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w:13 h:18 340page
世界でもっとも美しい10の科学実験
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ASIN:4822282872
日経BP社(2006-09-14)
翻訳:青木 薫ロバート・P・クリース
売上順位:67182
¥ 2,100(中古:¥ 1,680)

レビュー総評点:237
美しい科学実験とは? ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中学〜高校の科学(物理)知識があれば、本書で取り上げられている科学実験のほとんどを
理解できます。
ガリレオ、ニュートン、フーコーなど単に教科書では現象の科学的説明と法則の導出に
とどまっていたものが本書により、時代背景から主人公の生い立ち、その実験を
しなければならなかった必然などがストーリーとしても面白く読めます。
特に実験系に携わっている人なら、美しい実験と言われてイメージするものが
あるかと思いますが、本書には過去の偉大な実験の中でも特に代表的なものが
取り上げられており、科学の広がりと奥深さを感じることができるのではないかと
思います。
前半部の実験は小学生からでも読んで理解が可能であり、また理系の大学生であれば
科学実験の美しさの一端に触れるためにも、全般を通読していただきたいと思います。
お勧めの書です。 (daphnetin/2007-04-07)
書名に惹かれて手にとって見た。著者のクリースは初めてだが、訳者の青木氏はサイモン・シンの『暗号解読』を読んだことがある。原著の内容を十分咀嚼した上で訳出されているので、ちゃんとわかる日本語になっているのがよい。

さて本書は、科学雑誌で募集した「美しい実験」で上位にランキングされたものを、その実験方法や実験者の人となり、当時の社会背景などを織り交ぜながら、科学の実験の「美しさ」を考察するものである。

取り上げられている実験は、

 ・ガリレオのピサの斜塔の実験 →重さに関わらず落下の速度は同じ
 ・ニュートンのプリズムの実験 →白い光は多数の色の集まりであることを証明
 ・ヤングの二重スリットの実験 →光は波であることを証明

などなど。それまでの社会の常識を変えたエポックメイキングな実験ばかりで、科学史としてもたいへん興味深く読める。

主題である「実験の美しさ」とはなにか。
ひとつは、科学の実験は職人芸のようなものである、ということ。注意深くノイズを取り除かなければ対象の真の姿は見えない。材料があれば誰にでもできる、というものではない。もうひとつは、シンプルで直感的な実験を考案するのは、それ自体が芸術と同様、属人的な創造的行為である、ということ。

中世までは科学者のことを自然哲学者といった。哲学と宗教と科学は(日本では全く意識されないが)西欧では非常に密接な関係をもっていて、例えば、学校で進化論を教えるのはいかがなものか、というような議論があるように、いまでもなおせめぎ合っている。科学の「美しさ」もその背後にはアリストテレス以来の論争があるようで、その深さに感じ入った。 (丁三/2007-06-11)
科学という営みがもたらすエクスタシー |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
科学者たちは実験のことを時に「美しい」と形容する。ぼく自身も科学者の端くれだが、確かにそうだ。美しい実験、美しい結果といった言葉づかいに違和感はない。著者は、哲学者・科学史家という自分の立ち位置から、科学者たちとの対話を通して、その「美しさ」の意味をくみ取り、10の「美しい科学実験」を通して、「実験にとって美しさの意味とは何か」「実験に美しさがあるのなら、それは美にとって何の意味があるのか」という2つの問いに答えようとする。もともとは雑誌「Physics World」での連載であり、取り上げられた10の実験はアンケートに基づいて選ばれている。おそらく実験とは、科学者にとって自分自身との対話であり、自分自身の哲学が具現する瞬間でもある。だから、実験を経た後の科学者の言葉は、その深さと重さを増す。訳者もあとがきに書いているが、ニュートンの「光は屈折するときにその色を変えない」という言明に、この書物の中で出逢うとき、理性ではなく感性を揺さぶられ、涙すらあふれてくる。科学が、芸術同様に人間の感性に訴えかける営みであることを著すことに、著者は成功している。10の実験について語った各章を結ぶ間章もとても興味深い。 (Y. Naito/2006-10-29)
科学史上の10の“美しい”実験を取り上げて、解説した本だ。取り上げた実験は
エラトステネスの地球の外周の測定
ガリレオの落体の実験
ガリレオの斜面の実験
ニュートンのプリズムの実験
キャヴェンディッシュのGの測定
ヤングの光の干渉実験
フーコーの振り子の実験
ミリカンの油滴の実験
ラザフォードの原子核の発見
電子の干渉実験
だ。どの実験も、こう書いただけで、科学の心得が少しでもある人には、あの実験と分かる有名なものだ。それぞれについて、科学史上の位置づけや実験の解説がなされていて、楽しく読めた。浩瀚伝えられるエピソードの当否についてしっかりと資料批判がなされているのも勉強になった。例えば、「落体の実験がピサの斜塔で行われたのは伝説である」と言われるが、可能性は十分あるとか、『背信の科学者たち』で告発されている、「斜面の実験」や「油滴の実験」でデータが美しすぎるという非難は不当であると述べられている。科学者の端くれとして、かれらの名誉回復がなされるのはうれしい。

ただ、実験の解説が今一歩ディテールに踏み込めていないことが、少々不満だ。著者は“美しい実験”を芸術になぞらえていて、私もその通りだと思うのだが、芸術同様実験でも「神は細部に宿る」のであって、その細部に踏み込めればもう一つ違う美しさが現れるのだ。まあ、実際に実験をやったことのない哲学者には無い物ねだりではある。 (shibchin/2008-03-27)
取り上げている科学実験は、ほとんどが日本では高校までに学んだものですが、教科書で法則を実証するためのものとして記述されている実験像とは異なる、生の科学者の肉声が聞こえてきます。正しいと仮定した法則の正しさを実証するためには、どう実験すればよいか、その苦労がしのばれます。美しくシンプルな法則の裏には、美しい実験があったことに改めて感動します。訳者あとがきで、青木薫さんが、原子の二重スリット実験の写真に涙が出たと書いていますが、実験環境の進歩でそれが可能になったこととあわせて、そう思わせるだけの説得力がある実験であるように感じました。 (ポピュラーサイエンス/2006-10-15)
科学好きにはたまらない |||||||||||||||||||||||
書名もGood.内容もGood.
著者が雑誌でアンケートをとった結果を参考に10の科学実験を紹介する内容.
ほとんどが物理実験なので,
私のような初心者のために各実験の説明をもっと丁寧にして欲しかったですが,
各章末に設けられたコラムが非常に有意義で面白いです.
コラムは,科学的思考を紐解いてみる内容で,「うんうん」とすぐに納得できるほど
わかりやすいです.
数学,物理ができなくても読めます.読むべし. (カカポ/2007-02-08)
 昨今、日本における科学教育レベルの低下が言われて久しい。
 工学部の人気低下も著しく、国立大学の工学部系でさえ、いまや比較的入りやすいと言われる程度になっている。

 確かに、自分の教わった何十年か前の学校の化学や物理の授業もあまりおもしろいものでなかった。
 ところが、この本に提示された「美しい」科学実験は、本当にわくわくさせるものばかりである。
 いまや、常識と言われる科学の体系もこのような努力の結果得られたものであるとは、恥ずかしながらほとんどと言っていいほど知らなかった。
 かくいう私も文系であるが、この本にあるような科学実験を追体験すれば、科学に対する思い入れも、今とは相当に違ったものになったのではないかと思わせる。

 学校で教わった、いわゆる「知識」は、このような先人たちの血と汗と涙の努力の結果であるし、授業で生徒たちに追体験をさせることができれば(そのようなレベルを遙かに超えた職人技が多いことも記載されてはいるが)、今よりももっと多くの科学技術者たちが生まれてくるのではないかと思わせるような本である。

(takokakuta/2006-12-06)
 世界でもっとも美しい10の科学実験という原題だが、実際は物理実験のみを扱っている。従って、化学及び生物系の実験を期待して読むと、今ひとつ満足感に乏しい。しかし、実験者の生い立ちや背景、実験の説明について概ねとても楽しめた。理系指向の小中学生にも勧められる科学入門書の一つと言っていいだろう。

 いくつか問題点を挙げて、今後の類書に反映されることを望む。

1.実験の詳細及び図が今ひとつ
 もっと鮮明な図やカラー写真があった方が分かりやすいのに…と思うことがしばしばあった。特にキャベンディッシュの実験の説明は雑で、何回か本文を読み返さないとよく理解できなかった。図の説明というのは、基本的に本文を読まなくても簡潔に完結していることが必要だ。著者は科学史の専門家らしいが、物理の素養はないのか?

2.「美しい」実験か否かという蘊蓄が目障り
 本書に挙げられた実験はいずれも科学史上重要で、かつ極めて簡潔に説明でき、素人(私は研究歴はあるが物理学者ではない)でも理解できる程度のものを集めている。それだけで必要かつ十分な科学書と言えるのだが、著者は何をトチ狂ったのか延々と「美しさ」について御託を並べている。これがあまりに修辞的で理解不能。科学的内容は、少なくとも高等教育(大学教育のことだ)を受けた者にとってはある程度世界的に共有可能だが、美的感覚は民族によって異なり、場合によっては共有不可能だ。例えば太平洋の島々では過度に肥満な女性が美しいとされている。この感覚は、高度肥満者の溢れる北米諸国では受け入れ可能でも、少なくとも日本人には受け入れることは難しい。従って、これらの美しさに関する無味乾燥な論説については、日本版ではあっさり省略してしまった方が良かったのではないか?訳者もあとがきで告白しているように、相当苦労の後が見受けられるが、やはり訳者自身も理解できなかったところが結構あったのではないかと感じられる。従って、読者(少なくとも評者)には分からなかった。

 ついでに言うとこれらの御託は「Interlude(日本語で間奏曲か?)」という題名の記事になっているが、いったいどれだけの日本人がInterludeの意味を知っているのか?少なくとも大学受験レベルの必須単語ではないし、頻出上位1万語にも含まれていないと断言できる。読者の99%がわからんだろう外国語を、少なくとも記事の題名にするべきではない。編集者の言語感覚を疑う。 (poch/2008-12-07)
「こういう本があるんだな」というのが一番の感想。
この本に出会えて本当によかったと思える一冊である。

ひとつひとつの実験の原理や結果を理解していくのは、確かに面白いが、同時に、
その実験が「美しい」と感じられる所以を、著者と、そして訳者の緻密な文書
から読み取る楽しさがある。

個人的には、第10章の単一電子の量子干渉は、鳥肌が立ちっぱなし。

読み終わったあと、なぜか美術館にいってみたくなりました。 (ikuzi/2007-10-19)
実験からはじまる、、、 |||||||||||||||||||||||
ここに登場するあらゆる人物はわたくしたちとおなじ
少年時代をすごし、ちょっとへんかなーなんて思われている
そんなこどもだった天才異才をうまく育てていったこの興味
という実験はときに怪我をしたりそれを諦める人もでてくるわけだが
そんなことをいとわずにつづけていたそれが、すばらしい
科学実験へとむすびついていった。
 科学を知らなくてもページをめくると、そこには
いままで知らなかった宝物のありかをおしえてくれるようで
痛快な一冊である。ぜひお薦めしたい。 (flora/2006-12-14)
 理系であれば、芸術ではない人工物や構造物あるいは論理や数式にも美しさを感じる場合があることは十分に共感できる。この本は、科学実験で「世界でもっとも美しいもの」を10セレクションしている。
 具体的には、「エラトステネスによる地球の外周の長さの測定」「ガリレオのピサの斜塔の球を落とす実験」「ガリレオのアルファ実験(落下の等加速度の発見)」「ニュートンの決定実験(プリズムによる太陽光分解)」「キャベンディッシュの地球の重さを量る実験」「ヤングの光の干渉実験(二重スリット実験:光は波)」「フーコーの振り子(地球の自転を知る)」「ミリカンの油滴実験(電子を見る)」「ラザフォードによる原子核の発見」「一個の電子の量子干渉(電子は波でもある)」の10である。
 確かに美しいと現代でも思う。
(ねぼすけ2004/2009-05-27)
世界中の科学者たちに「あなたがもっとも美しいと感じる実験」についてアンケートをとり、そのうちのトップ10の実験について、歴史順に紹介する内容になっている。古いものではエラトステネスの地球の外周の測定からはじまり、光子の量子干渉実験まで、どこかで必ず聞いたことのある実験系がずらりと並んでいる。取り上げられている実験は、物理学のものが多いが、どれもトップ10を占めるに値する「美しい」実験ばかり。

本書の面白いところは、コラム的にまとめられた項目「Interlude」の節。「なぜ科学は美しいのか」「科学は美を破壊するか」「科学の芸術性」など、一見相容れないように思える客観性を扱う「科学」と主観的な「美の感覚」が決して深い溝で隔てられているものではなく、根底には自然の真理に触れようとする探究心、真理を明らかにするために提案される実験の巧妙さなどに対する共通した体験がある、と説く。本書を読んで、実験に明け暮れる研究者が「美しい!」と叫んでしまう心理を少しでも多くの人に味わってもらいたい。 (ぶれぐま/2008-09-10)
科学という無機質に思われがちな分野に持ち込んだ「美しい」の表現。
その表現方法が間違いではないことを本書では伝えています。

一般的に有名である実験を主に記載している為、高校からは物理を専攻していない
人達にも比較的、その世界に入りやすい内容だと考えます。

現在では小学生でも認識している「地球が24時間で1回自転している事象」
フーコーは一本の長い紐と錘を使用し、誰の目にもわかる形でそれを証明しました。

単純だけど、反証出来ない、わかり易い証明。
美しいという表現がピッタリではないでしょうか。

この他にもヤングによる光の干渉実験やガリレオによる斜塔での実験
(実際には斜塔で行われた記録は残っていないといった事も記載しております)
過去に一度は聞いたことがある実験が記載されております。

出来れば、小学生や中学生の夏休み等に読んでもらい、同じような実験をして
当時の科学者が如何にして仮説を実証してきたかを身をもって体感してくれれば、
数学や科学離れに一役買うのでは(?)なんて思っています。

ちなみに、日本各地のフーコー振り子実験情報がここに記載されています。
是非ご参考に
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/‾yoshiya/foucault/list2.html (nori@amazon/2008-05-30)
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w:13 h:19 400page
数学と論理をめぐる不思議な冒険
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ASIN:4822282694
日経BP社(2006-04-20)
翻訳:松浦 俊輔ジョセフ・メイザー
売上順位:65203
¥ 2,100(中古:¥ 1,430)

レビュー総評点:69
大学新入生がまず読む数学書として最適な本です。数学の講義を聴講するよりもこうした本を流し読むほうが、ためになるでしょう。高校生でも読めるレベルで、数学の基本的な知識を理解するための本質を、物語的な数学小説で語っています。『この数学書がおもしろい』の中で、元数学者の秋葉忠利広島市長が、この本の原書を推薦されていますが、著者の講義をその場で聞くような、臨場感もあります。社会人も、数学の思考法や論理的思考法を復習するために、有効でしょう。 (ポピュラーサイエンス/2006-04-23)
書名の「冒険」には二つの意味が込められていると思う。話題が散りばめられている冒険談と、数学の知的冒険という意味である。数学はとかく格式張った定理と証明の形式で語られることが多いが、本書は日常生活や旅行の間でふと考えた数学的思考をベースにしており、「こう考えればうまくいく」ヒントがやさしく語られている。数学的思考は論理的思考にも通じ、ロジカルシンキングの教条的な本には付いていけない人も、この本なら理解できるだろう。この本の内容自体、知的冒険ではあるが、そういう世界を探検する意欲をかき立てる本でもある。 (サイエンス/2006-04-26)
こういうスタイルの数学書が作れるのだなぁ、と感動しました。身近なところから、数学の考え方を解説しているのですが、著者のいろいろな体験が重なり、普通の数学解説書とは趣が異なります。本書では小学生との数学体験の例もありますので、幅広い年齢の人が楽しめると思います。本書がノンフィクション分野の賞にノミネートされた意味がわかった。訳はいまいちだったり、訳注がわずらわしいのですが、没頭します。同じような本としては、『超現実数』が思いつきました。この本に続けて、こちらもお勧めです。
(おひるねおさる/2007-05-22)
紆余曲折してゲーデルやヒルベルトの事を知ってから数理論理学に入り込むのが普通の道筋だと
私は思っていました。
何とも異質な線を突いてくる、面白い視点の本です。
氷を包丁で切る様な... 職人の目ですね。

数理論理学の本は難しいです。
まず記号論理学を学ばないと、何が書いてあるのか、云いたいのかすらも読者には伝わりません。
かといって集合論も凄く難しいし、ゲーデルの不完全性定理から超数学を学ぼうとしてもこれまた難関です。
他にもチューリングマシンやラムダ計算...(超難関)

私はまだバートランドラッセルのプリンキピア・マセマティカは読んでいませんが、論理学と数学を結びつける
試みは、私達の様な一般人に『退屈することなく』説明するのは凄く難しいと思います。
哲学について「はじめて考えるときのように」という面白い本が出てます。
あの仕組みで論理学と数学を結びつけることができないもんかと悶々としてましたが、探せばあるもんですね。
それがまさしくこの本です。 (邦題が悪いと思うのですが... まぁ、しょうがない... 他に付けようがないかも)

序章だけ読むと、出版社 / 著者からの内容紹介とは違うんでないの?と誤解しそうですが、もう少し我慢して
考えながら大事に読み進みましょう。
段々と、段々と、見えてくると思います。

他のレビュアーの方のように、確かにこの本は大学新入生に向いているとは思いますが、40過ぎてからでも
数学って何だったのかを敢えて思い出したい/掘り下げたいサラリーマンにもとても重要な内容だと思います。
今の世の中、過去の栄光や経験則だけで行きて行けるほど甘くありませんから。 (まげ店長/2009-03-29)
受験のための数学しか知らない、文系の人にとってはためになる読み物だと思います。
一人称による語りにより”無限”、”数学基礎論”、”確立”などで出くわすパラドックスの紹介を通じて、数学の神秘さに触れることができるかもしれません。
ただし、”ゲーデル・エッシャー・バッハ”などを読まれているような理系の方には
まったくお勧めできません。
(ココはだれ/2008-09-15)
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w:16 h:21 460page
ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論
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ASIN:4152086122
早川書房(2004-12)
原著:Peter Atkins翻訳:斉藤 隆央ピーター アトキンス
売上順位:10861
¥ 3,150(中古:¥ 1,800)

レビュー総評点:218
科学者が描く科学史 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 科学の重要なエッセンスを分かりやすく抽出した読みもの。表現が身近で馴染みやすく、科学が専門でない人たちにも考慮されている。進化から始まり、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、量子、対称性、時空、宇宙、算術まで一連のつながりになっている。
 この本の特徴は、全ての項目において、まずその分野の歴史から入っていくという書き方だ。今では明らかに間違っていると分かる科学理論から始まり、徐々にその考えが塗り替えられていく歴史が面白い。のちに誤りであったと判明した理論でさえ、著者は決して彼らを嘲笑しない。明確に証明することができない時代にあって、間違ってはいても、そこまで論理を発展させた科学者たちに敬意を表し続けているのだ。
 分野がかなり広いので、科学を専門とする人でも、これに書かれている内容のいくつかは新鮮に思うのではないだろうか。私は理系の大学一年生(まだ科学を学び始めたばかり)なのだが、各章の後半になると難解に感じられる。前半で書かれた理論が、複合的になってより高度な理論になるからだ。だが、飛ばしても問題ない感じなので、気軽に読むことをお勧めする。 (まぐわぁと/2005-02-14)
 絶賛です。「重さや時間も”長さ”であらわせる」、「対象性から考えて次元をひとつ上げて見た場合の量子軌道のイメージ」、「”年”ではなくプランク時間の単位で見た場合の宇宙の初期の記述」など、視点をかえてみることによって物事の本質が見えてくる例を繰り返し紹介してくれます。この体験を繰り返すと「今自分に本質が見えていない問題は、適切な場所で適切な視点をもっていないからなのだ」という確信が膨らんでくる気がします
 物理系の学問を学んでいた大学時代に、いろいろな難しいことを”直感的に”いとも簡単にわかってしまう先生や友人に囲まれて、「とてもついていける世界ではない」と絶望的な気分になったことがありましたが、それでも自分の能力でできるレベルで数式を追い、論文を読んで消化していたものです。その時代に、本書のような「読者のある程度の知識を前提にしたポピュラーサイエンス風読み物」にも触れていれば、”直感の手がかり”をつかむチャンスが広がっていたかもしれません。
 一方、齢四十を超えて今この本を楽しめるのは、当時苦しんだ勉強の基礎があるからという気もします。年とともに「科学」を楽しめるようになってきました。本書は、一般読者にわかるように噛み砕いて表現はしているものの、けっして「入門書」とはいえません。一流の科学者であり、かつ一流のライターである限られた人のみが書ける「わかっているつもりの人にいかにわかっていないかを気づかせたうえで、さらに次の新たな理解を引き出す」本でしょう。
 最後に。次にフィレンツェにいく機会があったらガリレオの指をぜひ見たいと思いました。 (jimmy/2005-06-05)
科学に興味を持つ大学生、高校生に是非読んでもらいたい。若者の人生を変えるポテンシャルを持ったすばらしいポピュラーサイエンス。アトキンスの数々の著作の中でも、際だった傑作。

科学的に世界を眺めるためのヒントが全巻にわたって横溢している。全体の構成、構想が凄い。進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術。さまざまな話題を往還しつつ、大局的には、身近なものから人間の知覚スケールとは乖離したものへ、具体的なものから抽象的なものへと読者を導いていく、この全体構成の企みの大胆さ。それを実現してしまう膨大な知識。

人間は、抽象的な概念操作を無理なくこなせる不思議な動物だが、最終章「算術」に至って、数を数えられる、ということの不思議さが実感をもって迫ってきて、身震いする。この世界、そしてこの世界の一員であるぼく自身の存在の不思議さ、おもしろさを存分に味わわせてくれる。 (Y. Naito/2006-03-16)
この本を読んでみて私が大学教養の時代に知った内容もあったし、この本を読んでみて初めて知った内容もありました。
タイトルの示す通り10大理論ですから科学の分野を目指す方々はこの本の内容を大まかであっていいけど一通り網羅すべきです。
内容自体は高度な部分もありますけども、極めて刺激的かつ満足できるものです。 (フジキセキ/2006-11-03)
ガリレオの指は科学的手法の始まりの象徴である。
科学的手法がガリレオによってもたらされてから、様々な事象が解明され、今なお発展し続けている。
本書では現代社会の進歩に大きく貢献した10大理論について、解りやすくではあるが、決して本質を損なわない解説をしてくれるものである。
科学分野に馴染みがない人にとってはもちろん、多少なりとも知識がある人にとっても気楽に読める本とは言い難いかもしれない。しかし、興味を持ってじっくりと読み進めていけばその「深遠なアイデア」に対して驚嘆と賞賛を強く感じるとともに、好奇心を強く掻き立てられていくことだろう。
本書は訳書であるが、訳書にありがちな直訳的表現は皆無で、表現の言い回しに違和感を持つことなく読み進めることができる。原書の著者が噛み砕いたわかりやすい解説に定評があるとのことだが、その価値を損なうことなく翻訳されている点についても評価できる。 (Takahiro/2005-04-01)
ピーター・アトキンスと言えば、化学屋さんには「物理化学」の本でお馴染みです。そんな大学の先生は、実は物理化学の分野だけに限らず、生物学〜物理学〜宇宙論〜数学に渡るあらゆる科学分野に通じており、しかも文章の達人なんだなぁ、と翻訳本を通しても窺わせます。(翻訳者が良い仕事してます!【訳注】が多くて助かります) 本書では難しい数式は出てきませんが、ポピュラーサイエンスの最初の一冊としてチャレンジするにはかなり敷居が高いでしょう。それまでに自分が科学に関して如何に理解し考えてきたのか、が問われます。例えば「エントロピー」の説明で「おなじクシャミでも、雑踏でするのと図書館でするのとでは【質】が違う」という記述を読んで、ナルホドそういう説明の仕方があるのか、と膝を叩きました。これに限らず、イメージを豊かに出来る処が多くあり、理系分野の研究者・学徒にお薦めしたいです。また「エピローグ」の警句は繰り返し読んで、自己修養の糧としたい処です。
本書では挙げられていませんでしたが、広い意味での「自己組織化」の分野(複雑ネットワーク、カオス等も含む)は今後どうなるのか興味があります。 エピローグで触れられているように宇宙・生命・意識(脳)の分野における「起源論」や「進化」を論じる際には、その観点も重要になるように思えるからです。そこはまさにヒルベルトの「決定問題」の解答のように「普遍的アルゴリズムはない」世界 and/or「ゲーデルの不完全性定理の世界」なのかもしれませんが・・・ そんな事を考えつつ本書の最終章(算術)を楽しみました。ニーチェは「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」と言いましたが、【無限】は【怪物】なのかもしれません。この算術の章はそんな気分にさせられます。(発狂した数学者がいる、というのも分かる気がしました) (ゴルゴ十三/2006-02-19)
科学の中心となる思想を10とりあげて、解説した本である。第1章進化論、第2章DNA、の生物学、第10章の不完全性定理の数学を除いて、すべて物理学が話題となっている。物理帝国主義的といえばそうだが、透徹した論理を構成する思想となると、やはり、物理学となる。

著者はオックスフォードの化学者。化学者の科学レビューと言うと、2ヶ月ほど前に『宇宙はなぜ美しいのか』を読んだが、それとは大違い。この広い話題について、完全に理解していて(最後の方は私には当否が分からない)その解説にかなり成功している。これは驚くべきことだ。まあ、著者の周りには綺羅星のごとくの先生がいて、分かりにくいところは教えてくれるのだろう。謝辞を見ると、ドーキンス、ペンローズなんて名前が並んでいて、あっと驚く。さすがオックスフォード。

解説にかなり成功しているとは言うものの、量子論、宇宙論、時空、不完全性定理、の4章はかなり難解だ。私のようにそれぞれについて数冊の解説書を読んでいても、よく分からないところが残っている分野なので、理解して納得するまではいかないだろう。それは、きちんと数学をしないといけないのだからしかたない。それでも、物理基礎論の雰囲気に触れることは出来る。

全体としてもかなり難解で読むのは大変な本ではあるが、少なくとも理系の人には読んでみて欲しい。哲学の正統後継者としての科学の本質が現れている本なのだから。 (shibchin/2008-03-14)
個人的には進化と対称性の章が面白かったです。この本に書いてあることをすべて理解できる人はかなり優秀です。現代科学の醍醐味に触れると共に文学的科学的文章を味わうことができます。深遠なるアイデア、シンプルなんだけど応用が利く、そんなコンセプトが満載です。 (たこたこ屋/2008-09-01)
 何かいい科学の啓蒙書はないかと探していてこの本に出会った。少し敷居が高いような気がしたが、名著であるのは確かであろう。新書の本を読むぐらいならこの本を一気に読んだ方がずっとまし。科学啓蒙書系の新書10冊読むぐらいなら。 (子母原心/2006-08-28)
熱力学第2法則=エントロピー拡大の法則は、エネルギー(エントロピー)移動の方向と物質の安定性に関する法則である。重力の無い状態における、全く互いの力が働かない理想気体の分子を仮定し、分子が多数集合し十分な時間を経過すると、統計力学的に最終的にエントロピーが大きい無定形、無秩序な姿で安定すると言う、クラジュウスが数式で導き出した法則であるが、都合の良い条件とファクターを設定し、都合が悪い条件とファクターを排除して導き出した数式であり現実と大きく乖離している。
エントロピーが無限に増大する事は無い。自然界の物質のエントロピーは拡大も縮小も有限であり、ある範囲内のエントロピーで物質は安定化する。現在、熱力学第2法則は存在しないと考える人は少数であるが、将来は正しい考え方になる。宇宙のエントロピーは増大し続ける事は無い。宇宙のエントロピーはある限界まで増大し宇宙は安定化する。または宇宙のエントロピーは縮小し、ある限界まで縮小すると安定化する。
(渡辺晴彦/2009-05-30)
 著者名と訳者名を見て、迷わず手に取りました。トピックは難しそうでしたが、このお二人なら、説明の巧みさと訳文のわかりやすさは保証されているようなものですから。
 この本では、現代の科学を支えている主要な理論のうち10理論がセレクトされ、解説されています(進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術)。教科書ではないため、基本的な説明は割愛されていることが多く、この本だけから各理論の基礎を学ぼうとするのは無謀かと思いますが、非常に多くの情報が一筋の文章の中に見事に織り込まれているため、読者を引き込む力がありました。各理論がどのように積み重ねられてきたのか、あるいは、どのように紐解かれてきたのかを概観するにはまたとない一冊だと思います。また、どの理論もいまだ未完成であること、今現在も積み上げられつつあるのだということがよく分かり、学ぶ意欲を掻き立ててくれる後味のよい本でした。 (would-beエレガント/2009-05-19)
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w:15 h:20 223page
自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
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ASIN:4314010215
紀伊國屋書店(2007-02)
原著:Leslie Dendy原著:Mel Boring原著:C.B. Mordan翻訳:梶山 あゆみレスリー デンディ
売上順位:53109
¥ 1,995(中古:¥ 892)

レビュー総評点:210
モルモット科学者偉人伝 ||||||||||||||||||||||||||||||
この本に紹介されている10人の科学者たちは冗談で実験をしたわけではないことを最初に断っておく。タイトルがしゃれっぽいのでインチキ本かと思うなかれ。それぞれの科学者はいたって真面目、そしてなによりも人の命を救いたいという大望の持ち主であった。

並外れた探究心、人の役に立ちたい・・でも動物で実験するのはどうもデータが不確実。そうかと言って誰かに頼むわけにもいかない。なにしろ命を落とすかも知れない実験なのだから。ならば自分でやってしまおうと思ったとしても不思議はない。主に19世紀から20世紀に活躍した科学者、医学者の実験の内容とその結果を紹介してある。

キュリー夫人を知らない人はいまいが、彼女もまた自分の体を犠牲にしてまでラジウム研究に身を捧げた。さまざまなものを飲み込んで人体の消化のメカニズムを解明した人、ウイルスを持つ蚊に自身を吸血させて黄熱病解明の手がかりをつかんだ人(死んでしまった)、病原菌に汚染されたメスで自身を傷つけ、感染症を発症させて記録を取った医師(死んでしまった)、心臓カテーテルを自分に挿入してX線を撮った医師(のちにノーベル賞受賞)、人がどの程度のGに耐えられるかを試した者。洞窟にこもって数ヶ月すごした女性。彼らに共通して言えるのは「人を救いたい」という使命感と並外れた探究心だ。我々現代人があたりまえのように享受している医療や科学の大本にはこのような命知らずの一見無謀とも思える実験があったのだ。

たいへん読みやすく面白い本だが、くれぐれもよい子はまねしないように。 (ヤマボー/2007-04-29)
カバーに『本書は、科学と医学の分野で、動物実験をやった後で、最後に自分を「実験台」とした、過去2、3世紀の世界各地での事例の中から興味深いものを集め、原論文や様々な資料にあたりつつ再現を試みる』とある。著者はこのような研究者を「モルモット科学者」と呼ぶが、言い得て妙とはこのことだ。実験はまさに命懸けであり、命を落とした人物も少なくない。

暑さに対し人体がどのように反応するかを研究するため、人間はどのくらいの暑さまで耐えることができるのかを身をもって実験した男、消化の仕組を解明するために食べ物を木の筒や袋に詰めて丸飲みし、肛門から排泄されたものを調べ続けた科学者、熱病の原因を究明しようと自らにその菌を感染させた医学生などの物語が10章にわたって紹介されている。

バタ臭さがない訳文で、素っ気ないくらいに淡々としている。センテンスも短くスッキリとしているので読みやすい。

現代人の目から見れば滑稽とも思える実験も、その当時の研究者達にとっては科学的な真理の発見、人々の生活をより良いものにしたいという使命感に迫られたものだったに違いない。自分の体で『実験したい』というよりも『実験しなければならなかった』あるいは『実験せずにはいられなかった』のであろう。

巻末には本文で紹介しきれなかった実験の年表も収録されている。それをも併せて読むと、それらの人体実験?の成果が後世に残した功績の大きさを改めて感じてしまう。

とても興味深く読むことができた一冊だったが、それと同時に読みながら、痛みを感じたような気がしたり、肛門がムズムズしたり、呼吸が苦しくなったりと非常に忙しい一冊でもあった。
(TaroTaro/2007-03-22)
知りたい高度な知識欲 |||||||||||||||||||||||||||||||||
ただただ厳密に、誰よりも早く知りたい科学者達の喜劇の様な、悲劇の様な話です。皆、全員真面目に、人の為になる事を考えて、研究している事だけは確かだと思います。そこが、より可笑しいく、感動的です。真面目に朴訥に研究する事って、いいな、と思える本です。

先人の苦労をお涙頂戴調に苦労話に仕立てなかった雰囲気も好感が持てます。
訳もとても分かりやすいし、写真や絵のバランスもとれていると思います。

(かめ/2007-02-20)
この本は科学者が自らの命と引き換えに、さまざまな偉業を成し遂げた記録である。
もしかりに偉業にならなければ、ただの物好きで終わってしまったのかもしれない。

でも私がここから読み取ったものは、
誰にでも興味や、心奪われるものがあればこそ、人生は豊かになっていくのではないだろうかと勝手にここに載っている人達の発見する幸福感を一緒に味わったような気がした。

病気の人や、悩みがある人とか、普通なら「なぜ自分だけが」とか
とかくダークな感情に流されやすいが、
この本を読むと自分にしか出来ない事があるのではないか、自分だからこそわかる事が
あるのではないかと、ちょっと視点を変えるだけで
人生に豊かさを求められるのではないかと思える。

みんな日常的に「大好きなチョコを食べると幸せな気分」とか
「この枕だと安眠出来る」とか日々自分の体で実験しているのである。
本の方たちは素晴らしい方ばかりだが、
そんな感情も芽生えさせてくれた一冊となりました。 (つるえ/2007-11-07)
 そんなに「科学」していない、科学書。文字どおり、自分の身体で「実験」した人たちの話し。「全米科学教師会」主催の2006年度「「優れた子ども向け一般科学書に贈られる賞」を受賞しているが、そのとおり、中学生から理解可能だろう。
 「洞窟に4ヶ月入っていた女」「人は何Gまで耐えられるか」などなど。
 特に第4章「ペルーいぼ病」解明のため、患者の血液を接種した医師の話は壮絶、圧巻。
 科学者の本質を見せつけられた。 (白ケチャップ/2007-07-07)
あまりにも衝撃的な表紙の絵を見ると、内容に不真面目さがあるのではないかと疑ってしまいますが、
サブタイトル「命がけの科学者列伝」とあるように、科学的視点から非常に重要である真実の
探求のために、科学者が結果として自分を実験の被検体として用いなければならなかった状況と
その時代背景、世間からの要求、本人の欲求など様々な側面から事例検討されています。
古くは18世紀からの研究〜1980年代の話まで10例があります。驚くことに、この本に
挙げられている内容は、数ある科学者自身が実験台となった科学実験の中でも代表的なものだけであり、
その他にも数多くの検討がされていた(現代でもされている)ことがあとがきに述べられています。
動物で代用が効かず、他人へ被害を及ぼすことはできず、しかしながら自分の信念を曲げて
確認しないという選択を取らないで果敢にも自分の命を賭してまでも科学的な真実を探求した
科学者の崇高さに感動しました。
現代の数多くの科学的知見の中にも自分を実験台とした例(寄生虫を自分の体内に導入するなど)が、
奇異な例として挙げられていますが、科学者の目から見ると、真実探求のためには避けられなかった
選択であることも、すべてがそうであるとは言い切れませんが、本書を読むことにより
理解できる気がしました。 (daphnetin/2008-02-14)
評者は以前、ある薬科大学に所用で入ったことがある。マウスの塚があった。特に医学のためと称して、たくさんのマウスが実験のために命をおとしていることは、なんとなくわかっていた。ただ、薬や病気は最終的に人間が行わなければならず、誰かが必ず人体実験をやってきた。その列伝が書かれていた。本書60ページにある、ペルーいぼ病に自らかかってみて、死んでしまう人のことが非常に生々しく、印象的だった。病気にかかって弱っていく様が克明に記録されている。研究者は物事の発生から消滅までの一連の出来事をきちんと記録していく、というのが仕事なのかと再認識させられた。限界を見たい、というのがそもそものはじまりだ、ということにも気付いた。
(千葉晃/2008-02-11)
 十八世紀後半〜二十世紀にかけて、人間である自分を実験台にして危険な実験を行い、後世の研究に寄与することになった10の自己実験を紹介していく一冊。
 10の章の内容は、次のとおり(「訳者あとがき」より)

第1章 人間はどれくらい高温の空気に耐えられるのか。限界に挑んだジョージ・フォーダイスたちの物語
第2章 食べ物はどうやって消化されるのか。それを解明するため、涙ぐましい実験を続けたラザロ・スパランツァーニの物語
第3章 患者に痛みを感じさせずに抜歯や手術を行ないたい。麻酔法の発見に挑んだホレス・ウェルズとトマス・モートンの物語
第4章 ペルー特有の原因不明の熱病。その謎を少しでも解き明かそうと、自分の体に菌を感染させた若き医学生、ダニエル・カリオンの物語
第5章 黄熱病の感染の仕組みを解明すべく、自ら実験台になったジェシー・ラジアと、徹底した実験を通じて黄熱病対策の確立に貢献した黄熱病委員会の物語
第6章 ラジウムの研究を通じて放射線療法への道を開いたキュリー夫妻の物語
第7章 炭坑、海底、高山など、特殊な環境で働く人々が安全に呼吸できるようにしたい。そのために何十年も危険な空気を吸い続けたホールデーン親子の物語
第8章 自分の体で、世界で初めて心臓カテーテル法を成功させたヴェルナー・フォルスマンの物語
第9章 航空機事故などの非常時に、パイロットはどれくらいの減速の衝撃に耐えられるのか。スピードと減速Gの限界に挑戦したジョン・ポール・スタップの物語
第10章 隔離された環境下では、人間にどんな変化が生じるのか。それを調べるため、洞窟に長期間、ひとりでこもったステファニア・フォリーニの物語

 読んでて、こう、まるで自分が被験者になったような錯覚にとらわれました。胃袋がでんぐりかえる気がしたり、異常に熱っぽくなった気がしたり、凄い風圧にさらされている気がしたり・・・。異様にスリリングで、断崖絶壁に立っているような、めまいにも似た感覚を味わいましたね。物語の主役たちに感情移入しすぎたせいかな。ちょっと気分が悪くなりましたけど(汗)
 「訳者あとがき」で、<良い子はけっしてまねしないように>と書いてあったけれど、良い子じゃないけどまねなんかするもんか!って思った(キッパリ) (東の風/2008-10-16)
科学者のおさえられない、常識を越えた好奇心に圧倒される。
登場する人物の誰もが、儲けや欲とは無縁の人々。それどころか、自らの肉体を犠牲に己の好奇心を満たそうとする。好奇心は科学を発展させ、歴史に名を残す。皆が社会正義に満ちあふれているわけではない。強い好奇心が彼らを突き動かすのだ。
訳者のあとがきによれば、原著は小学生〜中学生向けとのこと。日本でも是非、この年代に読んでもらいたいものだ。
(thamryn7/2007-10-31)
 本書は、10人の自ら被験者となった科学者たちの記録である。

 人間の好奇心・探求心はとどまるところを知らない。人間は何度まで耐えられるか、人間はどのくらいの濃度の一酸化炭素まで耐えられるか、人間はどのくらいのGに耐えられるのかなどなど、人体実験ができないことを、自分の体を使って実験してみたのである。

 彼らの中には純粋に人類のためという人もいたであろうが、その多くは科学者らしい知的好奇心からだったのではないかと思う。

 それにしても、巻末にもあるようについ最近の事例まで、自分の体で実験する科学者の多いことにはびっくりする。

 死を賭してまで真実を知りたいという彼らの実験が、今の我々の今の社会に大いに役立ったことは認めたい。 (takokakuta/2007-06-09)
この世の中
「何でこんなことができるの?」
という類のものが多くある。

ちょっと考えただけでも、
・なんで飛行機ってとぶんだ?
・なんで臓器なんてものを移植できるんだ??

当然、元はできなかったものがある時点から実現している。

ライト兄弟は1903年12月17日、人類初の飛行機による有人動力飛行に成功。
臓器移植は1936年にヒト間ではじめて行われた。
いずれもそれらの実現に向け、多くの実験と失敗が繰り返されてきた。

この本は科学者たちが自分の体を使い、
命がけの実験をしてきたという記録である。

例えば「袋も骨も筒も飲み込んだ男」として、
イタリア人科学者 ラザロ・スパランツァーニが取り上げられている。
消化を研究すべく、布を飲み、木の筒を飲んだ。
自らの興味が強かっただろうが、人のためになろうという強い意志もあった。

ところ変わって、現代の政治家ってぇのはナンなんだ。
汚職、贈収賄、媚び諂い。

この本に出てくる科学者は、自らに痛みを強いて、他人を助けた。
方や今の政治家は、他人に痛みを強いて、自らを助く。
あぁ、なさけない。 (メガネメン/2008-05-18)
 ここに紹介された“自らを被験者とした実験者たち”が、自らの死と引き換えに得ようとしたものって何だろう?読み進めながら常に頭にあった疑問がそれだ。もちろん彼らは「死」自体を欲していた訳じゃなくて、どうなっちゃうのか自ら体験してみたいってことの中に、たまたま「死」ってリスクが織り込まれていた訳だけどさ。それにしたって「死」って「ひと」最大のリスクじゃん?「我思う、ゆえに我あり」ってことで言えば、物理的な自己の死ってのは一切合財のジ・エンドであってさ。ジ・エンドを超えていく何か?って、いったい何よ?
 「生きた証」「自己存在感」を社会に刻むことと引き換えとしての「死」なのか?あるいは、そんな世の中的なことじゃなくて、単純に、自己の好奇心を満たすことと引き換えとしての「死」なのか?まぁ、18世紀、19世紀、20世紀って時の流れと共に、死生観も大きく変わってきているんだろうけど、“自らの死と引き換えに出来る何か?”を得られるってのは、やっぱり凄いって思っちゃう。羨ましいかって聞かれるとちょっと躊躇しちゃうけど。
 彼らの凄さを「時代」ってことで片付けちゃいけないんだろうな。「もう今の世の中、死を賭けて知るべきことなんて無いじゃん」っていう。いつの時代でもイマジネーションこそが人間の存在証明であってさ。だから、つい1989年の「ひとりきりで洞窟にこもった女」なんかに結構しびれちゃうんだよ。他の過去事例に比べると、くだらない、スケール小さいって見方もあるかもしれないけど、後世の評価なんてわかんない訳だし(人類がみんな地下で暮らす日がやってくるかもしれない)、少なくとも、知りたい、体験したいって欲望の深さは他の事例と変わらない気がする。
 陳腐な表現だけど、この、死を賭けた実験者たちのケーススタディは、この世に生を受けたこと、生きていることの可能性を教えてくれるね。 (盥アットマーク/2007-06-17)
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買ったり読んだり004
真実ですって!!!
 
w:13 h:19 345page
世界でもっとも美しい10の数学パズル
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青土社(2006-02)
原著:Marcel Danesi翻訳:寺嶋 英志マーセル ダネージ
売上順位:225107
¥ 2,520(中古:¥ 1,470)

レビュー総評点:36
うーんわかりやすい ||||||||||||||||||
中学もまともに出ていない私でもほぼ問題なく読めました!(笑)
数学の歴史に関しても少々勉強出来ると思います。
商品の説明には数学入門と有りますが、むしろ読み物でしょう。おもしろいですよ。
同説明に記載されていませんので、本書で述べられている10のパズルを以下に列挙致しましょう。
1.スフィンクスの謎かけ
2.アルクインの「川渡りのパズル」
3.フィボナッチの「ウサギのパズル」
4.オイラーの「ケーニヒスベルクの橋」
5.ガスリーの4色問題(レビュアー注:4色地図問題)
6.リュカの「ハノイの塔のパズル」
7.ロイドの「地球から追い出せのパズル」
8.エピメニデスの「うそつきのパラドクス」
9.洛書の魔法陣
10.クレタの迷宮

皆さんも、少なくとも半分程度は耳にされたことがあるでしょう。本書を手に取るなり、google検索なりしてみれば、「ああ、これか!」となること請け合いです。
この各パズルについての数学的考察、解法が詳細に説明されています。と言っても専門書籍的な内容ではなく、記述は飽くまで平易、数式も少なく図解は多数、更に関連練習問題もてんこ盛り、簡易的ながら用語集も完備、と、この手のモノがお好きな人、万人にお勧め出来ます。訳者の技量もなかなかの物と見ました。
さすがに10項目もあれば個々の問題に関してはやや突っ込み不足の感も有りますが、それはそれ、私と致しましては文句なしの☆5つです。 (hman/2006-07-09)
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購入待ちキュー4
 
w:13 h:18 432page
最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
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草思社(2006-10-19)
翻訳:高橋 健次ジェームズ R・チャイルズ
売上順位:12331
¥ 2,415(中古:¥ 1,450)

レビュー総評点:0
クライシス時代の常識 |||||||||||||||||||||||
日本版の題名からは、事故責任追及の評論のような印象を受けるかもしれないが、本書の内容の90パーセント以上は過去の致命的な事故を物語風に述べた紹介で、一般の読者にも読みやすくなっている。採り上げられた事例は欧米を中心に約150年前から現代までの間の、近代的なシステム(マシンシステム)に発生した「最悪な」と思われる事故二十数件を採り上げている。
著者はこれらの事故の状況を紹介しつつ、事故の際にシステムがどのように作動し、それに遭遇した人々がどのように行動し、それらの人々が係わったグループ(組織)がどのように対応したか、またそれらの関連についても述べている。さらに、これらの事故に対処するため、事故に遭遇した人に期待される「知識と経験と意思」についても述べている。その意味では、本書はクライシスの時代に生きる我々にとって重要な知識と考えなければならない。
ただ、本書に採録された事故事例を材料とした著者のコメントはかなり控えめであり、強く主張されてはいない。我々は、最終章まで読み終えたら、あらためて最初のページから検証しつつ読み直し、これらの事例について、自分自身で評価、分析し結論を下してみることが必要であろう。 (近藤 盛二/2007-04-16)
多くの事故事例を記録しているので参考になる。

しかし、本当の事故原因や、真因は関係者でないと分からないかもしれない。
経営者と現場の技術者では知っている事も違い、見えるものも違う。
立場によって、真因は一つではなく、さまざまであるかもしれない。

一つのことだけを原因にしてしまうと、その担当だけががんばればよいことになる。
いろいろな仕組みで防止するようにしていれば、それだけの仕組みの関係者が努力する必要がある。
しかし、仕組みが多いと、ここでめこぼししても、あとで検査するからいいと、いろんな人が、事故を防止することができるのに、他人まかせにしていることによって、事故が再発してしまうという視点がどれだけ貫けているかが課題ではないだろうか。

事故の紹介があるが、
毎月発行される「コールバック」の紹介があるが、
個々の事故の根拠情報を示していない。

あとがきには、
shippai.jst.go.jp/fkd/Search
の紹介と、
asrs.arc.nasa.gov
がある。
また、ヒストリーチャンネルでテレビシリーズ化され、DVDとして発売とのこと。

愛知県春日井市図書館所蔵。 (kaizen/2008-02-02)
ゾッとする |||||||||||||||||||||||||||||
作者は私たちの周辺のテクノロジーを総称して「われわれのマシン」と呼んでいる。
「われわれのマシンのサイズとパワーは桁はずれに大きくなったが災害の引き金を引くには
さほど大きな力を必要としない」という一文はハイテクに守られている現代の脆さに対する
警告が込められている。
原子力発電、ジャンボジェットなどの交通、工場、スタジアムなどの様々な例が挙げられ
事故が起こるまでのプロセスが克明に記されている。
星4つにしたのは、図と本文の連動性が少し足りないと感じたから。
内容については、敬服する。
終盤に出てくる1900年にミシシッピで起こった蒸気機関車の衝突事故の原因が、あまりにも
JR西日本の事故と一致していたのには戦慄した。
本書はこれから起こることも予言していると思う。 (yukimaru/2007-01-29)
分析が詳しいと思うので星5つ ||||||||||||||||||||||||||||||||
 ニュースや新聞記事で、「なぜ、未然に防げないのだろう」と不思議に思うことが頻繁。(私の近所にニチアス工場があります。あの事件以来、本当に近寄るのが怖いです。幸い、周辺住民から肺気腫を発病された方は今現在いませんが)

 労働時間が長いせいか、注意力が散漫になり、思いがけない事故が多発中の現在。複数の目があれば防げたミスが多かったでしょうし、もし、万が一の事故でも救急処置ができたでしょう。

 この本は、19世紀から、20世紀にかけての50余りの大事故を分析し、その原因を解明したものです。少し前の事故を取り扱ってますが、根本的な要因は今と少しも変わらないようです…

 例を少し挙げると… スリーマイル島、チェルノブイリ原発事故、インドの殺虫剤工場の周辺住民7000人が死亡した、毒ガス事件。これらは全て、深夜から早朝に起きた事故だそうです。
たった一つのミスだけで「最悪の事故」にはならず、他の複数の原因があると本著で書かれています。

 また、この本は大事故の要因だけでなく、実際に事故を防げた例も掲載されています。同じ形式の旅客機事故でも、機長が機体の弱点を見抜き、事前に対策を講じていたために墜落を防げた例。強度不足の建物への対策の違いが運命を分けた例など。起こった事故との、その差を明確に示しています。

 人間は失敗をするという前提で、どんな対策を設定するべきか、この本が示唆する内容は興味深いものです。

  (まんぞう/2006-11-24)
取り上げられている事故例は本書紹介に詳しいが、
これだけ科学技術が進んだのに、
こんな悲惨な事故が後を絶たない……
ではなくて、科学技術が進んだからこそ、
よりいっそう大きな事故が増えている
と著者は説く。

複雑化したシステムと
巨大化したしたマシンパワーの世界は
著者のいうまさにマシンフロンティアと呼ぶに
ふさわしい場所に違いない。
普段、制御されていると信じ切っているものが
いったん、異常な方向に走り出すと、もう誰に求められないのだ。

どんな事故も、少しのミスから始まっている。
そのミスが想像もできない偶然と重なって大事故になっている。
確率でいえば、どんなに小さくてもそれは起こる。
それは、当たらない宝くじがないのと同じだ。
時間はかかっても、いつかは起こる。
それなのに、過去の教訓を生かせないのが私たちなのだろう。
ここに書かれた教訓の一部でも生かせたら、防げた事故も数多いと思う。
乗客106名が亡くなった尼崎脱線事故もその一つに思う。

非常に学ぶべき点が多い本書だが、
文章だけではわかりにくい点も多く、
読みやすさの点で★3とさせてもらった。
同書を元に、ディスカバリーチャンネルで
シリーズが作られたという。
本書を読む前に、こちらを観た方が理解が早いかもしれない。
(かんおおやま/2008-02-11)
過去の事故分析の視点・数量いずれも圧巻なので、技術の人間にとってはこの内容を読むだけで十分満足し、つい感動もしてしまいますが、「最悪の事故を食い止める人間」という表題の最終章において、巨大技術マシンを持つリーダーは何をしなければならないかを記しているところにこの本の真骨頂があります。日本では、受験勉強出世街道をひた走ってたどり着いたら原子炉17基を保有運転する電力会社の社長、とか大量輸送の鉄道会社の社長になっちゃったという会社員人生を送る場合もあるわけですが、そういうグループの人たちがこういう本を真摯に読んでくれることを祈りたいです。 (深田森/2007-01-24)
失敗を繰り返さないために |||||||||||||||||||||||||
我々は様々な失敗を繰り返している。手を切ったり、階段から落ちたり、計算ミスをしたりするのも失敗である。そんな数ある失敗の中でも、結果が甚大なものとなる事がたまにある。その重大な失敗を繰り返さないためには、過去の経験を詳しく知り、事故の要点を自らの頭で理解する事が必要となってくる。本書は、その一助となり得るものである。

少々訳文はつたないが、事故そのもののストーリーよりも、その背後にある要因を搾り出そうとしている姿勢は十分に伝わってくる。「多数の大惨事事例からみて、内部からの警告メモは効果を発揮しないと言える。警告メモは、誤った行為や怠慢を正すというよりは、上司を困らせる効果を持つ事の方が多い。」などの様に、実際に危機に直面したときの心構えとしても参考になるコメントが多数あり、一読の価値がある。特に大きな事故を起こし得る会社に勤めているならば、読んでみるべきである。
(希望を探して/2006-12-09)
人災 |||||||||||||||||||||||||||||||
臨場感のある、手に汗を握る、ストリーである。国内外のテレビ番組にある、事件事故特集を、ドラマチックに、掘り下げた、出色の作品だ。ひとつひとつに、深いドラマと、因果関係がある。結果的にみれば、あの時、こうしていれば、未然に防げたという事実が必ず存在する。そして、それは、日常の体制づくりなどをしておけば、間違いなく、未然に防ぐことができた、その意味にで、人災であるということを、あらためて実感させられる。 (ベンジャミン/2006-11-26)
簡単な読み物と甘く見たら、いろいろ責められ中。

現場のうっかりや怠慢ではなく、巨大な事故はそのシステムの設計段階で無理が
ビルトインされていること、緊張が走りあちこちで警報が鳴り響く中で現場の
オペレーターが「何が起こっているのか」を判断するには無理があること、多くの
ギリギリで回避された事故では、対処する人間と判断する人間と責任を取る人間が、
きっちり機能で分けられていたこと、などなど、とても示唆深い内容が、ドキュメント
仕立てで説得力を持って語られます。

自分の日々の業務も、あだやおろそかにしちゃいけませんなぁと(当たり前だが)深く
自戒しましたよ。

一人一人が、あたりまえのように会社で(自分的には生活を維持するために)普通に
与えられた業務をこなしていくことが現代社会を維持しているのだなと、直接そうは
語られなくとも、強く説得され中です。

あと、技術は、その技術を可能にした(科学)理論よりも、現場で運用するなかで蓄積
された実績の中から発展していくんだね、ということも強く実感中。
技術(システム)は、科学(システム)とは、もしかして機能的に分化しているのかも。 (kogonil_35/2007-11-23)
物は壊れる、、、 ||||||||||||||||||||||||||||||
そもそも単純に考えると全てのものが
疲弊していく。
そのなかでの対処によりどれだけの
人ゃ地域や乗り物などが危機から脱却できるのが
テーマである。

 人類は英知をよせあつめ危機と対決する様が
いろいろ分かりやすくかかれている。

悲劇はいつも隣にいるものだ 気をつけよう
 一読推薦!! (flora/2007-01-25)
テレビ用の構成手法を,そのまま書籍で使うと,とんでもないことになるという好例を,その身をもって体現しているのが本書である.
ひとつの章で,似た二つの事象を同時に扱うわけだが,
エピソード1:ABCD
エピソード2:EFGH

AEBFCGDH
として詳述しているため,読んでいるこっちはわけがわからない.

 これがテレビの映像であるなら,登場人物のコスチュームや背景小道具・画全体のカラーフィルターなどで,「時系列が違う」ことを表現できるだろうが,これは「本」である.
読者の理解を混乱させること甚だしく,最後まで読むのに,本当に苦労した.
 しかも,本書で学べることがどれだけあったかといえば,それまでより当事者への理解・知識が増えるだけのことであって,(我々にとっては)教訓たりえないものである.このことに他のレビュアーは気がついているだろうか.本書により,なんらかの教訓的知識を得たいのであれば,本書は向かないといえる.
原著の構成がそうなっているのであれば,仕方ない向きもあるだろうが,本書のせっかくの濃さが,このような形でしか書籍としてあらわせなかったのは,まさに悲劇的事故である. (東名花もみじ/2009-02-03)
世に浜の真砂が尽きるとも…事故がなくなることはないだろう。

しかし事故は防げるものだということも真実だ。多くの事故が同じような類型や過程が繰り返されているからだ。スリーマイル島原発事故のように、昔から繰り返されてきた蒸気ボイラーの圧力弁の固着と熱暴走が引き起こしたものだし、同時に、そのものの事象が目に見えず計器に頼った判断が人間の認知を固定させてしまい他の原因に思い至らないようにしてしまう(「認知をロックし固定する」)現象は、幾多の航空機事故を引き起こしてもいるという。

身のまわりや自分自身の日常の失敗にも通ずることばかりで思わず暗澹としてしまう。世の中では事故というと、自分のことは棚に上げてすぐに犯人さがしをして特異な個人の責任にしてしまうが、事故というのは日常的な人間心理や集団錯誤と隣り合わせなのだ。

豊富な事例と多岐にわたる示唆が面白い。あまりに、各種の事故が登場し、時代を超えた類似例が飛躍し交錯するので、読んでいて多少疲れる。体系的、権威的、追求的でないところが読み物として良い面でもあるが、人間ドラマや真相究明的な「事故もの」を期待する向きにはややわずらわしくもあり物足りなくもある。 (ノーツオンザロック/2008-07-02)
飛行船墜落や原発事故、毒ガス漏出や原発事故から高層ビル倒壊まで50あまりの事故を子細に紹介、誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたか、巨大事故の人的要因とメカニズム、人的・組織的原因に迫る良書。

でも結局、最悪の事故に遭遇したときに一番重要なのは「最後の最後まで諦めないことが大切」って言うのには正直苦笑したけど妙に納得w (某S氏/2008-03-19)
現代社会を支える巨大で複雑なシステムは電気的、機械的/作業面での複雑さをはじめ、
化学面(爆発、毒性)での危険性を大なり小なり備えたものが多くあります。
本書では、産業革命後に飛躍的な発達を遂げたこれらのシステムが引き起こした事故を例にとり、
詳細に事故が発生した経緯を追い、科学的に現象を解明することで、なぜ、どのような状況
(天候、時刻、土地、人員、疲労、周囲からの圧力、システムが内包する不良など)で、どのように
システムが制御の範囲を超えて事故が発生ということを、「もし、この段階でこのように
対処していたら…」という可能性も含め、深い考察がされています。
「人間の限界が起こした事故」や「事故の徴候を感じ取る能力」などのテーマに沿って各章には
多数の事故例が並びますが、上記の考察を元にそれぞれに事故を起こさないための教訓を
引き出し、私達の周りにあるシステム(例えば、自宅の乗用車)がいかにして制御不能に陥るか
(または、制御不能と感じるか)、ということを心理面から探ったりする試みもなされています。
特に注意すべきは、システムの複雑さやサイズに関わらず、事故の本質は昔から全く変わって
いるわけではない、ということです。例えば、1900年にケンタッキー州で発生した蒸気
機関車の事故は遅れを取り戻そうとして暴走した事例であり、この事例は数年前に発生した
JR福知山線の事故にも本質的に通じるものがあり、事故の本質を問うならすべての事故は
防ぐことが可能であるともいえるのではないか、ということを本書では述べていると思います。
日常、複雑なシステム無しには生きていけない時代であるからこそ、工業界に関係する人
だけではなく、複雑かつ巨大なシステムと生活を共にする現代を生きる人には一読し、参考に
していただきたい書だと思います。 (daphnetin/2008-01-08)
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人類が知っていることすべての短い歴史
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ASIN:4140811013
日本放送出版協会(2006-03)
原著:Bill Bryson翻訳:楡井 浩一ビル ブライソン
売上順位:13695
¥ 3,150(中古:¥ 1,800)

レビュー総評点:92
最高の科学史入門 ||||||||||||||||
私たち=人類がこの星に誕生するに至るまでに、この宇宙ではいったい何があったのか。科学者たちはどうやってそれを明らかにしてきたのか。ビル・ブライソンは門外漢ならではの大胆さで科学の奥座敷にドカドカと踏みいり、見て感じたとおりに「科学」という営みを描く。描きだされるのは、科学者という滑稽な人々が織りなす低俗な争いと、荘厳な知識のタペストリ。圧倒的におもしろい。
本書は科学史に軸足を置いており、科学的知識そのものの説明はかなり表層的に端折られている。これを読んで何かを「理解した」とは思えないだろう。作者自身も、最近100年の科学を「ほとんどの人が何ひとつ理解できない」と書いている。ごまかしや誤りを書き連ねるくらいなら、そもそも書かない、というのはむしろ潔い。科学的知識を学びたいのなら、アトキンスやマット・リドレーなど、科学者あるいはサイエンス・ライタによる著作に如くものはないだろう。
一方で、科学を生業としない「一般人」の目で作者が科学を見渡し、本書の内容として選び取った領域を眺めてみるのも興味深い。ぼくは生物学に携わる研究者の端くれだが、本書の後半を占める生命科学で描かれるトピックは、現代生命科学の王道とはかなりズレている。これをビル・ブライソンの偏見とみるか、それとも、生命科学という営みがボタンを掛け違えつつあるのか、考えさせられる。 (Y. Naito/2006-09-05)
分厚いですが、読みはじめたら徐々にページ数の物足りなさに感じずにはいられないはずです。

宇宙から始まって地球、地質、動物、細胞、遺伝子、人類と話しが進んでいきますが
まず100人はくだらないと思える歴史上の科学者から現存の科学者まで著名な人物は、ほぼ全員集合に圧巻されます。
子供の頃に読んでいたらもっと科学に興味を抱けかも知れません。

『ソロモンの指環』や『利己的な遺伝子』みたく覚えやすいタイトルではないので上記に比べて知名度は低いです(出版時期が新しいというのもありますが)
二つに立派に肩を並べられる名著であることには変わりません。

読んでいると
研究室や書斎に閉じこもっているのと、ひたすら外に出て観察、観測する、両方共に科学に不可欠な要素であることが
改めて再認識できたのでとても勉強になりました。
遺伝子学や宇宙物理学はサイクルが早いですから、10年に一度のペースでもいいですから改訂版を出して欲しいです。 (taki/2007-12-15)
読みやすい ||||||||
科学の進歩を大変読みやすくまとめてあって私のような文系向け。科学的な事実を理解するというよりは、人間が知識を増やしていく中で繰り広げられたやりとり(学者同士のみにくい確執も含めて)の歴史、というところです。とてもドラマチックでどんどん読み進めることができました。手元においておいて、何度でも読める本。 (ほんのムシ/2007-03-02)
分厚い本ですが、宇宙に関する全てがこの一冊にまとめられているわけで大変便利な本です。しかもユーモアに富んだエピソードが満載されているので、飽きることなく読み進められます。現時点では絶版のようですので、是非再販すべき本だと思います。 (wizard/2007-07-31)
ブライソン氏はまるっきり文系な人なのです。鋭い観察眼とユーモアセンスたっぷりの作風で知られるベストセラー作家なのです。(以前「ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー」を読んで、大笑いしました(^O^)) そんな著者が今回取り組んだのは「科学」です。
なぜ我々が存在するのか(原子は何処からやって来る? 細胞はどうやって出来た? 細胞の中で何が起きてる? 我々の祖先はいつ頃発生したのか?その時地球はどうだった? なぜ年代まで分かる? なぜ進化が起きる?...)、そしてそれらの疑問に科学(科学者)はどうアプローチしてきたかのか?著者は「科学の不思議とその精華を、専門的になりすぎず、かといって上っ面をかするだけではないレベルで、理解し、かつ堪能」する試みとして本書を書き上げました。読み応えがあり、その試みは大成功だと言って良いと思います。網羅している内容(物理、化学、生物学、地学、宇宙学...)が多岐に渡りますので、これだけの分野の本の数冊分の内容(と価格)を擁する分厚い本になっていますが、非常に読みやすいです。具体的な数の大きさ(小ささ)のイメージを vividにするために色んな比喩を持ち出す処も好感が持てます。彼特有のユーモア・センス、観察眼も楽しめます。科学が【科楽】になってます。科学ネタをふんだんに盛り込んだ「満漢全席」、知識欲が満たされてお腹いっぱいになることは請け合いますョ。(^-^) 索引も充実していて読みやすくなっています。 (ゴルゴ十三/2008-12-20)
この本は分厚く、安くはありません。
でもこんな本をできるだけ多くの人が目を通すべきだと思います。
地球や、地球の歴史のなかの人間の存在ってなんとなくどんなものなのかが分かった気がしました。
将来理科系に進もうと思っている中高生、既に理科系の職業に就いている人はもちろん、文系の人にも読みやすい文体で書かれているので、一度目を通しておいて損は無いと思います。
大げさな言い方をすれば、環境問題が取り返しのつかないレベルまで深刻化している今、今を生きるすべての人が読むべき本であると言っても過言ではないと考えます。
一つ一つの項目が結構細かく分かれているので、活字が苦手な人にもそれほど苦にならず読めると思います。 (j_s_veron/2008-08-15)
とにかく厚いのでこれ単独で読むよりも、勉強する際に副読本として興味ある分野についてさらりと押さえておくのに最適。結局、歴史であろうが科学であろうが興味をもたせるには人について知るのが一番ということをパーソナリティーにかかわるエピソード(ニュートンはお勧め)でもって教えてくれます。

そして限界点として宇宙、生命の誕生、統一理論といったところを平易な文章でもって神秘論に逃げることなく、手堅く押さえて科学の最前線についてを知る楽しみもさらっと教えてくれるところが憎いです。 (遊鬱/2006-03-31)
アメリカのジャーナリストが一念発起して書き上げた現代科学のかなり分厚い解説書。内容はたいへん読みやすく理解しやすい。本書のように広い分野にわたる本を読むと、自分がこれまでまったく関与してこなかった領域で「おっ・・・」という発見が必ずある。現代科学の最良の入門書のひとつである。 (Krokodil Gena/2009-02-14)
久々に読み応えのある本でした。私たちがなぜ誕生し、生きているのか、なんていう、普段はあまり考えたことのないようなことを
じっくり考えさせてくれます。 (クリエイティブFMKTG田作健一/2006-05-17)
おごるなかれ |||||||||||||||||
 宇宙の誕生から始まって、地球の成り立ち、生命の誕生と進化、人類誕生まで最新の研究の成果が解説されている。知れば知るほど知らないことの多さを教えられるのだが、それ以上に功名心に駆られた学者が研究に没頭するよりいかに他人の手柄を横取りすることに心血を注いでいたのかがよくわかる。
 
 宇宙、地球、生命は素晴らしいのに、人類史と同様に科学史にも醜悪さが目立つのはとても残念だ。 (渡辺 隆/2006-06-25)
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E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」
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ASIN:4152086491
早川書房(2005-06-23)
翻訳:伊藤 文英翻訳:高橋 知子翻訳:吉田 三知世ディヴィッド・ボダニス
売上順位:102361
¥ 1,995(中古:¥ 698)

レビュー総評点:48
相対性理論の説明ではありません。
アインシュタインの話でもありません。
E=mc2の生い立ちに関する、
エネルギー(E)、質量(m)、光速(c)、2乗、イコール(=)
それぞれに関する逸話。
それに、ドイツのハイゼルベルグとマンハッタン計画のアメリカ
の戦い...
哀しいかな、この方程式の初めての成果は原爆という形になって
しまいましたが、それでも物理と数学がこの世に齎す効果の大きさ
を理解するには凄すぎる内容です。
ちなみに私は、ノルウェーの重水工場爆破の資料を長年求めてきま
したが、この本に載っているとはまさか思わなかったですよ。 (まげ店長/2005-07-29)
エキサインティング! |||||||||||||||||
E=mc2というのは科学式の代名詞のようによく出てくる。
しかし、この式にいったいどんな意味があるのか・・・・。
と聞かれると答えられない人はかなり多いのではないか。
そんな人におすすめのこの一冊。
E(エネルギー)、m(質量)、c(光速)の二乗を
ラボアジェ、ファラデーなど科学史上の有名人たちの意外な素顔とからませながら
わかりやすく説明し、式の意味を解き明かしていく。
教科書などにでてくる科学者の紹介は無味乾燥だが、
実はこんなに面白いエピソードが満載じゃん!?とびっくりな一冊。
科学の好き嫌いを問わず、すべての人におすすめである。 (mitsumata/2005-08-09)
本書には、竹内薫「99.9パーセントは仮説」とうい書の参考文献で知りました。科学に疎い方は、概説的入門書よりもこのような或るテーマに沿って物語になっている本書はとてもお勧めです。

方程式に関する、まさに伝記です。理論的な解説などではなく、楽しんで読めるでしょう。科学史としても絶妙です。この方程式を知ると、すべての物質のエネルギーのすさまじさに気付くでしょう。又、科学が如何に宗教と関わっていたのかが分かって驚くでしょう。物理学とは、ある側面では「神」を証明せんがために発展したのです。

因みに、本書では約100項を割いて注や参考文献を挙げています。本書に注いだ熱意が伝わってきます。しかし、参考文献はすべて洋書です・・・。

お勧めです。 (或る平和的市民/2006-03-14)
 物理など理系本とは程遠い読書をしてきた自分にとって、薦められて読んだこの本はある程度の冒険、もしかしたら途中で挫折か?などと思っていたけれど、どうしてどうして、この本、読ませる読ませる。
 詳しい内容はもちろん完全に理解できるものではないけれど、ここまで読ませるのは、この著者の話のすすめ方のうまさにあるんでしょう。E=mc2を中心に何か壮大な物語を読んでいるよう。自分では想像し難い話ばかりでしたが、世界のみならず宇宙の秘密をこの短い式で覗いているような感覚。
 感覚でE=mc2を知った気になるのはいいのか悪いのか分かりませんが、この本、大いに楽しめました。 (tambor/2005-09-24)
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数理
読みたい本
広く薄く2
 
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人間はどこまで耐えられるのか
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河出書房新社(2002-05)
原著:Frances Ashcroft翻訳:矢羽野 薫フランセス アッシュクロフト
売上順位:15055
¥ 2,310(中古:¥ 190)

レビュー総評点:63
 なんといってもタイトルがいい。原題は「Life at the Extremes」、副題なのかは分からないが本の表紙には「The Science of Survival」
ともある。まさに”サバイバルの科学”である。
 科学という言葉にひるむ必要はない。数学や化学が大の苦手で、暑いのも寒いのも嫌いで、山登りなどする体力もなければ度胸もない(高所恐怖症である)くせに、数年前の「~飲んで、宇宙へ行こう!」という清涼飲料水のCMには図々しくも「ひょっとして....」などと密かな野望を抱いてしまったわたしにもこの本は十分楽しめたし、逆に登山もスキューバダイビングも朝飯前、バンジージャンプもどんと来い、というあなたにも、宇宙飛行士への憧れを少しでも持ったことのあるあなたにも、この本は必読の一冊となること請合いである。
 
 それにしても考えさせられるのは、現在わたしたちが当たり前に甘受している日々の快適な生活は、多くの科学者たちの奇行とも言える、自らの体を実験台にして得られた研究の成果や、宇宙開発に代表されるような少なからぬ貴重な犠牲のもとに成り立っている、ということだ。このことは、以前にも寄生虫博士こと、藤田紘一郎氏の著書を読んだ時にも強く感じた。普段はなかなか実感できないだけに、こういった本の存在はとても貴重だと思う。そして将来なんらかの緊急事態に陥った時、この本を読んだ人と読まなかった人では、生死を分けることになる...かも知れない。
  (月柊/2002-10-28)
めちゃくちゃ寒かったり、ぶっ倒れそうになるほど暑かったり、という極限状態で人間はいったいどうなってしまうのか? というユニークなテーマ設定で書かれたやさしい生理学の本である。身近な生理現象も解説してくれていて、自分という人間はなんて精巧に作られているのだろうと感心し、「ぼくのからだよ、ありがとう」と感謝の気持ちでいっぱいになる。例えば、なぜ冬になると吐く息が白くなるのか、頬が赤く染まるとなぜ熱を感じるのかetc.(答えは読んでのお楽しみ!)人間以外にも驚異の環境適応能力を持つ動物や細菌など、様々な生物の不思議が紹介されており、とても興味深い。生理学的見地にのっとったダイエットの方法まで言及されていて、明日から実践してみたいと思う。 (竹の梯子/2004-02-10)
 タイトル、目次、本文からとても魅力的に思え、読み進めていった。
生理学の学者の先生が書かれ、一般の読者向けに書かれた本書は親しみ易く、どこかな硬派な科学エッセーといった趣があった。科学が苦手な私に、極限の人間、生物の生理学的機能について興味深く、謎を明かしてくれた。
 面白かったのは第3章「どのくらいの暑さに耐えられるのか」では「アフリカ人が手足が長いわけ」
 「背が高いほど、より効率的に熱を放出できる。また、汗を十分にかける表面積がありながら皮下脂肪が少なければ、体の奥の組織から伝導によって放出される熱の量も増える。~中略~ 動物も、体の表面積を増やして効率よく熱を放出できるように進化してきた。(本文はつづく)」
と「人間の体の大きさが気温と!関係がある」ことがどうしてか理解できたことがまた楽しい。
 また「宇宙では生きていけるのか」の第6章で、「無重力状態」の項も印象深い。「無重力状態では、体液の循環に大きな影響が及ぼされ、体液は上半身に移動していく。頬がむくみ、首と顔の血管がくっきりと浮き出て、鼻はつまって嗅覚と味覚がなくなる」とのことだ。また、「微重力状態では、生成される赤血球の数が著しく減り、それはホルモンが関わっている」など生理学の専門的な知識も語られ、読み進めていっても気になり何度も読み進めながら、後戻りしたりと2~3回は少なくても繰り返し読みたい箇所が多い。
 生物、人間の体の仕組みで知らないことはまだまだ多く、それを知ることは楽しいと思えた本でした。 (すみん/2003-05-18)
 人間の生命能力。限界を科学的に述べ、効果的なサバイバル技術に
ついて述べている。知識としてみにつけても約にたつわけではない。
しかし、読後の人間の能力にたいして感慨深い余韻に浸れるだろう。
 高級な娯楽書 (/2003-01-23)
人間は寒さ熱さその他様々なプレッシャーにどこまで耐えられるかをたんたんと解説してくれています。使いようのない知識の羅列なのですが、楽しめます。もし自分が砂漠に置いてきぼりを食らったときにはこの本の知識を活かして生き抜ければと思いました。いやホント。 (/2002-08-04)
 その名のとおり「人間はあらゆる物理的条件にどこまで耐えられるのか」という究極のサバイバル・ブック。女性生理学者による極めて科学的なサイエンス読本だ。さまざまなケース・スタディが紹介されていて、それはそれで興味深い。
 ヒトって意外にガマン強い動物? (白ケチャップ/2006-08-02)
この本は題名そのままに人間の限界を書いているのでそれだけでもおもしろい。著者はたいへんユニークな人のようで自らもその限界に挑戦している。原作がいいのか訳がいいのかはわからないが、ノンフィクションなのにロマンチックだと感じるほど、文章表現も素晴らしかった。久々にパーフェクトな本に出会った。装丁も渋くて私好みです。 (yucca/2005-03-27)
この本読んでダイビングを始めたくなった。低酸素でハイになりたくて。ははは・・・。著者ご本人がいろいろお試しになっているところもステキです。 (wacko/2005-02-19)
「人間は弱い生き物だ」という人もいるが、この本を読んで欲しい。この本は、ある意味、自己啓発本だと思う。人間がこんなにも過酷な状況に耐えうるなら、私は現状この程度の大変さで弱音をはくなんておかしい、とハッとする。何か辛いことがあった人、ピンチに直面している人は読むべきでしょう。なんて自分は小さな壁にヒーヒー言ってるんだ・・・負けてられない!と奮起したくなるはずです。面白い企画ですね、この本。 (ちぃ/2008-08-25)
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w:13 h:19 308page
不思議な数eの物語
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ASIN:4000059432
岩波書店(1999-09)
翻訳:伊理 由美E.マオール
売上順位:130926
¥ 3,150

レビュー総評点:131
すごくいい本です。 |||||||||||||||||||||||||||||||
自然対数の底eをめぐるストーリーをたどることによって、対数、指数、多項式方程式、微積分、三角関数、複素数など、文系の人間にはとっつきにくい数学のアイテムの数々が、なぜ発明され、どのように必要なのかを、とても明快なレトリックで解説してくれる本。この1冊だけで数学的教養が深まったような感覚を味わえて気分がよい。読んで良かった。 (amam5/2003-06-13)
eを中心とした数学史 |||||||||||||||||||||||||||||||||||
円周率πについては小学生でも意味を理解できますが、もうひとつの無理数の代表格eについては、πのように簡単な図形に関連しているわけではないので、一般の人にはなかなかなじみのないものでしょう。
理数系の人にはeはよく理解されていますが、複利計算に出てくることを知れば、おカネの増え方に関連しますので、興味の沸く人もいるかも知れませんね。
これ以上神秘的なものはないと思える公式は、e、π、i、0、1、という5つの数を簡潔に結びつけたものですが、それ以外にも不思議な数eにまつわるエピソードが満載です。数学的記述が多いので、基礎がない人には読みづらいかも知れませんが、それを補って余りある歴史的な事柄を綴っており、歴史書としても十分読み応えのあるものと思います。 (加納 裕/2003-04-05)
寄り道が楽しい本でした |||||||||||||||||||||
 寄り道しながら、eにまつわる話を読み進めていくと、π(パイ:円周率)、φ(ファイ:黄金比)の書物と同じく、数学の歴史、数学者のチャレンジの歴史の再学習になりました。
 寄り道の先の一つが”計算尺”。子供の頃の文具店の店頭のショーケースには高級計算尺が誇らしそうに飾られていました。しかし、私が使い方を知る前にあっという間に電卓に置き換えられていきました。17世紀に対数という概念が発見(?)されて間もなく対数目盛の定規を組み合わせて作られた計算尺が発明されたそうです。20世紀に今風の電子計算機が普及するまで4世紀にわたって科学/技術にとって不可欠のアナログ計算機として使われていたわけです。読み進める途中でたまらなく計算尺を実際に使ってみたくなり、ネットを使って探しましたが、もはや線形の計算尺は全て生産中止になっており、老舗文具店の店頭在庫も底をついてしまったあとでした。ようやく手にいれたのは、円形の計算尺。これはまだ細々と生産されているようです。いずれ、これも買う人が途絶え、思考テクニックの歴史の一つが消えていってしまうのでしょう。
 さて、eの認知が”極限”という概念を生み、それが微積分を育て、複素関数論につながっていく物語は、人間の認知の拡大の歴史そのものです。この歴史的流れの中でものを考えると、学生時代には理解しづらかったことのいくつかが氷解するように直感に訴えてきました。 (jimmy/2007-01-21)
 著者は、ペートル・ペックマンの「πの歴史」を念頭において、本書を著したようです。つまり、「π」のように「e」を語った数学教養書は無かった…
 しかし、結論から言って、本書はかなり数学的に難しいです。
 もちろん、数式やグラフの部分を適当に読み飛ばしても、それなりに得るところはありますが、脂ののったおいしい身の部分はそのまんま、というもったいない感じがします。
 各章の終わりに、囲み記事がありますが、バッハとベルヌーイの、歴史的には無かったと思われる仮構の会見が、(初心者には、数学的にはピンと来ない部分もありましたが)特に面白かったです。
 事前に、微分積分、指数対数、三角関数などについて、それなりに勉強してから本書に当たったほうが、手ぶらでぶつかるよりも良いと感じました。 (柴風/2008-10-16)
e(ネイピア数、自然対数の底)の歴史の周囲の数学の発展についての書である。πほど有名でないからか、それほど華やかではなく、まあ、毎日寝る前に淡々と読んだ。e は微分積分と分ちがたく結びついている。本書も微分積分の歴史、ニュートンとライプニッツの確執やら、ニュートン流とライプニッツ流の微分記号の話なども、大きな部分を占めている。エピソードとしてもベルヌーイというのが、数学一家であったとか、それなりに楽しめた。でも、どこと言って盛り上がりがあるわけでもなく、淡々と読んでおしまい。 (shibchin/2008-03-27)
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