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「使える!確率的思考 (ちくま新書)」 とその関連商品
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使える!確率的思考 (ちくま新書)
ASIN:4480062726筑摩書房(2005-11) 小島 寛之 売上順位:6988 ¥ 735(中古:¥ 351) |
レビュー総評点:105
最近の世の中の不確実性は随分と高まった、との意見に同意される方も多いと思いますから(私が就職した頃、まさか公務員がリストラされる社会が到来するとは想像できませんでした)、確率的思考を身に着ける意義は随分あるのでは無いでしょうか。
本書は標準偏差の分かりやすい説明や、ITシステムでベイズ推定がいかに利用されているか、などなど、例え話をちりばめながら書かれているので、読んでいて飽きないです。 また、新商品の価格決定の方法とか、ネットショップでのHPの画面の最適な深さの決定ー等など、確率的な発想が現代社会で如何に有効であるかを再認識させてくれる本だと思います。ゲーム理論で有名な、働きアリと怠けアリの最適比率についても、「何故、一定の割合に収斂するのか」が簡潔に説明されていて面白かったです。 なお、著者は散々、確率的な思考について解説した後、最後に「合理的選択と正しい選択の違いは何か」と問いかけていますが、これに直ぐに答えられる人は稀ではないか、と思いました。 (レナード(fourseventy)/2005-12-10) 例えば宝くじの一等に当たる確率が1万分の一で、100円の投資に対して無限にくじを引いた場合の配当期待金額が40円しかないとする。学生時代に学んだ基礎的な(頻度主義の?)確率の考え方では、「だから宝くじを買うのは無駄」という判断となる。
しかし、万に一つであれ、億万長者になって這い上がる可能性があるのだから買うことに意味がある、という考え方もある。何百万人という大きな単位で考えれば宝くじはあまり意味のあるものではないが、意識を持っているのは個人個人である。当選した人にとっては、当選して億万長者になったという事実があるだけなのである。 また、どの目が出るのも同様に確からしい理想的サイコロを振るのではなく、「仕組みの見えない不確実性」に対してどう意思決定をするか?という難問に挑む事例ベース意思決定やら、「主観的・心理的な確率」であるベイズ理論など、私が知らない様々な確率の考え方があることを知った。 実に刺激的で興味深い本である。 文章はちょっと下手。(人のこと言えないけど) (冬の暖かな鎌倉の海岸で/2005-11-30) 文系の私にとっては、「確率」というと、袋の中の赤玉、白玉というイメージがうかんでくるが、本書はそのような抽象的な確率の話ではなく、社会や我々の日常生活で確率がどのように活かされているか(活かすことができるか)を例を用いながら平明に記述している。
確率の本でありながら、数式は、わかりやすく例示するために用いられているのみであり、文系の読者でも十分読める。そして、多くの豊富なエピソードはとても興味深い。この分野に関心を持つ人にとっては当たり前の話も多いのかも知れないが、このての知識が無かった私にとっては、この本によって、物事を見る際の新しい視座を得たような気がした。 (mfhty/2005-12-06) ど素人のための確率入門。しかも、あくまでも現実生活の役に立つだろうという共通項において、確率の基本的な考え方から、新しい経済学の理論まで、手際よく平易に紹介されています。まあ、ところどころ軽い数式も出てきたりして、本当に数字が苦手な人なら、たぶん、全くつまずかないといえば嘘になるでしょうが、でも、飛び飛びで実感しやすいところだけ読んでいっても、十分ためになると思われます。
とくにすばらしいのが、昨今ネット業界をはじめとするビジネスの世界で大活躍している「ベイズ推定」の基礎を説明する第7章、そして、著者も自画自賛しているように、これまでの入門書ではあまり丁寧に解説されてこなかった、「標準偏差」を扱った第5章です。後者では、バスの到着時刻の例え話や、サーファーにとっての波の高さの比喩を巧みに用いながら、この統計学におけるとても重要な概念の意義が、本当に平明に語られています。 私たちの日常的な感覚や、多くの人がはまりこむ思い込みは、そこから跳躍した冷静な視線である「確率的思考」の高みから見ると、どうしたって「ゆがんでいる」といわねばなりません。その「ゆがみ」をほぐしながら、この不確かな世界で賢く生きていくための方法が、本書ではこれでもか、これでもかと立て続けに提示されていて関心します。自分の人生において「ツキ」をあてにし「祈り」に頼るのは、まず思考を徹底させてからのことである、という知恵の価値をよく納得することができました。 (ソコツ/2005-11-10) 高校時代に「数学T(当時)」しか、必修で履修せず、「確率」といえば中学時代に「やったかも・・・」程度しか記憶に無い(記憶から消したい?)ほど、数学嫌いの私でも、途中で引っ掛かりながらも読み進めることができました。個々の事例を考えながら読むと数学への拒否反応が出そうだったので、一部の数式や数字自体は軽く読み流して、その計算式で何が言いたいのか、何が言えるのかを見ていくようにしました。それでもやはり、かなりの数学嫌いの私には辛い部分もありました。でも、確率を論じようとすれば、いくら易しく書こうとしても、この程度は最低限必要なのでしょう。(これはたぶん、私の数学の知識不足が程度を超えているからだと思います。お恥ずかしい)
そんな私でも、「標準偏差」と偏差値、貨幣保有の動機「流動性への選好」、成果主義、おみやげ選びなど、ためになるものがたくさんありました。経済も数学ができればもっと楽しく見れるんだろうな〜と感じました。 数学を嫌い、避けてきた私に向かって数学が「もっと勉強しておけばよかったね」と笑っているようで、少し悔しいですが、数学の大切さを感じさせてくれた一冊でもありました。 (のりちゃん/2006-10-03) 日常生活からビジネスの世界まで、将来の見通しが不確実なことはすべて確率的に
考えることができます。宝くじや株式市場など身近な例をもとに、いかに人々の 日常感覚が確率的には不合理な行動をもたらしているかを前半で説明します。 後半ではそれがもたらす深刻な問題(リスクの見落とし)や、無意識に「人を真似る」 行動が不確実性下での意思決定として選択されるメカニズムについて語られています。 個人的には中ほどの「ベイズ理論」がわかりやすく、また最終章の、主観的確率から みた不確実性下の選択の正しさについての考察も一読の価値があります。 (カスタマー/2006-04-12) 今から20年くらい前までは、PC9800に向かいながら、様々な統計的な分析をやっていた。その頃は、数式で理論を理解した上でないと運用できなかった。当時、本書に書かれている「標準偏差」の説明があればよかったのにと思う次第。あの頃は数々の事例に遭遇することで理解していったのだから。
しかし現在では、パソコンの性能も格段に向上し、いろいろな統計量の算出も楽になっている。むしろ出てきた結果をどのように読むかが大切な時代になっている。そんな中で本書は、そういった触りを理解するのに有用な書だと思う。 本書に掲載されたモンテカルロシミュレーションも2年ほど前に活用した論文を読んで、なるほどとと思ったし、ベイズ理論も「こういう原理なんだ」と感心できた。 タイトルの「使える!」ようになるには程遠いけれど、統計理論の考え方を読みやすく書いている点を評価し、☆5つ。 (vatmideo/2005-11-27) 数学から経済学に入った経済学者が書いた確率のお話。
確率論の成果のお話を天下り的に与えるだけでなく、確率計算の背景/前提や結果の読み方を経済を中心にした具体的な例で解説してあるので、読みやすくてためになる。古典的統計論ばかりでなく、ベイズ統計、事例ベース意思決定論と新しい成果の本質が手際よく提示されている。確率論としては知っている範囲であったが、いろいろと面白い考え方や例が沢山あって、楽しく読むことが出来た。世の中すべて確率なので(そーなのです、すべて確率なのです)すべての人にお薦め。 この手の本は数式を避けるのが通例で、本書でもほとんど出てこない。新書では仕方のない所だろうが、数式を使った方が分かりやすいのにと思う所もかなりある。一方、数式で埋まった教科書には、数学の前提や結果の限界について本書のような分かりやすい解説はない。この間を埋めてくれる本はないだろうか。マーケット狭いんでしょうね。 (shibchin/2008-03-14) 普段の生活で、TOTOやナンバーズ、
馬券や株式、投資信託とチャレンジするにつれ、 いろんな経済書を読んでみたのだが、 「投資と投機」の違いをズバっと解説した本にはお目見えしなかった。 いわゆる投資の世界では、リスクとリターンという説明があるが、 これがなんたるかを雰囲気ではなく、 標準偏差と平均値(年利回り)を説明した上で、 きちんと基本から説明している本は本書だけだと思う。 最近はやりのベイズ推定についても平易に書かれており 久しぶりに読んでいて、知的探究心をグイグイひきつけられる本であった。 読後爽快感もあり、私がそうなのだが、 特に理系の全員が全員難しい式をよく知っているのではナイ訳で、 本書は確率や統計・意思決定について難しい式抜きで書かれており、 そういった方が投資本を読んでも、なんだかイマイチスッキリしない気分 (なにか騙されている感)を晴らしてくれる本ではないかと思う。 エンジニアであって、経済や投資に興味のある私のような 投資アマチュアには、金融工学の本質的理解への誘導を感じ取ることができ、 近年になく面白かったと思う。 (118Mスポ/2008-06-15) 著者曰く「学校で教わる確率の殆どは受験にしか役に立たない、
人生でそれ以外に使える場面は皆無、学校で教わらなかった 確率的なものの見方・考え方は人生を生きる中で役に立つ」、 こう言われれば仕方がない!毛嫌いしていた確率を怖いもの見たさでつい・・ そんな感じで手にとってしまったが、これが正解だった。 数学力を駆使して、確率を正確に割り出す・・・・ そんな記述は一切なし!! そう、あくまでも確率的(的がついているだけでとっつき 易い)な思考の解説なんだから。 標準偏差→平均到着時刻から前後におしなべて何分ずれるか これ非常に解りやすい! 幾何分布は記憶を持たない→サイコロの出目で解説 ベイズ推定→このザックリ感が役に立つ 文書も面白く(恐らく著者の授業は楽しいはず)、とても 楽しめる1冊に間違いない!! (コビ/2008-06-03) 確率というと難しいと言う先入観に教われますが
この本を読んでみると、「ベイズ推定」でさえ 案外、簡単なものなんだなあと感じられます。 数式をあまり使わず、実例を多用した点が効果ありですね。 (I/2007-03-30) ううむ、ベイズ主義・・・
全12件のレビューを表示しています。真っ正面からの数学的確立や頻度主義と対峙する、主観主義的確率・・・ むうう・・・ 本当に、理系に進めば良かった(圧倒的後悔中)。 厳密な分析手法(モデルや数式の頻出するやつね)に非常に激しい威力があることは、 重々承知中ではあります。 しかし、そうした分析手法は、けっこう相手を選びます。 分析すべき問題が、あらかじめ分析手段を適用しやすいように、コントロールされてない と駄目だし、つーか、あらかじめコーディネートされていないといけないし、威力がありす ぎる分だけ、それが何を測定しているのか、知りたいと思った問題にとって、それを測定 することに意味あんのか、ということを(適用される分析手段とは独立に)ちゃんと考慮 しとかないと、牛刀鶏肉どころか虚空に向けてICBMをブッ放すようなことにもなりかねま せぬ。 だからこそ文芸批評めいた社会学(他分野の人びとに遠慮して言ってます)にも、まだ出 番があるわけで。 最近、ようやく激しく威力のある厳密な分析手法を組み込み得る社会理論が登場しつつあ るかなと思ってはいたりしましたが(圧倒的別件失礼中)、このベイズ主義などを見ますと、 これらの統計手段は、あらかじめのコーディネートなどがなくとも、それ自体で分析を進め る中で、徐々に妥当性を増していけるのでは・・・などと考えたりも。 すげぇ、と思いました。 あー、理系に進めば良かったよ。 (kogonil_35/2007-12-02) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:5.0 はてブコレクション数: |
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確率的発想法~数学を日常に活かす
ASIN:4140019913NHK出版(2004-02-29) 小島 寛之 売上順位:3430 ¥ 966(中古:¥ 574) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:58
平凡な題名が惜しまれる知的刺激に満ちた本。確率や不確実性をめぐる最新のトピックが手際よく紹介されるが(もっとも、語り口の平明さにもかかわらず、本質的な点を把握するのは結構難解)、その最終目的はロールズ流の社会原理を確率論の観点から裏付けることにある。ロールズの社会理論を構成する「無知のヴェール」や「マクシミン原理(最も不遇な人が最も有利になるよう分配を行う)」は、これまで様々な批判に曝されてきたが、それを本書では最新の確率理論の観点から擁護しようとしている。「過去への責任」から分配の在り方を論じる終章は、今後論議を呼ぶだろう。ですます調と、各章冒頭に引用される歌詞の選択が、玉に瑕。
(六条ひとま/2004-04-10)
なんと刺激に満ちた面白い本でしょうか。確率論の本質を私たちの日常の現象と絡めて説明しているので、とてもイメージが掴み易い。7章以降はジョン・ロールズへのオマージュとして読みました。ロールズの思想を大変うまく説明しています。また、それに対するロバート・ノージックの思想にも言及しており、リバタリアニズムに関心のある人にも面白く読めます。さらに、株の期待値戦略や株価暴落のメカニズムにも触れており、相場関係者にも刺激的な本です。
私たちの生き方そのものを問い掛ける本でもあり、このような廉価で面白い本はそうないと思います。確率論、正義論、リバタリアニズム、相場論、環境問題に関心のある人にはぜひお勧めします。 (orientstar/2007-10-01) 私には確率論の難しい話はさっぱりわかりません。
でもこの本で言っているのは、世の中の事象の多くは確率論的に起きている、ということ。 それならば、発想も確率的に考えて、対処すればよい。 簡単なようでいて、実は大きなパラダイムシフトを含む課題ですね。 でも超えることができれば実に面白い世界が広がると思います。 珍しく、新聞の書評欄で興味をひかれて購入した一冊。お勧めです。 (america_kabura/2005-04-28) 確率論の中でもベイズ理論や期待効用理論がメインテーマ。
期待効用理論は大学で習ったことがあるけれど、わけのわからない数学記号ばっかりで非常にとっつきにくかった記憶がある。だけどこの本では、いろいろと具体例で解説してくれるところがよい。大学の時は「効用分析の数理と応用」(コロナ社)を使ってたが、数ページで撃沈したので、これを機に再チャレンジしようかと思った。またナイト流不確実性やコモンナレッジなどの解説もありなかなか新鮮な感じがする。 さらに、いろんな社会問題に確率論(経済理論)を適用し考察しており、原発問題や株価暴落のメカニズムなど、深い洞察を示してくれていると思う。 (mikioです/2007-03-06) 本書のテーマは確率というよりも不確実性といった方がいいかもしれない。
全5件のレビューを表示しています。この世の中にある不確実性をいかに取り扱って生きていくか、それが本書のメインテーマだろう。 保険やギャンブルといったリスク及び不確実性とヘッジのメカニズムは、ある程度知っているとはいえ、うまく説明している。 特に、個人のリスクはヘッジできても、社会全体のリスクはヘッジできない、というのは重要だ。 インフォームド・コンセントに潜む罠は、個人的には目から鱗だった。 インフォームド・コンセントでは統計的にしか説明がなされない(9割の確率で成功する手術とか)が、患者にとって起こるのは成功か失敗かの、つまり1か0かの世界なのだ。 自分と同様の環境では9割の人が成功するとか言うのは、私という患者にとってはどうでもいい話で、重要なのは私が手術に成功するかなのだ。 被害を母体全体に広げて割ってしまうところに、統計の落とし穴があるのだ。 後半では、フランク・ナイトの提起したリスクと不確実性の問題が軸となる。 リスクは発生確率が予見可能だが、不確実性は発生確率さえわからない状況だ。 そして、人々は不確実性をより回避したがる。 これを筆者は、確率の加法性の放棄、つまり足しても1にならない確率、を考えることで説明する。 確率がわからない状況下では、確率が最低となる状況×得点、で得られる期待値(マルチプル期待値)が最大となるように人々は行動するというのだ。 次に、情報の欠落が不確実性を呼び、その情報がコモン・ノレッジ(全員が知っており、さらに全員が知っていることを知っている状況)になることで不確実性回避と同じ現象が発生することを論ずる。 そして、これらを組み合わせると、ロールズの正義論を新しい角度から眺められるのだ。 まず、無知のヴェールの状況下では、人々は不確実性の中にいる。 しかし、基本財にかかわるイベントについては、人々は見分けることができるので、基本財にかかわるイベントはコモン・ノレッジになる、つまり不確実なものではなくなる。 すると、不確実ではないイベントの方が期待値計算ではより大きい重みが置かれるので、結果として「不遇な人々の利益の最大化」になる。 最後の2章では、針を過去に向けて、起こらなかった出来事に対する確率論を展開する。 責任概念とかが絡んでくる部分だ。 個人的な意見としては、そもそもマルチプル期待値の考え方そのものに疑問が残る。 というのも、この方法だと、ツボの中に赤玉と白玉が何個かずつ入っているがその比はわからない状況で 1 何を引いても必ず100円もらえる 2 赤玉を引いたら200円、白玉を引いたら100円もらえる の二通りのくじを考えると、どう考えても2に参加すべきなのに、マルチプル期待値の考えではどちらに参加しても同じという結論が出てしまう。 また、基本財がすべて、そしてそれのみがコモン・ノレッジになるかどうかはかなり微妙なところだと思う。 しかし、ロールズの理論への数学的アプローチとしては非常に野心的で、興味深いものである。 なお、ロールズの議論への、本書とはまったく違った角度からの数学的アプローチとして、佐伯胖『きめ方の論理』がある。 こちらは社会決定理論の観点から、ロールズの難点も指摘しつつも、その意義を強調している。 (θ/2008-09-20) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:5.0 はてブコレクション数: |
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文系のための数学教室 (講談社現代新書)
ASIN:4061497596講談社(2004-11-19) 小島 寛之 売上順位:20737 ¥ 756(中古:¥ 699) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:28
いわゆる文系のための本である。
数式はいくつか出てくるが、それを解くということはない。示されるのは始めの数式ひとつだけであり、それを理解することに重点が置かれている。数式をいかに自分のイメージとして理解するか。そして、数式があくまでモデルであることを含め、現実社会へ当てはめるとどのように用いることができるかに触れている。そのなかで、意外に身近な例に触れることもできるだろう。論理式も書かれているが、民主主義の数式も避けてはいない。 経済学における数学の発展という印象だろうか。解く本ではなく、あくまで読む本である。 (おぎはら/2004-11-21) 本書は、数学を好きになるための本なのである。
好きこそ物の上手なれというように、何かを学ぶためには、 それを好きになることが一番である。 つまり本書は、数学の入り口になる本といえる。 難しいが、入り口から先は自分で探すことになるだろう。 具体的内容は次のとおり。 1、学校では習わない微分積分。数学嫌いを直す第一歩。 2、昨今の流行、論理的な思考について。 そもそも論理的とはどういうことなのか。 数理論理学を用いて解説。 3、距離という概念。ただ長いとか遠いとかいうだけでなく、 これを数学を用いて説明することで、 従来の発想にとらわれない、考えの自由度を得る。 4、パスカルという研究者は、バクチから見出した確率論を用いて、 神の存在を証明してしまった。現代の確率論は格段に進歩したが、 その最たる理論であるブラック=ショールズを、 中学生レベルの数学で説く。 5、数学的感覚は、われわれの中にすでに潜んでる。 今後の数学のあり方を、教育問題も絡めて述べる。 本書をきっかけとして、僕は数学を学びたくなった。 数学の力は多岐に渡り、決して役に立たない学問ではないことがわかった。これほど応用力を持った学問は他にないのである。 そして、数学は苦手だが、苦しいとは思わなくなった。 なぜなら、本書で数学を好きになったからである。 (vrio228/2005-01-19) 微分・積分の記号が出てきたら、それをどう理解すればよいか、論理式って何、数学での距離とは、民主主義を数学で考えると、オプションの価格決定、哲学者たちは数学をどう考えたか?等を材料に、「数学とは?」を探っていく本です。
数式も少々出てきますが、方程式を解くとか、何かを証明する、という点は少ないです。むしろ、その意味とか、背後にある数学的な考え方を説明している本です。ですので、教科書・参考書とは、全く違ったものです。「数学を勉強する」本ではなく、「数学とは、本当はどんな学問のだろう」という本でした。 「数学が使えるようになる」とか「XXXレベルの数学が理解できるようになる」本ではないですが、数学に対する考え方を、変えてくれる本です。 ちょっとヤヤッコシイところも、さすがにありましたが、飛ばして読んでも、十分楽しめるし、筆者の言いたいことは伝わってくる本でした。 (lemonerika/2005-01-20) 著者は数学科を卒業後、予備校や受験雑誌等で数学を教えていたが、最近は経済学の研究者として活躍中の人。言うまでもなく予備校は日本の社会で「教える能力」について競争が成立している唯一の場であり、そこで経験を積んだ著者の説明は極めて明快で、門外漢にも理解できるよう良く工夫されている。
ただ、本書のコンセプト自体に若干無理があった感は否めない。理系の人から見れば「文系」は皆同じに見えるかもしれないが、同じ文系でも法学と経済学と哲学と心理学では物の見方や思考方法が全然異なる。本書では著者はなるべく幅広いトピックを取り上げようと努力したようだが、その結果やや散漫になっている。 内容を個別に見ると、冒頭の「微分積分読解法」は掴みとしては良い。次の論理の話も悪くない。続く距離空間の話になると、私には理解不能な「数学の美しさ」が強調されてガックリ。その後の民主主義とオプション取引の話は分かりやすくて良い。最後の哲学モドキは正直「?」で、他の章とは明らかに異質な感じ。著者が数学道具主義に反発を覚える気持ちも分からないではないが、そうした「数学の美しさ・楽しさを他人に啓蒙しようとする態度」こそが数学嫌いの人には趣味の押し付けにしか感じられなず、反発を生んでいるのだということも理解してほしい。ツールとしての有用性を強調した方が、「文系」の人間にはよほど広く受け入れられるのではないだろうか。 ともあれ、価格分の値打ちは十分にある。週末に一日で読み切る本としては、オススメもできる一冊である。 (world3/2005-01-24) 「数学嫌い」から「数学下手」へ。
この本を読んですぐに数学が上手になるわけではない。数学が好きになるための第一歩になればというスタンスで書かれている。 「文系のための」と題打たれているが、ここでの文系とは経済学・政治学といった社会科学の分野である。 数学を好きになるための肝はイメージ化と論理と法則といえようか。数式・数字からグラフなどを用いてイメージを形成する。無味乾燥に見える数式から具体的なイメージをいかに引き出すかのヒントを著者は多く提示している。また、何にでも法則を見いだすことの面白さも紹介している。一見、数学とは縁遠いような民主主義や神の存在証明にまで数学が使えるとは。大学の講義で数学と論理学の違いは数字を使うか言葉を使うかの違いだと聞いたことを思い出した。 一つおすすめのトピックスをあげるとすれば、セマンティックとシンタックスである。 「正しいこと」と「証明できること」は別である。なるほど、論理的に話しているように見えても全く話がかみ合わない議論とはこのセマンティックな議論であるのだと納得。お互いシンタックスに依拠した話を展開すれば、賛同するかは別にしても理解はできるだろう。日本ではセマンティックな論理学が教授され、シンタックスな論理学はまだまだのようである。ディベートが苦手なのもセマンティックに議論を展開させようとするからであろう。 (糸音/2007-12-12) 「民主主義的な選択の不可能性」を数学的に証明している。しかし、「だから、民主主義はダメなんだ」と価値観には踏み込んではいない。とはいえ、「民主主義的な選択の不可能性」の証明は、本質的なものとは思えない。「等価な選択肢」も「等価な点数評価」もありえない不合理な現実が出発点であると、既にして暗黙に選挙民は理解しているのではないだろうか。
全6件のレビューを表示しています。それでも、敢えて問題提起したことを評価するか否か。私は、後者であった。「今更」という感想だ。 (ひろぴー/2006-11-03) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:3.5 はてブコレクション数: |
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数字で考える
ASIN:4791763653青土社(2007-09) 小島 寛之 売上順位:24219 ¥ 1,680(中古:¥ 1,248) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:18
数学と社会 ||||||
著者は、とても嗅覚が鋭い。本書では、今年のノーベル経済学賞を受賞したマイヤーソンの業績について、受賞前に既に解説しているのに驚かされる。個人的に一番興味深かったのは、実数についてのエッセイ。実数の連続性を信じることは、資本主義の安定性を信じることと同じであると書かれており、後で筆者は冗談ですと括弧書きしているが、決して冗談とは思えない重要な問題だと思った。非常に刺激的な書物だと思う。
(nukki/2007-12-30)
経済学で使われる数学なんて微分・積分しかないと思っていたが、この本に出てくる数学は、無限から実数の連続性、数理論理学、証明論など抽象的な数学が多く登場している。最初はすらすら読めるけど、途中から公理やら推論規則やらで、なかなかイメージしづらい概念が登場してくるので、さすがにじっくり読まないとわかった気になれない。だけど、数学の概念が経済のいろいろな分野に応用されているのがわかり、興味深い。
全2件のレビューを表示しています。抽象的な数学が多く登場しているものの、別に抽象的なお話で終わってるだけではなく、為替変動や不況のメカニズムなど実際の経済の動きや、また政府の経済政策と絡めているのが特によい。 実生活における経済的な視野も広げてくれると思う。 (mikioです/2007-11-20) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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サイバー経済学 (集英社新書)
ASIN:4087201104集英社(2001-10) 小島 寛之 売上順位:31222 ¥ 735(中古:¥ 99) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:4
出版された時期が2001年秋とインターネット・バブルが弾けた直後だったせいか、当時の状況が本書の題名にも影響したようで、それ故に今日では「過去の本では?」という印象を与えるかも知れない。しかし内容は題名とは殆ど関係なく、むしろ今日的にも関連の深い題材を扱っている。例えば、テクノロジーや金融等ビジネス分野でも注目度の高いベイズの定理を説明した部分(2章)は非常に解り易いし、リスク、投機、バブル、個々人が合理的に行動することが社会全体としての最適解に繋がるとは限らない(合成の誤謬)こと、等々の話題に関する本質的な部分を平易に説明している。
著者は簡単な例を使って、モノの本質を簡潔に解り易く説明することに非常に長けているようで、例えば、ケインズ経済学の考え方の骨格についても言及しているが、20余年前に「入門マクロ経済学」(中谷巌著 当時は初版だったが…)を読んでも良く分からなかったような部分も、本書を読んで「なるほど、そういう考え方だったのか!」と気付く部分も多かった。改題して、もっと広く読まれるべき経済の入門書(或いは入門経済学の副読本)だと思う。 (thrivingonrandomness/2008-03-30) 本書は、経済学の入門書・啓蒙書(経済学への誘い)として、とてもわかりやすい。且つ、今日的なトピックスを織り交ぜながら、現実を見る眼を養い、またそれらについて語るための視座を提供してくれる。だから、多くの人に読まれてよいと思う。
だが、「サイバー経済学」というネーミングは少しミスリーディングという印象だ。パソコン・インターネットを介し、われわれ個人個人が市場の参加者になることによって、直面する市場の怖さ、自己責任の辛さ、市場の外部性など、話題をネット社会に向ける苦労は多々感じられる。が、各々の記述やインプリケーションは、寧ろ既知の部分が多く、あえて「サイバー」と言わなくても、本書の本当の価値は損なわれないと思う。 (Masatao/2001-10-18) IT時代の経済学、と言いたげなタイトルの軽やかな印象とは裏腹に、市場に対する懐疑と、そこに個人を参加させることに対する異議申立を影のテーマとした、ある意味でナイーブな論考である。主流の経済学者とは一歩も二歩も距離を置いたナイーブさは、著者がもともとは数学者を目指していた、ということと無縁ではなかろう。
全3件のレビューを表示しています。著者の言う「個人の合理性だけでは社会は調和しないかもしれない」という懐疑は、もっぱら合成の誤謬やアカロフのレモンといったよく知られた概念を念頭においてのものなので、筋金入りの市場主義者には痛くも痒くもないだろう。私も基本的には著者の懐疑を共有しているが、もっと根源的に資本主義そのものを問題にしたいと思っているので、その点では物足りない。 ただ、あれこれと紹介された考え方には面白いものもある。例えば「ネットワーク外部性」。デファクト・スタンダードや一人勝ち現象とつながる概念で、言葉としてはあまりいい出来とは思えないが、現実の市場が時として過小な参加者で均衡してしまい証券不況から自力では脱せなくなるという現象をうまく表現できていると思われる。その他にはベイズ推定の紹介も参考になった。金融工学の紹介は著者自身専門でないせいか中途半端な内容であり、読み飛ばしても構わない。 (開明獣/2004-11-27) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:3.5 はてブコレクション数: |
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数学の遺伝子
ASIN:4534035942日本実業出版社(2003-06-05) 小島 寛之 売上順位:68813 ¥ 1,575(中古:¥ 575) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:32
思わず引き込まれた |||||
この著者が書かれた本の中では一番魅惑でお薦めの本です。
最近映画化で話題になってた「博士の愛した数式」で紹介された素数の不思議な魅力をこの本で再認識させられました。この本に引き続き「オイラー、リーマン、ラマヌジャン」黒川信重著を読めばこの本の内容がより一層おもしろい理由がわかります。きっと素数の世界にどっぷりはまるでしょう。整数論のp進解析のわかり易い解説が同じ著者の「数学で考える」「文系のための数学教室」で書かれていて楽しめました。 (雑学家/2006-02-25)
面白い |||||
「本格的数学」の知識が無くてもRSA暗号,カオス理論,量子コンピューターの概念が理解できる.各トピックの説明の判りやすさもさることながら,極めて巧妙な章立て(ストーリー)に魅せられた;一見バラバラな各章の話題を楽しんだ後で,最終章にクライマックス~大団円を迎えられる.何度でも読み返したい本である.
(Takeshi Nagae/2005-09-29)
何度でも読みたい ||||
自然数,有理数,実数,虚数と世界を広げながら,RSA暗号,確率論,カオス理論,量子力学といったトピックを本格的数学を用いずに平易に説明している.各章の説明の判りやすさもさることながら,全体の構成・ストーリーが非常に優れており,各章を順に楽しんだ後,最後にクライマックス,大団円を迎えられる.
(Takeshi Nagae/2005-10-01)
小島寛之さんの初期の小説「数学迷宮」は美しい物語で、数学と深く絡んだ思想も興味深かったので、この本も期待して読んでみましたが、その期待はちょっと外れ。対象は「それほど数学になじみの無い読者」のようです、その枠に当てはまる人たちにはお奨めです。「判りやすい解説」ってのは少なからずありますが、非現実な例で説明してあるものが多い中、この本は(中学・高校時代意味の掴めなかった)数学が生活に密着しているということを解らせてくれる、という意味で。
ネピア数(自然対数の底)eのことを「オイラー定数」として紹介してあったのは頂けないなあ。全く別の定数ですから。後書きも謝辞もないし、第三者の査読を経ていないんでしょうね。 (あっは/2006-03-15)
わかりやすい ||
この本は基本的なことを簡単に説明しています。
全5件のレビューを表示しています。素数、平方根、虚数など説明がわかりやすいです。 習ったことだが、なぜそうなるかが良くわからないという事が良くわかります。 (てとり/2005-05-23) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険 (角川ソフィア文庫)
ASIN:4044091013角川学芸出版(2008-10-25) 小島 寛之 売上順位:82553 ¥ 780 |
レビュー総評点:9
間口は広いが |||
簡単に読み通せると思ったのが大間違い。
確率論の辺りからヤバくなり、カオス理論の所では細かく理解するのは諦めました。 飛ばし気味ならば、一日で読了できます。 特に最終章は凄まじい難しさで、今度腰を据えて再読しようと思います。 間口が広いので、ちょっとした興味心さえ在れば数学の深さを垣間見れます。 載っている話題も数学チックでもなく、かといって俗世間っぽくもなく。 こういった本をいつも読んでおかないと、全然違うジャンルの発想をする時にセンスが鈍るので大事です。 (まげ店長/2008-11-07)
数学教養書の成功例 ||
数学には日ごろ縁のない自分にはムリかと思いつつ買いましたが、思ったより(恐れたより)易しかった、という印象です。「ヘエー」「フーン」と思っているうちに最後のページにたどりつきます。数学の知識が特にない読者をこうして最後まで導くことができたという点で、数学分野の教養書の成功例と言えるでしょう。
中身は1章が整数、2章が分数、3章が無理数、4章が虚数と、数学が進化していく歴史をたどりながら、こうした「数」と私たちの日常生活との関わりを述べています。前半は身近なエッセイといった趣で、ホントに気楽に読めます。 RSA暗号の仕組みは初めて知りましたが、とても興味深かったです。4章にはRSA暗号を破る量子コンピュータの話が出てきます。正直、ここは難しかったですが、専門家がどういう発想で物事に当たるのか、その世界を垣間見ることができました。このほか歴史上の数学者の発想や目のつけどころには新鮮な驚きを感じました。 (柴犬チビ/2008-12-07)
数学を実用化する ||
まず本書は数学嫌いや数学は本当に役立つのか?と疑問を持つ読者を想定して
全3件のレビューを表示しています。書かれています。 本書のテーマはズバリ数学は日常に役立つか?そして数学に秘められた魅力的なトピックス を様々なカテゴリーからピックアップしていこうという主旨から書かれています。 まずインターネットに必ず必要な暗証番号とそれに使われる素数との関係 暗号論は数学と関係が深くて、古今東西の難題の暗号にも触れられています。 分数のトピックスは行動経済学によく使われる問題(これは直観で判断すると 間違いやすい)ものから確率論まで取り上げています。 特に確率論は量子力学からパスカルの時代の賭博師の話題まで豊富でして読み物としても 楽しめます。 そして小島氏得意のベイズ理論!これは著者の本ならば必ず出てくる言わば十八番です。 無理数の項目はいろんな所からネタを引っ張り出してきます。 まず黄金比から始まって最適貯金と平方根、ネイピア数(自然対数と)利息計算、 合コンの成功確率、 などここが本書の中でも特にネタが集中しています。 馬に蹴られて死んだ兵士の数は典型的な二項分布の問題です、ファイナンスの本によく 出てきます。この話題や前述の行動経済学の話題は他の新書でも読んだことがありますが、 本書の図式化した説明が一番解かりやすかった! こうやってざっと俯瞰してみるとやはり数学と経済学との関係の話題が多い事に気付きます。 株価はブラウン運動もそうですし、全体的に占める割合も高い。 個人的には ・最適貯金と平方根 ・ネイピア数と利子計算 はその日からでも使える実用的な手法なので、それだけ読むのでも本書は価値があります。 ネイピア数は利子計算だけではなくて人口の増減にも実際使われているので、実用化の 典型例でしょう。 (フジキセキ/2008-11-22) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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完全独習 統計学入門
ASIN:4478820090ダイヤモンド社(2006-09-29) 小島 寛之 売上順位:953 ¥ 1,890(中古:¥ 1,471) |
レビュー総評点:213
数学が得意な人間ならば、ともかくも、そうでない人間は、統計学というのは、使い方を丸暗記して、パソコンにデータ入力して、はい、終わりというものである。
EXCELなんかをつかって、自分で計算の細かいところまでをフォローできる類書は多いが、この本の特徴は手計算(電卓はいるが)で紙に書くことで、実行できる点である。そのために、全く、微分積分を使わず=中学数学までで計算可能にしてあります。 そのミソは確率の説明を一切省略したことであり、その先の確率分布の説明も出てこないこと。(これは第0講に書かれていて、最初読んだとき、そんなことが可能なのかと半信半疑だった。)もちろん、数学的な厳密性だとかはすっ飛ぶが、そのデメリットより、メリット=最短・最速の統計学の理解のほうが遙かに大きいことが実感できます。読む気と多少の計算の手間を厭わなければ、1日もあれば、「検定」と「区間推定」が理解可能になります。 (怪力乱神/2007-02-26) 統計学を学ぼうと思い入門書を探していたところ、評価が高かったため購入しました。この本の良い所は、
1.難しい数式がでてこない(不等式、2乗根程度の知識で読める)。 2.読み始めに本書の最終目標が明確に述べられており、最後にはその目標が達成される。そのため読者は、「今やっていることが後々どう使われるのか」を理解して進むことができる。つまり、高いモチベーションを維持して最後まで読める。 3.統計学をもっと深く学習したい読者のために、巻末に著者の5,6行程度のレビューと共に他の統計学の本が2ページに渡り紹介されている。この本を読み終わった後、次にどの本を購入するべきかを指南してくれる。 この3つであると考えます。私はこの本を読み、他の著書『ゼロから学ぶ線形代数』も購入しました。 (student/2007-04-03) 大学の授業で統計学を学ばなければならなくなったものの指定された教科書がいまいち分かりづらかったためにもっと基礎的な事柄が説明された入門書はないものだろうかと探していたときに見つけたのがこの本です。
「完全独習」という看板に偽りなしで、本当に一度読んだだけで統計の基礎的な内容が頭に入ってきました。統計に対する苦手意識を取り除くために高校数学の数式をすべて排除したのも、とっつきやすさが増してよかったです。統計の「基本的な考え方」を知りたい人はこの本から始めるのをお薦めします。 (読書くん/2007-05-17) なぜこのような書が、もっと早く存在してくれなかったのか。。。
どうにもすっきり理解できなかった統計学の基礎が、この本のおかげでつかめた感じがします。 わずか200ページ程度の本で、これ以上削ったら統計学にならないというほど本質に絞り込んだ内容です。 それでも、カイ二乗分布やt分布による検定・区間推定まで説明してくれているのですから驚きです。 以下素晴らしい点を簡単に列挙します。 1.前書き1ページで、対象読者、本の目的を明確化。 2.第0章6ページで、前書きで説明したことを詳しく述べ、本の構成も明確化。 3.2部構成で、まずはデータ処理の基本から、統計的推定の基礎までを駆け足で説明。 後半では、区間推定を深堀り。理解するのが非常に楽になった。 4.高校レベル以上の数学を用いず、本質を分かりやすく説明。 5.具体的で身近な例を何度も取り上げ、各章末で基本的な例題を解かせることで、理解を定着化。 6.巻末に、今後読み進めるべき参考図書を掲載。個々の説明も的を射ており非常に参考になった。 統計学は、偏差値、投資信託などの金融商品のリスク・リターン評価、選挙時の出口調査など、至る所で活用されています。 是非一度お読みになってください。 星5つでは足りないような、素晴らしい内容でした。 (plateau/2006-12-09) 評判が高かったので思わず買ってしまった一冊。ファイナンスの勉強をしていて標準偏差などが出てきたので、その理解を深めるために一気に読みました。
とにかくわかりやすく丁寧な説明で、分散や標準偏差、検定や区間推定までを学べます。また、本文中の例題や、章末の練習問題を解くことで、理解が深まります。 また最後には、文献案内として、この本を読み終えた後に読むと良い書籍が紹介されています。この本のわかりやすさが功を奏したのか、他の方のレビューでもこれらの文献を買った方、あるいは買おうと宣言している人が多いですね。 統計をやらなくてはいけなくなってしまった人や、Excelなどを使って数値は出しているものの、それが何を意味しているのか、いまいちしっくりきていない人など、ぜひじっくりとこの本に取り組んでみてはいかがでしょうか。 (新井宏征/2007-08-13) 統計学に興味を持ったので最初に買ったのがこの本です。数学も全然難しくなく、書き方も凄く分かりやすい一冊だと思います。また、この本は統計学のみならず、その応用や実用性も紹介するので、面白かったです。統計学に興味があれば、絶対に買うべき一冊である。
(Ken Starling/2008-03-15)
読むだけではやはり頭に入ってこないので、簡単に見えても章ごとの練習問題はやったほうがいいですね。計算自体は中学レベルなのでルート付電卓があればOK。
ただ最終2章くらいは結構集中して読まないときついですね。 せっかくの理解を固めるために同じ作法で書かれたこの続編をぜひとも期待したい。 (pharedebaleine/2008-01-17) 標準偏差に重点がおかれています。
標準偏差という切り口から、ボラティリティやシャープレシオの話に展開していて、 統計が分かると楽しい、という気持ちになります。 (コーヒー/2007-12-06) 「現場で使える統計学/豊田裕貴」を読んで、もっと統計のことを知りたくなって買った本です。
単元ごとに付いている練習問題は、やってみたくなること請け合いです。 帯に書かれていた「中学校の数学知識で・・・」は、その通りでした。 ただ、私は文系出身者のため、もう一回読むつもりです。 (ばいぱー/2006-12-19) 今ひとつ理解できなかった統計学が、ようやくおぼろげながら見えてきた。
カイ2乗検定とかt検定を、意味もよくわからず解析ソフト任せにやってきたが、 なんとなく何をしているのかわかってきた。 せっかくなので、巻末で紹介されている書籍を読んで理解を深めたい。 そんな気にさせてくれる本です。 (どす恋/2006-11-23) 抑えるところをきちんと抑え、どうでもいいところをすっとばして
エッセンスを伝えようという意識がしっかりしているのがよい。 手法の紹介にとどまらない、統計の考え方を学べるという点で 統計学を学ぼうという人のイントロダクションとして非常に優れていると思う。 私はひととおり本書で紹介されているような内容を別の教科書で理解してから読んだが 復習と「ココロ」の理解という点で有意義だった。 (reiji128/2008-08-07) 統計学の専門家としてではなく、統計をツールとして使う人へ向けて、難しい話を省きつつ
要点をきちんと説明してくれる良書です。 入門の入門的な位置づけで統計学を勉強する前に一度読んでおくことで、その後の理解度が 全く異なるように思います。 内容は、平均や標準偏差から始まって、カイ二乗分布やt分布まで数学アレルギーの人でも 大丈夫なようにほとんど数式を使わず(使ってもルートや不等式程度)です。 特に説明の箇所は、敢えて文章で著してくれているところも非常にありがたい限りです。 統計学は気になるけど、ちょっと敷居が高いなぁという人はぜひ一度手にとってみてほしい 一冊です! (ふとあご/2008-12-14) 数学的に難しい内容を一切排除し、統計学の「キモ」をとことん解りやすく説明している名著。会社で最近統計学を必要とされる立場となり窮していたところに、救いの神となった名書です。当社の統計学の教科書に選定したいくらいです。
(D/2008-10-11)
素晴らしい。統計学についてはもちろん、数学についての何らの知識も要求することなく、<超入門→入門手前>まで、一気に読者のレベルを引き上げてくれる。本書は演習問題も含めて、小学生程度の算数の知識があれば理解できるレベルであり、小中学生はもとより、社会科科目選択の私立文系大学生にも理解できるようになっている。
全14件のレビューを表示しています。(太郎/2008-08-06) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:5.0 はてブコレクション数: |
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エコロジストのための経済学
ASIN:4492313575東洋経済新報社(2006-01-27) 小島 寛之 売上順位:270234 ¥ 1,785(中古:¥ 1,100) |
レビュー総評点:33
経済学的視点 |||||||||
経済学的視点からやさしく環境問題を説明して、経済学がいかに環境問題の理解に有効かを教えてくれます。
環境問題というと、文系の人たちは安易な近代文明批判に陥ってしまいがちですが、それでは環境問題は何にも解決されないということをしっかり認識させてくれます。 そして、高度な経済学の理論的説明をホントに平易な言葉で説明してくれます。 これから経済学部などで環境問題をやりたいと言う人はまず手にとって見てほしい1冊です。 (momotarou/2006-01-29)
人間は、地球温暖化よりもガソリンの値上げの方に敏感である ||||||
毎日のように環境問題がニュースで流れ、コメンテーターが嘆いても、
新聞2面ぶち抜きでCO2削減の啓発広告が載っても、問題が解決に向かっているように見えません。 それは環境問題が良心の問題ではなく、経済と密接に関係しているからだと本書で著者は主張しています。 「コモンズの理論」やケインズ経済学、「ゲーム理論」などの経済学的指標を駆使しながらも、 できるだけ平易な説明で、環境問題の改善がいかに難しいかを科学的に示しています。 経済学の入門書としても、非常に面白い本だと思います。 私はこの本からたくさんの示唆を頂きました。 ・国民国家が国民の経済的利益を守るがゆえに、国境をまたぐ環境問題で協調できないのは当然 ・経済活動を縮小するのが解決の一番の近道。しかしそれを選択するのは不可能か 本の中にも答えはありません。 ごみの問題をはじめ、現代を生きる上で、環境問題は避けて通れないものとなっています。 本書は「善いことをする」というより上のレベルで環境問題を考えるための端緒を与えてくれると思います。 (yuki-m/2007-07-27) 「エコロジスト」とは生態学者ばかりではないでしょうが,生態学を志す研究者の中にも,経済学に疎い人が多いのは残念ながら事実です.著者は,このような読者を想定して,環境問題を例に,経済学の考えかたをわかりやすく説明していきます.ピグー税や排出権取引,コモンズの悲劇,コースの定理といった,環境経済学の定番のみならず,公共財や逆選択,独占と完全競争,貨幣の機能,ナッシュ均衡など,さらにはマクロ経済学の「投資=貯蓄」まで,より一般的な経済学の基礎がするりと頭に入る良書です.ただし,チキンゲームを「タカ・ハトゲーム」とした解説だけはいただけませんでした.生物学徒にとって,元祖タカ・ハトゲームは,あくまで進化ゲームです.
(青木 重幸/2006-02-07)
環境に対する経済学の貢献しうるところということでは、テーマ選択と、アプローチの仕方はナイスかと思う。経済学の要覧というか、経済学史的なアプローチ。コースの定理、ナッシュ均衡、コモンズなどについての解説は語り口も悪くなく分かりやすい。また、ロンボルグを引いてくるなど視点は幅広く両論併記という点で偏りも小さいかなと思う。
気になったのは最後の筆者の提言。筆者のピグー税に対する反論がそのまま当てはまったり、いくらなんでも構想が未成熟過ぎる。 あと、氏のマクロ経済学に対する論理展開は、ちょっと専門的な立場では評価も変わるだろうな、と。対象となる読者層がどうこう思うような点ではなさそうだけど。 (いぬまぐれ/2008-08-11) 確かにわかりやすいという点では評価できる。はじめて環境経済学を勉強しようとするなら最初に手に取ってみるといい本かもしれない。ただところどころに書かれている著者個人の思想にはまどわされないようにしたい。生態学者の経済音痴をさとすために書いたらしいが、著者が生態学の基本的な事を正しく理解しているかどうかは甚だ疑わしい。生物濃縮のことを食物連鎖と太字で定義(確かに食物連鎖の結果として生じるものではあるが)されてしまっては経済学者のための生態学なる書が必要だといいたくもなる。
(けいひる/2008-03-24)
全5件のレビューを表示しています。[amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 はてブコレクション数: |
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数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書)
ASIN:4062879255講談社(2008-01-18) 小島 寛之 売上順位:17289 ¥ 756(中古:¥ 298) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:45
何年かに一冊の本かもしれない |||||||||||
とても面白い本である。特に前半の幾何学の証明問題にとまどう子供達の話は実に興味深い。直感的には理解で
きている図形の性質を中学校になるとユークリッド原論以来の公理系に則って「わざわざ言語化」しなくては ならない子供達のとまどい。18世紀に日本に原論が輸入されたとき和算学者たちが「当たり前のことをどうして こんな風に書きあらためなくてはならないのか・」と冷淡だったと紹介されるが、なるほどそこには子供も学者 もないのだ。数学の先にあるものへの理解のためには一応原論公理系に従って記述することもまた必要である が、一方でリーマン流の非ユークリッド幾何学という「別の公理系」の存在を知らせておくことが大事であると の論旨は貴重であると思う。さて、このようなとまどいに対する現代風の解決策として「ひとつの公理系で事を 進めていくこと=ひとつのロールプレイング・ゲーム(RPG)を楽しむこと」・・・の導入は面白い。制約だらけ の閉じた世界でなんとか先に進んでいく現実感は、実は大人よりも現代の子供達の方が優れているのかもしれな い。そして現実には複数のRPGもあるのだということは、今の子供達には容易に了解されることだろう。 ところで本書では別のRPGの例としてMIUシステム(もともとはゲーデル,エッシャー,バッハに出てくるらし い)というものが紹介されている。子供達に面白がってもらいながら、公理系というものの本質をつかんでもら う工夫としては非常に良くできている。・・・このような数学の本は読んだことがなかっただけに、大いに感銘 を受けた。 |


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