼びます。つまり変異とは偶然の産物ではないのですね。

どうしてそんなことが起こるのか?

人間のDNAの少なくとも8%は、もともとウィルス由来だったと言うのです。ウィルスの中にはレトロウィルスと言って自分の情報を人間のDNAにコピーしてしまう能力を持つものがいるのです(エイズウィルスがそうです)。そして彼らは人間の細胞を乗っ取るわけなのです。で、人間はレトロウィルスにただ乗りされるだけか、と言うとそうではない。ウィルスと言うのは人間の何百万倍ものスピードで進化・変異することができるのです。で、人間と一体化した彼らは、環境の変化等で危険が迫るとすさまじい勢いでそれに対応しようとするのです。

その結果、人間とウィルスは共存共栄を果たしたということなのです。

つまりたまたま変化に対応できたものが生き残った、というのは間違いで、遺伝子が変化に応じて一生懸命はたらいた結果、環境圧に目的的に適合したということなのですよね。

以前進化生物学者のスティーブン・グールドは「パンダの親指」で、通説の「進化とは2段階(原材料であるランダムな変異と、方向付けの力となる自然淘汰)から成るプロセスで、進化的変化は一般に緩慢、着実、漸移的、連続的なものだということ。」という見方を批判して「化石記録には中間的段階を示すような重要な資料が極めて乏しい」のはおかしいと指摘していました。

ですが、本書の指摘によってグールドが正しかったことが分かります。

私たちが今あるのは、偶然の産物などではなく、残るべくして残ったんですね。すごいことだなあと改めて生命の偉大さを感じました。 (miyajee/2008-06-02)
興味深い内容で、一気に読んでしまいました。

進化の意味を改めて考えさせられました。ヨーロッパのペスト流行とヘモクロマトーシスとの関係や糖尿病と氷河期との関係など興味深く読ませていただきました。

病気と遺伝にかかる話は、多くの人に関係がある話なので読んでおいて損は無い一冊だと思います。 (Rin/2008-01-08)
面白かった。駆け抜けるように一気に読んでしまいました。
遺伝子の振る舞いがこれほどまでに不可思議で魅惑的なものだとは想像していませんでした。
若い頃に学んだ遺伝学の「常識」が気持ちよいくらい崩されていき,驚きの連続でした。
妻にも薦めましたが,2日間,家事が手に付かなくなるくらい読書に没頭してしまったようです。

非常にナチュラルな翻訳であったことも付記いたします。 (小物王/2007-10-23)
久々に読みやすく面白い本でした.
あっという間に読んでしまった.
たぶん,原著の文章が読みやすく作られているせいもあるのでしょうが,訳者の技量も評価すべきなんでしょう.コンピュータの自動翻訳そのままのような本を買わされてイライラしていたところです.

中身は,単独ではすでにどこかで読んだことがあるようなことでしたが,トータルでヒトの進化を理解できるところが素晴らしい.ウィルス進化説,寒冷地適応,ジャンクDNA,ラマルク説,水生人類説,などなど.

気になったのが,ボーリングコアで三年という単位が解析できるように書かれていること.そんな分解能は無いと思います.何から引用したのか書いてないので,確認できませんが.
(chit/2008-01-27)
装丁の軽薄な印象から、トンデモ本の類かな、
と期待しなかったのですが、これが目茶苦茶面白いのですね。


軽快な語り口ながら、知的好奇心がくすぐられる話題が次から次へと繰り出されます。
話題豊富で、どんどん脱線しているように思えるのですが、イライラさせられるどころか、どれも興味深く、それでいて実は脱線していなかった!
というところがスゴイですね。

ユーモラスな語り口に吹き出させられながら、お利口さんになれる!
というすぐれものの本です(^^)


例えば、ギョウチュウの話

「夜になると妊娠したメスは大腸の出口、つまりはお尻の穴に移動して、周辺の皮膚に卵を産みつける。ついでにかゆみを生じさせるアレルゲンも置いておく。このアレルゲンそのものは人間にとって有害なものではなく、人間にお尻を掻かせるためのものだ。
ギョウチュウにとって重要なのは、あなたのお子さんにお尻を掻いてもらうことだ。
お尻を掻くと卵が爪の間に入る・・・」

吹き出してしまいました。

ギョウチュウがお尻を掻かせるのも、宿主操作するよう進化したものなのです。
寄生生物の移動の仕方は興味深いです。


「ジャンピング遺伝子」も驚愕ですね

「遺伝子配列の偶然による小さな変化だけ」で、果たして生物の進化が起きるものなのだろうか?という、私の長年の疑問に答えてくれています。(起こるはずがない)

進化は、そんな成り行きまかせではなく、もっと、ずっと力強いものだったのですね。

さらには、それが、どうもウイルス以来のようです。

つまり我々はウイルスのおかげで人間にまで進化した!?


うーん、まとめようと思ったのですが、紹介したい話題があまりに多すぎます。

とにかく1ページめくるごとに、いや1行読み進めるごとに、新たなサプライズが登場するのです!
もう説明になりませんね。読んでしまってみてください。
(nonsense/2008-01-19)
もし「創造主」てぇのがいたんなら、そいつはよっぽど思慮の浅かった奴にちげえねぇ。行き当たりばったりに対症療法ばかりしやがってさ。将来の見通しとか、計画性てぇものが金輪際ねぇんだから。おかげで、おら、ハァ、とんだ迷惑してるだべ。

人類が今日あるのは、その進化の過程に起こったさまざまな事件に、その場限りの対処をしてきた結果の積み重ねである。進化は常に種の保存を最優先し、個体の利益は無視される。そのため、個体にとっては都合の悪い遺伝子が伝えられることになる。本書は、いろいろな具体例を挙げて、そのことを面白おかしく説明している。興味ある最新の学説がふんだんに紹介されており、一読に値する。 (場野量子/2008-04-07)
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w:13 h:18 432page
最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
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草思社(2006-10-19)
翻訳:高橋 健次ジェームズ R・チャイルズ
売上順位:4965
¥ 2,415(中古:¥ 1,450)

レビュー総評点:-7
クライシス時代の常識 ||||||||||||||||||||
日本版の題名からは、事故責任追及の評論のような印象を受けるかもしれないが、本書の内容の90パーセント以上は過去の致命的な事故を物語風に述べた紹介で、一般の読者にも読みやすくなっている。採り上げられた事例は欧米を中心に約150年前から現代までの間の、近代的なシステム(マシンシステム)に発生した「最悪な」と思われる事故二十数件を採り上げている。
著者はこれらの事故の状況を紹介しつつ、事故の際にシステムがどのように作動し、それに遭遇した人々がどのように行動し、それらの人々が係わったグループ(組織)がどのように対応したか、またそれらの関連についても述べている。さらに、これらの事故に対処するため、事故に遭遇した人に期待される「知識と経験と意思」についても述べている。その意味では、本書はクライシスの時代に生きる我々にとって重要な知識と考えなければならない。
ただ、本書に採録された事故事例を材料とした著者のコメントはかなり控えめであり、強く主張されてはいない。我々は、最終章まで読み終えたら、あらためて最初のページから検証しつつ読み直し、これらの事例について、自分自身で評価、分析し結論を下してみることが必要であろう。 (近藤 盛二/2007-04-16)
ゾッとする |||||||||||||||||||||||||||||
作者は私たちの周辺のテクノロジーを総称して「われわれのマシン」と呼んでいる。
「われわれのマシンのサイズとパワーは桁はずれに大きくなったが災害の引き金を引くには
さほど大きな力を必要としない」という一文はハイテクに守られている現代の脆さに対する
警告が込められている。
原子力発電、ジャンボジェットなどの交通、工場、スタジアムなどの様々な例が挙げられ
事故が起こるまでのプロセスが克明に記されている。
星4つにしたのは、図と本文の連動性