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フラット化する世界(下)
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ASIN:4532312809
日本経済新聞社(2006-05-25)
翻訳:伏見 威蕃トーマス・フリードマン
売上順位:71360
¥ 1,995(中古:¥ 492)

レビュー総評点:135
視野が広がります! |||||||||||||||
非常に示唆に富んだ本です。
(反フラット化のイスラム世界についてのくだりなんて、目からウロコでした。)

示唆の中から、若い日本人が認識すべきことを独断と偏見で選ぶなら…、

@グローバルな競争(フラットな世界)はすぐそこまで来ている。
⇒これについては日本は英語圏でないので、すぐに当てはまるかは微妙ですが、
高付加価値な労働についてもいずれ競争に巻き込まれていくと思います。
資源の無い日本の活路はやはり高度な知的生産国家しかないと思うのですが、
現在の理系離れや教育水準の低下、少子化傾向で目標を達成できるのか…。

A個人の知が競争の差別化要因となり、個人の知は教育によって育成される。
⇒これについて現在の日本は非常に憂慮すべき事態であると考えられます。
テクノロジーによるイノベーションのみが競争であるとは思いたくないですが、
経済発展を遂げる国は学生の理数系の成績が良い、という統計もあります。
アメリカは他国から優秀な頭脳をひきつける魅力がありますが、日本は…。

B差別化できない最後のものは「イマジネーション」である。
⇒知のコモディティ化が進むと、あらゆる物は模倣され、コモディティ化する。
しかしながら、最後まで模倣できないことは、知からイノベーションを生み出す
「イマジネーション」、すなわち「独創性」や「考える力」である、と。
これは全く同感です。イマジネーションが生まれるにはどうすればいいか、
という問いにはあいまいにしか答えていませんが…。難しいですしね。


とまぁ、読む人によって大事に感じる箇所が微妙に違ってくると思います。
自分が「コレは大事なんじゃなかろうか」とうすうす思っていたことが
ズドーンと書いてあったので、個人的には非常に嬉しかったです。
(教育とか、イマジネーションこそが差別化要因だ、とか。)


他に普通の読み手としてはどうすることもできませんが、
・フラット化する条件とは何か。
・フラット化した世界で国家が競争力をつけるにはどうすればよいか。
・フラット化した世界に必要なセーフティーネットとはいかなるものか。
・フラット化できる国とそうでない国の決定的な違いは何か。
とか示唆に富んだ記述があります。

非常に勉強になるし、何より視野が広がります。
ホントにおすすめ。 (うまぞう/2006-09-09)
下巻では、フラット化出来たインドや中国、一方出来なかったメキシコ、イスラム圏などとの違いを、米国をモデル指標として、国がフラット化できる必要条件を考えています。しかし力点は、増補版で追加された7章の教育問題のようです。
上巻で些細な仕事までも海外にアウトソーシングし、オートメーション化が急速に進歩し職場がなくなる米国社会の現状が報告されました。この流れの中で、次の世代はどう生きればいいのか、子供をどう教育すればいいのかが考えられています。

ITの進歩が早く、獲得した知識はすぐに古くなるので、絶えず吸収し独学する姿勢を持つことが必要です。その姿勢を持たせるには、子供が学ぶことが好きになる理想の先生が必要とのことです。また知能よりも向学心と熱意が大事。ここでも先生が子供好きならば、子供は精一杯先生に応えようとして熱意をみせるので、子供好きの先生が必要とのことです。フラット化の社会では、人を好きになること。他人を管理・交流するのが好きになることが大事だが、その教育法は分からないとのこと。更に論理的な思考だけでなく、芸術的手腕や感情移入。大局的なものの見方。学識を超えたものの追求などを発達させる教育が大事とのことです。高等教育では、ジョージア工科大学の例を引いて、縦割り学科制を打破した学科横断的な履修形態、独自な入試制度などがうまくいっているそうです。

上巻は、ITの発展に伴う世界的規模での社会・経済の変化をルポルタージュ風に書かれており、わが国のフラット化係数を横目で計りながら気楽に読めました。しかし下巻で取り上げられている教育問題は、わが国の方が深刻です。著者が挙げている子供好きな教育に熱心な先生、腰を据えた横断的教育、知能指数だけで生徒を判断しない識見など、日本では十分ではないと思います。ITの引継ぎで国が、失速することだけは、避けたいものです。
(ビブリオン/2006-08-07)
上巻の内容をうけて、下巻前半ではフラットな世界で生き抜く考え方、その考え方を養うための教育について書かれています。

ちょうどこの教育に関する部分が追加された部分らしいです。あくまで主眼はアメリカの教育についてですが、日本にも通じる所が多いです。非常に考えさせられます。

後半は、フラット化した世界の明暗についての考察があります。アルカイダとBRICSにおける新しいビジネスを対比させながら、より良い将来の可能性を探っています。

自分の将来を考えるときも、世界の将来を考えるときも、とても参考になる本だと思います。 (サルゴルファープロ/2006-06-05)
一口に「グローバル化」と言うが、私たちの身の回りに起きていること、そしてこれから起こるであろうことを解説しているという点において、あらゆる人が読むべき本である。私は本書の内容を子供に語らねばならないと深く思った。

フリードマン氏はかつて「レクサスとオリーブの木」という著書で、マクドナルドが出店している国同志は、マクドナルドがその国に出来て以来戦争をしたことがないと書いた。今回、フリードマン氏は、グローバル・サプライチェーンに組み込まれた二国は、双方がそのサプライチェーンの当事者である限り、戦争を起こすことはないとその説を修正した。グローバル化は一方で、ビン・ラディンのようなテロリストにも公平に力を与えている。フリードマン氏が今後の出発点を 9.11(米国テロ)に置くのではなく11.9(ベルリンの壁崩壊)から始めたいとする主張には希望と説得力がある。

そう、日本では死語になったのではないかと思われる「希望」である。希望とは何なのか。他国もうらやむ今の日本に何故希望がないと言うのか。余りにも日本人は無知であり世界から孤立してはいないか。 (clala-flala/2006-11-05)
上巻においては、フラット化の定義が主に示されており、要約すると、先進国から中国、インドへ
ローエンドの仕事をアウトソーシングすることが容易となったため、世界におけるグローバリゼーションの定義が
変わってきているということです。
つまり、今までの官僚的、独裁的な国家による統治(トップダウン)から、個人主導(ボトムアップ)へと
移行しているということです。

下巻におきましては、現状を踏まえた上で、今後、我々先進諸国がどのような活路を見出すべきかといったことが
主眼に書かれています。

まとめますと・・・

・エンドユーザーと直接関わるような、ニッチな仕事を見出せる能力
・情報、教育など、付加価値を提供
・対人折衝能力など人間力が問われる(マーケティング、セールス、マネージメント等)
・ニーズに対し、臨機応変に対応できる何でも屋(思考の柔軟性)
・芸術的、直感的、総合的、感情的に判断できる右脳力
・超技術力に特化(個人的には、あまりオススメできないが・・・)

これら、アウトソースできない仕事を見出す能力が大切であると、著者は言っています。 (hideny/2007-01-15)
 先週、ソニーに関する二つのニュースが気になった。
 一つは、あのPS3に使われているCPU「セル」の自社生産を、外部委託に切り替えるというもの。
 もう一つは、世界市場で昨年の液晶テレビの販売額シェアが16%となり、首位となったニュース。
 元々ソニーは、家電製品の基幹部品は自社生産にこだわっていたが、液晶パネル生産からサムスン電子との共同生産に乗り出し、それが成功したので、今回のセルの外注につながったのであろう。
 まさに、日本を代表するソニーもようやく、この本でいう「フラット化する世界」にようやく乗り出したことになる。
 
 本書はアメリカを想定して書かれているが、その忠告する部分は、もちろん我々日本にも十分当てはまる。
 上巻では、ベルリンの壁の崩壊と、インターネットの普及に伴い、フラット化する世界を分析している。
 下巻では、こういった世界の動きに我々はどう対処していくべきなのか、具体的な職業像から、企業の対応策まで詳細な処方箋が示される。
 
 ほとんどの石油産出国には民主的な国家が生まれず、逆に石油の産出されなくなったバーレーンがもっとも創造的で開放的な国となっているという。
 最近の日本も、資源はないものの過去の富にあぐらをかいているのではないか。「イマジネーション力」をもって、このフラット化する世界に対応していくことがこれからの日本を決定づけるのではないか、と思った次第である。 (takokakuta/2007-02-17)
下巻要約 |||||||
下巻では、世界のフラット化にどのように対応するべきか、フラット化
する世界に対応するために望ましい状態は何か、望ましくない状態は何
か、ということについて主に述べられている。

フラット化する世界では競争が激しくなるため、誰もが「無敵の民」に
なることが求められる。「無敵の民」とは自分の仕事が代替不可能な人
のことである。競争相手は世界各地にいる上に、人間だけとも限らない
のである。

この無敵の民になるためには、理想の教育が必要となる。理想の教育と
は、学ぶ方法を学ぶこと、好奇心をもつこと、人を好きになること、右
脳を進化させることの4つを学ばせることである。アメリカには、それ
に必要なものが理論上はそろっている。

しかし、実際にはアメリカは危機に瀕している。数学・科学・工学の分
野で十分な数の学生を養成しておらず、成功願望が低く、貧困層への教
育が行なわれておらず、教育予算が少なく、ブロードバンドのインフラ
に欠陥があるのだ。

フラット化する世界に適応するために国がすべきこともある。それは、
政治的リーダーシップを発揮し、雇用される能力を高めさせ、セーフ
ティーネットを整備し、グローバル企業を通じた社会改革運動を推奨し、
親の子育てを支援することである。

フラット化する世界で、発展途上国が実施すべき政策がある。まず世界
のフラット化と自国の結びつきについて自己観察することである。そし
てトップダウンの経済改革、卸売改革をし、さらに小売改革をすべきで
ある。ただ、文化が障害となることもある。

企業レベルにおいてのフラット化への対応も重要である。成功した企業
とは、フラット化にあわせて柔軟に変化した企業である。

世界のフラット化は、世界で最も重要な流れだが、世界は"まだ"フラット
化していない。第12章では、フラット化が頓挫する可能性について書か
れている。病気が蔓延している、世界のフラット化とは切り離された地
域がある。フラット化の恩恵を目の前で見ながら、それに関われない人々
が大勢いる。不満を抱えてテロに走る人々がいて、エネルギー危機もある。
これらは世界のフラット化を止める強力な要因である。

世界のフラット化とは、アメリカ文化一色に世界を染めることではない。
むしろ、ローカルがグローバル化するのである。グローバリゼーションは、
世界を「均質化するとともに個別化する」(p.326)のである。

そして、フラット化した世界は、紛争の緊張を緩和させることにもつながる。
グローバルなサプライチェーンに組み込まれると、戦争をしたくなくなる。
戦争の代償は、これまでの数倍になる。しかし、この理論は自爆テロリスト
には効かない。

最後に、著者はイマジネーションの重要性を指摘する。今では多くのモノ、
能力が日用品になっているが、イマジネーションだけは日用品化しないから
である。 (bons/2007-05-19)
必読 |||||
上巻では現在世界ので何が起こっているかを詳細に説明していた。
そして下巻では、ではどうやってグローバル化の脅威に対応するかを提言している。

上下巻を読んで、世界がダイナミックに変化していることを痛切に感じた。
世界は大きく変化している。日本においても「これまでの日本」がこれからも続くとはとても考えられない。
戦後以来の大きな変化が必要であると強く感じる書である。
(mini1/2007-03-12)
著者は前著『レクサスとオリーブの木』で有名なニューヨーク・タイムズのコラムニスト。
本書は、『レクサスとオリーブの木』の続編にあたる。グローバル化と情報革命によって現
出しつつある世界を、「フラット化する世界」というレトリックの下に様々な事例を直に取
材しつつ描き出していく。

上巻では「フラット化」しつつある世界の現状と、「フラット化」の要因にページが割かれたのに対して、下巻では「フラット化」に米国や発展途上国、企業、個人がどう対処していくかということが論じられている。

特に興味深かったのが、第五部「地政学とフラット化する世界」。フラット化時代の紛争要因について著者の見解が論じられる。著者も言うように「フラット化」はいいことばかりではなく、「闇の勢力」にも権能を授ける。この問題にどう対処していくべきなのか。この点はグローバル化時代の国際安全保障を考える上で避けることのできない検討事項であろう。

とても読みやすく、かつ面白い。ジャーナリストとしての著者の実力を誇示するかのような好著である。グローバリゼーションに関心のある方のみならず、広く現代世界・社会に興味のある方はぜひ読んでみるといいだろう。
(小僧/2007-03-02)
上下巻を通じて感じたことは、今の子供達、これから生まれる子供達が大人になったらの世界がどうなっているのかという10年、20年後の話である。

フリードマンが言っているフラット化の世界が推し進められるのか?テロリスト等の手によって打ち砕かれるのか?どちらに転んでも、日本にとっては厳しい現実が待ち構えていると思われる。

そうならないように、私達大人が今の段階で対応しなければならないのだが・・・

と考えさせられる2冊でした。 (coco/2006-06-30)
この本で書かれているような状況は、きっとおきているのだろうけど、一般の日本の生活の中では見えにくいのかもしれない。ただ、電化製品のにしても、中の部品で日本ものが、本当に少なくなってきているのを見ると、各企業はコーディネイター(シンセサイザー)なのかもしれない。言語に守られてきた日本は、もはや、仕事を渡すほうから、仕事をとられている側に回っているのかもと感じる本であった。フラット的に物を見ると、自分の仕事の中にも、関連する現象はおきていることが良くわかる。そんなこと、認識してくれる本だった。 (THOM/2007-08-05)
 普段生活していく中で、われわれが直接目にできるものは、自分の周りの数十メートル範囲にすぎない。それは地球規模からすれば、無限大に対する1のようなものだ。そうした理由もあるのだろう、グローバリゼーションとよく言われているが、果たして何が変わったのだろうか??と思うことが決して少なくない。

 この本はそんな疑問に答えてくれる、極めて興味深い本である。私自信、世界中で起こっているすべての物事を、その場で自分の目で見ることができない(当然なのだが)ことに非常に悔しさを覚える人間である。イラクでは宗派間対立が泥沼化しており、アメリカでは民主党が共和党を押さえ、与党としての座を獲得した。それをこの目で見ることができないことが、どんなに自分の好奇心を煽る、多くの宝を失っていることに繋がっているか。。。

 この本のよいところは、そうした物事の中の重要な部分をわれわれに伝えてくれると同時に、フラット化した世界の中でどうすれば勝ち残っていくことができるか、そのために何が必要かを筆者の立場から述べてあるところである。国際情勢の変化に興味がある方は必読である。 (よっちゃん/2006-11-12)
 グローバルな世界、フラットな世界が着々と成長する中、より個人としての資質が問われる時代になってきたようです。個人としての資質とは自分の強みと弱みを知ることであり、これは他人や環境に対する労わりの心を持つことにつながります。
 本書は米国人が米国人に向けて書いた書物でありますが、日本人が忘れかけている信頼と協調の文化のよさを示すものであり、未来における平等な社会はまっとうな日本人が住みやすい社会になるような気がしました。
(tamadam/2007-01-05)
この本を読んだのは1年ほど前。
書籍を読む前に、なるべく著者の近著と周辺を調べるんですが、、?少々ネオコン色芳しい印象か...?
そんなコトを頭の片隅において読むことをお勧めします。
おそらくIT業界〜海外勤務(但しアテンド専任以外)等を経験した方は、ここで
書かれていることは容易に想像できる事ばかりなので、上巻は飛ばして良いと思います。

これから考えるべきは、この書籍でも指摘される教育や人材育成の問題かなぁ、と。
その考察に進む前に土台となる知識として読むのがお勧めです。 (keroko/2007-09-20)
上巻では、平坦な世界への気づきと意味、さらに、その世界
たらしめた原因とテクノロジーに焦点を当て、綿密な取材で
世界の重心のシフトを解き明かしました。

うって変わって下巻では、米国の凋落の前触れや、平坦な世界
での米国(その他経済的に潤っている諸国)覇権対、テロ勢力を
地政学、イスラム諸国勢力やグローバル企業が地政学的リスクに
及ぼす影響力を交えながら、11.9と9.11の間にできた新しい
平坦な世界(インド、中国へのシフト)を読み解いていきます。

暗い内容が中心となっていますが、著者は、その先の未来の世界
は個人個人のイマジネーションが重要であると説いています。

最後のほうは、本書が補遺的な内容をも含んでいるからでしょうか、
なんか、ちょっと物足りない終わり方ではありますが、とはいえ、
そんな瑣末なことは、どーでもいい、名著にふさわしい、上下巻です。 (佐倉ごるふ/2006-06-12)
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富の未来 下巻
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ASIN:4062134535
講談社(2006-06-08)
翻訳:山岡 洋一A. トフラー
売上順位:21441
¥ 1,995(中古:¥ 549)

レビュー総評点:9
おもしろい。これが正直な読後感です。

下記のような多様なことを扱っており、世界情勢を考える上で、一つの視点を与えてくれます。お勧めです。

1)年金制度を取り巻く財政難、教育現場と時代要求の不一致、政治機構の硬直化、価値観の多様性と頽廃、これは、日本のマスコミに取り上げられる、日本の問題です。トフラーによれば、アメリカも、まったく同じ状況であることを見事に描いています。

2)経済活動におけるITの果たす役割とそれがもたらす大きな変革、実体貨幣からバーチャル貨幣への移行。新しい富の予感。

3)同じく、世界が、貧困社会から抜け出せる可能性を示唆し、中国、インド、Euの果たす役割の重要性や問題点を浮き彫りにしています。またこれらの国にと関わる日本を含めた先進国の状況も分析しています。

4)そして、國を越えた新しい視点として、宗教やNGOのことについても議論しています。最近のイスラム教社会とキリスト教社会の対立という視点、グリーンピースなどの行為とその反響など、改めて、その流れが実感できた気がしました。

*最後に、翻訳者に拍手* (norie3/2006-10-01)
上巻で、経済中心の新時代において、その基礎の深部を動かす要素、
時間、空間、知識における、体制の「ずれ」をつぶさに分析しました。
この下巻では、変化を主導する米国と、世界体制の「ずれ」によって
生じる断層を、韓国、中国、日本、インド、南アフリカなどの新興勢力
を詳細に分析し、米国対欧州の対抗も交えて、
世界情勢の、今後の行く末を冷静に見通しています。

さらに、宗教、民族主義、米国対テロという図式も交えながら、
新時代に対応した体制と、旧時代のままの体制の、時間、空間、知識の
断層を描き出しています。

本書の最後に、今後の富の世界では、経済は中心から、全体の一部
にシフトし、文化、宗教、倫理が舞台の中心になるという、衝撃的な
結末で締めくくります。

上下を通して、まさに今眼前で起こっている世界の体制の拮抗、断層
のづれを詳細に知ることができる、希有な視点で書かれた斬新な書と
いえます。 (佐倉ごるふ/2006-06-18)
うーん、新鮮味が?? ||||||||||||||||||||
トフラーの新作ということで期待をして読み進めてみましたが、正直申し上げて、新鮮味を感じませんでした。

基本的なモチーフは『第三の波』そのものであり、それに現在の事象を傍証的に多方面からかき集めて「やっぱりそうでしょ」と言っているだけにしか思えませんでした。

もう少し、新しい切り口や解決の方向性などに踏み込んでほしかったと思います。 (ceo72/2006-06-24)

これは素晴らしい一冊であり、
この本に出会えたことを感謝している。

私が最も感銘を受けたのは、
経済(書籍の言葉を使えば“富の流れ”)の普遍的要素を
余すところなく記述している点である。

ゆえに上・下巻と若干長くなるのは仕方がなかろう。

しかし読みやすい。
理由は2つだ。

1.コンテンツはMECEそのものであり、
外国作品特有の、“同じことの繰り返し感”を
私は覚えなかった。

2.翻訳がすばらしい。読みやすい。
私も翻訳者を称えたい。

経済に対して私のような初心者から、
上級者まで、幅広く楽しめるのではないだろうか。 (ボサノバ巨匠の隣人/2009-02-23)
基礎的深部の時間、空間、知識や有形、無形の富などの言葉を巧みに使い、いわゆる第三の波の向こうへの道標をトフラーは築こうとしている。
人間社会の生活はこれからもどんどん向上して行くであろう。現在問題となっているエネルギーにしても知識の向上により解決して行くであろう。
果たして、波の向こうにはどんな世界があるのか?
と考えさせられる書籍であった。 (coco/2006-08-25)
なるほど ||||||
うん、面白かった。

今、中小企業を取り巻く世界に関わりながら、
こんな感じかなぁ・・・・
と漠然と感じていることを、遠くアメリカでも同じことを感じているのだな、と感慨深かった。

本の冒頭に、現代のアメリカが持つ問題点が書き記してあったのだけど、日本と似てるねぇ(^^;
先進国の間で、かなりの同時化が起きていると感じた。

全部面白かったのだけれど、ハッとさせられたのが、会計士に払う報酬は、売り上げたら回収しなければならない、取引をしたら帳簿をつけつけなければならないといった、いわば不便さによって社会が払わなければならない「隠れた税金」だと断じていたことでした。

通貨が電子化され、共通化され、形が無くなって、記帳も自動ででき、集金の手間もなくなり、税金もある程度自動的に計算できるとしたら・・・やはり会計事務所のほとんどが倒産するでしょう。

しかし、「複雑化」した社会に対応し、膨大な料の知識から真実を見つけ出し、その顧客にあった取り扱いの方法をサゼスチョンする、ナレッジ・コンシェルジュのコンセプトが生きてくると思った。

(くら/2006-07-23)
 本書が発刊されたのは2006年で、サブプライムローン問題もリーマンショックも顕在化していない時であるが、本書では既に「世界中の多数の人たちがアメリカの世界支配への懸念を強め、往々にして怒りを募らせている・・・アメリカ国内の制度は危機にあり、第二の波の制度、工業時代の制度が崩壊しかけている」とも明確に指摘している。

 本書の中心的テーマは、次の通り。「工業化の第二の波では経済中心の考え方であったが、第三の知識の重要性が高まる。その結果、経済は大きなシステムの一部という地位に戻り、文化・宗教・倫理なども表舞台に登場する。いま起こっている富の革命が技術の動きのように見えるのは、登場した技術が極端に目立つだけで、第三の波の革命も文明全体にわたる変化である。我々は、この波に直面している」

 本書には第三の波に関する世界中の知識革命の兆候や実事例が、多数紹介されている。しかしながら、個々の事例を挙げこれに関するコメントをいくら行っても、どこかまとまりを欠き・論理的でない印象が残る。おそらく、筆者が、本当の意味の経済学者や経営学者でないせいかもしれない。この点で、全体として本書の指摘や言わんとすることが、どこかぼんやりして切れ味がないことが非常に残念である。
(ねぼすけ2004/2009-05-26)
富の未来の上下巻の下巻. 上巻では今まで起こってきたことをまとめて
いるが,下巻では未来への予兆を扱っている.

まずは,上巻での結論のひとつである「富」が知識に基づくものへと
変遷しているとの結論を受けて,「富」自身も変わってきていること.
つまり,富は文明により左右されるし,文面をも左右することが
下巻の主題のように思える.
 上巻に引き続き,資本主義と貧困をふたたび取り上げ,最後に各国の
変化の予兆をまとめている.

最後に環境問題をはじめとして,色々な問題が世紀末を迎えている現在,
悲観論だけでは何も生み出さないことを述べて終わっている.
次の波は来ていることはわかるものの,何がパラダイムチェンジしているかわからない.
上巻のわかりやすさに比べて,読み手の私自身が息切れをしてしまった下巻でした.
(親カッパ/2008-01-06)
非常にためになりました。
本作を書くに当たっての準備資料を想像したら気絶しそうになります。
本巻には日本、中国、韓国についての各章があり、何度も読みました。

(マサミ/2007-07-26)
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w:13 h:19 426page
富の未来 上巻
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ASIN:4062134527
講談社(2006-06-08)
翻訳:山岡 洋一A. トフラー
売上順位:11765
¥ 1,995(中古:¥ 235)

レビュー総評点:246
すごい・・・ ||||||||||||||||||||||||
 
NHKで放映されていた「未来への提言」を見て興味を持ち読みました。で、一言、「すごい・・・」。

フリードマンの「フラット化する世界」が「今、世界で何が起こっているか?」を論じた本であるのに対し、
本書は「これまでに何が起きて、これからどうなるか?」を、とてつもなく長い時間軸で論じています。
つまり、時間的な切り口が違うという意味で、「フラット化する〜」とは対照的な本だと感じました。

通常、日本人が書いた「○○年後の日本」みたいな未来予想本は、現在の経済・社会状況のみを基準に書かれていますが、
本書ではもうひとつ「科学の幾何級数的な進化」を大きな要因として取り上げ未来を考察しています。
これは非常に大きなポイントだと思われます。

トフラー氏は、コンピュータとITの進化の著しい現在は、農業革命、工業革命に続く、人類史上3回目の革命期にあると述べています。

現在、私達が生きている時代がとてつもなく大きな変革期にあるということを、人類の歴史を通した大きな流れの中で示してくれる大変貴重な書であると思いました。

「フラット化する世界」とともに素晴らしい!是非、両者をお読みください!! (mini1/2007-03-13)
生産消費者とは ||||||||||||||||||||||||
「フラット化する〜」を読んだ後、もう一冊くらい読みたくなり書店で積まれていた
本書を購入しました。

科学や労働、教育など多岐にわたる分野の展望について展開されており、
読んだそのときは「なるほど!!」と思うのですが、スケールが大きすぎたせいか
自分なりに咀嚼することができませんでした。

ただ一点記憶に残った言葉は「生産消費者」です。
生産消費とは、例えば好きでクッキーを焼いて配ったり、
年老いた両親を家族で世話することが挙げられています(他にもありますが)。
これら非金銭的経済活動がなければ、その活動にかかる費用は
莫大なものになると筆者は言います。

自分なりに考えると、例えばamazonのレビュアーやasku、価格.com等の書き込みから、
日々かなりのアドバイスをもらっています。
検索は自力ですが無償のコンサルです。
これらレビューや書き込みがされる理由は何でしょうか?
また無償で子供をしつけたり、フリーウェアを作成したり、
災害地域でボランティアをする理由は何でしょうか?
それには社会やコミュニティの持つ役割が大きく関わっていると思います。
文化とも言えるでしょう。

これら非金銭的経済活動のある社会の方が、無い社会よりも健全に感じられます。
その健全さの理由を探すにあたり、また社会と自分の関係を考えるにあたって、
「生産消費者」はひとつの良い視点を与えてくれます。
(trafk/2007-03-21)
有名著者なので買ってみました。富の未来というタイトルにはピンと来なかったのですが、目次の項目に興味をそそられました。
驚いたのは著者が日本を含めた世界の動向を詳しく捕らえている点です。日本についての記述も多く、その内容がなるほどと思わせるものなので、他の国々の記述もかなり正確であるに違いないと信じさせられます。世界の潮流がちょっと理解できたような気分です。
まだ上巻しか読めていなのですが、他の方のレビューをみると下巻の方が「富の未来」の本題に入るようですね。
(ピッコロ/2006-08-30)
本書と「フラット化する世界」はどこの本屋さんでも平積みされてい
たので、ついつい手にとって読み始めてしまいました。

著者は有名な方のようですが、僕自身は本書が初めてです。上下
巻の中に書かれた、綿密な調査に基づく膨大な量の情報に圧倒さ
れました。アメリカ、中国、日本、韓国、欧州・・・、世界各国の現
状を知ることができる本です。
但し、今後の世界を考える上では、「フラット〜」の方がより楽しめま
した。本書は、知識中心の社会(著者が最初に指摘したようですが、
今では誰もが納得している概念)が到来済であることを確認していく
作業に終始している印象を持ちました。先見の明がある人だからこそ、
「これから」も語って欲しかったです。
「貧困」の未来に関する見識には感銘受けたので、星1つをを加算し
て、星3つの評価としました。
(食いしん坊/2007-02-18)
次の革命の波を読み解く ||||||||||||||||||||||||||||||
トフラーの久々の大作ということで、大いに期待していました。

新しい富の概念の探索と、経済的基礎の深部をシフトさせる
おおきな要因、時間、同期化、空間の拡大、知識の蓄積と
過去の知識の無効化など、世界中でばらばらで起こっている出来事
を、歴史の大きな流れの変節点として把握し、新しい世界の体制を
分析しています。

具体的な事例や実例、文献の引用も豊富ですが、壮大なテーマ
のなせる業なのか、ちょっと、抽象的で私には理解しづらい
点もたくさんありました。

でも、巨視的分析手法や分類手法、比喩、金銭経済対非金銭経済
などの斬新な切り口は、時代のうねりを理解するのに、おおいに
知的好奇心を駆り立てられました。

上巻だけでは、本当の「富」が、いまいちよくわかりません。
また、翻訳に、若干違和感を覚える箇所もありましたが、
内容に大きなマイナス点ではありません。

読み応えのある、硬派な未来予測書です。 (佐倉ごるふ/2006-06-15)
時間・空間・知識 |||||||||||||||||||||
基礎的条件の深部にある時間・空間・知識が大きく変化を起こし、その変化への反応がファンダメンタルズの変化として表面に現れているという趣旨の内容が、延々700ページに亘り展開されます。

印象に残ったのは、「生産消費者」という考え方。
以前は企業の中で人を雇って対応した仕事が、WEB技術の進歩で、各個人によって負担されるようになっています(飛行機などの予約や、各種手続きなど)。

個人が企業の代わりに働いてあげているわけですが、それらはGDPに計上されることはありません。
これはほんの一例で、今までの枠組みが大きく変化してきている事例が次々に取り上げられています。

膨大な調査にもとづき多大な時間をかけた著作です。読み応えのある内容ですが、上巻で衝撃を受けた割りには、下巻がやや冗長に感じた点が残念でした。 (plateau/2006-10-18)
あまりに総花的 |||||||||||||||||||||||||||||
 未来学、といっても若い世代の方は知らないかもしれないが、かつてはもてはやされた学問。ただあまりに総花的すぎて、すたれてしまった。(つまり学問としては底が浅かった?)
 トフラー氏はその旗手とされていた方で当時としては斬新だったと思うが、本書を読むとデータの多さ、リサーチする分野の多彩さに圧倒されるものの、結局一本芯が通った主張・分析がぼやけてしまう印象。
 大前研一氏の著書から商売っ気を抜いたような感じ、とでも言ったらいいのか。大学1年生の概論講義だけ聴いて、専門に進まないような。

 同じ時間を使うならドラッカー「ネクスト・ソサエティ」エマニュエル・トッド「帝国以後」ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読んだ方がいい。ずっと餡子がつまっている。 (blackstar/2006-09-04)
やはり凄い! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
世の中の変化について著した書籍は沢山ありますが、
本書ほど本質を突いたものは稀有だと思います。

富の変化を知識・時間・空間軸で深くとらえています。

まず、知識については様々なメディアやITで情報が氾濫しているとしたうえで、
人はそれらをなぜ信じるのか、という真実の基準を知ることが大事だと述べています。
人は「常識」「一貫性」「権威」「啓示」「時の試練」「自然科学」の
どれか(複数)を競合した基準として使っているとしたうえで、
「自然科学」以外の基準は自分で進化する力を有しないので、十分に注意する必要があるといっています。
日本に当てはめると、学生の科学技術離れが叫ばれていますが、
そのうち興味の問題だとはいっていられなくなるのでしょう。

次に、時間については、時間軸における様々な非同期化による摩擦が大きな問題だといっています。
企業、社会団体、家族、労働組合、官僚機構、公教育制度、世界的統治機関、政治構造、法律
の順にスピードが遅くなっており、それを同じ速度にすべきだといっています。
日本に当てはめてみると、まあ同じ構図なのでしょうね。

更に、空間については、世界で富を得られる空間は流動的であり、
知識と時間と空間を密接に関連させて相互作用を上手く起こさないと、
富が逃げていくといっています。
古い産業、古い文化、古い社会構造にとらわれていると富が逃げるということです。
日本に当てはめてみると悲惨な状況だと思います。既得権益がまだまだ強すぎます。

技術や経済の動きについては「フラット化する世界」の方が具体的でしたので、
ビジネスを考える際の重要なヒントを与えてくれましたが、
本書はより深く洞察することで世の中の見方、自分の考え方について、
再度整理するための視点を与えてくれました。

これからの世の中を生きるための必読書でしょう。 (seed&inspire/2006-07-05)
圧倒的にホンモノ! |||||||||||||||||||
圧倒的にホンモノでした!
一体、何なんだこれは!?と呆然。


「基礎的条件の深部に注目すると、
 意味をなさない混乱状態だと思えたいまの世界が違ってみえてくる。
 混乱はものごとの一面でしかなかったのだ」
                      (アルビン・トフラー)

こういうものが見えてくるようになると爽快でしょうね〜^^
憧れます。

こういうホンモノに触れて、自分をレベルアップさせたいものですね。 (nonsense/2006-09-18)
過去の著作の総まとめ |||||||||||||||||||||
本書、「富の未来」は「未来の衝撃」、「第三の波」、「パワーシフト」と続いた著者の代表作の総まとめという印象を受ける。富の概念は単なる金銭価値を超えたところにあると定義し、人類にとって最大の関心事である富の行方を根本から問い直している。根本から問い直すための道具立ては過去の著作で培われた考察であり、重層的に積み重ねられた知的財産の上に展開される新しい世界に説得力を与えている。過去の著作から親しんでいる読者は、新しい発見とともにより深い理解を得られるであろうし、初めてトフラーに出会った読者は、著者独特の深く掘り下げ、一気に展開する圧倒的な未来像に引き込まれるだろう。 (flexer/2006-06-26)
現代における最高の知性との出会い ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
圧倒されるような膨大な知識と洞察の集大成であり、読み始めてから読了まで数週間もかかったが、さすがにトフラーの著作だけあって素晴らしい内容だ。「未来の衝撃」や「第三の波」で展開した文明論は、そのスケールの大きさで世界中に衝撃を与えたが、それに準じた影響力を本書でも感じることが出来て嬉しい。そういった威力を25年以上も持ち続けているのは、文明と正面から取り組む力量を持っている、トフラーという未来学者の学識の深さのせいだろうが、彼自身の年齢から来る衰えを夫人のハイジと、娘のカレンが手助けして補っているらしい。何しろ1928年生まれのアルビン・トフラーは78歳のはずだからだ。一家をあげて文明の問題に取り組むという様子をみると、凄い家族だという印象が実に痛烈であり、この本が彼の思想の総まとめの遺書なのだろうと連想した。だから、本書のテーマとして家族労働やNPOなどに触れていて、本当の富や価値は目に見えない形で存在しており、表面的なものに惑わされてはいけないという、協力者たちの声が込められているように感じた。それだけに、これだけの本を読むのに大変苦労したが、トフラー一家の皆さんご苦労様でしたと言いたい読後感を持ち、日本では毎日大量の本が出版されているのに、どうして日本に文明に正面から取り組んで、世界に通用する論理を展開する人間が登場しないのかと寂しくなった。理念も指導力もない安倍でも首相になれるという、島国日本の悲哀が漂っているのと共通の貧しさが、モノ作りと輸出がカネを稼ぐのに忙しい、エコノミック・アニマルの国民性を反省させられ、21世紀の日本はどうなるのだろうと心配になる。そんな価値と富の支配する国の在り方に対して、この本は無言の批判を伝えているのかもしれない。挑戦に値する洞察に満ちた本であると強調したい。 (北極星/2006-11-02)
富(Wealth)のこれまでの変遷を通して将来を考えさせる本

上巻のメインは「生産消費者」という概念で色々な現象を
説明してゆく点が私には心に残った.
上巻だけでも400ページ近い書物だが,色々な現象を元に
わかりやすく構成されているので,わかりやすく納得感がある.
また,上巻だけでも30章!もあるので散漫な内容かと思って
いましたが,時間(第3部),空間(第4部),知識(第5部)と
主な富の要素を分析しながら,上巻のメインの生産消費者(第6部)
と大きな流れになっており,ほんとうにすばらしい内容と
思っている.

 その大きな流れの中で
「革命的な富は金銭だけではないのだ」という
上巻の一番最後の1文がこの本の特徴を強く感じました.
(親カッパ/2007-12-14)
恥ずかしながらトフラーを初めて読みました。
未来学に情報社会をモチーフにした書籍を数多く著わしてきた人物ということを
知っていましたが、本書もその系統です。

まず彼ら(トフラー夫婦)は「知識は情報の蓄積によって増大するけれども、
資源は使うとなくなる。それに石油などは使うと二酸化炭素を排出して
環境破壊する。しかし知識の集積は環境汚染はしないし、それが結びつくと
また新たに増大していく」と全面的にITを支持しています。

各章に様々な事例、用例を数多く取り上げていますが、内容はこれだけです。
2分冊にするほどの必要もないとは思いますが、最初は知的刺激を受けて
途中で読み飽きた感あります。 (フジキセキ/2007-06-15)
歴史学は過去の出来事を何らかの必然性や因果関係の文脈にまとめ上げる作業というが、著者はこの作業を、現代世界の人間の様々な営為を素材として試みている。そこで描き出されるものは、人間の知識や技能や活動、さらにそれを支える社会体制のありようの来し方を概観しつつ、そこから連なっていくものとしての未来を予測しうるという点で単なる歴史学を超えているし、金銭価格に換算できない価値を扱えるという点で従来の経済学を超えている。言うなれば、人間社会の生態学であり進化論なのだ。もちろんそれは陳腐な進歩史観という意味では決してなく、価値とは中立的に社会変化の様態を示している。

とりわけ新鮮だったのは、生産消費(prosumption)に関する考察だ。それが社会の中でどのように営まれ、金銭経済とどのように連動しているのか。そのありようは歴史的にどう変遷してきて、これからはどう変わりうるのか。そのダイナミックな筋書きに胸が躍る思いがした。この他にも、工業社会と知識社会の違い、時間の「非同時化効果」、グローバル化の二つの逆の動き、知識の無形的性質など、自分自身の生活も含めて世界でいま起こっていることや起こりつつあることを互いに関係付けていくのに、有益な視座と切り口を示してくれている。 (gomame/2009-02-21)
アルビン・トフラーは人類の歴史を
過去500年までさかのぼり考えていることが新鮮でした。
職と賃金労働がたかだか過去3世紀のことです。

社会の速度の視点は面白いです。
企業の速度を100とすると
家族は60、労働組合は30、官僚機構は25、
教育は10、国際機関は5、議会は3、法律は1だそうです。

経済が目覚ましく進展する中
政治の変化があまりにも遅いことがよく分かります。

ソニーの創業者である盛田昭夫さんはかつてこう言っていました。
工場労働者なら朝7時に出勤して
生産的な仕事をしてくれといえる。
技術者や研究者に朝7時に
素晴らしいアイデアをだしてくれと言えるだろうか。
私に勇気を与える一言です。

真実かどうかを判断する基準のうち
自然科学への低下させる動きがある?
遺伝子工学を目指す優秀な若者の減少を懸念している?
これに対しては甚だ疑問です。

通貨であるユーロやドルよりも
マイクロソフトのゲイツやソニーの盛田などの電子マネーを
持っている方がいいという時代が来る?

マイクロソフトやソニーのような斜陽産業と思われる企業を
たとえに用いている点がセンスがない気がしました。
現在ならばグーグルだと思います。

貧富の格差の問題に対する第一の目標は
生活水準を引き上げて絶対的な貧困から抜け出せるようにおくべきで
その際に貧富の格差が拡大するかどうかは無視するべきである。

現在、格差社会がマスコミで大きく騒がれるようになってきましたが
この一言でおしまいです。
500年前からつい最近に至るまで絶対的な
貧困の時代が続いてきたという事実をマスコミは理解していません。

日本のサービス業が遅れている?
日本の終身雇用制度が解体されている?
日本の集団決定方式は今度衰えていく?
日本を豊かにするために移民を受け入れるべきだ?

日本は治安維持のため移民を受け入れるべきではないと思います。
サービス業は遅れていますが、巻き返しはまだまだ可能です。
日本を過小評価している印象を持ちました。

本書は過去500年から現在までの歴史を精査し
未来を予想しています。参考になる点は多いです。
首をかしげてしまう点もありますが
それは個人個人が考えていけばいいと思います。 (晴彦日記/2009-01-29)
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レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉
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草思社(2000-02)
原著:Thomas L. Friedman翻訳:東江 一紀トーマス フリードマン
売上順位:76788
¥ 1,890(中古:¥ 97)

レビュー総評点:43
著者はあくまでもコラムニストとして、体験談を場当たり的につなぎ合わせ、アメリカ人読者にとって心地よいレベルでグローバリゼーションについて述べているだけで、きちんとした本ではありません。
ですが、読み物としては面白いですし、冷戦後の世界体制を具体的に描写しているので勉強になる部分もあります。これが一番目のおいしい点。おもしろおかしく書いてあるので甘口です。
一方、著者は結局のところ盲目的なアメリカ至上主義者であり、グローバリゼーションを支持しているのは、アメリカが勝利しているからというだけです。著者は80年代のソ連の工業の自滅ぶりを見物人として描写していますが、同時期アメリカも同じ状態になっていたという事実には触れません。その時、アメリカの冷戦体制もソ連と同様な経過で部分的に壊滅しているのです。しかも悪いことにまだ残っている。グローバル化された経済の論理は、アメリカの抱える問題にも同様に適用されます。アメリカの未来も決して安泰ではなく、インドネシアやメキシコと同じ目に遭う可能性はかなり高い。そのような点に著者は触れません。
「世界中の人を一直線上に並べて序列をつけることが可能だ。もちろんアメリカ人は先頭だ」というおめでたい感覚が文章のすみずみに満ちていて忍び笑いを禁じえませんが、いや笑い事ではありません。2億5千万のアメリカ人のうち、グローバリゼーション時代を生き抜ける人が何人いるのか、脱落者はアメリカで何をしでかすのか。それが911以後のアメリカの未来を決めることになるのですから。
この本を読むと、アメリカの知識人の思考力の範囲がどの程度であり、しかも彼らと関わらずに生きていける時代ではないことについて深く考えることになります。これが2番目のおいしい点。苦いですけどね。
よく考えながら読むと、きっとためになると思います。 (黄金丸/2008-12-18)
もうこの本から8年か。時間の流れる早さを感じる。

アメリカ発のグローバリゼーションに対する、無邪気で一面的な賛歌であるこの本は、8年ほど前にベストセラーになった。そこではオリーブの木に代表される地域主義に対する、レクサスに代表されるグローバリゼーションの勝利が、様々な社会レベルから高らかに謳われる。例えば有名な”マクドナルドの黄金のアーチ理論”もそうだ。

その理論によれば、マクドナルドのある国同士は、グローバリゼーションの波に乗って、経済が発達、成熟した中産階級と民主主義が根付いているから、もうお互いに戦争をすることはないというもの。この本が書かれた時点では現実であったが、その後のコソボ紛争、グルジア紛争で見事に裏切られた。

また本書が予言した、グローバリゼーションありきでの世界平和とさらなる経済成長も、現実にはまったく逆の方向に進んでいるように思える。911事件以降、世界に溢れる暴力の嵐、際限なく暴走し、貧しい人の生活をさらにどん底に陥れ、遂に昨今破綻した巨大な無国籍マネー、深刻化する環境汚染や人権侵害、あまりにも悲惨な世界の現状ばかりが目につく。グローバリゼーションですべてが解決すると、無邪気に信じていたあの頃は一体何だったのだろうか?

現在ではもう読む価値のないと思われる本書だが、唯一面白い読み方ができる。それはこの本が書かれた当事、クリントン政権のもとアメリカが順調に経済成長をし、世界中がハッピーになると誰もが信じていた、ある種のユーフォリア(極端な楽観主義)を追体験する、という読み方だ。本書が謳うグローバリゼーションは心地よい。現実を忘れれば、束の間、あの当事の幸せな気分に戻れるであろう。

そして本を読み終えた時、8年で世界がこうも変わってしまったように、8年後世界がどうなっているかなど誰も想像ができない、そんな不確実性の時代に我々がいることをはっきりと感じるだろう。この本は時代の徒花だが、では何が実るのかなどは、誰も分からない、少なくともその事は教えてくれるのだ。 (しゃるる/2001-08-04)
著者(フリードマン)は大学院で中東研究・アラビア語を勉強し、長く中東担当記者をしただけあって、地域研究の重要性も理解しており、必ずしも経済中心のGlobalization論ではない。文化、経済、安全保障、環境、技術などのさまざまなメガネを重ね合わせなければGlobalizationを理解できないというのは賛同したい。
ただ隠されたバイアスとして指摘したいのは、著者のLiberalism的思考である。米国で発展してきた国際関係理論を大きく分けると、現状ではNeo-Realism(StructuralRealismとも言う)、Neo-Liberalism、Constructivismなどが主に上げられるが、著者は明らかにNeo-Liberalismの立場にある。この立場を相対化した上での議論を展開していないため、やはり偏りが出てきている。Globalization理解の枠組みは期待できない。
対して、DavidHeldの「GlobalTransformation」は無味乾燥だが、真剣にこのサブジェクトをマスターしたいひとにはお薦めかもしれない。さらに、思想的な観点から、LSE教授JohnGrayの「FalseDawn」を薦めたい。英国保守主義からの米国流Globalizationへの警鐘の書である。
とは言え、「レクサスとオリーブ」は大変愉しく読めるジャーナリストの作品であり、日本を素材として扱っている部分も多く、Globalization理解にはプラスになる。
ハーバード大学ケネディ行政大学院のJosephNye学長による昨年のGlobalizationセミナーでも指定書に挙がっていた。 (山耕一郎/2000-11-30)
私はこの本をゼミの授業で読みました。批判的にグローバ リゼーションを考える授業だったのでこの本も批判的に考えながら読みました。この本を批判的に皆で読むことが出来て本当に良かったと思います。なぜなら、普通に読んだら「カメになるのは嫌よっ」と気持ちが焦るからです。(カメの意味は読んだら分かります) グローバル化は必然なのでオリーブに固執してレクサスについてこない人は勝手にしなさいという本です。アメリカ人以外は読んでいてあまり良い気持ちはしないのではないかと思いました。環境問題や民族問題について触れてはいますが、解決策は見出せなかったと思います。 でも面白い読み物です。 (/2007-04-29)
 日本では海外高級車におされて日本でだけは人気のないレクサス。
 それをタイトルにもってくるところはおもしろい。
 やはり故障だらけでも欧米の高級車がいいという日本人にはやはり海外への憧憬がある分、レクサスをこういう形でもってこられると世界の賛意を否定したくはなるものだ。
 グローバリズムをマニ教的善悪二元論で考えることの愚かさを教えてくれる。
 仕事と創意工夫についても考えさせられるところが多い。
 だが日本のようにリベラルな人であってもコネによる仕事がベストと考える風土だと本書は受け入れられないか。
 世界は個性的であるべきだが、日本的土着性「だけ」は駄目という人にオススメ。
 無論本書への批判は存在する。
 斎藤貴男氏のように市場社会から離脱し、物々交換や原始共産制という形もありうる。
 実際イスラームのテロリストの勉学はグローバリズムの賜物であるし。
 孤立化への道を選ぶのならやはり日本への海外からの輸出を規制し、鎖国経済を復活させるしか道はないだろう。
 ただ本書への批判が「ネット」で掲載されているのを見ると不思議だ(友人に頼んだのだろうか)
 といってもインドも中国もグローバルな道を選んだ。
 あとは、あえて全世界で唯一の道を選ぶ覚悟が日本人にあるかどうかであろう。 (/)
この本は、みずからを厚かましいグローバリスト、アメリカ原理主義者と定義しつつも、アメリカナイズを逃れての経済発展は論理必然的にありえない、と断じる。非常に面白い。
イデオロギーは死絶え経済のみが生き残る、といいつつもこの本自体が2000年最大のイデオロギー大典となっている点がなんとも。そこのところの逆説を噛み締めつつ、半笑いで読むが吉。 (thee/2000-11-30)
今の自信をなくしているアメリカを見ると、「ああ、こんな時代もあったんだな」と
思わせてくれる楽天性。2000年ぐらいに読めば、もう少し説得力あったのだが、
2009年に読むのはちょっと苦しい。

堅苦しい本でないのはいいところ。 (バロン/2009-01-31)
グローバリゼーションとは、冷戦後の世界システムの再編現象である、というポイントを
ジャーナリスティックな事例を中心に読み物風にまとめているので、面白いですし、
枠組みもきちんと示されている本だと思います。

手垢のついた概念を、なるほど、そいうことなのね、という風に理解したい方向きです。

微妙にグローバリゼーションの負の部分を反省したりして見せるのですが、
著者の立場としては、グローバリゼーションとは
○アメリカがこの中心であり、不可避の現象であり、
○かつ物質的に豊かになるから良いことであり、
○反対する奴も所詮恩恵に蒙っているのだから文句を言う奴は卑怯であり、
○これからもアメリカががんばって欲しい、

というまとめ方になっています。

やっぱりアメリカ人って「面白いし、色々ものも知っていて、明るくてハンサムで、
正義感も強いんだけど、やっぱりちょっと独善的で、時々乱暴するし」っていう感じ
のどちらかといわれると、まあ「友人」と答えてしまう奴なんだなー、というを思い
を新たにしました。

グローバリゼーションという言葉が好きなヒトにも嫌いなヒトにも、考える材料
を提供してくれると思います(煮え切らないまとめ方だな。。。。)

(赤影ii/2006-12-09)
今や古典か? |||||||||||||||||
もはやグローバリゼーションの古典とも言えるのではないか。
グローバリゼーションが自明の状態となった2005年に読むとこの本が最初に出た2000年とはまた違った趣がある。
前巻は「レクサスとオリーブ」のうち「レクサス」の部分を中心としている。著者がグローバリゼーションの時代の前途を正しく理解していたことは実際の世界の動きによって証明されたとも言えるし、テロリスズムとグローバリゼーションや情報技術の長足の進歩のような著者の予測を越えるところもあるが、基本的な流れはきっちりと予測している。
著者も述べるようにエピソードを主体としているため読み物としても読みやすいし、著者の主張も頭に入ってきやすいと言えるだろう。
アジア経済危機に関するエピソードが多いのが今となっては微笑ましい部分もある。 (糸音/2005-08-20)
ジャーナリストの書く本 ||||||||||||||||||||||||||||||||
上司などに進められていたのだが漸く読んだ。アメリカ中心的な観点からのグローバリゼーションについての解説本だが、その実作者の主観的な経験に基づく逸話ばかりがずらずらと並び、その冗長さや傲慢さとあいまって辟易させられた。下賎な言い方だが、もう少し大学教授らしくというか、きちんとしたバックグラウンドに基づいた分析をしなければ、ただの作者の自慢話に終わってしまうのではないか。直感的にひらめいたという「マクドナルド理論」などをまことしやかにひけらかす作者のセンスには(そしてそれに対して真剣に反論している論者がいるということにも)ほとほとあきれさせられた。今更読んで得るものは少ないし、不愉快になる本であった。 (すごい/2004-08-28)
土着・アイデンティティの象徴である「オリーブの木」の役割の重要性が下巻では主張されており、上巻のグローバル化万歳と合わせると、「結局、レクサスもオリーブの木もどっちも大切だよね」という無難な結論に至る。とまあ、それはさておき、下巻ではオリーブの木について延々と書かれているが、上巻ほど説得力(というか実利)があるものでもなく、きわめて普通の本になっている。読み物としては上巻の方が面白い。強要されたものであっても結果オーライなら、それはそれでいいのかな、という気もしないわけでもないし。人によって読み方はさまざまであるし、印象に残る点もさまざまあると思うので読んで損はない本であることは確かだ。 (きんぐ研究会/2006-11-15)
 世界化が進む市場の姿を豊富な経験とエピソードで語った名著。とにかく読ませる面白い読み物です。
そのエピソードの中には日本も登場する。レバノン、イスラエルという辺境で培われた直観が
なせる業なのか、見事な語り口。
 著者はグローバル化を善悪では判断せず、避けられない事象として語る。それが、願望で現実を規定しようとする
インテリたちとの差となっているのではないかと思う。
 電脳投資家集団の民主化への要求は次の3つに基いているという。
 それは、柔軟性、合法性、持続可能性だというのだ。無能なトップが常に居座らないためにもそれは必要なことであるといえる。
 「この集団を精いっぱい活用することが」生き残るための道であると言う著者の主張に耳を傾けるべきだろう。 (starlight/2002-02-02)
今という時代が何か、世界はどこに向かって動いていくのかを考える上で、とても重要な視座を提供するthought provokingな本。さすがニューヨークタイムズの代表的コラムニストの文章とだけあってぐいぐいと引き込まれて読んでしまう。各所にユーモアあふれる逸話、冗句がちりばめられているのも良い。僕は通勤の電車の中で読んでいたが、おかしくて、何度も吹き出してしまった。いかにもアメリカの知的リベラルが書いたglobalization賛歌、米国賛歌的なところが気にはなったが、でもやっぱり彼の指摘は正しい。globalizationによって世の中は物凄いスピードで動くようになった。著者が言うように、これからはfast worldに入れるかどうかが問題で、それに入れなかったらどんどん取り残されるばかりなのだが、日本社会は今や動脈硬化症状を呈している。かつて、米国にとって脅威だったのはソ連と中国の軍事力、日本の経済力だったのだが、これからはこれら3カ国の弱さ(日本の場合は経済的弱さ)が米国にとっての脅威になるとの指摘はとてもrealであり、衝撃的だった。
それにしても、globalizationの時代にあって、Lexusとオリーブの木という2つの価値観の対峙という構図は極めて的を射ている。僕の心の中でも両者がいつもせめぎ合っている。 (tomomori/2008-02-23)
上巻では、グローバライゼーションとは受け入れるか否か、どの程度受け入れるか、ということについての各国の意思とは関係なしに、結果として強制されるものである、という点が印象的であった。そしてその強制に付随して起こる経済改革などの措置が、経済資本バージョンがどんどん上がっていき、それによりグローバル化された社会において生存していくことが可能な強靭な経済体制が作られる、というのが著者の言いたいことであろうか。しかしながら彼の言う「マグナ・マック」(マクドナルドのある国同士は戦争をしない)は崩壊しており、(空しいいい訳がなされているが)彼の述べているとおりの理想のグローバル社会が易々と築かれるというわけではない。そこでグローバライゼーションと対極にある、土着のものの象徴である「オリーブの木」の役割が生まれてくるのである。以下下巻。 (/)
本書を読んだ後で通訳試験(内容は流通関係)を受けたら単語・表現がポンポン口をついて出てくれました。その点では『The World Is Flat』同様に役に立つ本です。ビジネス英語系の言語空間に慣れたいという方にはお薦めです。
アメリカの株式バブル崩壊前に執筆されたらしく、バブル期独特の底抜けの楽観主義や浮かれ気分、気が大きくなっている感じが漂ってきて興味深い(あるいはもともと明るい人なのか)。サブプライム問題なんてまだ影も形もなかったあの明るい時代…。CEOバブルの代表のような故ケン・レイ氏の唱えるお題目をそのまま引用してエンロンを褒め上げていたり、いま読むとご本人も決まりが悪かろうという箇所について喋々するのは気の毒なのか。しかしダーウィニズム的社会学が見え隠れし、おらが国はその頂点に立ったのだと他国を見下している感じがスゴイ。
グローバライゼーションはアメリカナイゼーションだということです。その流れは「歴史の必然」であり「進歩」であり、乗り遅れる人間は「亀」、反対する人間は現代版ラッダイト主義者だそう。それを検証する為に世界中を巡って個人的経験をかき集めてきます。友人、家族との逸話も動員します。統計より逸話を重視するあたりが著者の一般人気の秘密なんでしょうか。「マクドナルド現象」をはじめ、諸現象を説明するのにいちいち独自の造語を編み出していますが、余計ですね。ネーミングがイケていない(Golden Straitjacket、Electronic Herd、DOScapitalやらやら)。結局は自説の裏付けになりそうな逸話をとうとうと並べているだけで、グローバライゼーションの影の部分の分析は極力避けています。全く同じ手法でグローバライゼーションを徹頭徹尾悪魔化する本を書けると思いますよ。こういう本を読むとノーム・チョムスキーやナオミ・クラインを応援したくなるから面白いです。 (/)
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コークの味は国ごとに違うべきか
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文藝春秋(2009-04-23)
パンカジ・ゲマワット
売上順位:1616
¥ 2,000(中古:¥ 1,444)

所属カテゴリ:
レビュー総評点:15
グローバル、と言われながらも、
意外とそんなにグローバルになってないよね、
という普通の人の肌感覚に近い分析を行い、事例も紹介している。

事例は、海外の話が大半ではあるが、
取り上げられている企業がマクドナルド、コカコーラ、
レゴ、IBM、ウォルマート、トヨタ、資生堂など、
海外の企業でも、日本人に馴染みの企業が多く、
コカ・コーラの話でも、日本コカ・コーラの
缶コーヒーの商品開発の事例も書かれているので、
身近な話として、日本人の読み手への説得力も強い。

「フラット化」する世界、という概念の真逆を論ずる、
今起きている現実を地に足を付けて説明している良書。
(Ossan/2009-06-06)
世界を消費者のニーズという観点から捉えると、グローバリゼーションは進展している、
というよりも、国ごとに大きな差異が残る、セミ・グローバリゼーションの時代といえる。
多国籍企業が世界各国への進出した例のなかから、失敗と成功を取り上げ、どのような
戦略をたてるべきかその分析手法を説明していく。

スターバックスは禁煙という文化を日本に持ち込むことにより、女性層という新たな消費者を
を作り上げた。
マイクロソフトは中国では検閲という文化に悩まされ、中国が変わるというよりも、マイクロ
ソフトの方が変わっていくかもしれないとする。
また、マクドナルドもインドでは羊肉バーガーがある。(日本では月見バーガーがある。)
というふうに、ややユーモラスにお堅い話を分かりやすく説明してくれるのだが、
そもそも目線が、多国籍企業がどの国に進出するべきかの分析手法の講義であるだけに、
一般庶民が実生活へ応用できるような内容ではないところが苦しい。

経済紙の書評で、フリードマンの「フラット化する世界」よりも視点が高いとされていたが、
フリードマンは、PCとインターネットの発展により世界の人々の「情報」へのアクセスが
平等になった。そしてサービス業と製造業のアウトソーシングが進み世界がフラット化した。
という主張であり、かなり視点が異なるため同列には批評できないように思う。 (ピラニア君/2009-06-20)
アトランタにはコカコーラ博物館があり、少なくとも15年前に訪れた時には各国の異なる味のコークを味見できた。すなわち、コークの味は各国ごとに異なる というのは、コカコーラのグローバル戦略に関係なく当り前の話なのだ。
極端なグローバル化論者でも、すべての国の人が毎日同じものを食べ、同じ車に乗って、同じ服を着る というようなことは想定していまい。世界市場化がかってない規模で進んだとしても、国ごとに何らかの文化的差異が残ることは自明だ。
しかし筆者は、グローバル化論者が上記の極端な想定に立っているように取扱い、これを攻撃する。企業の事例はなかなか面白いが、(特に最終消費財の場合) 国ごとに異なるアプローチをとるべき というのは常識なのではないだろうか?
某紙の書評につられて買ってみたが、わざわざ買ってまで読む必要がある本だとは残念ながら思えない。
(brotherfood/2009-06-11)
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平均点:3.0
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w:13 h:19 429page
東西逆転―アジア・30億人の資本主義者たち
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ASIN:4140811005
日本放送出版協会(2006-03)
原著:Clyde Prestowitz翻訳:柴田 裕之クライド プレストウィッツ
売上順位:230456
¥ 2,625(中古:¥ 57)

レビュー総評点:12
フラット化する世界(原文)も読んですばらしいと思ったが、この作品も素晴らしい。
これからの世界での出来事を巨視的に捉えるには最も適した書であろう。
翻訳も素晴らしい。読んでいてぎこちないところがない。
値段も、この本から考えさせられること、学べることを考えれば格安だ。 (とっとこ/2007-02-19)
ドル暴落の引き金を日本が引くと言う、ちょっと驚くような書き出しで始まる本書の著者は、『アメリカ経済戦略研究所所長』という肩書きの人物で、日本にも留学経験があるらしい。過去に、『日米逆転』(ダイアモンド社)等のベストセラーも手がけていて、レーガン政権時代に、商務長官特別補佐官を勤めている。

本書の内容を一言で説明すると、唯一の超大国となったものの、様々な面で影響力の低下が否めないアメリカが、グローバリゼーションの波に乗って長期的に利益を得るには何をするべきか、という事に関する著者の考えが滔々と述べられてる本、と言えるのではないだろうか。
それも、やや過剰に考えすぎているのではないかと思われる箇所もあって、著者の経歴と立場を踏まえて解釈することが必要であると感じた。

一方で、著者の研究者としての幅広い見識と、政治や外交の最前線で活躍した経験に裏打ちされた内容は、とても新鮮で興味深いものが多かった。

特に印象に残ったのは、NAFTAへの加盟を呼びかけるという日本に対する戦略で、日米双方にとってにとってメリットが多いと言うのが著者の考えであった。しかし、素人目には資源やエネルギーの供給国と消費国の関係に見えるNAFTAに、アメリカと競合する産業の多い日本が加わることが有意義なのかどうか、本書の内容だけでは良くわからなかった。

また、本書のプロローグは、草稿段階でアメリカ人読者向けではないとの理由から書き直されたそうで、原書と異なっているらしい。日本の読者向けには当初のプロローグがふさわしいとの判断で、現在のものになっているそうだが、原書のプロローグも読んでみたい気がした。

本書は、翻訳も良くて読みやすく、グローバリゼーションの行く末に関して考える材料の一つとして読むには、非常にお勧めできる本だと感じた。 (littlejohn/2006-05-03)
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平均点:5.0
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東西文化//一神教多神教
 
w:12 h:18 344page
グリーン革命(下)
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ASIN:4532314429
日本経済新聞出版社(2009-03-20)
翻訳:伏見 威蕃トーマス・フリードマン
売上順位:1403
¥ 1,995(中古:¥ 1,400)

レビュー総評点:-3
 タイトルに「グリーン革命」となっているが、温暖化、フラット化、人口過密化が本当のタイトルだろうに・・・余計なタイトルをつけたので、話が見えなく、あいまいのまま終了した。
 著者の考えからアプローチの仕方に興味を持てたが、「グリーン革命」というタイトルに振り回されて、期待した内容ではなかった。
 つくづくタイトルは大切だと思ったし、本書を売らせようという訳者の意図に気分を害した。 (ヒュー/2009-05-12)
上巻では、温暖化、フラット化、人口過密化の道のり、そして問題点について主に書かれていた。それに続く下巻では、そのような問題をどのように克服するかという「解」について書かれている。

第3部は上巻の9章から続く部分で、グリーン革命への道すじを示している。ここで興味深いのは第10章の「エネルギー・インターネット」だ。ここではグリーン革命後の私たちの生活について物語調で描かれている。正直言って、ここに書かれていることはにわかには信じがたいが、想像力を高めてくれるきっかけになりそうだ。

第4部では赤い中国がグリーンな中国になれるか否かということについて論じている。環境を犠牲にして急成長を遂げてきた中国ではあるが、ここからはグリーンで成長する方法を見つけなくてはならないこと。また、中国のグリーン革命は政治の変化にもつながる可能性があることを示している。

第5部はアメリカについてだ。グリーン革命を起こす上でのアメリカの制度上の問題点をあげるとともに、どのようにすればアメリカが「グリーン立国」できるようになるかについて書かれている。アメリカについて書かれた部分ではあるが、他の国(もちろん日本)も参考にすべき部分だろう。

帯にも書かれているが、日本はグリーン・テクノロジーの分野で進んでいる。このアドバンテージを活かし、競争優位性を高めていくことができるか否かが今世紀の日本の命運を分けるのではないだろうか。そのためのヒントがフリードマンの「グリーン革命」には描かれている。
(matsunoki55/2009-03-30)
環境ニューディールとは国家安全保障戦略だったのですね。
たぶん、オバマ政権の環境ニューディールのタネ本の一つ。
この本を読むと、環境問題に興味があろうがなかろうが、時代はそちらへ進んでいって、ビジネス上無視して進むことはできない、もっと対応を早めなければという気持ちで高まると思います。
(shirokoguma/2009-04-17)
 今まさに、世界がグリーンに向かって大きく進路変更をしている最中であることが理解できる一冊です。

 科学の力と民間企業の力を使って、社会システムを梃子に一気にグリーンになるかここ10年が勝負のようです。

 日本でも、子供たちが喜ぶような未来が選択できればよいと思いました。 (tamadam/2009-05-18)
本書は、多くの人に石油を利用させることで巨万の富の分け前に預かる極一部のアメリカ人を対象に書かれた本である。そのため、再生可能エネルギー・システムの構築に取り組むべきだという主張がしつこく述べられている。しつこく主張をしないと、石油の利益にどっぷりと浸かった人々の発想と行動を変えられないからである。

もちろん、主な対象ではない我々も本書から学べる点は非常に多い。

エネルギー供給側・需要側両者、政府・行政・企業のあらゆる組織、先進国・途上国の地球上の国がどのような新たな方法で生活し、ビジネスをすれば地球を綺麗にでき、新たな富を得られるのかという「大きな絵」=「コード・グリーン」を本書で拝見することができる。

コード・グリーンを実現するためには、従来とは異なる富と富を得る方法が必要であり、本書では詳細な将来像としてそれらが記されている。

詳細なレビューはこちら http://ameblo.jp/nextbaron (Nextbaron 津田正顕 號称塾/2009-04-20)
進行する地球温暖化問題。そして、経済的にピンチのアメリカ。これらの問題を解決するために次に打つ手はなにか。この本はそれをはっきりと示す。
 現在の消費スタイルを保ちながら、環境も保護していく―そんな夢のような話が可能になるらしいのだ。もちろん、消費者の意識の大幅な変化、生活面でのイノベーションが必要ではあるが。しかし、これを実現するのは簡単ではない。みんながプリウスを買ったからといって実現するほど甘くはないのだ。
 本書では、具体的な「グリーン革命」後の世界が描かれている。環境を守り、地球温暖化を防ぎ、生物の多様性を保つ。そんな社会を実現することも可能である。さらに、この社会は、新しいエネルギーサービス産業を生み出す。例えば、エネルギーの使い方についてアドバイスをし、最適なエネルギー節約プランを提供するのだ。このエネルギー革命を進めるためにはインフラの再整備が必要なので、それに関する雇用も創出できる。オバマが、グリーンニューディール政策により数百万人の雇用を生み出すといっていたのは、嘘ではない。太陽光や風力などのエネルギーをもっと積極的に使うことで、温暖化の問題に対応しながらさらなる経済成長が見込める。そして、主要エネルギーとなり得るエネルギー源の発明により、この革命は完成する。実は、このエネルギー源の開発は日本で行われている。人工的に光合成をして二酸化炭素を減らし、水素を作り出してエネルギーとして使おうというものだ。この研究は実現まであと一歩のところまで来ている。もし日本がこの研究を成し遂げれば、一気にエネルギー大国になれる。グリーン革命の完了である。
 人類に対する警告であると同時に、未来に希望を与えてくれる書でもある。 (tn581jp/2009-04-15)
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平均点:4.0
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経済学:気になる新刊邦訳本4
 
w:13 h:19 344page
グリーン革命(上)
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ASIN:4532314410
日本経済新聞出版社(2009-03-20)
翻訳:伏見 威蕃トーマス・フリードマン
売上順位:1546
¥ 1,995(中古:¥ 1,400)

レビュー総評点:7
「フラット化する世界」のトーマス・フリードマンの最新作。
副題は「温暖化、フラット化、人口過密化する世界」

結論から言うと、「フラット化する世界」とともに読んでおくべき
本だと思う。そして、おそらく本に対する評価や売れ行きでは
異なるだろうが「フラット化〜」よりも重要な本である。

「フラット化する世界」ではインターネットなどが仕事や社会の
あり方を根本的に変えてしまった様を描かれていた。

本書はその続編とも言える内容で、フラット化と人口の過密化、
そして地球環境との関連性について論じ、その対応策(私たちが
しなければならないこと)を提案している。

上巻は3部構成で、現状、現状に至る道のり、そして前進の道すじに
ついて書かれている。

特に第2部の「現状への道のり」は読み応えがあった。
・新興国の人口増大とミドルクラスの勃興が資源需要に与える影響
・原油価格(をはじめとする資源価格)高騰が国際政治に与える影響
この2つに関する洞察には学ぶことが多かった。

そして、8章、9章からは「グリーン革命」の核心部に入っていく。
アメリカ中心に書かれているが、ここに書かれていることは他国にも
あてはまり、当然、日本の読者も知っておくべきことだと思う。

残念な点は、著者は、アメリカを過大評価しているのではないかという点。
また、訳出に難しい言葉がしばしば出てくることだろう。
(もう少し平易な言葉に置き換えてくれると読みやすい)
それらを加味してこの評価にさせていただきます。

なお、トーマス・フリードマンのサイトでこの本に関する講演の
動画が見られます。

http://www.thomaslfriedman.com/

(matsunoki55/2009-03-23)
 進行する地球温暖化問題。そして、経済的にピンチのアメリカ。これらの問題を解決するために次に打つ手はなにか。この本はそれをはっきりと示す。
 現在の消費スタイルを保ちながら、環境も保護していく―そんな夢のような話が可能になるらしいのだ。もちろん、消費者の意識の大幅な変化、生活面でのイノベーションが必要ではあるが。しかし、これを実現するのは簡単ではない。みんながプリウスを買ったからといって実現するほど甘くはないのだ。
 本書では、具体的な「グリーン革命」後の世界が描かれている。環境を守り、地球温暖化を防ぎ、生物の多様性を保つ。そんな社会を実現することも可能である。さらに、この社会は、新しいエネルギーサービス産業を生み出す。例えば、エネルギーの使い方についてアドバイスをし、最適なエネルギー節約プランを提供するのだ。このエネルギー革命を進めるためにはインフラの再整備が必要なので、それに関する雇用も創出できる。オバマが、グリーンニューディール政策により数百万人の雇用を生み出すといっていたのは、嘘ではない。太陽光や風力などのエネルギーをもっと積極的に使うことで、温暖化の問題に対応しながらさらなる経済成長が見込める。そして、主要エネルギーとなり得るエネルギー源の発明により、この革命は完成する。実は、このエネルギー源の開発は日本で行われている。人工的に光合成をして二酸化炭素を減らし、水素を作り出してエネルギーとして使おうというものだ。この研究は実現まであと一歩のところまで来ている。もし日本がこの研究を成し遂げれば、一気にエネルギー大国になれる。グリーン革命の完了である。
 人類に対する警告であると同時に、未来に希望を与えてくれる書でもある。 (tn581jp/2009-04-15)
 今まで地球温暖化に対して先進国は発展途上国に対して「少しはお前ら環境に配慮しろ!」と言っているという印象があったが、この著作を読むと中国やインドなどの発展途上国さえも今となっては自ら環境に配慮した政策を進めなければこれから先の経済発展はあり得ないのだということを思い知らされる。
 また、3度のピューリッツアー賞を得てアメリカを代表するジャーナリストである著者は、アメリカの環境への政策の遅れを指摘しており、石油の値段が上がれば上がるほど民主主義に対する敵国を強くしている(!)という現状を認識させることによって再エネルギー利用社会への軌道修正を迫っている。
 前作「フラット化する世界」にはインパクトでは及ばずも、いつもながら面白い切り口で新たな視点を我々に与えてくれる作品となっている。 (Nao/2009-04-01)
 上巻なので、仕方のないことなのかもしれませんが、ほとんどが前置きに費やされていて、具体的提言がありません。
 著者はアメリカ人のようなので、少しアメリカ人びいきしている部分が気になりますが、下巻を読んだ上で評価をしようと思います。 (ヒュー/2009-05-12)
地球温暖化、個人レベルでのグローバリゼーション(フラット化)、急激な人口増加。これらが組み合わさった時代を、どう生きるか? という本。

「ケータイの料金プランのように、フレキシブルな電気料金プランを」という、とても面白いアイディアや、「中東から買う石油が、テロの資金源になる」との分析など、読みどころ満載。

一人ひとりのライフスタイルと、地域社会の在り方を見直すことが、温暖化問題への取り組みになると再認識させる良書。 (Mスタ/2009-05-06)
 エコ社会の実現でもアメリカがリーダーであろうとす
る著者の立場が最初から示され、鼻白む読者が多い
と思います。そこは、がまんしてください。広い視野か
らの有益な認識や提言があり、読み終えて損した気
はしないと思います。例えば、日本での武田邦彦の
偽善エコロジーをめぐる昨今の論争よりは、いく分か
レベルは高かろうと思います。
 課題の提起では、世界的なフラット化(急激なミドル
クラスの勃興)や人口増が、エネルギーを浪費するア
メリカ化として顕在化していること、今後の方向をクリ
ーンな電気、エネルギー消費の効率化そして自然保
護の三つをバランスよく進めるとしたことが肯けました。
 驚いたのは、テキサス州知事時代のジョージ・W・ブ
ッシュが命令を発したことで、風力発電の設置が一気
に進んだこと、そしてニューヨーク市で実施した燃費向
上規制がハイブリッド車への劇的な転換を引き起こした
という指摘です。つまり、適切な政策誘導さえあればエ
コ社会の構築は夢でないということです。
 原発をクリーン(使用済燃料の化学的処理は?)とし、
世界恐慌の克服をルーズベルトの功績(ニューデイル
は無効だったというのは今や常識!)とするなど、数々
の無神経な記述にはここでは敢て目をつむり、自分達
に都合のよいところだけをつまんでおくことにしておきま
しょう。
(野原ひろし/2009-05-09)
本書は、多くの人に石油を利用させることで巨万の富の分け前に預かる極一部のアメリカ人を対象に書かれた本である。そのため、再生可能エネルギー・システムの構築に取り組むべきだという主張がしつこく述べられている。しつこく主張をしないと、石油の利益にどっぷりと浸かった人々の発想と行動を変えられないからである。

もちろん、主な対象ではない我々も本書から学べる点は非常に多い。

エネルギー供給側・需要側両者、政府・行政・企業のあらゆる組織、先進国・途上国の地球上の国がどのような新たな方法で生活し、ビジネスをすれば地球を綺麗にでき、新たな富を得られるのかという「大きな絵」=「コード・グリーン」を本書で拝見することができる。

コード・グリーンを実現するためには、従来とは異なる富と富を得る方法が必要であり、本書では詳細な将来像としてそれらが記されている。

詳細なレビューはこちら http://ameblo.jp/nextbaron (Nextbaron 津田正顕 號称塾/2009-04-20)
世界は大不況に陥ろうとしている。確かに金融危機、経済危機は、人々を不安にさせ、生きる希望を見えずらくさせる。しかし、(間接的にはあるだろうが)そのことが直接私たちの命を奪うわけではない。今、人々が本当に直面している危機とは何なのか。それは、決して、グローバリゼーションでも資本主義でもない。また、金融危機や経済危機でも決してない。その答えがこの本に書かれている。今こそ、一人でも多くの人にこの本を読んで欲しい。グローバリゼーションや資本主義に取って代わる、新時代を切り開く新しい世界秩序は、この『グリーン革命』なのだ。 (日の光と暁の藍/2009-03-29)
期待が高かった分、皆さんの評価は辛いですが、世界がどの方向に向かっているのかを、
最高水準の知性を持って分析し、オバマ大統領の政策にも大きな影響を与えている本です。
読まないわけには、いかないでしょう。

上巻では、オイルマネーとサウジアラビア、テロと自由というような話が続いて、
まるで映画キングダム 【ユニバーサル・Blu-ray disc 第1弾】
のようで一体何の本だか、一瞬見失いましたが、地球温暖化、環境破壊の現状に触れ、
石油からの脱却、クリーンエネルギー政策が重要なのだ、とつながります。

フリードマン氏が自ら言っているように、この本はアメリカ(人)向けに書かれた
本です。極端ですが、いかにアメリカが世界から嫌われ、アメリカが原因となって
世界の環境を悪化させているか、という警告を発しているのです。ただ、
アメリカ人の自尊心をくすぐるような形で、アメリカが目覚め、アメリカが世界を
「グリーン」で引っ張って行けば、世界を救うことができるのだ、という書きぶり
になっているので、気に入らない人もいると思いますが、そこは本筋ではないと
思います。

いすれにせよ、環境問題だけでなく、世界のパワーバランスや政治に「グリーン」がどう
影響するのかを正しく認識し、日本の取るべき道を考えることが必要です。 (あらフォーティー/2009-06-24)
 地球温暖化と自然保護とグリーン革命がとてもリアルに感じられる一冊です。

 エネルギー問題を解決することが、すべての問題解決に通じるようです。

 この重大な難局を乗り越えてこそ、新しい世紀がはじまると思いました。
(tamadam/2009-05-12)
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w:13 h:19 349page
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
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ASIN:4837956661
三笠書房(2006-05-08)
翻訳:大前 研一ダニエル・ピンク
売上順位:1605
¥ 1,995(中古:¥ 650)

レビュー総評点:188
趣旨は理解できるが |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
経済のグローバル化、情報化の拡大によって、それまで先進国の知的労働者の特権と思われていた仕事が、低賃金で有能な人々を抱える一部の途上国やコンピュータに代替されつつある。ゆえ、今後は知識を詰め込んで分析する「左脳的思考」だけでは足りず、さらに感性(本書では6つの感性を紹介)を必要とする右脳的思考も大切になるという趣旨。
趣旨は理解できるが、それほど感動するような内容ではなかったというのが正直なところ。

先進国の知的労働者は、(途上国にその仕事を代替されないために)感性を磨くことが必要と読めるが、途上国の人々が本書にある「6つの感性」がないことはなく、論拠の前提条件にあまり納得がいかなかった。また、先進国の人々が作ってきたコンピュータによって、自らの仕事が失われつつあるというのは、何とも資本主義の皮肉な世界である。

さらに、邦題のサブタイトルに「新しいことを考え出す人の時代」とあるが、これはいつの時代も多かれ少なかれ当たり前のことであり、今後はより多くの人に「新しいことを考え出す人」の機会が広がるということ、また、それに伴い社会的な格差が拡大するということで、何か新しい時代が来るという印象は抱けなかった。

長期的な視点からみれば、現在は水が高いところから低いところ(途上国やコンピュータ)に流れているだけで、近い将来、水面は同じになる。その時、我々の世界はフラット化するのか、あるいはその前に保護主義が台頭するのか。そして我々は「個人」としてどう生きるべきなのか、それを考えるきっかけにはなった。

一方、本書にある6つの感性を「成熟した社会(先進国)でのマーケティング戦略」という視点から考えると、非常に役に立つのではないか。
マーケティングの視点からは「花を売らない花売り娘の物語〜ハイタッチ・マーケティング論」がお薦め
(foxtrot/2007-04-15)
例えばひとつの業務をどう進めるか、についてを考えるときも、
今まで考えたことが無いようなストーリー性やデザイン性がいかに重要かがこの本を読むとわかる。
今までの仕事のスタイルを見直すいいきっかけになる。
また、子供を持つ親の立場で、
子供がどのような進路を歩むか考えるとき、
ひとつの指標になる。
今までは憧れであった職業が、そうでなくなっている事実も興味深い。 (ノーマン/2006-06-12)
大前さんは煽りがうまい! |||||||||||||||||||||||
大前さん曰くの「格差社会を勝ち抜くための三条件」は確かにそうかもしれない。
しかし「格差社会を勝ち抜く」なんて、卑しく不安を煽り立てる最近の論調にはいささか辟易している。
なぜなら、これらの本がいくら鋭く真実を突いていたとしても、多くの人は「そうですか!良いことを聞きました」と簡単にスキル変更できないからである。
この本で問われる「六つの感性」は、今の高等教育を受けたからといって簡単に発揮できるものではない。
決してマイナス思考でもあきらめでもなく、無理な人には無理なのである。

しかし、ビジネスパーソンの多くは勉強好きであることは確かだ。
あざといようだが、自己啓発本の類はベストセラーになるのである。

冗談はさておき、エグゼクティブクラスの仲間入りを目指す者にとって、必要な能力や目指すべき方向性が列挙されている。
『「機能」だけではなく「デザイン」』は、これからどの分野にも通じて含蓄あるフレーズだ。
大前さんは日本のエリート育成のために、これからも無理してガンガン煽って欲しい。 (endlessenigma/2006-06-26)
個人ベースのボーダレス時代に突入した現在、ビジネスマンの取るべき道をガイドした本。

企業ベースで国境を越えていた時代には、日本人にとって語学力が世界に通じるパスポートであった。しかし今や語学力やコンピュータ操作は、当然の「リテラ死」と化している。ではいかなる能力が個として要求されているのか?

原題はA Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future。だから右脳系の内容。紹介にある「第四の波」はちと大げさかも。
章立ては整理されており一気に読了できるオススメ本です。でも日本のビジネス書で言われ始めていることも多く、あれれ?と思われる読者も多いかも。

日本的情緒が見直され、論理力礼賛にも新味さが欠けてきたから、大前さんが知恵つけて逆輸入したのかも?なんてこと考えたら不謹慎かな。
(TIME & PLACE/2006-07-02)
代替されない仕事 |||||||||||||||||||||
左脳を使って論理的に考える重要性は無くならないものの、今後は右脳も活用しないと、低賃金国やコンピューターに仕事を代替されてしまう、という内容です。

これから求められるのは以下の6つの感性(センス)。
・「機能」(実用性)だけでなく「デザイン」(有意性)
・「議論」よりは「物語」
・バラバラの断片をつなぎあわせる「調和」
・「論理」ではなく「共感」
・「まじめ」だけでなく「遊び心」
・「モノ」よりも「生きがい」

各章末に、まとめ・参考文献などが載せられています。

残念なのは、(当たり前なのですが)米国人以外には敷居が高いこと。
例えば、デザインに関する(米国にある)美術館、邦訳が出版されていない書籍などを詳しく紹介されても、大抵の方にはあまり役立たないでしょう。

本を読んだだけで実践しなければ、力はつかないと思います。
やる気のある方は、これをきっかけにご自分で調べるのだとは思いますが、「誰にとっても行動に結びつけられる書」とは言い難く、やや物足りない内容でした。 (plateau/2006-11-22)
これからの時代をどう考えるかの一助になる本だ。
どうなるかは、もちろんなってみないとわからないが、
確かに「新しいことを考え出す人の時代」というのは、
冷静に考えれば至極真っ当な考えだと思う。

ダニエル・ピンクの言い分はこうだ。
今まではナレッジワーカーの時代。
しかし、「豊かさ、アジア、オートメーション」をキーワードに、
コンピューターやインド・中国などにこのような仕事は
安い価格でアウトソーシングされてしまう。
次の時代に備えるために
「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」の資質を身につけなければならない。

我々は前半部分の現実を目の当たりにしている。

そして、その時代にどう対応するかの方法論が語られる。
すなわち、ハイ・コンセプトでハイ・タッチな「六つのセンス」こそが必要不可欠な感性だと訴える。
それが「デザイン」「物語」「全体の調和」「共感」「遊び心」「生きがい」だ。
この6つを説明して終わる。

うーん、なんか尻切れトンボで終わってしまう感じ。
「コンセプトの時代」がうまく説明し切れてないので、
「六つセンス」はそれぞれは例を用いて解説してあり、
それを伸ばす実践的な提案も豊富にしてくれるが、うまく入っていけない。
それを解説しただけ感があり、それだけでは説得力に欠ける。

しかしながら、次の時代を生き抜くビジネスマンなら必読書と言える。
強いて言うなら、第3章の23ページだけ読めば、言わんとするところはわかる。 (◎おらくるくる◎/2007-07-25)
色々なビジネス本が出ていますね。なるほどと思うことは多いのですが、なかなかないのが、そうすればいいのかな?という道筋を与えてくれる本です。この本はずばりそれを与えてくれると思います。

6つのスキルを重要スキルとしてあげており、その六つは、1)機能ではなく、デザイン 2)議論よりは物語、3)個よりも全体のシンフォニー4)論理ではなく共感、5)まじめだけでなく、+あそびごころ、6)物より生きがいです。

車を例にとれば、すでにどれも使う上での機能は似たり寄ったり。するとどこで差がうまれてきて、その差を生み出せる価値ある人材になるにはどうすればいいのか?そんなことを考えてみたい人にお勧めです。 (Wolfpack/2006-09-09)
とりあえず、必読です |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
何はともあれ、帯に書かれていることは、大げさではなかった。
先進国で、そこそこの収入で、豊かな生活を謳歌している、
フツーの中流意識の市民(ワタシも含めて)には、必読の書ですね。

とりあえず、文句を言わず、地球規模の時代のシフトを把握し、
生き方を考えるために、書かれていることは、
そのまま丸ごと受け止めて、読み進めます。

その上で、内容を咀嚼して、自分のできること、やるべきこと
を選択し、もっと深く追求していく。そんな感じの読後です。

本書のエッセンスは、最初の大前氏のサマリーにうまくまとめられて
いて、それを読むだけでもためになります。
前半は、世界的なメガトレンドで、背筋も凍る危機意識が芽生えますが、
後半の6つの感性は、すぐには、ピンとはきませんが、
じっくり、よーく考える価値が十分にあります。

とはいえ、のんびりしている暇はない、というのが本書のいわんと
しているところでもありますけど。

これは、とんだ「当たり本」でした。 (佐倉ごるふ/2006-05-11)
数字・論理・分析よりも、これからは物語・デザイン・シンフォニーなど6つのスキルの方がモノを言う時代になる、という。理系の人はおそらく反対するだろう。しかし文系、芸術系の人は大いに共鳴するはず。

過去、論理力(ロジカルシンキング)を引っ張ってきた大前研一氏が、物語力(ナラティブメソッド)やデザインの重要性を説く同書を訳したという事実は、日本のビジネスカルチャーの潮の変わり目を象徴していると思う。具体的な方法論については類書、『「物語力」で人を動かせ!』(平野日出木著)の方がくわしかった。 (桑映赤/2006-06-11)
原題は『A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future』。
左脳的能力(知識・分析力)だけでなく、右脳的能力(発想・統合力)の
開発がこれからは社会で成功するカギになるというもの。個人的には実践
している話題も多く、「我が意を得たり」の思いで読んだ。

しかし著者も述べているように、これは何も新しい考えではなく、むしろ
20世紀は不当に右脳的能力が社会の主流から無視されてきたとも言える。
また「日本の今後」や「創造性」を考える上で、あくまでこれは一側面に
すぎず、「伝統」など他にも重要な資源があるように思う。

ともあれ発想型の人間はこの本から大いに勇気を得るであろう。発想力を
伸ばしたいと考えている人も多くの示唆が得られると思う。何よりこの本
が売れて、発想が大事であるという認識が日本にもっと広まると嬉しい。 (日本丸/2006-05-23)
 モノ余りの時代と言われ、個人貯蓄が1500兆円あるのに消費が増えないのは欲しいものがないからだ、と言われる今日、この閉塞状態を抜け出すのはハイタッチ、ハイコンセプトな商品である。
 そのような時代にあって、我々を取り巻く環境も大きく変わってきている。キーワードは下記3つ。
1)過剰な豊かさがもたらす「新しい価値観」
2)アジア:次から次へと湧き出す「競争相手」
3)オートメーション:そんな脳では、すべて「代行」されてしまう

 これからの時代はより右脳の重要性が増す「総脳の時代」になる。本書でも右脳開発の重要性を繰り返し述べている。先日受講した研修の講師が“今後(2〜3年後)の研修は今とかなり変わってくる。もっと、右脳を開発するための音楽やビジュアルを多用したものになる。既にアメリカはそうなっている。”と言っていた。今、右脳の重要性はダイバーシティーの中の男女の違いでも話題になっている。今後は女性の感性が益々重要になるであろう。

 ハイタッチ、ハイコンセプトとは、下記のキーワードで表されるようなもの。
1)機能ではなく、デザイン 2)議論よりは物語、3)個よりも全体のシンフォニー4)論理ではなく共感、5)まじめだけでなく、+あそびごころ、6)物より生きがい。
 上記キーワードで考えてみると、数年前e-ラーニングが始まった時に全てがこれに取って代わられるような議論があったが、今ではスクーリングとの組合せによる研修のトータルデザインや、Web上でも講師と受講者とのインタラクティブなやり取りが重要と認識されている。

 本書で書かれている個々の内容は既に色々な書物でも語られている内容である。本書は、それを、ハイタッチとハイコンセプトと言う、あたらしいキーワードでまとめたことである。 (私撰 綜(市川聡:さとる)/2006-11-19)
ハイコンセプトは、ネイスビッツが言っていたハイタッチの考えと近い。6つの新しい流れをうまく捉えている。中でも、物語性に興味を持った。ベートーベンよりモーツアルトがもてはやされるのもその流れで説明できるという。

科学技術の分野で最近出た本の中では、米沢著「人物で語る物理入門」が物語りを用いて物理を説明している。レスター著「イノベーション」では、イノベーションのプロセスが従来の分析的なものから解釈的なものに変わってきているという。ステフィック著「ブレイクスルー・イノベーションの原理と戦略」でも、物語を通じて実践的にイノベーションの過程をうまく説明している。いずれも読んで損のない本である。

物語とは、物が語るのではなく、人物が語るのである。
(イノベーター/2006-08-17)
 楽しめました。うっすら感じていたことが頭の中で像を結びました。
 次の時代に必要とされるあいまいな要件を、「デザイン」、「物語」、「全体の調和」、「共感」、「遊び心」、「生きがい」という6つの栄養素に還元してすっきりと描写しています。この明快さは、作者の表現を借りればいかにも左脳的です。米国人のタフさを感じます。自らの強みを生かして、他社の強みを咀嚼・分解・吸収してしまう強さです。ダニエル ゴールマンの「EQ―こころの知能指数」と、テーマだけでなくアプローチも似ています。
 もちろん、「物語」や「共感」といった右脳的特徴も十分に効いています。事例や参考書籍も役立ちそうです。その点では、この領域の学習・読書のハブにもなるでしょう。 (jimmy/2006-06-13)
右脳型ビジネスの時代 ||||||||||||||||||||||
今までの情報化社会での主役であった「左脳思考型」の職業(経営者、医者、エンジニア、弁護士)は限界に来ているという。その理由は「豊かさ、アジア、オートメーション」だという。要は、今までのビジネスのやり方では、他社との差別化もできず、ITに置き換えられたり、海外のコスト1/10の世界に仕事を奪われてしまうということである。
 本書では、これを乗り越えられるのは「ハイ・コンセプト」型の人材、企業であるととらえている。それは「右脳主導型」ビジネスであるという。他人と共感できるとか、デザインに長けているとか、商品に物語性があるとか、そういう顧客の右脳を刺激することができるかどうかが重要だという。
 確かに最近ではそういう企業が伸びているのではないかと感じる。今の社会・経済を見る上で非常に参考になる。
  (TRK/2006-05-10)
・きわめて感性を重視するような、そういう豊かさを
 創造するビジネス思考の重要性をといていると思われます。

・訳者の遊び心や、ヴィーナスフォート誕生秘話や他の作品などの
著作ですでに書かれているような内容と同じであり、それほど目新しい
ことではなく当たり前の内容だと感じます。
ただ、それがビジネスという世界で見落とされがちなエッセンス
ということでしょうか。

・訳者の著作をすでに多数読んでおられる方は
目次を見れば、だいたい想像がつく内容だと思われます。

個人的見解としては、巻末の三つの問いには疑問が残ります。
海外に移転できる業務、コンピュータに置き換えられる業務は
なくなるという指摘は以前からありますが、社会は本質的に
置き換えられるとしても、それを実施するほどのシステムも
運用力もないと思われます。また仮にそれができたとして
人類は無駄な仕事を温存しないと社会を維持できないということは
だいたい想像できるように思います。
(中尾信之/2006-06-24)
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ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
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日経BP社(2007-06-07)
翻訳:井口 耕二ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ
売上順位:54612
¥ 2,520(中古:¥ 625)

レビュー総評点:146
人生観を問われる本 |||||||||||||||||||||||
ビジネス書としては、エクセレントカンパニーや第三の波、などと並ぶレベルの名著として残るのではないでしょうか。
ただし、従来のビジネス書とこの本が大きく異なるのは、人生観に左右される要素が大きいと思います。
特許権、著作権、知的財産と権利ばかりを主張し、50年でも70年でもあぐらをかこうとする会社。はたまた、知的財産を秘密にし、特許すら出さない(そういう会社でも他人の論文は読みまくるんでしょうけれど)ことにした会社もあります。
そういう動きをつきつめると、学問とか人類共通の知恵といったものはどうなるのか?このままでいいのか? と感じたことはありませんか。
ウィキノミクスとはそういう人類の知恵は共有物と考える人々に支えられていて、従来の権利を主張しなくても「分かち合うことで生きていける」と確信している人々の動きなように感じました。そのマグニチュードはとても大きく、古いタイプのビジネスと互角にやっていけていると、この本は事実の積み重ねで証明しているように思います。たとえば、人のDNAを解読し著作権を主張する会社が新聞をにぎわせていたことをご記憶の方も多いでしょう。それが今どうして共有されるようになったか、知ることができます。
ウィキノミクスでは知を共有しながらビジネスを展開していく点こそが最も経験と知恵が必要な部分であり、ひとつひとつの事例が参考になります。そういう観点で読まないと同じような話の繰り返しに読めてしまうかも知れません。それでは大切な知恵を取りこぼします。
資源は有限ですが、知恵は無限であり、共有することで次々と新しいことができていく世界を私はすばらしい、と感動をもって読了しました。
でも、自分が考えたものは他人の影響よりも自分だけのものだ、秘密にしておきたいしひと儲けしたい、と考える人もやはりいるでしょう。
どちらの道が好きか、でこの本の評価は大きく異なるでしょうね。 (アルチザン/2007-09-01)
新たなパラダイムシフト−その時個人は ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

インターネットの目覚しい発展により、企業や個人が【知識】を囲い込むことの意味が急速に薄れつつある。
未だに自身の知的財産を隠蔽しようと必死になる企業も多いが、
それは穴の開いた船から、手で水をかき出す様に似ている。
インターネットという自然の驚異にも近い、圧倒的な力を持つフレームワークが、それを拒否しているからだ。

企業が恐れるべきは、その「共有化」による既存商品の衰退ではなく、
その「共有化」の波に乗り遅れ、対応できない状態に陥ることだ。
大きな流れが変わってしまった今、一刻も早く群衆が織り成すスキル、独創性、知性を利用することを考えなければならない。

では個人は、その共有化がもたらす「無料化」をただ喜んで受け入れるだけでよいのか。
否、結局そこから享受できる利益は、その人のリテラシーに依存しており、
そのリテラシーはインターネットがもたらすオープンコミュニティに参加し、自らも与えることによってのみ高めることができる。
つまり、個人の能力の重要性は変わらない。いや、より高まったと言ってもいいかもしれない。

インターネットがもたらした新しい仕組みが個人の教育、仕事、起業の可能性を高めてくれた。
だから、私たちは、その世界とつながるために必要な、
スキルとやる気、一生懸命勉強してく気概を常に求め続けることを怠ってはならない。

特に知的作業を生業としているエンジニアは、それをしっかり肝に銘じ、本書を読むことをおすすめする。
きっと新しい知的作業の喜びの可能性を感じ取れるはずだ。 (渡邉輝/2007-06-10)
いや、驚いた。
「フラット化する世界」を読んで、アメリカでコールセンターに電話するとインドのバンガロールに繋がるとか、
ウェブを通してアメリカの子供がインドの家庭教師に勉強を教わることは知っていた。
あるいはIT技術者の仕事や経理等々の仕事もインドへアウトソーシングされていたりとか。

しかし現在では、InnocentiveやYet2.comを通じて、知識や技術までもが売買されているらしい。
実際に上記のHPを訪れてみると、物理、化学、生物分野等の知識までが売買されている。
これは、全ての研究者、技術者にとってかなりの脅威(チャンス?)ではないでしょうか?

もはや、官僚的な組織は無用であり、権威も年齢も性別も国籍も関係ないのですね。

いやはや、参りました。 (mini1/2007-10-08)
2006年に出版され、2007年に翻訳が発表された。でも、すでにさらに現実は進んでいる。googleではもうすでに文書やスライドファイルが共有され共同編集が可能になり、google mapも恐ろしいほど簡単にページに関連づけることができるようになり、どんどん先に進んでいる。
でも、この本の強みは単に新しいインターネットの状況の解説本に終わっていないところ。だから、今後どのような方向に進んでゆきそうかといったところにまで想いを向けることができる。
しかし、研究者やコミュニティ、企業なども含めてちゃんと考えながら進めている人もたくさんいるんだ、それがこの変化の原動力なんだ、そのあたりが納得できたことも収穫だった。 (pooh bear/2007-09-24)
率直に言って「胡散臭い」。

「これからは、企業は自分の資産をどんどんオープンにして、社外のコミュニティを上手に使って新しい価値の創造とコストダウンをしないと生き残れないよ〜」って、ようするにWeb2.0啓蒙系の本なんだけど。自分もそういう流れの渦中にいる身だし、そういう世の中はエキサイティングで面白そうだし、どんどんやって欲しいと思うけどさ。

でもそういう流れって、実際のところ死屍累々じゃん? それこそ、なんでNetscape社の話が出てこないの? まっさきに自社のコア技術をオープンソースにしたものの、Mozillaプロジェクトは存続したけど会社はお粗末な状況じゃないか。

こういう、マイナス面を扱わないバランスの崩れた本って良くないと思う。実際はオープン化しなくても生き残れる(というかクローズドの方が上手くいく)企業だってあると思うし。オープン化ってある意味「劇薬」なのに、さも簡単に扱えるように煽るだけ煽って、無責任じゃね? (ただただし/2008-03-26)

私は、マーケティングに関わる職業に携わっている身で、いわゆるWEB2.0的なパラダイムシフトをマーケティングのレンズを通してしか見ていなかった。しかし、この著作が明示しているのは、あらゆる企業活動に「群集の叡智」がブレークスルーを提供している事実である。

いかにその叡智を結集できる仕組みを構築できるか?が、企業の競争力のファクターのひとつとなる世の中になっているのだ。

とはいえ、前半部は、ピアプロダクションの有効性について少々過剰なまでに繰り返し論じられ、退屈になるのは否めない。

(ルイス/2007-07-16)
コンサルタントの2人が書くマスコラボレーションの世界の紹介

インターネット上の不特定多数が参加して作成する辞典wikiを中心に
マスコラボレーションで成り立ってゆく世界の紹介

ベースは、インターネットにより、知の距離が近くなり
ボーダーレスに一挙に破壊された時代にどのような活用が
あるかどうかについて述べています。

インターネットは、ITの世界で、ITの世界だけの出来事ととらえがちですが
、ITは”知”を扱うことから知を中心に大きな変化が起きていることを
述べています。
ボーイングがバリューチェーンにインターネットの威力を使う事例や
鉱山会社が、鉱山情報を公にすることで社内で発見できなかった
鉱脈を見つけたり、ほぼ1章において、1つづつの事例が紹介されています。

3人寄れば文殊の知恵ではありませんが、コラボレーションの力を
利用してさらに上昇してゆく企業と、従前の特許と社外秘で守った
秘伝の技術で勝負してゆく企業とどちらが生き延びるかなど
考えさせられること多の内容です。

パラダイムシフトを伴うこの考えは、使い方を間違えばインターネットへの
情報の漏洩だけで致命的な失敗になりかねないが、パラダイムシフトに
乗り遅れるとやはり、恐竜として旧大陸に置き去りにされる時代に
なったのだなという怖さを感じる内容でした (親カッパ/2008-12-04)
いわゆるWeb2.0の本質について、いくつかの切り口(目次参照)に基づいて議論を展開しているわけですが、内容についてはやや冗長な感じがしました。
また、訳出に違和感を感じる部分が多々あり、何度も読み直す箇所がありました。


本著で述べられているポイントは大きく以下の4点であり、これについてはその通りだと私も思います。

 1.従来の囲い込み戦略を取り続ける企業は、オープン化を進める企業や組織に駆逐されるであろうこと

 2.マスコラボレーションにより圧倒的多数の英知を活用することができ、開発の速度や品質が大幅に改善される可能性があること

 3.マスコラボレーションはグローバルに実現されなくてはならず、それをうまく協調させる仕組みが重要であること

 4.製品・サービスのイノベーションに役立つコンシューマー(プロシューマー)を活用することが重要であること


本書が半分以下のボリュームで価格が1500円程度であったならば、星は4つか5つ付けられたかもしれません。費用対効果の観点から今回は3つとしました。
(緑禅/2008-05-02)
経営資産の∞化 ||||||||||||||
知的に面白かったです。

特に鉱山開発会社が、自分が掘り当てられない金鉱を、ネットでデータを公開したら世界中から鉱脈の予測が寄せられてそれで掘り当てた、というウソのような話に21世紀の日本企業が考えなければならない経営戦略上の示唆があると思います。

一言で言うと、経営資産を内部に頼らず外部に頼ることで∞化させるというものです。

レビュアーは戦略コンサルタントを生業としていますが、常々「結局強い会社というのは強い資産を持っている」ということに尽きるように感じています。強い資産というのは規律と責任感のある人材だったり、方法論だったりするのですが、それらを内部に頼っている限り、弱い会社はイツまで立っても成長できません。

ところが「資産とは内部のものである」という思想を棄てることで、経営資産を柔軟に運用することが可能になるわけです。ネットがそれを可能にしたんですね。

本は全部読む必要はないと思います。最初の1/3でコンセプトは出尽くしていて、後は同じ話しを事例を変えて紹介しているだけなので。

でもいい本だと思いますよ。少なくともコンサルタントは必読でしょう。

(アマゾン太郎/2007-07-24)
未来へ向かう潮流を、ディテールを積み重ねて読み解く、という
手法で過去にも未来学を開陳した、ドン・タプスコット。彼と共著者に
よる、サイバー社会で起こっている、最先端、最新鋭のコラボレーションと
オープン・デベロップムーブメントに関する現場からの克明な
報告書です。

鉱脈発見を広く世間に開かれた方法で画期的で革新的な
発見をなしえたという事例を皮切りに、オープンソースはもとより、
自動車の未来系の開発形態の先取りとして、BMW社他の実例をもって、
マスコラボレーションによる開発・生産の世紀への突入を、
これでもか、というほど、現場から集めたジャーナルをコラージュして
読者の眼前にさらけだします。

本書では、19世紀、20世紀的な工業生産社会を超えた、次の世紀の
象徴として、個人やコミュニティのつながりで行う生産や革新、改革など
を、ピア・プロダクションと呼び、読者の知的好奇心をおおいに刺激し、
未来への明るい展望と拡張を宣言しています。 (佐倉ごるふ/2007-08-12)
若干訳文がこなれてなく、特に前半は原書の良さが出てない印象ですが、
重要な本だと思います。

考えを整理する意味で、本の内容に沿って、企業人としての言葉で以下の通り読み替えて見ました。

ウィキノミクスを支える、4つの行動原理:
結局、事業活動を行う際に最もCriticalなリソースである人材と知恵を、
この行動原理を通じて、社外から調達する仕組みが競争力の源泉となる。

(1) オープン性:
ITとは最もRemoteと見られた鉱山会社や、
2000年当時、閉鎖的な企業風土で成長が鈍化したP&Gでの革新事例。
「P&Gの優秀なエンジニア1名に対し、同等の人材が社外には200人はいることが分かった」

(2) ピアリング:
外部コミュニティーと対等な関係で、しかも効果的に協働する能力。
企業情報を公開すべきラインの明確な認識と、プロジェクト管理能力。
IBMは10年で身に付けた。

(3) 共有:
知的財産をオープンにするものとクローズドにするものを分離し、
共有することにより一層価値を高める仕組みを作りつつ、
クローズすべきコア部分をしっかり守ること。

(4) グローバル:
グローバルな調達は単なるコスト削減でなく、スピードと知恵を獲得する手段となる。
グローバルな販売は単なる販売チャネルの拡張でなく、
全く異なるビジネスチャンスへの挑戦を通じた、
技術革新のきっかけとなり、これもBottom Of Pyramid戦略のような、
鋭角的なスピード増と知恵の獲得の手段となる。
ボーイング787の全世界調達の例、
BestBuyのセールスマンのネットワーク化(Web型対話と営業現場とトップの直結)、
中国の二輪メーカーの革新(競合メーカー同士での仕様共通化による部品互換性)。

ウィキノミクスの設計原則:

(1) 混沌を管理すること。リードユーザーからヒントを得て進化を見極めること。

(2) クリティカルマスを達成すること。途中であきらめないこと。

(3) コラボレーションのインフラを提供すること。

(4) エコシステムへの参加者全員が価値を得られること。金銭だけではない。

(5) コミュニティの規範を確立し、従うこと。

(6) 必然より偶然、計画的な作り込みよりも、進化を重視すること。

(7) 天動説から地動説へ、個別企業利益からコミュニティ最適へ。 (jacarei/2007-12-30)
 この耳慣れない言葉,コラボレーションの『ウィキ』(万人が書き込む事のできるネット辞書のウィキペディアに端を発する)と『エコノミクス』からできた造語が『ウィキノミクス』であり,コラボレーションをベースにビジネスを展開して生き残るか,あるいは消え去るかの二者選択をさすともある.インターネットがもたらしたモノは,収益マターを必ずしも起点としない価値の創造をもたらす配分ルールのエコシステムに依存したビジネスコンセプトであり,この重要性が以前にも増して今や必須になっている.もはや世界は繋がっており,個々の起業が単独で収益を独占できる時代は終わっている.コラボレーション無しでは生き残れなくなっているのが現状のビジネス環境なのだ.

 併せて読むと良いのが,『キーストーン戦略』,ここにはエコシステムを基板としたビジネス展開の重要性が述べられており,概念的には『ウィキノミクス』に共通するところがある.進展著しい科学技術を基盤とした複雑性を有する昨今,この時代を生き残る上で参考になる知見を得ることはできよう.と言うか,勝ち組は既に実践しているのである.

 ボリュームが 500 page近くあり,ちょっと読みづらいところは無くはない. (和泉 茂一/2007-11-27)
先ごろ、ボーイング社の新型ジェット機787型機(通称ドリームライナー)の第一号機がロールアウトした。
その頃、日本の株式評論家は「ドリームライナー効果で、日本株の関連銘柄が買われる。787の翼は日本の○▲社のカーボンファイバーで、、、、、、、、」などとやっていた。
最後の最後まで製造拠点を米国に置いていたと思われていたボーイング社が、変わり身早くウイキノミクス化して787を作り上げたことを本書で初めて知った。
日本のお家芸である自動車産業は典型的な垂直分業的な産業だ。
ところが、諸外国では製造業ですら水平分業的になり始め、かつ成功を収めつつあるのだ。
アップルによるipodの成功などがその例だろう。

冒頭の金鉱山探索の話も、ウイキノミクスがたちまちビッグマネーとなるという点で象徴的な出来事だ。

私を含めて多くの日本人が、英語でのコミュニケーションは得意とは言えないだろう。かような時代となると、日本人にとっては不利であることは間違いあるまい。 (mikeexpo/2007-11-18)
本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている.そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている.しかし,「サイエンス 2.0」などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.

また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる.たとえば,「ピアリング」が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している.いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である.
(Kana/2007-11-13)
ウィキノミクスという言葉で著者が表現しようとしているのは
全世界を覆い尽くすコンピュータネットワークを通じて
全人類の脳を対象に技術的なアイデアを収集しようという試みだ。
グーグルが全世界から情報を集める無数のソフトウェアロボットの総体なら
ウィキノミクスは全世界からアイデアを収集する不定形のメタ・エンジンだ。
それはコンピュータネットワークによってクラスター化された人間の脳から出来ている。
ウィキノミクスによってアイデアどうしが加速度的に相互連結されていくのだ。
自己組織化し、増殖するアイデアの網の目が全世界を覆っていくのである。
思考されるべきことが思考されるために恐ろしくゆっくりした
偶然の化学反応に頼る必要がなくなる。 
ウィキノミクスによって地球上に存在する全アイデア数は指数関数的に増加する。

ある技術開発の過程で行き詰ったらどうするか。
全世界に広がる脳クラスターを検索すればいい。コンピュータネットワークには
それが実際に出来るし、解決は極めて効率的になる。
今まではある技術的ブレイクスルーに繋がるアイデアが見出されるためには、
革命的なアイデアを持った天才的な技術者が当該の企業や
大学研究室に必要な時にたまたま所属していなければならなかった。
その確率は低いし、優秀なのに全く無関係の業界にいる人間というのは
おそらく膨大に潜在しているのである。
また、非常に強力で人類の未来を根本的に変更するような
アイデアを自分が持っていることに気付いていない潜在的天才も多い。
仮にそういう人間が当該企業や大学内に存在していたとしても
様々な事情により歴史的なアイデアが圧殺されることもある。
そういう人々やアイデアをネットを通じて徹底的に集積することが出来るとしたら‥‥。
技術の進歩の速度は少なくとも従来の倍ぐらいになるのではないか。
考えてもみて欲しい。
埋もれたアイデアは偶然の作用で日の目を見たアイデアの何百倍もあるのだ。
その全てをグーグルウェア的なA.I.によって選別収集し、アーカイヴ化し、
全人類が利用できるようにすることは現在の技術で可能だ。
全人類の全アイデアを集積する巨大な情報リアクターの出現だ。
ヴァーナー・ヴィンジ氏の提唱する技術的特異点が近づいてきた。
(cybercitynukeyork437/2007-07-26)
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