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「フラット化する世界(上)」 とその関連商品
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フラット化する世界(上)
ASIN:4532312795日本経済新聞社(2006-05-25) 翻訳:伏見 威蕃/トーマス・フリードマン 売上順位:59341 ¥ 1,995(中古:¥ 537) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
「世界は平らだ。21世紀小史 増補・更新版」という原名通りに、主題は2000年以後の現代史です。しかも更新版と銘打っているように、2005年4月に出した初版を2006年4月に改訂したというパリパリの現代史です。2巻に分かれており、この(上)巻では、1989年11月9日に東西を分けていたベルリンの壁が撤去された国際政治上象徴的なフラット化。またIT上で共同で作業が行えるプラットフォームが、90年代から準備され、21世紀になって実用化された。それを使い地域や時間を超えた様々な形態での仕事が多面的に可能となったこと。デジタル化に成功した地域では、地球が平らになったような変化をもたらしたこと。そのフラット化をもたらした原因、推し進める力が、枚挙され、やさしく述べられています。
一流新聞の記者らしく、IT界のVIPを的確に選択してインタビューし、彼等がこの変化の核だと考えていることを鮮やかに捉えて本文に取り込んでいます。文献の引用ではなく、変化を起こした当事者達の生きた発言を中心とした論旨には、説得力があります。また常に箇条書きで考えを整理していて、大部ですが判りやすく読みやすくなっています。 本書で述べられているITの進化、それに伴う変化は、現代日本ではそれほど新奇な事とは思えないのではないでしょうか。僕には、むしろ今後のITの発展のために、整理しなければならないことを挙げた第一部の最終章に興味が惹かれました。 (ビブリオン/2006-08-03) 下巻まで全て読み終わってのレビューであるが、いや素晴らしい。
今年(2006年)私が読んだ本の中でダントツのベストである。 大抵の本は、読み終わったらマーケットプレイスに売りに出す私だが、 この本だけは、この先何度も繰り返し読みたいと思う。 春頃に読んだ「ウェブ進化論」は、私にとって大きな刺激ではあった。 ところが、秋頃にこの「フラット化する世界」を読むと、 「ウェブ進化論」がまるで縮小コピーのように思えてきてしまった。 「ウェブ進化論」が、世界のIT業界に生きる梅田氏の 「皮膚感覚」に基づいて書かれていたことに対し、 (それはそれで貴重であり否定されるものではないが) この「フラット化〜」は、作者が定評のあるジャーナリストだけあって 述べられている「具体的事例」は、足で稼いだ丹念な取材に基づいたものだ。 さらに紹介されたいくつかの事例では、 「米国の地方自治体が、地元の産業振興と雇用確保のために、 より安価なインドの業者を締め出すことは是か非か?」 と言うように、実に奥深く悩ましげな問題も提起されている。 これら問題に対し、作者は読者に丸投げせずに 自らの「回答案」も示しているが、もちろんこれは「正解」ではない。 やはり我々が自ら答えを出し、自らの行動指針とするべきものだろう。 この本でつくづく思ったのは、 「世の中で起きている本当に重要なことは、実はテレビや新聞では報道されない」 と言うことだ。 マスコミで報道される「事件」は、「本当に重要なこと」が起きた後に しばらく時間が経った後に表面に表れる「ひとつの結果」でしかない。 この本で紹介されていることこそ、 我々がなかなか気づかない「本当に重要なこと」だ。 数十年後にはおそらく歴史的転換点として記録されるだろう変化が、 いままさに起きていることをこの本は教えてくれるのだ。 IT業界に限らず、全てのビジネスマンにお勧め。 (山田晃嗣/2006-12-31) 「国・企業のグローバル化」から「個人のグローバル化」に移行する世界では、個人や集団が協力してグローバル競争を繰り広げるということと理解。技術的進歩の話からそこで必要とされる能力の話まで、幅広く、フラット化の暗部を押さえながらも、全体としてはかなり前向きな姿勢で書かれていると思います。フラット化する社会では、ますます「ものごとを肯定的に、前向きに考える」ことが重要になると思いました。
これだけの内容をわかりやすく、しかも直接現地を訪ねた経験も交えて書かれているのには感嘆です。 (serendip/2006-08-12) 翻訳を通じて原著のユーモアあふれる名著ぶりが読取れるが、原著のニュアンスからジョークまで伝えて翻訳臭を感じさせない稀有な翻訳者に最高の賛辞を贈りたい。
「フラット」では感じられないが、「Flat Rate」という表現があるように「Flat」には「一様不変」の意味がある。情報通信技術の発達と普及で場所の差は無意味となり、「世界は一つ」になったというのがジャーナリストである原著者が表題に込めた趣旨であろう。米国の会計士に頼んだはずの税務申告書が、実はインドのバンガロールの下請で作られていたり、日本の住宅メーカの営業マンが「ではこの間取りで図面を作って見ましょう」と持ち帰った図面作りが実は大連で行われている、といった多数の実例がそれを裏付ける。フラット化の豊富な実例と促進要因の深堀りに上巻のほとんどは費やされている。 下巻では、このフラット化された世界で先進国の中流階級は、新興国に仕事を奪われて落ちぶれないためにどうしたらよいか、企業はどうあるべきかを論じ、教育のあり方が変わると提言している。更にフラット化に乗り遅れているアラブの問題に触れ、米国の国家戦略を批判的に論評している。 世界各国にわたる無数の実例の取材をユーモラスに整理し、ユニークな視点を読者に提供し深く考えさせる名著である。 (松下重悳/2006-08-08) ピュリッツァー賞を3度受賞した実力派、フリードマンの傑作です。この作品では、「地球はフラット=平ら」になったとの比喩を用いて、昨今の経済を考察しています。ITはこれまで、期待ばかりが先行し、実(利益)を挙げることが出来ていませんでした。期待先行がITバブルに結びつき、IT業界のイメージを悪くした面もあります。
しかし、フリードマンはこれまでの蓄積が10の要素となって、ITを真に有用に使える時代が到来したと紹介しています。 ITバブルが生んだマネー流入が米-印間の光ファイバー網敷設に結びつき、今、通信コストを大幅に下げていることが低人件費の活用=米国→印のアウトソーシングに結びついている、サプライチェーンマネジメント(メーカーと小売の情報交換による製造統制)を活用する企業がロープライス商品提供で消費者に恩恵を与えている事実(リカードによる比較優位の自由貿易論の肯定)、グーグルによって、誰でも情報に簡単にアクセス出来ることは世界を平等にしている等、事象の捉え方が非常に独特で興味溢れ、面白い作品となっています。 米McDのドライブスルーでは、低人件費のインドに向かって客が注文しており、インドからMcDの店舗にEメールで注文が届き、店舗スタッフがハンバーガーを作っている!とのくだり等、事例も本当に退屈させない個性があります。 気軽に、実は奥深く読める秀作です。お奨め! (treasure_ship/2006-08-01) 原書を読もう読もうと思っていたら、日本語版が出てしまいました。
アメリカに比べると日本にとってのフラット化は、まだ緩やかで、かつ、表面化していないかな? 必ずしも本書を読む必要はないのかもしれませんが、ここに書いてある時代の潮流を理解できている人と出来ていない人では大きな差が出ると思います。 学術書ではないので、分かりやすく平易に書かれています。 その分、事例等も表層的ですが、まあ分かりやすいのでいいと思います。 本書を読みながら思ったことは、一人一人が、 ・自分が本質的に何に貢献しているから飯を食えているのか ・自分が本質的にどういう付加価値を持っているから飯を食えているのか ・自分がどういう既得権を持っているから飯を食えているのか?そして、それはいつまで権利として行使できるものなのか? ・どれもないとすると自分は何に守られているのか?何から守られなくなると飯が食えなくなるのか? といったことをしっかり認識出来ていないと、変化を受け入れられず、現実から逃避してしまう可能性があるなと思いました。 日本人は、明治維新や終戦のときにも同じような事を経験してきているような気がしました。 (ろぼ/2006-06-04) 恐らく、未来に書かれる、冷戦後から2005年までの15年間の歴史書の1章には、グローバリゼーションの章が割り当てられ、その内容は、本書上巻のような内容になるのではないかと思います。冒頭のあたりの、新大陸発見から1800年までのグローバリズムを、グローバリゼーション1.0、 1800〜2000年までの歴史を同2.0、2000年以降を同3.0と位置付ける著者の歴史認識はいまいちだと思いましたが、現在進行中のグローバリゼーションを、1989年の冷戦終了から説き起こし、パソコンとインターネットと、ネット上でのインフラとなる様々なソフトウェアの出現が続々と新規ビジネスを生み出し、企業活動だけではなく、経済や社会も変え、ついには、国家間のあり方への影響を与えるまでに現代史に強い影響をもたらすに至った展開を、10のテーマに整理し、多様な事例を用いて記述してゆく様は、まさに歴史書そのものといえます。私自身IT業界に身を置いていることもあり、著者の描く歴史像は、ジャーナリスティックな時代解釈ではなく、この17年というもの身近に感じてきた歴史展開そのものだと強く共感できました(そもそも、本書のサブタイトルは「小史(A Brief History)となっているのだが)。
この意味で、本書(上巻)の描くグローバリゼーション3.0は、あくまで現代史の全部ではない点に留意する必要がありますが、冷戦後の世界史の大きな流れのひとつを知る歴史書籍としてもお奨めです。 ところで、本書では言及されていませんでしたが、もともとインターネットは、米国国防総省のARPANETが、冷戦終了により、民間での商業利用に解放された事が、直接の発展のきっかけです。なので、冷戦終了とインターネットは、最初から表裏一体の関係にあったといえます。寧ろ重要な歴史的偶然は、80 年代にパソコンが普及し始め、インターネットの端末という下地ができていた点にあるように思います。 (solaris1/2007-03-11) これは、1970年代にアメリカ西海岸で自作パソコンマニアが掲げたキャッチフレーズだ。代表的な旗手の一人が、アップルの創業者、ジョブス氏である。当時のコンピュータといえば、空調の効いた部屋に収まり、専門家しか触れない大型コンピュータだった。それを人民に開放することで社会の民主化が進むと信じていた。
それから30年。本書の筆者は、パソコンとインターネットを基盤として拡がったアウトソーシングやオフショアリングによって、世界はフラット化したという。インドや中国などのかつての途上国は世界のサプライチェーンの中に組み込まれ、存在感を増している。 筆者によれば、グローバル化の第一段階は国のグローバル化、第二段階は企業のグローバル化、そして現在進行中の第三段階は個人のグローバル化だという。海の向こうに住むインド人や中国人がインターネットを経由して、アメリカ人や日本人と競争する社会になっているというのだ。まさに、世界の「すべての人民にコンピュータ」が使える環境となり、国境は消えてしまった。そして、能力を持った個人が圧倒的に重要性を増している。 フラット化した世界の中では、サプライチェーンで結びつきを強めた国々は、価値観を共有し、ジョブスが夢見たように民主化していくという。本書の後半では、イスラム諸国やアメリカがどのように立ち居振る舞っていくべきかを論じており、ある意味でハンチントン流の文明の衝突論に対するアンチテーゼを提唱している。 私自身が先週訪問した大連で、日本語を話し、日本語でコンピュータを操る大量の中国人を目にして、フラット化した世界の中で、日本いや日本人がいかに競争していくのかを深く考えさせられた。 (nakayama-toru/2007-03-06) 日経BPの経営者推薦図書だったので読みました。
検索してみると上下でレビューの数が3倍くらい違う。 みんな、上で力尽きたのね…。 いきなりですが、この本を読む前に「ウェブ進化論」を読んだ方がいいです。 ウェブ進化論では、ウェブ上に今起きている変化について述べていますが、 この本は「ウェブ上の変化がリアル世界に与える影響」について、 グローバルな視点でしかもわかりやすい言葉で説明しているからです。 非常に長くて疲れる本ですが、経営事例も豊富で「読ませる」本です。 時間さえあれば、文句なしにおすすめ。☆5つ。 これからの日本、いや世界を担おうかという若い世代、 そしてさらに先の世代を育てようという若い親達にぜひ読んで欲しい。 (うまぞう/2006-09-09) フラット化した世界においても成長し続けるには「イマジネーション」が重要になります。つねに考え、自分自身の価値を創れる能力を向上させないといけません。
作者は"教育"の重要性を説き、子供にはゲームやテレビではなく「本」を読ませなさい。考える力を身につけさせるように、しっかりと勉強させなさい。と説いています。まさしく、その通りです。 僕の子供達が大人になった世界がまだ想像できませんが、今よりもいい暮らしをしてほしいです。そのための準備をしてあげるのが親なのかもしれません。いい本なので皆さんも読んでみてください。 (機龍/2007-03-27) 情報産業に身をおく立場としては、この本にあることが日常として理解できる。ソフトウェアの開発が世界各国で分散しつつ協調して行われていることも、ヘルプデスク・コールセンタがちょっと前は沖縄、今ではインドやシンガポール、大連にある、というのも何回と無く目にしてきた情報だ。
情報産業や大企業だけがフラット化しているわけではないという話を、専業主婦の妻から聞かされた。妻とその友人は、仕上がりが良いからという理由で京都のクリーニング店に洋服をだすことがある、と。クリーニングのような地域に密着していても、フラット化の影響を受けずにいられない。そういう時代になったということだ。 上巻ではフラット化とは何かといったことがさまざまな事例を元に語られる。下巻では、ではどうするべきなのか、次の世代たる子供の教育はどうするべきなのかといったことを中心に Extended の部分がそろう。アメリカの読者に向けて書かれている章は、字面そのままに読むのではなく、日本は、自分は、と置き換えて自分なりの結論を探しつつ読むほうがよいだろう。時間をかける価値があると思う。 (f-risa/2006-06-20) 著者は前著『レクサスとオリーブの木』で有名なニューヨーク・タイムズのコラムニスト。
本書は、『レクサスとオリーブの木』の続編にあたる。グローバル化と情報革命によって現 出しつつある世界を、「フラット化する世界」というレトリックの下に様々な事例を直に取 材しつつ描き出していく。 上巻では、世界が「フラット化した」実態が描き出された上で、何が「フラット化」をも たらしたのか、10の要因を列挙していく。「グローバル化」や「情報革命」といった言葉が はいまやお馴染みのものとなったが、そのような言葉では追いきれていない想像を絶す る世界が描かれている。まさに「フラット化」。絶妙な表現である。 「フラット」になった世界は、また価値観の混乱をもたらすものでもある。一体我々は世 界のフラット化を歓迎すべきなのか、否定すべきなのか。第四章「大規模な整理」におけ る著者の論点提示は重要であり、まさに整理していく必要があるだろう。 とても読みやすく、かつ面白い。ジャーナリストとしての著者の実力を誇示するかのよう な好著である。グローバリゼーションに関心のある方のみならず、広く現代世界・社会に興味のある方はぜひ読んでみるといいだろう。 (小僧/2007-02-08) 例えば、日本で生活をしている分には英語ができなくても問題ない。
映画には字幕がついているし、 出版物はほとんど日本語だし(ベストセラーはちゃんと日本語に翻訳されるし)、 街で外国人はそんなに見かけないし、 そもそも誰も英語をしゃべっていない。 外資系企業や多国籍企業にでも勤めない限り、英語の必要性はほとんど感じないだろう。 また、英語を使わない仕事、英語と無縁の世界で生きる術はたくさんある。 しかし、世界がフラット化したら? 英語ができない(コミュニケーション能力が低い)のに、コストが高い。 そんな人に仕事がくるだろうか? 上の例は極端な例ではあるが、 本書は、世界がこのようにフラット化しはじめていることを、 経済や文化などのいろいろな側面から、実例とともに解説している。 アメリカ人読者が主なターゲットであるせいか、 ちょっと考えがアメリカよりかなという印象を受けるたり、 背景を知らないため所々に理解できないところがあったりするところがあった。 また、説明が少々回りくどいところもいくつか見受けられた。 ただ、内容は非常に示唆に富んでおり、なるほどと感心させられるところも多い(再認識の人もいるだろう)。 現在、そしてこれからの世界を知る上で、読んでおいて損はないだろう。 (the_world/2006-08-31) ここに書かれていることは本当に衝撃的でした。
日本も過去に産業空洞化と言われ付加価値のない製品は海外で作られるようになり一部の製造業者に影響を与えました。 あれと同じことが地域密着産業であったはずのサービス業までIT革命によって及び始めてる。 特にアメリカはインドという世界の裏側の公用語が英語の国に仕事が移りつつある現状がその要因とともにうまく描かれています。 日本はまだ言葉の壁から守られている部分が多分にありますが、 ゆくゆくはアメリカと同じことは起こるでしょう。 自分は製造業に身を置いています。毎日、現場の日本語の話せる中国人とPC、IP電話を駆使して仕事してるのですから・・・。 少しでも付加価値をつけれるような日々、努力しないといけないと思わせるようないです。是非、一読をオススメします。 (ごんちち/2006-06-24) アメリカで依頼した税申告の仕事は実際にはバンガロールで行われるなど実地で取材したであろう多くの実例をつきつけられ、インドの息吹を臨場感を持って感じることができる。ITを使って世界中の仕事が行き来するそんな状況の中、日本の企業は何を強みとして、どう、し掛けていくのか、そのための教育なり環境はどうしていくのか?どんどん危機感が膨らんでいく内容はとても緊張感がある。ついていけないと思うひともいるだろうがこれが現実であればどこかで生きる場所を見つけなければ!今後のビジネスを大きく捕らえるために読んでよかった
(Annika/2006-08-30)
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マイベスト・世界の現状 珠玉のビジネス書 ソフトウェア・エンジニアリング(ビジネス) 仕事をラクにするもの book 面白かった本 経済読み物(1) 気になる本 Web界隈 1905‾ |
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富の未来 上巻
ASIN:4062134527講談社(2006-06-08) 翻訳:山岡 洋一/A. トフラー 売上順位:11765 ¥ 1,995(中古:¥ 235) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:246
NHKで放映されていた「未来への提言」を見て興味を持ち読みました。で、一言、「すごい・・・」。 フリードマンの「フラット化する世界」が「今、世界で何が起こっているか?」を論じた本であるのに対し、 本書は「これまでに何が起きて、これからどうなるか?」を、とてつもなく長い時間軸で論じています。 つまり、時間的な切り口が違うという意味で、「フラット化する〜」とは対照的な本だと感じました。 通常、日本人が書いた「○○年後の日本」みたいな未来予想本は、現在の経済・社会状況のみを基準に書かれていますが、 本書ではもうひとつ「科学の幾何級数的な進化」を大きな要因として取り上げ未来を考察しています。 これは非常に大きなポイントだと思われます。 トフラー氏は、コンピュータとITの進化の著しい現在は、農業革命、工業革命に続く、人類史上3回目の革命期にあると述べています。 現在、私達が生きている時代がとてつもなく大きな変革期にあるということを、人類の歴史を通した大きな流れの中で示してくれる大変貴重な書であると思いました。 「フラット化する世界」とともに素晴らしい!是非、両者をお読みください!! (mini1/2007-03-13) 「フラット化する〜」を読んだ後、もう一冊くらい読みたくなり書店で積まれていた
本書を購入しました。 科学や労働、教育など多岐にわたる分野の展望について展開されており、 読んだそのときは「なるほど!!」と思うのですが、スケールが大きすぎたせいか 自分なりに咀嚼することができませんでした。 ただ一点記憶に残った言葉は「生産消費者」です。 生産消費とは、例えば好きでクッキーを焼いて配ったり、 年老いた両親を家族で世話することが挙げられています(他にもありますが)。 これら非金銭的経済活動がなければ、その活動にかかる費用は 莫大なものになると筆者は言います。 自分なりに考えると、例えばamazonのレビュアーやasku、価格.com等の書き込みから、 日々かなりのアドバイスをもらっています。 検索は自力ですが無償のコンサルです。 これらレビューや書き込みがされる理由は何でしょうか? また無償で子供をしつけたり、フリーウェアを作成したり、 災害地域でボランティアをする理由は何でしょうか? それには社会やコミュニティの持つ役割が大きく関わっていると思います。 文化とも言えるでしょう。 これら非金銭的経済活動のある社会の方が、無い社会よりも健全に感じられます。 その健全さの理由を探すにあたり、また社会と自分の関係を考えるにあたって、 「生産消費者」はひとつの良い視点を与えてくれます。 (trafk/2007-03-21) 有名著者なので買ってみました。富の未来というタイトルにはピンと来なかったのですが、目次の項目に興味をそそられました。
驚いたのは著者が日本を含めた世界の動向を詳しく捕らえている点です。日本についての記述も多く、その内容がなるほどと思わせるものなので、他の国々の記述もかなり正確であるに違いないと信じさせられます。世界の潮流がちょっと理解できたような気分です。 まだ上巻しか読めていなのですが、他の方のレビューをみると下巻の方が「富の未来」の本題に入るようですね。 (ピッコロ/2006-08-30) 本書と「フラット化する世界」はどこの本屋さんでも平積みされてい
たので、ついつい手にとって読み始めてしまいました。 著者は有名な方のようですが、僕自身は本書が初めてです。上下 巻の中に書かれた、綿密な調査に基づく膨大な量の情報に圧倒さ れました。アメリカ、中国、日本、韓国、欧州・・・、世界各国の現 状を知ることができる本です。 但し、今後の世界を考える上では、「フラット〜」の方がより楽しめま した。本書は、知識中心の社会(著者が最初に指摘したようですが、 今では誰もが納得している概念)が到来済であることを確認していく 作業に終始している印象を持ちました。先見の明がある人だからこそ、 「これから」も語って欲しかったです。 「貧困」の未来に関する見識には感銘受けたので、星1つをを加算し て、星3つの評価としました。 (食いしん坊/2007-02-18) トフラーの久々の大作ということで、大いに期待していました。
新しい富の概念の探索と、経済的基礎の深部をシフトさせる おおきな要因、時間、同期化、空間の拡大、知識の蓄積と 過去の知識の無効化など、世界中でばらばらで起こっている出来事 を、歴史の大きな流れの変節点として把握し、新しい世界の体制を 分析しています。 具体的な事例や実例、文献の引用も豊富ですが、壮大なテーマ のなせる業なのか、ちょっと、抽象的で私には理解しづらい 点もたくさんありました。 でも、巨視的分析手法や分類手法、比喩、金銭経済対非金銭経済 などの斬新な切り口は、時代のうねりを理解するのに、おおいに 知的好奇心を駆り立てられました。 上巻だけでは、本当の「富」が、いまいちよくわかりません。 また、翻訳に、若干違和感を覚える箇所もありましたが、 内容に大きなマイナス点ではありません。 読み応えのある、硬派な未来予測書です。 (佐倉ごるふ/2006-06-15) 基礎的条件の深部にある時間・空間・知識が大きく変化を起こし、その変化への反応がファンダメンタルズの変化として表面に現れているという趣旨の内容が、延々700ページに亘り展開されます。
印象に残ったのは、「生産消費者」という考え方。 以前は企業の中で人を雇って対応した仕事が、WEB技術の進歩で、各個人によって負担されるようになっています(飛行機などの予約や、各種手続きなど)。 個人が企業の代わりに働いてあげているわけですが、それらはGDPに計上されることはありません。 これはほんの一例で、今までの枠組みが大きく変化してきている事例が次々に取り上げられています。 膨大な調査にもとづき多大な時間をかけた著作です。読み応えのある内容ですが、上巻で衝撃を受けた割りには、下巻がやや冗長に感じた点が残念でした。 (plateau/2006-10-18) 未来学、といっても若い世代の方は知らないかもしれないが、かつてはもてはやされた学問。ただあまりに総花的すぎて、すたれてしまった。(つまり学問としては底が浅かった?)
トフラー氏はその旗手とされていた方で当時としては斬新だったと思うが、本書を読むとデータの多さ、リサーチする分野の多彩さに圧倒されるものの、結局一本芯が通った主張・分析がぼやけてしまう印象。 大前研一氏の著書から商売っ気を抜いたような感じ、とでも言ったらいいのか。大学1年生の概論講義だけ聴いて、専門に進まないような。 同じ時間を使うならドラッカー「ネクスト・ソサエティ」エマニュエル・トッド「帝国以後」ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読んだ方がいい。ずっと餡子がつまっている。 (blackstar/2006-09-04) 世の中の変化について著した書籍は沢山ありますが、
本書ほど本質を突いたものは稀有だと思います。 富の変化を知識・時間・空間軸で深くとらえています。 まず、知識については様々なメディアやITで情報が氾濫しているとしたうえで、 人はそれらをなぜ信じるのか、という真実の基準を知ることが大事だと述べています。 人は「常識」「一貫性」「権威」「啓示」「時の試練」「自然科学」の どれか(複数)を競合した基準として使っているとしたうえで、 「自然科学」以外の基準は自分で進化する力を有しないので、十分に注意する必要があるといっています。 日本に当てはめると、学生の科学技術離れが叫ばれていますが、 そのうち興味の問題だとはいっていられなくなるのでしょう。 次に、時間については、時間軸における様々な非同期化による摩擦が大きな問題だといっています。 企業、社会団体、家族、労働組合、官僚機構、公教育制度、世界的統治機関、政治構造、法律 の順にスピードが遅くなっており、それを同じ速度にすべきだといっています。 日本に当てはめてみると、まあ同じ構図なのでしょうね。 更に、空間については、世界で富を得られる空間は流動的であり、 知識と時間と空間を密接に関連させて相互作用を上手く起こさないと、 富が逃げていくといっています。 古い産業、古い文化、古い社会構造にとらわれていると富が逃げるということです。 日本に当てはめてみると悲惨な状況だと思います。既得権益がまだまだ強すぎます。 技術や経済の動きについては「フラット化する世界」の方が具体的でしたので、 ビジネスを考える際の重要なヒントを与えてくれましたが、 本書はより深く洞察することで世の中の見方、自分の考え方について、 再度整理するための視点を与えてくれました。 これからの世の中を生きるための必読書でしょう。 (seed&inspire/2006-07-05) 圧倒的にホンモノでした!
一体、何なんだこれは!?と呆然。 「基礎的条件の深部に注目すると、 意味をなさない混乱状態だと思えたいまの世界が違ってみえてくる。 混乱はものごとの一面でしかなかったのだ」 (アルビン・トフラー) こういうものが見えてくるようになると爽快でしょうね〜^^ 憧れます。 こういうホンモノに触れて、自分をレベルアップさせたいものですね。 (nonsense/2006-09-18) 本書、「富の未来」は「未来の衝撃」、「第三の波」、「パワーシフト」と続いた著者の代表作の総まとめという印象を受ける。富の概念は単なる金銭価値を超えたところにあると定義し、人類にとって最大の関心事である富の行方を根本から問い直している。根本から問い直すための道具立ては過去の著作で培われた考察であり、重層的に積み重ねられた知的財産の上に展開される新しい世界に説得力を与えている。過去の著作から親しんでいる読者は、新しい発見とともにより深い理解を得られるであろうし、初めてトフラーに出会った読者は、著者独特の深く掘り下げ、一気に展開する圧倒的な未来像に引き込まれるだろう。
(flexer/2006-06-26)
圧倒されるような膨大な知識と洞察の集大成であり、読み始めてから読了まで数週間もかかったが、さすがにトフラーの著作だけあって素晴らしい内容だ。「未来の衝撃」や「第三の波」で展開した文明論は、そのスケールの大きさで世界中に衝撃を与えたが、それに準じた影響力を本書でも感じることが出来て嬉しい。そういった威力を25年以上も持ち続けているのは、文明と正面から取り組む力量を持っている、トフラーという未来学者の学識の深さのせいだろうが、彼自身の年齢から来る衰えを夫人のハイジと、娘のカレンが手助けして補っているらしい。何しろ1928年生まれのアルビン・トフラーは78歳のはずだからだ。一家をあげて文明の問題に取り組むという様子をみると、凄い家族だという印象が実に痛烈であり、この本が彼の思想の総まとめの遺書なのだろうと連想した。だから、本書のテーマとして家族労働やNPOなどに触れていて、本当の富や価値は目に見えない形で存在しており、表面的なものに惑わされてはいけないという、協力者たちの声が込められているように感じた。それだけに、これだけの本を読むのに大変苦労したが、トフラー一家の皆さんご苦労様でしたと言いたい読後感を持ち、日本では毎日大量の本が出版されているのに、どうして日本に文明に正面から取り組んで、世界に通用する論理を展開する人間が登場しないのかと寂しくなった。理念も指導力もない安倍でも首相になれるという、島国日本の悲哀が漂っているのと共通の貧しさが、モノ作りと輸出がカネを稼ぐのに忙しい、エコノミック・アニマルの国民性を反省させられ、21世紀の日本はどうなるのだろうと心配になる。そんな価値と富の支配する国の在り方に対して、この本は無言の批判を伝えているのかもしれない。挑戦に値する洞察に満ちた本であると強調したい。
(北極星/2006-11-02)
価値が激動する時代 ||
富(Wealth)のこれまでの変遷を通して将来を考えさせる本
上巻のメインは「生産消費者」という概念で色々な現象を 説明してゆく点が私には心に残った. 上巻だけでも400ページ近い書物だが,色々な現象を元に わかりやすく構成されているので,わかりやすく納得感がある. また,上巻だけでも30章!もあるので散漫な内容かと思って いましたが,時間(第3部),空間(第4部),知識(第5部)と 主な富の要素を分析しながら,上巻のメインの生産消費者(第6部) と大きな流れになっており,ほんとうにすばらしい内容と 思っている. その大きな流れの中で 「革命的な富は金銭だけではないのだ」という 上巻の一番最後の1文がこの本の特徴を強く感じました. (親カッパ/2007-12-14) 恥ずかしながらトフラーを初めて読みました。
未来学に情報社会をモチーフにした書籍を数多く著わしてきた人物ということを 知っていましたが、本書もその系統です。 まず彼ら(トフラー夫婦)は「知識は情報の蓄積によって増大するけれども、 資源は使うとなくなる。それに石油などは使うと二酸化炭素を排出して 環境破壊する。しかし知識の集積は環境汚染はしないし、それが結びつくと また新たに増大していく」と全面的にITを支持しています。 各章に様々な事例、用例を数多く取り上げていますが、内容はこれだけです。 2分冊にするほどの必要もないとは思いますが、最初は知的刺激を受けて 途中で読み飽きた感あります。 (フジキセキ/2007-06-15)
社会という生態系 |
歴史学は過去の出来事を何らかの必然性や因果関係の文脈にまとめ上げる作業というが、著者はこの作業を、現代世界の人間の様々な営為を素材として試みている。そこで描き出されるものは、人間の知識や技能や活動、さらにそれを支える社会体制のありようの来し方を概観しつつ、そこから連なっていくものとしての未来を予測しうるという点で単なる歴史学を超えているし、金銭価格に換算できない価値を扱えるという点で従来の経済学を超えている。言うなれば、人間社会の生態学であり進化論なのだ。もちろんそれは陳腐な進歩史観という意味では決してなく、価値とは中立的に社会変化の様態を示している。
とりわけ新鮮だったのは、生産消費(prosumption)に関する考察だ。それが社会の中でどのように営まれ、金銭経済とどのように連動しているのか。そのありようは歴史的にどう変遷してきて、これからはどう変わりうるのか。そのダイナミックな筋書きに胸が躍る思いがした。この他にも、工業社会と知識社会の違い、時間の「非同時化効果」、グローバル化の二つの逆の動き、知識の無形的性質など、自分自身の生活も含めて世界でいま起こっていることや起こりつつあることを互いに関係付けていくのに、有益な視座と切り口を示してくれている。 (gomame/2009-02-21) アルビン・トフラーは人類の歴史を
21件のレビューうち参考になった順で15件までを表示しています。過去500年までさかのぼり考えていることが新鮮でした。 職と賃金労働がたかだか過去3世紀のことです。 社会の速度の視点は面白いです。 企業の速度を100とすると 家族は60、労働組合は30、官僚機構は25、 教育は10、国際機関は5、議会は3、法律は1だそうです。 経済が目覚ましく進展する中 政治の変化があまりにも遅いことがよく分かります。 ソニーの創業者である盛田昭夫さんはかつてこう言っていました。 工場労働者なら朝7時に出勤して 生産的な仕事をしてくれといえる。 技術者や研究者に朝7時に 素晴らしいアイデアをだしてくれと言えるだろうか。 私に勇気を与える一言です。 真実かどうかを判断する基準のうち 自然科学への低下させる動きがある? 遺伝子工学を目指す優秀な若者の減少を懸念している? これに対しては甚だ疑問です。 通貨であるユーロやドルよりも マイクロソフトのゲイツやソニーの盛田などの電子マネーを 持っている方がいいという時代が来る? マイクロソフトやソニーのような斜陽産業と思われる企業を たとえに用いている点がセンスがない気がしました。 現在ならばグーグルだと思います。 貧富の格差の問題に対する第一の目標は 生活水準を引き上げて絶対的な貧困から抜け出せるようにおくべきで その際に貧富の格差が拡大するかどうかは無視するべきである。 現在、格差社会がマスコミで大きく騒がれるようになってきましたが この一言でおしまいです。 500年前からつい最近に至るまで絶対的な 貧困の時代が続いてきたという事実をマスコミは理解していません。 日本のサービス業が遅れている? 日本の終身雇用制度が解体されている? 日本の集団決定方式は今度衰えていく? 日本を豊かにするために移民を受け入れるべきだ? 日本は治安維持のため移民を受け入れるべきではないと思います。 サービス業は遅れていますが、巻き返しはまだまだ可能です。 日本を過小評価している印象を持ちました。 本書は過去500年から現在までの歴史を精査し 未来を予想しています。参考になる点は多いです。 首をかしげてしまう点もありますが それは個人個人が考えていけばいいと思います。 (晴彦日記/2009-01-29) [16件以降をamazonで見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 はてブコレクション数: |
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富の未来 下巻
ASIN:4062134535講談社(2006-06-08) 翻訳:山岡 洋一/A. トフラー 売上順位:21441 ¥ 1,995(中古:¥ 549) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:9
おもしろい。これが正直な読後感です。
下記のような多様なことを扱っており、世界情勢を考える上で、一つの視点を与えてくれます。お勧めです。 1)年金制度を取り巻く財政難、教育現場と時代要求の不一致、政治機構の硬直化、価値観の多様性と頽廃、これは、日本のマスコミに取り上げられる、日本の問題です。トフラーによれば、アメリカも、まったく同じ状況であることを見事に描いています。 2)経済活動におけるITの果たす役割とそれがもたらす大きな変革、実体貨幣からバーチャル貨幣への移行。新しい富の予感。 3)同じく、世界が、貧困社会から抜け出せる可能性を示唆し、中国、インド、Euの果たす役割の重要性や問題点を浮き彫りにしています。またこれらの国にと関わる日本を含めた先進国の状況も分析しています。 4)そして、國を越えた新しい視点として、宗教やNGOのことについても議論しています。最近のイスラム教社会とキリスト教社会の対立という視点、グリーンピースなどの行為とその反響など、改めて、その流れが実感できた気がしました。 *最後に、翻訳者に拍手* (norie3/2006-10-01) 上巻で、経済中心の新時代において、その基礎の深部を動かす要素、
時間、空間、知識における、体制の「ずれ」をつぶさに分析しました。 この下巻では、変化を主導する米国と、世界体制の「ずれ」によって 生じる断層を、韓国、中国、日本、インド、南アフリカなどの新興勢力 を詳細に分析し、米国対欧州の対抗も交えて、 世界情勢の、今後の行く末を冷静に見通しています。 さらに、宗教、民族主義、米国対テロという図式も交えながら、 新時代に対応した体制と、旧時代のままの体制の、時間、空間、知識の 断層を描き出しています。 本書の最後に、今後の富の世界では、経済は中心から、全体の一部 にシフトし、文化、宗教、倫理が舞台の中心になるという、衝撃的な 結末で締めくくります。 上下を通して、まさに今眼前で起こっている世界の体制の拮抗、断層 のづれを詳細に知ることができる、希有な視点で書かれた斬新な書と いえます。 (佐倉ごるふ/2006-06-18) トフラーの新作ということで期待をして読み進めてみましたが、正直申し上げて、新鮮味を感じませんでした。
基本的なモチーフは『第三の波』そのものであり、それに現在の事象を傍証的に多方面からかき集めて「やっぱりそうでしょ」と言っているだけにしか思えませんでした。 もう少し、新しい切り口や解決の方向性などに踏み込んでほしかったと思います。 (ceo72/2006-06-24)
すばらしい |
これは素晴らしい一冊であり、 この本に出会えたことを感謝している。 私が最も感銘を受けたのは、 経済(書籍の言葉を使えば“富の流れ”)の普遍的要素を 余すところなく記述している点である。 ゆえに上・下巻と若干長くなるのは仕方がなかろう。 しかし読みやすい。 理由は2つだ。 1.コンテンツはMECEそのものであり、 外国作品特有の、“同じことの繰り返し感”を 私は覚えなかった。 2.翻訳がすばらしい。読みやすい。 私も翻訳者を称えたい。 経済に対して私のような初心者から、 上級者まで、幅広く楽しめるのではないだろうか。 (ボサノバ巨匠の隣人/2009-02-23) 基礎的深部の時間、空間、知識や有形、無形の富などの言葉を巧みに使い、いわゆる第三の波の向こうへの道標をトフラーは築こうとしている。
人間社会の生活はこれからもどんどん向上して行くであろう。現在問題となっているエネルギーにしても知識の向上により解決して行くであろう。 果たして、波の向こうにはどんな世界があるのか? と考えさせられる書籍であった。 (coco/2006-08-25) うん、面白かった。
今、中小企業を取り巻く世界に関わりながら、 こんな感じかなぁ・・・・ と漠然と感じていることを、遠くアメリカでも同じことを感じているのだな、と感慨深かった。 本の冒頭に、現代のアメリカが持つ問題点が書き記してあったのだけど、日本と似てるねぇ(^^; 先進国の間で、かなりの同時化が起きていると感じた。 全部面白かったのだけれど、ハッとさせられたのが、会計士に払う報酬は、売り上げたら回収しなければならない、取引をしたら帳簿をつけつけなければならないといった、いわば不便さによって社会が払わなければならない「隠れた税金」だと断じていたことでした。 通貨が電子化され、共通化され、形が無くなって、記帳も自動ででき、集金の手間もなくなり、税金もある程度自動的に計算できるとしたら・・・やはり会計事務所のほとんどが倒産するでしょう。 しかし、「複雑化」した社会に対応し、膨大な料の知識から真実を見つけ出し、その顧客にあった取り扱いの方法をサゼスチョンする、ナレッジ・コンシェルジュのコンセプトが生きてくると思った。 (くら/2006-07-23)
どこかぼんやりして切れ味がない |||||||||||||
本書が発刊されたのは2006年で、サブプライムローン問題もリーマンショックも顕在化していない時であるが、本書では既に「世界中の多数の人たちがアメリカの世界支配への懸念を強め、往々にして怒りを募らせている・・・アメリカ国内の制度は危機にあり、第二の波の制度、工業時代の制度が崩壊しかけている」とも明確に指摘している。
本書の中心的テーマは、次の通り。「工業化の第二の波では経済中心の考え方であったが、第三の知識の重要性が高まる。その結果、経済は大きなシステムの一部という地位に戻り、文化・宗教・倫理なども表舞台に登場する。いま起こっている富の革命が技術の動きのように見えるのは、登場した技術が極端に目立つだけで、第三の波の革命も文明全体にわたる変化である。我々は、この波に直面している」 本書には第三の波に関する世界中の知識革命の兆候や実事例が、多数紹介されている。しかしながら、個々の事例を挙げこれに関するコメントをいくら行っても、どこかまとまりを欠き・論理的でない印象が残る。おそらく、筆者が、本当の意味の経済学者や経営学者でないせいかもしれない。この点で、全体として本書の指摘や言わんとすることが、どこかぼんやりして切れ味がないことが非常に残念である。 (ねぼすけ2004/2009-05-26) 富の未来の上下巻の下巻. 上巻では今まで起こってきたことをまとめて
いるが,下巻では未来への予兆を扱っている. まずは,上巻での結論のひとつである「富」が知識に基づくものへと 変遷しているとの結論を受けて,「富」自身も変わってきていること. つまり,富は文明により左右されるし,文面をも左右することが 下巻の主題のように思える. 上巻に引き続き,資本主義と貧困をふたたび取り上げ,最後に各国の 変化の予兆をまとめている. 最後に環境問題をはじめとして,色々な問題が世紀末を迎えている現在, 悲観論だけでは何も生み出さないことを述べて終わっている. 次の波は来ていることはわかるものの,何がパラダイムチェンジしているかわからない. 上巻のわかりやすさに比べて,読み手の私自身が息切れをしてしまった下巻でした. (親カッパ/2008-01-06) 非常にためになりました。
全9件のレビューを表示しています。本作を書くに当たっての準備資料を想像したら気絶しそうになります。 本巻には日本、中国、韓国についての各章があり、何度も読みました。 (マサミ/2007-07-26) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:3.5 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
読んでみたい経営学 最近話題だったビジネス書 これからの社会、経済はどうなっていくのか〜未来予測 book レバレッジリーディング-最近読んだおすすめ本 ベストセラービジネス書 世の中 問題解決技法 |
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フラット化する世界 [増補改訂版] (下)
ASIN:4532313783日本経済新聞出版社(2008-01-19) 翻訳:伏見 威蕃/トーマス フリードマン 売上順位:4781 ¥ 2,100(中古:¥ 1,499) |
レビュー総評点:35
良書とは、単に情報をあたえてくれるだけではなく、読者に自発的に考えさせるきっかけを与えてくれるものだが、その点で、本書は間違いなく優れた著作であるる。
特に、下巻に関しては、アメリカ人に向けて書かれている部分が多いが、例えば、アメリカには無縁の少子高齢化といったキーワードも含めて日本ではどうなのかについては、我々日本人ひとりひとりが考えてゆかなければならない。また、企業やひとりひとりがフラット化の世界の中で、どうのように生きてゆくべきかについても、危機感を持って考えるきっかけを与えてくれる。 以前出版されたものの改訂版だが、その後の新しい情報をかなり加えて大幅に手直しされている。ただ、フラット化は常に現在進行形である。だから、著者が改定増補版を作成している途中及びその出版後もわれわれが考えるべき新しい変化が起きている。たとえばサブプライム・ローン問題は景気後退がフラット化に与える影響を考察する機会になった。また、地球温暖化は可能性から確信に変りつつあるが、今のところフラット化は全体的にはこれを加速する方向により大きく作用しているように見える。また、穀物価格の急騰、原油価格の100ドル超えもフラット化の加速との関係を否定できない。限られた資源の取り合いが激しくなる構図が鮮明になっている。このような点に関しては、さらにより深い考察を必要とする時期に差し掛かっているように思う。 今後、まだまだフラット化が進むのであれば、それによって世界がどうなるのかという結論を下すのはまだ早い。よって、今後も適時改定版が必要となる。ただ、今の編集のやり方だけでは、世界のフラット化のスピードについていくのは難しい点があるかもしれない。たとえば、ネットで世界中の協力者と適時情報を交換し、ソフトウェアのパッチのように適時改訂情報をWebで公開して、ある程度溜まったら次の改訂版として本にする、という思い切ったプロセスを考えても良いかもしれない。 (FreshAir/2008-03-01) 上巻に続き、下巻も世界がフラット化するなかで、企業と個人はどうすればいいかを展開してくれる。フラット化とは様々な理由で距離や政治での障壁がなくなる事。モノだけでなく知的サービスも海外とやり取りされると、我々の生活やビジネスはどう変わっていくのかが述べられ非常に興味深い本である。フラット化から取り残された企業や個人はどうなってしまうのか?過去の栄光を捨て、どう変化していくのかを考えてみる一冊です。なを本書は新しい事実を踏まえ新たに記事が書き加えられている。推薦します。
(きむ/2008-01-24)
上巻では主にフラット化の要因について書かれていたが、下巻では、個人、企業、社会がフラット化する世界での競争にどのようにすれば勝っていけるかについて書かれている。また、第8章ではアメリカの抱える問題について書かれているが、これは日本にも当てはまることで、今後の日本を考える上で非常に重要な指摘がされている。さらに、第5部ではフラット化と地政学上の問題について考察されており、テロの問題を考える上で、参考になる点が多く盛り込まれていた。フラット化によるメリットだけではなくデメリットについても書かれている点が評価される。本書で大きな流れをつかみ、具体的な部分に関しては、他の良書(たとえば、個人の競争力にかんしては、ダニエル・ピンクのハイ・コンセプト)を読むことで、さらに理解が深まるであろう。
(matsunoki55/2008-02-27)
世界はフラット(平ら)化している、
人々は人種、住まい、階層などの社会的枠組みを超えて すばやく、簡便に、かつ安上がりにつながりを持ち 協力しあうことができる道具と能力を得た、という論旨が 具体的な多くの例で展開されています。 下巻では特に、フラット化する世界が巻き起こす功罪と その悪い部分を取り除くことへの思案が述べられています。 コンピューターひとつで、世界各地の人とつながり ひとつの計画を実行することができる「フラット化する世界」。 けれどその力を利用するのは善人だけではなく、 その目的もポジティブなものとは限らない。 9.11事件のように。 しかし著者は、そういった部分の克服手段さえも、 世界のフラット化に求めています。 フラット化する世界において、 人々が建設的な未来を描くことができるようになれば 発展性のない未来に絶望し、自暴自棄な行動をとる者も減るはず、 という論旨です。 同時に強く訴えられるのは、ひとりひとりが行動し 世界を動かすこと。 自分にできることなんてまだ思いつきませんが ここに登場する人々を見ていると、尊敬の念がつきません。 (九月/2008-07-13) 下巻ではフラット化した世界がどのような影響を与えるのか?という視点でアメリカ、発展途上国、企業、個人のレベルで論じていきます。
特に個人への影響は興味深いです。フラット世界では一個人がジャーナリストにもなれれば、逆にその餌食になる可能性もある、ということです。私が著者に共感するのは、フラット化したことが例えばテロ組織の活動を活発化させてしまうという悪影響はあるけれども、だからといって非フラット社会へ後戻りするのではなく、積極的に前向きに活用するのが人類の知恵である、というポジティブな思想であること。 いつの時代でも新技術の発展が戦争に使われたりするけれども、それはフラット化社会でも同じこと。違うのはより個人単位での世界との関わりが増えてくるということではないでしょうか。 おそらく本書も数年経つと陳腐化してしまうのでしょうが、それでもいまの世界で何が起きているのか、個人としてどうすればいいのか、考えさせられる好書です。 (おがよし@CSS/2009-05-24) ネットの普及により社会構造が変わる。今後の社会を示唆している。
全6件のレビューを表示しています。米国民も理数系の興味が薄らいでいる、という。 理数系は中国、インドからの留学生の方が熱意があるという。 これは日本にもあてはまる。理数系の興味が薄らいでいる。 ネットの普及には理数系の知識が欠かせない。 ということは、日本の未来は無い。 (TAKE/2009-03-10) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉
ASIN:4794209460草思社(2000-02) 原著:Thomas L. Friedman/翻訳:東江 一紀/トーマス フリードマン 売上順位:76788 ¥ 1,890(中古:¥ 97) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:43
著者はあくまでもコラムニストとして、体験談を場当たり的につなぎ合わせ、アメリカ人読者にとって心地よいレベルでグローバリゼーションについて述べているだけで、きちんとした本ではありません。
ですが、読み物としては面白いですし、冷戦後の世界体制を具体的に描写しているので勉強になる部分もあります。これが一番目のおいしい点。おもしろおかしく書いてあるので甘口です。 一方、著者は結局のところ盲目的なアメリカ至上主義者であり、グローバリゼーションを支持しているのは、アメリカが勝利しているからというだけです。著者は80年代のソ連の工業の自滅ぶりを見物人として描写していますが、同時期アメリカも同じ状態になっていたという事実には触れません。その時、アメリカの冷戦体制もソ連と同様な経過で部分的に壊滅しているのです。しかも悪いことにまだ残っている。グローバル化された経済の論理は、アメリカの抱える問題にも同様に適用されます。アメリカの未来も決して安泰ではなく、インドネシアやメキシコと同じ目に遭う可能性はかなり高い。そのような点に著者は触れません。 「世界中の人を一直線上に並べて序列をつけることが可能だ。もちろんアメリカ人は先頭だ」というおめでたい感覚が文章のすみずみに満ちていて忍び笑いを禁じえませんが、いや笑い事ではありません。2億5千万のアメリカ人のうち、グローバリゼーション時代を生き抜ける人が何人いるのか、脱落者はアメリカで何をしでかすのか。それが911以後のアメリカの未来を決めることになるのですから。 この本を読むと、アメリカの知識人の思考力の範囲がどの程度であり、しかも彼らと関わらずに生きていける時代ではないことについて深く考えることになります。これが2番目のおいしい点。苦いですけどね。 よく考えながら読むと、きっとためになると思います。 (黄金丸/2008-12-18) もうこの本から8年か。時間の流れる早さを感じる。
アメリカ発のグローバリゼーションに対する、無邪気で一面的な賛歌であるこの本は、8年ほど前にベストセラーになった。そこではオリーブの木に代表される地域主義に対する、レクサスに代表されるグローバリゼーションの勝利が、様々な社会レベルから高らかに謳われる。例えば有名な”マクドナルドの黄金のアーチ理論”もそうだ。 その理論によれば、マクドナルドのある国同士は、グローバリゼーションの波に乗って、経済が発達、成熟した中産階級と民主主義が根付いているから、もうお互いに戦争をすることはないというもの。この本が書かれた時点では現実であったが、その後のコソボ紛争、グルジア紛争で見事に裏切られた。 また本書が予言した、グローバリゼーションありきでの世界平和とさらなる経済成長も、現実にはまったく逆の方向に進んでいるように思える。911事件以降、世界に溢れる暴力の嵐、際限なく暴走し、貧しい人の生活をさらにどん底に陥れ、遂に昨今破綻した巨大な無国籍マネー、深刻化する環境汚染や人権侵害、あまりにも悲惨な世界の現状ばかりが目につく。グローバリゼーションですべてが解決すると、無邪気に信じていたあの頃は一体何だったのだろうか? 現在ではもう読む価値のないと思われる本書だが、唯一面白い読み方ができる。それはこの本が書かれた当事、クリントン政権のもとアメリカが順調に経済成長をし、世界中がハッピーになると誰もが信じていた、ある種のユーフォリア(極端な楽観主義)を追体験する、という読み方だ。本書が謳うグローバリゼーションは心地よい。現実を忘れれば、束の間、あの当事の幸せな気分に戻れるであろう。 そして本を読み終えた時、8年で世界がこうも変わってしまったように、8年後世界がどうなっているかなど誰も想像ができない、そんな不確実性の時代に我々がいることをはっきりと感じるだろう。この本は時代の徒花だが、では何が実るのかなどは、誰も分からない、少なくともその事は教えてくれるのだ。 (しゃるる/2001-08-04) 著者(フリードマン)は大学院で中東研究・アラビア語を勉強し、長く中東担当記者をしただけあって、地域研究の重要性も理解しており、必ずしも経済中心のGlobalization論ではない。文化、経済、安全保障、環境、技術などのさまざまなメガネを重ね合わせなければGlobalizationを理解できないというのは賛同したい。
ただ隠されたバイアスとして指摘したいのは、著者のLiberalism的思考である。米国で発展してきた国際関係理論を大きく分けると、現状ではNeo-Realism(StructuralRealismとも言う)、Neo-Liberalism、Constructivismなどが主に上げられるが、著者は明らかにNeo-Liberalismの立場にある。この立場を相対化した上での議論を展開していないため、やはり偏りが出てきている。Globalization理解の枠組みは期待できない。 対して、DavidHeldの「GlobalTransformation」は無味乾燥だが、真剣にこのサブジェクトをマスターしたいひとにはお薦めかもしれない。さらに、思想的な観点から、LSE教授JohnGrayの「FalseDawn」を薦めたい。英国保守主義からの米国流Globalizationへの警鐘の書である。 とは言え、「レクサスとオリーブ」は大変愉しく読めるジャーナリストの作品であり、日本を素材として扱っている部分も多く、Globalization理解にはプラスになる。 ハーバード大学ケネディ行政大学院のJosephNye学長による昨年のGlobalizationセミナーでも指定書に挙がっていた。 (山耕一郎/2000-11-30) 私はこの本をゼミの授業で読みました。批判的にグローバ リゼーションを考える授業だったのでこの本も批判的に考えながら読みました。この本を批判的に皆で読むことが出来て本当に良かったと思います。なぜなら、普通に読んだら「カメになるのは嫌よっ」と気持ちが焦るからです。(カメの意味は読んだら分かります) グローバル化は必然なのでオリーブに固執してレクサスについてこない人は勝手にしなさいという本です。アメリカ人以外は読んでいてあまり良い気持ちはしないのではないかと思いました。環境問題や民族問題について触れてはいますが、解決策は見出せなかったと思います。 でも面白い読み物です。
(/2007-04-29)
日本では海外高級車におされて日本でだけは人気のないレクサス。
それをタイトルにもってくるところはおもしろい。 やはり故障だらけでも欧米の高級車がいいという日本人にはやはり海外への憧憬がある分、レクサスをこういう形でもってこられると世界の賛意を否定したくはなるものだ。 グローバリズムをマニ教的善悪二元論で考えることの愚かさを教えてくれる。 仕事と創意工夫についても考えさせられるところが多い。 だが日本のようにリベラルな人であってもコネによる仕事がベストと考える風土だと本書は受け入れられないか。 世界は個性的であるべきだが、日本的土着性「だけ」は駄目という人にオススメ。 無論本書への批判は存在する。 斎藤貴男氏のように市場社会から離脱し、物々交換や原始共産制という形もありうる。 実際イスラームのテロリストの勉学はグローバリズムの賜物であるし。 孤立化への道を選ぶのならやはり日本への海外からの輸出を規制し、鎖国経済を復活させるしか道はないだろう。 ただ本書への批判が「ネット」で掲載されているのを見ると不思議だ(友人に頼んだのだろうか) といってもインドも中国もグローバルな道を選んだ。 あとは、あえて全世界で唯一の道を選ぶ覚悟が日本人にあるかどうかであろう。 (/) この本は、みずからを厚かましいグローバリスト、アメリカ原理主義者と定義しつつも、アメリカナイズを逃れての経済発展は論理必然的にありえない、と断じる。非常に面白い。
イデオロギーは死絶え経済のみが生き残る、といいつつもこの本自体が2000年最大のイデオロギー大典となっている点がなんとも。そこのところの逆説を噛み締めつつ、半笑いで読むが吉。 (thee/2000-11-30)
香ばしい |
今の自信をなくしているアメリカを見ると、「ああ、こんな時代もあったんだな」と
思わせてくれる楽天性。2000年ぐらいに読めば、もう少し説得力あったのだが、 2009年に読むのはちょっと苦しい。 堅苦しい本でないのはいいところ。 (バロン/2009-01-31) グローバリゼーションとは、冷戦後の世界システムの再編現象である、というポイントを
ジャーナリスティックな事例を中心に読み物風にまとめているので、面白いですし、 枠組みもきちんと示されている本だと思います。 手垢のついた概念を、なるほど、そいうことなのね、という風に理解したい方向きです。 微妙にグローバリゼーションの負の部分を反省したりして見せるのですが、 著者の立場としては、グローバリゼーションとは ○アメリカがこの中心であり、不可避の現象であり、 ○かつ物質的に豊かになるから良いことであり、 ○反対する奴も所詮恩恵に蒙っているのだから文句を言う奴は卑怯であり、 ○これからもアメリカががんばって欲しい、 というまとめ方になっています。 やっぱりアメリカ人って「面白いし、色々ものも知っていて、明るくてハンサムで、 正義感も強いんだけど、やっぱりちょっと独善的で、時々乱暴するし」っていう感じ のどちらかといわれると、まあ「友人」と答えてしまう奴なんだなー、というを思い を新たにしました。 グローバリゼーションという言葉が好きなヒトにも嫌いなヒトにも、考える材料 を提供してくれると思います(煮え切らないまとめ方だな。。。。) (赤影ii/2006-12-09) もはやグローバリゼーションの古典とも言えるのではないか。
グローバリゼーションが自明の状態となった2005年に読むとこの本が最初に出た2000年とはまた違った趣がある。 前巻は「レクサスとオリーブ」のうち「レクサス」の部分を中心としている。著者がグローバリゼーションの時代の前途を正しく理解していたことは実際の世界の動きによって証明されたとも言えるし、テロリスズムとグローバリゼーションや情報技術の長足の進歩のような著者の予測を越えるところもあるが、基本的な流れはきっちりと予測している。 著者も述べるようにエピソードを主体としているため読み物としても読みやすいし、著者の主張も頭に入ってきやすいと言えるだろう。 アジア経済危機に関するエピソードが多いのが今となっては微笑ましい部分もある。 (糸音/2005-08-20) 上司などに進められていたのだが漸く読んだ。アメリカ中心的な観点からのグローバリゼーションについての解説本だが、その実作者の主観的な経験に基づく逸話ばかりがずらずらと並び、その冗長さや傲慢さとあいまって辟易させられた。下賎な言い方だが、もう少し大学教授らしくというか、きちんとしたバックグラウンドに基づいた分析をしなければ、ただの作者の自慢話に終わってしまうのではないか。直感的にひらめいたという「マクドナルド理論」などをまことしやかにひけらかす作者のセンスには(そしてそれに対して真剣に反論している論者がいるということにも)ほとほとあきれさせられた。今更読んで得るものは少ないし、不愉快になる本であった。
(すごい/2004-08-28)
土着・アイデンティティの象徴である「オリーブの木」の役割の重要性が下巻では主張されており、上巻のグローバル化万歳と合わせると、「結局、レクサスもオリーブの木もどっちも大切だよね」という無難な結論に至る。とまあ、それはさておき、下巻ではオリーブの木について延々と書かれているが、上巻ほど説得力(というか実利)があるものでもなく、きわめて普通の本になっている。読み物としては上巻の方が面白い。強要されたものであっても結果オーライなら、それはそれでいいのかな、という気もしないわけでもないし。人によって読み方はさまざまであるし、印象に残る点もさまざまあると思うので読んで損はない本であることは確かだ。
(きんぐ研究会/2006-11-15)
世界化が進む市場の姿を豊富な経験とエピソードで語った名著。とにかく読ませる面白い読み物です。
そのエピソードの中には日本も登場する。レバノン、イスラエルという辺境で培われた直観が なせる業なのか、見事な語り口。 著者はグローバル化を善悪では判断せず、避けられない事象として語る。それが、願望で現実を規定しようとする インテリたちとの差となっているのではないかと思う。 電脳投資家集団の民主化への要求は次の3つに基いているという。 それは、柔軟性、合法性、持続可能性だというのだ。無能なトップが常に居座らないためにもそれは必要なことであるといえる。 「この集団を精いっぱい活用することが」生き残るための道であると言う著者の主張に耳を傾けるべきだろう。 (starlight/2002-02-02) 今という時代が何か、世界はどこに向かって動いていくのかを考える上で、とても重要な視座を提供するthought provokingな本。さすがニューヨークタイムズの代表的コラムニストの文章とだけあってぐいぐいと引き込まれて読んでしまう。各所にユーモアあふれる逸話、冗句がちりばめられているのも良い。僕は通勤の電車の中で読んでいたが、おかしくて、何度も吹き出してしまった。いかにもアメリカの知的リベラルが書いたglobalization賛歌、米国賛歌的なところが気にはなったが、でもやっぱり彼の指摘は正しい。globalizationによって世の中は物凄いスピードで動くようになった。著者が言うように、これからはfast worldに入れるかどうかが問題で、それに入れなかったらどんどん取り残されるばかりなのだが、日本社会は今や動脈硬化症状を呈している。かつて、米国にとって脅威だったのはソ連と中国の軍事力、日本の経済力だったのだが、これからはこれら3カ国の弱さ(日本の場合は経済的弱さ)が米国にとっての脅威になるとの指摘はとてもrealであり、衝撃的だった。
それにしても、globalizationの時代にあって、Lexusとオリーブの木という2つの価値観の対峙という構図は極めて的を射ている。僕の心の中でも両者がいつもせめぎ合っている。 (tomomori/2008-02-23) 上巻では、グローバライゼーションとは受け入れるか否か、どの程度受け入れるか、ということについての各国の意思とは関係なしに、結果として強制されるものである、という点が印象的であった。そしてその強制に付随して起こる経済改革などの措置が、経済資本バージョンがどんどん上がっていき、それによりグローバル化された社会において生存していくことが可能な強靭な経済体制が作られる、というのが著者の言いたいことであろうか。しかしながら彼の言う「マグナ・マック」(マクドナルドのある国同士は戦争をしない)は崩壊しており、(空しいいい訳がなされているが)彼の述べているとおりの理想のグローバル社会が易々と築かれるというわけではない。そこでグローバライゼーションと対極にある、土着のものの象徴である「オリーブの木」の役割が生まれてくるのである。以下下巻。
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本書を読んだ後で通訳試験(内容は流通関係)を受けたら単語・表現がポンポン口をついて出てくれました。その点では『The World Is Flat』同様に役に立つ本です。ビジネス英語系の言語空間に慣れたいという方にはお薦めです。
26件のレビューうち参考になった順で15件までを表示しています。アメリカの株式バブル崩壊前に執筆されたらしく、バブル期独特の底抜けの楽観主義や浮かれ気分、気が大きくなっている感じが漂ってきて興味深い(あるいはもともと明るい人なのか)。サブプライム問題なんてまだ影も形もなかったあの明るい時代…。CEOバブルの代表のような故ケン・レイ氏の唱えるお題目をそのまま引用してエンロンを褒め上げていたり、いま読むとご本人も決まりが悪かろうという箇所について喋々するのは気の毒なのか。しかしダーウィニズム的社会学が見え隠れし、おらが国はその頂点に立ったのだと他国を見下している感じがスゴイ。 グローバライゼーションはアメリカナイゼーションだということです。その流れは「歴史の必然」であり「進歩」であり、乗り遅れる人間は「亀」、反対する人間は現代版ラッダイト主義者だそう。それを検証する為に世界中を巡って個人的経験をかき集めてきます。友人、家族との逸話も動員します。統計より逸話を重視するあたりが著者の一般人気の秘密なんでしょうか。「マクドナルド現象」をはじめ、諸現象を説明するのにいちいち独自の造語を編み出していますが、余計ですね。ネーミングがイケていない(Golden Straitjacket、Electronic Herd、DOScapitalやらやら)。結局は自説の裏付けになりそうな逸話をとうとうと並べているだけで、グローバライゼーションの影の部分の分析は極力避けています。全く同じ手法でグローバライゼーションを徹頭徹尾悪魔化する本を書けると思いますよ。こういう本を読むとノーム・チョムスキーやナオミ・クラインを応援したくなるから面白いです。 (/) [16件以降をamazonで見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 はてブコレクション数: |
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ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ASIN:4837956661三笠書房(2006-05-08) 翻訳:大前 研一/ダニエル・ピンク 売上順位:1605 ¥ 1,995(中古:¥ 650) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:188
経済のグローバル化、情報化の拡大によって、それまで先進国の知的労働者の特権と思われていた仕事が、低賃金で有能な人々を抱える一部の途上国やコンピュータに代替されつつある。ゆえ、今後は知識を詰め込んで分析する「左脳的思考」だけでは足りず、さらに感性(本書では6つの感性を紹介)を必要とする右脳的思考も大切になるという趣旨。
趣旨は理解できるが、それほど感動するような内容ではなかったというのが正直なところ。 先進国の知的労働者は、(途上国にその仕事を代替されないために)感性を磨くことが必要と読めるが、途上国の人々が本書にある「6つの感性」がないことはなく、論拠の前提条件にあまり納得がいかなかった。また、先進国の人々が作ってきたコンピュータによって、自らの仕事が失われつつあるというのは、何とも資本主義の皮肉な世界である。 さらに、邦題のサブタイトルに「新しいことを考え出す人の時代」とあるが、これはいつの時代も多かれ少なかれ当たり前のことであり、今後はより多くの人に「新しいことを考え出す人」の機会が広がるということ、また、それに伴い社会的な格差が拡大するということで、何か新しい時代が来るという印象は抱けなかった。 長期的な視点からみれば、現在は水が高いところから低いところ(途上国やコンピュータ)に流れているだけで、近い将来、水面は同じになる。その時、我々の世界はフラット化するのか、あるいはその前に保護主義が台頭するのか。そして我々は「個人」としてどう生きるべきなのか、それを考えるきっかけにはなった。 一方、本書にある6つの感性を「成熟した社会(先進国)でのマーケティング戦略」という視点から考えると、非常に役に立つのではないか。 マーケティングの視点からは「花を売らない花売り娘の物語〜ハイタッチ・マーケティング論」がお薦め (foxtrot/2007-04-15) 例えばひとつの業務をどう進めるか、についてを考えるときも、
今まで考えたことが無いようなストーリー性やデザイン性がいかに重要かがこの本を読むとわかる。 今までの仕事のスタイルを見直すいいきっかけになる。 また、子供を持つ親の立場で、 子供がどのような進路を歩むか考えるとき、 ひとつの指標になる。 今までは憧れであった職業が、そうでなくなっている事実も興味深い。 (ノーマン/2006-06-12) 大前さん曰くの「格差社会を勝ち抜くための三条件」は確かにそうかもしれない。
しかし「格差社会を勝ち抜く」なんて、卑しく不安を煽り立てる最近の論調にはいささか辟易している。 なぜなら、これらの本がいくら鋭く真実を突いていたとしても、多くの人は「そうですか!良いことを聞きました」と簡単にスキル変更できないからである。 この本で問われる「六つの感性」は、今の高等教育を受けたからといって簡単に発揮できるものではない。 決してマイナス思考でもあきらめでもなく、無理な人には無理なのである。 しかし、ビジネスパーソンの多くは勉強好きであることは確かだ。 あざといようだが、自己啓発本の類はベストセラーになるのである。 冗談はさておき、エグゼクティブクラスの仲間入りを目指す者にとって、必要な能力や目指すべき方向性が列挙されている。 『「機能」だけではなく「デザイン」』は、これからどの分野にも通じて含蓄あるフレーズだ。 大前さんは日本のエリート育成のために、これからも無理してガンガン煽って欲しい。 (endlessenigma/2006-06-26) 個人ベースのボーダレス時代に突入した現在、ビジネスマンの取るべき道をガイドした本。
企業ベースで国境を越えていた時代には、日本人にとって語学力が世界に通じるパスポートであった。しかし今や語学力やコンピュータ操作は、当然の「リテラ死」と化している。ではいかなる能力が個として要求されているのか? 原題はA Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future。だから右脳系の内容。紹介にある「第四の波」はちと大げさかも。 章立ては整理されており一気に読了できるオススメ本です。でも日本のビジネス書で言われ始めていることも多く、あれれ?と思われる読者も多いかも。 日本的情緒が見直され、論理力礼賛にも新味さが欠けてきたから、大前さんが知恵つけて逆輸入したのかも?なんてこと考えたら不謹慎かな。 (TIME & PLACE/2006-07-02) 左脳を使って論理的に考える重要性は無くならないものの、今後は右脳も活用しないと、低賃金国やコンピューターに仕事を代替されてしまう、という内容です。
これから求められるのは以下の6つの感性(センス)。 ・「機能」(実用性)だけでなく「デザイン」(有意性) ・「議論」よりは「物語」 ・バラバラの断片をつなぎあわせる「調和」 ・「論理」ではなく「共感」 ・「まじめ」だけでなく「遊び心」 ・「モノ」よりも「生きがい」 各章末に、まとめ・参考文献などが載せられています。 残念なのは、(当たり前なのですが)米国人以外には敷居が高いこと。 例えば、デザインに関する(米国にある)美術館、邦訳が出版されていない書籍などを詳しく紹介されても、大抵の方にはあまり役立たないでしょう。 本を読んだだけで実践しなければ、力はつかないと思います。 やる気のある方は、これをきっかけにご自分で調べるのだとは思いますが、「誰にとっても行動に結びつけられる書」とは言い難く、やや物足りない内容でした。 (plateau/2006-11-22) これからの時代をどう考えるかの一助になる本だ。
どうなるかは、もちろんなってみないとわからないが、 確かに「新しいことを考え出す人の時代」というのは、 冷静に考えれば至極真っ当な考えだと思う。 ダニエル・ピンクの言い分はこうだ。 今まではナレッジワーカーの時代。 しかし、「豊かさ、アジア、オートメーション」をキーワードに、 コンピューターやインド・中国などにこのような仕事は 安い価格でアウトソーシングされてしまう。 次の時代に備えるために 「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」の資質を身につけなければならない。 我々は前半部分の現実を目の当たりにしている。 そして、その時代にどう対応するかの方法論が語られる。 すなわち、ハイ・コンセプトでハイ・タッチな「六つのセンス」こそが必要不可欠な感性だと訴える。 それが「デザイン」「物語」「全体の調和」「共感」「遊び心」「生きがい」だ。 この6つを説明して終わる。 うーん、なんか尻切れトンボで終わってしまう感じ。 「コンセプトの時代」がうまく説明し切れてないので、 「六つセンス」はそれぞれは例を用いて解説してあり、 それを伸ばす実践的な提案も豊富にしてくれるが、うまく入っていけない。 それを解説しただけ感があり、それだけでは説得力に欠ける。 しかしながら、次の時代を生き抜くビジネスマンなら必読書と言える。 強いて言うなら、第3章の23ページだけ読めば、言わんとするところはわかる。 (◎おらくるくる◎/2007-07-25) 色々なビジネス本が出ていますね。なるほどと思うことは多いのですが、なかなかないのが、そうすればいいのかな?という道筋を与えてくれる本です。この本はずばりそれを与えてくれると思います。
6つのスキルを重要スキルとしてあげており、その六つは、1)機能ではなく、デザイン 2)議論よりは物語、3)個よりも全体のシンフォニー4)論理ではなく共感、5)まじめだけでなく、+あそびごころ、6)物より生きがいです。 車を例にとれば、すでにどれも使う上での機能は似たり寄ったり。するとどこで差がうまれてきて、その差を生み出せる価値ある人材になるにはどうすればいいのか?そんなことを考えてみたい人にお勧めです。 (Wolfpack/2006-09-09) 何はともあれ、帯に書かれていることは、大げさではなかった。
先進国で、そこそこの収入で、豊かな生活を謳歌している、 フツーの中流意識の市民(ワタシも含めて)には、必読の書ですね。 とりあえず、文句を言わず、地球規模の時代のシフトを把握し、 生き方を考えるために、書かれていることは、 そのまま丸ごと受け止めて、読み進めます。 その上で、内容を咀嚼して、自分のできること、やるべきこと を選択し、もっと深く追求していく。そんな感じの読後です。 本書のエッセンスは、最初の大前氏のサマリーにうまくまとめられて いて、それを読むだけでもためになります。 前半は、世界的なメガトレンドで、背筋も凍る危機意識が芽生えますが、 後半の6つの感性は、すぐには、ピンとはきませんが、 じっくり、よーく考える価値が十分にあります。 とはいえ、のんびりしている暇はない、というのが本書のいわんと しているところでもありますけど。 これは、とんだ「当たり本」でした。 (佐倉ごるふ/2006-05-11) 数字・論理・分析よりも、これからは物語・デザイン・シンフォニーなど6つのスキルの方がモノを言う時代になる、という。理系の人はおそらく反対するだろう。しかし文系、芸術系の人は大いに共鳴するはず。
過去、論理力(ロジカルシンキング)を引っ張ってきた大前研一氏が、物語力(ナラティブメソッド)やデザインの重要性を説く同書を訳したという事実は、日本のビジネスカルチャーの潮の変わり目を象徴していると思う。具体的な方法論については類書、『「物語力」で人を動かせ!』(平野日出木著)の方がくわしかった。 (桑映赤/2006-06-11) 原題は『A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future』。
左脳的能力(知識・分析力)だけでなく、右脳的能力(発想・統合力)の 開発がこれからは社会で成功するカギになるというもの。個人的には実践 している話題も多く、「我が意を得たり」の思いで読んだ。 しかし著者も述べているように、これは何も新しい考えではなく、むしろ 20世紀は不当に右脳的能力が社会の主流から無視されてきたとも言える。 また「日本の今後」や「創造性」を考える上で、あくまでこれは一側面に すぎず、「伝統」など他にも重要な資源があるように思う。 ともあれ発想型の人間はこの本から大いに勇気を得るであろう。発想力を 伸ばしたいと考えている人も多くの示唆が得られると思う。何よりこの本 が売れて、発想が大事であるという認識が日本にもっと広まると嬉しい。 (日本丸/2006-05-23) モノ余りの時代と言われ、個人貯蓄が1500兆円あるのに消費が増えないのは欲しいものがないからだ、と言われる今日、この閉塞状態を抜け出すのはハイタッチ、ハイコンセプトな商品である。
そのような時代にあって、我々を取り巻く環境も大きく変わってきている。キーワードは下記3つ。 1)過剰な豊かさがもたらす「新しい価値観」 2)アジア:次から次へと湧き出す「競争相手」 3)オートメーション:そんな脳では、すべて「代行」されてしまう これからの時代はより右脳の重要性が増す「総脳の時代」になる。本書でも右脳開発の重要性を繰り返し述べている。先日受講した研修の講師が“今後(2〜3年後)の研修は今とかなり変わってくる。もっと、右脳を開発するための音楽やビジュアルを多用したものになる。既にアメリカはそうなっている。”と言っていた。今、右脳の重要性はダイバーシティーの中の男女の違いでも話題になっている。今後は女性の感性が益々重要になるであろう。 ハイタッチ、ハイコンセプトとは、下記のキーワードで表されるようなもの。 1)機能ではなく、デザイン 2)議論よりは物語、3)個よりも全体のシンフォニー4)論理ではなく共感、5)まじめだけでなく、+あそびごころ、6)物より生きがい。 上記キーワードで考えてみると、数年前e-ラーニングが始まった時に全てがこれに取って代わられるような議論があったが、今ではスクーリングとの組合せによる研修のトータルデザインや、Web上でも講師と受講者とのインタラクティブなやり取りが重要と認識されている。 本書で書かれている個々の内容は既に色々な書物でも語られている内容である。本書は、それを、ハイタッチとハイコンセプトと言う、あたらしいキーワードでまとめたことである。 (私撰 綜(市川聡:さとる)/2006-11-19) ハイコンセプトは、ネイスビッツが言っていたハイタッチの考えと近い。6つの新しい流れをうまく捉えている。中でも、物語性に興味を持った。ベートーベンよりモーツアルトがもてはやされるのもその流れで説明できるという。
科学技術の分野で最近出た本の中では、米沢著「人物で語る物理入門」が物語りを用いて物理を説明している。レスター著「イノベーション」では、イノベーションのプロセスが従来の分析的なものから解釈的なものに変わってきているという。ステフィック著「ブレイクスルー・イノベーションの原理と戦略」でも、物語を通じて実践的にイノベーションの過程をうまく説明している。いずれも読んで損のない本である。 物語とは、物が語るのではなく、人物が語るのである。 (イノベーター/2006-08-17) 楽しめました。うっすら感じていたことが頭の中で像を結びました。
次の時代に必要とされるあいまいな要件を、「デザイン」、「物語」、「全体の調和」、「共感」、「遊び心」、「生きがい」という6つの栄養素に還元してすっきりと描写しています。この明快さは、作者の表現を借りればいかにも左脳的です。米国人のタフさを感じます。自らの強みを生かして、他社の強みを咀嚼・分解・吸収してしまう強さです。ダニエル ゴールマンの「EQ―こころの知能指数」と、テーマだけでなくアプローチも似ています。 もちろん、「物語」や「共感」といった右脳的特徴も十分に効いています。事例や参考書籍も役立ちそうです。その点では、この領域の学習・読書のハブにもなるでしょう。 (jimmy/2006-06-13) 今までの情報化社会での主役であった「左脳思考型」の職業(経営者、医者、エンジニア、弁護士)は限界に来ているという。その理由は「豊かさ、アジア、オートメーション」だという。要は、今までのビジネスのやり方では、他社との差別化もできず、ITに置き換えられたり、海外のコスト1/10の世界に仕事を奪われてしまうということである。
本書では、これを乗り越えられるのは「ハイ・コンセプト」型の人材、企業であるととらえている。それは「右脳主導型」ビジネスであるという。他人と共感できるとか、デザインに長けているとか、商品に物語性があるとか、そういう顧客の右脳を刺激することができるかどうかが重要だという。 確かに最近ではそういう企業が伸びているのではないかと感じる。今の社会・経済を見る上で非常に参考になる。 (TRK/2006-05-10) ・きわめて感性を重視するような、そういう豊かさを
61件のレビューうち参考になった順で15件までを表示しています。創造するビジネス思考の重要性をといていると思われます。 ・訳者の遊び心や、ヴィーナスフォート誕生秘話や他の作品などの 著作ですでに書かれているような内容と同じであり、それほど目新しい ことではなく当たり前の内容だと感じます。 ただ、それがビジネスという世界で見落とされがちなエッセンス ということでしょうか。 ・訳者の著作をすでに多数読んでおられる方は 目次を見れば、だいたい想像がつく内容だと思われます。 個人的見解としては、巻末の三つの問いには疑問が残ります。 海外に移転できる業務、コンピュータに置き換えられる業務は なくなるという指摘は以前からありますが、社会は本質的に 置き換えられるとしても、それを実施するほどのシステムも 運用力もないと思われます。また仮にそれができたとして 人類は無駄な仕事を温存しないと社会を維持できないということは だいたい想像できるように思います。 (中尾信之/2006-06-24) [16件以降をamazonで見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 はてブコレクション数: |
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コークの味は国ごとに違うべきか
ASIN:4163713700文藝春秋(2009-04-23) パンカジ・ゲマワット 売上順位:1616 ¥ 2,000(中古:¥ 1,444) |
レビュー総評点:15
グローバル、と言われながらも、
意外とそんなにグローバルになってないよね、 という普通の人の肌感覚に近い分析を行い、事例も紹介している。 事例は、海外の話が大半ではあるが、 取り上げられている企業がマクドナルド、コカコーラ、 レゴ、IBM、ウォルマート、トヨタ、資生堂など、 海外の企業でも、日本人に馴染みの企業が多く、 コカ・コーラの話でも、日本コカ・コーラの 缶コーヒーの商品開発の事例も書かれているので、 身近な話として、日本人の読み手への説得力も強い。 「フラット化」する世界、という概念の真逆を論ずる、 今起きている現実を地に足を付けて説明している良書。 (Ossan/2009-06-06) 世界を消費者のニーズという観点から捉えると、グローバリゼーションは進展している、
というよりも、国ごとに大きな差異が残る、セミ・グローバリゼーションの時代といえる。 多国籍企業が世界各国への進出した例のなかから、失敗と成功を取り上げ、どのような 戦略をたてるべきかその分析手法を説明していく。 スターバックスは禁煙という文化を日本に持ち込むことにより、女性層という新たな消費者を を作り上げた。 マイクロソフトは中国では検閲という文化に悩まされ、中国が変わるというよりも、マイクロ ソフトの方が変わっていくかもしれないとする。 また、マクドナルドもインドでは羊肉バーガーがある。(日本では月見バーガーがある。) というふうに、ややユーモラスにお堅い話を分かりやすく説明してくれるのだが、 そもそも目線が、多国籍企業がどの国に進出するべきかの分析手法の講義であるだけに、 一般庶民が実生活へ応用できるような内容ではないところが苦しい。 経済紙の書評で、フリードマンの「フラット化する世界」よりも視点が高いとされていたが、 フリードマンは、PCとインターネットの発展により世界の人々の「情報」へのアクセスが 平等になった。そしてサービス業と製造業のアウトソーシングが進み世界がフラット化した。 という主張であり、かなり視点が異なるため同列には批評できないように思う。 (ピラニア君/2009-06-20) アトランタにはコカコーラ博物館があり、少なくとも15年前に訪れた時には各国の異なる味のコークを味見できた。すなわち、コークの味は各国ごとに異なる というのは、コカコーラのグローバル戦略に関係なく当り前の話なのだ。
全3件のレビューを表示しています。極端なグローバル化論者でも、すべての国の人が毎日同じものを食べ、同じ車に乗って、同じ服を着る というようなことは想定していまい。世界市場化がかってない規模で進んだとしても、国ごとに何らかの文化的差異が残ることは自明だ。 しかし筆者は、グローバル化論者が上記の極端な想定に立っているように取扱い、これを攻撃する。企業の事例はなかなか面白いが、(特に最終消費財の場合) 国ごとに異なるアプローチをとるべき というのは常識なのではないだろうか? 某紙の書評につられて買ってみたが、わざわざ買ってまで読む必要がある本だとは残念ながら思えない。 (brotherfood/2009-06-11) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:3.0 はてブコレクション数:この商品をリストに入れている人:
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東西逆転―アジア・30億人の資本主義者たち
ASIN:4140811005日本放送出版協会(2006-03) 原著:Clyde Prestowitz/翻訳:柴田 裕之/クライド プレストウィッツ 売上順位:230456 ¥ 2,625(中古:¥ 57) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:12
フラット化する世界(原文)も読んですばらしいと思ったが、この作品も素晴らしい。
これからの世界での出来事を巨視的に捉えるには最も適した書であろう。 翻訳も素晴らしい。読んでいてぎこちないところがない。 値段も、この本から考えさせられること、学べることを考えれば格安だ。 (とっとこ/2007-02-19) ドル暴落の引き金を日本が引くと言う、ちょっと驚くような書き出しで始まる本書の著者は、『アメリカ経済戦略研究所所長』という肩書きの人物で、日本にも留学経験があるらしい。過去に、『日米逆転』(ダイアモンド社)等のベストセラーも手がけていて、レーガン政権時代に、商務長官特別補佐官を勤めている。
全2件のレビューを表示しています。本書の内容を一言で説明すると、唯一の超大国となったものの、様々な面で影響力の低下が否めないアメリカが、グローバリゼーションの波に乗って長期的に利益を得るには何をするべきか、という事に関する著者の考えが滔々と述べられてる本、と言えるのではないだろうか。 それも、やや過剰に考えすぎているのではないかと思われる箇所もあって、著者の経歴と立場を踏まえて解釈することが必要であると感じた。 一方で、著者の研究者としての幅広い見識と、政治や外交の最前線で活躍した経験に裏打ちされた内容は、とても新鮮で興味深いものが多かった。 特に印象に残ったのは、NAFTAへの加盟を呼びかけるという日本に対する戦略で、日米双方にとってにとってメリットが多いと言うのが著者の考えであった。しかし、素人目には資源やエネルギーの供給国と消費国の関係に見えるNAFTAに、アメリカと競合する産業の多い日本が加わることが有意義なのかどうか、本書の内容だけでは良くわからなかった。 また、本書のプロローグは、草稿段階でアメリカ人読者向けではないとの理由から書き直されたそうで、原書と異なっているらしい。日本の読者向けには当初のプロローグがふさわしいとの判断で、現在のものになっているそうだが、原書のプロローグも読んでみたい気がした。 本書は、翻訳も良くて読みやすく、グローバリゼーションの行く末に関して考える材料の一つとして読むには、非常にお勧めできる本だと感じた。 (littlejohn/2006-05-03) [amazonでレビューを見る][amazonでレビューを書く] 平均点:5.0 はてブコレクション数: |
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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
ASIN:4480062858筑摩書房(2006-02-07) 梅田 望夫 売上順位:5197 ¥ 777(中古:¥ 1) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:1
意外と評価が高いのは、Webの現在のことが一般に理解されていない証拠 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
あまりのGoogle賛美に辟易となりました。インターネットの世界は多様性、多元性を許容するからいいのであって、Googleが良くて、ほかは駄目というのは明らかに言いすぎ。
Googleの描くシナリオを単に追従するだけで、それでいいのかどうかの判断をすでに著者は止めている。 Webの世界の現状を知らない人には、非常に啓蒙的な本であるが、くれぐれも著者のいう事を鵜呑みにせず批判的にお読み頂く事を希望する。 (3年寝たろう/2006-02-24)
抽象論は否めない ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
勢いよく読めてしまいますが、読み終わった感想は、ああすごいなあと、それだけです。ビジネスモデルをたくさんあげていますが、もう少し落とし込まないと、少しでもネット業界を知る人間には物足らなすぎます。
例えばネットは劇的変化を過去5年間でとげていながらも、ネットビジネスにとってのキーであるCPA(Cost per acquisition。要するにお客一人当たりをウェブ上で得るための費用)は、あまり変わっていません。技術やスタイルは劇的に変わっても、企業側にとって最も大事な点は、進化していないということです。そして企業側にとって見れば、グーグル広告を使ってのCPAは、決して優秀ではありません。これは広告収入に9割以上を頼っているグーグルにとっては致命的なことです。 ネットにせよバイオにせよ、何か新しい分野が興ると、さもすばらしく優秀な企業群が大量に出現して世界を変えるといった本が必ず売れますが、実際そうはならないのは、そういう本にはポイントの落とし込みや冷静な分析力が欠けているからだと思います。そしてこの本はそういう時代と共に埋没する一冊だと思います。 ITに疎い人が読んで踊らされて鼓舞されるのはいいことだと思いますが、同時に足元を見ることも忘れないでください。 (レッツトライ!/2006-03-03) 読むときに注意したいのは、社会やビジネスの変化はなにもウェブだけで起きるわけではない。ネット中だけで完結する世界という前提がないと、内容の半分くらいが破綻しそう。ということです。いや、内容は面白いですし、時代が変わるというのはそのとおりだと思います。
各論でいえば、 インターネットは現在オープンというよりドメイン化が進んでいます。 グーグルはマイクロソフト以上に覇権主義を警戒しなければならない企業のひとつとして見られています。 ロングテール論について時間軸の考察が抜けているような気がします。 玉石混合をみわけるのにツールやテクノロジーへの過渡な依存は思考の放棄に私には見えます。 1億人から1円ずつ(ほぼ∞×ほぼゼロ=something)、の理論は「永久機関」の説明を彷彿とさせてくれました。 あたりが感想です。 (ざっしゅいぬ/2006-03-02)
web2.0入門書 |||
ほとんどノンストップで読み切ってしまった。WEB2.0とは本質的にはどういうものなのか、その社会への影響etc.を詳細かつ複雑に、しかし分かり易く説明している。
ウェブについてほとんど知識がない人にとってはちょっと難しい一冊かも。。。 説明自体は前述したように、とても分かり易いけど、WEB2.0は「物」(≒こちら側)ではなく「概念」(≒あちら側)としてしか理解できないものなので。。。ちょっと知識をつけてから読むと、この著者の頭の良さが分かります。 (じゅんぺい/2008-03-16) ネット百科Wikipediaで専門とする領域の基本用語を検索してみた。記述内容のバランスがよく、なかなか当を得ている…。
Amazonにしても、売れ筋以外の書籍情報が驚くほどの充実振りだ…。 何か不可思議な感がしていた。いったい、何のために? 誰が? そのもやもやが、この本を読んで解消した。今、大変な段階に来ていることもよく分かった。このあたりの「目からウロコ」感ゆえ、売れ行きも好調を保っているのだろう。この点、わたしも著者に感謝したいと率直に、そう思う。 新しい時代に進化しつつあるのは大筋において著者のいうとおりだろう。それを前提とした上でだが、コンピュータが自動的に知の秩序を形成することに諸手を挙げて楽観している著者に何の陰りも見出せないのが気にかかる。資本主義の勃興期、「神の見えざる手」が働き、予定調和が達成されるとしたアダム・スミスが想い起こされてしまうのである。 著者の感じる問題点はないのだろうか? あっても、推進者として今は言えない、ということか? この世にすべてよし、という事はありえず、得るものがあれば必ず同時に失うものがあると思うわたしは、この点についても著者に語ってほしかったと痛切に思う。なにしろ本書は進化「論」なのだから… (八雲立つ/2007-01-04) 今ネットのあちら側でどんな変化が起きているのかを俯瞰できる好著。ITの現在、可能性について。オープンソースとグーグルの躍進。グーグルの登場以降の大変化の本質をこの本は見事に射抜いてみせる。もちろんネットのあちら側から。たぶん次の10年はあたかもモノ作りではなく、ネットあちら側にいかにしてすべての情報をぶちこみ、それを再構成し、秩序立てを行うことに成功したものに、すべての金、権力、もろもろが流れ込んでいくのだろうか。個人的にはロングテール現象の記述が興味深かった。ネットビジネスではリアルビジネスとは異なり、所謂「売上の80%は、全商品の20%が作る」といったパレートの法則、我々が金科玉条信奉してきたビジネスモデルがコペルニクス的転換を強いられそうだという点だ。
しかしだ、ネットのあちら側でどんなモデルが構築されても、モノを作るのは人々の汗水流した結果なのだ。ネット信奉者に、シリコンバレーの天才たちに、この視点が欠落しているうちは実は大丈夫なのではないか、これは一現象でしかないのではとも正直思った。ネットのあちら側にどんなに設備投資してもリアルなモノ作りは出来ない。負け犬の遠吠えかもしれないけれど。 (tomzt/2006-04-15) まずインターネットを毛嫌いしている年配者、60歳以上の人にとっては格好の入門書になるので、おすすめしたい。
それより若い、十分にインターネットを使っている世代にとっても、グーグルの破壊的なビジネスモデル、収益構造などを詳解しており、役に立つ。 とくに「自分はネットを知っている」とうぬぼれてブログを書いている連中には、「日本人1億のうち、ブログで意味のある情報発信をする能力のあるのはせいぜい1000万人ぐらい(あとはカス)」という指摘は辛辣だ。「枯れ木も山のにぎわい」という言葉があるが、大部分のブログは真に意味のある他人のブログにリンクして、その他人のブログをグーグルの検索順位の上位に押し上げる役割しかはたせないのだということが、よくわかる(それでもあなたはブログを書くか)。 インターネットは万人に平等に開かれたメディアではなく「有能な人にのみ平等に開かれたメディア」なのだ。グーグル自身がべらぼうにIQの高い博士号保有者の集まりであり、彼らがほんとうに、大部分の、情報発信能力のない、頭の悪いユーザー一人一人のことを思いやっているとは到底思えない。 そういうネットの負の部分への言及が少なく、いささか楽観的にすぎる内容になっているので、佐々木俊尚「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」(文春新書)とあわせて読んだほうがいい。 (中朝戦争/2007-05-11) 10年前が大昔に感じられるような、急激な勢いで変化し続けるインターネット世界の最近の動向を、コンパクトに平易に説いた良書。
繰り返し述べられているように「不特定多数無限大の良質な部分にテクノロジーを組み合わせることで、その混沌をいい方向へ変えていけるはず」という前向きの考えが大事だと思う。なににせよ完璧なものはなく、表があれば裏が必ずある。光り輝く部分があればそのぶん陰もくっきりと浮かびあがる。しかしできない理由を10考えるより、できる1の可能性を考えるほうがいい。そのようなポジティブな姿勢なしにはものごとはちっとも良くならないし、まして“革命”は起こりえない。 そのことを認めたうえでだが、私にはインターネットの先行きを著者ほどには楽観視できない。グーグルやアマゾン等の「あちら側」のシステムがどれだけ発達したとしても、しょせんは一私企業であり、営利組織。盤石と思われていた大企業がある日突然消えてなくなるという事態を私たちはもう無数に見てきたではないか。フリーの百科事典「ウィキペディア」にしたところで大口のスポンサーが急に降りてしまうというような事態は十分ありうるだろう。 「あちら側」になにもかも預け依存してしまうことの弊害や危険を思えば、「こちら側」にも同等の備えは平行して保持していたほうがよい。個人レベルでいえば大事なファイルほど自分のパソコンなり外付けHDDやDVDにも自分で持っていた方がいい(私は例えばこのアマゾンのブックレビューでさえ、まず自分のパソコンのワープロで作製し保存してから、アマゾンの当該欄にコピーするようにしている)。 (2230m/2006-04-15) 私は別にネットメディアに過剰な幻想を抱いているわけでも、
既存メディアに大きな期待をもっているわけでもありません。 どちらかというと、一時期、既存メディアの片隅で働いていた経験が あるので、既存メディア擁護派といえます。 しかし、最近のWeb2.0に伴う新サービス、 Wikipedeiaやグーグルの新サービスを目にした今、 そうした認識は一切持っていません。 衛星写真活用マップ「グーグル アース」、 持ち運び用ポータルサイト「グーグル パーソナライズ」、 CDタイプの持ち運び用OS「ブーストOS」 そして、インターネット上にHDDを所持できる「オンラインストレージサービス」。 上のようなサービスを触れてみるとよく分かりますが、 これからのIT時代は、この本に書かれてあるように、 PCの製造などから、 「あちら側」=インターネットの世界 にて展開されるサービスに移行することは間違いないでしょう。 私は著者の主張に全面的に支持しているわけではありません。 今でも既存メディア派です。 それでも、これからの先のIT化は、 アップルのi-podやアマゾンのウェブサービスに見られるように、 悔しくも著者の述べているようになりつつあると感じるのです。 おそらく近い将来、著者が述べているように、 「PCはただの箱になる」ことでしょう。 「ブーストOS」や「オンラインストレージ」があれば、 会社PC(ブラウザ)用「お気に入り」を出先のPCで扱えるし、 ウィルスにやられたPCをリカバリーする手間も必要もなくなるからです。 私たちに求められていることは、 一刻でも早く正しいITの認識を持ち、 ITを活用した仕事ができるようになることだと思います。 そうでなければ、これから先、IT知識に長けた外資と比べ、 とんでもないハンディを抱えてしまうことになるからです。 悲しいことに、著者の言うとおり、 私もIT化の流れを受け入れ、自分自身が変わるしかないのかもしれません。 (wazakura/2006-03-18) 梅田氏はシリコンバレーの全盛期から、現地にてIT技術革新と事業創造のダイナミズムをウォッチしてきたコンサルタントである。珠玉混合のベンチャ企業と技術専門家の彼等に投資するエンジェルとのコーディネーターがコンサルの役割である。その仕事の日常は、リアルに記述され、シリコンバレーの熱気が肌で伝わる。梅田氏の主張する次世代Web2.0とは、具体的な実現例としては、ブログであり、はてなダイアリー等ネット上の辞書としてアーカイブであり、商品紹介のインターフェース等、身近な技術の延長にあるものである。本書は、技術専門書ではなく、著者も、その技術的解説に期待する読者には物足りない側面もあろう。著者は、シリコンバレーの起業のダイナミズムやWeb進化の動きを、「総表現社会」や「チープ革命」などのオリジナルの造語で説明し、次に来る波を、社会学者の如く論述しているのだが、その考察に関しては、いささかぎごちない読感を感じ、それは、かつて坂村氏がトロンを提唱したときの、未来社会論を思い出させた。現地を知らない読者に与えるシリコンバレー神話が、いささか説得力に欠けた評論と見聞レポートという感で、おぼろげない期待と錯覚のはざまを感じる。
(kaz0775/2006-03-04) 確かに評判通り、おもしろさという点では申し分ない本ですね。
著者が魅力たっぷりに語るウェブの未来に期待と野心を燃え上がらせた人も多いと思います。しかし、そこにこの本の持つ危険があると思うのです。 工学系やビジネス関係の人はたいていそうですが、この著者からもアメリカ流の近代的な進歩主義、合理主義を無批判に称揚する姿勢が見られます。 自由、民主主義、マルチカルチャリズム、などはアメリカ人が「正義」の名のもとによく使うロジックですが、そこにはほとんど帝国主義的といっていい暴力的な側面があることを忘れてはいけません。 そして技術やビジネスというものは意図せずしてそうしたイデオロギーを引き受けてしまうものなのです。 思うに、この本にはそういうものに対する危機感が欠けているか、意図的に隠蔽されています。 悪い部分を言わないのはプレゼンの基本ですが、それを著作活動にまで持ち込むのは誠意に欠けると言わざるをえません。 たぶん、この本に書かれていることのうちのほとんどは実現されるでしょう。しかし、それは必ずしも全面的に歓迎すべきことではないということは知っておくべきでしょう。 (kppyz/2007-06-09) 著者はシリコンバレーの現場で長らく仕事に従事しているということで、IT業界のことに熟知しており、グーグル(Google)やWeb 2.0など、ネットの「あちら側」で今現在行われていることや将来これから行われるであろうことについて理解することが出来た。
しかし、インターネットに身をゆだねるとか、インターネットの意思に従うと言うグーグルの姿勢に一種の違和感や不気味さも感じられた。 すべてオープンソースにして、インターネットの混沌として玉石混交な世界を振るいにかけて、玉を取り出すと言う手法は、経済学者のアダム・スミス(Adam Smith 1723〜90)の『国富論』に見られる、資本主義の自由放任主義や神の「見えざる手」の原理といったものに似通った感じを受け、安易なオプティミズムの発想に危険性も感じた。 何れにせよ、本書を通じて受ける印象は、インターネットの善性・光の部分に重きを置きすぎて、インターネットの悪性・影の部分を軽視しているといったところであろうか。 不特定多数無限大の一員として、著者の考えに共感を受ける部分もあるが、全面的には賛同しかねる。ウェブ進化論によって経済的な部分も含めて直接的に恩恵を受ける人は、おそらく人類の全体の1割にも満たず、9割以上の人たちは経済活動の基幹部分(本書によれば筋肉系)にこれからも従事し続けるし、また9割の人たちが全く機能しなくなれば、1割に満たない人たちの行っている活動(本書によれば神経系)も「絵に描いた餅」状態になる現実を著者は考慮に入れておくべきだろう。 (s.ペガサス/2006-06-03)
Googleが民主主義的などとは言えない |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
梅田は文中で「Googleが「ウェブ上での民主主義」を導入したと宣言する。」とし、彼自身もそれをを前提として、この本を書きあげていますが、
Googleは「中国政府のネット検閲を受け入れた形でのサービスの提供」を開始したり、日本ではいわゆる「グーグル八分」として、特定サイトを検索対象から外したりと、決して民主主義的とは言えない現状があります。 そうした重篤な問題を明示せず、さもGoogleの理念が理想の社会を実現するかのように喧伝する姿勢に、疑問を感じます。 (赤木智弘/2006-02-21) ITによる世界を、新しいグーグルを中心に語っている。
本書には、次のような独特な言い回しが出てくる。 こちら側・・・人間による処理が入る世界 あちら側・・・人間を全く介さずコンピューターによって支配されている世界 あちら側でかかるコストは、唯一サーバー管理料のみ。 著者が言いたいことは、このあちら側の領域を広げようとしたり、他人とその領域を共有しようとしている企業が偉大だと述べている。 このコンピューターだけの世界が出来さえすれば、 世界中で1人しか興味を持たない情報も世界中に発信出来る。また、世界中の人間から1円ずつ集めれれば、大金を得られる。 ITというのは、ただのコストカッターというイメージから、新しいアイディアを生む大きな流れなのだと改めて感じることが出来た。 (だーーー/2006-12-23) 本書は、技術書ではない。村井純『インターネット』(1995)から10年、成熟期に向かいつつあるネット社会の見取り図が提示されている。キーワードはweb2.0という概念だ。このweb2.0の代表的ビジネスモデルとしてのGoogleのやや長い紹介から入り、今後10年で主流になっていくだろう様々な事例を提示している。筆者が四象限図式で記述するweb2.0のフレームワークは抽象的であるとはいえブレていない。また、web2.0への移行は急激なものではなくなだらかなグラデーションで進行していくだろうという予測も説得力がある。
276件のレビューうち参考になった順で15件までを表示しています。直接の言及はないが、本書の思考の背後には、ネットワーク理論の影響が読み取れる。『複雑な世界、単純な法則』等の概説書と併せて読むとゼロ年代の志向のトレンドがよく分かるだろう。 (kenken96660/2006-02-22) [16件以降をamazonで見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.5 はてブコレクション数: |
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ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
ASIN:482224587X日経BP社(2007-06-07) 翻訳:井口 耕二/ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ 売上順位:54612 ¥ 2,520(中古:¥ 625) これを買った人はこれも買ったよ![一覧で見る] |
レビュー総評点:146
ビジネス書としては、エクセレントカンパニーや第三の波、などと並ぶレベルの名著として残るのではないでしょうか。
ただし、従来のビジネス書とこの本が大きく異なるのは、人生観に左右される要素が大きいと思います。 特許権、著作権、知的財産と権利ばかりを主張し、50年でも70年でもあぐらをかこうとする会社。はたまた、知的財産を秘密にし、特許すら出さない(そういう会社でも他人の論文は読みまくるんでしょうけれど)ことにした会社もあります。 そういう動きをつきつめると、学問とか人類共通の知恵といったものはどうなるのか?このままでいいのか? と感じたことはありませんか。 ウィキノミクスとはそういう人類の知恵は共有物と考える人々に支えられていて、従来の権利を主張しなくても「分かち合うことで生きていける」と確信している人々の動きなように感じました。そのマグニチュードはとても大きく、古いタイプのビジネスと互角にやっていけていると、この本は事実の積み重ねで証明しているように思います。たとえば、人のDNAを解読し著作権を主張する会社が新聞をにぎわせていたことをご記憶の方も多いでしょう。それが今どうして共有されるようになったか、知ることができます。 ウィキノミクスでは知を共有しながらビジネスを展開していく点こそが最も経験と知恵が必要な部分であり、ひとつひとつの事例が参考になります。そういう観点で読まないと同じような話の繰り返しに読めてしまうかも知れません。それでは大切な知恵を取りこぼします。 資源は有限ですが、知恵は無限であり、共有することで次々と新しいことができていく世界を私はすばらしい、と感動をもって読了しました。 でも、自分が考えたものは他人の影響よりも自分だけのものだ、秘密にしておきたいしひと儲けしたい、と考える人もやはりいるでしょう。 どちらの道が好きか、でこの本の評価は大きく異なるでしょうね。 (アルチザン/2007-09-01)
新たなパラダイムシフト−その時個人は ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
インターネットの目覚しい発展により、企業や個人が【知識】を囲い込むことの意味が急速に薄れつつある。 未だに自身の知的財産を隠蔽しようと必死になる企業も多いが、 それは穴の開いた船から、手で水をかき出す様に似ている。 インターネットという自然の驚異にも近い、圧倒的な力を持つフレームワークが、それを拒否しているからだ。 企業が恐れるべきは、その「共有化」による既存商品の衰退ではなく、 その「共有化」の波に乗り遅れ、対応できない状態に陥ることだ。 大きな流れが変わってしまった今、一刻も早く群衆が織り成すスキル、独創性、知性を利用することを考えなければならない。 では個人は、その共有化がもたらす「無料化」をただ喜んで受け入れるだけでよいのか。 否、結局そこから享受できる利益は、その人のリテラシーに依存しており、 そのリテラシーはインターネットがもたらすオープンコミュニティに参加し、自らも与えることによってのみ高めることができる。 つまり、個人の能力の重要性は変わらない。いや、より高まったと言ってもいいかもしれない。 インターネットがもたらした新しい仕組みが個人の教育、仕事、起業の可能性を高めてくれた。 だから、私たちは、その世界とつながるために必要な、 スキルとやる気、一生懸命勉強してく気概を常に求め続けることを怠ってはならない。 特に知的作業を生業としているエンジニアは、それをしっかり肝に銘じ、本書を読むことをおすすめする。 きっと新しい知的作業の喜びの可能性を感じ取れるはずだ。 (渡邉輝/2007-06-10) いや、驚いた。
「フラット化する世界」を読んで、アメリカでコールセンターに電話するとインドのバンガロールに繋がるとか、 ウェブを通してアメリカの子供がインドの家庭教師に勉強を教わることは知っていた。 あるいはIT技術者の仕事や経理等々の仕事もインドへアウトソーシングされていたりとか。 しかし現在では、InnocentiveやYet2.comを通じて、知識や技術までもが売買されているらしい。 実際に上記のHPを訪れてみると、物理、化学、生物分野等の知識までが売買されている。 これは、全ての研究者、技術者にとってかなりの脅威(チャンス?)ではないでしょうか? もはや、官僚的な組織は無用であり、権威も年齢も性別も国籍も関係ないのですね。 いやはや、参りました。 (mini1/2007-10-08) 2006年に出版され、2007年に翻訳が発表された。でも、すでにさらに現実は進んでいる。googleではもうすでに文書やスライドファイルが共有され共同編集が可能になり、google mapも恐ろしいほど簡単にページに関連づけることができるようになり、どんどん先に進んでいる。
でも、この本の強みは単に新しいインターネットの状況の解説本に終わっていないところ。だから、今後どのような方向に進んでゆきそうかといったところにまで想いを向けることができる。 しかし、研究者やコミュニティ、企業なども含めてちゃんと考えながら進めている人もたくさんいるんだ、それがこの変化の原動力なんだ、そのあたりが納得できたことも収穫だった。 (pooh bear/2007-09-24) 率直に言って「胡散臭い」。
「これからは、企業は自分の資産をどんどんオープンにして、社外のコミュニティを上手に使って新しい価値の創造とコストダウンをしないと生き残れないよ〜」って、ようするにWeb2.0啓蒙系の本なんだけど。自分もそういう流れの渦中にいる身だし、そういう世の中はエキサイティングで面白そうだし、どんどんやって欲しいと思うけどさ。 でもそういう流れって、実際のところ死屍累々じゃん? それこそ、なんでNetscape社の話が出てこないの? まっさきに自社のコア技術をオープンソースにしたものの、Mozillaプロジェクトは存続したけど会社はお粗末な状況じゃないか。 こういう、マイナス面を扱わないバランスの崩れた本って良くないと思う。実際はオープン化しなくても生き残れる(というかクローズドの方が上手くいく)企業だってあると思うし。オープン化ってある意味「劇薬」なのに、さも簡単に扱えるように煽るだけ煽って、無責任じゃね? (ただただし/2008-03-26) 私は、マーケティングに関わる職業に携わっている身で、いわゆるWEB2.0的なパラダイムシフトをマーケティングのレンズを通してしか見ていなかった。しかし、この著作が明示しているのは、あらゆる企業活動に「群集の叡智」がブレークスルーを提供している事実である。 いかにその叡智を結集できる仕組みを構築できるか?が、企業の競争力のファクターのひとつとなる世の中になっているのだ。 とはいえ、前半部は、ピアプロダクションの有効性について少々過剰なまでに繰り返し論じられ、退屈になるのは否めない。 (ルイス/2007-07-16) コンサルタントの2人が書くマスコラボレーションの世界の紹介
インターネット上の不特定多数が参加して作成する辞典wikiを中心に マスコラボレーションで成り立ってゆく世界の紹介 ベースは、インターネットにより、知の距離が近くなり ボーダーレスに一挙に破壊された時代にどのような活用が あるかどうかについて述べています。 インターネットは、ITの世界で、ITの世界だけの出来事ととらえがちですが 、ITは”知”を扱うことから知を中心に大きな変化が起きていることを 述べています。 ボーイングがバリューチェーンにインターネットの威力を使う事例や 鉱山会社が、鉱山情報を公にすることで社内で発見できなかった 鉱脈を見つけたり、ほぼ1章において、1つづつの事例が紹介されています。 3人寄れば文殊の知恵ではありませんが、コラボレーションの力を 利用してさらに上昇してゆく企業と、従前の特許と社外秘で守った 秘伝の技術で勝負してゆく企業とどちらが生き延びるかなど 考えさせられること多の内容です。 パラダイムシフトを伴うこの考えは、使い方を間違えばインターネットへの 情報の漏洩だけで致命的な失敗になりかねないが、パラダイムシフトに 乗り遅れるとやはり、恐竜として旧大陸に置き去りにされる時代に なったのだなという怖さを感じる内容でした (親カッパ/2008-12-04) いわゆるWeb2.0の本質について、いくつかの切り口(目次参照)に基づいて議論を展開しているわけですが、内容についてはやや冗長な感じがしました。
また、訳出に違和感を感じる部分が多々あり、何度も読み直す箇所がありました。 本著で述べられているポイントは大きく以下の4点であり、これについてはその通りだと私も思います。 1.従来の囲い込み戦略を取り続ける企業は、オープン化を進める企業や組織に駆逐されるであろうこと 2.マスコラボレーションにより圧倒的多数の英知を活用することができ、開発の速度や品質が大幅に改善される可能性があること 3.マスコラボレーションはグローバルに実現されなくてはならず、それをうまく協調させる仕組みが重要であること 4.製品・サービスのイノベーションに役立つコンシューマー(プロシューマー)を活用することが重要であること 本書が半分以下のボリュームで価格が1500円程度であったならば、星は4つか5つ付けられたかもしれません。費用対効果の観点から今回は3つとしました。 (緑禅/2008-05-02) 知的に面白かったです。
特に鉱山開発会社が、自分が掘り当てられない金鉱を、ネットでデータを公開したら世界中から鉱脈の予測が寄せられてそれで掘り当てた、というウソのような話に21世紀の日本企業が考えなければならない経営戦略上の示唆があると思います。 一言で言うと、経営資産を内部に頼らず外部に頼ることで∞化させるというものです。 レビュアーは戦略コンサルタントを生業としていますが、常々「結局強い会社というのは強い資産を持っている」ということに尽きるように感じています。強い資産というのは規律と責任感のある人材だったり、方法論だったりするのですが、それらを内部に頼っている限り、弱い会社はイツまで立っても成長できません。 ところが「資産とは内部のものである」という思想を棄てることで、経営資産を柔軟に運用することが可能になるわけです。ネットがそれを可能にしたんですね。 本は全部読む必要はないと思います。最初の1/3でコンセプトは出尽くしていて、後は同じ話しを事例を変えて紹介しているだけなので。 でもいい本だと思いますよ。少なくともコンサルタントは必読でしょう。 (アマゾン太郎/2007-07-24) 未来へ向かう潮流を、ディテールを積み重ねて読み解く、という
手法で過去にも未来学を開陳した、ドン・タプスコット。彼と共著者に よる、サイバー社会で起こっている、最先端、最新鋭のコラボレーションと オープン・デベロップムーブメントに関する現場からの克明な 報告書です。 鉱脈発見を広く世間に開かれた方法で画期的で革新的な 発見をなしえたという事例を皮切りに、オープンソースはもとより、 自動車の未来系の開発形態の先取りとして、BMW社他の実例をもって、 マスコラボレーションによる開発・生産の世紀への突入を、 これでもか、というほど、現場から集めたジャーナルをコラージュして 読者の眼前にさらけだします。 本書では、19世紀、20世紀的な工業生産社会を超えた、次の世紀の 象徴として、個人やコミュニティのつながりで行う生産や革新、改革など を、ピア・プロダクションと呼び、読者の知的好奇心をおおいに刺激し、 未来への明るい展望と拡張を宣言しています。 (佐倉ごるふ/2007-08-12) 若干訳文がこなれてなく、特に前半は原書の良さが出てない印象ですが、
重要な本だと思います。 考えを整理する意味で、本の内容に沿って、企業人としての言葉で以下の通り読み替えて見ました。 ウィキノミクスを支える、4つの行動原理: 結局、事業活動を行う際に最もCriticalなリソースである人材と知恵を、 この行動原理を通じて、社外から調達する仕組みが競争力の源泉となる。 (1) オープン性: ITとは最もRemoteと見られた鉱山会社や、 2000年当時、閉鎖的な企業風土で成長が鈍化したP&Gでの革新事例。 「P&Gの優秀なエンジニア1名に対し、同等の人材が社外には200人はいることが分かった」 (2) ピアリング: 外部コミュニティーと対等な関係で、しかも効果的に協働する能力。 企業情報を公開すべきラインの明確な認識と、プロジェクト管理能力。 IBMは10年で身に付けた。 (3) 共有: 知的財産をオープンにするものとクローズドにするものを分離し、 共有することにより一層価値を高める仕組みを作りつつ、 クローズすべきコア部分をしっかり守ること。 (4) グローバル: グローバルな調達は単なるコスト削減でなく、スピードと知恵を獲得する手段となる。 グローバルな販売は単なる販売チャネルの拡張でなく、 全く異なるビジネスチャンスへの挑戦を通じた、 技術革新のきっかけとなり、これもBottom Of Pyramid戦略のような、 鋭角的なスピード増と知恵の獲得の手段となる。 ボーイング787の全世界調達の例、 BestBuyのセールスマンのネットワーク化(Web型対話と営業現場とトップの直結)、 中国の二輪メーカーの革新(競合メーカー同士での仕様共通化による部品互換性)。 ウィキノミクスの設計原則: (1) 混沌を管理すること。リードユーザーからヒントを得て進化を見極めること。 (2) クリティカルマスを達成すること。途中であきらめないこと。 (3) コラボレーションのインフラを提供すること。 (4) エコシステムへの参加者全員が価値を得られること。金銭だけではない。 (5) コミュニティの規範を確立し、従うこと。 (6) 必然より偶然、計画的な作り込みよりも、進化を重視すること。 (7) 天動説から地動説へ、個別企業利益からコミュニティ最適へ。 (jacarei/2007-12-30) この耳慣れない言葉,コラボレーションの『ウィキ』(万人が書き込む事のできるネット辞書のウィキペディアに端を発する)と『エコノミクス』からできた造語が『ウィキノミクス』であり,コラボレーションをベースにビジネスを展開して生き残るか,あるいは消え去るかの二者選択をさすともある.インターネットがもたらしたモノは,収益マターを必ずしも起点としない価値の創造をもたらす配分ルールのエコシステムに依存したビジネスコンセプトであり,この重要性が以前にも増して今や必須になっている.もはや世界は繋がっており,個々の起業が単独で収益を独占できる時代は終わっている.コラボレーション無しでは生き残れなくなっているのが現状のビジネス環境なのだ.
併せて読むと良いのが,『キーストーン戦略』,ここにはエコシステムを基板としたビジネス展開の重要性が述べられており,概念的には『ウィキノミクス』に共通するところがある.進展著しい科学技術を基盤とした複雑性を有する昨今,この時代を生き残る上で参考になる知見を得ることはできよう.と言うか,勝ち組は既に実践しているのである. ボリュームが 500 page近くあり,ちょっと読みづらいところは無くはない. (和泉 茂一/2007-11-27) 先ごろ、ボーイング社の新型ジェット機787型機(通称ドリームライナー)の第一号機がロールアウトした。
その頃、日本の株式評論家は「ドリームライナー効果で、日本株の関連銘柄が買われる。787の翼は日本の○▲社のカーボンファイバーで、、、、、、、、」などとやっていた。 最後の最後まで製造拠点を米国に置いていたと思われていたボーイング社が、変わり身早くウイキノミクス化して787を作り上げたことを本書で初めて知った。 日本のお家芸である自動車産業は典型的な垂直分業的な産業だ。 ところが、諸外国では製造業ですら水平分業的になり始め、かつ成功を収めつつあるのだ。 アップルによるipodの成功などがその例だろう。 冒頭の金鉱山探索の話も、ウイキノミクスがたちまちビッグマネーとなるという点で象徴的な出来事だ。 私を含めて多くの日本人が、英語でのコミュニケーションは得意とは言えないだろう。かような時代となると、日本人にとっては不利であることは間違いあるまい。 (mikeexpo/2007-11-18) 本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている.そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている.しかし,「サイエンス 2.0」などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.
また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる.たとえば,「ピアリング」が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している.いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である. (Kana/2007-11-13) ウィキノミクスという言葉で著者が表現しようとしているのは
21件のレビューうち参考になった順で15件までを表示しています。全世界を覆い尽くすコンピュータネットワークを通じて 全人類の脳を対象に技術的なアイデアを収集しようという試みだ。 グーグルが全世界から情報を集める無数のソフトウェアロボットの総体なら ウィキノミクスは全世界からアイデアを収集する不定形のメタ・エンジンだ。 それはコンピュータネットワークによってクラスター化された人間の脳から出来ている。 ウィキノミクスによってアイデアどうしが加速度的に相互連結されていくのだ。 自己組織化し、増殖するアイデアの網の目が全世界を覆っていくのである。 思考されるべきことが思考されるために恐ろしくゆっくりした 偶然の化学反応に頼る必要がなくなる。 ウィキノミクスによって地球上に存在する全アイデア数は指数関数的に増加する。 ある技術開発の過程で行き詰ったらどうするか。 全世界に広がる脳クラスターを検索すればいい。コンピュータネットワークには それが実際に出来るし、解決は極めて効率的になる。 今まではある技術的ブレイクスルーに繋がるアイデアが見出されるためには、 革命的なアイデアを持った天才的な技術者が当該の企業や 大学研究室に必要な時にたまたま所属していなければならなかった。 その確率は低いし、優秀なのに全く無関係の業界にいる人間というのは おそらく膨大に潜在しているのである。 また、非常に強力で人類の未来を根本的に変更するような アイデアを自分が持っていることに気付いていない潜在的天才も多い。 仮にそういう人間が当該企業や大学内に存在していたとしても 様々な事情により歴史的なアイデアが圧殺されることもある。 そういう人々やアイデアをネットを通じて徹底的に集積することが出来るとしたら‥‥。 技術の進歩の速度は少なくとも従来の倍ぐらいになるのではないか。 考えてもみて欲しい。 埋もれたアイデアは偶然の作用で日の目を見たアイデアの何百倍もあるのだ。 その全てをグーグルウェア的なA.I.によって選別収集し、アーカイヴ化し、 全人類が利用できるようにすることは現在の技術で可能だ。 全人類の全アイデアを集積する巨大な情報リアクターの出現だ。 ヴァーナー・ヴィンジ氏の提唱する技術的特異点が近づいてきた。 (cybercitynukeyork437/2007-07-26) [16件以降をamazonで見る][amazonでレビューを書く] 平均点:4.0 はてブコレクション数: |
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