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統計学でリスクと向き合う 新版―数字の読み方に自信はありますか?
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ASIN:4492470786
東洋経済新報社(2007-10-25)
宮川 公男
売上順位:105398
¥ 2,100

レビュー総評点:
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こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)
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ASIN:4480064001
筑摩書房(2008-01)
編集:大竹 文雄
売上順位:11924
¥ 714(中古:¥ 287)

レビュー総評点:11
経済学は役に立たないと思いこんでいる人々は多いし、経済学の知見を使って制度設計が行われる例もまだ少ない。これに対し、本書は、広く身近な社会経済に関する27の事例を、個人のインセンティブ(及び情報の非対称性や行動経済学の成果等)を使って説明することにより経済学の有用性を示した好著である。近年、同趣旨の本も出版されているが、現在の日本において身近に実感できる経済社会現象を多数取り上げており、経済学に通じた読者にも馴染みやすく楽しめるものになっている。
 内容は経済学に通じる人々には目新しいものばかりではないが、それでも刺激的なものが多い。人によって興味の湧く部分は異なるだろうが、例えば、なぜ一部の人だけが肥満となるか等の健康問題、教育の義務化が長期的な人口増から人口減への転換の背景にあること、人々の生まれ月は制度に適用しようとする親たちのインセンティブによって影響されること、日米を比較すると日本人の方が公共財の提供において「いじわる」で相続においても「利己的」であることなど、意表を突いた議論が楽しめる。
 難点は、一つの章の中に別々の執筆者がそれぞれのテーマで6ページほど書いているが、それらを関連づけずに掲載しているため、内容的に連続感がなく一気に読む際に少々読みにくく思えること。元は週刊誌の連載という事情は理解するが、一般の人に経済学に興味をもってもらう目的からすれば、各パートの連続性をもたせ読みやすくする工夫があって良かったのではないか。読者はまず自分の興味のあるテーマのところを拾い読みしてもよいだろう。
 編者の大竹先生が繰り返すとおり、制度設計において人々のインセンティブを無視してはいけないという点は重要である。日本ではこれを無視した制度設計が多いが、これに対して経済学から一石を投じ、より良い社会作りが行われるように人々を啓蒙することが本書の隠れた狙いだと勝手に想像している。 (烟霞/2008-02-09)
わかりやすくて良いのだけど、ややテーマ的に散漫。
あくまでマメ知識の域を出ないレベルにとどまっている。
あと、複数著者であるせいか、若干視点の違いによる論旨の乱れも気になるところ。
要するにまとまりに欠ける印象。 (毒ギョウザ/2008-02-12)
本書は経済学の入門書というより、経済学的な考え方で世の中の現象を説明したものである。『週刊エコノミスト』の連載をまとめたもので、経済雑誌の中で読むと「ちょっと読んでみようか」などと興味が引かれそうなテーマが多い。

内容は多岐にわたる。肥満、タバコ、臓器売買、教師の質の低下、能力か学歴か、早生まれと遅生まれなど経済とさほど関係なさそうなものから、日本人の貯蓄の低下、株式、貸し渋りなど、まさに経済が対象になったものまである。

それぞれのテーマを、基本的に1人の執筆者が担当している。執筆者一覧を見ると、1980年生まれもおり、若い研究者が中心である。そのぶん発想も柔軟で、新しい視点でそれぞれの現象を見ることができ、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と目がひらかれることもあった。読ませる文章を書く人もいるので、今後、本の執筆で活躍できそうな人材もいて頼もしい。

本書は経済学を知るのには役に立たないだろうが、物事を経済学的な視点から考えられるようになりたいという向きには有益だ。たとえば、教師の質の低下なら、普通なら教師の資質の問題を問うだろうが、本書ではそれを「女性の労働市場における差別が減少し、男女で差のない数少ない職である教師という仕事の魅力が減り、優秀な女性が教師にならなくなってきた」という視点から説明を加え、データの裏付けを与えている。感情的になりがちな社会問題ほど、こういった冷静な視点を必要とする。そういった意味で、本書はたいへん有意義である。

本書の研究はおそらくCOEになっているのだろうが、COEでは多額の公費(つまり税金)が使われているのだから、こういった形でなるべく一般に還元して欲しいものだ。COEにはどう考えてもくだらないテーマもあるようだ。そうでないと言うなら、本書のように一般が読める形で提供し、一般の「審査」も受けるべきだろう。その意味でも本書は評価できる。 (所沢白猫/2008-03-18)
個々のテーマがとても興味深く、ためになりました。
最新の成果が盛り込まれている気がしました。

欲を言えば、もう少し紙数を使って掘り下げて欲しかった。
元が雑誌の連載だから、ないものねだりかも知れない。 (あんとん/2008-03-03)
特に「インセンティブ」の概念を中心軸としながら複数の著者の論文を掲載した書籍。

見方によっては視点の拡散、内容のまとまりの無さが気になるかもしれませんが、
それをそれと受け入れた上で読めば、現実の問題に対する経済学の適用の仕方、
そこから導かれる経済学的真実(実社会で適応出来るとは限らないが)
など、参考になる点が凝縮された本です。

ゲーム理論の「パレート効率的」という概念や、「効率的市場仮説」という考え。
経済学を学んだものには当然の概念ですが、かつて経済を学び記憶が希薄化した方、
独自に経済を学び始めた方、経済学部の学生など、
経済初級者レベルの方が幅広い知識を学ぶには最適の書籍であると考えます。

「新書の厚み」「新書の内容レベル」において、非常に秀逸な作品です。 (belle_epoque0903/2008-10-01)
いまいち実感が伴わない内容ではなく
就職率や学力 株式などの一般人でも
何となく実感がわく分野での記事が興味深い。
問題の全体像を理解することで、本当に恐れなくてはならない
問題かそうでないか?を理解することに役立つ。 (I/2008-04-26)
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平均点:4.0
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経済学入門
経済読み物(1)
 
w:12 h:18 176page
ポール・スローンのウミガメのスープ―水平思考推理ゲーム
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ASIN:4767803322
エクスナレッジ(2004-10)
原著:Paul Sloane原著:Des MacHale翻訳:クリストファー ルイスポール スローン
売上順位:845
¥ 1,365(中古:¥ 890)

レビュー総評点:83
この本の英語版はバジリコ『推理クイズ道場ウミガメのスープ』より10年以上前に出ている。つまり日本ではどうあれ水平思考推理ゲームの本としてはこちらが元祖。
ところが英語版はタイトルにも本文中にも「ウミガメのスープ」という言葉は一切ない。ウミガメの問題も原文ではアホウドリ料理。日本では「ウミガメのスープ」という言葉の認知度が高いがゆえの日本語バージョンか?ああ、ややこしい。
しかしそれ以外は原書の忠実な翻訳。読み物として読んでもよし、友達相手に実際に出題してもよし。手に取ってみて損はない。
なおこの著者コンビによるシリーズは10冊以上出版されている。翻訳が待たれる。 (とっぺんぱらり/2004-11-09)
レベル1からレベル4のパズル的要素の強い問題が計81問あります。
文字数が少ない本なのに最後までたどり着くのがなかなかです。
問題のレベルはランダムに並べられてて、ヒントもあるので楽しみながら読んでいく事が出来ます。
これを読み終わったときには考え方がかなり柔軟(ひねくれた?)になりますよ。 (BODY FAT MAN/2005-04-23)
「こんな答えが分かるはずがない」というものもありますが、この本は、著者も行っている通り、正解を競うのではなく、正解を出すまでの思考プロセスを楽しむための本です。なので、すぐに答えをみるのでなく、じっくり気長に取り組まれるのが良いと思います。
あと、一人でやるより、何人かでやるのと、自分が他の人に質問したりして他人の反応をみるのも結構楽しめます。(そういう意味では、自分が読んだあとでも結構楽しめる) (だどん/2004-11-19)
鮮やかなアイデアのクイズを81問、集めた本です。
まずはちょっと小手調べ。
「残ったリンゴ」
部屋の中にはリンゴが6つ入ったかごが置いてあり、女の子が6人いた。
女の子が1人1つずつリンゴを取ったが、
かごの中にはまだリンゴが1つ入っている。なぜだろう?(p.9)

ええっと、正解は・・・うわー、やられた!
畜生、つぎこそ解いてやるぜ!
「村一番のお馬鹿さん」
ある村の住民たちは、
しばしばその村一番のお馬鹿さんを相手に笑っていた。
彼はピカピカの50セントコインと、
クシャクシャの5ドル札を差し出されると、
いつも喜んで50セントコインを取るのである。
5ドル札は50セントの10倍もの値打ちがあるのに、
なぜ彼はいつも50セントのコインを選ぶのだろう?(p.19)
うむむ・・・そいつホントに馬鹿だっただけなんじゃないの?
正解見ちゃえ!
くっ・・・悔しい! 馬鹿は自分だったか!
面白い、悔しい、くぅぅぅぅぅっ! (lionfan/2005-02-03)
小学校の頃馬鹿げたいじわるクイズが好きだった。
これは大人バージョン。こんなの分かるわけね~だろと
怒りの感情が少し。そしてロジカルに考えてアイデアを
生み出すためにこんな思考方法もあったのか!とサプライズ。
もちろん純粋に読んでいても楽しい。
少し理屈っぽい人と酒を飲むときのネタに!
子どもに出題して優越感に浸るために! (竹本淳一/2005-02-03)
イノベーション力を高める意味では、すぐれた思考法だと思う。

別に、ビジネスの場面でなくとも、友達とゲームとして楽しんだり、
長旅のお供にはもってこいの話題である。

日本では、こういった分野が遅れているため、
このような考え方や、本はこれからどんどん出版してほしいと思う。 (常夏/2007-10-14)
欧米版IQサプリとでも言おうか、
一筋縄ではいかない論理パズルを収めた本である。

欧米文化の下地が無いとわからない問題もあり
納得できない答えも一部あるが、
ほとんどの問題はトリッキーなのにロジカル、
答えを見てやられたという気持ちになる

しかし表題作の「ウミガメのスープ」の問題が
とてもグロテスクで、かつ最も納得がいかないのは
私だけだろうか?

(アジアの息吹/2006-01-30)
 水平思考を鍛える!といううたい文句であるが、字際にやってみると、★が1つか2つの問題はなるほど、発想の転換という意味から「やられた!」というものがある。しかし★3つ以上の問題になると少々無理のあるものが多い。
 アングロ・サクソン人種でない我々日本人には単なるブラック・ユーモアにしか感じない、悪趣味としか感じない問題もある。
 この本のタイトルにもなっている最初の問題Q1[ウミガメのスープ]からして、明らかにきもくてグロテスクな問題である。この手の問題を正当する事で鍛えられる水平思考っていったい何なのだろうか。
 最初に言ったように★1つか2つのケースをまわし読みさえすればそれでいいだろう。
 

(ヒデボン/2008-08-29)
所与の「正解」を理由付ける前提となるべき情報が、問題文からまったく欠落しており、「正解」を与えられても「そんなもん知るか!」と理不尽なイライラだけ募る。
これでは、設問に対して誰がどんな答えを出したとしても、理屈が通る限りどれも"正解"とすべきだろう。
多湖輝『頭の体操』シリーズの方がよほど面白く精神衛生上よろしく、多面的思考のトレーニングメニューとしてバリエーション豊かで、役立つ。 (ever-green/2008-07-08)
問題の穴と、屁理屈を考えるゲーム形式の本。
少なからず納得できないような答えがある。
その理由が、まだまだ頭が固い証拠なのか、
本当に屁理屈なのかは、買ってみてのお楽しみです。 (かるたマン/2008-04-20)
本書はゲーム式クイズを通して水平思考(ラテラルシンキング)を鍛える、という内容です。
出題者の出す謎を解答者が推理する。この時解答者は出題者に「はい」「いいえ」「関係ありません」で返せる質問をすることができる、というルール。
出題ページの裏にヒントとしていくつかのQ&Aがあり、それを基に謎を解いていきます。

問いは星1つから4つまでの難易度に分かれていますが、さすがに3〜4つになると難しいものばかり。
いくつかは日本の習慣にないことが解くカギとなっているものもあって、それはズルイなぁと思いましたが、全体を通して面白かったです。


(あややこ/2009-01-05)
解こうと必死になると答え見て怒れるかも。

気楽にクイズ感覚を楽しもうと思って読むといいかも。

読み始めると最後までイッキにいきたくなります。

ちなみにQ80は、以前「ヒッチコック劇場」(だったかな?)

で、ドラマ化されているのを見ました。これは面白かった!!

ドラマ版をぜひもう一回みたいと思います。

原作と逆方向にドラマが始まります。

原作にはない人物背景が設定され印象的な作品になっていました。

「ヒッチコック劇場」に使われるくらいドラマチックな背景を

想像できてしまう、奥深いゲームです。
(ひなはは/2008-01-13)
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平均点:4.0
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w:13 h:18 249page
セレンディピティの探求―その活用と重層性思考 (角川学芸ブックス)
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ASIN:4046520000
角川学芸出版(2007-12)
澤泉 重一
売上順位:178166
¥ 1,800(中古:¥ 1,175)

レビュー総評点:-2
セレンディピティという言葉に響きにつられ、本を読みました。「セレンディピティ」とは「偶然からモノを見つける能力」と説明がありました。失敗は成功の元とよくいわれますが、それはまさにこのセレンディピィと言う能力があってこそのものと思います。著名な科学者(ノーベル賞の白川教授など)たちの成功はこの能力があったからこそだとこの本を読み、感じました。この能力は才能ではなく、訓練すれば誰にでも磨ける能力と説明があり、その訓練のアドバイスが丁寧に紹介されています。若い研究者や、子どもたちにも教えたい内容です。実際に、研究者として働く自分としても、ぜひとも身につけたい能力であり、その訓練の方法は非常にためになりました。 (oga/2008-03-14)
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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
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ASIN:4478001227
ダイヤモンド社(2008-02-01)
翻訳:望月 衛ナシーム・ニコラス・タレブ
売上順位:877
¥ 2,100(中古:¥ 1,590)

レビュー総評点:238
運がいいとか、悪いとか ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人は、投資に成功した時は、「自分は実力を発揮した」と思いがち。
また、失敗した時は、「自分は運が悪かったんだ」と思いがち。

タレブは、貴方たちは、そもそも「運」と「実力」の違いがわかっているのかと問いかける。

投資における、偶発性の意味を考察し、「運」と「実力」の違いを明らかにした後、
生物学、物理学、哲学、文学、その他あらゆるジャンルに、ランダムに触手をのばし
人を笑わせる。

しかし、タレブの話を聞いているうちに、いつのまにか、自分の過去を振り返り、
色々な事を思い出し、あれは運だったのか、何だったのかと感慨に耽ってしまう。
不思議な魅力を持った本だと思う。

(ご参考)
一括注文のペアとなっている、イアン・エアーズの「その数学が戦略を決める」は
コンピューターによる大量のデータ処理により、統計学の推定が専門家を超えたと言う。
一方、ナシーム・タレブの「まぐれ」は
人生は一回しかないので、確率論からは母集団が少なすぎ、偶発的なものが成功を左右すると言う。

一見、正反対のことを言っているかに思われるが、実は矛盾はしない。両者共に面白い。脱帽。 (至高の豚/2008-02-12)
リスクの考え方が変わります ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
確率統計の側面から金融市場を語っている本です。投資について、確率統計が持ち出されるとき、ランダムな事象のほとんどの部分が一定の範囲に収まる、その内側を利用する話がほとんどです。分散投資をして、ボラティリティを小さくする話とか。
この本でタレフが取り上げているのは、一定範囲の外のまれな事象についてです。このような事象を「黒い白鳥(black swan)」と呼ぶのですが、僕らは、この黒い白鳥を無視して物を考えがちです。でも、黒い白鳥はまれに(でもいつかきっと)やってきて、ものごとに決定的な影響を与えるのです。
起こる可能性が高い事柄に思考を集中させる道具ではなく、まれにしか起こらないけれども影響の大きい事象に思いを寄せる、そんな思考法の転換に気づかせてくれた貴重な読書経験になりました。
たぶん、読者のほとんどが投資に興味がある人なのだろうけど、投資の話はあくまで説明のための事例に過ぎなくて、もっと一般的な日々の暮らし、人生に影響を与える種類の本です。その意味で、「投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」という副題が読者を限定してしまっていてもったいない気がします。 (aaaieu/2008-02-10)
思考力が高まる良書 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自分は上記の2人のような文章力・語彙がないので恐縮ですが、
とにかく広い視野を持つことができるようになる、良い本だと思います。
ランダム性・バイアスについての理解が深まる。
著者は「金持ち父さん・貧乏父さん」の本を批判してる。金持ち父さんのサンプルが
偏りすぎだと。確かに金持ち父さんと同じライフスタイルでも
運が悪くて大損する例もあるだろう。
ただ、長期投資で儲けることを全否定してるわけではなく、
50%は運が支配してると言いたいのだと思う。
社会人なら一度は読むべき本。
(アクア/2008-02-12)
昨今の金融技術の発展は、さまざまなリスク管理手法を生み出した。いわゆるクオンツたちだ。クオンツは、市場の「過去の」パフォーマンスを厳密に分析し、将来のリスクをヘッジしようとする。しかし、それが将来にあてはまるとなぜ言えるのだろうか?筆者は過去のデータに過度に依存するそういった戦略を批判する。

<…市場と(人生)は、勝った負けたの単純な世界ではない。負けたときの損失の大きさと勝ったときの収益の大きさは、まったく違っていることがある。戦略の結果に歪みがあるとき、つまり、損をする確率は小さいが実現すれば大きな損が出る一方、儲かる確率は大きいが実現しても利益は小さいとき、ゲームに勝つ確率を最大化しても、ゲームで得られるものの期待値は最大化されない。低い確率で大きな損失が発生し、高い確率で小さな利益が出る。>(p.155)

今「勝っている」ように見える市場参加者も、それは数年単位の「まぐれ」あって、彼らのモデルで予測できない(しかし起こる)事象に吹き飛ばされるのを待っているだけなのかもしれない。というか、タレブによれば「勝ち組」のほとんどはまぐれによるものだ。情報とノイズをみんな勘違いしている。サブプライムは、損をするはずのない商品だったらしい。今はそれでみんな吹き飛んでいる。

しかし、勘違いしてはいけないのは、タレブが批判しているのはリスク管理手法のことではなく、それを常に過信する人間たちのことである。タレブの知る限り、長期にわたり生き残っているトレーダーはみんな「どうなったら自分の仮説が間違っているかをはっきりさせている」そうだ。みなさん、自分の説が好きみたいで、それで失敗するんだって。尻が痒い。耳が痛い。 (djwaraji/2008-06-21)
まず著者の株式投資法は「市場には稀な事象を逆手に取るトレーダーがいて、
ボラティリティは良いニュースである。小さな損失はよく出すけど、滅多に儲けない
けどビッグチャンスがくれば大儲けする」数理系のトレーダーです。

本書は投資法そのものよりも、むしろ一般的なトレーダー、ファンドマネージャーが
如何にして間違った手法を用いているかを確率的手法を示しています。
著者の得意のモンテカルロ・エンジンを使い、様々な経路をシュミレートして
現在の状況はその中の唯1つの可能性に過ぎないと解説しています。

ここから大金持ち(ビル・ゲイツなど)はたまたまその可能性の1つがうまくいったに
過ぎない。オーディションに通った俳優も少し状況が変わったならば、カフェでバイトを
引き続き行なっていたかもしれないというまさにパラレルワールド的な内容を
確率論を用いて表現しています。

また著者はポストモダニズムへ継投しているためかやたら哲学から前衛芸術に
精通しています。本全体にエッセイ風にその博識を散りばめています。

巻末の参考文献は必読書の集合です!
実は本の内容以上にこの参考文献は役立ちまして、私の読んだ限りでは
脳科学、確率論、ネットワーク理論など珠玉の名著が並んでいます。
孫引きに使うには持って来いの作品群です。 (フジキセキ/2008-02-19)
 独特の用語や言い回しが多く、翻訳物であることもあって、本書の内容のすべてを正確に理解することは難しかった。が、本書の視点には独自のものがあり、自分自身、常々、投資においては「まぐれ」(あるいは「幸運」「たまたま」)の要素が非常に大きいと感じていたので、共感するところは多かった。
 確率論や生存者バイアスや期待値、後知恵などの点については、あらためて納得する点が多かった。未だに世にあふれる「○億儲けた」系書籍のアホくささをあらためて感じた。また、多くのテクニカル分析についてのコメントも同様にほとんど意味がないものだろう。
 多くの個人投資家に必要なのは、通常考え得るいかなる事態(黒い白鳥が現れる事態)になっても破綻するようなことのないスタンスを持ち、訪れるかどうかはわからないが、いい意味での「まぐれ」をうまく生かせるよう、あるいは「まぐれ」に恵まれる前提条件を整えておくような運用を継続していくことではないか。 (伏見の光/2008-02-28)
手法としての統計学ではなく、思想としての確率論の視点から、人間の判断のありようや、世界の不確実性を説き、浮き世は「まぐれ」と「こじつけ」に溢れていると断じるアカデミック・エッセイ。論じられている対象がカオスなら、論じている本人もカオスである。何せ著者は著名なトレーダーである一方で、哲学に文学にファイナンスを修めた大学教授でもあるらしく、自身の投資経験とそこで見聞きしてきた生身の人々の悲喜劇を、雑多な理論や格言で凝り固めて読者の前に盛り付ける。しかもたっぷりの毒舌ソースで味付けした上でだ。山っ気にまみれたトレーダーのひしめく世界にあっては間違いなく学術肌のひねくれ者だろうし、一方で学者の世界にあっても、研究室では得がたい生きた人間行動や確率事象のサンプルを浴びてきたという意味で稀有な存在なのかもしれない。

歴史は過去から学ぶことを教えてくれるし、確率は将来から学ぶことを教えてくれる。しかし、人はどちらからも学びがたい。私たちは見えるもの以上のものを見ようとするし、そのくせ見えているはずのものを見ようとしない。偶然を認めることは一種の勇気であり、偶然を考慮しないことは勇気ではなく蛮勇である。こうしたことの理論的な裏づけを、哲学や統計学や行動科学からこれでもかというほど引用し、具体例も豊富に示してくれる。

ただ、その具体例が金融商品の取引に偏っているきらいはある。数字や確率で論じやすい対象のため、例証としては最強なのだが、投資になじんでいる人ばかりではない一般への訴求度という点では必ずしも最適ではないかもしれない。そのため、投資のように利得や確率を定量化するのが困難な人生や生活面での課題に応用するのは容易ではないが、問題の本質的な構造を明示してくれる点で非常に有意義である。

「私の唯一の強みは、自分の弱みを知っていることだ。」と著者は言う。本当に賢い人とは、自分が賢くないと分かっている人なのかもしれない。これは「無知の知」にも通じる。人間が愚かなことも世界が不確実なことも抗いようのない現実だが、著者は安易なニヒリズムには陥らない。宗教も確率論も無かった時代に人々が不確実性に立ち向かうよすがとしたストイシズムを、毒舌も乾きかけた巻末になって「美意識」の観点から推奨しているのは誠に示唆的だ。 (gomame/2008-11-23)
書き方はやや冗長であるが、本質を突いた考察が繰り広げられる。
これは、投資だけではなく、現代の科学(社会科学、心理学をふくむ)一般に普遍化される内容を持っている。
この本の内容は、1ページからの各章のまとめではなく、8ページにある表にまとめられている。
「その数字が戦略を決める」(文藝春秋)という本の内容と重なる。
著者が書いているとおり、投資評論家(一部の経済学者、経営者も)はこの本を読んでも腹を立てるか無視するかのどちらかであろう。でも、科学の心のある人がこの本を読めば、そんな人たちが何を勘違いしてかたくなに信念や憶測を正しいことのように語り、まぐれや逸話から因果関係を論証しようとしているか、その悲しい弱さに気づかされるだろう。

よい本だ。ぜひ読んでほしい。理詰めでものを考える人にとっては、とてもおもしろく読める。 (pooh bear/2008-03-23)
著者はウォール街の投資家なので、本書は投資関係のものとも読めるが、実際は人生論的な要素もふんだんに散りばめられた、小さな枠にとらわれない著作である。統計や確率論などに精通した読者が特に新しい事を学べる分けではないが、多彩な好奇心に彩られた読書歴を持つ著者が、社会における様々な現象がいかにランダム的要素に影響される事が多いかなどを雄弁に、歴史、科学、哲学、数学、心理学など様々な角度から醸し出す。好奇心を刺激してくれる大変な良書だ。

市場の動きなど、特にランダムな要素が大きい世界で陽の目を見る成功者の殆どは、生存バイアスの結果であるとの指摘や、株式投資などにおいてノイズとシグナルの区別を付ける能力の無いジャーナリストなどによる報道に惑わされることの愚かしさなど、的確に示唆を与える。ただ、モンテカルロが何を意味するか全く分からないような読者にまで説得力がある説明が細かくなされているかといえば、必ずしもそうは思わない。そのような読者は、運の女神も、結局は準備万端な人間を報いる事が多いという、著者の前書きの言葉を肝に命じておくべきだろう。そして、著者自身はサブプライム後もかなり儲けたらしいが、どのような戦略をもって資産を運用しているなどの具体的なヒントは書いていない。ズルいな(笑)。

理系の素養がある読者にとっては、主張自体もっともであり、特別に啓発されることもないと思うが、こじつけの事後評価ばかり重要視される現実世界に生かざるをえない現代人としては、雑音に惑わされず、運命の流れと割り切ることの大切さを思いださせてくれる面白い本である。

(原著2版へのレビュー) (cupiemayo/2009-01-01)
不確実性という観点から、私達が陥りがちな様々なバイアスについて、具体的な例を用いて説明がなされます。不確実性の下で私達にできるのは、尊厳をもつことだけなのです。 (patience/2008-07-19)
評判の書だ。ブルームバーグや池田信夫氏らの高い評価を得ている。
近所の公立図書館では、なんと予約が80人待ちとなっていた。
経済書としては異例のことでは、ないだろうか?

職業トレーダーの方が、その思うところを余すことなく書いているのだから当然のことだろうが、本書は決してやさしく無い。他のレビューアーの方もご指摘されていた訳の不適切さという問題もあろう。
(ただし、池田信夫氏によれば、本書はいったん別途翻訳されていたが、あまりにひどいので新たに訳されて出版されたとのことではある。)

なお、米国では著者の新著「ブラックスワン」がすでに出版され、「まぐれ」以上に大好評となっており、邦訳出版の準備が進んでいることを付け加えておきたい。

(mikeexpo/2008-08-17)
実に痛快 ||||||||
「不適者生存の法則」は実に痛快だ。
ここ数年、アマゾンや出版プロデューサーと結託して
ベストセラー作家となった著者は全て例外なくここに分類されるだろう。
運がいいだけのバカには信者がつくというのも大いに納得ができる。


(good job !/2008-07-05)
翻訳が ||||||||||
なるほど、やっぱりそうか、と思えるところが多い本だ。
ただ、あれも偶然、これも偶然と言ってしまうと、何を基準に将来のことを考えるべきなのかがわからなくなってしまうなあ。
買って良かったとは思うが、翻訳が良ければ、もっと楽しめると思う。 (ナツゾウ/2008-05-27)
我々の感情が、どれほどリスクや損失への認知や判断を歪めるか、心理学(行動ファイナンス)や統計学を踏まえて語られます。人間である以上、間違いは免れない(だからストップロス等のポジション管理は先にしておくべき)。また、現実の世界は正規分布でとらえられるほど素直でない(サンプルの問題などで)、と。

著者の古典と哲学の教養ゆえに私には多少読みにくい部分もありましたが、「MBAほど吹き飛びやすい」「LTCMの失敗は、彼らノーベル賞学者たちが自分の喋っている問題を全く理解していないか、宇宙の歴史数回分に一回の事象であったかのどちらかだ」などおもしろい話が多数。ジム・ロジャース(批判される方)やジョージ・ソロス(賞賛される方)なども出てきて飽きさせません。

本質は、誠実で健全な科学の本だと思います。一方で、株や為替をトレードする上で示唆になる面もあり(第5章に悪い例掲載)、実務・実戦への適用もしやすい内容です。

副作用として「どうせ偶然が物事を支配するのなら・・」と虚無感に襲われるかもしれません。私はそれを株式投資の新しい考え方―行動ファイナンスを超えてで中和しました。 (黒船/2009-01-06)
難解な本ですね。なかなか読みこなせなかった。いつかまた、挑戦したいとは思うんですが。
トレーダーに限らず、人は(もちろん自分を含めて)成功すると自分の功績と思いたがり、
失敗すると外部環境のせいだと思い安い。確かに思い当たる節があります。

この本を読んでモノの見方、捉え方が多少違ってきたかなというのが収穫ですかね。

でも、なかなか意味の捉えにくい箇所があり、読むのに苦労した本でした。 (モト松田/2008-12-24)
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イノベーション・シンキング
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ディスカヴァー・トゥエンティワン(2007-08-15)
ポール・スローン
売上順位:8873
¥ 1,680(中古:¥ 1,272)

レビュー総評点:50
「改善」はこれまでのやり方の延長である。
何故今「改善」ではなく「イノベーション」が必要なのか。
それが本書の中では繰り返し書かれている。
どんなに馬車を改善したところで乗用車の速さと快適さには及ばない。
なるほどその通りだと思います。
今のやり方に満足していると、いつか他の人、企業に置いてかれる。

では、どうすればイノベーションできるだろうか。
見方を変える、案を組み合わせる、とにかくたくさん出してみる。
等々、目新しさは感じられないけど、その分簡単そうで
読後はとにかく試してみたくなる。
そんな気にされられます。 (にぼし/2008-05-02)
「水平思考10のスキル」は、この手の本を読み慣れている人には特に目新しさはないかもしれません。本書の特徴はむしろ「ありがちな誤りー創造力を押しつぶす12の悪習」にも触れていることかもしれません。良いポイントをついています。これらのチェックポイント(→目次を御覧下さい)、かなり有用です。各章が具体的かつ簡潔に分かり易く記述されていて、半日もあれば通読できます。頭の整理になりますね。
創造力を鍛えるという意味では「アイデアのつくり方」(J.W.Young)、「アイデアのヒント」(J.Foster)、「頭脳を鍛える練習帳―もっと“柔軟な頭”をつくる! (旧題 "頭にガツンと一撃")」(ロジャー・フォン・イーク )、「シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!」(ジョエル・サルツマン)、「コリン・ローズの加速学習法」、「ものづくり道」(西堀 栄三郎)などと共にお薦めしたい本ですね。イノベーションの具体例については「発明家たちの思考回路 奇抜なアイデアを生み出す技術」(エヴァン・I・シュワルツ)、「『白い光』のイノベーション ー ガス灯・電球・蛍光灯・発光ダイオード」(宮原 諄二)などが面白いと思います。 (ゴルゴ十三/2007-10-27)
 著者は顧客に米ボーダフォン、IBMなどを抱えるる
国際的経営コンサルタントで、ロジカル・シンキン
グだけではイノベーションは起こせないと言う。
必要なのは、懸命に働くことではなく、賢明に働くこと、
つまり別のやり方をとることであり、
もし見つけられないのならば、物を限られた視点から
しか見ていないとまで主張する。本書では、様々な事例を
挙げることにより、イノベーションを起こす具体的な方途を示す。
 
 困難を打開するには、いつもと同じやり方ではなく、
大胆で新しいことに着手しなければならない。それこそが、
イノベーションであり、それをもたらす思考法を「水平思考」という。
水平思考を身につける方法として「前提を疑う」「探り出す質問をする」
「見方を変える」「奇抜な組み合わせをしてみる」
「アイディアを採用し、応用し、さらに改良する」「ルールを変える」
「アイディアの量を増やす」「試してみて、評価する」
「失敗を歓迎する」「チームを活用する」の10ステップを示す。

水平思考は訓練や練習を積めば誰でも多くのアイディアを
生み出すスキルを身につけることができると主張する。 (もりぞ/2007-10-12)
『ウミガメのスープ』シリーズが好きだったので、ポール・スローンの新作ということで
早速購入。

読む前は、「イノベーション」って、なんだか難しそうと思ったけど、中身は、「すごい発想」をするための方法、それも「ルールを変える」とか「奇抜な組み合わせをしてみる」とか、すぐ実行できそうなことが書かれてあって、これなら自分にもアイデア出しの訓練ができそうです。

あと、これはクイズ集ではなくビジネス書なので、過去の偉人たちはどんな発想をしていたのか、またここで得た発想をどうビジネスに生かせるかがわかって面白かった。
(CCB/2007-08-28)
小難しいことは、一切書いてありません。
どんな風にアイディアを出すか。
具体的な手法が紹介されています。
また、イノベーションの大切さを、過去の経営者や有名人の失敗や成功の例を使って述べられています。
頭が固くなってしまいそうなとき、
手に取りたい本です。 (mimi1031/2008-10-13)
本書には、イノベーションを起こすための、
さまざまな発想法が紹介されている。

著者は、日本の会社における問題点を鋭くとらえており、
イノベーションの大切さがよくわかる。

具体例やトレーニング方法もたくさんのっているので、
かなり読みやすい。

何気なく購入したのだが、思わぬ名著で驚きであった。 (常夏/2007-10-11)
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史上最強の論理パズル―ポイントを見抜く力を養う60問 (ブルーバックス)
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講談社(2003-11)
小野田 博一
売上順位:1255
¥ 788

レビュー総評点:28
 小野田御大の論理パズルシリーズ。ブルーバックスから出ているものであればどれから手を付けてもOKだ。
 さて、本書の特徴はというと・・・・。週刊誌に連載されていたものなので、比較的短時間で解ける(はず)もの。解くときの目標は1分から2分程度か。条件の一つを真と仮定した時に、結果としてどうなるかを吟味するような問題が多い。
 くれぐれも読者は、問題を解いて答えあわせをして、一喜一憂するだけの読み方をしないように。本書の妙味は「論理的に考えるポイント」という短い文章にあるのだ。<既に何を考えたかを覚える><思い込みに注意する><コツコツ考えることを軽視しない>等々の御託宣の数々は、いちいち納得。
 コラムにあるゲーデル不完全性定理の説明は、実に簡潔でエレガントである。 (itv/2005-01-13)
内容濃い作品集 ||||||||||||
真偽の発言を交えた論理パズルです。
難易度の表示はありませんが、似たような(最初の方が若干簡単かも)難度で、極端に簡単でも極端に難解でもない、丁度良い程になっています。
ただ、紙とペンを使った方が楽に解ける問題もありますので、油断なさらずに。
しかし…、小野田さんのまえがきは、本気なのか冗談なのかよく分からない。 (podpod/2003-11-22)
単純明快な論理パズル。
全問同じ形式での出題なので、
何通りも仮定して結論を導くという癖が身に付くと思う。
公務員の判断推理をやる前にこれをやると良いかもしれない。 (エリエール/2008-11-16)
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人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
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ASIN:4788504480
新曜社(1993-06)
原著:Thomas Gilovich翻訳:守 一雄翻訳:守 秀子トーマス ギロビッチ
売上順位:501
¥ 3,045(中古:¥ 2,999)

レビュー総評点:94
目から鱗が。 |||||||||||||||||||||||||||||
厚い本でしたが、一気に読んでしまいました。特に記憶に関することは
いかに先入観で汚染されやすいか、また、何故に短絡的に関連付けてしまう性質が人間にはあるのかが実験例と共に説得力をもって語られています。故に裁判などでは文章などの物証が証拠として重要視されるのだと改めて納得。日記をつけておいてよかった、と思ったことが私の実体験であったので。小難しい本かもしれませんが、読んでおいて損はしないです。ものの捉え方が確実に変わります。特にトンデモのもにはまりやすい人はぜひお読みください。(トンデモものにはまる人がそもそもこの本に出会うこと自体、まれかも。私も、もっと早くに出会いたかったです。しくしく・・。) (ハニーサックル/2003-10-22)
誇大広告はなぜいまだになくならないのか。迷信、ジンクスと呼ばれるものが、先進国でも幅を利かせているのはなぜか。怪しげな民間信仰が現れるのはなぜか。超能力者が減らないのはなぜか。
これらの疑問は全て人間個々が生み出す「信念」による誤解の結果である、と筆者は説く。実験社会心理学・認知心理学の準教授を務める筆者の主張の展開は非常に示唆に富んでいて、興味深い。また、「こうであるかもしれない」というあいまいな(この「曖昧性」が筆者の攻撃目標の一つでもあるのだが)論理展開で話を進めていくこともないため、科学教養書として安心して読むことができる。
人間も動物である。進化の過程で、外界から全ての情報を得ようとし、それを元に推論を立てたり、その後の行動の予測につなげたりすることは実際的ではない。そのため、必要最小限の情報に基づいた判断(=信念)を確立し、それに則って行動を行う。その情報の取捨選択の中にこそ、「誤信」の生まれる余地があり、冒頭に述べたような、第三者的に冷静に見た場合、眉唾的なものに走ってしまうことになる、と筆者は述べている。
「ものを幅広く見て偏りを排除する」ことが大切だとよく言われる。しかし、本書を読むとなかなかそうしたことは現実には難しく、「誤信」がいかに生まれやすいものであるか、ということが良くわかる良著である。 (ぶれぐま/2005-11-04)
迷信や誤信に引っかかるのは、人間の知性が拙いからではなく、実は極めて優れているからであるというい逆説的な事実が本書によって理解できると思います。事象が複雑に絡み合った世界の中で、因果や秩序を人間が如何に巧みに洞察するか、ということが「ヒューリスティクス」という概念によってわかりやすく説明されています。
生存のためには(とりわけ人間が進化した原環境である野生環境下では)物事の因果関係を見逃すことは即致命的なミスにつながることがあるので、因果の兆候を検知するとそれを確証する前に速やかに「実在する因果」として同定してしまうという(野生環境下では「正確さ」よりも「迅速さ」のほうがより重要になります)、いわば「生存知」とでも言うべき知性を人間は備えています。この知性は通常は極めて適切に「因果」を見出すのですが、それでも百発百中というわけにはいかず、実際には存在しない「因果」を存在すると誤認識することがあります。これがつまり迷信・誤信の由来なのですが、こうした迷信発生のメカニズムを身近な実例をもとに(例えばツキのような)丁寧に解説してくれています。
ロジカル・シンキングの入門書としての用も果たしているのではないか、と思います。本書の内容を理解すれば、「ルルドの泉」や「宝くじの当たる神社」、「地震雲」、あるいはテレビでよくある「性格テスト」のような迷信やインチキ実験のからくりを看破できるようになって、小気味よい気分を味わうことができるでしょう。 (マクシ/2005-05-26)
どうしてギャンブラーは繰り返し損をしても「今度こそ儲かる」と信じるのだろう...。
どうして占いは当たる(当たっているように感じる)のだろう...。
どうしてルーキーには「2年目のジンクス」がつきまとうのだろう...。

 人の心はさまざまな情報を自ら統合しつつ外の世界を認識しています。情報量は膨大ですから効率的に処理しなければならず、要らない情報は取り除かれ、重要な情報は他の情報と一緒にまとめられて単純な形にされます。この合理化の機能こそ、コンピューターには到底真似のできない、人の心のすばらしさです。

 ところが、この優れた仕組みがあるが故に、無いものを認識したり、意味の無いものに意味を見出したり、人はしばしば迷信や誤信や過度な自信に、極めてあっさりと陥ってしまいます。

 そんな人の心の不思議な性質について、本書は認知・社会心理学の視点から考察をしています。著者は学術的な心理学のエキスパートであり、多くの実証研究を踏まえながら説得力のある論を展開していきます。

 訳文の質の高さもあって文章は判りやすく、内容の充実具合とは裏腹に無味乾燥な学術書からほど遠い読みやすさです。アメリカでの話題が多いものの、心理学には縁遠い読者にも馴染みやすいトピックスが散りばめられており、読後には冒頭の問いの答えに気づくでしょう。

 人の心についての知的好奇心を満たすだけでなく、迷信や誤信にできるだけ陥らない為にも大いに役立つ本だと思います。 (阿楠/2008-09-03)
本書では、人間が思考のプロセスをスキップして、無意識に信じがちな迷信や超能力と言ったものを、唯物論的立場から考察、解説した本です。

人間がなぜ騙されてしまうのか、を追及する事は大変意義深いと思いますし、本書で例に挙げられた、湾岸戦争時のイラクによる原油放出ニュース(後に誤りだった事が判明)などは、その間に実際に起こっていた事が記録として残っている為、”どのように世界の人は騙されたのか”という著者の結論にも説得力があります。

しかし後半で例として挙げられた、信仰及び超能力と言ったテーマに於いては、「始めに結論ありき」(つまりそんなモノは存在しない!と言う考え方)で話が進められているように感じます。
ルルドの泉で、「めがねや、補聴器、杖は捨ててあるのに、なぜ義足が無いのだろう」と言う表現は、本書で奇跡や超能力を否定する立場にある著者自身の考え方と自家撞着を起こしています。

ロジックに凝り固まった人には痛快な本でしょうが、全てを素直に受け入れる事は出来ませんでした。 (jiateng4/2008-04-24)
魅惑的な目次通り、本文も人間を知りたい者にとっては魅惑的な内容。
人間がいかに信じやすく、自分に都合よく考え、あいまいな生き物かを、実験と例文で淡々と述べてゆく様がなかなかに好み。
読み続けると、何故情報が人づてに伝わると次第に変化するのか、その答えまでおぼろげに浮かんでくる。 (mitinoku_r2d2/2005-03-21)
 湾岸戦争(1991年)の時の事である。アメリカがイラク空爆を開始した直後、或る衝撃的な映像が、テレビを通じて、世界に流された。それは、原油にまみれた真っ黒な水鳥の映像であった。そして、その際、その映像に加えられた解説は、イラクが、ペルシャ湾に原油を放出した為に、ペルシャ湾が原油で汚染され、ペルシャ湾では、この様な深刻な環境汚染が発生して居ると言ふ衝撃的な物であった。
 この映像に、世界各国で、イラクに対する怒りの世論が湧き上がった。そして、一部の国では、「イラクに対して、戦術核兵器を使ふべきだ。」と言ふ声すら上がったのであった。--この「イラクに対する戦術核兵器使用の声が上がって居る。」と言ふニュースを聞いた時の衝撃は、今も忘れられない。
 ところが、それから間も無く、海流の速度などからして、その映像が撮影されたとされる場所で、報道が伝えた日に、「イラクが放出した原油」が海岸を汚染するとは、到底考えられない事が、指摘された。それから、テレビは、その水鳥の映像を伝えなくなり、更に後、湾岸戦争が終結して数ヶ月後、その海岸が原油で汚染された原因は、実は、何と、アメリカの空爆によって破壊された油井から原油が海に海に流れ出し、そこに流れ着いた為らしい事が、確認されたのであった。つまり、「イラクがペルシャ湾に原油を放出した」証拠は全く無く、それどころか、アメリカこそが、その水鳥を油まみれにした張本人だったらしい事が明らかに成ったのである。ところが、それにも関わらず、その映像が放送された直後には、世界中でイラクへの怒りが巻き起こり、一部では、イラクに対する戦術核兵器使用の声すら上がったのであった。--もし、あの時、あの水鳥の映像に関する解説がそのまま信じられ続けて居たら、一体、何が起きて居ただろうか?
 人は、騙されやすい。そして、騙されやすいが故に、「国際世論」すらもが、この様に、核兵器の使用にすら、容易に傾く事を、この水鳥の事例は語って居る。--人間は、どうして、これほどまで、騙され易いのだろうか?
 本書は、そうした人間の騙され易さを、様々な事例から分析した、アメリカの心理学者トーマス・ギロヴィッチ(Thomas Gilovich)の著作の日本語訳である。--心理学者である訳者(守一雄、守秀子、両氏)の日本語は、読みやすく、明確である。--本書を読むと、容易に騙され、踊らされるのは、カルト教団の信者ばかりではない事が、痛感される。この情報過多の現代社会で、人がどの様にして騙されるかを理解する為に、この名著が、多くの読者に読まれる事を切望する。
(西岡昌紀・内科医/オウム真理教信者による坂本弁護士一家事件から
 16年目の日に) (西岡昌紀/2005-11-04)
 The Skeptic's Dictionaryの自己欺瞞の項目にある「大学教授の94%は、自分が同僚より良い仕事をしていると考えている。大学生の25%は、自分が他人との協調能力では上位1%に入っていると信じている。大学生の70%は、自分が平均以上のリーダーシップを備えていると信じている。平均以下だと考える学生は、たった2%にすぎない。」は本書からの引用である。
 ほかにもテレンス・ハインズが書いた教科書、カール・セーガン最後の著作などにも、本書を参照し、引用して書いた章があるほどだ。
 
 これらのことからも本書の重要性は判るだろう。もちろん普通に認知心理学の領域でも古典的名著である。とくに人間の認知の機能そのものが、ニュートラルだと誤信を積み重ねてしまう仕組みになっていることを、実験を交えながら力強く示しているのだから。

 まさに誤謬・誤認・誤信形成の専門書なのだ。さらに読み物としても面白いのだから、もう大変だ。

 懐疑論者必読なのは当然である。実際に教材として採用している大学もあるようで、特別な知識が必要というほどではない。超常現象領域に関心を持つ向きは、立場に関わらず一読を推奨する。とはいえ昨今ではさらに洗練された類書も登場しているの、必読とまではいわない。 (ワカシム/2008-10-18)
論旨も明確で読みやすい。人間がいかに騙されやすいか、信じ込みやすいかということを科学的
に紹介してくれる。
超能力の問題、総合的健康法と呼ばれるものなど、具体例も豊富に解説されている。

マスコミなど、無数の事実の中から商業的に受ける内容、側面だけを故意に選んで、歪んだ
情報を流すというのは良くあることでしょう。

これだけたくさんの情報が氾濫し、インターネットの普及によって誰もが簡単に情報にアクセス
できる時代、社会科学者の役割は大きい。物事を正確に判断するための良書と言えます。 (モト松田/2008-12-23)
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急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1) (SB文庫)
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ソフトバンククリエイティブ(2007-06-23)
翻訳:高橋 啓マルコム・グラッドウェル
売上順位:168
¥ 819(中古:¥ 685)

レビュー総評点:46
マルコム・グラッドウェルの「ティッピング・ポイント」の廉価版。

バズマーケティング、バイラルプロモーション等々、WOM(Word Of Mouth)周辺のマーケティングに対して、ネットワーク理論から切り込みを入れている名著。

この手のクチコミ関連書籍には3種類くらいあって、

1.クリエイティブ視点のバイラルプロモーション
2.PR視点のバイラルプロモーション
3.その他(ネットワーク理論、伝染病など)視点のバイラルプロモーション

本作品は「3」にポジショニングするんだけれども、その中では明らかにトップクラスの内容。

事例と原理・原則の部分が程よいバランスで含まれていて、読みやすく、わかりやすい。

この本を読んでから、上記分類「1」「2」の本を読むと大分客観的に読むことができると思います。


特に世に言う「インフルエンサー」言う概念を、

1.コネクター
2.メイヴン
3.セールスマン

という3つにカテゴライズしているのは秀逸。

正直この値段でこの内容はマストバイだと思います。

また、これからネットワーク理論に興味をもたれたら、アルバート・ラズロ・バラバシ氏の「新ネットワーク思考」を読むと、この世界にどっぷりはまれます。 (adman/2007-10-20)
予想に反して科学的 |||||||||||||||
タイトルから推測すると、商品のマーケッティングに関する内容と思われますが、そうではなく、いわゆる「感染理論」が詳細に検討されています。全体の構成をしっかり掴んでおかないと、今何が議論されているのか混乱してしまうくらい、個々の議論は深いものとなっています。とにかく知的好奇心をくすぐられる本です!お勧め!
(加納 裕/2007-08-19)
本書は伝染病のように流行が広まる現象を明らかにした書籍である。特に印象が残ったのは「粘り」についてである。感染を継続させるためには、メッセージに「粘り」が必要とする。情報を記憶に残すための工夫である。「粘り」をもたらすものとして、人気テレビ番組『セサミ・ストリート』や『ブルーズ・クルーズ』を例に繰り返しの効用を指摘する。
一見すると繰り返しは退屈である。同じ経験を何度も追体験させられるのはかなわないと考えがちである。しかし、体験する度に全く異なる受け止め方をすることもできる。これは私にも思い当たることがある。私は複数の市民メディアに東急リバブル・当給付土讃とのマンショントラブルについての記事を書いた。
読者の中には「もう東急批判はいらない」と反発のコメントを寄せる人もいた。しかし、新たな記事で東急批判が繰り返されると、「それでこそ林田記事」と喝采される。たまに東急批判を言及しないと「林田記者の記事は東急不動産との紛争に関連づけなければ読者は納得しないよ」とコメントが寄せられる。表所の表現を借りるならば、東急批判は飽和点に達する。それからノスタルジアが始まるのである。
(林田力/2008-10-10)
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